JP2003167112A - 顔料分散組成物、顔料分散レジスト、およびカラーフィルター - Google Patents

顔料分散組成物、顔料分散レジスト、およびカラーフィルター

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JP2003167112A
JP2003167112A JP2001366490A JP2001366490A JP2003167112A JP 2003167112 A JP2003167112 A JP 2003167112A JP 2001366490 A JP2001366490 A JP 2001366490A JP 2001366490 A JP2001366490 A JP 2001366490A JP 2003167112 A JP2003167112 A JP 2003167112A
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color filter
pigment dispersion
resist
dispersion composition
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JP2001366490A
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Yoichi Saito
洋一 斉藤
Satoru Fuyama
解 麸山
Shingo Araki
慎悟 荒木
Masaaki Kishimoto
昌明 岸本
Hiroshi Katsube
浩史 勝部
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低粘度で保存安定性に優れたカラーフィルタ
ー用顔料分散組成物、透明性、現像性、耐熱性、耐光性
に優れたカラーフィルター用顔料分散レジスト、および
基板上に、透明性、耐熱性、および耐光性に優れた、着
色硬化塗膜層を有するカラーフィルターを提供すること 【解決手段】 キノフタロン誘導体スルホン酸、または
その塩を含有するカラーフィルター用顔料分散組成物、
該カラーフィルターフィルター用顔料分散組成物を含有
するカラーフィルター用顔料分散レジスト、および、基
板上に、該カラーフイルター用顔料分散レジストの着色
硬化塗膜層を有するカラーフィルターを提供。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低粘度で保存安定
性に優れたカラーフィルター用顔料分散組成物、透明
性、現像性、耐熱性、耐光性に優れたカラーフィルター
用顔料分散レジスト、および基板上に透明性、耐熱性、
および耐光性に優れた着色硬化塗膜層を有するカラーフ
ィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】カラーフィルターは、ブラックマトリッ
クスと呼ばれる網目状の遮光薄膜層を設けた基板上に、
透過型の場合はレッド、グリーン、ブルーの光の3原色
を選択的に透過するように、また反射型の場合にはシア
ン、マジェンタ、イエローの色の3原色を選択的に反射
するように、ブラックマトリックスの各網目の中に、各
色に相当する着色硬化塗膜層を形成し、かつ、この各色
の網目が規則的に配列されているものである。以下、上
記ブラックマトリックスの「網目」のことを、「画素」
という。カラーフィルターは、カラー個体撮像素子や、
液晶カラーディスプレイ、カラーCRT等のカラーディ
スプレイに使用されている。近年、カラー液晶ディスプ
レイパネルの大型化、用途の多様化に伴い、カラーフィ
ルターにも、色再現性、耐熱性、耐光性、耐薬品性等の
信頼性向上がより要求されるようになってきた。
【0003】この要求に対応するため、カラーフィルタ
ーの製造方法も、初期においては着色剤として染料を使
用する「染色法」が主流であったが、最近では耐熱性、
耐光性、耐薬品性等に優れる顔料を使用した「顔料分散
法」が主流となっている。さらに、バインダー樹脂中に
分散剤を用いて顔料を分散させた顔料分散組成物に、光
重合性モノマー、光重合開始剤を添加した顔料分散レジ
ストを基材上に塗布して乾燥させ、フォトマスクを通し
て露光した後、現像および熱硬化処理を行うことによっ
て、画素部に顔料分散レジストの硬化塗膜層を形成す
る、フォトリソグラフィー法が一般的に広く行われてい
る。
【0004】従来、塗料やインクなど、溶剤に顔料を分
散させた顔料分散組成物中の顔料の分散性、ならびに顔
料分散組成物の保存安定性を向上させる目的で、使用さ
れている顔料の誘導体を添加することがある。青色顔料
分散組成物に関しては、着色剤として銅フタロシアニン
顔料を使用し、銅フタロシアニンスルホン酸あるいは銅
フタロシアニンスルホン酸アンモニウム塩等の顔料誘導
体を添加する方法が広く知られている。しかしながら、
黄色顔料については、顔料誘導体を添加して顔料の分散
性を向上させることが記載された公知文献は見あたらな
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、低粘度で保存安定性に優れたカラーフィル
ター用顔料分散組成物、透明性、現像性、耐熱性、耐光
性に優れたカラーフィルター用顔料分散レジスト、およ
び基板上に、透明性、耐熱性、および耐光性に優れた、
着色硬化塗膜層を有するカラーフィルターを提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、カラーフ
ィルター用顔料分散組成物に、キノフタロン誘導体スル
ホン酸、またはその塩を添加すると、上記課題を解決で
きることを見いだした。すなわち本発明は、顔料、およ
び一般式(1)で表されるキノフタロン誘導体スルホン
酸、またはそのスルホン基の一部もしくは全部が塩を形
成しているキノフタロン誘導体スルホン酸塩からなるキ
ノフタロン誘導体を含有するカラーフィルター用顔料分
散組成物、該カラーフィルターフィルター用顔料分散組
成物を含有するカラーフィルター用顔料分散レジスト、
および、基板上に、該カラーフイルター用顔料分散レジ
ストの着色硬化塗膜層を有するカラーフィルターを提供
することにより、上記課題を解決した。
【0007】
【化2】 (1) (式中、Xは置換ハロゲン原子を表し、mおよびm
はそれぞれ独立して0〜4の整数であり、置換ハロゲン
原子数を表す。ハロゲン原子はすべて同一であっても、
異なっていてもよい。nは1〜3の整数であり、置換ス
ルホン基数を表す。)
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明をさらに詳細に説
明するが、特に断らない限り「カラーフィルター用顔料
分散組成物」および「カラーフィルター用顔料分散レジ
スト」を、それぞれ単に「顔料分散組成物」および「顔
料分散レジスト」と略記し、「一般式(1)で表される
キノフタロン誘導体スルホン酸、またはそのスルホン基
の一部もしくは全部が塩を形成しているキノフタロン誘
導体スルホン酸塩からなるキノフタロン誘導体」を、単
に「キノフタロン誘導体(a)」と略記する。
【0009】本発明の顔料分散組成物および顔料分散レ
ジストに使用する顔料としては、従来カラーフィルター
に使用されている市販の顔料、および、「カラーインデ
ックス便覧」(最新顔料便覧日本顔料技術協会編、19
77年刊)「最新 顔料応用技術」(CMC出版、19
86年刊)「印刷インキ技術」(CMC出版、1984
年刊)等に記載されている公知慣用の顔料が挙げられ
る。具体的には、たとえば、C.I.ピグメントレッド
254、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピ
グメントオレンジ71などのレッド顔料;C.I.ピグ
メントグリーン36、C.I.ピグメントグリーン7な
どのグリーン顔料;C.I.ピグメントブルー15:
6、C.I.ピグメントブルー22などのブルー顔料;
C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメ
ントバイオレット50などのバイオレット顔料;C.
I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイ
エロー20などのイエロー顔料;C.I.ピグメントブ
ラック7、カーボンブラックなどの黒色顔料などが挙げ
られる。
【0010】これらの顔料は、単独で用いることもで
き、二種類以上を混合して用いることもできる。顔料分
散組成物中の顔料含有率は、10〜30質量%とするの
が好ましい。一般に黄色顔料の多くは透明性に劣ること
が知られているが、キノフタロン系黄色顔料であるC.
I.ピグメントイエロー138を使用した場合は、高い
透明性が得られる。本発明の顔料分散組成物あるいは顔
料分散レジストに黒色顔料を使用した場合は、ブラック
マトリックス作製用途に使用することもできる。
【0011】一般に、顔料分散レジストの硬化塗膜の透
明性は、含有する顔料の粒子径が小さいほど高くなる。
本発明において使用する顔料の一次粒子径は、10〜8
0nmの範囲にあるのが好ましく、30〜50nmの範
囲がさらに好ましい。一次粒子径が10nm未満では、
顔料の凝集性が高くなるので分散させにくく、80nm
を超えると透明性が低下する。顔料の一次粒子径を小さ
くする方法としては、ジェット粉砕等の高速衝撃粉砕
法、顔料、水溶性無機塩、水溶性無機塩を溶解しない水
溶性有機溶剤をニーダー中等で機械的に混練する、いわ
ゆるソルトミリング法等がある。
【0012】本発明において顔料分散組成物に添加する
キノフタロン誘導体(a)は、顔料と分散剤との親和性
を高めて高分散を可能とし、顔料分散組成物、あるいは
これを使用した顔料分散レジストの粘度を下げ、保存安
定性を高める効果を発現すると同時に、また該顔料分散
レジストを使用してカラーフィルターを作製する際に、
現像性を高め、基板上に形成される該顔料分散レジスト
硬化塗膜層の透明性、耐熱性、耐光性を高める。
【0013】キノフタロン誘導体(a)は、その無水フ
タル酸残基がハロゲン原子で置換されいるのが好まし
い。ハロゲン原子で置換されたキノフタロン誘導体
(a)は、ハロゲン原子で置換されていないものと比較
して耐熱性に優れており、ハロゲン置換数は多いほど好
ましい。ハロゲン原子としては、合成が容易であること
から、塩素原子、臭素原子であることが好ましい。
【0014】一般式(1)で表されるキノフタロン誘導
体スルホン酸は、1モルの2−メチル−8−キノリナミ
ンと、2モルの無水フタル酸もしくはそのハロゲン置換
体を反応させて、8−フタルイミドキノフタロンもしく
はそのハロゲン置換体(以下、両者を併せて「フタルイ
ミドキノフタロン化合物」と総称する)を合成した後、
キノリナミン残基の芳香環をスルホン化することによっ
て得られる。該フタルイミドキノフタロン化合物の市販
品としては、BASF社製「PaliotolGelb
K0961HD」(塩素置換体)がある。
【0015】上記スルホン化は、公知の芳香族置換反応
により、フタルイミドキノフタロン化合物をスルホン化
することによって得られる。その際に使用できるスルホ
ン化剤としては、たとえば、濃硫酸、発煙硫酸、濃硫酸
と発煙硫酸の混合物、硫酸と五酸化燐の混合物、クロル
スルホン酸、亜硫酸水素ナトリウム、塩化スルフリルと
塩化アルミニウムとの混合物等が挙げられる。
【0016】フタルイミドキノフタロン化合物に対する
スルホン化剤の使用量は、導入するスルホン基の数や、
使用するスルホン化剤の種類に応じて適宜決定すればよ
い。スルホン化触媒として、たとえば、硫酸カルシウ
ム、硫酸アルミニウム、硫酸鉄等の硫酸金属塩を使用し
てもよい。触媒の使用量は、質量換算で、フタルイミド
キノフタロン化合物100部当たり0.05〜10部と
するのが好ましい。スルホン化反応条件は、反応温度5
0〜180℃、反応時間2〜10時間の範囲とするのが
好ましい。反応はフタルイミドキノフタロン化合物、ス
ルホン化剤、必要に応じてスルホン化触媒を混合し、上
記温度範囲内で撹拌すればよいが、反応が激しすぎる場
合は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ク
ロロホルム、塩化エチレン、あるいは四塩化炭素等の溶
媒中で反応させてもよい。
【0017】スルホン化反応終了後、クロロホルム、塩
化エチレン、あるいは四塩化炭素等の水に不要で揮発性
を有する溶媒を使用した場合はあらかじめこれを留去し
た後、反応混合物を、撹拌しながら、使用したスルホン
化剤に対して大過剰の水中に注ぐことにより、一般式
(1)で表されるキノフタロン誘導体スルホン化物が固
体として析出する。該キノフタロン誘導体スルホン化物
を濾別し、希塩酸などの希酸で洗浄、水洗、乾燥する。
【0018】本発明においては、一般式(1)で表され
るキノフタロン誘導体スルホン酸をそのままキノフタロ
ン誘導体(a)として使用することができるが、該キノ
フタロン誘導体スルホン酸の塩として使用することもで
きる。一般式(1)で表されるキノフタロン誘導体スル
ホン酸と塩を形成する化合物あるいは原子としては、リ
チウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシ
ウム、ストロンチウム、アルミニウムなどの1〜3価の
金属原子、エチルアミン、ブチルアミン等のモノアルキ
ルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン等のジアル
キルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の
トリアルキルアミンモノエタノールアミン、ジエタノー
ルアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミ
ン等の有機アミン、アンモニアなどが挙げられる。
【0019】塩がアルカリ金属塩である場合は、塩が水
溶性となり、次のような二つの利点がある。すなわち、
(1)塩を水に溶解させた後、単に濾過するだけで、非
水溶性の不純物を容易に分離することができる。(2)
顔料分散組成物に使用する顔料を、あらかじめ該スルホ
ン酸塩の水溶液中で撹拌することによって、該スルホン
酸塩が吸着して顔料表面を被覆するため、顔料とキノフ
タロン誘導体(a)を単純に混合した場合と比較して、
顔料の分散性が向上するという効果を発現する。
【0020】上記のように、本発明においては、キノフ
タロン誘導体(a)を単に顔料と混合して顔料分散組成
物中に分散させてもよいが、キノフタロン誘導体(a)
が水溶性の塩である場合には、あらかじめ表面をこの塩
で被覆処理した顔料を顔料分散組成物中に分散させても
よい。
【0021】顔料分散組成物へのキノフタロン誘導体
(a)の配合量は、顔料100質量部当たり0.1〜2
0質量部の範囲が好ましく、中でも、3〜7質量部の範
囲が特に好ましい。キノフタロン誘導体(a)の配合量
が0.1質量部未満では、十分な顔料分散性が低下する
結果、該顔料分散組成物を使用した顔料分散レジストの
硬化塗膜層の高透明性が得にくく、また、30質量部を
超えると顔料分散組成物および顔料分散レジストの保存
安定性が低下する。
【0022】本発明の顔料分散組成物には、キノフタロ
ン誘導体(a)の他に、一般に顔料分散に使用されてい
る公知の分散材を併用することができる。例を挙げれ
ば、界面活性剤、顔料の中間体もしくは誘導体、染料の
中間体もしくは誘導体、あるいは、ポリアミド系樹脂、
ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系
樹脂などの樹脂型分散剤があげられる。上記各種分散剤
の中でも特に、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂が
を使用するのが好ましい。樹脂型分散剤の市販品には、
たとえば、ビックケミー社の「BYK−160」、「B
YK−161」、「BYK−2001」、エフカーケミ
カルズ社製の「エフカ46」、あるいは、味の素社製の
「アジスパーPB−814」などがある。これらの分散
剤は、一種単独でも、あるいは、二種以上を組み合わせ
て使用することもできる。
【0023】顔料分散組成物への該分散剤の配合量は、
顔料100質量部当たり10〜70質量部の範囲が好ま
しく、さらに好ましいのは40〜55質量部である。該
分散剤の配合量が10質量部未満の場合は、顔料分散性
が低下する。また、70質量部を超えると、該顔料分散
組成物を含有する顔料分散レジストを使用し、フォトリ
ソグラフィー法によってカラーフィルターの画素パター
ンを作成する際に、アルカリ現像性が低下する。
【0024】本発明の顔料分散組成物に使用する溶剤と
しては、上記分散剤、および顔料分散レジストに使用す
る樹脂を溶解し、顔料を安定的に分散させることができ
るものが好ましい。このような溶剤の具体例としては、
たとえば、プロピレングリコールモノメチルエーテルア
セテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルア
セテートなどの酢酸エステル系溶剤、トルエン、キシレ
ン、メトキシベンゼンなどの芳香族系溶剤、ブチルセロ
ソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジ
エチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコ
ールジメチルエーテルなどのエーテル系溶剤、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ンなどのケトン系溶剤、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素
系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラ
クタム、N−メチル−2−ピロリドン、アニリン、ピリ
ジンなどの窒素化合物系溶剤、γ−ブチロラクトンなど
のラクトン系溶剤、カルバミン酸エステルなどが挙げら
れる。これらの溶剤は、一種単独でも、あるいは二種以
上を組み合わせて使用することもできる。
【0025】上記、顔料、分散剤、および溶剤を混合し
て顔料分散組成物を調製する。通常、顔料を一次粒子の
まま液中に分散させることは困難であり、いくらかは凝
集して二次粒子を形成する。したがって、顔料を液中に
分散させる際に、この二次粒子の粒子径を、できる限り
一次粒子径に近づけることが望ましい。顔料の粒子径を
所望の範囲に調整するためには、ボールミル、サンドミ
ル、ビーズミル、3本ロールミル、ペイントコンディシ
ョナー、アトライター、分散攪拌機、超音波等を使用し
て顔料を分散させるのが有効である。
【0026】本発明のカラーフィルター用顔料分散レジ
ストは、顔料分散組成物、酸性基を有するアルカリ可溶
性バインダー樹脂、光硬化性組成物、および溶剤からな
る混合物に、必要に応じて添加剤を加えたものである。
【0027】酸性基を有するアルカリ可溶性バインダー
樹脂は、一分子中に酸性基とエチレン性二重結合を有す
る単量体を重合させたものであり、その代表的な例とし
ては、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステ
ルの共重合体が挙げられる。一分子中に酸性基とエチレ
ン性二重結合を有する単量体としては、上記(メタ)ア
クリル酸の他に、p−スチレンカルボン酸、p−スチレ
ンスルホン酸、p−ヒドロキシスチレン、無水マレイン
酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェー
ト等が挙げられる。中でも、カルボキシル基あるいはフ
ェノール性水酸基を有する単量体を使用するのが好まし
い。
【0028】(メタ)アクリル酸エステルとしては、た
とえば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)
アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチ
ルヘキシル(メタ)アクリレート、β−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレー
トなど、公知の単量体が挙げられる。その他の共重合用
単量体としては、スチレン、メチルビニルエーテル、酢
酸ビニル、塩化ビニル、N−ビニルピロリドン、アクリ
ルアミド、が挙げられる。該酸性基を有するアルカリ可
溶性バインダー樹脂の酸価は、共重合用単量体の組成に
よっても異なるが、50〜150mgKOH/gとする
のが好ましい。
【0029】本発明において使用する光硬化性組成物
は、光重合性あるいは光硬化性官能基を有する化合物、
光重合開始剤、必要に応じて光増感剤を含有する。光重
合性あるいは光硬化性官能基を有する化合物は、紫外線
や可視光線を照射することにより重合するか、または架
橋することによって硬化する。このような化合物の代表
的なものとしては、側鎖にケイ皮酸残基やアジド基を有
する光架橋型樹脂や、光によるラジカル重合あるいは、
イオン重合可能な単量体など、いずれも公知の化合物が
挙げられる。
【0030】このような単量体としては、メチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチ
ル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)
アクリレート、β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ートなど一官能の単量体の他に、たとえば、トリメチロ
ールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロー
ルプロパンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリ
コールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール
テトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールト
リ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキ
サ(メタ)アクリレートなどの多官能の単量体が挙げら
れる。
【0031】これらの単量体の中でも、トリメチロール
プロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリト
ールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリト
ールペンタ(メタ)アクリレートなど、多官能でしかも
揮発性の低いものを使用するのが好ましい。これらの単
量体は、単独で用いることも、二種以上を混合して使用
することもできる。
【0032】光重合性あるいは光硬化性官能基を有する
化合物の配合率は、酸性基を有するアルカリ可溶性バイ
ンダー樹脂に対して25〜150質量%の範囲が好まし
い。光重合性あるいは光硬化性官能基を有する化合物そ
のものはアルカリに不溶であっても、これを、顔料分散
組成物とともにアルカリ可溶性バインダー樹脂と混合
し、さらに光重合開始剤を添加して顔料分散レジストを
調製し、フォトリソグラフィー法に使用した場合は、該
顔料分散レジスト塗膜の紫外線あるいは可視光が照射さ
れた部分は、光硬化してアルカリ現像液に不溶となる
が、光が照射されなかった部分はアルカリ現像液に溶解
除去されて現像される。光重合性あるいは光硬化性官能
基を有する化合物の配合率が、酸性基を有するアルカリ
可溶性バインダー樹脂に対して150質量%を超える
と、現像性が低下する傾向にあり、25質量%未満で
は、塗膜の光硬化が不十分となる傾向にある。
【0033】光重合開始剤としては、公知一般の光重合
開始剤が使用できる。具体的には、たとえば、ベンゾフ
ェノン、4,4’−ビスメチルアミノベンゾフェノン、
ミヒラーズケトンなどのベンゾフェノ類;キサントン、
チオキサントンなどのキサントン類、その他に、p−ジ
メチルアミノアセトフェノン、ベンジル−4−ジメチル
アミノベンゾエート、4−ビス−トリクロロメチル−6
−(4−エトキシ)フェニル−S−トリアジン、2−ア
ミルアントラキノン、β−クロルアントラキノンなどが
挙げられる。
【0034】市販の光重合開始剤としては、たとえば、
チバスペシャルティーケミカルズ社製「イルガキュア−
184」、「イルガキュア−369」、「ダロキュア−
1173」、BASF社製「ルシリン−TPO」、日本
化薬社製「カヤキュアーDETX」、「カヤキュアーO
A」、STAUFFER社製「バイキュアー10」、
「バイキュアー55」、AKUZO社製「トリゴナール
PI」、サンド社製「サンドレー1000」、APJO
HN社製「デープ」、などがある。
【0035】また上記光重合開始剤に公知慣用の光増感
剤を併用することもできる。光増感剤としては、たとえ
ば、アミン類、尿素類、硫黄原子を有する化合物、燐原
子を有する化合物、塩素原子を有する化合物またはニト
リル類もしくはその他の窒素原子を有する化合物等が挙
げられる。これらは、単独で用いることも、二種以上を
組み合わせて用いることもできる。
【0036】光重合開始剤の配合割合は、特に限定され
るものではないが、光重合性あるいは光硬化性官能基を
有する化合物に対して0.1〜30質量%の範囲が好ま
しい。0.1質量%未満の使用量では、感度が低下し、
30質量%を超えると、顔料分散レジストの塗膜を乾燥
させた際、光重合開始剤の結晶が析出したり、光硬化塗
膜の強度、透明性などが低下する。
【0037】顔料分散レジストに用いる溶剤としては、
たとえば、プロピレングリコールモノメチルエーテルア
セテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルア
セテートなどの酢酸エステル系溶剤、エトキシプロピオ
ネートなどのプロピオネート系溶剤、トルエン、キシレ
ンなどの芳香族系溶剤、ブチルセロソルブなどのエーテ
ル系溶剤、メチルエチルケトンなどのケトン系溶剤など
が挙げられる。これらの溶剤は、一種単独でも、二種以
上を組み合わせて使用してもよい。
【0038】顔料分散組成物および顔料分散レジストに
は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、
顔料誘導体、染料、樹脂、レベリング剤、消泡剤、酸化
防止剤、安定剤、等公知慣用の添加剤を添加することが
できる。
【0039】顔料分散レジストの配合は、顔料4〜10
質量%、キノフタロン系誘導体3.0〜7.0質量%、
分散剤1.0〜4.0質量%、アルカリ可溶性バインダ
ー樹脂5〜10質量%、光硬化性組成物5〜10質量
%、溶剤を添加して不揮発分を20〜30質量%の範囲
とするのが好ましい。
【0040】一般に、カラーフィルターは以下の工程を
経て作製される。すなわち、顔料分散レジストを、カラ
ーフィルター用基板のブラックマトリックスを設けた側
全面に塗布、加熱乾燥(プリベーク)した後、フォトマ
スクを通して紫外線あるいは可視光を照射し、現像する
ことによって、画素部に顔料分散レジストの光硬化塗膜
層を形成する。各色ごとに同様の操作を3回繰り返し
て、所定の位置に赤色、緑色、青色(反射型の場合は、
シアン、マジェンタ、イエロー)の画素を有するカラー
フィルターを作成する。その後必要に応じて、カラーフ
ィルター全体を加熱処理(アフターベーク)することに
より、該顔料分散レジストの光硬化塗膜層中に残存する
光重合性あるいは光硬化性官能基を有する化合物を、加
熱によってさらに熱硬化させることもできる。以下に、
本発明のカラーフィルターの製造方法について、上記一
般的な製造方法を例として、工程順にさらに詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0041】顔料分散レジストをカラーフィルター用基
板表面に塗布する方法については、特に限定はない。塗
布方法としては、たとえば、印刷法、スプレー法、ロー
ルコート法、バーコート法、カーテンコート法、スピン
コート法等、公知の方法を用いることができる。
【0042】カラーフィルター用基板に塗布した顔料分
散レジストの塗膜の乾燥条件は、各成分の種類、配合割
合等によっても異なるが、通常、50〜150℃で、1
〜15分間程度である。この加熱処理を一般に「プリベ
ーク」という。顔料分散レジスト塗膜の光硬化に用いる
光としては、200〜500nmの波長範囲の紫外線あ
るいは可視光を使用するのが好ましい。中でも波長が短
くエネルギーの高い紫外線を使用するのが好ましい。紫
外線あるいは可視光の光源としては、フォトファブリケ
ーションの分野で広く使用されているものを使用するこ
とができる。具体的には、たとえば、低圧水銀ランプ、
高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドラ
ンプ、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、水銀−
キセノンランプ、エキシマーランプ、ショートアーク
灯、ヘリウム・カドミウムレーザー、アルゴンレーザ
ー、Nd−YAGレーザーを用いたTHGやFHG光レ
ーザーなどが挙げられる。光源としてレーザーを使用し
た場合は、フォトマスクを使用しないで、顔料分散レジ
スト塗膜に直接画素パターンを描画することもできる。
本発明の顔料分散レジストは、上記の光だけではなく、
電子線に対しても感度を有するので、レーザーと同様
に、電子線で顔料分散レジスト塗膜に直接画素パターン
を描画することもできる。この場合は、前記光硬化性組
成物中に必ずしも光重合開始剤を配合する必要はない。
【0043】顔料分散レジストの塗膜に光照射して画素
パターンを焼き付けた後、現像する際に用いるアルカリ
現像液としては、たとえば、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、炭酸ナトリウム、トリメチルアンモニウムハ
イドロオキサイドなどの水溶液などを使用することがで
きる。該アルカリ現像液中に、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール等の水溶性有機溶剤、界面活性剤
を適当量添加してもよい。
【0044】現像方法は、液盛り法、ディッピング法、
スプレー法等のいずれでもよい。現像後、水洗し乾燥さ
せる。各色ごとに上記操作を3回繰り返し、所定の位置
の画素部に、それぞれ赤色、緑色、青色(あるいは、シ
アン、マジェンタ、イエロー)の顔料分散レジストの光
硬化塗膜層を有するカラーフィルターを作成する。得ら
れたカラーフィルターを、ホットプレート、オーブン等
の加熱装置により、100〜280℃で、所定時間加熱
処理(アフターベーク)することによって、塗膜中の揮
発性成分を除去すると同時に、顔料分散レジストの光硬
化塗膜をさらに熱硬化させ、耐熱性、耐薬品性に優れた
カラーフィルターが完成する。上記工程を経て得られる
本発明のカラーフィルターは、透明性、耐熱性、耐薬品
性、耐溶剤性、耐光性に優れている。
【0045】
【実施例】以下に、実施例を用いて本発明をさらに詳細
に説明する。なお、「部」および「%」は、特に断りが
ない限り、それぞれ「質量部」および「質量%」を表
す。
【0046】<キノフタロン誘導体(a−1)の調製>
BASF社製「Paliotol Gelb K096
1HD」(C.I.Pigment Yellow 1
38)20部と、98%硫酸、300部とを500ml
セパラブルフラスコに入れ、120℃で5時間反応させ
てフタルイミドキノフタロン化合物のスルホン化物を得
た。反応混合物を、撹拌しながら水3000部中に注
ぎ、フタルイミドキノフタロン化合物のスルホン化物を
析出させて、30分攪拌した後、濾過、水洗を3回繰り
返した。得られたウェットケーキを1%希硫酸300部
で洗浄後、濾過し水洗した。熱風乾燥機中で乾燥させ、
54部のキノフタロン誘導体(a−1)を得た。収率は
96%であった。
【0047】キノフタロン誘導体(a−1)を、ヒュー
レットパッカード社製液体クロマトグラフィ−質量分析
機「LC/MS」(Electro Spray Io
nization)により、質量分析を行った結果、m
/z 733〔M−H〕を検出した。これは、一般式
(1)における、n=1、Xが塩素原子であり、m
よびmがともに4であるキノフタロン誘導体スルホン
酸の擬分子イオンと一致する。また、キノフタロン誘導
体(a−1)を元素分析した結果、その組成は、表1に
示すように、一般式(1)における、n=1、Xが塩素
原子であり、mおよびmがともに4であるキノフタ
ロン誘導体スルホン酸の組成の計算値とよく一致した。
【0048】
【表1】
【0049】さらに、キノフタロン誘導体(a−1)の
赤外線吸収スペクトルを測定したところ、1030cm
−1付近にスルホン基に基づく特異吸収があることを確
認した。
【0050】<キノフタロン誘導体(a−2)の調整>
BASF社製「Paliotol Gelb K096
1HD」(C.I.Pigment Yellow 1
38)20部と、98%硫酸、300部とを500ml
セパラブルフラスコに入れ、120℃で5時間反応させ
てフタルイミドキノフタロン化合物のスルホン化物を得
た。反応混合物を、撹拌しながら水3000部中に注
ぎ、フタルイミドキノフタロン化合物のスルホン化物を
析出させて、30分攪拌した後、濾過、水洗を3回繰り
返した。
【0051】得られたウェットケーキを1%希硫酸30
0部で洗浄後、濾過し水洗した後、等モルの水酸化カリ
ウムを加え、PHを8以上に調整してキノフタロンスル
ホン酸のカリウム塩を調整した。次に等モルの塩化カル
シウムを加えキノフタロンスルホン酸のカルシウム塩を
析出させて、濾過し、洗浄水のpHが7〜6になるまで
水洗した。熱風乾燥機中で乾燥させ、57部のキノフタ
ロン誘導体(a−2)を得た。収率は96%であった。
【0052】キノフタロン誘導体(a−2)を元素分析
した結果、その組成は、表1に示すように、一般式
(1)における、n=1、Xが塩素原子であり、m
よびmがともに4であるキノフタロン誘導体スルホン
酸カルシウムの組成の計算値とよく一致した。
【0053】
【表2】
【0054】さらに、キノフタロン誘導体(a−2)の
赤外線吸収スペクトルを測定したところ、1030cm
−1付近にスルホン基に基づく特異吸収があることを確
認した。
【0055】<実施例1>直径0.5mmのジルコニア
ビーズ200部を仕込んだ五十嵐機械製造社製高速分散
機「TSG−6H」に、一次粒子径が35〜45nmの
C.I.ピグメントイエロー138を15部、キノフタ
ロン誘導体(a−1)0.7部、ビックケミー社製アク
リル系分散剤「BYK−2001」4.5部、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、P
GMAcと略記する)78.2部を仕込み、毎分200
0回転で8時間撹拌して、黄色顔料分散組成物(Y−
1)を得た。
【0056】次に上記黄色顔料分散組成物(Y−1)1
00部、大日本インキ化学社製の酸性基を有するアルカ
リ可溶性バインダー樹脂「エクセディック バインダー
LC−295」17.5部、ジペンタエリスリトール
ヘキサアクリレート(以下、DPHAと略記する。)
7.0部、およびチバスペシャルティーケミカルズ社製
光重合開始剤「イルガキュアー#369」0.3部、P
GMAc78.2部を混合した後、孔径1.0μmのフ
ィルターを用いてろ過し、黄色顔料分散レジストを得
た。
【0057】<実施例2>実施例1における、キノフタ
ロン誘導体(a−1)の代わりに、キノフタロン誘導体
(a−2)を使用した以外は、実施例1と同様にして、
黄色顔料分散組成物(Y−2)および黄色顔料分散レジ
ストを得た。
【0058】<実施例3>直径0.5mmのジルコニア
ビーズ200部を仕込んだ五十嵐機械製造社製高速分散
機「TSG−6H」に、C.I.ピグメントグリーン3
6を15部、キノフタロン誘導体(a−1)0.7部、
「BYK−2001」4.0部、PGMAc78.2部
を仕込み、毎分2000回転で8時間攪拌して、緑色顔
料分散物(G−1)を得た。
【0059】次に上記緑色顔料分散組成物(G−1)7
0部、黄色顔料分散組成物(Y−1)30部、「エクセ
ディック バインダー LC−295」17.5部、D
PHA7.0部、および「イルガキュアー#369」
0.3部、PGMAc78.2部を加えて混合した後、
孔径1.0μmのフィルターを用いてろ過して、緑色顔
料分散レジストを得た。
【0060】<実施例4>直径0.5mmのジルコニア
ビーズ200部を仕込んだ五十嵐機械製造社製高速分散
機「TSG−6H」に、C.I.ピグメントレッド25
4を15部、キノフタロン誘導体(a−2)0.7部、
「BYK−140」部4.5部、PGMAc78.2部
を仕込み、毎分2000回転で8時間分散させて、赤色
顔料分散組成物(R−1)を得た。
【0061】次に上記赤色顔料分散組成物(R−1)8
0部、黄色顔料分散組成物(Y−1)20部、「エクセ
ディック バインダー LC−295」17.5部、D
PHA7.0部、および「イルガキュアー#369」
0.3部、PGMAc78.2部を加えて混合した後、
孔径1.0μmのフィルターを用いてろ過して、赤色顔
料分散レジストを得た。
【0062】<比較例1>直径0.5mmのジルコニア
ビーズ200部を仕込んだ五十嵐機械製造社製高速分散
機「TSG−6H」に、一次粒子径35〜45nmの
C.I.ピグメントイエロー138を15部、ビックケ
ミー社製「BYK−2001」4.5部、PGMAc7
8.2部を仕込み、毎分2000回転で8時間撹拌し
て、黄色顔料分散組成物(Y−3)を得た。
【0063】次に上記黄色顔料分散組成物(Y−3)1
00部に対し、「エクセディックバインダー LC−2
95」17.5部、DPHA7.0部、および「イルガ
キュアー#369」0.3部、PGMAc78.2部を
加えて混合した後、孔径1.0μmのフィルターを用い
てろ過して、黄色顔料分散レジストを得た。
【0064】<比較例2>直径0.5mmのジルコニア
ビーズ200部を仕込んだ五十嵐機械製造社製高速分散
機「TSG−6H」に、C.I.ピグメントグリーン3
6を15部、「アジスパー PB−814」4.5部、
PGMAc80.5部からなる分散液を仕込み、毎分2
000回転で8時間攪拌して、緑色顔料分散組成物(G
−2)を得た。
【0065】次に上記緑色顔料分散組成物(G−2)7
0部、黄色顔料分散組成物(Y−3)30部、「エクセ
ディック バインダー LC−295」17.5部、D
PHA7.0部、および「イルガキュアー #369」
0.3部、PGMAc78.2部を加えて混合した後、
孔径1.0μmのフィルターを用いてろ過して、緑色顔
料分散レジストを得た。
【0066】<比較例3>比較例2における、「C.
I.ピグメントグリーン36」15部の代わりに、
「C.I.ピグメントレッド254」15部を使用した
以外は、比較例2と同様にして赤色顔料分散組成物(R
−2)および赤色顔料分散レジストを得た。上記の実施
例および比較例で得た顔料分散組成物および顔料分散レ
ジストについて下記の試験を行い、結果とその評価を表
3〜表6に示した。
【0067】<試験用試料の作製>顔料分散レジストを
ガラス板上に滴下し、スピンコーターを用いて1000
回転/分で9秒間回転塗布した後、60℃で5分間予備
乾燥、プリベークして、膜厚1.5μmの顔料分散レジ
ストの塗膜を形成した。この塗膜に、カラーフィルター
用フォトマスクを通して、高圧水銀灯を用いて0.1J
/cmの光を照射し、顔料分散レジストの硬化塗膜を
得た。次いで、アイテス社製アルカリ現像液原液「ID
19A1」(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド
系)を純水で30倍に希釈した、pH10.8のアルカ
リ現像液を30℃に保持し、この中に光照射後の試験用
試料を浸積して未露光部の顔料分散レジスト塗膜を溶出
させ、現像した。洗液が中性になるまで純水で洗浄し、
風乾した。試験用試料を280℃で30分間加熱してポ
ストベークし、顔料分散レジストの「現像性」、カラー
フィルター画素部に形成された顔料分散レジスト硬化塗
膜層の「透明性」、「耐熱性」、「耐光性」を評価する
ための試験用試料とした。
【0068】<顔料分散組成物の顔料分散性試験>LE
EDS&NORTHRUP社製「MicrotracU
PA」を使用して、顔料分散組成物中に分散させた顔料
の50%平均粒子径を測定した。
【0069】<顔料分散組成物および顔料分散レジスト
の粘度および保存安定性試験>顔料分散組成物および顔
料分散レジストについて、トキメック社製E型粘度計で
25℃における初期粘度を測定した。別途、当該顔料分
散組成物および顔料分散レジストそれぞれ25gを、ガ
ラス容器中密閉状態で、40℃、24時間静置した後、
上記と同様の方法で粘度を測定した。各試料について、
40℃で24時間静置後の25℃における粘度の初期粘
度に対する変化率を算出した。粘度変化率が10%未満
のものを「○」、10%以上のものを「×」と評価し
た。
【0070】<顔料分散レジスト硬化塗膜の透明性試験
>試験用試料の、ポストベーク後の顔料分散レジスト硬
化塗膜層について、オリンパス社製顕微分光測定装置
「OSP−SP−200」を用いて測色し、透明性(Y
値)、およびCIE表色系における色度(x、y値)を
評価した。
【0071】<顔料分散レジスト塗膜の現像性試験>試
験用試料の、ポストベーク後の顔料分散レジスト硬化塗
膜層の画素パターンと、フォトマスクの画素パターンと
を、顕微鏡を使用して目視によって比較し、パターンの
再現性が非常に良好なものを「◎」、良好なものを
「○」、不良のものを「×」と評価した。
【0072】<顔料分散レジスト硬化塗膜の耐熱性試験
>試験用試料の、ポストベーク前とポストベーク後の顔
料分散レジスト硬化塗膜層について、オリンパス社製顕
微分光測定装置「OSP−SP−200」を用いて測色
し、ポストベークによる透明性(Y値)の変化量ΔYを
算出した。ΔYが0.3未満のものを「◎」、0.3〜
0.5未満のものを「○」、0.5以上のものを「×」
と評価した。
【0073】<顔料分散レジスト硬化塗膜の耐光性試験
>試験用試料の、ポストベーク後の顔料分散レジスト硬
化塗膜層と、これにスガ試験機社製キセノンフェードメ
ーター「WEL−25AX−HC−B・EL」で300
時間光照射した後の硬化塗膜層を、それぞれオリンパス
社製顕微分光測定装置「OSP−SP−200」を用い
て測色し、色差ΔEabを算出した。ΔEabが2
未満のものを「◎」2〜3未満のものを「○」、3以上
のものを「×」と評価した。
【0074】
【表3】
【0075】
【0076】
【表4】
【0077】
【表5】
【0078】表3〜表6に示した結果から、本発明のカ
ラーフィルター用顔料分散組成物は、顔料の分散性が良
好で粘度が低く、保存安定性に優れており、該顔料分散
組成物を含有する本発明のカラーフィルター用顔料分散
レジストは、フォトリソ法における現像性に優れ、さら
に、該顔料分散レジストを使用して作成したカラーフィ
ルターの画素は、透明性、耐熱性、および耐光性に優れ
ていることが明らかである。
【0079】
【発明の効果】本発明のカラーフィルター用顔料分散組
成物は、顔料キノフタロンスルホン酸誘導体を含有させ
ることによって、以下の効果を発現する。すなわち、該
顔料分散組成物においては、顔料の分散性が良好で粘度
が低く、保存安定性に優れている。該カラーフィルター
用顔料分散組成物を含有する本発明のカラーフィルター
用顔料分散レジストは、フォトリソ法によるカラーフィ
ルターの画素パターン作成工程において現像性に優れて
いる。さらに、カラーフィルター用顔料分散レジストを
使用して、フォトリソ法によってカラーフィルター画素
部に形成された該顔料分散レジスト硬化塗膜層は、とり
わけ透明性、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、および耐光
性に優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岸本 昌明 大阪府茨木市鮎川3−7−19 (72)発明者 勝部 浩史 東京都北区中里3−14−17 Fターム(参考) 2H025 AA04 AA10 AA11 AA18 AB13 AC01 AD01 BC13 BC42 CC11 CC20 FA17 2H048 BA45 BA47 BA48 BB02 BB42

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顔料、および下記一般式で表されるキノ
    フタロン誘導体スルホン酸、またはそのスルホン基の一
    部もしくは全部が塩を形成しているキノフタロン誘導体
    スルホン酸塩からなるキノフタロン誘導体を含有するこ
    とを特徴とするカラーフィルター用顔料分散組成物。 【化1】 (式中、Xは置換ハロゲン原子を表し、mおよびm
    はそれぞれ独立して0〜4の整数であり、置換ハロゲン
    原子数を表す。ハロゲン原子はすべて同一であっても、
    異なっていてもよい。nは1〜3の整数であり、置換ス
    ルホン基数を表す。)
  2. 【請求項2】 前記顔料の一次粒子径が10〜80nm
    の範囲である請求項1に記載のカラーフィルター用顔料
    分散組成物。
  3. 【請求項3】 前記顔料が、C.I.ピグメントイエロ
    ー138である請求項1に記載のカラーフィルター用顔
    料分散組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載されたカラーフィルター
    用顔料分散組成物を含有することを特徴とするカラーフ
    ィルター用顔料分散レジスト。
  5. 【請求項5】 基板上に、請求項4に記載されたカラー
    フイルター用顔料分散レジストの着色硬化塗膜層を有す
    ることを特徴とするカラーフィルター。
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