JP2011137492A - ベルト式無段変速機用プーリーの製造方法 - Google Patents

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智 金子
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Takeshi Kubota
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Abstract

【課題】油保持性の向上を図ることができ、耐摩耗性が向上したベルト式CVTプーリーを再現性よく製造することができ、しかも、工程の簡略化、コストの低廉化を図ることができるベルト式無段変速機用プーリーの製造方法を提供する。
【解決手段】接触面の形状を形成する研削工程と、形成された前記接触面の表面粗さを粗くすることにより、接触面に溝部を形成する溝部形成工程と、前記溝部が形成された前記接触面の表面をラップフィルムにて研磨して潤滑油を保持させるための油溝を残す接触面研磨工程とを有し、前記接触面の表面粗さは、最大高さ粗さRzが4μm以下、粗さ曲線要素の平均長さRSmが30〜60μm、粗さ曲線のスキューネスRskが−2.7〜−0.6(無単位)、突出山部高さRpkが0.09μm以下、突出谷部深さRvkが0.4〜1.3μmである。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば自動車等の変速機として使用されるベルト式無段変速機に用いられるプーリー(ベルト式無段変速機用プーリー)の製造方法に関する。
ベルト式無段階変速機(以下、ベルト式CVTと記す)用のプーリーにおいて、ベルトと摺動する摺動面の表面性状を規定した先行技術として、例えば特許文献1が知られている。
この特許文献1では、プーリーを構成する素材の鋼として、JISG4053に規定されているクロム鋼、または、クロムモリブデン鋼を用い、摺動面を、その表面に内部よりも高硬度の硬化層を有すると共に、表面粗さRzが1.4〜6.3μmであり、且つ、JISB0671に規定されている突出山部高さRpkとの突出谷部深さRvkの比であるRpk/Rvkが0.75未満を満たす表面性状を有することが記載されている。
この表面性状によれば、耐摩耗性に優れたCVT用プーリーを得ることができるとしている。
特開2007−262470号公報
ところで、摺動面の耐摩耗性を向上させるには、摺動面での油保持性(潤滑油の保持能力)を向上させることが重要となってくる。このことは、特許文献1にも記載されており、特許文献1では、摺動面の表面性状を、表面粗さRz、突出山部高さPpk、突出谷部深さPvkに基づいて規定しており、特に、突出谷部深さPvkが突出山部高さPpkよりも大きいことが好ましいことが記載されている。
しかし、突出谷深さが突出山高さよりも大きくても、突出谷の形状が先鋭的な形状であると潤滑油が入り難くなり、反対に、突出谷の幅が突出山の幅よりも大きすぎると、突出谷に入り込んだ潤滑油が漏れ易くなり、潤滑油を保持することが困難になるおそれがあり、好ましい油保持性を有するプーリーをいつも製造できるとは限らない。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、油保持性の向上を図ることができ、耐摩耗性が向上したベルト式CVTプーリーを再現性よく製造することができ、しかも、工程の簡略化、コストの低廉化を図ることができるベルト式無段変速機用プーリーの製造方法を提供することを目的とする。
[1] 第1の本発明に係るベルト式無段変速機用プーリーの製造方法は、ベルト式無段変速機用プーリーにおけるエレメントとの接触面を機械加工にて形成するベルト式無段変速機用プーリーの製造方法において、前記接触面の形状を形成する研削工程と、形成された前記接触面の表面粗さを粗くすることにより、接触面に溝部を形成する溝部形成工程と、前記溝部が形成された前記接触面の表面をラップフィルムにて研磨して潤滑油を保持させるための油溝を残す接触面研磨工程とを有し、前記接触面の表面粗さは、最大高さ粗さRzが4μm以下、粗さ曲線要素の平均長さRSmが30〜60μm、粗さ曲線のスキューネスRskが−2.7〜−0.6(無単位)、突出山部高さRpkが0.09μm以下、突出谷部深さRvkが0.4〜1.3μmであることを特徴とする。
これにより、油保持性を向上させることが可能となり、耐摩耗性が向上したベルト式CVTプーリー10を再現性よく製造することができる。
[2] 第2の本発明に係るベルト式無段変速機用プーリーの製造方法は、ベルト式無段変速機用プーリーにおけるエレメントとの接触面を機械加工にて形成するベルト式無段変速機用プーリーの製造方法において、前記接触面の形状を形成する研削と、前記接触面の表面粗さを粗くする処理を同時に行って、接触面に溝部を形成する溝部形成工程と、前記溝部が形成された前記接触面の表面をラップフィルムにて研磨して潤滑油を保持させるための油溝を残す接触面研磨工程とを有し、前記接触面の表面粗さは、最大高さ粗さRzが4μm以下、粗さ曲線要素の平均長さRSmが30〜60μm、粗さ曲線のスキューネスRskが−2.7〜−0.6(無単位)、突出山部高さRpkが0.09μm以下、突出谷部深さRvkが0.4〜1.3μmであることを特徴とする。
これにより、油保持性を向上させることが可能となり、耐摩耗性が向上したベルト式CVTプーリーを再現性よく製造することができる。また、工程の簡略化、コストの低廉化を図ることができる。
以上説明したように、本発明に係るベルト式無段変速機用プーリーの製造方法によれば、油保持性の向上を図ることができ、耐摩耗性が向上したベルト式CVTプーリーを再現性よく製造することができ、しかも、工程の簡略化、コストの低廉化を図ることができる。
本実施の形態に係るベルト式CVT用プーリーの製造方法にて製造されるベルト式CVT用プーリーを金属ベルトと共に示す一部省略断面図である。 金属ベルトを一部省略して示す斜視図である。 ベルト式CVT用プーリーの製造方法(第1方法)を示す工程ブロック図である。 粗さ曲線要素の平均長さRSmを説明するための図である。 図5A及び図5Bは粗さ曲線のスキューネスRskを説明するための図である。 突出山部高さRpk及び突出谷部深さRvkを説明するための図である。 ベルト式CVT用プーリーの製造方法(第2方法)を示す工程ブロック図である。
以下、本発明に係るベルト式CVT用プーリーの製造方法の実施の形態例を図1〜図7を参照しながら説明する。なお、本明細書において「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味として使用される。
先ず、本実施の形態に係るベルト式CVT用プーリーの製造方法(以下、製造方法と記す)にて製造されるベルト式CVT用プーリー(以下、単にプーリー10と記す)は、図1に示すように、金属ベルト12が巻き掛けられた状態で使用される。金属ベルト12は、図2に示すように、左右一対の金属リング集合体14に多数の金属エレメント16を支持したもので、各々の金属リング集合体14は複数枚の金属リング18を積層して構成される。各金属エレメント16の左右方向両端部には、プーリー10(図1参照)の内壁面(接触面10a)に当接可能な一対のプーリー当接面16aが形成される。
そして、本実施の形態に係る製造方法の第1方法は、図3に示すように、プーリー10の接触面10aの形状を形成する研削工程(ステップS1)と、形成された接触面10aの表面粗さを粗くすることにより、接触面10aに溝部を形成する溝部形成工程(ステップS2)と、溝部が形成された接触面10aの表面をラップフィルムにて研磨して潤滑油を保持させるための油溝を残す接触面研磨工程(ステップS3)とを有する。
ステップS3での処理を終えた接触面10aの表面粗さは、最大高さ粗さRzが4μm以下、粗さ曲線要素の平均長さRSmが30〜60μm、粗さ曲線のスキューネスRskが−2.7〜−0.6(無単位)、突出山部高さRpkが0.09μm以下、突出谷部深さRvk(μm)が0.4〜1.3μmである。
ここで、表面粗さの上述のパラメータについて図4〜図6も参照しながら説明する。
先ず、接触面10a上を触針を移動させ、触針先端部の中心の軌跡を測定して測定曲線を取得する。測定曲線をA/D変換して、測定断面曲線(測定曲線を量子化したデータ)とする。この選定断面曲線に、カットオフ値λsの低域フィルタをかけて触針歪やノイズが除去された断面曲線を得る。さらに、この断面曲線にカットオフ値λcの高域フィルタをかけて粗さ曲線を得る。
そして、最大高さ粗さRzは、粗さ曲線の最大高さであって、JIS B 0633 2001(ISO 4288:1996)に基づいて設定した基準長さLrにおける粗さ曲線の最大山部高さ(絶対値)と最大谷部深さ(絶対値)の和である。
粗さ曲線要素の平均長さRSmは、図4に示すように、基準長さLrに含まれる粗さ曲線要素(山部と谷部の組み合わせ)の長さの平均であり、以下の演算式(1)にて求められる。
Figure 2011137492
この平均長さRSmは、60μmを超えると、粗さ曲線要素のピッチが大き過ぎるため、潤滑油が漏れ易くなり、油保持性が低下する。反対に、30μm未満だと、潤滑油を保持できるような深い突出谷部を形成できないという問題がある。
粗さ曲線のスキューネスRskは、二乗平均平方根高さRqの三乗によって無次元化した基準長さにおけるZ(x)の三乗平均を表したものであって、以下の演算式(2)にて求められる。
Figure 2011137492
すなわち、図5A及び図5Bに示すように、単位長さ当たりの山部の面積をAa、谷部の面積をAbとしたとき、図5Aでは、山部の面積Aaが谷部の面積Abよりも小さいことから、確率密度分布のピークが中心よりも右側に位置し、スキューネスRskは正(>0)となる。反対に図5Bでは、山部の面積Aaが谷部の面積Abよりも大きいことから、確率密度分布のピークが中心よりも左側に位置し、スキューネスRskは負(<0)となる。なお、確率密度分布が正規分布のとき、スキューネスRskは0となる。つまり、スキューネスRskは、山部と谷部の対称性をみたものであり、潤滑油の保持能力を確認する上で有効なパラメータであり、一般に、研削によって接触面10aを処理すると、スキューネスRskは負になるが、この負の傾向をなるべく小さくすることで、潤滑油の保持能力を向上させることができる。スキューネスRskが正になると、山部の先端が先鋭的な形状となり、谷部の幅が大きくなることから、潤滑油が漏れ易くなり、油保持性が低下する。なお、スキューネスRskは、−2.7よりも小さく(絶対値が2.7より大きく)てもプーリー10として機能するが、油保持性を考慮すると、下限値は−2.7が好ましい。
さらに、本実施の形態では、断面曲線から接触面10aの平滑化粗さ曲線(図6参照)を得るようにしている。平滑化粗さ曲線は、プラトー構造表面の潤滑性評価パラメータ(突出山部高さRpk、突出谷部深さRvk)を求めるために使用される。
平滑化粗さ曲線は、以下のようなフィルタ処理にて得られる。すなわち、上述した断面曲線に位相補償フィルタでフィルタ処理して第1平均線を算出し、この第1平均線からDC部分を除去して第2平均線を算出し、この第2平均線に位相補償フィルタでフィルタ処理して第3平均線を算出し、そして、断面曲線から第3平均線を差し引くことで、平滑化粗さ曲線が得られる。
得られた平滑化粗さ曲線のうち、図6に示すように、評価長さLnに対応した平滑化粗さ曲線に対する切断線を上端から下端に移動させながら山部の幅を合計していくことで、負荷曲線を作成し、この負荷曲線に対して、40%長の等価直線を引き、この等価直線と0%の縦線との交点をコア部の上側レベルとし、等価直線と100%の縦線との交点をコア部の下側レベルとする。評価長さLnは、通常、基準長さLrの5倍の長さを有する。
そして、負荷曲線のうち、その頂点とコア部の上側レベルとで囲まれた面積を、三角形に等価させたときの面積(等価三角形面積A1)を求め、該等価三角形の高さを突出山部高さRpkとする。また、100%の縦線とコア部の下側レベルと負荷曲線とで囲まれた面積を、三角形に等価させたときの面積(等価三角形面積A2)を求め、該等価三角形の高さを突出谷部高さRvkとする。
この第1方法では、例えばステップS1において、切削工具を用いて研削加工を施した後、ステップS2において、突出谷部深さRvkに影響を与えないように、ラップ剤(加工液に砥粒が混合した材料)にて研磨し(粗ラップ加工)、その後、ステップS3において、ラップフィルムにて仕上げラップ加工を行う方法が挙げられる。
この第1方法においては、最大高さ粗さRzを4μm以下、突出山部高さRpkを0.09μm以下、突出谷部深さRvkを0.4〜1.3μmに規定することに加えて、粗さ曲線要素の平均長さRSmを30〜60μm、粗さ曲線のスキューネスRskを−2.7〜−0.6(無単位)としたので、油保持性を向上させることが可能となり、耐摩耗性が向上したベルト式CVTプーリー10を再現性よく製造することができる。
次に、本実施の形態に係る製造方法の第2方法は、図7に示すように、プーリー10の接触面10aの形状を形成する研削処理を行いつつ、形成過程にある接触面10aの表面粗さを粗くすることにより、接触面10aに溝部を形成する溝部研削工程(ステップS101)と、溝部が形成された接触面10aの表面をラップフィルムにて研磨して潤滑油を保持させるための油溝を残す接触面研磨工程(ステップS102)とを有する。
この第2方法においても、ステップS102での処理を終えた接触面10aの表面粗さは、最大高さ粗さRzが4μm以下、粗さ曲線要素の平均長さRSmが30〜60μm、粗さ曲線のスキューネスRskが−2.7〜−0.6(無単位)、突出山部高さRpkが0.09μm以下、突出谷部深さRvk(μm)が0.4〜1.3μmである。
この第2方法では、例えばステップS101において、平面研削盤を使用して、深溝成形と同時に表面の面性状を調整しながら研削加工(溝研削)を施し、その後、ステップS102において、ラップフィルムにて仕上げラップ加工を行う方法が挙げられる。
この第2方法においては、上述した第1方法と同様に、最大高さ粗さRzを4μm以下、突出山部高さRpkを0.09μm以下、突出谷部深さRvkを0.4〜1.3μmに規定することに加えて、粗さ曲線要素の平均長さRSmを30〜60μm、粗さ曲線のスキューネスRskを−2.7〜−0.6(無単位)としたので、油保持性を向上させることが可能となり、耐摩耗性が向上したベルト式CVTプーリーを再現性よく製造することができる。
特に、この第2方法では、溝部研削工程(ステップS101)において、プーリー10の接触面10aの形状を形成する研削処理を行いつつ、形成過程にある接触面10aの表面粗さを粗くすることにより、接触面10aに溝部を形成するようにしたので、工程の簡略化、コストの低廉化を図ることができる。
次に、実施例1〜6、比較例1〜10について、プーリー10の接触面10aを表面加工して、各接触面10aの磨耗量を測定して評価した。
[素材、炭素濃度]
先ず、実施例1〜6、比較例1〜10の素材、並びに表層の炭素濃度は、後述する表1の通りである。
[表面加工方法]
接触面10aの表面加工は以下のようにして行った(表1参照)。
すなわち、比較例1〜3、9及び10は、表面加工方法として、切削工具を用いて研削加工を施した。
実施例1〜3、比較例4〜8は、表面加工方法として、切削工具を用いて研削加工を施した後、突出谷部深さに影響を与えないように、ラップ剤(加工液に砥粒が混合した材料)にて研磨し(粗ラップ加工)、その後、ラップフィルムにて仕上げラップ加工を行った。
実施例4〜6は、表面加工方法として、平面研削盤を使用して、深溝成形と同時に表面の面性状を調整しながら研削加工(溝研削)を施した後、ラップフィルムにて仕上げラップ加工を行った。
Figure 2011137492
[表面粗さ]
実施例1〜6、比較例1〜10の表面硬度(HRc)、最大高さ粗さRz(μm)、粗さ曲線要素の平均長さRSm(μm)、粗さ曲線のスキューネスRsk(無単位)、突出山部高さRpk(μm)、突出谷部深さRvk(μm)は、下記表2の通りである。
Figure 2011137492
[評価]
得られた実施例1〜6、比較例1〜10について、特許文献1と同様の手法で摩耗試験を行い、耐摩耗性を評価した。
すなわち、摩耗試験は、各試料を組み付けた上述の構造のベルト式CVT1を、入力トルクを任意に変えられる設備に取り付けて行った。
上記ベルト式CVT1のベルト3の巻きかけ位置を、変速比が最大(γmax)となり、アンダードライブ側に固定した条件とすることにより、プライマリプーリー(プーリー10)に入力するトルク、接触面10aと金属ベルト12とのベルト狭圧を実際に使用する際の最も厳しい条件となるようにして、摩擦試験を行った。
具体的な条件は、プライマリプーリー(プーリー10)への入力トルクTin=200Nmの仕様のベルト式CVTに、プライマリプーリー(プーリー10)への入力トルクTin=300Nm、プライマリプーリー(プーリー10)への入力回転数Nin=3000rpm、γmax固定、油温150℃の環境下で17時間運転し、運転後のプーリー10の接触面10aの摩耗量を測定するという条件とした。
摩耗量が10μm以下の場合を合格とし、10μmを超える場合を不合格とした。結果を上記表2に合わせて示す。
表2から、比較例1〜10では、いずれも磨耗量が10μmを超えており、評価は不合格であった。一方、実施例1〜6は、いずれも磨耗量が10μm以下であり、合格であった。このことから、最大高さ粗さRzが4μm以下、粗さ曲線要素の平均長さRSmが30〜60μm、粗さ曲線のスキューネスRskが−2.7〜−0.6(無単位)、突出山部高さRpkが0.09μm以下、突出谷部深さRvk(μm)が0.4〜1.3μmの数値範囲にすることで、磨耗量を10μm以下にすることができ、好ましい結果が得られていることがわかる。実施例1〜6のうち、実施例4〜6では、溝部研削工程(溝研削)と接触面研磨工程(仕上げラップ)で済ますことができるため、実施例1〜3(研削工程、溝部形成工程、接触面研磨工程)と比して工程数を減らすことができ、工程の簡略化、コストの低廉化を図ることができる。
なお、本発明に係るベルト式無段変速機用プーリーの製造方法は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
10…プーリー 10a…接触面
12…金属ベルト

Claims (2)

  1. ベルト式無段変速機用プーリーにおけるエレメントとの接触面を機械加工にて形成するベルト式無段変速機用プーリーの製造方法において、
    前記接触面の形状を形成する研削工程と、
    形成された前記接触面の表面粗さを粗くすることにより、接触面に溝部を形成する溝部形成工程と、
    前記溝部が形成された前記接触面の表面をラップフィルムにて研磨して潤滑油を保持させるための油溝を残す接触面研磨工程とを有し、
    前記接触面の表面粗さは、
    最大高さ粗さRzが4μm以下、粗さ曲線要素の平均長さRSmが30〜60μm、粗さ曲線のスキューネスRskが−2.7〜−0.6(無単位)、突出山部高さRpkが0.09μm以下、突出谷部深さRvkが0.4〜1.3μmであることを特徴とするベルト式無段変速機用プーリーの製造方法。
  2. ベルト式無段変速機用プーリーにおけるエレメントとの接触面を機械加工にて形成するベルト式無段変速機用プーリーの製造方法において、
    前記接触面の形状を形成する研削と、前記接触面の表面粗さを粗くする処理を同時に行って、接触面に溝部を形成する溝部形成工程と、
    前記溝部が形成された前記接触面の表面をラップフィルムにて研磨して潤滑油を保持させるための油溝を残す接触面研磨工程とを有し、
    前記接触面の表面粗さは、
    最大高さ粗さRzが4μm以下、粗さ曲線要素の平均長さRSmが30〜60μm、粗さ曲線のスキューネスRskが−2.7〜−0.6(無単位)、突出山部高さRpkが0.09μm以下、突出谷部深さRvkが0.4〜1.3μmであることを特徴とするベルト式無段変速機用プーリーの製造方法。
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