JP2015227522A - 抄紙用フェルト - Google Patents

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【課題】 湿紙にマークを発生させず、しかも簡易な方法で、湿紙の耳浮や捨て耳取られを抑制する抄紙用フェルトを提供する。【解決手段】 補強繊維基材と該補強繊維基材の少なくとも湿紙面側にニードリングによって絡合一体化された湿紙面側バット繊維層とを備えた抄紙用フェルトであって、前記抄紙用フェルトは、湿紙端部が接触する湿紙端部接触領域と、該湿紙端部接触領域に挟まれた中央領域とを有し、前記湿紙端部接触領域が、前記中央領域の厚みと異なる厚みを有することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、抄紙機に使用される抄紙用フェルトに関する。更に詳しくは、抄紙工程における湿紙の耳浮(耳剥がれ)、捨て耳取られ(トリムピック)を抑制する抄紙用フェルト(以下単に「フェルト」ということもある。)に関する。
紙の原料から水分を除去する抄紙機は、一般的にワイヤーパートとプレスパートとドライヤーパートとを備えている。これらワイヤーパート、プレスパートおよびドライヤーパートは、湿紙の搬送方向に沿ってこの順番に配置されている。湿紙は、抄紙機の進行方向(MD方向:Machine Direction)に垂直な方向(CMD方向:Cross Machine Direction)に一定の幅をもって帯状に抄紙機内を移動し、ワイヤーパート、プレスパート、及びドライヤーパートそれぞれに取り付けられた抄紙用具に次々と受け渡されながら搬送されるとともに搾水され、最終的にはドライヤーパートで乾燥される。
プレスパートに配置されたプレス装置は、湿紙の搬送方向に沿って直列に並設された複数のプレス装置を具備する。各プレス装置は、無端状のフェルト、あるいは有端状のフェルトを抄紙機上で連結し無端状にしたフェルトと、当該フェルトそれぞれの一部を間に挟むように上下に対向配置される一対のロール(即ち、ロールプレス)あるいはロール及びシューを内包する円筒ベルト(即ち、シュープレス)とを有しており、略同一速度で同一方向に走行するフェルトにより搬送されてくる湿紙を、該フェルトと共にロールとロールあるいはロールとシューを内包する円筒ベルトとでプレス・加圧することにより、該湿紙から水分を連続的に脱水する。
上記抄紙される湿紙は、フェルトに密着し安定した状態で搬送されることが好ましいが、時に、耳浮、捨て耳取られといった現象が発生することがある。
耳浮とは、湿紙搬送時に湿紙端部(湿紙耳部)において、湿紙端部とフェルトとの密着力が弱く、湿紙端部がフェルトから剥がれる現象をいう。なお、耳浮の状態(湿紙端部とフェルトとの密着状態)を目視確認しやすくするために、フェルト端部(湿紙端部と密着する領域)が着色(例えば濃色、具体的色は限定されないが、湿紙の色とフェルトの色のコントラストが高いもの)された抄紙用フェルトが上市されている。
またワイヤー上の湿紙は、ワイヤー上で規定巾に切断され、規定巾に切断された湿紙と規定巾に切断された湿紙の外側に位置する捨て耳が存在する。ワイヤーからフェルトに湿紙が受け渡される際、規定巾に切断された湿紙のみフェルトに移行しなければならないが、時に、捨て耳が規定巾に切断された湿紙と共にフェルトに移行してしまう場合がある。この現象を捨て耳取られ(トリムピック)という。
耳浮や、捨て耳取られの発生要因は、以下のことが考えらえる。
プレスによって湿紙から脱水された水分は、フェルト中央部から端部へと移動しやすく、この結果、湿紙及びフェルトの幅方向水分プロファイルが湿紙及びフェルトの中央部と端部とで異なってしまう点。プレス時のロール中央部(湿紙及びフェルトの中央部)とロール端部(湿紙及びフェルトの端部)の加圧バランスが異なってしまう点(例えばクラウンレスによる影響)。湿紙をフェルトにピックアップさせるためのサクションロールやフェルトのコンディションを整えるサクションボックスのサクション効果が、フェルト中央部と端部とで異なってしまう点。また、そもそも、湿紙端部は外的影響を受けやすい点などが耳浮や、捨て耳取られの発生要因として挙げられる。
耳浮や、捨て耳取られが発生すると、湿紙に皺が入るといった品質上の問題が発生する可能性があり、更には、紙切れ(断紙)の問題、また紙切れを発生させないために(耳浮や捨て耳取られを発生させないために)、抄紙機の運転速度を減速せざるを得ない、あるいは最悪の場合、抄紙できないといった操業上の問題が発生する可能性がある。
このような問題を改善するために、従来から種々の抄紙用フェルトが提案されている。
例えば、特許文献1には、フェルトの中央部と端部とで、異なるバット繊維を用いることや、バット層数を変更すること、あるいはフェルトの中央部又は端部にポリマー加工を施したフェルトが開示される。
また、特許文献2には、湿紙面側に複数層のバット繊維層を設けた抄紙用フェルトにおいて、基布層に隣接する表内バット繊維層または、表内バット繊維層及び裏バット繊維層の端部について、バット繊度を高密度としたり、低坪量としたり、水溶性樹脂を混入した後に水洗除去したりすることで、フェルトの端部が中央部と比較しバット繊維間の間隔が大きくなるようにしたフェルトが開示される。
上記先行技術文献に開示される抄紙用フェルトは、フェルト中央部と端部とで異なるバット繊維を用いた結果、その境界部が湿紙に転写(所謂マークの発生)してしまう可能性がある。また異なるバット繊維を用いることで、ニードリング時の準備作業や、連続してニードリングすることができないことから、多大の工数を要してしまい、生産性が非常に悪い。更にまた、一般的に抄紙用フェルトはニードリング後にヒートプレスやヒートセット加工を実施し、これらの工程によって抄紙用フェルトの寸法が変化するが、この寸法変化を考慮してニードリング時にフェルトの中央部と端部領域とを設定することは、非常に難易度が高く、この結果、返って抄紙用フェルトの製品間のばらつきが大きくなってしまう問題があった。
特表2004−517224号公報 特開2012−046833号公報
本発明は、湿紙にマークを発生させず、しかも簡易な方法で、湿紙の耳浮や捨て耳取られを抑制する抄紙用フェルトを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、補強繊維基材と該補強繊維基材の少なくとも湿紙面側にニードリングによって絡合一体化された湿紙面側バット繊維層とを備え、湿紙端部が接触する湿紙端部接触領域と、該湿紙端部接触領域に挟まれた中央領域とを有する抄紙用フェルトにおいて、以下の技術を適用したものである。
[1]補強繊維基材と該補強繊維基材の少なくとも湿紙面側にニードリングによって絡合一体化された湿紙面側バット繊維層を備えた抄紙用フェルトであって、前記抄紙用フェルトは、湿紙端部が接触する湿紙端部接触領域と、該湿紙端部接触領域に挟まれた中央領域とを有し、前記湿紙端部接触領域が、前記中央領域の平均厚みと異なる厚みを有することを特徴とする、抄紙用フェルト。
[2]前記湿紙端部接触領域の目付と前記中央領域の目付が等しいことを特徴とする、[1]に記載の抄紙用フェルト。
[3]前記湿紙端部接触領域の厚みが前記中央領域の平均厚みより厚いことを特徴とする、[1]乃至[2]に記載の抄紙用フェルト。
[4]前記湿紙端部接触領域の厚みが前記中央領域の平均厚みより薄いことを特徴とする、[1]乃至[2]に記載の抄紙用フェルト。
[5]前記湿紙端部接触領域の厚みと前記中央領域の平均厚みの厚み差の絶対値の最大が中央領域の平均厚みに対して4%以上であることを特徴とする、[1]乃至[4]に記載の抄紙用フェルト。
[6]前記湿紙端部接触領域の厚みと前記中央領域の平均厚みの厚み差の絶対値の最大が中央領域の平均厚みに対して8%以上であることを特徴とする、[1]乃至[4]に記載の抄紙用フェルト。
[7]前記湿紙端部接触領域の通気と前記中央領域の平均通気の差の絶対値の最大が中央領域の平均通気に対して10%以上であることを特徴とする、[1]乃至[4]に記載の抄紙用フェルト。
[8]前記湿紙端部接触領域の通気と前記中央領域の平均通気の差の絶対値の最大が中央領域の平均通気に対して20%以上であることを特徴とする、[1]乃至[4]に記載の抄紙用フェルト。
[9]補強繊維基材と該補強繊維基材の少なくとも湿紙面側にニードリングによって絡合一体化された湿紙面側バット繊維層とを備えた抄紙用フェルトの製造方法であって、前記抄紙用フェルトは、湿紙端部が接触する湿紙端部接触領域と、該湿紙端部接触領域に挟まれた中央領域とを有し、プレス加工によって前記湿紙端部接触領域が、前記中央領域の平均厚みと異なる厚みを有することを特徴とする、抄紙用フェルトの製造方法。
[10]補強繊維基材と該補強繊維基材の少なくとも湿紙面側にニードリングによって絡合一体化された湿紙面側バット繊維層とを備えた抄紙用フェルトの製造方法であって、前記抄紙用フェルトは、湿紙端部が接触する湿紙端部接触領域と、該湿紙端部接触領域に挟まれた中央領域とを有し、プレス加工によって前記湿紙端部接触領域が、前記中央領域の平均通気と異なる通気を有することを特徴とする、抄紙用フェルトの製造方法。
以上の構成により、本発明の抄紙用フェルトは、湿紙にマークを発生させず、しかも簡易な方法で、湿紙の耳浮や捨て耳取られを抑制する抄紙用フェルトを提供することができる。
本発明の抄紙用フェルトの一例を示す上面図及び巾方向断面図。 本発明の抄紙用フェルトの別の一例を示す上面図及び巾方向断面図。 本発明の抄紙用フェルトの製造工程の一部を示す概略図。 本発明の抄紙用フェルトの幅方向厚み、通気の一例を示すデータ。 本発明の抄紙用フェルトの幅方向厚み、通気の別の一例を示すデータ。 本発明の抄紙用フェルトの幅方向厚み、通気の更に別の一例を示すデータ。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明による抄紙用フェルトの一例を示す上面図及び巾方向(Cross Machine Direction:CMD方向)断面図である。このフェルト10は、経糸(機械方向糸)2と緯糸(機械横断方向糸)3とを製織した補強繊維基材4に、湿紙面側バット繊維5及びロール面側バット繊維6をニードリングにより積層一体化させ、湿紙面側バット繊維層及びロール面側バット繊維層を構成したものである。
図1に示す通り、フェルト10は、湿紙端部7が接触する湿紙端部接触領域8と湿紙端部接触領域8に挟まれた中央領域9を有し、湿紙端部接触領域8と中央領域9の境界から湿紙端部接触領域8の方向へフェルト10の端部に向かってフェルト10の厚みが減少し、湿紙端部接触領域8と中央領域9の厚み差の最大がd1となっている。
図2は、本発明による抄紙用フェルトの別の一例を示す上面図及び巾方向(Cross Machine Direction:CMD方向)断面図である。このフェルト20は、図1と同様に、経糸(機械方向糸)2と緯糸(機械横断方向糸)3とを製織した補強繊維基材4に、湿紙面側バット繊維5及びロール面側バット繊維6をニードリングにより積層一体化させ、湿紙面側バット繊維層及びロール面側バット繊維層を構成したものである。
図2に示す通り、フェルト20は、湿紙端部7が接触する湿紙端部接触領域8と湿紙端部接触領域8に挟まれた中央領域9を有し、湿紙端部接触領域8と中央領域9の境界から湿紙端部接触領域8の方向へフェルト20の端部に向かってフェルト20の厚みが増加し、湿紙端部接触領域8と中央領域9の厚み差の最大がd2となっている。
図1及び図2で説明したフェルト10、20は、湿紙面側バット繊維層及びロール面側バット繊維層を有するフェルトであるが、ロール面側バット繊維層の存在は、特に限定されず、該ロール面側バット繊維層が存在しないフェルトを製作することも可能である。
補強繊維基材4は、経糸と緯糸とを織機等により製織した織物が一般的に使用され、組織については特に限定されない。また、織物を複数層重ね合わせて補強繊維基材とすることや、製織せずに、経糸列と緯糸列の重ね合わせによる格子状素材を使用することもできる。
補強繊維基材4、湿紙面側バット繊維5、ロール面側バット繊維6の素材としては、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、脂肪族ポリアミド(ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド612方等)、芳香族ポリアミド(アラミド)、ポリフッ化ビニリデン、ポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、羊毛、綿、ウール、金属等を使用することができる。経糸2、緯糸3、湿紙面側バット繊維5、ロール面側バット繊維6の繊度や長さといった形体は、特に限定されず、設計に応じて適宜選択することができる。
フェルト10、20の目付は、特に限定されないが、通常500g/m〜2000g/mで製作され、抄紙する紙のグレードやフェルトが抄紙機で使用されるパートによって適宜設定される。なお、各フェルト内の任意の部位における目付は、それぞれ等しくなるように製作するが(測定面積10cm×10cm)、製作上のばらつきの観点から、各任意の部位における目付のR値(範囲)が、各フェルトの平均目付の2%以内であれば、各フェルト内の任意の部位における目付は等しいものとする。
フェルト10、20の中央領域9の厚みは、特に限定されないが、主として目付に応じて、通常1.5mm〜5.0mmで製作される。この時、湿紙端部接触領域の厚みの一部が中央領域の平均厚みに対し、4%或いは8%以上薄く(図1のフェルト10)、又は厚く(図2のフェルト20)なるように製作する。なお、フェルトの厚みは渦電流式厚み計を利用して測定できる(一例として、センサー測定面積7cm、加重200g)。フェルト10、20の中央領域9の通気の値は特に限定されないが、使用するバット繊維の繊度、目付、厚みによって決定される。前述のとおり、中央領域と湿紙端部接触領域とで厚み差を付与しているため、これに伴って、湿紙端部接触領域の通気値の一部が中央領域の通気値平均に対し、10%或いは20%以上低く(図1のフェルト10)、又は高く(図2のフェルト20)なるように製作する(通気測定単位はcc/sec/cm、差圧0.5インチAq、25℃、湿度50%)。
フェルト10,20の湿紙端部接触領域8の巾は、片側各々について、フェルト全巾の20%以下、好ましくは10%程度とすることができる。
次に、湿紙端部接触領域8と中央領域9について、厚み差を付与する具体的方法の一例について説明する。抄紙用フェルトは通常、無端状に加工された補強繊維基材に、バット繊維をニードリングによって絡合一体化させ、ヒートプレス、ヒートセット工程を経て製作される。このヒートプレス工程において、湿紙端部接触領域8と中央領域9について、厚み差を付与することができる。ヒートプレス工程は、抄紙用フェルト10、20の厚み、密度を設定するとともに、フェルト表面の表面平滑性を付与する工程である。
図3(a)は、ニードリング後のフェルト10、20が、ヒートプレスされている様子を示す側面図である。フェルト10、20は、二本の平行に配置されたロール(加熱可能なシリンダー31、ストレッチロール33)に掛け入れられ、シリンダー31の上部には、フェルト10、20を介して、プレスロール32が載置されている。プレスロール32は、複数の加圧装置35で加圧され、フェルト10、20を加圧すると共に、支持装置34に支持されている。
図3(b)は、図3(a)について、シリンダー31、プレスロール32の方向から、フェルト10、20が、ヒートプレスされている様子を見た正面図である。
ここで図1に示した抄紙用フェルト10を製造する場合、加圧装置35a、35eの加圧力を加圧装置35b、35c、35dの加圧力よりも大きく設定し、更に支持装置34のプレスロールに対する支持力(プレスロールを持ち上げる力)を弱める、或いはプレスロールをフェルト方向へ加圧させる力を付与することで、湿紙端部接触領域8の厚みが中央領域9の厚みよりも薄く、湿紙端部接触領域8の表面平滑性が中央領域9の表面平滑性より平滑な抄紙用フェルト10を得ることができる。
該フェルト10を抄紙機で使用した場合、湿紙端部接触領域8で、プレスによる加圧伝達が小さくなり、湿紙から水分が搾れず、湿紙とフェルト間との水膜による表面張力の増加と、表面平滑性が優れることによって、湿紙端部接触領域8と湿紙との密着性が向上する。故に、耳浮(耳剥がれ)が懸念されるパートで該フェルトを使用することで、耳浮(耳剥がれ)を防止することができる。
一方、図2に示した抄紙用フェルト20を製造する場合、加圧装置35a、35eの加圧力を加圧装置35b、35c、35dの加圧力よりも小さく設定し、更に支持装置34のプレスロールに対する支持力(プレスロールを持ち上げる力)を高める、或いはプレスロールを持ち上げる方向への力を付与することで、湿紙端部接触領域8の厚みが中央領域9の厚みよりも厚く、中央領域9の表面平滑性が湿紙端部接触領域8の表面平滑性よりも平滑な抄紙用フェルト20を得ることができる。
該フェルト20を抄紙機で使用した場合、使用時のフェルト巾方向水分量が均一であると仮定すると、湿紙端部接触領域8は中央領域9に対し厚みが厚い為、湿紙端部接触領域8の単位体積当たりの水分量が中央領域9に対し少なくなる。この結果、湿紙端部接触領域8のフェルト表面(湿紙接触面)の水分量も少なくなり、湿紙とフェルト間との水膜による表面張力の低下と、表面平滑性が劣ることによって、湿紙端部接触領域8と湿紙との密着性が低下する。故に、捨て耳取られ(トリムピック)が懸念されるパートで該フェルトを使用することで、捨て耳取られ(トリムピック)を防止することができる。
以下、表1の通り実施例を製作した。
なお、実施例1〜3の補強繊維基材、湿紙面側バット繊維、ロール面側バット繊維は以下の通り同一とした。
[補強繊維基材]
湿紙側経糸(打込糸) :330dtexポリアミド6モノフィラメントの2本撚糸を 更に3つ撚り合わせた撚糸を45本/5cm配置
ロール側経糸(打込糸):330dtexポリアミド6モノフィラメントの2本撚糸を 更に3つ撚り合わせた撚糸を45本/5cm配置
緯糸(整径糸) :330dtexポリアミド6モノフィラメントの3本撚糸を 36本/5cm配置
組織 :経2重組織
目付 :650g/m
[湿紙面側バット繊維]
繊度11dtex、ポリアミド6の短繊維バットを600g/m
[ロール面側バット繊維]
繊度13dtex、ポリアミド6の短繊維バットを100g/m
上記材料について同一製織加工、同一ニードリング加工を施し、目付1350g/m、丈寸法20m、巾寸法650cmのフェルト半製品を製作した。
得られた各フェルト半製品について、ヒートプレス加工によって、中央領域及び湿紙端部接触領域の厚み並びに通気を表1の通りとした。なお、厚み及び通気の測定位置は、フェルト第1端部から25cmの位置を第1測定ポイントとし、以降フェルト巾方向に50cm間隔で測定しフェルト第1端部から625cmの位置(フェルト第2端部から25cm)を第25測定ポイントとし、湿紙端部接触領域の測定値は、第1、2、3及び第23、24、25測定ポイントとした。
Figure 2015227522
以上、表1に示す抄紙用フェルトの使用によって、耳浮や捨て耳取られを防止することが期待できる。
W:湿紙、2:経糸、3:緯糸、4:補強繊維基材、5:湿紙面側バット繊維、6:ロール面側バット繊維、7:湿紙端部、8:湿紙端部接触領域、9:中央領域、10・20:抄紙用フェルト、31:シリンダー、32:プレスロール、33:ストレッチロール、34:プレスロール支持装置、35(a〜e):プレスロール加圧装置

Claims (10)

  1. 補強繊維基材と該補強繊維基材の少なくとも湿紙面側にニードリングによって絡合一体化された湿紙面側バット繊維層を備えた抄紙用フェルトであって、前記抄紙用フェルトは、湿紙端部が接触する湿紙端部接触領域と、該湿紙端部接触領域に挟まれた中央領域とを有し、前記湿紙端部接触領域が、前記中央領域の平均厚みと異なる厚みを有することを特徴とする、抄紙用フェルト。
  2. 前記湿紙端部接触領域の目付と前記中央領域の目付が等しいことを特徴とする、請求項1に記載の抄紙用フェルト。
  3. 前記湿紙端部接触領域の厚みが前記中央領域の平均厚みより厚いことを特徴とする、請求項1乃至2に記載の抄紙用フェルト。
  4. 前記湿紙端部接触領域の厚みが前記中央領域の平均厚みより薄いことを特徴とする、請求項1乃至2に記載の抄紙用フェルト。
  5. 前記湿紙端部接触領域の厚みと前記中央領域の平均厚みの厚み差の絶対値の最大が中央領域の平均厚みに対して4%以上であることを特徴とする、請求項1乃至4に記載の抄紙用フェルト。
  6. 前記湿紙端部接触領域の厚みと前記中央領域の平均厚みの厚み差の絶対値の最大が中央領域の平均厚みに対して8%以上であることを特徴とする、請求項1乃至4に記載の抄紙用フェルト。
  7. 前記湿紙端部接触領域の通気と前記中央領域の平均通気の差の絶対値の最大が中央領域の平均通気に対して10%以上であることを特徴とする、請求項1乃至4に記載の抄紙用フェルト。
  8. 前記湿紙端部接触領域の通気と前記中央領域の平均通気の差の絶対値の最大が中央領域の平均通気に対して20%以上であることを特徴とする、請求項1乃至4に記載の抄紙用フェルト。
  9. 補強繊維基材と該補強繊維基材の少なくとも湿紙面側にニードリングによって絡合一体化された湿紙面側バット繊維層とを備えた抄紙用フェルトの製造方法であって、前記抄紙用フェルトは、湿紙端部が接触する湿紙端部接触領域と、該湿紙端部接触領域に挟まれた中央領域とを有し、プレス加工によって前記湿紙端部接触領域が、前記中央領域の平均厚みと異なる厚みを有することを特徴とする、抄紙用フェルトの製造方法。
  10. 補強繊維基材と該補強繊維基材の少なくとも湿紙面側にニードリングによって絡合一体化された湿紙面側バット繊維層とを備えた抄紙用フェルトの製造方法であって、前記抄紙用フェルトは、湿紙端部が接触する湿紙端部接触領域と、該湿紙端部接触領域に挟まれた中央領域とを有し、プレス加工によって前記湿紙端部接触領域が、前記中央領域の平均通気と異なる通気を有することを特徴とする、抄紙用フェルトの製造方法。
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