JP2889341B2 - 脱水プレス用ベルト - Google Patents

脱水プレス用ベルト

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、抄紙機の脱水プレス用ベルトに関し、特
にエクステンディッド ニップ プレス(Extended Nip
Press)、インテンサ エス プレス(Intensa SPres
s)等用として好適に使用される脱水プレス用ベルトに
関する。
〔従来の技術〕
近年、抄紙機のプレス部において湿紙の脱水効果を高
めるために、フエルトに載置された湿紙の一方の面を回
転ロールで押さえ、他方の面をエンドレス ベルトを介
して加圧シューで加圧し、脱水を行うプレスが普及しつ
つある。
この一例として、広巾ニップ プレス(Extended Nip
Press)がある。これは第7図に示すように、回転ロー
ル11の下部に、脱水プレス用ベルト10をガイドレール1
2,12、テンションロール13,13に巻装してエンドレス状
に配置し、更に該脱水プレス用ベルト10を加圧するよう
に回転ロール11の下部に加圧シュー14を設置し、該脱水
プレス用ベルト10と共にウェブ15を載せたフェルト16を
搬送する構成となっている。
従来の脱水プレス用ベルトとしては、実開昭59−5459
8号、(U.S.P4,559,258号、U.S.P4,643,916号)で開示
されているように、基布の両面にポリウレタン樹脂層を
形成し走行フェルト接触面に排水溝を設けたベルト、特
開昭61−258715号で開示されているように、平滑な内表
面を形成する含浸性物質よりなる層中のエンドレスの基
布を埋設したベルト、国内公表された国際出願(特願昭
60−504406号、U.S.P4,908,103号)で開示されているよ
うに、ベースの両側に第1のラミネート層と第2のラミ
ネート層を形成すると共に該第2のラミネート層の表面
のフェルト走行方向に多数の溝を形成し、更に該第2の
ラミネート層のショアA硬度を第1のラミネート層より
大きくした広巾ニッププレス用支持ブランケット(ベル
ト)、等が知られている。
上記するように抄紙機の加圧プレス部における圧搾・
脱水用のベットは、基布層が中心にあり、その両面が弾
性材料層でラミネートされた三層からなるものである。
このようなベルトは、特に基布層の摩擦や損傷を防止し
たり、介在して使用されるフェルトの損傷を防止するた
めに使用される。更に、開示された上記先行技術にもあ
るように、フェルトに接する表面層には溝を形成し脱水
された水の排出を良くする目的にも利用される。
〔発明が解決しようとする課題〕
抄紙機の脱水プレス用ベルトのうち、第6図に示す基
布層21の両面に弾性材料で表面層22及び裏面層23を有す
る(多数の溝を形成することもある)従来の脱水プレス
用ベルトは、次のような問題点を有する。
(1)基布層21に弾性材料をコーティングする場合、両
面同時に行うことが出来ないので、先ず基布層21の片面
(フェルトと接しない裏面)に裏面層23となる弾性材料
をコーティングし、その後もう一面に表面層22となる弾
性材料をコーティングする。従って基布層21との接着強
度が弱い傾向にある。特に、キャスティングによって裏
面層23を形成する場合、基布の内部までキャスティング
材(裏面用弾性材料)が入り込むため表面層22を形成し
ようとしても基布材料との間に投錨効果が得られなくな
り、強い接着強度を形成出来ない。
(2)基布層21は、ナイロン、ポリエステル等の繊維や
モノフィラメントで構成されている場合が多いが、これ
らの繊維は一般に弾性材料に比べて硬度が高い材料であ
るため、ベルト走行時の屈曲に際して応力集中を受け易
く、弾性材料層剥離の原因となる。
(3)表面層22として弾性材料をコーティングする場
合、裏面層23の弾性材料が充分基布層21に浸透していな
いと、表面が凹凸で複雑な面をもっているので、表面層
22との界面に気泡が生じ易く、使用時の剥離の原因とな
る。
(4)基布層21の両面に対する裏面層23と表面層22との
接合を接着剤を介して行う場合でも、接着剤は一般に10
μ〜50μと薄い層であるため上記(1)乃至(3)の問
題点を解決するには充分でない。
(5)表面層22の弾性材料に溝を形成し、脱水効果を良
くしようとする場合、プレスの圧力によって溝が変形す
るため、上記従来技術にもあるように、この表面層22は
裏面層23よりも硬度の高い弾性材料が使用されるが、こ
の場合特に回転屈曲に耐え得る接着強度が得られない。
硬度の高い場合、基布層両面との応力集中が大きいため
と考えられる。
この発明はこれらの課題を解決するためになされたも
のであり、走行時の耐屈曲性が良く、長時間使用しても
表面層或いは裏面層の剥離が生じにくく耐久性が大幅に
向上し、表面層に溝を形成してもピンホールに起因する
凹部が非常に少なく剥離も生じにくく且つ屈曲時の応力
集中が生じにくく、クラックも生じにくい脱水プレス用
ベルトを提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
即ち、この発明は上記する課題を解決するために、 脱水プレス用ベルトが、基布層と、該基布層の少なく
とも一面側に中間弾性層を形成し、更に該中間弾性層の
外側及び該基布層の他面側に表面弾性層及び裏面弾性層
をそれぞれ形成し、これらが接合一体化されてなること
を特徴としている。
また、前記基布層の両面側に中間弾性層を形成してな
ることを特徴としている。
また、或いはの手段とした脱水プレス用ベルトに
おいて、表面弾性層に溝が形成され、該溝が表面弾性層
から中間弾性層にかけて形成されていることを特徴とし
ている。
更に、上記乃至のいずれかの手段とした脱水プレ
ス用ベルトの表面弾性層のショアA硬度が裏面弾性層の
ショアA硬度より高く、中間弾性層のショアA硬度がそ
の中間の硬さを有することを特徴としている。
更にまた、上記乃至のいずれかの手段とした脱水
プレス用ベルトの中間弾性層が、表面弾性層及び裏面弾
性層よりも低いショアA硬度を有することを特徴として
いる。
更にまた、上記乃至のいずれかの手段とした脱水
プレス用ベルトの中間弾性層の厚みが0.2mm〜2mmである
ことを特徴としている。
更にまた、上記乃至のいずれかの手段とした脱水
プレス用ベルトの中間弾性層中に、シリカ、ガラスビー
ズ、有機材料粉末、短繊維、粘着剤、可塑剤等の補強充
填材を混入せしめたことを特徴としている。
〔作用〕
上記各手段により、次のような作用が生じる(括弧内
は主なその手段による作用を示す)。
表面弾性層(以下、表面層とする)を形成する前に中
間弾性層(以下、中間層とする)をコーティングすれば
その過程で基布層内に残存する空気を追い出すことにな
り、表面層を形成した後ピンホールが生じることは殆ど
なくなる。また中間層の存在により走行屈曲時の応力集
中は殆どなくなる(、、)。表面層内にピンホー
ルがあると溝を形成したときにここに凹部が形成されフ
ェルトより水が入り剥離の原因となるが、このような気
泡の発生をなくすることが出来る(、、)。
また、このように基布層と表面層との間に中間層を介
在させれば、表面層が直接基布層に接合されず、表面層
と中間層と裏面弾性層(以下、裏面層とする)のショア
A硬度を徐々に変えれば、走行屈曲の際応力集中を受け
て剥離することがない(、、、、)。
また、表面層に溝を形成する場合、溝の深さを中間層
まで到達させると、表面層の硬度が大きく、中間層がそ
れより小さい場合、表面層が変形しにくく、柔らかい中
間層の方が変形し易いので、溝の破損や摩耗が少ない。
また溝底のエッジの部分から生じるクラックの発生も少
ない(、、)。中間層に補強充填材を混入してい
るため物理的強度の大きい中間層が得られ、また加工性
も良くなる()。
〔実施例〕
上記する各課題を解決するためこの発明では脱水プレ
ス用ベルトに関し、基布層への弾性材料のコーティング
とラミネートの方法、弾性層の硬度等研究を重ね、いろ
いろな試験を繰り返し行った結果、脱水プレス用ベルト
は次のような構成とすればベルトの走行時の屈曲によっ
て生じる剥離の防止や耐久性の向上等に有効であること
が判明した。
以下、この発明の構成について図面を参照して説明す
る。
第1図は、この発明の抄紙機の脱水プレス用ベルトの
一部断面図である。即ち、この図に示すように、 基布層1と表面層2との間に中間層3を形成する。即
ち、先ず基布層1に裏面層4となる弾性材料をコーティ
ングして仕上げ加工した後、前記基布層1の表面層2側
に中間層3となる弾性材料をコーティングし、その後表
面層2となる弾性材料をコーティングする。このよう
に、表面層2を形成する前に中間層3となる弾性材料を
コーティングすれば、その過程で基布層内に残存する空
気を追い出すことが出来、表面層2を形成した後気泡
(ピンホール)が生じることは殆どなくなる。表面層2
内にピンホールがあると溝を形成したときここに凹部が
形成されフェルトより水か入り剥離の原因となるが、こ
のような気泡の発生をなくすことが出来る。
而して、脱水プレス用ベルトをこのように基布層1と
表面層2との間に中間層3を介在させて構成すれば、表
面層2が直接基布層1に接合されないので、ベルトが走
行屈曲する際応力集中を受けて剥離することがない。
次に、前記基布層1と裏面層4と中間層3及び表面層
2を構成するに当り、各層の材料を選定する上で必要な
条件について説明する。
脱水プレス用ベルトを設計する場合、裏面層4は加圧
シュー14(第7図参照)からの圧力や摩耗に耐える必要
があり、また、加圧シュー14との潤滑に使用される油に
耐える必要もあるため、材質の特性は制限される。一
方、表面層2はフェルト16(第7図参照)と直接接触す
るため耐水性や硬さ、摩耗等が制限されるので表面層2
となる弾性材料も裏面層4と同様に材質の特性は制限さ
れる。
従って、基布層1に二つの層を接合させる場合、裏面
層4の材質は基布層1と、表面層2の材質は中間層3と
接着し易い材料を選定することを中心に考えるわけには
いかない。特に、表面層2と裏面層4の硬度が異なる場
合この制限は厳しい条件になる。これらの材料の具体例
については後述する。
次に、中間層3の形成に際して材料を選定する場合、
どちらかというと裏面層4、基布層1、表面層2の接着
を中心に考慮すれば良いので適当な材料が得やすい。従
って、前記中間層3となる材料としては、表面層2の材
料、基布層1の材料の両方に接着力があるものを選定す
る。
また、前記中間層3の材料は硬化が比較的遅く、表面
層2と基布層1と裏面層4の各材料に対して「ぬれ性」
と「接着性」の良いことが必要である。尚、第4図に示
すように、シリカ、ガラスビーズ、有機材料の粉末(ア
クリルのビーズ等)や短繊維、接着剤、可塑剤等の補強
充填材Mを5〜30部(重量部)程度配合すると加工性が
良くなり、しかも物理的強度の大きい中間層が得られ
る。これらの充填材Mは表面層2や裏面層4の接着力向
上にも役立つ。この中間層3の材料についても後述す
る。
また、前記中間層3はベルトの屈曲の変形、衝撃を吸
収するためある程度の厚みが必要である。走行試験の結
果では0.2mm〜2mm程度が良い結果をもたらすことが判明
した。
次に、前記中間層3の材料の材質硬度を選定する場
合、実験の結果次のような事実が明らかになった。
中間層3の材質に表面層2や裏面層4よりも硬度の低
いものを使用した場合、ベルト走行時、屈曲等が大きく
ても該中間層3が曲げ応力を吸収するため寿命が長くな
る。
また表面層2と裏面層4との硬度が異なるベルト設計
の場合、これらの中間の硬度を選定すればベルトが屈曲
する場合、表面層2と中間層3と裏面層4との変形が急
激でなくなるため、耐屈曲性が向上し、剥離現象が生じ
にくくなる。
第3図は、表面層2の表面に溝2a、2a・・・等を形成
した場合の断面図である(該溝2aのパターンは螺旋、平
行、格子状、斜め格子状等)。このように表面層2に溝
2a、2a、・・・を形成する場合、溝2aの深さを中間層ま
で到達させると、表面層2の硬度が大きく、中間層3が
それより小さい場合、硬い層(表面層2)が変形しにく
く、柔らかい中間層3の方が変形し易いので、溝の破損
や摩耗が少ない。また溝底のエッジの部分2bから生じる
クラックの発生も少ない。
第5図は、中間層を形成しない従来の表面層22に溝22
aを形成したベルトの断面図であるが、このように表面
が硬いと溝底のエッジ22bにクラックが発生することが
多い。
第2図は、この発明の脱水プレス用ベルトの変形実施
例であって、広巾ニッププレス用ベルトの断面図とな
る。即ち、この変形実施例は基布層1の両面に各々中間
層3、3となる材料をコーティングして裏面層4と表面
層2を形成した実施例である。コーティング順序として
は先ず、基布層1の裏面側に中間層3となる材料をコー
ティングした後裏面層4となる材料をコーティング形成
して仕上げ、その後空気を追い出すために表面側の中間
層3となる材料をコーティングした後表面層2となる材
料をコーティング形成する。
次に、この発明の脱水プレス用ベルトを構成する基布
層1、裏面層4、中間層3、表面層2の各層の具体的材
料、硬度、厚み等について実施例に基づき説明する。
実施例1. 基布層1として、ナイロンフィラメントとナイロン紡
織糸を二層に織ったものを準備する。以下の実施例で
「部」とは「重量部」をいう。
裏面層4となる材料として、ウレタンプレポリマ−ハ
イプレンL−167(三井東圧化学(株)製)を100部と、
硬化剤に4,4′−メチレンビスオルトクロロアニリン(M
OCA、イハラケミカル工業(株)製)19.5部とを脱泡混
合したものを準備し、これを前記基布層1に3mmコーテ
ィングし、硬化させて片面ウレタンゴム層のベルトを得
た。この場合、基布層1へのウレタンゴムの浸透は約8
割である。
次に、中間層3となる材料として、主剤としてハイプ
レンL−100(三井東圧化学(株)製)を100部と、硬化
剤に4,4′−メチレンビスオルトクロロアニリン(MOC
A、イハラケミカル工業(株)製)12.5部とを脱泡混合
したものを準備し、これを前記基布層1のもう一方の片
側に2mmコーティングした。コーティング面はドクター
を使用して平滑にした。
次に、表面層2となる材料として、主剤としてアジプ
レンL−200を100部と、硬化剤に4,4′−メチレンビス
オルトクロロアニリン(MOCA、イハラケミカル工業
(株)製)23.2部とを脱泡混合したものを準備し、これ
を前記中間層3の上に3mmの厚みのコーティングし、100
℃、6時間加熱硬化させた。
そして全体の厚みが6mmになるように研削し、表面層
2に巾1.5mmで、深さ3mmの溝を2mm間隔でスパイラル状
に設定し、広巾ニッププレス用ベルトを得た。硬度は表
面層2が99度のショアA硬度、中間層3が92度のショア
A硬度、裏面層4が94度のショアA硬度であった。この
ベルトを抄紙機に取付け、シューの圧力を50kfg/cm2
速度800m/minで運転した。このベルトは中間層のないも
のに比較して3倍の運転時間であったがベルトに剥離、
亀裂は見られなかった。また、この実施例では、裏面層
が硬いので、圧力シューとのすべりが良く、ベルトがス
ムーズに摺動する利点がある。
実施例2. 基布層1として、ナイロンフィラメントとナイロン紡
織糸を二層に織ったものを準備する。
裏面層4となる材料として、ウレタンプレポリマ−タ
ケネートL1128(武田薬品工業(株)製)を100部と、硬
化剤に4,4′−メチレンビスオルトクロロアニリン(MOC
A、イハラケミカル工業(株)製)14部とを脱泡混合し
たものを準備し、これを前記基布層1に3mmコーティン
グし、硬化させて片面ウレタンゴム層のベルトを得た。
この場合、基布層1へのウレタンゴムの浸透はやはり約
8割である。
次に、基布層1のもう一方の面に、中間層3となる材
料をコーティングする前に接着剤としてボンドKU661及
び662(コニシ(株))とを等量混合したものを準備し
前記基布層1に塗布する。
そして、中間層3となる材料として、主剤としてハイ
ブラセン8011(ユニロイヤル社製)を100部と、硬化剤
として、TMP(トリメチルプロパン)2.7部及びTIPA(ト
リイソプロパノールアミン)0.9部を攪拌したものと脱
泡混合したものを準備し、これを前記基布層1に塗布し
た接着剤の上から2mmコーティングした。コーティング
面はドクターを使用して平滑にした。
次に、表面層2となる材料として、主剤としてタケネ
ートL2760(武田薬品工業(株)製)を100部と、硬化剤
に4,4′−メチレンビスオルトクロロアニリン(MOCA、
イハラケミカル工業(株)製)18部とを脱泡混合したも
のを準備し、これを前記中間層3の上に3mmの厚みのコ
ーティングし、100℃、6時間加熱硬化させた。
そして全体の厚みが6mmになるように研削し広巾ニッ
ププレス用ベルトを得た。但し、この場合は表面層2に
溝は形成しなかった。硬度は表面層2が95度のショアA
硬度、中間層3が92度のショアA硬度、裏面層4が90度
のショアA硬度であった。
このベルトを抄紙機に取付け実施例1.と同様シューの
圧力を50kgf/cm2、速度800m/minで運転した。このベル
トの場合も中間層のないものに比較して3倍の運転時間
であったがベルトに剥離、亀裂は見られなかった。
実施例3. 基布層1、裏面層4、中間層3、表面層2等の材料は
実施例1.におけるものと同一とし、ウレタンゴムの表面
層2の硬度を95度のショアA硬度、中間層3を92度のシ
ョアA硬度、裏面層4を90度のショアA硬度とした広巾
ニッププレス用ベルトを作成した。そして実際にこのベ
ルトを抄紙機に取付け実施例1.と同様シューの圧力を50
kgf/cm2、速度800m/minで運転した。このベルトの場
合、中間層のないものに比較して2倍の耐久性のあるベ
ルトが得られた。
実施例4. 基布層1、裏面層4、中間層3、表面層2等の材料は
実施例1.におけるものと同一とし、第2図の変形実施例
に示すように、基布層1の両面に厚さ1mmの硬度が95度
ショアA硬度のウレタンゴムをコーティングして中間層
3、3を形成し、その上に99度のショアA硬度の表面層
2、93度のショアA硬度の裏面層4を形成した広巾ニッ
ププレス用ベルトを製作した。このベルトを実施例と同
様の試験条件で運転した。このベルトの場合、中間層の
ないものに比較して三倍以上の寿命を示した。
〔発明の効果〕
この発明の抄紙機の脱水プレス用ベルトは以上詳述し
たような構成としたので、基布層の両面に弾性樹脂層を
コーティングしたものに比べて変形が急激でなく、走行
時の耐屈曲性が良くなり、長時間使用しても表面層或い
は裏面層の剥離が生じにくく耐久性が大幅に向上する。
特に、基布層と表面層との間に中間層を形成する際、
空気を追い出すことが出来るのでピンホールの発生も大
幅に減少させることが出来る。従って表面層に溝を形成
してもピンホールに起因する凹部が非常に少なくなり、
その分剥離も生じにくく且つ排水効率も良くなる。
更に、この発明にかかる抄紙機の脱水プレス用ベルト
は各層の硬度を徐々に変えてあるので屈曲時の応力集中
が生じにくくなる。そしてベルトの表面層に溝を形成す
る場合、該溝を中間層にまで達するようにすれば、変
形、摩耗が少なく排水上も有利であり、クラックも生じ
にくい。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の抄紙機の脱水プレス用ベルトの一部
断面図、第2図はこの発明の脱水プレス用ベルトの変形
実施例の断面図、第3図はこの発明の脱水プレス用ベル
トの表面層に溝を形成した実施例の一部断面図、第4図
はこの発明の脱水プレス用ベルトの中間層の材料にシリ
カ、有機材料の粉末、短繊維等を混入し表面層に溝を形
成した実施例の一部断面図、第5図は中間層を形成しな
い従来の表面層に溝を形成したベルトにクラックが生じ
ている場合の一部断面図、第6図は従来の抄紙機の脱水
プレス用ベルトの一部断面図、第7図はエクステンデッ
ドニップ プレスの主要部の配置図である。 1…基布層 2…表面層 2a…溝 3…中間層 4…裏面層
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D21F 3/02 D21F 7/08 B30B 9/24

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基布層と、該基布層の少なくとも一面側に
    中間弾性層を形勢し、更に該中間弾性層の外側及び該基
    布層の他面側に表面弾性層及び裏面弾性層をそれぞれ形
    成し、これらが接合一体化されてなる脱水プレス用ベル
    ト。
  2. 【請求項2】基布層の両面側に中間弾性層を形成してな
    る請求項第1項記載の脱水プレス用ベルト。
  3. 【請求項3】表面弾性層に溝が形成され、該溝が表面弾
    性層から中間弾性層にかけて形成されている請求項第1
    項又は第2項に記載の脱水プレス用ベルト。
  4. 【請求項4】表面弾性層のショアA硬度が裏面弾性層の
    ショアA硬度より高く、中間弾性層のショアA硬度がそ
    の中間の硬さを有する請求項第1項乃至請求項第3項の
    いずれかに記載の脱水プレス用ベルト。
  5. 【請求項5】中間弾性層が、表面弾性層及び裏面弾性層
    よりも低いショアA硬度を有する請求項第1項乃至第3
    項のいずれかに記載の脱水プレス用ベルト。
  6. 【請求項6】中間弾性層の厚みが0.2mm〜2mmである請求
    項第1項乃至第5項のいずれかに記載の脱水プレス用ベ
    ルト。
  7. 【請求項7】中間弾性層中に、シリカ、ガラスビーズ、
    有機材料粉末、短繊維、粘着剤、可塑剤等の補強充填材
    を混入せしめた請求項第1項乃至第6項のいずれかに記
    載の脱水プレス用ベルト。
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