JP2016069777A - 湿紙搬送ベルト、抄紙システム、抄紙方法および湿紙搬送ベルトの製造方法 - Google Patents

湿紙搬送ベルト、抄紙システム、抄紙方法および湿紙搬送ベルトの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 プレスパートにおける湿紙の紙盗られが防止され、湿紙搬送性に優れた湿紙搬送ベルト、該湿紙搬送ベルトを備えた生産安定性に優れる抄紙システム、上記湿紙搬送ベルトを用いた生産安定性に優れる抄紙方法および上記湿紙搬送ベルトの製造方法を提供する。
【解決手段】 湿紙搬送ベルト1は、湿紙Wを搬送するための湿紙搬送ベルト1であって、樹脂層22により構成されかつ湿紙Wを坦持する湿紙接触表面221を有し、湿紙担持表面221の粗さ曲線のスキューネスRskが、−0.5以下である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、湿紙搬送ベルト、抄紙システム、抄紙方法および湿紙搬送ベルトの製造方法に関する。
紙の原料から水分を除去する抄紙機は、一般的にワイヤーパートとプレスパートとドライヤーパートとを備えている。これらワイヤーパート、プレスパートおよびドライヤーパートは、湿紙の搬送方向に沿ってこの順番に配置されている。
プレスパートにおける湿紙の受け渡しに関し、現在、抄紙機としては、クローズドドローにて湿紙の受渡しを行うクローズドドロー抄紙機が知られている。クローズドドロー抄紙機のプレスパートでは、湿紙が抄紙用フェルトあるいは湿紙搬送用ベルトに載置された状態で搬送されるため、湿紙が単独で走行する箇所が存在せず、紙切れの発生が防止されている。このため、クローズドドロー抄紙機は、高速運転適性および操業の安定性に関し、優れている。
一方で、このようなクローズドドロー抄紙機のプレスパートにおいては、湿紙搬送用ベルトやフェルト間での湿紙の受け渡しにおいて、湿紙が湿紙搬送用ベルトやフェルトにとどまり、次の受け渡されるべき湿紙搬送用ベルトやフェルトに湿紙が受け渡されない現象(紙盗られ)が生じることがある。紙盗られが生じると、適切に湿紙の受け渡しが行われるように一旦操業を停止して装置の設定を変更する必要が生じる。
プレスパートにおける紙盗られを防止し、湿紙搬送性を向上させるために、湿紙搬送用ベルトについていくつかの検討がなされている(例えば特許文献1〜4)。特許文献1〜3おいては、ベルトの表面粗さRaまたはRzを所定の範囲内に設定することにより、湿紙搬送性を向上させたベルトが検討されている。特許文献4においては、ベルトの外側層を多孔質とすることにより、湿紙搬送性を向上させたベルトが検討されている。
特開2014−62337号公報 特開2014−62338号公報 特開平6−57678号公報 欧州特許出願公開第1069235号明細書
しかしながら、抄紙機の運転速度が高速化する中、さらなる湿紙搬送性の向上が求められている。
したがって、本発明の目的は、プレスパートにおける湿紙の紙盗られが防止され、湿紙搬送性に優れた湿紙搬送ベルト、該湿紙搬送ベルトを備えた生産安定性に優れる抄紙システム、上記湿紙搬送ベルトを用いた生産安定性に優れる抄紙方法および上記湿紙搬送ベルトの製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、湿紙搬送ベルトが湿紙を受け取る際には湿紙の湿紙搬送ベルトへの密着性が重要であり、湿紙搬送ベルトの湿紙担持表面の平滑性が高いと上記密着性が向上すること、および湿紙搬送ベルトが湿紙を受け渡す際には湿紙の湿紙搬送ベルトからの剥離性が重要であり、湿紙搬送ベルトの湿紙担持表面が比較的粗いと上記剥離性が向上することを見出し、これらに着目した。
そして、本発明者は、密着性と剥離性とに関する湿紙担持表面の相反する粗さ状態を両立させるべくさらに検討した結果、湿紙担持表面の粗さ曲線のスキューネスを所定の範囲とすることにより、優れた湿紙の密着性と剥離性とを両立できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、以下に関する。
(1) 湿紙を搬送するための湿紙搬送ベルトであって、
樹脂層により構成され、かつ湿紙を坦持する湿紙担持表面を有し、
湿紙担持表面の粗さ曲線のスキューネスRskが、−0.5以下である、前記湿紙搬送ベルト。
(2) Rskが、−2.7〜−0.5である、(1)に記載の湿紙搬送ベルト。
(3) 湿紙担持表面の算術平均粗さRaが、2.0〜12.0μmである、(1)または(2)に記載の湿紙搬送ベルト。
(4) 湿紙の搾水を行うプレスパートを有し、
プレスパートは、その少なくとも一部において、(1)〜(3)のいずれかに記載の湿紙搬送ベルトを用いてクローズドドロー方式で湿紙の受け渡しを行うように構成されている、抄紙システム。
(5) プレスパートは、少なくともその一部において、湿紙搬送ベルトとフェルトとの間で湿紙がクローズドドロー方式で受け渡されるように構成されている、(4)に記載の抄紙システム。
(6) パルプスラリーを脱水して形成された湿紙を搾水する工程を含み、
前記工程において、(1)〜(3)のいずれかに記載の湿紙搬送ベルトを用いてクローズドドロー方式で湿紙の受け渡しを行う、抄紙方法。
(7) 搾水する工程において、湿紙搬送ベルトとフェルトとの間で湿紙がクローズドドロー方式で受け渡される、(6)に記載の抄紙方法。
(8) 湿紙を搬送するための湿紙搬送ベルトの製造方法であって、
樹脂層を形成する工程と、
第1の研磨材と、第1の研磨材よりも粒度の細かい第2の研磨材とを順次用いて、2段階で樹脂層の表面の研磨を行い、湿紙を坦持するための湿紙担持表面を形成する工程と、を有する前記湿紙搬送ベルトの製造方法。
(9) 湿紙を搬送するための湿紙搬送ベルトの製造方法であって、
樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、
#120以下の粒度を有する研磨材を用いて前記樹脂層の表面を研磨する第1の研磨工程と、
#240以上の粒度を有する研磨材を用いて前記表面を研磨する第2の研磨工程と、を有する前記湿紙搬送ベルトの製造方法。
(10) 第1の研磨工程と第2の研磨工程とが連続して行われる、(9)に記載の湿紙搬送ベルトの製造方法。
(11) 湿紙を搬送するための湿紙搬送ベルトの製造方法であって、
樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、
第1の研磨材を用いて前記樹脂層の表面を研磨する第1の研磨工程と、
第1の研磨材よりも粒度の細かい第2の研磨材を用いて前記表面を研磨する第2の研磨工程と、を有し、
第1の研磨工程と第2の研磨工程とが連続して行われ、
第1の研磨工程で用いられる研磨材の粒度と第2の研磨工程で用いられる研磨材の粒度との差が、#120以上である、前記湿紙搬送ベルトの製造方法。
(12) (8)〜(11)のいずれかに記載の湿紙搬送ベルトの製造方法により製造された、湿紙搬送ベルト。
以上の構成により、プレスパートにおける湿紙の紙盗られが防止され、湿紙搬送性に優れた湿紙搬送ベルト、該湿紙搬送ベルトを備えた生産安定性に優れる抄紙システム、上記湿紙搬送ベルトを用いた生産安定性に優れる抄紙方法および上記湿紙搬送ベルトの製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の好適な実施形態にかかる湿紙搬送ベルトの一例を示す機械横断方向断面図である。 図2は、図1に示す湿紙搬送ベルトが備える湿紙担持表面の一例を示す模式的な機械横断方向拡大断面図である。 図3は、本発明の湿紙搬送ベルトの製造方法の好適な実施形態を説明する概略図である。 図4は、本発明の湿紙搬送ベルトの製造方法の好適な実施形態を説明する概略図である。 図5は、本発明の抄紙システムの好適な実施形態におけるプレスパートの一部の一例を示す概略図である。 図6は、湿紙搬送ベルトの評価装置を示す概略図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の湿紙搬送ベルト、湿紙搬送ベルトの製造方法、抄紙システムおよび抄紙方法の好適な実施形態について詳細に説明する。
まず、本発明の湿紙搬送ベルトについて説明する。
図1は、本発明の好適な実施形態にかかる湿紙搬送ベルトの一例を示す機械横断方向断面図、図2は、図1に示す湿紙搬送ベルトが備える湿紙担持表面の一例を示す模式的な機械横断方向拡大断面図である。なお、図1においては、理解を容易とするため、搬送されるべき湿紙Wが記載されているが、これが湿紙搬送ベルト1の構成でないことはいうまでもない。また、図中、各部材は、説明の容易化のため適宜大きさが強調されており、実際の各部材の比率および大きさが示されているものではない。なお、以下の説明において、抄紙システムにおいて予定される機械方向(Machine Direction)を「MD」と、抄紙システムにおいて予定される機械横断方向(Cross Machine Direction)を「CMD」ともいう。
図1、図2に示す湿紙搬送ベルト1は、抄紙機のプレスパートにおいて、湿紙Wの搬送、受け渡しに用いられるものである。湿紙搬送ベルト1は、無端状の帯状体をなしている。すなわち、湿紙搬送ベルト1は、環状のベルトである。そして、湿紙搬送ベルト1は、通常、その周方向が抄紙システムの機械方向(MD)に沿うようにして配置されるものである。
湿紙搬送ベルト1は、補強繊維基材層21と、補強繊維基材層21の外表面側にある一方の主面に設けられた第1の樹脂層(湿紙担持側樹脂層)22と、補強繊維基材層21の内表面側にある他方の主面に設けられた第2の樹脂層(ロール面側層)23とを有し、これらの層が積層されて形成されている。また、第1の樹脂層は、湿紙搬送ベルト1が形成する環の外側表面(外周面)を形成する層である。
補強繊維基材層21は、補強繊維基材211と、樹脂212とによって構成されている。樹脂212は、補強繊維基材211中の繊維の間隙を埋めるように補強繊維基材層21中に存在している。すなわち、樹脂212の一部は、補強繊維基材211に含浸しており、一方で、補強繊維基材211は、樹脂212中に埋設されている。
補強繊維基材211としては、特に限定されないが、例えば、経糸と緯糸とを織機等により製織した織物が一般的に使用される。また、製織せずに、経糸列と緯糸列の重ね合わせによる格子状素材を使用することもできる。
補強繊維基材211を構成する繊維の繊度は、特に限定されないが、例えば、300〜10000dtex、好ましくは、500〜6000dtexとすることができる。
また、補強繊維基材211を構成する繊維の繊度は、その繊維を用いる部位によって異なっていてもよい。例えば、補強繊維基材211の経糸と緯糸とでそれらの繊度が異なっていてもよい。
補強繊維基材211の素材としては、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、脂肪族ポリアミド(ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド612等)、芳香族ポリアミド(アラミド)、ポリフッ化ビニリデン、ポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、羊毛、綿、金属等を1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
樹脂212の材料としては、ウレタン、エポキシ、アクリル等熱硬化性樹脂、またはポリアミド、ポリアリレート、ポリエステル等の熱可塑性樹脂等を1種または2種以上を組み合わせて使用することができ、好適にはウレタン樹脂を使用することができる。
樹脂212に用いられるウレタン樹脂としては、特に限定されないが、例えば、芳香族あるいは脂肪族ポリイソシアネート化合物とポリオールとを反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを、活性水素基を有する硬化剤とともに硬化させて得られるウレタン樹脂とすることができる。また、アニオン系、ノニオン系、カチオン系の自己乳化型、あるいは強制乳化型の水系ウレタン樹脂を使用することができる。この場合、耐水性向上のため、メラミン系、エポキシ系、イソシアネート系、カルボジイミド系等の架橋剤を水系ウレタン樹脂ともに併用して、水系ウレタン樹脂を架橋することも可能である。
また、樹脂212に、酸化チタン、カオリン、クレー、タルク、珪藻土、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、シリカ、マイカなどの、無機充填剤を1種または2種以上を組み合わせて含有させてもよい。
なお、補強繊維基材層21中における樹脂212の組成および種類は、補強繊維基材層21中の部位ごとに異なるものであってもよいし、同一であってもよい。
第1の樹脂層22は、補強繊維基材層21の一方の主面に設けられた、主として樹脂材料で構成される層である。
第1の樹脂層22は、補強繊維基材層21に接合する主面とは反対側の主面において、湿紙と接触し、また湿紙Wを坦持するための湿紙担持表面221を構成している。すなわち、湿紙搬送ベルト1は、第1の樹脂層22の湿紙担持表面221に湿紙Wを坦持して、湿紙Wを搬送することができる。
湿紙担持表面221は、その粗さ曲線のスキューネスRskが、−0.5以下である。
ここで、粗さ曲線のスキューネスRskとは、JIS B0601:2001(またはこれに対応するISO 4287:1997)に定義されるパラメータである。Rskは、粗さ曲線の平均線に対する高さ分布の非対称性の度合いを表すことができる。Rsk=0の場合、粗さ曲線の高さ分布が平均線に対して対称であることを意味し、Rsk<0の場合、粗さ曲線の高さ分布が平均線に対して上側に、Rsk>0の場合、粗さ曲線の高さ分布が平均線に対して下側に偏っていることを意味する。そして、Rsk<0の場合、粗さ曲線の高さ分布が平均線に対して上側に偏ることから、平均線に対して突出した凸部の領域が広く、一方で、平均線に対して凹んだ凹部の領域が狭くなる。さらに、狭い領域の凹部の深さは、広い領域の凸部の高さよりも大きくなる。
図2は、湿紙搬送ベルト1の湿紙担持表面221の一例を示す模式的な機械横断方向拡大断面図である。なお図2には、例として、Rskが−2.7、算術平均表面粗さRaが12.0の場合における模式図を示した。図2に示すように、Rskが負であり、十分に小さいことにより、平均線よりも高い凸部222は比較的平坦であり且つ広い領域を占めており、この凸部222に湿紙Wが密着することが可能である。一方で、平均線よりも低い凹部223は比較的急峻な谷間として、比較的容量の大きい孔を形成している。そして、このような凹部223は、湿紙Wの剥離時において、湿紙Wと湿紙担持表面221との間にある水膜の破壊や、湿紙Wと湿紙担持表面221との間に空気を導入するのに有利であり、湿紙Wの湿紙担持表面221に対する剥離性の向上に寄与する。
そして、Rskが−0.5以下の場合、このように湿紙Wの湿紙担持表面221への密着性の向上に寄与する凸部222と、湿紙Wの湿紙担持表面221に対する剥離性の向上に寄与する凹部223とが、湿紙担持表面221に適切な比率で配置されるものとなり、湿紙搬送ベルト1は、従来相反する性能であった湿紙Wの密着性および剥離性が同時に優れたものとなる。この結果、湿紙搬送ベルト1は、プレスパートにおける湿紙Wの受け渡し時において、紙盗られが防止され、湿紙搬送性に優れたものとなる。
以上のように、Rskは、−0.5以下であればよいが、−2.7〜−0.5であることが好ましく、−2.5〜−0.8であることがより好ましく、−2.3〜−1.1であることがさらに好ましい。
これにより、湿紙搬送ベルト1についての上述した湿紙Wの密着性および剥離性がより確実に優れたものとなる。
また、湿紙担持表面221は、その50%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上の面積において、上述したRskの範囲を満足することが好ましい。
また、湿紙担持表面221の算術平均粗さRaは、特に限定されないが、1.0〜20μmであることが好ましく、2.0〜12.0μmであることがより好ましく、2.5〜9.0μmであることがさらに好ましい。これにより、湿紙搬送ベルト1についての上述した湿紙Wの密着性および剥離性がより確実に優れたものとなる。
なお、本明細書において、算術平均粗さRaとは、JIS B0601に定義されたものをいう。
なお、上述したRskおよびRaは、湿紙担持表面221中の任意の曲面および曲線について測定することも可能であるが、湿紙担持表面221に研磨目が形成されている場合には、研磨目方向を横断するように、好ましくは研磨目方向に対して垂直に測定することも可能である。
第1の樹脂層22を構成する樹脂材料としては、上述したような補強繊維基材層21に用いることのできる樹脂材料を1種または2種以上組み合わせて用いることができる。第1の樹脂層22を構成する樹脂材料と、補強繊維基材層21を構成する樹脂とは、種類および組成について、同一であっても異なるものであってもよい。
特に、第1の樹脂層22を構成する樹脂材料としては、機械的強度、耐摩耗性、柔軟性の観点から、ウレタン樹脂が好ましい。
また、第1の樹脂層22は、補強繊維基材層21と同様に無機充填剤を1種または2種以上含むものであってもよい。
なお、第1の樹脂層22中における樹脂材料および無機充填剤の組成および種類は、第1の樹脂層22中の部位ごとに異なるものであってもよいし、同一であってもよい。
また、第1の樹脂層22は、水を透過しない性質を有することが好ましい。すなわち、第1の樹脂層22は、水不透過性であることが好ましい。
第2の樹脂層(ロール面側層)23は、補強繊維基材層21の一方の主面に設けられた、主として樹脂材料で構成される層である。
第2の樹脂層23は、補強繊維基材層21に接合する主面とは反対側の主面において、後述するロールと接触するためのロール接触表面231を構成している。湿紙搬送ベルト1は、使用時において、ロール接触表面231がロールと接触することにより、ロールより湿紙の搬送のための動力を得ることができる。
第2の樹脂層23を構成する樹脂材料としては、上述したような補強繊維基材層21に用いることのできる樹脂材料を1種または2種以上組み合わせて用いることができる。第2の樹脂層23を構成する樹脂材料は、第1の樹脂層22または補強繊維基材層21を構成する樹脂材料と、種類および組成について、同一であっても異なるものであってもよい。
特に、第2の樹脂層23を構成する樹脂材料としては、機械特性、耐摩耗性、柔軟性の観点から、ウレタン樹脂が好ましい。
また、第2の樹脂層23は、補強繊維基材層21と同様に無機充填剤を1種または2種以上含むものであってもよい。
なお、第2の樹脂層23中における樹脂材料および無機充填剤の組成および種類は、第2の樹脂層23中の部位ごとに異なるものであってもよいし、同一であってもよい。
上述したような湿紙搬送ベルト1の寸法は、特に限定されず、その用途に合わせて適宜設定することができる。
例えば、湿紙搬送ベルト1の巾は、特に限定されないが、700〜13500mm、好ましくは、2500〜12500mmとすることができる。
また例えば、湿紙搬送ベルト1の長さ(周長)は、特に限定されないが、4〜35m、好ましくは、10〜30mとすることができる。
また、湿紙搬送ベルト1の厚さは、特に限定されないが、例えば、1.5〜7.0mm、好ましくは、2.0〜6.0mmとすることができる。
また、湿紙搬送ベルト1は、部位ごとにそれぞれ厚さが異なっていてもよいし、同一であってもよい。
以上のような湿紙搬送ベルト1は、後述する本発明の湿紙搬送ベルトの製造方法により製造可能である。
以上、本実施形態に係る湿紙搬送ベルト1は、湿紙担持表面221が所定のRskを有することにより、優れた湿紙Wの密着性および剥離性を有し、プレスパートにおける湿紙Wの受け渡し時において、紙盗られが防止されており、湿紙搬送性に優れている。特に、湿紙担持表面221の算術平均粗さが上述した範囲を満たすことにより、湿紙搬送ベルト1についての湿紙Wの密着性および剥離性は、より確実に優れたものとなる。
上述した湿紙搬送ベルト1の変形例としては、例えば、ロール面側層が樹脂材料で構成された層ではなく、バット繊維をニードリングして形成されたバット繊維層である態様が挙げられる。また、さらなる本発明の湿紙搬送ベルトの変形例としては、上記バット繊維に上述したような樹脂が含浸した層を有する態様が挙げられる。いずれの変形例においても、ロール面側層以外の構成は、上記湿紙搬送ベルト1と同様とすることができる。
なお、バット繊維の素材としては、補強繊維基材211に用いることのできる素材を1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
また、前述した実施形態においては、湿紙搬送ベルト1における湿紙担持表面221は、第1の樹脂層22の外周面全面に設けられているものとして説明したが、これに限定されず、湿紙の担持が予定される領域のみが湿紙担持表面として上述した所定のスキューネスRskを有するものであってもよい。
また、適宜湿紙搬送ベルトには、用いられる抄紙機の構成に合わせて、タブ等を設けることができる。
次に、本発明の湿紙搬送ベルトの製造方法の好適な実施形態について説明する。図3は、本発明の湿紙搬送ベルトの製造方法の好適な実施形態を説明する概略図、図4は、本発明の湿紙搬送ベルトの製造方法の好適な実施形態を説明する概略図である。
本発明の第1実施形態に係る湿紙搬送ベルトの製造方法は、湿紙を搬送するための湿紙搬送ベルトの製造方法であって、樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、#120以下の粒度を有する研磨材を用いて前記樹脂層の表面を研磨する第1の研磨工程と、#240以上の粒度を有する研磨材を用いて前記表面を研磨する第2の研磨工程と、を有する。
まず、樹脂層形成工程においては、樹脂層を形成する。本工程においては、具体的には、環状かつ帯状の補強繊維基材211が樹脂材料中に埋設された補強繊維基材層21と、その両面に樹脂層としての第1の樹脂層前駆体22aと第2の樹脂層23とが積層した積層体1aを形成する。
このような積層体1aの形成はいかなる方法であってよいが、本実施形態においては、樹脂材料が補強繊維基材211を貫通するように補強繊維基材211に対して樹脂材料を塗布することにより、補強繊維基材層21を形成し、さらに同時に補強繊維基材層21の両側に第1の樹脂層前駆体22aと第2の樹脂層23とを形成する。
具体的には、まず、図3(a)に示すように、環状かつ帯状の補強繊維基材211を、2本の平行に配置されたロール38に接触するように掛け入れる。
次に、図3(b)に示すように、補強繊維基材211の外表面に樹脂材料を付与する。樹脂材料の付与はいかなる方法で行うものであってもよいが、本実施形態においては、補強繊維基材211は、ロール38を回転しつつ樹脂吐出口40から樹脂材料を吐出して、補強繊維基材211に樹脂材料を付与することにより行う。また、同時に付与された樹脂材料をコーターバー39を用いて補強繊維基材211に均一に塗布する。この際に塗布された樹脂材料は、補強繊維基材211を貫通することができる。したがって、本実施形態においては、補強繊維基材211に含まれる樹脂のみならず、第1の樹脂層前駆体22aと第2の樹脂層23とを構成する樹脂材料とを同時に付与することが可能である。
なお、樹脂材料は、上述した無機充填剤との混合物として付与されるものであってもよい。また、各層の各部位を形成するための樹脂材料および無機充填剤の種類および組成は同一であってもよいし、異なるものであってもよい。
次に、塗布した樹脂材料を硬化させる。これにより、第1の樹脂層前駆体22aと、補強繊維基材層21と、第2の樹脂層23とが、外表面からこの順で積層した積層体1aを得る。樹脂材料の硬化の方法は、特に限定されないが、例えば、加熱、紫外線照射等により行うことができる。
また、加熱により樹脂材料を硬化する場合、例えば、遠赤外線ヒーター等の方法を用いることができる。
また、加熱により樹脂材料を硬化する場合、樹脂材料の加熱温度は、60〜150℃であることが好ましく、90〜140℃であることがより好ましい。また、加熱時間は、例えば、2〜24時間、好ましくは3〜20時間とすることができる。
次に、第1の研磨工程においては、#120以下の粒度を有する研磨材を用いて樹脂層の表面を研磨する。具体的には、湿紙担持表面221がされるべき樹脂層としての第1の樹脂層前駆体22aの外表面を上記研磨材により研磨する。このように、比較的荒い研磨材を用いて樹脂層の表面を研磨することにより、樹脂層の表面に比較的大きな凹凸を形成することができる。
研磨材の粒度は、上述したように#120以下であればよいが、#100以下であることが好ましく、#40〜#80であることがより好ましい。これにより、最終的に形成される湿紙担持表面221の粗さ曲線のスキューネスRskをより確実に所望の範囲内とすることができる。
用いられる研磨材は、粉体状またはスラリー状の砥粒であってもよいが、好ましくは、砥粒が布または紙に付着した研磨布紙であることが好ましい。
本工程は、具体的には、図4に示すように、2本のロール38に掛け入れられた状態の積層体1aに対し、研磨材を装着した研磨装置41を当接することにより行う。
研磨装置41の使用方法としては、例えば、第1の樹脂層前駆体22aの外表面221aの全体について研磨加工を行う。なお、本工程において、第1の樹脂層前駆体22aの厚さを、最終的に得られる第1の樹脂層22とほぼ同様の厚さまで研磨することが好ましい。本工程における研磨材は、粒度が小さいため、効率よく厚さの調節が可能である。
なお、第1の樹脂層前駆体22aの端部付近に対応する外表面221aについては、研磨を行わなくてもよい。しかしながら、ロールエッジによる負担を考慮して、湿紙搬送ベルト1の端部付近の厚さが、他の部位の厚さよりも小さくなるように加工することが好ましい。
また、本工程においては、上述した範囲内の粒度の研磨材を用いて複数回の研磨を行ってもよい。この場合、研磨ごとに研磨材の粒度が異なっていてもよい。
次に、第2の研磨工程においては、#240以上の粒度を有する研磨材を用いて樹脂層の表面、すなわち第1の樹脂層前駆体22aの外表面221aを研磨する。このように、第1の研磨工程において用いた研磨材と大きく粒度の異なる研磨材を用いることにより、第1の研磨工程において形成された第1の樹脂層前駆体22aの外表面上の比較的大きな凹凸のうち、凸部が研磨されて比較的平坦な凸部となる。これにより、比較的深く狭い凹部と、比較的平坦で広い領域に渡る凸部とを有する、すなわち上述したような所望の粗さ曲線のスキューネスRskを有する湿紙担持表面221が形成される。これにより、湿紙搬送ベルト1が得られる。
研磨材の粒度は、上述したように#240以上であればよいが、#280以上であることが好ましく、#320〜#800であることがより好ましい。これにより、最終的に形成される湿紙担持表面221の粗さ曲線のスキューネスRskをより確実に所望の範囲内とすることができるとともに、算術平均粗さRaを同時に好ましい範囲とすることができる。
また、第1の研磨工程で用いられる研磨材の粒度と第2の研磨工程で用いられる研磨材の粒度との差は、特に限定されないが、#180以上であることが好ましく、#240以上であることがより好ましい。これにより、より確実に比較的深く狭い凹部と、比較的平坦で広い領域に渡る凸部とを外表面221a(湿紙担持表面221)上に形成することができ、最終的に形成される湿紙担持表面221の粗さ曲線のスキューネスRskをより確実に所望の範囲内とすることができる。
用いられる研磨材は、粉体状またはスラリー状の砥粒であってもよいが、好ましくは、砥粒が布または紙に付着した研磨布紙であることが好ましい。
本工程は、具体的には、第1の研磨工程と同様に、2本のロール38に掛け入れられた状態の積層体1aに対し、研磨材を装着した研磨装置41を当接することにより行う。
なお、本工程における研磨箇所は、形成されるべき湿紙担持表面221に対応する箇所であり、少なくとも第1の研磨工程において研磨した部分を含む。
また、本工程においては、上述した範囲内の粒度の研磨材を用いて複数回の研磨を行ってもよい。この場合、研磨ごとに研磨材の粒度が異なっていてもよい。
また、本工程は、第1の研磨工程後に、形成されるべき湿紙担持表面221に対応する箇所に対し他の研磨、バフ加工を行うことなく、行われることが好ましい。すなわち、第1の研磨工程と第2の研磨工程とは連続して行われることが好ましい。
なお、上記の湿紙搬送ベルト1の製造方法の変形例としては、上記の補強繊維基材211に代えて、バット繊維をニードリングさせた補強繊維基材を用いる態様がある。これにより、上述した、バット繊維層をロール面側層として有する湿紙搬送ベルトまたはバット繊維層に樹脂が含浸したロール面側層を有する湿紙搬送ベルトを得ることができる。
次に本発明の第2実施形態にかかる湿紙搬送ベルトの製造方法について説明する。
本実施形態の湿紙搬送ベルトの製造方法は、湿紙を搬送するための湿紙搬送ベルトの製造方法であって、樹脂層を形成する工程と、第1の研磨材と第1の研磨材よりも粒度の細かい第2の研磨材とを順次用いて、2段階で樹脂層の表面の研磨を行い、湿紙を坦持するための湿紙担持表面を形成する工程と、を有する。
樹脂を形成する工程としては、上述した第1実施形態の樹脂層形成工程と同様にして行うことができる。
次の工程では、第1の研磨材と第1の研磨材よりも粒度の細かい第2の研磨材とを順次用いて、2段階で樹脂層の表面の研磨を行い、湿紙を坦持するための湿紙担持表面を形成する。これにより、湿紙担持表面が樹脂層(第1の樹脂層)上に形成された、湿紙搬送ベルトを得る。
従来、湿紙担持表面の形成のための研磨においては表面を均一に研磨することを目的として、一般には異なる粒度を有する4種以上の研磨材が用いられており、研磨材の種類の数に応じた研磨が段階的に行われてきた。これに対し、本実施形態においては、敢えて2種類の研磨材を用い、2段階のみで樹脂層の表面を研磨することにより、形成される湿紙担持表面の高さの非対称性を増加させ、湿紙担持表面の粗さ曲面のスキューネスRskを小さいものとすることができる。
なお、第1の研磨材と、第2の研磨材とは、上述したような粒度の関係を満足すれば特に限定されない。しかしながら、第1の研磨材と第2の研磨材とは、それぞれ上述した第1実施形態における第1の研磨工程で用いられる研磨材と、第2の研磨工程で用いられる研磨材と対応した粒度を有することが好ましい。これにより、最終的に形成される湿紙担持表面の粗さ曲線のスキューネスRskをより確実に所望の範囲内とすることができるとともに、算術平均粗さRaを同時に好ましい範囲とすることができる。
なお、本工程における具体的な研磨の方法は、上述した第1実施形態における第1の研磨工程および第2の研磨工程と同様とすることができる。
次に本発明の第3実施形態にかかる湿紙搬送ベルトの製造方法について説明する。
本実施形態の湿紙搬送ベルトの製造方法は、湿紙を搬送するための湿紙搬送ベルトの製造方法であって樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、第1の研磨材を用いて前記樹脂層の表面を研磨する第1の研磨工程と、第1の研磨材よりも粒度の細かい第2の研磨材を用いて前記表面を研磨する第2の研磨工程と、を有し、第1の研磨工程と第2の研磨工程とが連続して行われ、第1の研磨工程で用いられる研磨材の粒度と第2の研磨工程で用いられる研磨材の粒度との差が、#120以上である。
樹脂形成工程としては、上述した第1実施形態の樹脂層形成工程と同様にして行うことができる。
次に、第1の研磨工程では、第1の研磨材を用いて前記樹脂層の表面を研磨する。本工程における具体的な研磨の方法は、上述した第1実施形態における第1の研磨工程と同様とすることができる。
本工程で用いられる第1の研磨材の粒度は、特に限定されないが、好ましくは、第1実施形態の第1の研磨工程において用いられる研磨材の粒度と同様とすることができる。
次に、第2の研磨工程では、第1の研磨材よりも粒度の細かい第2の研磨材を用いて樹脂層の表面を研磨する。これにより、湿紙担持表面が樹脂層(第1の樹脂層)上に形成された、湿紙搬送ベルトを得る。
また、本工程、すなわち、第2の研磨工程は、第1の研磨工程に続き連続して行われるものであり、さらに、第1の研磨工程で用いられる研磨材の粒度と第2の研磨工程で用いられる研磨材の粒度との差は、#120以上である。このように、従来の方法が段階的に研磨材の粒度を細かく設定するのに対し、本実施態様では敢えて第1の研磨材と第2の研磨材の粒度の差を比較的大きなものとし、さらにこれらの研磨工程を連続して行うことにより、形成される湿紙担持表面の高さの非対称性を増加させ、湿紙担持表面の粗さ曲面のスキューネスRskを小さいものとすることができる。
また、第1の研磨工程で用いられる研磨材の粒度と第2の研磨工程で用いられる研磨材の粒度との差は、上述した範囲内であればよいが、#180以上であることが好ましく、#240以上であることがより好ましい。これにより、より確実に比較的深く狭い凹部と、比較的平坦で広い領域に渡る凸部とを外表面上に形成することができ、最終的に形成される湿紙担持表面の粗さ曲線のスキューネスRskをより確実に所望の範囲内とすることができる。
本工程で用いられる第2の研磨材の粒度は、特に限定されないが、好ましくは、第1実施形態の第2の研磨工程において用いられる研磨材の粒度と同様とすることができる。
なお、本工程における具体的な研磨の方法は、上述した第1実施形態における第2の研磨工程と同様とすることができる。
次に、本発明の抄紙システムについて好適な実施形態を参照しつつ説明する。図5は、本発明の抄紙システムの好適な実施形態におけるプレスパートの一部の一例を示す概略図である。
本発明の抄紙システムは、湿紙の搾水を行うプレスパートを有し、プレスパートは、その少なくとも一部において、本発明の湿紙搬送ベルトを用いてクローズドドロー方式で湿紙の受け渡しを行うように構成されている。
また、本実施形態においては、抄紙システム2は、パルプスラリーを脱水して湿紙を形成するワイヤーパート(図示せず)と、湿紙の搾水を行うプレスパート3と、搾水された湿紙を乾燥するドライヤーパート4とを有している。これらワイヤーパート、プレスパート3およびドライヤーパート4は、この工程順で湿紙Wの搬送方向(矢印B方向)に沿って配置されている。
ワイヤーパートは、ヘッドボックスから供給されたパルプスラリーをワイヤーで坦持し、搬送しながら脱水を行い、湿紙を形成するように構成されている。形成された湿紙は、プレスパート3に搬送される。本実施形態においては、ワイヤーパートとして公知の構成を利用できるため、詳細な説明を省略する。
次に、プレスパート3は、ワイヤーパートから搬送された湿紙について搾水を行うように構成されている。一般的なプレスパートについては公知であり、また、本実施形態においては、プレスパート3の一定部分を公知の構成とすることができるため、プレスパート3の公知の構成部分については説明を省略する。
プレスパート3は、プレスフェルト(単にフェルトともいう)5と、プレスフェルト6と、湿紙搬送ベルト1と、これらを案内して回転させるガイドローラー8と、プレス部12とを有している。プレスフェルト5と、プレスフェルト6と、湿紙搬送ベルト1とは、それぞれ無端状に構成された帯状体であり、ガイドローラー8で支持されている。プレスフェルト5、6、湿紙搬送用ベルト1、ドライヤーファブリック7は、それぞれ湿紙Wを支持して矢印B方向に搬送する。このとき、湿紙Wは、プレスフェルト5からプレスフェルト6へと、プレスフェルト6から湿紙搬送ベルト1へと受け渡しが行われる。
プレスフェルト6から湿紙搬送ベルト1への湿紙Wの受け渡しは、クローズドドロー方式にて、プレス部12を介して行われる。
ここで、プレス部12について説明する。プレス部12は、シュープレス機構13と、これと対向する位置に配置されたプレスロール10とによって構成される圧搾手段である。シュープレス機構13は、プレスロール10に対応した凹状のシュー9と、シュー9を囲う帯状のシュープレス用ベルト11とを有する。シュー9は、シュープレス用ベルト11を介してプレスロール10と共にプレス部12を構成している。プレス部12において、湿紙Wは、プレスフェルト6と湿紙搬送ベルト1とで挟持された状態で、シュープレス用ベルト11を介したシュー9と、プレスロール10とにより加圧される。その結果、湿紙W中の水分が搾水される。プレスフェルト6は透水性が高く、湿紙搬送ベルト1は透水性が低く構成されている。従って、プレス部12において、湿紙W中の水分はプレスフェルト6に移行する。湿紙Wは、こうしてプレスパート3で搾水されるとともに湿紙表面が平滑化される。
プレス部12を脱出した直後においては、湿紙W、プレスフェルト6および湿紙搬送ベルト1は、急激に圧力から解放されるので、これらの各体積が膨張する。この膨張と、湿紙Wを構成するパルプ繊維の毛細管現象とにより、プレスフェルト6内の一部の水分が湿紙Wに移行するいわゆる「再湿現象」が生じる。しかし、湿紙搬送ベルト1は透水性が低いので、その内部に水分を保持することは少ない。従って、湿紙搬送ベルト1から湿紙Wに水分が移行する再湿現象はほとんど発生せず、湿紙搬送ベルト1は湿紙Wの平滑性の向上に寄与している。
このようなプレス部12における湿紙Wの受け渡しにおいて、湿紙搬送ベルト1には、プレス部12を脱出した直後の湿紙Wを、プレスフェルト6から剥離し、積極的に湿紙搬送ベルト1の湿紙接触表面221に密着させることが要求される。一般に、このような部位においては、紙盗られが発生しやすい。ここでの紙盗られとは、一般的な湿紙搬送ベルトを用いた場合に、湿紙接触表面の密着力が弱く、プレス部を通過した湿紙が、プレスフェルトから湿紙搬送ベルトに移行せずにプレスフェルトに留まってしまう現象をいう。しかしながら、湿紙搬送ベルト1は、上述したように、その湿紙接触表面221は湿紙Wと適度な密着性を有する、湿紙搬送性に優れたものであるため、プレスフェルト6への紙盗られが防止されている。
また、プレス部12を通過した湿紙Wは、湿紙搬送ベルト1に坦持されて搬送され、湿紙搬送ベルト1から、ドライヤーパート4のドライヤーファブリック7へ、クローズドドロー方式にて、受け渡される。ドライヤーパート4のサクションロール14は、ドライヤーファブリック7を支持するように設けられ、湿紙搬送ベルト1に密着した湿紙Wを、吸引することにより剥離し、ドライヤーファブリック7の表面に密着させる。湿紙搬送ベルト1は、湿紙接触表面221からの湿紙Wの適度な剥離性を有するため、この場合の受け渡しにおいても、紙盗られが防止される。
ドライヤーパート4は、湿紙Wを乾燥するように構成されている。本実施形態においては、ドライヤーパート4として公知の構成を利用できるため、詳細な説明を省略する。湿紙Wは、ドライヤーパート4を通過することにより乾燥して原紙となる。
以上、本発明の抄紙システムによれば、湿紙搬送性に優れた湿紙搬送ベルトを用いることにより、紙盗られなどの現象を抑制でき、生産安定性を向上させることができる。
次に、本発明の抄紙方法について好適な実施形態を参照しつつ説明する。
本発明の抄紙方法は、パルプスラリーを脱水して形成された湿紙を搾水する工程を有し、前記工程において、本発明の湿紙搬送ベルトを用いてクローズドドロー方式で湿紙の受け渡しを行うものである。
また、本実施形態の抄紙方法は、パルプスラリーを脱水して湿紙を形成する工程(脱水工程)と、湿紙を搾水する工程(搾水工程)と、湿紙を乾燥する工程(乾燥工程)とを有している。
なお、脱水工程と、乾燥工程とは、それぞれ公知の方法により行うことができるので詳細な説明は省略する。例えば、上述したワイヤーパートおよびドライヤーパート4を利用して、脱水工程と、乾燥工程とをそれぞれ行うことができる。
搾水工程では、脱水工程において得られた湿紙をさらに搾水する。
本実施形態においては、搾水工程において上述した本発明の湿紙搬送ベルトを用いてクローズドドロー方式で湿紙の受け渡しを行う。湿紙搬送性に優れた本発明の湿紙搬送ベルトを用いることにより、紙盗られが防止される。
特に、フェルトから湿紙搬送ベルトに湿紙をクローズドドロー方式で移送することが好ましい。この場合においては、上述したような紙盗られの問題がより確実に防止される。
なお、搾水工程は、上述したプレスパート3を利用することにより行うことができる。
以上、本発明の抄紙方法によれば、湿紙搬送性に優れた湿紙搬送ベルトを用いることにより、紙盗られなどの現象を抑制でき、生産安定性を向上させることができる。
以上、本発明について好適な実施形態に基づき詳細に説明したが、本発明はこれに限定されず、各構成は、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換することができ、あるいは、任意の構成を付加することもできる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
1.湿紙搬送ベルトの製造
実施例1〜9、比較例1〜3の湿紙搬送ベルトを以下の方法により製造した。
(1)樹脂層形成工程
まず、以下の構成の繊維補強基材を準備した。
<補強繊維基材>
上経糸:ナイロン6からなる2000dtexのツイストモノフィラメント
下経糸:ナイロン6からなる2000dtexのツイストモノフィラメント
緯糸:ナイロン6からなる1400dtexのツイストモノフィラメント
組織:上・下経糸40本/5cm、緯糸40本/5cm、経2重組織
上記構成の織布のロール面側に、ナイロン6からなる20dtexのバット繊維を200/mニードリングし、織布と絡合、一体化した補強繊維基材。
次に、図3(a)に示すように、補強繊維基材をバット繊維側が内側に配置されるように2本のロールに掛け入れた。
次に、図3(b)に示すように、液状のウレタン樹脂を補強繊維基材の湿紙担持表面側から補強繊維基材の織布を貫通させて含浸させ、補強繊維基材の表面から1.1〜1.2mmの厚さで樹脂層が形成されるようにウレタン樹脂をコートした。
次に、コートしたウレタン樹脂を硬化させ、補強繊維基材にウレタン樹脂が含浸した補強繊維基材層と、補強繊維基材層の外周側に形成された第1の樹脂層前駆体と、補強繊維基材層の内周側に形成された第2の樹脂層とが積層された湿紙搬送ベルトの半製品を得た。
(2)研磨工程
得られた半製品の第1の樹脂層前駆体の外周面について、図4に示すような研磨装置を用いて研磨を行った。
研磨としては、比較的粗い研磨材を用いて第1の樹脂層前駆体の厚さを1.0mm程度に調整する荒削り(第1の研磨工程)を行い、さらに、最終的に形成される湿紙担持表面の粗さを調整する仕上げ(第2の研磨工程)を行った。
各実施例および各比較例の荒削り(第1の研磨工程)および仕上げ(第2の研磨工程)において、研磨材としては表1に示す番手の研磨布紙を用いた。なお、実施例1〜9、比較例2、3においては、2種の研磨布紙を用い、2段階で研磨を行った。一方で、比較例1においては、4種類の研磨布紙を用い、4段階で研磨を行った。
以上の研磨工程を経て、所定の粗さ曲線のスキューネス、算術平均粗さを有する湿紙担持表面を形成し、同湿紙担持表面を有する第1の樹脂層を備えた、湿紙搬送ベルトを得た。
表1に、得られた各実施例および各比較例の湿紙搬送ベルトの製造条件を粗さ曲線のスキューネス、算術平均粗さとともに示す。なお、粗さ曲線のスキューネス、算術平均粗さは、Surftest SJ−210(ミツトヨ製)を用い、湿紙搬送ベルトの巾方向に、すなわち研磨目と垂直に測定を行って得られた値である。
2.搬送評価
図6に示す湿紙搬送用ベルトの評価装置を用いて、以下の条件で、湿紙Wをプレスニップ12を通過させ、湿紙搬送ベルトについての湿紙Wの密着性および剥離性について、評価した。なお、図6に示す評価装置は、図5に示すプレスパート3の構成から、プレスフェルト6より上流の構成を省略したものである。また、プレス条件、プレスフェルト6の構成および湿紙の構成については、以下の通りとした。
<プレス条件>
抄速:1200m/min
プレス圧:1050kN/m
<プレスフェルト6の構成>
プレスフェルト6については、基布の両面にバット繊維をニードリングして、中層バット繊維層(外周側)および裏層バット繊維層(内周側)を形成し、さらに、中層バット繊維層の外周側にバット繊維をニードリングして表層バット繊維層を形成したものを用いた。なお、基布の構成および各バット繊維層の形成条件は、以下のとおりである。また、プレスフェルト6としては、3種類の表層バット繊維の繊度が異なるフェルトを用意した。各プレスフェルトの表層バット繊維の繊度は、3.3dtex、6.6dtexまたは11dtexである。
基布:ラミネート基布
上布基布
経糸:ナイロン6からなる1400dtexのモノフィラメント
緯糸:ナイロン6からなる500dtexのモノフィラメント
組織:経糸50本/5cm、緯糸40本/5cm、1/1平組織
下布基布
経糸:ナイロン6からなる2000dtexのツイストモノフィラメント
緯糸:ナイロン6からなる1400dtexのツイストモノフィラメント
組織:経糸40本/5cm、緯糸40本/5cm、3/1崩し組織
基布にニードリングしたバット繊維
表層バット繊維:ナイロン6からなるバット繊維200g/m
中層バット繊維:ナイロン6なる20dtexのバット繊維300g/m
裏層バット繊維:ナイロン6なる20dtexのバット繊維100g/m
なお、評価時においては、シャワーおよびサクションボックス(いずれも図示せず)を用いて、フェルト6の水分量を以下のように設定した。
フェルト水分:フェルト水分重量/(フェルト水分重量+フェルト目付)=30%調整
<湿紙(手抄きシート)>
パルプ:LBKP100% csf450mL
坪量:60g/m
プレス前湿紙水分:プレス前湿紙水分重量/(プレス前湿紙水分重量+湿紙絶乾重量)=60%調整(ろ紙を挟んで水分調整実施)
湿紙サイズ:タテ200mm×ヨコ200mm
以上の条件の下、湿紙搬送ベルトの密着性の評価は、湿紙Wがプレスニップ12を通過した際に、湿紙搬送ベルトに湿紙Wが密着しているか否かで判断した。なお、湿紙搬送ベルトの密着性の評価に際し、表層バット繊維の繊度が異なるプレスフェルト6を用い、以下の基準で評価を行った。また、湿紙搬送ベルトの密着性の評価は、湿紙搬送ベルトの掛け入れ直後と、水を補給しつつ3日間評価装置を運転した後とに行った。
A:表層バット繊維の繊度がいずれの繊度の場合であっても、湿紙Wが湿紙搬送ベルトに密着した。
B:表層バット繊維の繊度が6.6dtex、11dtexの場合、湿紙Wが湿紙搬送ベルトに密着し、一方で表層バット繊維の繊度が3.3dtexの場合、湿紙Wが湿紙搬送ベルトに密着しなかった。
C:表層バット繊維の繊度が11dtexの場合、湿紙Wが湿紙搬送ベルトに密着し、一方で表層バット繊維の繊度が3.3dtex、6.6dtexの場合、湿紙Wが湿紙搬送ベルトに密着しなかった。
D:表層バット繊維の繊度がいずれの繊度の場合であっても、湿紙Wが湿紙搬送ベルトに密着しなかった。
なお、上記評価のうちA〜Cであれば、湿紙搬送ベルトについての湿紙の密着性は優れているといえる。
湿紙搬送ベルトの剥離性の評価は、湿紙搬送ベルトに担持された湿紙Wがドライヤーファブリック7へ移行するか否かで判断した。なお、評価に際し、サクションロール14の真空度を−20kPa、−30kPa、−40kPaと変えて、それぞれの真空度において湿紙Wのドライヤーファブリック7への移行の有無を確認し、以下の基準で評価を行った。また、湿紙搬送ベルトの剥離性の評価は、湿紙搬送ベルトの掛け入れ直後と、水を補給しつつ3日間評価装置を運転した後とに行った。
A:サクションロール14の真空度がいずれの場合であっても、湿紙Wがドライヤーファブリックに移行した。
B:サクションロール14の真空度が−30kPa、−40kPaの場合、湿紙Wがドライヤーファブリックに移行し、一方でサクションロール14の真空度が−20kPaの場合、湿紙Wがドライヤーファブリックに移行しなかった。
C:サクションロール14の真空度が−40kPaの場合、湿紙Wがドライヤーファブリックに移行し、一方でサクションロール14の真空度が−20kPa、−30kPaの場合、湿紙Wがドライヤーファブリックに移行しなかった。
D:表層バット繊維の繊度がいずれの繊度の場合であっても、湿紙Wが湿紙搬送ベルトに密着しなかった。
なお、上記評価のうちA〜Cであれば、湿紙搬送ベルトについての湿紙の剥離性は優れているといえる。
以上の評価結果を表2に示す。
表2に示すように、実施例1〜9にかかる湿紙搬送ベルトは、掛け入れ直後、3日間運転後のいずれの時期においても、湿紙についての密着性および剥離性に優れていた。さらに、実施例1〜9にかかる湿紙搬送ベルトは、3日間運転後においては、掛け入れ直後の場合と比較して剥離性が、向上した。
一方で、比較例1〜3にかかる湿紙搬送ベルトは、十分な密着性および剥離性を有しないものであった。特に、3日間運転後においては、掛け入れ直後の場合と比較して剥離性が、低下した。
以上より、実施例1〜9にかかる湿紙搬送ベルトは、湿紙についての優れた密着性と剥離性を同時に有し、プレスパートにおける湿紙の紙盗られが防止され、湿紙搬送性に優れていた。
1:湿紙搬送用ベルト、1a:積層体、2:抄紙システム、3:プレスパート、4:ドライヤーパート、5・6:プレスフェルト(フェルト)、7:ドライヤーファブリック、8:ガイドローラー、9:シュー、10:プレスロール、11:シュープレス用ベルト、12:プレス部、13:シュープレス機構、14:サクションロール、21:補強繊維基材層、211:補強繊維基材、212:樹脂、22:第1の樹脂層、22a:第1の樹脂層前駆体、221:湿紙接触表面、222:凸部、223:凹部、23:第2の樹脂層、231:ロール接触表面、38:ロール、39:コーターバー、40:樹脂吐出口、41:研磨装置、W:湿紙

Claims (12)

  1. 湿紙を搬送するための湿紙搬送ベルトであって、
    樹脂層により構成され、かつ湿紙を坦持する湿紙担持表面を有し、
    湿紙担持表面の粗さ曲線のスキューネスRskが、−0.5以下である、前記湿紙搬送ベルト。
  2. Rskが、−2.7〜−0.5である、請求項1に記載の湿紙搬送ベルト。
  3. 湿紙担持表面の算術平均粗さRaが、2.0〜12.0μmである、請求項1または2に記載の湿紙搬送ベルト。
  4. 湿紙の搾水を行うプレスパートを有し、
    プレスパートは、その少なくとも一部において、請求項1〜3のいずれか一項に記載の湿紙搬送ベルトを用いてクローズドドロー方式で湿紙の受け渡しを行うように構成されている、抄紙システム。
  5. プレスパートは、少なくともその一部において、湿紙搬送ベルトとフェルトとの間で湿紙がクローズドドロー方式で受け渡されるように構成されている、請求項4に記載の抄紙システム。
  6. パルプスラリーを脱水して形成された湿紙を搾水する工程を含み、
    前記工程において、請求項1〜3のいずれか一項に記載の湿紙搬送ベルトを用いてクローズドドロー方式で湿紙の受け渡しを行う、抄紙方法。
  7. 搾水する工程において、湿紙搬送ベルトとフェルトとの間で湿紙がクローズドドロー方式で受け渡される、請求項6に記載の抄紙方法。
  8. 湿紙を搬送するための湿紙搬送ベルトの製造方法であって、
    樹脂層を形成する工程と、
    第1の研磨材と、第1の研磨材よりも粒度の細かい第2の研磨材とを順次用いて、2段階で樹脂層の表面の研磨を行い、湿紙を坦持するための湿紙担持表面を形成する工程と、を有する前記湿紙搬送ベルトの製造方法。
  9. 湿紙を搬送するための湿紙搬送ベルトの製造方法であって、
    樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、
    #120以下の粒度を有する研磨材を用いて前記樹脂層の表面を研磨する第1の研磨工程と、
    #240以上の粒度を有する研磨材を用いて前記表面を研磨する第2の研磨工程と、を有する前記湿紙搬送ベルトの製造方法。
  10. 第1の研磨工程と第2の研磨工程とが連続して行われる、請求項9に記載の湿紙搬送ベルトの製造方法。
  11. 湿紙を搬送するための湿紙搬送ベルトの製造方法であって、
    樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、
    第1の研磨材を用いて前記樹脂層の表面を研磨する第1の研磨工程と、
    第1の研磨材よりも粒度の細かい第2の研磨材を用いて前記表面を研磨する第2の研磨工程と、を有し、
    第1の研磨工程と第2の研磨工程とが連続して行われ、
    第1の研磨工程で用いられる研磨材の粒度と第2の研磨工程で用いられる研磨材の粒度との差が、#120以上である、前記湿紙搬送ベルトの製造方法。
  12. 請求項8〜11のいずれか一項に記載の湿紙搬送ベルトの製造方法により製造された、湿紙搬送ベルト。
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