JP2011122125A - 顔料分散組成物、着色感光性組成物、カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、液晶表示装置、及び、固体撮像素子 - Google Patents
顔料分散組成物、着色感光性組成物、カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、液晶表示装置、及び、固体撮像素子 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】(A)平均一次粒子径が10〜30nmの顔料、(B)水酸基、カルボン酸基、スルホン酸基、アミノ基及びそれらの塩から選択される基を少なくとも一つ有するキノフタロン化合物、及び、(C)溶剤を含有し、該(A)顔料と、該(B)キノフタロン化合物との含有比率〔(A):(B)〕が、質量基準で(A):(B)=85:15〜10:90の範囲にある顔料分散組成物。
【選択図】なし
Description
即ち、本発明の目的は、微細な顔料の分散性、及び、コントラストの双方が良好であり、明度の向上した顔料分散組成物及び該顔料分散組成物を含む着色感光性組成物を提供することにある。
また、本発明のさらなる目的は、前記本発明の着色感光性組成物を用いることで、色純度及び透過率が高く、コントラストが良好な、色特性の優れたなカラーフィルタを提供すること、さらには、このカラーフィルタを用いてなる、明度の高い鮮明な画像の液晶表示装置及び、色特性に優れた固体撮像素子を提供することを目的とする。
即ち、前記課題を解決するための手段は以下の通りである。
<2> 前記(A)顔料と、前記(B)キノフタロン化合物との含有比率〔(A):(B)〕が、質量基準で(A):(B)=82:18〜15:85の範囲にある<1>記載の顔料分散組成物。
<3> 前記(A)顔料と、前記(B)キノフタロン化合物との含有比率〔(A):(B)〕が、質量基準で(A):(B)=80:20〜20:80の範囲にある<1>記載の顔料分散組成物。
<5> 前記(A)顔料が、銅フタロシアニン顔料、亜鉛フタロシアニン顔料、アゾ系ニッケル錯体顔料、及び、イソインドリン系顔料からなる群より選択される少なくとも1種である<1>〜<3>のいずれか1項に記載の顔料分散組成物。
<7> 前記(A)顔料が、無機塩、溶剤、及び、色素誘導体の存在下で混練処理された顔料である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の顔料分散組成物。
<8> 前記色素誘導体が、前記(B)キノフタロン化合物である<7>に記載の顔料分散組成物。
<9> 前記(B)キノフタロン化合物が、下記の一般式(1)で表される化合物ある<1>〜<8>のいずれか1項に記載の顔料分散組成物。
<11> <10>に記載の着色感光性組成物を、直接若しくは他の層を介して基板上に付与して感光性膜を形成する感光性膜形成工程と、形成された感光性膜にパターン露光及び現像を順次行なうことにより着色パターンを形成する着色パターン形成工程と、を有するカラーフィルタの製造方法。
<12> <11>に記載の製造方法によって得られた着色パターンを備えるカラーフィルタ。
<13> <12>に記載のカラーフィルタが具備された表示装置。
<14> <12>に記載のカラーフィルタを備えてなる固体撮像素子。
また、前記本発明の着色感光性組成物を用いることで、色純度及び透過率が高く、コントラストが良好で、高い色特性の着色パターンを備えるカラーフィルタ、該カラーフィルタを用いてなる、輝度の高い鮮明な画像の液晶表示装置、及び、色特性に優れた固体撮像素子を提供することができる。
本発明の顔料分散組成物は、(A)平均一次粒子径が10〜30nmの顔料、(B)水酸基、カルボン酸基、スルホン酸基、アミノ基及びそれらの塩から選択される基を少なくとも一つ有するキノフタロン化合物、及び、(C)溶剤を含有し、且つ、該(A)顔料と、該(B)キノフタロン化合物との含有比率〔(A):(B)〕が、質量基準で(A):(B)=85:15〜10:90の範囲にあることを特徴とする。
以下、本発明の顔料分散組成物を構成する各成分について詳述する。
本発明の着色組成物に用いることができる着色剤としては、平均一次粒子径が10nm以上30nm以下であれば、従来公知の種々の無機顔料及び有機顔料から任意に選択した顔料を用いることができる。以下、本発明に使用しうる代表的な顔料を挙げる。
上記キノフタロン系顔料としては、C.I.Pigment Yellow 138、イソインドリン系顔料としては、C.I.Pigment Yellow 139、185、アゾ系金属錯体としては、C.I.Pigment Yellow 150、金属フタロシアニングリーン顔料としては、C.I.Pigment Green 7、36、58、ジケトピロロピロール系顔料としては、C.I.Pigment Red254、255、アントラキノン系顔料としては、C.I.Pigment Red 177などが挙げられる。
具体的には、顔料と、無機塩と、所望により併用される色素誘導体と、それらを溶解しない有機溶剤とを混練機に仕込み、その中で混練摩砕を行う。この際の混練機としては、例えばニーダーやミックスマーラー等が使用できる。
色素誘導体を併用する際の使用量は、特に限定されるものではないが、質量換算で顔料100部に対して 1〜20部であることが好ましく、1〜15部の範囲であることがさらに好ましい。
また、乾燥後の粉砕は、比表面積を大きくしたり、一次粒子の平均粒子径を小さくしたりするための操作ではなく、例えば箱型乾燥機、バンド乾燥機を用いた乾燥の場合の様に顔料がランプ状等のとなった際に顔料を解して粉体化するために行うものであり、例えば、乳鉢、ハンマーミル、ディスクミル、ピンミル、ジェットミル等による粉砕等が挙げられる。
なお、 本発明に使用される顔料としては、平均一次粒子径が10nm以上30nm以下の範囲であることを要するが、分散安定性の観点からは、平均一次粒子径が10nm以上28nm以下であることがより好ましく、10nm以上25nm以下であることがさらに好ましい。
本発明で用いられるキノフタロン化合物は、置換基として水酸基、カルボン酸基、スルホン酸基、アミノ基、及びそれらの塩から選択される基を少なくとも一つ分子内に有する。これら置換基は、キノフタロン化合物に直接結合するものであってもよいが、さらに、分散性向上の観点から、必要に応じてアルキル基などの連結基を介して結合したものであっても良い。
本発明に用いうる特定置換基を有するキノフタロン化合物は、例えば、特開2003−167112公報の段落番号〔0015〕〜〔0019〕に記載される方法により入手することができる。
本発明で用いられるキノフタロン化合物の合成法の一例を以下に挙げる。
キノフタロン顔料:4,5,6,7−テトラクロロ−2−[2−(4,5,6,7−テトラクロロ−2,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−1H−インデン−2−イル)−8−キノリニル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(PY138)を濃硫酸、発煙硫酸、クロロスルホン酸、またはこれらの混合液などに投入してスルホン化反応を行う。反応液を大量の水で希釈するか、あるいは、金属アルカリ水溶液またはアミン水溶液により中和し、得られた懸濁液を濾過した後に水系の洗浄液で洗浄し、乾燥する。中和を行わない場合、得られるスルホン化誘導体は酸となり、中和を行うと塩となる。
上記の合成過程で中和を行う場合、金属アルカリ水溶液を用いるよりもアミン水溶液を用いるほうが好ましい。これは、中和にアルカリ金属水溶液を用いると、アルカリ金属がカラーフィルタの画素中に残留することにより、液晶の電気特性に悪影響を及ぼすという事態を招く懸念があるためである。中和に用いるアミン水溶液としては、アンモニア、モノエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)などの水溶液を用いることができるが、本発明では特にこれらに限定されずに種々のアミン水溶液を使用することができる。
本発明の好ましいキノフタロン化合物のより具体的な例としては、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
一般式(1)で表されるキノフタロン化合物のなかでも、X1〜X8のうち4箇所以上が塩素原子又は臭素原子であるものが好ましく、X1〜X8の8箇所全てが塩素原子であるものが特に好ましい。
R1〜R4の1〜3箇所に水素原子以外の上記置換基のいずれかが導入されたものが好ましく、特にR2またはR3の位置に、上記置換基のいずれかが1〜2個導入されたものが特に好ましい。導入される置換基Yとしては、スルホン酸基、カルボン酸基、アミノ基等が好ましく、キノフタロン化合物と置換基Yとを連結する連結基における炭素数nとしては、1〜12のものが好ましく、1〜6のものが特に好ましい。
本発明に用いうる特定置換基を有するキノフタロン化合物の好ましい構造の例を以下に示すが、本発明はこれらに制限されるものはない。
(A)顔料と、前記(B)キノフタロン化合物との含有比率〔(A):(B)〕は、82:18〜15:85の範囲にあることが好ましく、80:20〜20:80の範囲にあることがより好ましい。
本発明の顔料分散組成物は、さらに溶剤を含有する。
本発明に用いうる(C)溶剤としては、エステル類、例えば酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチルなどの3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等;
エーテル類、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート等;
ケトン類、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等;
芳香族炭化水素類、例えばトルエン、キシレン、等が挙げられる。
溶剤は、単独で用いる以外に2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の顔料分散組成物には、前記(A)成分〜(C)成分に加え、本発明の効果を損なわないかぎりにおいて種々の添加剤を併用することができる。
(顔料分散剤)
本発明の顔料分散組成物に用いうる顔料分散剤としては、下記一般式(i)、(ii)、又は、(i)−2で表される単量体を重合或いは共重合することにより、これら単量来由来の繰り返し単位が導入された高分子化号物であることが好ましい。
このような化合物については、特開2009‐256572号公報 段落番号〔0021〕〜〔0089〕に詳細に記載され、ここに記載の化合物は本発明における顔料分散剤として好適に使用しうる。
顔料分散剤としては、上記化合物の他、例えば、公知の顔料分散剤や界面活性剤を適宜選択して用いることができる。
本発明の顔料分散組成物の調製態様は、特に制限されないが、例えば、顔料と顔料分散剤と溶剤とを、縦型もしくは横型のサンドグラインダー、ピンミル、スリットミル、超音波分散機等を用いて、0.01〜1mmの粒径のガラス、ジルコニア等でできたビーズで微分散処理を行なうことにより得ることができる。
なお、混練、分散についての詳細は、T.C.Patton著“Paint Flow
and Pigment Dispersion”(1964年 John Wile
and Sons社刊)等に記載されている。
本発明の着色感光性組成物は、既述の本発明の顔料分散組成物と、(D)重合性化合物と、(E)光重合開始剤と、所望によりアルカリ可溶性樹脂と、を含み、必要に応じて、他の成分を含んでいてもよい。以下、本発明の着色感光性組成物に含まれる各成分について詳述する。
本発明の着色感光性組成物は、前記本発明の顔料分散組成物の少なくとも一種を用いて構成されるものである。着色感光性組成物を構成する本発明の顔料分散組成物の詳細については、既述の通りである。
本発明の着色感光性組成物は、重合性化合物の少なくとも一種を含有する。本発明に用いることができる重合性化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。モノマー及びその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応物、及び単官能若しくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、現像促進を図るため、アルキルオキサイド基やカルボン酸基などの有機酸基を構造中にもつ化合物も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
本発明の感光性樹脂組成物は、(E)光重合開始剤を含有する。
前記(E)光重合開始剤としては、例えば、有機ハロゲン化化合物、オキシジアゾール化合物、カルボニル化合物、ケタール化合物、ベンゾイン化合物、アクリジン化合物、有機過酸化化合物、アゾ化合物、クマリン化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ酸化合物、ジスルホン酸化合物、オキシムエステル化合物、オニウム塩化合物、アシルホスフィン(オキシド)化合物が挙げられる。
Japan」42、2924(1969)、米国特許第3,905,815号明細書、特公昭46−4605号公報、特開昭48−36281号公報、特開昭55−32070号公報、特開昭60−239736号公報、特開昭61−169835号公報、特開昭61−169837号公報、特開昭62−58241号公報、特開昭62−212401号公報、特開昭63−70243号公報、特開昭63−298339号公報、M.P.Hutt“Journal of Heterocyclic Chemistry”1(No3),(1970)」等に記載の化合物が挙げられ、特に、トリハロメチル基が置換したオキサゾール化合物、s−トリアジン化合物が挙げられる。
上記一般式で表されるオキシムエステル化合物の好ましい具体例を以下に示す。
また、その他の好ましいスルホニウム塩としては、トリアリールスルホニウム塩の1つの置換基がクマリン、アントアキノン構造を有し、300nm以上に吸収を有するスルホニウム塩が挙げられる。別の好ましいスルホニウム塩としては、トリアリールスルホニウム塩が、アリロキシ基、アリールチオ基を置換基に有する300nm以上に吸収を有するスルホニウム塩が挙げられる。
et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,1047(1979)に記載のセレノニウム塩、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩等が挙げられる。
上記の好ましいその他の光重合開始剤の具体例として、4−[o−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニル)アミノフェニル]−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン)が挙げられる。また、好適な光重合開始剤の市販品としては、イルガキュア−184、イルガキュア−369、イルガキュア−379、イルガキュア−651、イルガキュア−907、イルガキュア−819(以上、チバ スペシャルティ ケミカルズ製)、ダロキュア4265、ダロキュアTPO(以上、メルク製)、アデカ1717(旭電化工業製)、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール(黒金化成製)、EABF(保土ヶ谷化学社製)等が挙げられる。
本発明の着色感光性組成物に用いられる光重合開始剤は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、露光波長に吸収を持たない開始剤を用いる場合には、露光波長に吸収を有する化合物を増感剤として使用する必要がある。
本発明の着色感光性組成物には、アルカリ可溶性樹脂の少なくとも一種を含有することが好ましい。アルカリ可溶性樹脂は顔料分散組成物の調整の段階で含有することも可能であり、顔料分散組成物の調整および着色感光性組成物の調整の段階の両方の工程で分割して添加することも可能である。
アルカリ可溶性樹脂としては、線状有機高分子重合体であって、分子(好ましくは、アクリル系共重合体、スチレン系共重合体を主鎖とする分子)中に少なくとも1つのアルカリ可溶性を促進する基(例えばカルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基など)を有するアルカリ可溶性樹脂の中から適宜選択することができる。このうち、更に好ましくは、有機溶剤に可溶で弱アルカリ水溶液により現像可能なものである。
本発明に用いられる感光性樹脂組成物には、増感色素を添加することが感度向上の観点から好ましい。この増感色素が吸収しうる波長の露光により上記重合開始剤成分のラジカル発生反応や、それによる重合性化合物の重合反応が促進されるものである。
このような増感色素としては、公知の分光増感色素又は染料、又は光を吸収して光重合開始剤と相互作用する染料又は顔料が挙げられる。
例えば、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)が挙げられる。
チオール化合物は、共増感剤として作用したり、基板との密着性を高める作用もある。共増感剤は、増感色素や光重合開始剤の活性放射線に対する感度を一層向上させる、あるいはエチレン性不飽和化合物の酸素による重合阻害を抑制する等の作用を有する。
チオール化合物として具体的には、エチレングリコールビスチオプロピオネート(EGTP)、ブタンジオールビスチオプロピオネート(BDTP)、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート(TMTP)、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート(PETP)、下記式で表されるTHEIC−BMPA等のメルカプトプロピオン酸誘導体;エチレングリコールビスチオグリコレート(EGTG)、ブタンジオールビスチオグリコレート(BDTG)、ヘキサンジオールビスチオグリコレート(HDTG)、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート(TMTG)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート(PETG)等のチオグリコール酸誘導体;1,2−ベンゼンジチオール、1,3−ベンゼンジチオール、1,2−エタンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,6−ヘキサメチレンジチオール、2,2’−(エチレンジチオ)ジエタンチオール、meso−2,3−ジメルカプトコハク酸、p−キシレンジチオール、m−キシレンジチオール等のチオール類;ジ(メルカプトエチル)エーテル等のメルカプトエーテル類を例示することができる。これらは、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記アルキル基としては、炭素原子数が1から20までの直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を挙げることができ、炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状、並びに炭素原子数5から10までの環状のアルキル基がより好ましい。その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2−ノルボルニル基等を挙げることができる。
この原子団を構成する原子としては、炭素原子、窒素原子、水素原子、硫黄原子、セレン原子等が挙げられる。
なお、A2とN=C−Nとで形成されるヘテロ環は、更に置換基を有していてもよく、導入しうる置換基としては、上記アルキル基やアリール基に導入可能な置換基と同様のものが挙げられる。
一般式(III)中、R2は、アルキル基、又はアリール基を表し、X1は、一般式(II)のX1と同義である。
また、一般式(II)及び(III)におけるアリール基は、一般式(I)のRで表されるアリール基と同義であり、その好ましい範囲も同様である。
一般式(II)中、R1は、フェニル基であることが、感度とPGMEA溶解性の観点で最も好ましい。
一般式(III)中、R2は、メチル基、エチル基、フェニル基、ベンジル基であることが、感度とPGMEA溶解性の観点でより好ましい。
本発明の着色感光性組成物は、一般に上記成分と共に溶剤を用いて好適に調製することができる。
溶剤としては、エステル類、例えば酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、並びに、3−オキシプロピオン酸メチル及び3−オキシプロピオン酸エチルなどの3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例えば、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル)、並びに、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、及び2−オキシプロピオン酸プロピルなどの2−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例えば、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル)、並びに、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等;
ケトン類、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等;芳香族炭化水素類、例えばトルエン、キシレン、等が挙げられる。
溶剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の着色感光性組成物には、必要に応じて、フッ素系有機化合物、熱重合防止剤、着色剤、その他充填剤、アルカリ可溶性樹脂以外の高分子化合物、界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤などの各種添加物を含有することができる。
以下、好ましい併用成分について説明する。
フッ素系有機化合物を含有することで、塗布液としたときの液特性(特に流動性)を改善でき、塗布厚の均一性や省液性を改善することができる。すなわち、基板と塗布液との界面張力を低下させて基板への濡れ性が改善され、基板への塗布性が向上するので、少量の液量で数μm程度の薄膜を形成した場合であっても、厚みムラの小さい均一厚の膜形成が可能である点で有効である。
フッ素系有機化合物の添加量は、顔料分散組成物または着色感光性組成物の全質量に対して、0.001〜2.0質量%が好ましく、より好ましくは0.005〜1.0質量%である。
本発明の着色感光性組成物には、熱重合開始剤を含有させることも有効である。熱重合開始剤としては、例えば、各種のアゾ系化合物、過酸化物系化合物が挙げられ、前記アゾ系化合物としては、アゾビス系化合物を挙げることができ、前記過酸化物系化合物としては、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネートなどを挙げることができる。
本発明の着色感光性組成物には、塗布性を改良する観点から、各種の界面活性剤を用いて構成することが好ましく、ノニオン系、カチオン系、アニオン系の各種界面活性剤を使用できる。中でも、ノニオン系界面活性剤でパーフルオロアルキル基を有するフッ素系界面活性剤が好ましい。
フッ素系界面活性剤の具体例としては、大日本インキ化学工業(株)製のメガファック(登録商標)シリーズ、3M社製のフロラード(登録商標)シリーズなどが挙げられる。
具体的には、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、ジエチル酢酸、エナント酸、カプリル酸等の脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、メチルコハク酸、テトラメチルコハク酸、シトラコン酸等の脂肪族ジカルボン酸;トリカルバリル酸、アコニット酸、カンホロン酸等の脂肪族トリカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、クミン酸、ヘメリト酸、メシチレン酸等の芳香族モノカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト酸、トリメシン酸、メロファン酸、ピロメリト酸等の芳香族ポリカルボン酸;フェニル酢酸、ヒドロアトロパ酸、ヒドロケイ皮酸、マンデル酸、フェニルコハク酸、アトロパ酸、ケイ皮酸、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸ベンジル、シンナミリデン酢酸、クマル酸、ウンベル酸等のその他のカルボン酸が挙げられる。
本発明において、熱架橋性化合物とはアルカリ可溶性樹脂のカルボキシル基と熱架橋する化合物を言い、熱架橋することによって架橋密度が高くなり、形成された着色硬化膜の耐薬品性の向上が図られる。
本発明に使用できる熱架橋性化合物としては、ビスフェノールA型、クレゾールノボラック型、ビフェニル型、脂環式エポキシ化合物のエポキシ化合物などが挙げられるが、メラミン系化合物など熱架橋性を示す化合物を使用しても良い。
本発明に係る多官能エポキシ化合物の硬化性組成物中における含有量としては、顔料を除いた全固形分に対して、2〜20質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。該含有量が前記範囲内であると、膜の耐溶剤性に優れる。また、多すぎるとベーク後の黄着色により、カラーフィルタの品質が損なわれたり、少なすぎると耐NMP性に劣ってしまったりする問題が生じる。
本発明の着色感光性組成物には、さらに熱重合防止剤を加えておくことが好ましく、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンゾイミダゾール等が有用である。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、既述の本発明の着色感光性組成物を、直接若しくは他の層を介して基板上に付与して感光性膜を形成する感光性膜形成工程と、形成された感光性膜にパターン露光及び現像を順次行なうことにより着色パターンを形成する着色パターン形成工程と、を有することを特徴とするものであり、この製造方法により、本発明の着色硬化性組成物により形成された、顔料分散性、コントラストに優れ、明度が改良された着色パターンを有する本発明のカラーフィルタを得る。
(着色感光性組成物層の形成)
例えば、本発明の着色感光性組成物を、基板に直接又は他の層を介して付与して感光性組成物層を形成する。
感光性組成物の塗布は、常法により行うことができ、好ましくは、回転塗布、スリット塗布、流延塗布、ロール塗布等の塗布方法により塗布される。
基板上に付与(好ましくは塗布)された本発明の着色感光性組成物による膜の乾燥(プリベーク)は、ホットプレート、オーブン等を用いて50〜140℃の温度範囲で10〜300秒の条件にて行なうことができる。
次に、形成された感光性組成物層に、所定のマスクパターンを介するなどの方法でパターン露光する。このパターン露光により、露光領域が硬化する。
この際、露光に用いる放射線としては、特にg線、h線、i線、j線等の紫外線が好ましい。
(現像)
パターン露光後に未硬化部を現像液で現像除去することにより、着色パターン(例えば、着色画素)が形成される。後述するように、着色パターンは、各色(例えば3色あるいは4色)順次、形成され、3色或いは4色の着色画素を有するカラーフィルタが得られる。
現像では、露光後の未硬化部を現像液に溶出させ、硬化部のみを残存させる。現像温度としては、通常20〜30℃であり、現像時間としては20〜90秒である。
現像液としては、未硬化部における着色感光性組成物の膜を溶解する一方、硬化部を溶解しないものであれば、いずれのものも用いることができる。具体的には、種々の有機溶剤の組合せやアルカリ性の水溶液を用いることができる。
なお、アルカリ性水溶液を現像液として使用した場合には、一般に現像後に水で洗浄(リンス)が行なわれる。
ポストベークは、硬化を完全なものとするための現像後の加熱であり、通常約200℃〜250℃の加熱(ハードベーク)を行なう。このポストベーク処理は、現像後の塗布膜を、上記条件になるようにホットプレートやコンベクションオーブン(熱風循環式乾燥機)、高周波加熱機等の加熱手段を用いて、連続式あるいはバッチ式で行なうことができる。
上記工程により、最も好適にカラーフィルタを作製することができる。
本発明の着色感光性組成物を用いて、上記工程にて製造することにより、液晶表示素子や固体撮像素子に用いられるカラーフィルタを、プロセス上の困難性が少なく、高品質でかつ低コストに作製することができる。
基板上に他の層を介して着色感光性組成物を付与する場合の、他の層としては、ガスバリヤー層、耐溶剤性層、などが挙げられる。
本発明の液晶表示素子は、本発明のカラーフィルタを備えてなるものである。
より具体的には、カラーフィルタの内面側に配向膜を形成し、電極基板と対向させ、間隙部に液晶を満たして密封することにより、本発明の液晶表示素子であるパネルが得られる。
本発明の態様によれば、顔料の凝集に起因する色むらの発生が抑制され、コントラストが良好で、明度が改良された着色パターンを備える、色むらが少なく、コントラストが高いカラーフィルタを提供することができ、このカラーフィルタを用いることで、高品位の着色画素を備える液晶表示素子を提供することができる。
本発明の固体撮像素子は、本発明のカラーフィルタを備えてなるものである。本発明によれば、色特性に優れた固体撮像素子を提供することができる。
固体撮像素子の構成としては、カラーフィルタを備え、固体撮像素子として機能する構成であれば、特に限定はなく、例えば以下のような構成が挙げられる。
支持体上に、CCDイメージセンサー(固体撮像素子)の受光エリアを構成する複数のフォトダイオード及びポリシリコン等からなる転送電極を有し、前記フォトダイオード及び前記転送電極上にフォトダイオードの受光部のみ開口したタングステン等からなる遮光膜を有し、遮光膜上に遮光膜全面及びフォトダイオード受光部を覆うように形成された窒化シリコン等からなるデバイス保護膜を有し、前記デバイス保護膜上にカラーフィルタを有する構成である。
さらに、前記デバイス保護層上であってカラーフィルタの下(支持体に近い側)に集光手段(例えばマイクロレンズ等。以下同様。)を有する構成や、カラーフィルタ上に集光手段を有する構成等であってもよい。
(合成例1:(B)キノフタロン化合物(1)の合成)
キノフタロン顔料(4,5,6,7−テトラクロロ−2−[2−(4,5,6,7−テトラクロロ−2,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−1H−インデン−2−イル)−8−キノリニル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン)(ビー・エー・エス・エフ社製“パリオトール”イエローK0961HD)10gを攪拌しながら15℃の発煙硫酸(25%SO3 )130g中に投入した。3時間攪拌した後、氷250g上に加えた。30分間放置後、生じた懸濁液を濾過し、得られた生成物を50mlの水で水洗した。水330ml中へ前記生成物を投入し、pHが7になるまでアンモニア水溶液を添加することで、アンモニア水溶液で中和した。その後、塩化アンモニウム75gを添加して80℃で30分間攪拌し、析出した沈殿物を60℃で濾過した。得られたウェット結晶を水で洗浄した後、80℃で乾燥し、17gのキノフタロン誘導体スルホン化物のアンモニウム塩(1)を得た。
このキノフタロン誘導体スルホン化物のアンモニウム塩(1)を180℃で3時間熱処理し、アンモニウム塩が除去されたキノフタロン誘導体スルホン化物(2)〔本発明に係る(B)特定置換基を有するキノフタロン化合物(1):下記構造〕16g(収率94%)を得た。
合成例1で得たキノフタロン誘導体スルホン化物(2)〔(B)キノフタロン化合物(1)〕10gにクロロホルム中、氷冷下で塩化オキサリル(和光純薬社製)2.2g、N,N−ジメチルホルムアミド(和光純薬社製)1mLを添加して、50℃で2時間攪拌した。反応混合液を氷浴中で水150mLに加え、析出した結晶をろ過してスルホン酸クロリド化合物(3)〔本発明に係る(B)特定置換基を有するキノフタロン化合物(2):下記構造〕7.4gを得た。(収率72%)
合成例2で得たキノフタロンスルホン酸クロリド化合物(3)〔本発明に係る(B)特定置換基を有するキノフタロン化合物(3)〕5.0gにクロロホルム中、氷冷下で6−クロロ−1−ヘキシルアミン(Rare Chemicals社製)0.9gを添加し、室温で2時間攪拌した。反応混合液を水150mLに加え、析出した結晶をろ過して水洗し、減圧下で乾燥してスルホアミドアルキルクロリド化合物(4)〔本発明に係る(B)特定置換基を有するキノフタロン化合物(3):下記構造〕4.3gを得た。(収率76%)
合成例3で得たキノフタロンスルホアミドクロリド化合物(4)〔本発明に係る(B)特定置換基を有するキノフタロン化合物(3)〕4.3gに、水と無水亜硫酸ナトリウム(関東化学製)を過剰量加え、オートクレーブ中180℃で12時間加熱した。放冷後、結晶をろ過してスルホアミドアルキルスルホン酸化合物(5)〔本発明に係る(B)特定置換基を有するキノフタロン化合物(4)〕3.7gを得た。(収率82%)
合成例4で得たキノフタロンスルホアミドアルキルスルホン酸化合物(5)〔本発明に係る(B)特定置換基を有するキノフタロン化合物(4)〕5.0gに、ジクロロメタン中、氷冷下でトリエチルアミン(和光純薬製)0.7gと4−クロロ−1−ブタノール(東京化成製)0.7gを添加し、室温で2時間攪拌した。反応混合液を水150mLに添加し、析出した結晶をろ過してクロロアルキルスルホネート化合物(6)〔本発明に係る(B)特定置換基を有するキノフタロン化合物(5)〕3.8gを得た。(収率69%)
合成例5で得たキノフタロンクロロアルキルスルホネート化合物(6)〔本発明に係る(B)特定置換基を有するキノフタロン化合物(5)〕3.8gに、水と無水亜硫酸ナトリウム(関東化学製)を過剰量加え、オートクレーブ中180℃で12時間加熱した。放冷後、結晶をろ過して水洗し、減圧下乾燥してスルホン酸化合物(7)〔本発明に係る(B)特定置換基を有するキノフタロン化合物(6)〕3.2gを得た。(収率80%)
まず、下記のスキームで化合物Aを合成する。
エチルカルバゾール(100.0g、0.512mol)をクロロベンゼン260mlに溶解し、0℃に冷却後、塩化アルミニウム(70.3g、0.527mol)を加える。続いて、o−トリルクロリド(81.5g、0.527mol)を40分かけて滴下し、室温に昇温して3時間攪拌する。次に、0℃に冷却後、塩化アルミニウム(75.1g、0.563mol)を加える。4−クロロブチリルクロリド(79.4g、0.563mol)を40分かけて滴下し、室温に昇温して3時間攪拌する。35質量%塩酸水溶液156mlと蒸留水392mlとの混合溶液を0℃に冷却し、反応溶液を滴下する。析出した固体を吸引濾過後、蒸留水とメタノールで洗浄し、アセトニトリルで再結晶後、下記構造の化合物A(下記構造:収量164.4g、収率77%)を得た。
化合物A(20.0g、47.9mmol)をテトラヒドロフラン(以下、THFと称する。)64mlに溶解し、4−クロロベンゼンチオール(7.27g、50.2mmol)とヨウ化ナトリウム(0.7g、4.79mmol)を加える。続いて反応液に水酸化ナトリウム(2.0g、50.2mmol)を加え、2時間還流する。次に、0℃に冷却後、ソジウムメチラート28%メタノール溶液(日本触媒(株)製:SM−28)(11.1g、57.4mmol)を20分かけて滴下し、室温に昇温して2時間攪拌する。次に、0℃に冷却後、亜硝酸イソペンチル(6.73g、57.4mmol)を20分かけて滴下し、室温に昇温して3時間攪拌する。反応液をアセトン120mlに希釈し、0℃に冷却した0.1N塩酸水溶液に滴下する。析出した固体を吸引濾過後、蒸留水で洗浄した。続いて、アセトニトリルで再結晶し、下記構造の化合物B(下記構造:収量17.0g、収率64%)を得た。
化合物B(18.0g、32.4mmol)を90mlのN−メチルピロリドンに溶解し、トリエチルアミン(3.94g、38.9mmol)を加えた。次に、0℃に冷却後、アセチルクロライド(3.05g、38.9mmol)を20分かけて滴下後、室温に昇温して2時間攪拌する。反応液を0℃に冷却した蒸留水150mlに滴下し、析出した固体を吸引濾過後、0℃に冷却したイソプロピルアルコール200mlで洗浄し、乾燥後、下記構造のオキシム化合物1(収量19.5g、収率99%)を得た。
(1H−NMR 400MHz CDCl3):8.86(s,1H),8.60(s,1H),8.31(d,1H,J=8.0Hz),8.81(d,1H,J=8.0Hz),7.51−7.24(m.10H),7.36(q,2H,7.4Hz),3.24−3.13(m,4H),2.36(s,3H),2.21(s,3H),1.50(t,3H,7.4Hz).
ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料(DIC社製FASTGEN A110)100重量部、硫酸ナトリウム200部、ジエチレングリコール600部を双腕型ニーダーに仕込み5時間混練した。上記の混合物を水1000mlに投入して溶剤、無機塩を除去した後、オーブンにて乾燥させることで微細化顔料(P−1)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径をTEMにて観察したところ、粒子径は23nmであった。
(微細化顔料の調製例2:顔料(P−2)の作製)
前記調製例1で用いたハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料をアゾ系ニッケル錯体顔料(ランクセス社製E4GN−GT)に変更した以外は、調製例1と同様にして、微細化顔料(P−2)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径をTEMにて観察したところ、粒子径は20nmであった。
前記調製例1で用いたハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を銅フタロシアニングリーン顔料C.I.ピグメントグリーン36(東洋インキ製造社製Rionol Green 6YK)に変更した以外は同様にして、微細化顔料(P−3)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径をTEMにて観察したところ、粒子径は21nmであった。
(微細化顔料の調製例4:顔料(P−4)の作製)
前記調製例1で用いたハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料をイソインドリン系黄色顔料C.I.ピグメントイエロー139(ビー・エー・エス・エフ社製“パリオトール”イエローD1819)に変更した以外は調製例1と同様にして、微細化顔料(P−4)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径をTEMにて観察したところ、粒子径は26nmであった。
顔料分散組成物(d−1)の調製
(A)顔料として上記調製例1で得られた顔料(P−1)9.2部、顔料(P−2)3.5部、(B)キノフタロン化合物として化合物(7)2.3部、及び、分散剤としてソルスパース24000GR(日本ルーブリゾール社製)9.0部、(C)溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMEAと記載することがある) 76部を混合した後、サンドグラインダーミルにて3時間分散することで顔料分散組成物(d−1)を得た。
得られた顔料分散組成物の粘度をE型粘度計にて測定した所、9.2mPa・sと非常に安定しており、良好な分散安定性が得られていることが確認された。
(実施例2〜18)
顔料分散組成物(d−2〜d−18)の調製
顔料分散組成物(d−1)の調製において用いた顔料とキノフタロン化合物を、下記表1〜表2に示す顔料及びキノフタロン化合物に変更した以外は顔料分散組成物(d−1)の調製例と同様にして顔料分散組成物(d−2〜d−25)を得た。また、それぞれの顔料分散組成物の粘度を実施例1と同様にして測定した結果を表1に表記する。
顔料分散組成物(d−19〜d−24)の調製
顔料分散組成物(d−1)の調製において、顔料とキノフタロン化合物を、下記表1〜表2に示す顔料及びキノフタロン化合物に変更し、分散剤ソルスパース24000GRの添加量を7.2部、(C)溶剤PGMEAの添加量を77.8部に変更した以外は顔料分散組成物(d−1)の調製例と同様にして顔料分散組成物(d−19〜d−24)を得た。また、それぞれの顔料分散組成物の粘度を実施例1と同様にして測定した結果を表1に表記する。
(比較例1〜4)
顔料分散組成物(d−25〜d−28)の調製
顔料分散組成物(d−1)の調製において、顔料とキノフタロン化合物を、下記表1〜表2に示す顔料及びキノフタロン化合物に変更した以外は顔料分散組成物(d−1)の調製例と同様にして顔料分散組成物(d−25〜d−28)を得た。また、それぞれの顔料分散組成物の粘度を実施例1と同様にして測定した結果を表1に表記する。
(比較例5〜8)
顔料分散組成物(d−29〜d−32)の調製
顔料分散物(d−1)の調製において、顔料とキノフタロン化合物を、下記表1〜表2に示す顔料及びキノフタロン化合物に変更し、分散剤ソルスパース24000GRの添加量を7.2部、(D)溶剤PGMEAを77.8部に変更した以外は顔料分散組成物(d−1)の調製例と同様にして顔料分散組成物(d−29〜d−32)を得た。また、それぞれの顔料分散組成物の粘度を実施例1と同様にして測定した結果を表1に表記する。
顔料分散組成物(d−33)の調製
顔料分散組成物(d−13)の調製における顔料(P−4)を、微細化処理を施していないイソインドリン系黄色顔料C.I.ピグメントイエロー139(平均1次粒子径 48nm)に置き換えた以外は顔料分散組成物(d−1)の調製例と同様にして顔料分散組成物(d−33)を得た。得られた顔料分散組成物の粘度をE型粘度計にて測定した所、31.2mPa・sであった。
着色光硬化性組成物(R−1)の調製
下記組成に記載の成分を混合することで着色光硬化性組成物(R−1)を得た。
−組成−
・顔料分散組成物(d−1) 10.74部
・顔料分散組成物(d−5) 3.65部
・アルカリ可溶性樹脂
(Allyl−MA/MAA=80/20 Mw.30,000) 0.25部
・重合性化合物 アロニックスM−510(東亞合成社製) 1.33部
・重合開始剤 IRGACURE OXE01
(チバスペシャリティケミカルズ社製) 0.37部
・界面活性剤メガファックF−554(DIC社製) 0.01部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)8.65部
・3−エトキシプロピオン酸エチル(EEP) 5.00部
着色光硬化性組成物(R−2〜R−32)の調製
着色光硬化性組成物(R−1)において用いた顔料分散物の種類を、下記表3〜表6に示す顔料分散物に変更した以外は、実施例25と同様にして着色光硬化性組成物(R−2〜R−32)を得た。なお、下記表3〜表6においては、配合する顔料分散組成物を「分散物1」及び「分散物2」と表記し、使用した顔料分散組成物の符号を記した。
(コントラスト及び明度の評価)
着色感光性組成物(カラーレジスト液)を、100mm×100mmのガラス基板(EAGLE2000、コーニング社製)上に、乾燥後の塗膜厚が2.0μmになるように塗布し、90℃のオーブンで100秒間乾燥させた(プリベーク)。
その後、60mJ/cm2(照度20mW/cm2)にてマスク露光し、露光後の塗膜をアルカリ現像液CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1%水溶液(25℃)をシャワー状に60秒間散布した。その後、純水をシャワー状に散布して現像液を洗い流し、基板を230℃のオーブンで30分間加熱すること(ポストベーク)で、ガラス基板表面に着色感光性組成物により形成された着色層を有する測定用基板を作製した。
(明度:Y値)
得られた基板の色度をMCPD−2000(大塚電子社製)にて測定し、そのY値で明度を判断した。数値が大きいほど明度が高く良好であると判断する。
(コントラスト)
得られた基板を2枚の偏光板の間に挟み、2枚の偏向板の偏向軸が平行時の輝度と直交時の輝度とをトプコン(株)社製のBM−5Aを用いて測定し、平行時の輝度を直交時の輝度で除して得られる値(=平行時の輝度/直交時の輝度)を、コントラストを評価するための指標とした。
着色光硬化性組成物(R−32〜R−43)の調製
実施例36(R14)の着色光硬化性組成物において用いた顔料分散組成物、重合性化合物及び溶剤以外の成分を下表7に記載のように変更した以外は同様にして、着色光硬化性組成物(R−32〜R−43)を得た。この着色硬化性組成物を、実施例25と同様に評価した結果を下記表7に併記する。
重合性化合物:アロニックスM−510
アルカリ可溶性樹脂:(Allyl−MA/MAA=80/20 Mw.30,000)
開始剤1:IRGACURE OXE01(チバスペシャリティケミカルズ社製)
開始剤2:IRGACURE OXE02(チバスペシャリティケミカルズ社製)
開始剤3:オキシム化合物(1)(合成例7で得たもの)
開始剤4:B−CIM、保土ヶ谷化学工業社製
開始剤5:下記構造の化合物(10)
開始剤6:N−フェニルメルカプトベンゾイミダゾール
添加剤1:アゾキシアニソール
添加剤2:アデカスタブAO−60
添加剤3:アデカスタブLA−52
添加剤4:EHPE−3150
界面活性剤:メガファックF−554
化合物(10)
着色光硬化性組成物(R−44)の調製
着色光硬化性組成物(R−1)において用いた顔料分散物の種類を、上記表3記載の実施例29に示す顔料分散組成物(d−13)を比較例9で用いた顔料分散組成物(d−33)に変更した以外は、実施例29と同様にして着色光硬化性組成物(R−44)を得た。この着色硬化性組成物(R−44)を、実施例25と同様に評価した結果、基板の色度(x,y,Y)及びコントラストは以下の通りであった。
x:0.280、y:0.599、Y:56.0、コントラスト 11200
実施例48〜実施例59と比較例18との対比において、用いる顔料の平均一次粒子径が本発明の範囲外である比較例18の着色硬化膜はコントラストに劣ることがわかる。
〔カラーフィルタの作製〕
1.着色硬化性組成物層の形成
上記により得られた顔料を含有する着色硬化性組成物(R−3)をレジスト液として、550mm×650mmのブラックマトリックスを設けたガラス基板に下記条件でスリット塗布した後、真空乾燥(66Pa)とプレベーク(prebake)(90℃ 100秒)を施して着色硬化性組成物塗膜(着色硬化性組成物層)を形成した。
塗布ヘッド先端の開口部の間隙:100μm
塗布速度:150mm/秒
基板と塗布ヘッドとのクリヤランス:150μm
塗布厚(乾燥厚):2μm
塗布温度:23℃
その後、着色硬化性組成物層をプロキシミティー露光機(日立ハイテクノロジー社製、LE5565A)を用いて、60mJ/cm2でパターン状に露光した。露光後の着色硬化性組成物層の全面を、無機系現像液(商品名:CDK−1、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1.0%水溶液(25℃)をシャワー圧0.2MPaに設定して、60秒間現像し、純水で洗浄した。
着色硬化性組成物層上に純水をシャワー状に噴射して現像液を洗い流し、次いで、230℃のオーブンにて30分間加熱した(ポストベーク)。このようにして基板上に緑色着色パターンを形成した。
この後、青色の着色硬化性組成物(CB−9500L;富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)で着色パターンを形成し、さらに赤色の着色硬化性組成物(CR−9500L;富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)で着色パターンを形成し、ITOを蒸着、光重合性組成物(CSP−3210L;富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)を用いてスペーサーを形成し、基板上に緑色、赤色、および青色の着色パターン(画素)を有するカラーフィルタ(1)を得た。
実施例60においてレジストとして用いられた着色硬化性組成物(R−3)を比較例10で用いた着色硬化性組成物(R−11)に変更した以外は同様にして着色パターンを形成し、カラーフィルタ(2)を得た。
(色ムラ評価)
550mm×650mm基板において、図1に示す12箇所の点〔それぞれ座標(1)〜(12)と称する〕における緑色画素部の色度を測定し、そのy値の〔(最大値)−(最小値)〕= yrangeとして色ムラ評価の指標とした。なお、座標の位置は、下記表8に示すとおりである。
得られたカラーフィルタ(1)及びカラーフィルタ(2)を、それぞれ2枚の偏光板の間に挟み、2枚の偏向板の偏向軸が平行時の輝度と直交時の輝度とをトプコン(株)社製のBM−5Aを用いて測定し、平行時の輝度を直交時の輝度で除して得られる値(=平行時の輝度/直交時の輝度)を、コントラストを評価するための指標とした。実施例60で得られたカラーフィルタ(1)及び比較例19で得られたカラーフィルタ(2)を上記の方法にて評価したところ、コントラストはそれぞれ4500、3600であった。このことから、本発明のカラーフィルタ(1)はコントラストに優れていることが確認された。
実施例60で得られたカラーフィルタ(1)を液晶表示素子に組み込んだところ、該液晶表示素子は、色特性、コントラストに優れることが確認された。
Claims (14)
- (A)平均一次粒子径が10〜30nmの顔料、(B)水酸基、カルボン酸基、スルホン酸基、アミノ基及びそれらの塩から選択される基を少なくとも一つ有するキノフタロン化合物、及び、(C)溶剤を含有し、該(A)顔料と、該(B)キノフタロン化合物との含有比率〔(A):(B)〕が、質量基準で(A):(B)=85:15〜10:90の範囲にある顔料分散組成物。
- 前記(A)顔料と、前記(B)キノフタロン化合物との含有比率〔(A):(B)〕が、質量基準で(A):(B)=82:18〜15:85の範囲にある請求項1記載の顔料分散組成物。
- 前記(A)顔料と、前記(B)キノフタロン化合物との含有比率〔(A):(B)〕が、質量基準で(A):(B)=80:20〜20:80の範囲にある請求項1記載の顔料分散組成物。
- 前記(A)顔料が、キノフタロン系顔料、イソインドリン系顔料、アゾ系金属錯体、金属フタロシアニングリーン顔料、ジケトピロロピロール系顔料、及び、アントラキノン系顔料からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の顔料分散組成物。
- 前記(A)顔料が、銅フタロシアニン顔料、亜鉛フタロシアニン顔料、アゾ系ニッケル錯体顔料、及び、イソインドリン系顔料からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の顔料分散組成物。
- 前記(A)顔料が、無機塩、及び、溶剤の存在下で混練処理された顔料である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の顔料分散組成物。
- 前記(A)顔料が、無機塩、溶剤、及び、色素誘導体の存在下で混練処理された顔料である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の顔料分散組成物。
- 前記色素誘導体が、前記(B)キノフタロン化合物である請求項7に記載の顔料分散組成物。
- 前記(B)キノフタロン化合物が、下記の一般式(1)で表される化合物ある請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の顔料分散組成物。
(前記一般式(1)中、X1〜X8はそれぞれ独立に水素原子、塩素原子、又は臭素原子を表す。R1〜R4はそれぞれ独立に水素原子、−OCnH2n−Y、−SO3CnH2n−Y、−SO2NHCnH2n−Y、−CO2CnH2n−Y、−NHCOCnH2n−Y、又は、−N(CnH2n−Y)2を表し、全てが水素原子であることはない。nは0〜20の整数を表し、Yは水素原子、−OH、−SO3H、−CO2H、−CO2 −[NH4]+、−SO3 −[NH4]+、又は、−N(R5)2を表す。R5は水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。) - (D)重合性化合物、(E)光重合開始剤、及び、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の顔料分散組成物を含有する着色感光性組成物。
- 請求項10に記載の着色感光性組成物を、直接若しくは他の層を介して基板上に付与して感光性膜を形成する感光性膜形成工程と、形成された感光性膜にパターン露光及び現像を順次行なうことにより着色パターンを形成する着色パターン形成工程と、を有するカラーフィルタの製造方法。
- 請求項11に記載のカラーフィルタの製造方法によって得られた着色パターンを備えるカラーフィルタ。
- 請求項12に記載のカラーフィルタを備えてなる表示装置。
- 請求項12に記載のカラーフィルタを備えてなる固体撮像素子。
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