JP2011108930A - 半導体レーザ素子を用いたレーザ式ガス分析装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ヒータ18により半導体レーザ素子12の周囲温度をその素子に対して設定されている動作温度域よりも高く維持しながら、温度センサ14により得られる半導体レーザ素子12の素子温度の測定値に基づいて、ペルチェ素子13により半導体レーザ素子12を常に冷却し、素子温度を動作温度域に維持する。このような温度制御であれば、実回路でのリレー等の切り替え動作が不要であり、切り替えに伴う待ち時間が生じないため、素子温度を常に連続的に制御することができ、素子温度を常時、所定の狭い温度域に維持することができる。従って、レーザ光の発光強度と波長が安定し、レーザ式ガス分析装置の分析精度が高まる。
【選択図】図1
Description
逆に、測定された素子温度の方が設定温度よりも低い場合には、ペルチェ素子23による加熱動作を強める(又は開始する)べきか冷却動作を弱めるべきかを判断し(ステップS24)、前者であれば加熱制御値を大きくし(ステップS27)、後者であれば冷却制御値を小さくする(ステップS28)。
上記変更が加熱と冷却を切り替えるものである場合には、まず、実回路であるペルチェ素子駆動回路の中の機械式のリレー等を切り替える(ステップS30)。これにより、ペルチェ素子23に逆向きの電流を流すことが可能になるが、実際にはリレー等の動作が完了するまでに数m秒程度の遅延時間が生じるため、その切り替え動作に要する時間(例えば数m秒程度)が経過してから(ステップS31)、ステップS25〜S28で設定された制御値に応じた電流がペルチェ素子23に流れる(ステップS32)。
一方、上記変更が加熱と冷却を切り替えずに加熱又は冷却を維持するものである場合には、実回路での切り替え動作が不要であるため、ステップS30、S31の処理は行われずに、ステップS25〜S28で設定された制御値に応じた電流がペルチェ素子23に流れる(ステップS32)。
a)レーザ光を発する半導体レーザ素子と、
b)前記半導体レーザ素子の周囲温度を、該半導体レーザ素子に対して設定されている動作温度域と重複しない周囲温度域で維持するための周囲温度維持手段と、
c)前記半導体レーザ素子の素子温度を測定する温度センサと、
d)前記半導体レーザ素子の素子温度を、前記周囲温度維持手段により維持された周囲温度域側から前記動作温度域側に向かう方向に変化させるための素子温度変更手段と、
e)前記半導体レーザ素子の素子温度が前記動作温度域に維持されるように、前記温度センサにより得られた測定値に基づいて前記素子温度変更手段を制御する素子温度制御手段と、
を備えることを特徴とする。
半導体レーザ素子12は制御部15により制御され、素子から発せられるレーザ光は包囲部11に設けられた窓19及び筐体部16に設けられた窓17から出射し、分析対象のガスに照射される。
この図に示すように、制御値は測定された素子温度に基づいて3000前後の比較的大きな値で変動し、その制御値に応じた電流によりペルチェ素子13は常に半導体レーザ素子12の冷却を行う。これにより、素子温度は測定期間のほぼ全域にて29±0.003℃の温度域に維持されている。なお、実施例ではペルチェ素子13による冷却とヒータ18による加熱のバランスを取るために、ペルチェ素子13に比較的大きな電流を流し十分な冷却作用を生じさせている。ペルチェ素子13の冷却作用は或る程度以上の大きさの電流に対しては線形に変化するため、このように大きな電流でペルチェ素子13を動作させることにより、素子温度の制御を容易に行うことができる。
以上の結果、実施例ではレーザ光の発光強度と波長が安定し、高い分析精度が得られる。
この比較例では、素子温度が実施例よりも大きく変動しており、3800m秒以降にて29±0.003℃の温度域外である割合が高い。また、6000m秒付近にて制御値が0を挟んで加熱側及び冷却側に変動し、このときに加熱・冷却の切り替えに伴う制御不能期間が存在するため、素子温度が大きく変動している。また、ペルチェ素子の加熱・冷却作用は0付近の小さい電流に対しては非線形に変化するため、このように小さい電流でペルチェ素子を動作させると素子温度を的確に制御することができず、素子温度が所定の温度域からはみ出しやすい。
以上の結果、比較例ではレーザ光の発光強度と波長が不安定になり、高い分析精度が得られない。
動作温度域の上限値よりも高温の環境下で装置を使用する際には、第1の冷却機構で周囲温度を動作温度域の上限値よりも少し高い温度まで冷却し、さらにペルチェ素子等の第2の冷却機構で半導体レーザ素子12を冷却することにより、素子温度を動作温度域に維持してもよい。その逆に、動作温度域の下限値よりも低温の環境下で装置を使用する際には、ヒータ18等の第1の加熱機構で周囲温度を動作温度域の下限値よりも少し低い温度まで加熱し、さらにペルチェ素子やヒータ等の第2の加熱機構で半導体レーザ素子12を加熱することにより、素子温度を動作温度域に維持してもよい。
半導体レーザ素子12の周囲を金属部材等で覆い、その金属部材等を加熱又は冷却することにより半導体レーザ素子12の周囲温度を調節してもよい。
11…包囲部
12、22…半導体レーザ素子
13、23…ペルチェ素子
14、24…温度センサ
15、25…制御部
16、26…筐体部
17、19、27…窓
18…ヒータ
21…台座部
Claims (3)
- a)レーザ光を発する半導体レーザ素子と、
b)前記半導体レーザ素子の周囲温度を、該半導体レーザ素子に対して設定されている動作温度域と重複しない周囲温度域で維持するための周囲温度維持手段と、
c)前記半導体レーザ素子の素子温度を測定する温度センサと、
d)前記半導体レーザ素子の素子温度を、前記周囲温度維持手段により維持された周囲温度域側から前記動作温度域側に向かう方向に変化させるための素子温度変更手段と、
e)前記半導体レーザ素子の素子温度が前記動作温度域に維持されるように、前記温度センサにより得られた測定値に基づいて前記素子温度変更手段を制御する素子温度制御手段と、
を備えることを特徴とするレーザ式ガス分析装置。 - 前記周囲温度維持手段が加熱機構であり、前記周囲温度域が前記動作温度域よりも高い温度であって、前記素子温度変更手段が冷却機構であることを特徴とする請求項1に記載のレーザ式ガス分析装置。
- 前記周囲温度維持手段が冷却機構であり、前記周囲温度域が前記動作温度域よりも低い温度であって、前記素子温度変更手段が加熱機構であることを特徴とする請求項1に記載のレーザ式ガス分析装置。
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