JP2017040028A - 湿紙搬送ベルト - Google Patents

湿紙搬送ベルト Download PDF

Info

Publication number
JP2017040028A
JP2017040028A JP2015175157A JP2015175157A JP2017040028A JP 2017040028 A JP2017040028 A JP 2017040028A JP 2015175157 A JP2015175157 A JP 2015175157A JP 2015175157 A JP2015175157 A JP 2015175157A JP 2017040028 A JP2017040028 A JP 2017040028A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wet paper
paper web
transfer belt
web transfer
roll
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015175157A
Other languages
English (en)
Inventor
裕太 菅原
Yuta Sugawara
裕太 菅原
井上 健二
Kenji Inoue
健二 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ichikawa Co Ltd
Original Assignee
Ichikawa Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ichikawa Co Ltd filed Critical Ichikawa Co Ltd
Priority to JP2015175157A priority Critical patent/JP2017040028A/ja
Priority to EP16184201.8A priority patent/EP3133206A1/en
Priority to US15/237,900 priority patent/US20170051455A1/en
Priority to CN201610697666.6A priority patent/CN106468033A/zh
Publication of JP2017040028A publication Critical patent/JP2017040028A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D21PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
    • D21FPAPER-MAKING MACHINES; METHODS OF PRODUCING PAPER THEREON
    • D21F3/00Press section of machines for making continuous webs of paper
    • D21F3/02Wet presses
    • DTEXTILES; PAPER
    • D21PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
    • D21FPAPER-MAKING MACHINES; METHODS OF PRODUCING PAPER THEREON
    • D21F2/00Transferring continuous webs from wet ends to press sections
    • DTEXTILES; PAPER
    • D21PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
    • D21FPAPER-MAKING MACHINES; METHODS OF PRODUCING PAPER THEREON
    • D21F7/00Other details of machines for making continuous webs of paper
    • D21F7/08Felts
    • D21F7/086Substantially impermeable for transferring fibrous webs
    • DTEXTILES; PAPER
    • D21PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
    • D21FPAPER-MAKING MACHINES; METHODS OF PRODUCING PAPER THEREON
    • D21F3/00Press section of machines for making continuous webs of paper
    • D21F3/02Wet presses
    • D21F3/0209Wet presses with extended press nip
    • D21F3/0218Shoe presses
    • D21F3/0227Belts or sleeves therefor
    • DTEXTILES; PAPER
    • D21PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
    • D21FPAPER-MAKING MACHINES; METHODS OF PRODUCING PAPER THEREON
    • D21F3/00Press section of machines for making continuous webs of paper
    • D21F3/02Wet presses
    • D21F3/08Pressure rolls

Landscapes

  • Paper (AREA)

Abstract

【課題】 湿紙搬送ベルトのロール端部に対応する領域において、耐クラック性に優れる湿紙搬送ベルトを提供すること。
【解決手段】 抄紙機のプレスパート内の複数のロールに支持されて回転走行する無端状の湿紙搬送ベルトであって、前記湿紙搬送ベルトは、少なくとも湿紙担持側にある外周樹脂層を有し、前記外周樹脂層は、前記複数のロールの少なくとも1本のロールの幅方向両端部に位置するロール端部対応領域と、前記ロール端部対応領域の間に位置する中央領域を含み、前記ロール端部対応領域の厚みと前記中央領域の厚みの厚み差が0.5mm以下で、且つ、前記ロール端部対応領域の外周面の最大谷深さRvを、40μm以下とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、抄紙機に使用される湿紙搬送ベルト(トランスファーベルトとも呼ぶ)に関する。
紙の原料から水分を除去する抄紙機は、一般的にワイヤーパートとプレスパートとドライヤーパートとを備えている。これらワイヤーパート、プレスパートおよびドライヤーパートは、湿紙の搬送方向に沿ってこの順番に配置されている。
プレスパートにおける湿紙の受渡しに関し、現在、抄紙機としては、クローズドドローにて湿紙の受渡しを行うクローズドドロー抄紙機が知られている。クローズドドロー抄紙機のプレスパートでは、湿紙が抄紙用フェルトあるいは湿紙搬送ベルトに載置された状態で搬送されるため、湿紙が単独で走行する箇所が存在せず、紙切れの発生が防止されている。このため、クローズドドロー抄紙機は、高速運転適性および操業の安定性に関し、優れている。
このようなクローズドドロー抄紙機のプレスパートでは、プレスフェルト並びに、シュープレスベルト、湿紙搬送ベルトといったプレスベルトが使用されている。このシュープレスベルトや湿紙搬送ベルトは、一般的に少なくとも1層の樹脂層を含んでいるプレスベルトである。これらのプレスベルトに求められる一般的な要求特性としては、可撓性、耐クラック性、耐摩耗性、耐久性、寸法安定性、及び水、油等に対する不透過性等が挙げられる。これらの諸特性を備えた材料の一例として、ポリウレタンが挙げられ、上記プレスベルトの樹脂層には、このポリウレタンが一般的に使用されている。
しかしながら、プレスベルトは、屈曲や加圧が繰り返される過酷な条件で使用されるため、プレスベルト表面、例えば外表面にクラックが発生してしまうことが耐久性の点で大きな問題となっている。そしてこのクラックの発生は、プレスベルトの抄幅内(湿紙CMD長さ)でも、抄幅外、例えば加圧手段の両端部に対応する領域(両端部対応領域)においても起こり得る。
上記両端部対応領域において、クラックの発生を防止するためのプレスベルトの検討がなされている。特許文献1では、プレスベルトの両端部対応領域の厚みが中央領域の厚みよりも小さくなるようにし、両端部対応領域の外周面と中央領域の外周面との間に段差が形成され、両端部対応領域の外周面の加工傷深さが10μm以下となるように仕上げ加工されたプレスベルトが開示される。
特開2012−52269号公報
特許文献1に記載のプレスベルトは、特にシュープレスベルトの両端部が固定プレートによって端部ディスクに装着されるようなシュープレスベルトに対しては、耐クラック性の効果はあるものの、これを湿紙搬送ベルトに適用すると、耐クラック性に関しては逆効果となり得る可能性がある。
上記シュープレスベルトは、シユープレスベルトの両端部が固定プレートによって端部ディスクに装着されているため、抄紙機の運転中、特に抄速変更時に、シュープレスベルトの中央部と両端部の間で、ねじり応力の影響を非常に受け易い。そのため、シュープレスベルトの両端部対応領域の厚みを中央部の厚みよりも薄くし、この両端部対応領域で撓み変形を増大させることによって前記応力を吸収し、クラック発生の防止が図られている。
一方、湿紙搬送ベルトは、上記シュープレスベルトのように、湿紙搬送ベルトの端部が固定されていない。よって、湿紙搬送ベルトにおいては、その中央部と両端部の間にねじり応力はほとんど発生することがない。
また、湿紙搬送ベルトは、抄紙機のプレスパートの複数のガイドロールやプレスロールによって、一定の張力が掛けられた状態で支持されている。この時、湿紙搬送ベルトの両端部対応領域で湿紙搬送用ベルトの厚みを薄くすると両端部領域の剛直性が弱くなる。そして、この湿紙搬送ベルトが、プレスロール、ガイドロール(表面側や裏面側)、ロールに接していない部分を繰返し通過すると、両端部対応領域で折れ曲がりまたは反り返りが発生し、これによって当該領域(両端部対応領域と中央領域の境界含む)のクラックの発生を助長する恐れがある。
従って、本発明の目的は、湿紙搬送ベルトのロール端部に対応する領域において、耐クラック性に優れる湿紙搬送ベルトを提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、湿紙搬送ベルトのロール端部に対応する領域の厚みや当該領域の外表面の最大谷深さRvが、クラックの発生に強く関係していることを見出し、これらに着目した。
そして、本発明者は、湿紙搬送ベルトのロール端部に対応する領域の厚みや当該領域の外表面の最大谷深さRvを所定の範囲とすることにより、優れた耐クラック性が発現することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、以下に関する。
(1)抄紙機のプレスパート内の複数のロールに支持されて回転走行する無端状の湿紙搬送ベルトであって、前記湿紙搬送ベルトは、少なくとも湿紙担持側にある外周樹脂層を有し、前記外周樹脂層は、前記複数のロールの少なくとも1本のロールの幅方向両端部に対応して位置するロール端部対応領域と、前記ロール端部対応領域の間に位置する中央領域を含み、前記ロール端部対応領域の厚みと前記中央領域の厚みの厚み差が0.5mm以下で、且つ、前記ロール端部対応領域の外周面の最大谷深さRvが、40μm以下である、前記湿紙搬送ベルト。
(2)前記湿紙搬送ベルトの前記ロール端部対応領域の厚みと前記中央領域の厚みが、等しい厚みである、(1)に記幟の湿紙搬送ベルト。
(3)前記湿紙搬送ベルトの前記ロール端部対応領域の厚みが、前記中央領域の厚みよりも薄い、(1)に記載の湿紙搬送ベルト。
(4)前記湿紙搬送ベルトの前記ロール端部対応領域の外周面の任意の位置から中央領域に向かう反対方向の前記湿紙搬送ベルトの端部に向かって、直線状のテーパーが設けられた、(1)に記載の湿紙搬送ベルト。
(5)前記湿紙搬送ベルトの前記ロール端部対応領域の外周面の任意の位置から中央領域に向かう反対方向の前記湿紙搬送ベルトの端部に向かって、上に凸または下に凸の曲線状のテーパーが設けられた、(1)に記載の湿紙搬送ベルト。
(6)前記ロール端部対応領域の厚みと前記中央領域の厚みの厚み差が、0.3mm以下である、(1)〜(5)のいずれか一つに記載の湿紙搬送ベルト。
(7)前記最大谷深さRvが、30μm以下である、(1)〜(6)のいずれか一つに記載の湿紙搬送ベルト。
(8)抄紙機のプレスパート内の複数のロールに支持されて回転走行する無端状の湿紙搬送ベルトであって、前記湿紙搬送ベルトは、少なくとも湿紙担持側にある外周樹脂層を有し、前記外周樹脂層は、前記複数のロールの少なくとも1本のロールの幅方向両端部に対応して位置するロール端部対応領域と、前記ロール端部対応領域の間に位置する中央領域と、前記ロール端部対応領域の外側に位置する端部領域を含み、前記ロール端部対応領域の厚みと前記中央領域の厚みの厚み差が0.5mm以下で、且つ、前記ロール端部対応領域の外周面の最大谷深さRvが、40μm以下である、前記湿紙搬送ベルト。
(9)前記湿紙搬送ベルトの前記ロール端部対応領域の厚みと前記中央領域の厚みが、等しい厚みである、(8)に記載の湿紙搬送ベルト。
(10)前記湿紙搬送ベルトの前記ロール端部対応領域の厚みが、前記中央領域の厚みよりも薄い、(8)に記載の湿紙搬送ベルト。
(11)前記湿紙搬送ベルトの前記ロール端部対応領域の外周面の任意の位置から中央領域に向かう反対方向の前記湿紙搬送ベルトの端部に向かう任意の位置において、直線状のテーパーが設けられた、(8)に記載の湿紙搬送ベルト。
(12)前記湿紙搬送ベルトの前記ロール端部対応領域の外周面の任意の位置から中央領域に向かう反対方向の前記湿紙搬送ベルトの端部に向かう任意の位置において、上に凸または下に凸の曲線状のテーパーが設けられた、(8)に記載の湿紙搬送ベルト。
(13)前記ロール端部対応領域の厚みと前記中央領域の厚みの厚み差が、0.3mm以下である、(8)〜(12)のいずれか一つに記載の湿紙搬送ベルト。
(14)前記最大谷深さRvが、30μm以下である、(8)〜(13)のいずれか一つに記載の湿紙搬送ベルト。
(15)前記少なくとも1本のロールが、ガイドロールである、(1)〜(14)のいずれか一つに記載の湿紙搬送ベルト。
(16)前記少なくとも1本のロールが、シュープレス装置のシューに対向するプレスロールである、(1)〜(15)のいずれか一つに記載の湿紙搬送ベルト。
以上の構成により、湿紙搬送ベルトのロール端部対応領域において耐クラック性が向上された湿紙搬送ベルトを提供することができる。
抄紙機のプレスパートの走行方向断面の一例を示す図である。 図1における2番プレス部PP2の機械横断方向断面を示す要部断面図である。 図3は、本発明の好適な実施形態にかかる湿紙搬送ベルトの一例を示す機械横断方向断面図である。 図4は、本発明の好適な実施形態にかかる湿紙搬送ベルトの別の一例を示す機械横断方向断面図である。 図5は、本発明の好適な実施形態にかかる湿紙搬送ベルトの更に別の一例を示す機械横断方向断面図である。 図6は、本発明の好適な実施形態にかかる湿紙搬送ベルトの更に別の一例を示す機械横断方向断面図である。 図7は、本発明の湿紙搬送ベルトの製造方法(積層工程)の好適な実施形態を説明する概略図である。 図8は、湿紙搬送ベルトの評価装置を示す概略図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の湿紙搬送ベルトについて詳細に説明する。なお図中、各部材は、説明の容易化のため適宜大きさが強調されており、実際の各部材の比率および大きさが示されているものではない。
典型的なクローズドドロー抄紙機のプレスパートの一例について、図1に基づき説明する。図において、破線で示される湿紙WWは、ワイヤーパートのワイヤーWF、プレスパートのプレスフェルトPF1、PF2、PF3、湿紙搬送ベルトTB、ドライヤーパートのドライヤーファブリックDFに支持され、左から右に向かって搬送される。このように、クローズドドロー抄紙機においては、湿紙が上記抄紙用具に支持されていない部分は存在しない。これらのワイヤーWF、プレスフェルトPF1、PF2、PF3、湿紙搬送ベルトTB、ドライヤーファブリックDFは、周知のように無端状に形成された帯状体であり、ガイドローラーGRで支持されている。
なお、図中、ガイドロールGR、プレスロールPR1、PR2、PR3、加圧シューPS、シュープレスベルトSB、サクションロールSRは、いずれも周知の構成である。そして、プレスロールPR1、PR2で一番プレス部PP1を構成し、プレスロールPR3表面(曲率半径)に対応した凹状の加圧シューPSが、シュープレスベルトSBを介して、プレスロールPR3とともに、2番プレス部PP2を構成している。このため、2番プレス部PP2では、湿紙WWの進行方向に比較的長い加圧面が形成される。
ここで、前記クローズドドロー抄紙機における湿紙WWの走行状況を説明する。なお、当然ではあるが湿紙WWは、湿紙WWが進行する方向に連続して製造されるため、湿紙WWにおける一部分の移動状況について説明する。
まず、湿紙WWは、ワイヤーパートのワイヤーWF、プレスパートのプレスフェルトPF1、1番プレス部PP1を順次通過し、プレスフェルトPF2からプレスフェルトPF3へ受け渡される。そして、プレスフェルトPF3により、2番プレス部PP2に搬送される。2番プレス部PP2において、湿紙WWは、プレスフェルトPF3と湿紙搬送ベルトTBとにより挟持された状態で、シュープレスベルトSBを介した加圧シューPSと、プレスロールPR3とにより加圧される。
この際、プレスフェルトPF3は透水性が高く、湿紙搬送ベルトTBは透水性が非常に低く構成されている。よって、2番プレス部PP2において、湿紙WWからの水分は、プレスフェルト3に移行する。
2番プレス部PP2を脱した直後においては、急激に圧力から解放されるため、プレスフェルトPF3、湿紙WW、湿紙搬送ベルトTBの体積が膨張する。この膨張と、湿紙WWを構成するパルプ繊維の毛細管現象とにより、プレスフェルトPF3内の一部の水分が、湿紙WWへと移行してしまう、いわゆる、再湿現象が生じる。
しかし、前述のように、湿紙搬送ベルトTBは、透水性が非常に低く構成されているので、その内部に水分を保持することはない。よって、湿紙搬送ベルトTBから再湿現象はほとんど発生せず、湿紙搬送ベルトTBは、湿紙の搾水効率向上に寄与する。なお、2番プレス部PP2を脱した湿紙WWは、湿紙搬送ベルトTBにより搬送される。そして、湿紙WWは、サクションロールSRにより吸着され、ドライヤーファブリックDFによりドライヤーパートへと搬送される。
図2は、図1で示したクローズドドロー抄紙機における2番プレス部PP2の幅方向断面を示す要部断面図である。図2に示すように、加圧シューPSおよびプレスロールPR3は、幅方向に一定の長さを有している。湿紙搬送ベルトTBは、中央領域Aとロール端部対応領域Bと、ロール端部対応領域Bの外側に位置する端部領域Cとを有している。なお、中央領域A内には、湿紙が走行する抄幅Dが存在する。図2では、混紙搬送ベルトTBは、中央領域Aと、ロール端部対応領域Bと、端部領域Cを有するものとして例示したが、端部領域Cを除いた、中央領域Aと、ロール端部対応領域Bとを有するものとして構成することもできる。
ロール端部対応領域Bは、プレスロールPR3の加圧面20の両端部21を含む部位に対応する領域である。また同様に、ロール端部対応領域Bは、図1の複数のガイドロールGRの接触面(図2のプレスロールPR3の加圧面に相当)の両端部(図2のプレスロールの両端部21に相当)を含む部位に対応する領域である(図示せず)。一般的に、プレスロールPR3の幅は複数のガイドロールGRの幅と同等以下の幅を有しているが、これに限定されず、ロール端部対応領域Bは、各ロールの両端部を含むように設定することが好ましい。また、複数のガイドロールGRの幅がプレスロールPR3の幅よりも広い場合、湿紙搬送ベルトTBの幅は、複数のガイドロールGRの幅と同等以下と設定することも可能である。なお、ロール端部対応領域Bの幅は、例えば1cm〜40cm、好ましくは3cm〜20cmと設定することができる。
シュープレスベルトSBは、加圧シューPSを内包した外筒構造としてロール状に組み立てられている。加圧シューPSは、支持軸SH上で油圧シリンダーCYによって支持されており、シュープレスベルトSBを下方向に加圧することができる。支持軸SHの両端部には、端部ディスクDIがベアリングBRを介して配置されており、またシュープレスベルトSBの端部は、端部ディスクDIの外周上で半径方向内側に折り曲げられ、このシュープレスベルトSBの端部の折り曲げ部は、リング状の固定プレートPLによって、端部ディスクDIの外周部とで挟まれる態様で固定される。従って端部ディスクDIに固定されたシュープレスベルトSBは、加圧シューPS上を滑りながら回転することが可能となる。なお、シュープレスベルトSBと加圧シューPSの間には潤滑油が供給されている。
湿紙WWは、シュープレスベルトSBに隣接するプレスフェルトPF3とプレスロールPR3に隣接する湿紙搬送ベルトTBに挟持され、加圧シューPSがプレスロールPR3方向に加圧されることによって脱水される。なお、プレスロールPR3の幅は一般的に、加圧シューPSの幅と同等か、または加圧シューPSの幅よりも大きい。
図3は、本発明の好適な実施形態にかかる湿紙搬送ベルトの一例を示す幅方向断面図である。湿紙搬送ベルトTBは、補強繊維基材層31と、補強繊維基材層31の外表面側にある一方の主面に設けられた外周樹脂層(湿紙担持側樹脂層)32と、補強繊維基材層31の内表面側にある他方の主面に設けられた内周樹脂層(ロール側樹脂層)33とを有し、これらの層が積層されて形成されている。また、外周樹脂層は、湿紙搬送ベルトTBが形成する環の外側表面(外周面322)を形成する層である。そして、湿紙搬送ベルトTBは、中央領域Aとロール端部対応領域Bとを有している。
補強繊維基材層31は、補強繊維基材311と樹脂312とによって構成されている。樹脂312は、補強繊維基材311中の繊維の間隔を埋めるように補強繊維基材層31中に存在している。すなわち、樹脂312の一部は、補強繊維基材311に含浸しており、一方で、補強繊維基材311は、樹脂312中に埋設されている。
補強繊維基材311としては、特に限定されないが、例えば、経糸と緯糸とを織機等により製織した織物が一般的に使用される。また、製織せずに、経糸列と緯糸列の重ね合わせによる格子状素材を使用することもできる。
補強繊維基材311を構成する繊維の繊度は、特に限定されないが、例えば、300〜10000dtex、好ましくは、500〜6000dtexとすることができる。
また、補強繊維基材311を構成する繊維の繊度は、その繊維を用いる部位によって異なっていてもよい。例えば、補強繊維基材311の経糸と緯糸とでそれらの繊度が異なっていてもよい。
補強繊維基材311の素材としては、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、脂肪族ポリアミド(ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド612等)、芳香族ポリアミド(アラミド)、ポリフッ化ビニリデン、ポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、羊毛、綿、金属等を、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
樹脂312の材料としては、ウレタン、エポキシ、アクリル等熱硬化性樹脂、またはポリアミド、ポリアリレート、ポリエステル等の熱可塑性樹脂等を1種または2種以上を組み合わせて使用することができ、好適にはウレタン樹脂を使用することができる。
樹脂312に用いられるウレタン樹脂としては、特に限定されないが、例えば、芳香族あるいは脂肪族ポリイソシアネート化合物とポリオールとを反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを、活性水素基を有する硬化剤とともに硬化させて得られるウレタン樹脂とすることができる。また、アニオン系、ノニオン系、カチオン系の自己乳化型、あるいは、強制乳化型の水系ウレタン樹脂を使用することができる。この場合、耐水性向上のため、メラミン系、エポキシ系、イソシアネート系、カルボジイミド系等の架橋剤を水系ウレタン樹脂とともに併用して、水系ウレタン樹脂を架橋することも可能である。
また、樹脂312に、酸化チタン、カオリン、クレー、タルク、珪藻土、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、シリカ、マイカなどの、無機充填剤を1種または2種以上を組み合わせて含有させてもよい。
なお、補強繊維基材層31中における樹脂312の組成および種類は、補強繊維基材層31中の部位ごとに異なるものであってもよいし、同一であってもよい。
外周樹脂層32は、補強繊維基材層31の一方の主面に設けられた、主として樹脂材料で構成される層である。
外周樹脂層32は、補強繊維基材層31に接合する主面とは反対側の主面において、湿紙と接触し、また湿紙WWを担持するための湿紙担持表面(外周面322の一部)を構成している。すなわち、湿紙搬送ベルトTBは、外周樹脂層31の湿紙担持表面(外周面322の一部)に湿紙WWを担持して、湿紙WWを搬送することができる。
湿紙搬送ベルトTBの中央領域Aの厚みDAとロール端部対応領域Bの厚みDBの厚み差DXは0.5mm以下、且つ、ロール端部対応領域Bの外表面の最大谷深さRvが、40μm以下とする。
ここで、最大谷深さRvとは、JIS B0601:2001(またはこれに対応するISO 4287:1997)に定義されるパラメータである。Rvは、基準長さにおける輪郭曲線の谷深さの最大値を表す。
湿紙搬送ベルトTBの中央領域Aの厚みDAとロール端部対応領域Bの厚みDBの厚み差DXが0.5mm以下(0≦DA−DB=DX≦0.5mm)の場合、ロール端部対応領域Bの剛直性は、中央領域Aと同程度に保たれる。この結果、湿紙搬送ベルトTBが、プレスロール、ガイドロール(表面側や裏面側)、ロールに接していない部分を繰返し通過しても、両端部対応領域で折れ曲がりまたは反り返りが発生せず、また、折れ曲がりまたは反り返りが発生したとしても、その変化量は小さくなるので、当該領域(両端部対応領域と中央領域の境界含む)のクラックの発生を防止することができる。この厚み差DXは、好ましくは、0.3mm以下、更に好ましくは等しい厚み(本明細書においては、製造ばらつきを考慮し、厚み差が0.02mm以内のものを等しい厚みとする)とすることができる(0≦DA−DB=DX≦0.5mm)。
また、一般的に湿紙搬送ベルトTBの外周樹脂層32の外周面322は、研磨加工やバフ加工がされている。この研磨加工やバフ加工の加工例として、湿紙搬送ベルトTBは、2本の平行なロールに掛け入れられた湿紙搬送ベルトTBを回転させながら、固定された研磨加工装置やバフ加工装置によって加工される。この結果、外周面322に、湿紙搬送ベルトTBの走行方向に沿った加工傷が生じる。特に、湿紙搬送ベルトTBのロール端部対応領域Bにおいて、この加工傷深さが深いと、当該領域においてクラックの発生を助長してしまう。よって、この加工傷の深さに関して、上記Rvを用いて定義し、Rvが40μm以下の場合、当該領域において、効果的にクラックの発生を防止することが可能となる。そして、Rvが30μm以下の場合、更に効果的にクラックの発生を防止することが可能である。
なお、上述したRvは、ロール端部対応領域Bの外周面322中の任意の平面、曲面及び曲線について測定することも可能であるが、当該外周面322に研磨目が形成されている場合には、研磨目方向を横断するように、好ましくは研磨目方向に対して垂直に測定することも可能である。
外周樹脂層32を構成する樹脂材料321としては、上述したような補強繊維基材層31に用いることのできる樹脂材料を、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。外周樹脂層32を構成する樹脂材料と、補強繊維基材層31を構成する樹脂とは、種類および組成について、同一であっても異なるものであってもよい。
特に、外周樹脂層32を構成する樹脂材料321としては、機械的強度、耐摩耗性、柔軟性の観点から、ウレタン樹脂が好ましい。また、外周樹脂層32は、補強繊維基材層31と同様に無機充填剤を1種または2種以上含むものであってもよい。なお、外周樹脂層32中における樹脂材料および無機充填剤の組成および種類は、外周樹脂層32中の部位ごとに異なるものであってもよいし、同一であってもよい。また、外周樹脂層32は、水を透過しない性質を有することが好ましい。すなわち、外周樹脂層32は、水不透過性であることが好ましい。
内周樹脂層(ロール側樹脂層)33は、補強繊維基材層31の一方の主面に設けられた、主として樹脂材料で構成される層である。内周樹脂層33は、補強繊維基材層31に接合する主面とは反対側の主面において、ロールと接触するためのロール接触表面332を構成している。湿紙搬送ベルトTBは、使用時において、ロール接触表面332がロールと接触することにより、ロールより湿紙の搬送のための動力を得ることができる。
内周樹脂層33を構成する樹脂材料331としては、上述したような補強繊維基材層31に用いることのできる樹脂材料を1種または2種以上組み合わせて用いることができる。内周樹脂層33を構成する樹脂材料は、外周樹脂層32または補強繊維基材層31を構成する樹脂材料と、種類および組成について、同一であっても異なるものであってもよい。
特に、内周樹脂層33を構成する樹脂材料331としては、機械的強度、耐摩耗性、柔軟性の観点から、ウレタン樹脂が好ましい。また、内周樹脂層33は、補強繊維基材層31と同様に無機充填剤を1種または2種以上含むものであってよい。なお、内周樹脂層33中における樹脂材料および無機充填剤の組成および種類は、内周樹脂層33中の部位ごとに異なるものであってもよいし、同一であってもよい。
上述したような湿紙搬送ベルトTBの寸法は、特に限定されず、その用途に合わせて適宜設定することができる。例えば、湿紙搬送ベルトTBの幅は、特に限定されないが、700mm〜13500mm、好ましくは、2500mm〜12500mmとすることができる。また例えば、湿紙搬送ベルトTBの長さ(周長)は、特に限定されないが、4m〜35m、好ましくは、10m〜30mとすることができる。
また、湿紙搬送ベルトTBの厚さ(中央領域Aの厚さ)は、特に限定されず、例えば、1.5mm〜7.0mm、好ましくは2.0mm〜6.0mmとすることができる。いずれにしても、ロール端部対応領域Bの剛直性の低下が生じない程度であればよい。
ロール端部対応領域Bは、プレスロールやガイドロールの加圧面の両端部を含む部位として設定する。一般的に、プレスロールは、複数のガイドロールと同等以下の幅を有しているが、ロール端部対応領域は、各ロールの両端部を含むように設定することが好ましい。また、複数のガイドロールの幅がプレスロールの幅よりも広い場合、湿紙搬送ベルトの幅は、複数のガイドロールの幅と同等以下と設定することも可能である。なお、ロール端部対応領域Bの幅は、例えば1cm〜40cm、好ましくは3cm〜20cmと設定することができる。
なお、図3で例示した湿紙搬送ベルトは、中央領域Aの厚みとロール端部対応領域Bの厚みが等しい厚みのものを例示したが、例えば、中央領域Aの厚みとロール端部対応領域Bの厚みの厚み差を0.5mm以内として段差を設けることができる(図4(1))。
また、ロール端部対応領域Bの外周面の任意の位置から中央領域Aに向かう反対方向の前記湿紙搬送ベルトの端部に向かって、直線状のテーパーを設けることもできる(図4(2)、ここでは、ロール端部対応領域Bの外周面の任意の位置を中央領域Aとロール端部対応領域Bの境界として例示したが、これに限定されず、ロール端部対応領域B内の外周面上で任意に設定可能。)。
更にまた、ロール端部対応領域Bの外周面の任意の位置から中央領域Aに向かう反対方向の前記湿紙搬送ベルトの端部に向かって、上に凸または下に凸の曲線状のテーパーを設けることもできる(図4(3)、(4)、ここでは、ロール端部対応領域Bの外周面の任意の位置を中央領域Aとロール端部対応領域Bの境界として例示したが、これに限定されず、ロール端部対応領域B内の外周面上で任意に設定可能。)。
ここで、図4における、ロール端部対応領域Bの厚みDBは、ロール端部対応領域B内の最小厚みとし、中央領域Aとロール端部対応領域Bの厚み差DX(DA−DB)は、0.5mm以下とする。なお、図4では、湿紙搬送ベルトの断面右側を省略し断面左側のみ記載した。
また、図3、図4で例示した湿紙搬送ベルトは、中央領域Aとロール端部対応領域Bを有する湿紙搬送ベルトを例示したが、このロール端部対応領域Bの外側に更に端部領域Cを構成することもできる(図5)。
なお、図5で例示した湿紙搬送ベルトは、中央領域Aの厚みとロール端部対応領域Bの厚みと端部領域Cの厚みが等しいものを例示したが、例えば、中央領域Aの厚みと、ロール端部対応領域Bの厚みと及び端部領域Cの厚みの厚み差を0.5mm以内とすることもできる(図6(1)、ここでは、端部領域Cの厚みをロール端部対応領域Bの厚みと同じ厚みとして例示したが、これに限定されず、端部領域Cの厚みは、例えば中央領域Aと同じ厚みとするように、任意に設定可能。)。
また、ロール端部対応領域Bの外周面の任意の位置から中央領域Aに向かう反対方向の前記湿紙搬送ベルトの端部に向かって、直線状のテーパーを設けることもできる(図6(2)、ここでは、ロール端部対応領域Bの外周面の任意の位置を中央領域Aとロール端部対応領域Bの境界として例示したが、これに限定されず、ロール端部対応領域B内の外周面上で任意に設定可能。また、湿紙搬送ベルトの端部に向かうテーパーの終端は、ロール端部対応領域B内の任意の位置とすることも可能。更に端部領域Cの厚みは、例えば中央領域Aと同じ厚みとするように、任意に設定可能。)。
更にまた、ロール端部対応領域Bの外周面の任意の位置から中央領域Aに向かう反対方向の前記湿紙搬送ベルトの端部に向かって、上に凸または下に凸の曲線状のテーパーを設けることもできる(図6(3)、(4)、ここでは、ロール端部対応領域Bの外周面の任意の位置を中央領域Aとロール端部対応領域Bの境界として例示したが、これに限定されず、ロール端部対応領域B内の外周面上で任意に設定可能。また、湿紙搬送ベルトの端部に向かうテーパーの終端は、ロール端部対応領域B内の任意の位置とすることも可能。更に端部領域Cの厚みは、例えば中央領域Aと同じ厚みとするように、任意に設定可能。)。
ここで、図6における、ロール端部対応領域Bの厚みDBは、ロール端部対応領域B内の最小厚みとし、中央領域Aとロール端部対応領域Bの厚み差DX(DA−DB)は、0.5mm以下とする。なお、図6では、湿紙搬送ベルトの断面右側を省略し断面左側のみ記載した。
以上、本実施形態にかかる湿紙搬送ベルトTBは、ロール端部対応領域Bにおいて、中央領域Aに対する所定の厚みを有し、且つ、ロール端部対応領域Bの外周面322が所定のRvを有することにより、優れた耐クラック性を有する。
上述した湿紙搬送ベルトTBの変形例としては、例えば、内周樹脂層が樹脂材料で構成された層ではなく、バット繊維をニードリングして形成されたバット繊維層である態様が挙げられる。また、さらなる本発明の湿紙搬送ベルトの変形例としては、上記バット繊維に上述したような樹脂が含浸した層を有する対応が挙げられる。いずれの変形例においても、内周樹脂層以外の構成は、上記湿紙搬送ベルトTBと同様とすることができる。なお、バット繊維の素材としては、補強繊維基材311に用いることのできる素材を1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
以上、本発明について好適な実施形態に基づき詳細に説明したが、本発明はこれに限定されず、各構成は、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換することができ、あるいは、任意の構成を付加することもできる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
1.湿紙搬送ベルトの製造
実施例1〜7、比較例1〜3の湿紙搬送ベルトを以下の方法により製造した。
(1)樹脂層形成工程
まず、実施例1〜7、比較例1〜3について、以下の構成の繊維補強基材、樹脂材料を準備した。
<補強繊維基材>
上経糸:ナイロン6からなる2000dtexのツイストモノフィラメント
下経糸:ナイロン6からなる2000dtexのツイストモノフィラメント
緯糸:ナイロン6からなる1400dtexのツイストモノフィラメント
組織:上・下経糸40本/5cm、緯糸40本/5cm、経2重組織
上記構成の織布のロール面側に、ナイロン66からなる22dtexのバット繊維を100g/mニードリングし、織布と絡合、一体化した補強繊維基材。
<樹脂材料>
トリレンジイソシアネート(TDI)とポリテトラメチレングリコール(PTMG)の混合物にジメチルチオトルエンジアミン(DMTDA)の反応物からなるポリウレタン。
<積層体の形成>
次に、実施例1〜7、比較例1〜3について、図7(a)に示すように、補強繊維基材をバット繊維側が内側に配置されるように2本のロール71に掛け入れた。
次に、図7(b)に示すように、液状のウレタン樹脂を補強繊維基材の湿紙担持表面側から補強繊維基材の織布を貫通させて含浸させ、補強繊維基材の表面から1.5〜1.6mmの厚さで樹脂層が形成されるようにウレタン樹脂を樹脂吐出装置73、コーターバー72によってコートした。
次に、コートしたウレタン樹脂を硬化させ、補強繊維基材にウレタン樹脂が含浸した補強繊維基材層と、補強繊維基材層の外周側に形成された外周樹脂層前駆体と、補強繊維基材層の内周側に形成された内周樹脂層とが積層された湿紙搬送ベルトの半製品を得た。
(2)研磨加工、バフ加工
実施例1〜7、比較例1〜3の湿紙搬送ベルト(半製品)の中央領域およびロール端部対応領域の外周面について研磨加工、バフ加工を施し、各例の湿紙搬送ベルトの厚み、表面粗さを表1の通り調整し、湿紙搬送ベルトを完成させた。
なお、製作寸法は、丈20.0m×幅70cm(ロール端部対応領域10cm+中央領域50cm+ロール端部対応領域10cm)とした。
Figure 2017040028
2.湿紙搬送ベルトの評価
図8に示す湿紙搬送ベルトの評価装置に湿紙搬送ベルトを掛け入れ、以下の試験条件で湿紙搬送ベルトを走行させた後、湿紙搬送ベルトのロール対応領域の外周層表面のクラック発生状況を評価した。
<試験条件>
試験測度:1200m/min
試験時間:120Hr
加圧:100kN/m
張力:7kN/m
シャワー量:20L/min/m2(外周層表面と内周層表面)
プレスロールPP4幅寸法:60cm
プレスロールPP5幅寸法:60cm
ガイドロールGR幅寸法:100cm
プレスロールPP4直径:70cm
プレスロールPP5直径:70cm
当該試験においては、湿紙搬送ベルトにプレスロールPR5に対する抱き角を90°と設定し、各プレスロールPR4、PR5の端部が湿紙搬送ベルトのロール端部対応領域に入るように、湿紙搬送ベルトを掛け入れ試験を実施した。クラック発生状況を表2に示す。
Figure 2017040028
各実施例、比較例においては、試験中、湿紙搬送ベルトのプレスロール両端部に沿った折れ曲がりが確認されたが、表2に示すように、実施例1〜7にかかる湿紙搬送ベルトは、中央領域とロール端部対応領域の境界及びロール端部対応領域からのクラックの発生がなかった。これは、湿紙搬送ベルトの中央領域の厚みとロール端部対応領域の厚みの厚み差を0.5mm以下とし、かつ、ロール端部対応領域の外周樹脂層表面の最大谷深さRvが、40μm以下とすることで耐クラック性の効果が発現したことが分かる。
また、比較例3の中央領域とロール端部対応領域の境界のクラックは、比較例1、2に対し程度が悪いものであったが、これは両端部対応領域と中央領域の厚み差が大きく、この結果、特にガイドロール(表面側や裏面側)を繰返し通過することによって、両端部対応領域(特に両端部対応領域と中央領域の境界)の折れ曲がりや反り返りの影響を強く受けたことによる。
20:ロール加圧面(接触面)、21:ロール加圧面(接触面)両端部、31:補強繊維基材層、32:外周樹脂層、33:内周樹脂層、311:補強繊維基材、312:補強繊維基材層の樹脂、321:外周樹脂層の樹脂、322:外周面、331:内周樹脂層の樹脂、332:ロール接触表面、71:ロール、72:コーターバー、73:樹脂吐出装置、A:中央領域、B:ロール端部対応領域、C:端部領域、D:抄幅、BR:ベアリング、CY:油圧シリンダー、DA:中央領域の厚み、DB:ロール端部対応領域の厚み、DC:端部領域の厚み、DF:ドライヤーファブリック、DI:端部ディスク、GR:ガイドロール、PM:パーム、PL:固定プレート、PP1:1番プレス部、PP2:2番プレス部、PF1・2・3:プレスフェルト1・2・3、PR1・2・3・4・5:プレスロール1・2・3・4・5、PS:シュー、SB:シュープレスベルト、SH:支持軸、SR:サクションロール、SW:シャワー装置、TB:湿紙搬送ベルト、WF:ワイヤー、WW:湿紙

Claims (16)

  1. 抄紙機のプレスパート内の複数のロールに支持されて回転走行する無端状の湿紙搬送ベルトであって、前記湿紙搬送ベルトは、少なくとも湿紙担持側にある外周樹脂層を有し、前記外周樹脂層は、前記複数のロールの少なくとも1本のロールの幅方向両端部に対応して位置するロール端部対応領域と、前記ロール端部対応領域の間に位置する中央領域を含み、前記ロール端部対応領域の厚みと前記中央領域の厚みの厚み差が0.5mm以下で、且つ、前記ロール端部対応領域の外周面の最大谷深さRvが、40μm以下である、前記湿紙搬送ベルト。
  2. 前記湿紙搬送ベルトの前記ロール端部対応領域の厚みと前記中央領域の厚みが、等しい厚みである、請求項1に記載の湿紙搬送ベルト。
  3. 前記湿紙搬送ベルトの前記ロール端部対応領域の厚みが、前記中央領域の厚みよりも薄い、請求項1に記載の湿紙搬送ベルト。
  4. 前記湿紙搬送ベルトの前記ロール端部対応領域の外周面の任意の位置から中央領域に向かう反対方向の前記湿紙搬送ベルトの端部に向かって、直線状のテーパーが設けられた、請求項1に記載の湿紙搬送ベルト。
  5. 前記湿紙搬送ベルトの前記ロール端部対応領域の外周面の任意の位置から中央領域に向かう反対方向の前記湿紙搬送ベルトの端部に向かって、上に凸または下に凸の曲線状のテーパーが設けられた、請求項1に記載の湿紙搬送ベルト。
  6. 前記ロール端部対応領域の厚みと前記中央領域の厚みの厚み差が、0.3mm以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の湿紙搬送ベルト。
  7. 前記最大谷深さRvが、30μm以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の湿紙搬送ベルト。
  8. 抄紙機のプレスパート内の複数のロールに支持されて回転走行する無端状の湿紙搬送ベルトであって、前記湿紙搬送ベルトは、少なくとも湿紙担持側にある外周樹脂層を有し、前記外周樹脂層は、前記複数のロールの少なくとも1本のロールの幅方向両端部に対応して位置するロール端部対応領域と、前記ロール端部対応領域の間に位置する中央領域と、前記ロール端部対応領域の外側に位置する端部領域を含み、前記ロール端部対応領域の厚みと前記中央領域の厚みの厚み差が0.5mm以下で、且つ、前記ロール端部対応領域の外周面の最大谷深さRvが、40μm以下である、前記湿紙搬送ベルト。
  9. 前記湿紙搬送ベルトの前記ロール端部対応領域の厚みと前記中央領域の厚みが、等しい厚みである、請求項8に記載の湿紙搬送ベルト。
  10. 前記湿紙搬送ベルトの前記ロール端部対応領域の厚みが、前記中央領域の厚みよりも薄い、請求項8に記載の湿紙搬送ベルト。
  11. 前記湿紙搬送ベルトの前記ロール端部対応領域の外周面の任意の位置から中央領域に向かう反対方向の前記湿紙搬送ベルトの端部に向かう任意の位置において、直線状のテーパーが設けられた、請求項8に記載の湿紙搬送ベルト。
  12. 前記湿紙搬送ベルトの前記ロール端部対応領域の外周面の任意の位置から中央領域に向かう反対方向の前記湿紙搬送ベルトの端部に向かう任意の位置において、上に凸または下に凸の曲線状のテーパーが設けられた、請求項8に記載の湿紙搬送ベルト。
  13. 前記ロール端部対応領域の厚みと前記中央領域の厚みの厚み差が、0.3mm以下である、請求項8〜12のいずれか一項に記載の湿紙搬送ベルト。
  14. 前記最大谷深さRvが、30μm以下である、請求項8〜13のいずれか一項に記載の湿紙搬送ベルト。
  15. 前記少なくとも1本のロールが、ガイドロールである、請求項1〜14のいずれか一項に記載の湿紙搬送ベルト。
  16. 前記少なくとも1本のロールが、シュープレス装置のシューに対向するプレスロールである、請求項1〜15のいずれか一項に記載の湿紙搬送ベルト。
JP2015175157A 2015-08-20 2015-08-20 湿紙搬送ベルト Pending JP2017040028A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015175157A JP2017040028A (ja) 2015-08-20 2015-08-20 湿紙搬送ベルト
EP16184201.8A EP3133206A1 (en) 2015-08-20 2016-08-15 Wet paper web transfer belt
US15/237,900 US20170051455A1 (en) 2015-08-20 2016-08-16 Wet paper web transfer belt
CN201610697666.6A CN106468033A (zh) 2015-08-20 2016-08-19 湿纸幅传送带

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015175157A JP2017040028A (ja) 2015-08-20 2015-08-20 湿紙搬送ベルト

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017040028A true JP2017040028A (ja) 2017-02-23

Family

ID=56684558

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015175157A Pending JP2017040028A (ja) 2015-08-20 2015-08-20 湿紙搬送ベルト

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20170051455A1 (ja)
EP (1) EP3133206A1 (ja)
JP (1) JP2017040028A (ja)
CN (1) CN106468033A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022230878A1 (ja) * 2021-04-27 2022-11-03 イチカワ株式会社 製紙用ベルトおよび製紙用ベルトの製造方法

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20160019461A (ko) * 2013-06-14 2016-02-19 이치가와 가부시키가이샤 제지용 슈 프레스 벨트
EP3656916B1 (en) 2016-10-27 2021-10-06 The Procter & Gamble Company Deflection member for making fibrous structures
CN110656531B (zh) * 2019-10-12 2020-04-21 诸暨太合包装材料有限公司 一种造纸用按压装置
JP2022169404A (ja) * 2021-04-27 2022-11-09 イチカワ株式会社 製紙用ベルトおよび製紙用ベルトの製造方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3787458B2 (ja) * 1998-08-06 2006-06-21 イチカワ株式会社 抄紙用ベルト
JP2007217847A (ja) * 2006-02-14 2007-08-30 Ichikawa Co Ltd 製紙機械用ベルト
JP5731773B2 (ja) 2010-09-02 2015-06-10 ヤマウチ株式会社 プレスベルト及びシュープレスロール並びにプレスベルトの製造方法
JP5227475B1 (ja) * 2012-09-20 2013-07-03 イチカワ株式会社 湿紙搬送ベルト、抄紙システムおよび抄紙方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022230878A1 (ja) * 2021-04-27 2022-11-03 イチカワ株式会社 製紙用ベルトおよび製紙用ベルトの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN106468033A (zh) 2017-03-01
US20170051455A1 (en) 2017-02-23
EP3133206A1 (en) 2017-02-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3101174B1 (en) Shoe press belt
JP5227475B1 (ja) 湿紙搬送ベルト、抄紙システムおよび抄紙方法
JP2017040028A (ja) 湿紙搬送ベルト
JP6467342B2 (ja) 製紙用シュープレスベルト
CN105803843B (zh) 靴式压榨带及其制造方法
JP6041597B2 (ja) 湿紙搬送ベルト、抄紙システム、抄紙方法および抄紙システムの設計方法
JP5090566B1 (ja) 湿紙搬送用ベルト
US9267235B2 (en) Roll
JP3507432B2 (ja) 製紙用弾性ベルト
CN107022920B (zh) 靴形压榨带
JP6890983B2 (ja) シュープレスベルト
JP6298011B2 (ja) 湿紙搬送ベルト
JP2017089074A (ja) 製紙用プロセスベルト
JP6392060B2 (ja) 湿紙搬送ベルト、抄紙システム、抄紙方法および湿紙搬送ベルトの製造方法