JP2007217847A - 製紙機械用ベルト - Google Patents
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Abstract
【課題】シューエッジ当接部領域の水流を制御し、しかもシューエッジ当接部領域にクラックが発生しないシュープレスベルトを提供する。
【解決手段】本発明のシュープレスベルトは、基体のフェルト側に樹脂層が形成され、前記樹脂層に凹溝を設けてなるシュープレスベルトであって、前記シュープレスベルトは中央領域とシューエッジ当接部領域と端部領域とからなり、前記シューエッジ当接部領域には段差が設けられていることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】本発明のシュープレスベルトは、基体のフェルト側に樹脂層が形成され、前記樹脂層に凹溝を設けてなるシュープレスベルトであって、前記シュープレスベルトは中央領域とシューエッジ当接部領域と端部領域とからなり、前記シューエッジ当接部領域には段差が設けられていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、製紙機械で使用されるカレンダーベルトやプレスベルト、湿紙搬送用ベルトなどの製紙機械用ベルトに関する。特に製紙機械のプレス部において、湿紙およびフェルトからの搾水性を高めるために使用するシュープレスベルトに関する。
特に製紙機械のプレス部で使用されるシュープレスベルトは基体と、その両面に樹脂層を持つベルトで、そのフェルト側樹脂層の表面に搾水のための凹溝を形成しているものが主流となっている。例えば特開平11−12975号公報(特許文献1)には、ベルト本体のフェルト側樹脂層表面に凹溝が設けられ、抄巾外域の凹溝深さを抄巾内域の凹溝深さよりも浅くして、シューエッジ部付近(以下、シューエッジ当接部領域と言う)の凹溝の強度を増大させて、耐クラック性を改善できる提案がある。
また、ドイツ特許公報4445472A(特許文献2)には、ベルト本体のフェルト側樹脂層表面に凹溝が設けられ、シューエッジ当接部領域には溝が設けられないか或いは極めて浅く形成されてなるシュープレスベルトが提案されている。
また、ドイツ特許公報4445472A(特許文献2)には、ベルト本体のフェルト側樹脂層表面に凹溝が設けられ、シューエッジ当接部領域には溝が設けられないか或いは極めて浅く形成されてなるシュープレスベルトが提案されている。
しかし、シューエッジ当接部領域に溝を設けないシュープレスベルトにおいては、該領域で湿紙およびフェルトから搾水された水流が、シュープレスベルト中央領域に向って流出するため、プレス出口で湿紙に再び吸収される、いわゆる再湿現象が生じてしまい湿紙プロファイルを損なうことが知られている。また、シューエッジ当接部領域に浅く凹溝を設けたシュープレスベルトにおいては、シューエッジ当接部領域に掛かるせん断力や歪みが大きいために、凹溝がダメージを受けてクラックが発生することが知られている。
特開平11−12975号公報 ドイツ特許公報4445472A
本発明は、シュープレスベルトのシューエッジ当接部領域の特性に注目したもので、該領域で湿紙およびフェルトから搾水された水流を制御し、しかもシューエッジ当接部領域に掛かるせん断力や歪みを分散してクラックが発生しないようにするため、シューエッジ当接部領域の構造を改善したものである。
上記の課題を達成するため本発明では、ベルト基体のフェルト側に樹脂層が形成され、前記樹脂層に凹溝を設けてなるシュープレスベルトであって、前記シュープレスベルトの幅方向は中央領域とシューエッジ当接部領域と端部領域とからなり、前記シューエッジ当接部領域には段差が設けられていることを特徴とする。
また、本発明の段差とは滑らかな放物線状に形成された、傾斜の曲線であることを特徴とするものである。
そして、本発明の好適な段差とは階段状に形成され、前記階段の角部が滑らかな傾斜の曲線を形成しており、かつ前記階段の底部コーナーが滑らかな凹状曲線を形成していることを特徴とする。
そして、本発明の別の好適な段差とは複数段の階段状に形成され、各々階段の角部が滑らかな傾斜の曲線を形成しており、かつ前記階段の底部コーナーが滑らかな凹状曲線を形成していることを特徴とする。
本発明によれば、シューエッジ当接部領域には段差が設けられているので、該領域で湿紙およびフェルトから搾水された水流はシュープレスベルトの中央領域に向うことなく、最外の端部領域へ向うためプレス出口での再湿現象が生じない効果を有する。また、シューエッジ当接部領域の段差が滑らかな放物線状に形成された傾斜の曲線であり、或いは階段状に形成され前記階段の角部が滑らかな傾斜の曲線を形成しており、かつ前記階段の底部コーナーが滑らかな凹状曲線を形成しているため、シューエッジ当接部領域に掛かるせん断力や歪みを分散することができるので、該領域に凹溝が形成されたとしても、クラックが発生することがない優れた効果を有する。更に複数段の階段状に形成された場合には、シューエッジ当接部領域に掛かるせん断力や歪みは各階段にて徐々に分散・減衰させることができるから、より一層クラック発生を防止することができる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、本発明を実施するための最良の形態を添付の図面を参照して詳細を説明する。
以下、本発明に係る好適な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係るシュープレスベルト100の幅方向の断面図である。
本発明のシュープレスベルト100は、基体11の両面に樹脂層としてポリウレタンが積層された積層構造を有する。基体11としては主として織布が用いられる。
基体11にポリウレタン層を積層するには、基体に硬化剤を含む液状のウレタンプレポリマーを塗布、含浸し、乾燥または加熱により硬化させて固体状の高分子量ポリウレタンを積層させる。
図1に示されるように、シュープレスベルト100は、基体11とフェルト側樹脂層12とシュー側樹脂層13からなり、シュープレスベルト100は幅方向において中央領域Aとシューエッジ当接領域Bと端部領域Cからなる。
基体11は、シュープレスベルト100に強度を付与するためのものであり、例えば耐摩耗性、耐疲労性、伸張特性および防汚性、等に優れたナイロン6、ナイロン66、等の合成繊維、羊毛等の天然繊維、等を素材とした織布または糸材を織らずに重ね合わせたもの、或いはフィルム状にしたもの、等を適宜用いることができる。
フェルト側樹脂層12には中央領域Aに凹溝を形成して湿紙およびフェルトから搾水された水流を排出することができる。シューエッジ当接領域Bと端部領域Cには凹溝を形成しない。しかしシューエッジ当接領域Bには、中央領域Aに形成した凹溝よりも浅い凹溝を形成してもよい。
図2〜図4は本発明の実施形態を示すものであり、シュープレスベルト100の幅方向断面の一方の端部付近の概略を示すものである。
図2は本発明の第1実施形態のシュープレスベルトの断面図である。シューエッジ当接領域Bには段差が設けられ、該段差は滑らかな放物線状に形成された、傾斜の曲線である。中央領域Aはフラットでありシューエッジ当接領域Bの段差は傾斜の曲線であって、徐々に角度を下げた放物線であることが好ましい。そして、シューエッジ当接領域Bと端部領域Cとの境界付近では、底部コーナーが滑らかな凹状曲線を形成している。
図3は本発明の第2実施形態のシュープレスベルトの断面図である。シューエッジ当接領域Bには階段状の段差が設けられ、該階段の角部が滑らかな傾斜の曲線を形成しており、かつ前記階段の底部コーナーが滑らかな凹状曲線を形成している。
図4は本発明の第3実施形態のシュープレスベルトの断面図である。シューエッジ当接領域Bには複数段の階段状に形成され、シューエッジ当接部領域に掛かるせん断力や歪みは各階段にて徐々に分散・減衰させることができる。しかも個々の階段の角部が滑らかな傾斜の曲線を形成しており、かつ個々の底部コーナーが滑らかな凹状曲線を形成している。
上記の説明のとおり、本発明のシュープレスベルト100は基体11のフェルト側に樹脂層12が形成され、前記樹脂層に凹溝を設けてなるシュープレスベルトであって、前記シュープレスベルト100の幅方向は中央領域Aとシューエッジ当接部領域Bと端部領域Cとからなり、前記シューエッジ当接部領域Bには段差が設けられていることを特徴とする。
また、本発明の段差とは滑らかな放物線状に形成された、傾斜の曲線であることを特徴とするものである。
そして、本発明の好適な段差とは階段状に形成され、前記階段の角部が滑らかな傾斜の曲線を形成しており、かつ前記階段の底部コーナーが滑らかな凹状曲線を形成していることを特徴とする。
更に、本発明の別の好適な段差とは複数段の階段状に形成され、各々階段の角部が滑らかな傾斜の曲線を形成しており、かつ前記階段の底部コーナーが滑らかな凹状曲線を形成していることを特徴とする。
また、本発明の段差とは滑らかな放物線状に形成された、傾斜の曲線であることを特徴とするものである。
そして、本発明の好適な段差とは階段状に形成され、前記階段の角部が滑らかな傾斜の曲線を形成しており、かつ前記階段の底部コーナーが滑らかな凹状曲線を形成していることを特徴とする。
更に、本発明の別の好適な段差とは複数段の階段状に形成され、各々階段の角部が滑らかな傾斜の曲線を形成しており、かつ前記階段の底部コーナーが滑らかな凹状曲線を形成していることを特徴とする。
100:シュープレスベルト
11:基体
12:フェルト側樹脂層
13:シュー側樹脂層
A:中央領域
B:シューエッジ当接部領域
C:端部領域
11:基体
12:フェルト側樹脂層
13:シュー側樹脂層
A:中央領域
B:シューエッジ当接部領域
C:端部領域
Claims (4)
- ベルト基体のフェルト側樹脂層表面に凹溝を設けてなるシュープレスベルトであって、前記シュープレスベルトの幅方向は中央領域とシューエッジ当接部領域と端部領域とからなり、前記シューエッジ当接部領域には段差が設けられていることを特徴とするシュープレスベルト。
- 前記段差が滑らかな放物線状に形成された、傾斜の曲線であることを特徴とする請求項1に記載のシュープレスベルト。
- 前記段差が階段状に形成され、前記階段の角部が滑らかな傾斜の曲線を形成しており、かつ前記階段の底部コーナーが滑らかな凹状曲線を形成していることを特徴とする請求項1に記載のシュープレスベルト。
- 前記段差が複数段の階段状に形成されていることを特徴とする請求項3に記載のシュープレスベルト。
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JP2006066677A JP2007217847A (ja) | 2006-02-14 | 2006-02-14 | 製紙機械用ベルト |
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JP2006066677A JP2007217847A (ja) | 2006-02-14 | 2006-02-14 | 製紙機械用ベルト |
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2007
- 2007-02-14 WO PCT/JP2007/052581 patent/WO2007094346A1/ja active Application Filing
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JP2022514183A (ja) * | 2019-01-25 | 2022-02-10 | バルメット テクノロジーズ オサケユキチュア | シュープレスベルト |
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