JP2016181184A - 制御装置、光学装置、制御方法及びプログラム - Google Patents

制御装置、光学装置、制御方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】、制御対象物を高精度に設定値に制御することができる制御装置等の技術を提供する。【解決手段】制御装置60の制御部61は、比例係数と、予め設定されている設定値及び制御対象物を測定して得られる測定値の偏差との積である比例項と、積分係数と、偏差の積分値との積である積分項と、微分係数と、偏差の微分値との積である微分項と、オフセット係数と、偏差の積分値に基づいて得られるオフセット値との積であるオフセット項とを含む4つの項の第1の総和を算出し、第1の総和に基づいて、制御対象物を制御する。【選択図】図1

Description

本技術は、温度制御等の各種の制御に用いられる制御装置等の技術に関する。
従来から、PID制御により、温度制御、圧力制御、流量制御、速度制御、トルク制御等の各種の制御を行う技術が知られている(例えば、下記特許文献1、2参照)。
PID制御は、フィードバック制御の一種であり、測定値及び設定値の偏差を含む比例項、偏差の積分値を含む積分項、並びに、偏差の微分値を含む微分項からなる3つの項から得られる値によって、制御対象物の温度等を制御する方法である。
特開2010−20704号公報 特許第3278807号公報
ここで、一例として、PID制御による温度制御によって、制御対象物を設定温度に維持する場合において、制御対象物の温度が設定温度の付近で推移している場合を想定する。この場合、PID制御では、PID制御関数の出力が0になるように動作するため、設定温度と環境温度との間に差がある場合に、制御対象物の温度が環境温度に引っ張られて制御対象物の温度が平均的に環境温度側に偏り、制御による低周波リプルが発生してしまう場合がある。従って、通常のPID制御では、制御対象物を高精度に設定値に制御することができない。
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、制御対象物を高精度に設定値に制御することができる制御装置等の技術を提供することにある。
本技術に係る制御装置は、制御部を具備する。前記制御部は、比例係数と、予め設定されている設定値及び制御対象物を測定して得られる測定値の偏差との積である比例項と、積分係数と、前記偏差の積分値との積である積分項と、微分係数と、前記偏差の微分値との積である微分項と、オフセット係数と、前記偏差の積分値に基づいて得られるオフセット値との積であるオフセット項とを含む4つの項の第1の総和を算出し、前記第1の総和に基づいて、前記制御対象物を制御する。
本技術に係る制御装置では、比例項、積分項、微分項及びオフセット項を含む4つの項の第1の総和に基づいて、制御対象物が制御される。すなわち、通常のPID制御とは異なり、本技術では、オフセット項が新たに追加されている。
オフセット項は、オフセット係数と、偏差の積分値に基づいて得られるオフセット値との積である。このオフセット項は、制御対象物の温度、圧力、流量、速度、トルク等(以下、温度等)を設定値に維持するために平均的に出力を掛けつづければならない状況下において、どの程度の平均的出力を掛け続ければよいかを表す値としての意義を有している。
そして、このオフセット項を前提として各種のパラメータ(比例係数、積分係数、微分係数等)を求めると、定常状態(制御対象物の温度等が設定値の付近で推移している状態)における温度等の推移におけるリプルを緩やかにすることが可能なパラメータを求めることができる。従って、本技術に係る制御装置では、定常状態におけるリプルを低減させることができるので、制御対象物の温度等を高精度に設定値に制御することができる。
上記制御装置において、前記制御部は、前記第1の総和を算出し、前記第1の総和に基づいて、前記制御対象物を制御する第1のモードと、前記比例項、前記積分項及び前記微分項を含む3つの項の第2の総和を算出し、前記第2の総和に基づいて、前記制御対象物を制御する第2のモードとを切り換え可能であってもよい。
これにより、必要に応じて、適切に2つのモードを切り換えることができる。
上記制御装置において、前記制御部は、前記測定値が前記設定値から所定の範囲内で推移しているとき、前記制御対象物を前記第1のモードで制御し、前記測定値が前記所定の範囲内で推移していないとき、前記制御対象物を前記第2のモードで制御してもよい。
これにより、必要に応じて、適切に2つのモードを切り換えることができる。
上記制御装置において、前記オフセット値は、第1の積分範囲で前記偏差を積分した積分値がプラスであれば、プラス及びマイナスのうち一方の値となり、前記第1の積分範囲で前記偏差を積分した積分値がマイナスであれば、プラス及びマイナスのうち他方の値となる値を、第2の積分範囲で積分した値であってもよい。
これにより、どの程度の平均的出力を掛け続ければよいかを表す値としての意義を有するオフセット項におけるオフセット値を正確に算出することができる。
上記制御装置において、前記第1の積分範囲は、現在時刻よりも所定時間前の時刻から現在時刻までの範囲であってもよい。
これにより、オフセット値を正確に算出することができる。
上記制御装置において、前記第2の積分範囲は、前記第1のモードでの制御が開始されてから現在時刻までの範囲であってもよい。
これにより、オフセット値を正確に算出することができる。
上記制御装置において、前記オフセット値は、第1の積分範囲で前記偏差を積分した積分値がプラスであれば、プラス及びマイナスのうち一方の値となり、前記第1の積分範囲で前記偏差を積分した積分値がマイナスであれば、プラス及びマイナスのうち他方の値となる値を、第2の積分範囲で積分した値であってもよい。
これにより、どの程度の平均的出力を掛け続ければよいかを表す値としての意義を有するオフセット項におけるオフセット値を正確に算出することができる。
上記制御装置において、前記制御部は、制御対象物の温度を制御してもよい。
請求項1に記載の制御装置であって、
前記制御部は、前記制御対象物としての光学素子を制御してもよい。
本技術に係る制御装置は、制御対象物と、制御部とを具備する。前記制御部は、比例係数と、予め設定されている設定値及び制御対象物を測定して得られる測定値の偏差との積である比例項と、積分係数と、前記偏差の積分値との積である積分項と、微分係数と、前記偏差の微分値との積である微分項と、オフセット係数と、前記偏差の積分値に基づいて得られるオフセット値との積であるオフセット項とを含む4つの項の第1の総和を算出し、前記第1の総和に基づいて、前記制御対象物を制御する。
本技術に係る光学装置は、光学素子と、制御部とを具備する。前記制御部は、比例係数と、予め設定されている設定値及び前記光学素子を測定して得られる測定値の偏差との積である比例項と、積分係数と、前記偏差の積分値との積である積分項と、微分係数と、前記偏差の微分値との積である微分項と、オフセット係数と、前記偏差の積分値に基づいて得られるオフセット値との積であるオフセット項とを含む4つの項の第1の総和を算出し、前記第1の総和に基づいて、前記光学素子を制御する。
本技術に係る制御方法は、比例係数と、予め設定されている設定値及び制御対象物を測定して得られる測定値の偏差との積である比例項と、積分係数と、前記偏差の積分値との積である積分項と、微分係数と、前記偏差の微分値との積である微分項と、オフセット係数と、前記偏差の積分値に基づいて得られるオフセット値との積であるオフセット項とを含む4つの項の第1の総和を算出することを含む。
前記第1の総和に基づいて、前記制御対象物が制御される。
本技術に係るプログラムは、コンピュータに、
比例係数と、予め設定されている設定値及び制御対象物を測定して得られる測定値の偏差との積である比例項と、積分係数と、前記偏差の積分値との積である積分項と、微分係数と、前記偏差の微分値との積である微分項と、オフセット係数と、前記偏差の積分値に基づいて得られるオフセット値との積であるオフセット項とを含む4つの項の第1の総和を算出するステップと、
前記第1の総和に基づいて、前記制御対象物を制御するステップと
を実行させる。
以上のように、本技術によれば、制御対象物を高精度に設定値に制御することができる制御装置等の技術を提供することができる。
本技術の一実施形態に係る制御装置が適用された光源装置を示す図である。 制御部が非線形結晶の温度を制御するときの処理を示すフローチャートである。 非線形結晶の温度の推移を表す図である。 オフセット値を決定するときの処理を示すフローチャートである。 図4に示す処理を説明するための補足図であり、定常状態における非線形結晶の温度の推移を表す図である。 通常のP制御関数と、P制御関数の右辺にオフセット項が追加された場合のP制御関数との関係を示す図である。
以下、本技術に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
<光源装置100の全体構成及び各部の構成>
図1は、本技術の一実施形態に係る制御装置60が適用された光源装置100を示す図である。この光源装置(光学装置)100は、例えば、生体サンプルを観察する生体顕微鏡の光源として用いられる。なお、光源装置100をどのような装置に用いるかについては適宜変更することができる。
図1に示すように、光源装置100は、半導体レーザ部10と、波長変換共振部20と、反射光検出部30と、補正光学系40と、温度調整機構50と、制御装置60とを備えている。
「半導体レーザ部10」
半導体レーザ部10は、励起光として用いられるパルスレーザを出射可能とされる。この半導体レーザ部10は、モードロック発振器、各種レンズ、アイソレータ、プリズムペア、λ/2板、半導体増幅装置等を有するMOPA(Master Oscillation Power Amplifier)システムによって構成される。このようなMOPAシステムを有する半導体パルスレーザ部では、出力が約数百Wであり、パルス時間幅が約3psであるパルス光を生成することができる。
「波長変換共振部20」
波長変換共振部20は、半導体パルスレーザ部から出射された励起光を共振させて増幅し、非線形結晶24を用いて、励起光とは波長が異なる出力光を生成する。この波長変換共振部20は、パンプレゾナント方式とされている。
波長変換共振部20は、励起光入力カプラ21と、ダイクロイックミラー22と、第1の曲面ミラー23aと、第2の曲面ミラー23bと、非線形結晶(制御対象物:光学素子)24とを有している。また、波長変換共振部20は、励起光ミラー25と、シグナル光出力カプラ26と、第1サーボ機構27と、第2のサーボ機構28と、シグナル光検出器29とを有している。
非線形結晶24は、励起光の波長変換に用いられる結晶であり、その結晶が有する複屈折性により、入射された励起光を、励起光の波長とは異なる波長の光へと変換する。この非線形結晶24は、入射される励起光の波長に応じて、利用可能な結晶が決まっている。例えば、入射される励起光が青色光である場合、非線形結晶24として、BBO(β‐BaB)、LBO(LiB3O5)、BiBO(BiB3O6)、LN(LiNbO3)、LT(LiTaO3)、KTP(KTiOPO4)等の青色光用の非線形結晶24が用いられる。
非線形結晶24により生成される出力光の波長は、非線形結晶24の温度を制御することで切り換えることができる。非線形結晶24による温度は、制御装置60によって制御される。
半導体レーザ部10から出射された励起光は、ミラー11、12及びフォーカシングレンズ13を介して波長変換共振部20の内部に導かれる。波長変換共振部20の内部に導かれた励起光は、励起光入力カプラ21、ダイクロイックミラー22、第1の曲面ミラー23a、非線形結晶24、第2の曲面ミラー23b、励起光ミラー25、第2の曲面ミラー23b、非線形結晶24、第1の曲面ミラー23a、ダイクロイックミラー22、励起光入力カプラ21、ダイクロイックミラー22・・という光路をたどる。
この励起光ミラー25を一端部とし、励起光入力カプラ21を他端部とした光路を、以降では第1の光路と呼ぶ。本実施形態では、この第1の光路において励起光が増幅される。
励起光が非線形結晶24を透過するとき、シグナル光及びアイドラー光という、励起光とは波長の異なる光が発生する。シグナル光及びアイドラー光は、いずれも外部に取り出すことによって光源として利用可能であるが、本実施形態では、シグナル光を外部に取り出して光源として利用する場合について説明する。
非線形結晶24で発生したシグナル光は、第2の曲面ミラー23b、励起光ミラー25、第2の曲面ミラー23b、非線形結晶24、第1の曲面ミラー23a、ダイクロイックミラー22、シグナル光出力カプラ26、ダイクロイックミラー22・・という光路をたどる。
この励起光ミラー25を一端部とし、シグナル光出力カプラ26を他端部とした光路を、以降では、第2の光路と呼ぶ。本実施形態では、この第2の光路においてシグナル光が生成され、シグナル光の強度が増幅される。
本実施形態では、第1の光路及び第2の光路における光路長を調整するために、励起光ミラー25に対して第1のサーボ機構27が設けられており、シグナル光出力カプラ26に対して第2のサーボ機構28が設けられている。第1のサーボ機構27及び第2のサーボ機構28は、例えば、ボイスコイルモータ、ピエゾ素子などによって構成される。
本実施形態では、第1のサーボ機構27及び第2のサーボ機構28により、第1の光路及び第2の光路における光路長をそれぞれ独立して制御することができる。
従って、それぞれ波長が異なる励起光と、シグナル光とを、波長変換共振部20の内部において、半導体レーザ部10における発振周期と一致させたタイミングで周回させることが可能となる。これにより、波長変換共振部20の内部において、励起光及びシグナル光を適切に「共振」させることができる。
第1の光路における光路長の制御は、波長変換共振部20で反射された励起光(反射光)の強度に応じて実行される。なお、反射された励起光(反射光)の強度は、反射光検出部30によって検出される。一方、第2の光路における光路長の制御は、波長変換共振部20の内部におけるシグナル光の強度に応じて実行される。なお、シグナル光の強度は、シグナル光検出器29によって検出される。
「反射光検出部30」
反射光検出部30は、半導体レーザ部10から出射された励起光を波長変換共振部20に導き、かつ、波長変換共振部20からの反射光の強度を検出する。反射光検出部30は、アイソレータ31と、λ/2板32と、ミラー33と、減光フィルタ34と、レンズ35と、反射光検出器36とを含む。
半導体レーザ部10から出射された励起光は、アイソレータ31及びλ/2板32を透過して波長変換共振部20へと導かれる。一方、波長変換共振部20からの反射光は、λ/2板32を透過した後、アイソレータ31によってミラー33側に導かれる。これにより、反射光が半導体レーザ部10側に戻ってしまうことが防止される。ミラー33側に導かれた光は、ミラー33によって反射された後、減光フィルタ34、レンズ35を透過して反射光検出器36に入射される。そして、入射された光の強度が反射光検出器36によって検出される。
「補正光学系40」
補正光学系40は、半導体レーザ部10から出射された励起光のビーム形状や収差などを補正する。このような補正によって、波長変換共振部20への励起光の結合効率を向上させることができる。この補正光学系40としては、例えば、レンズ及びアナモルフィックレンズが組み合わされた光学系や、シリンドリカルレンズを含む光学系が用いられる。
「温度調整機構50」
温度調整機構50は、波長変換共振部20が有する非線形結晶24の温度を検出して検出値を制御部61に出力する温度検出部51と、制御部61の制御下において非線形結晶24の温度を調整する温度調整部52とを含む。温度検出部51としては、例えば、電気抵抗を利用して熱を検出するサーミスタや、ゼーベック効果を利用して熱を検出する熱電対が用いられる。また、温度調整部52としては、ペルチェ効果を利用して非線形結晶24の温度を調整するペルチェ素子等が用いられる。
ここで、非線形結晶24は、入射された励起光に応じて出力光を発生するときに、励起光を吸収して発熱するといった特性を有している。本実施形態では、励起光が継続的に非線形結晶24に入射され、非線形結晶24が継続的に発熱するため、温度調整部52により非線形結晶24が継続的に冷却される。
「制御装置60」
制御装置60は、制御部61と、記憶部62と、入力部63と、表示部64と、通信部65とを含む。なお、制御装置60は、温度調整機構50を含んでいてもよいし、制御対象物(本実施形態では、非線形結晶24)を含んでいてもよい。
制御部61は、CPU(Central Processing Unit)等により構成される。制御部61は、記憶部62に記憶された各種のプログラムに基づき種々の演算を実行し、光源装置100の各部を統括的に制御する。
本実施形態では、制御部61は、主に、2種類の処理を実行する。1つ目は、第1の光路及び第2の光路の光路長を制御する処理である。2つ目は、本技術の特徴に係る処理であり、波長変換共振部20が有する非線形結晶24の温度を制御する処理である。
ここで、1つ目の処理について簡単に説明する。なお、2つ目の処理については、後の動作説明の欄において詳述する。
第1の光路の光路長を制御する処理では、まず、制御部61は、反射光検出部30の反射光検出器36によって検出された反射光の強度に関する情報を取得する。そして、制御部61は、この情報に基づいて、第1のサーボ機構27の駆動させるための駆動信号を生成し、第1のサーボ機構27へ出力する。第1のサーボ機構27は、入力された駆動信号に基づいて、波長変換共振部20内の励起光ミラー25を光軸方向に沿って移動させる。
第2の光路の光路長を制御する処理では、まず、制御部61は、波長変換共振部20内のシグナル光検出器29によって検出されたシグナル光の強度に関する情報を取得する。そして、制御部61は、この情報に基づいて、第2のサーボ機構28の駆動させるための駆動信号を生成して第2のサーボ機構28へ出力する。第2のサーボ機構28は、入力された駆動信号に基づいて、波長変換共振部20内のシグナル光出力カプラ26を光軸方向に沿って移動させる。
ここで、非線形結晶24から出力されるシグナル光の波長を変化させるため、非線形結晶24の設定温度Tsetが変更される場合もある。このような場合、制御部61は、元の設定温度Tsetと、現在の設定温度Tsetとの差に応じて、第1の光路及び第2の光路の光路長を変化させる。
記憶部62は、制御部61の処理に必要な各種のプログラムや各種のデータが記憶される不揮発性のメモリと、制御部61の作業領域として用いられる揮発性のメモリとを含む。上記各種のプログラムは、光ディスク、半導体メモリ等の可搬性の記録媒体から読み取られてもよいし、ネットワーク上のサーバ装置から通信部65を介してダウンロードされてもよい。
入力部63は、ユーザからの指示を入力して、ユーザの指示に応じた信号を制御部611へ出力する。入力部63は、例えば、キーボード、マウスなどを含み、また、表示部64上に設けられたタッチセンサなどを含む。
表示部64は、例えば、液晶ディスプレイ、あるいは、ELディスプレイ(EL:Electro Luminescence)等により構成され、制御部61の制御に基づき、各種の画像を画面上に表示させる。通信部65は、ネットワーク上のサーバ装置等の他の装置と通信可能に構成されている。
<動作説明>
次に、制御部61が非線形結晶24の温度を制御するときの動作について説明する。ここで、非線形結晶24から出力されるシグナル光(アイドラー光も同様)の波長は、温度依存性が高く、温度が少し変化しただけでも波長が大きく変化してしまう。従って、本実施形態に係る制御部61は、非線形結晶24の温度を設定温度Tsetに高精度に維持するための処理を実行する。
図2は、制御部61が非線形結晶24の温度を制御するときの処理を示すフローチャートである。図3は、非線形結晶24の温度の推移を表す図である。
図2に示すように、まず、制御部61は、非線形結晶24の温度制御に必要な各種のパラメータが、入力部63を介してユーザにより既に入力済みであるか否かを判定する(ステップ101)。
ユーザにより設定されるパラメータは、非線形結晶24の設定温度Tsetと、リプル上限値Tppと、リプル下限値Tpmとを含む(図3参照)。また、パラメータは、PID制御(P:Proportion I:Integration D:Derivation)が実行されるときに使用されるPID制御関数(下記式1参照)において設定する必要があるパラメータを含む。さらに、パラメータは、PIDO制御(P:Proportion I:Integration D:Derivation O:Offset)が実行されるときに使用されるPIDO制御関数(下記式2参照)において設定する必要があるパラメータを含む。
図3を参照して、設定温度Tsetは、非線形結晶24から目的の波長のシグナル光を得るために設定される温度である。リプル上限値Tppは、非線形結晶24の温度が設定温度Tsetの付近で波を打つようにして推移するときに許容される上限としての値である。リプル下限値Tpmは、非線形結晶24の温度が設定温度Tsetの付近で波を打つようにして推移するときに許容される下限としての値である。
ここで、本実施形態では、非線形結晶24の温度制御を高精度に行わなければならない関係上、リプルが許容される範囲であるリプル上限値Tppからリプル下限値Tpmまでの範囲(リプル許容範囲)は小さく設定されている。具体的には、本実施形態では、リプル上限値Tppが設定温度Tset+0.1℃程度に設定されており、リプル上限値Tpmが設定温度Tset−0.1℃程度に設定されている。つまり、本実施形態では、リプル許容範囲は、設定温度Tset±0.1℃程度に設定されている。
下記の式1を参照して、PID制御関数において設定する必要があるパラメータは、比例係数Kpと、積分係数Kiと、微分係数Kdと、積分項における偏差e(t)の積分時間Tiとを含む。下記の式2を参照して、PIDO制御関数において設定する必要があるパラメータは、比例係数Kpと、積分係数Kiと、微分係数Kdと、積分項における偏差e(t)の積分時間Tiと、オフセット値を算出するための偏差e(t)の積分時間Tcとを含む。
なお、本実施形態では、比例係数Kp、積分係数Ki、微分係数Kd、積分項における偏差e(t)の積分時間Tiは、PID制御関数及びPIDO制御関数においてそれぞれ異なる値が用いられる。なお、比例係数Kp、積分係数Ki、微分係数Kd、積分時間Tiのうち少なくとも1つの値がPID制御関数及びPIDO制御関数で共通とされていてもよい。
再び図2を参照して、温度制御に必要な各種のパラメータがユーザにより入力されていない場合(ステップ101のNO)、制御部61は、パラメータ入力用の画像(図示せず)を表示部64の画面上に表示させる(ステップ102)。制御部61は、パラメータ入力用の画像においてパラメータが入力されると、入力された値を記憶部62に記憶する。そして、制御部61は、再びステップ101へ戻り、温度制御に必要な各種のパラメータがユーザにより既に入力されているか否かを判定する。
温度制御に必要な各種のパラメータがユーザにより既に入力されている場合(ステップ101のYES)、制御部61は、各種のパラメータを記憶部62から読み出して、パラメータを設定する処理を実行する(ステップ103)。なお、ステップ103では、前回以前の温度制御において入力されたパラメータが存在する場合には必要に応じてそのパラメータが使用される。
制御部61は、パラメータを設定すると、次に、非線形結晶24の温度制御を開始するかどうかを判定する(ステップ104)。本実施形態では、制御部61は、半導体レーザ部10により励起光の出射が開始されると、非線形結晶24の温度制御を開始すると判断し、その制御を開始する。
制御部61は、非線形結晶24の温度制御を開始すると(ステップ104のYES)、非線形結晶24の温度の推移状態が定常状態及び遷移状態のいずれであるかを判定する(ステップ105)。
ここで、定常状態とは、非線形結晶24の温度(測定温度)が、設定温度Tsetの付近においてリプル許容範囲(リプル上限値Tpp〜リプル下限値Tpm)内で推移している状態のことを意味する。一方、遷移状態とは、非線形結晶24の温度の推移状態が定常状態になく、非線形結晶24の温度が設定温度Tsetに向かって遷移している状態のことを意味する。
ステップ105では、具体的には、制御部61は、非線形結晶24の現在の温度(測定温度)がリプル許容範囲外である場合には、非線形結晶24の温度の推移状態が遷移状態であると判定する。また、制御部61は、非線形結晶24の現在の温度がリプル許容範囲内であるとしても、リプル許容範囲外であった非線形結晶24の温度が最初に設定温度Tsetに到達するまでの間は、非線形結晶24の温度の推移状態が遷移状態であると判定する。
一方、制御部61は、非線形結晶24の現在の温度がリプル許容範囲内にあり、かつ、リプル許容範囲外であった非線形結晶24の温度が設定温度Tsetに最初に到達した後においては、非線形結晶24の温度の推移状態が定常状態であると判定する。
なお、制御部61は、単純に、非線形結晶24の現在の温度がリプル許容範囲外である場合に、温度の推移状態が遷移状態であると判定し、非線形結晶24の現在の温度がリプル許容範囲内である場合に、温度の推移状態が定常状態であると判定してもよい。
非線形結晶24の温度の推移状態が遷移状態にある場合(ステップ105のNO)、制御部61は、PID制御によって非線形結晶24の温度を制御し(ステップ106)、次のステップ108へ進む。一方、非線形結晶24の温度の推移状態が定常状態にある場合(ステップ105のYES)、制御部61は、PIDO制御によって非線形結晶24を制御し(ステップ107)、次のステップ108へ進む。
以降の説明では、PID制御により非線形結晶24の温度が制御されるモードをPID制御モード(第2のモード)と呼び、PIDO制御により非線形結晶24の温度が制御されるモードをPIDO制御モード(第1のモード)と呼ぶ。
本実施形態において、PID制御モードは、非線形結晶24の温度の推移状態を素早く定常状態に導くためのモードである。一方、PIDO制御モードは、定常状態において、非線形結晶24の温度を安定させる(リプルを緩やかにする)ためのモードである。なお、PID制御及びPIDO制御についての詳細は、後に詳述する。
ステップ108では、制御部61は、非線形結晶24の温度制御を終了するかどうかを判定する。非線形結晶24の温度制御が継続される場合(ステップ108のNO)、制御部61は、ステップ105に戻り、非線形結晶24の温度の推移状態が定常状態にあるかどうかを判定する。本実施形態では、制御部61は、半導体レーザ部10により励起光が出射されている間は、非線形結晶24の温度制御を継続すると判断し、その制御を継続する。
一方、制御部61は、半導体レーザ部10による励起光の出射が終了すると、非線形結晶24の温度制御を終了すると判断し(ステップ108のYES)、その制御を終了する。
図3を参照して、図3には非線形結晶24の温度の推移の一例が示されている。図3に示す例では、最初、非線形結晶24の温度がリプル許容範囲(リプル上限値Tpp〜リプル下限値Tpm)から外れている(ポイントA参照)。従って、制御部61は、非線形結晶24の温度の推移状態が遷移状態であると判定し、PID制御により非線形結晶24の温度を制御する。
その後、PID制御下において非線形結晶24の温度が設定温度Tsetに徐々に近づき、その温度がリプル許容範囲内となる。非線形結晶24の温度がリプル許容範囲内となっても、リプル許容範囲外であった非線形結晶24の温度が最初に設定温度Tsetに到達するまでの間は、制御部61は、非線形結晶24の温度の推移状態が遷移状態であると判定し、PID制御により非線形結晶24の温度を制御する。
その後、PID制御下において非線形結晶24の温度が設定温度Tsetに到達すると(ポイントB参照)、制御部61は、非線形結晶24の温度の推移状態が定常状態となったと判定し、PIDO制御による非線形結晶24の温度制御を開始する。すなわち、制御部61は、モードをPID制御モードからPIDO制御モードへと切り換える。
その後、PIDO制御下において、非線形結晶24の温度がリプル下限値を下回りリプル許容範囲外となったとする(ポイントC参照)。なお、後述のように、PIDO制御では、非線形結晶24の温度を高精度に制御することができるため、一度、PIDO制御が開始されれば、非線形結晶24の温度がリプル許容範囲外となる現象はほとんど発生しない(オフセット項が有効になるまでの期間を除く)。つまり、この例は、あくまで、理解を容易にするための一例である。
非線形結晶24の温度がリプル許容範囲外となると(ポイントC参照)、制御部61は、非線形結晶24の温度の推移状態が遷移状態となったと判定し、PID制御による非線形結晶24の温度制御を開始する。すなわち、制御部61は、モードをPIDO制御モードからPID制御モードへと切り換える。
その後、リプル許容範囲外となった非線形結晶24の温度が、PID制御下において設定温度Tset側に戻されて設定温度Tsetに徐々に近づき、その温度がリプル許容範囲内となる。非線形結晶24の温度がリプル許容範囲となっても、リプル許容範囲外であった非線形結晶24の温度が最初に設定温度Tsetに到達するまでの間は、制御部61は、非線形結晶24の温度の推移状態が遷移状態であると判定し、PID制御により非線形結晶24の温度を制御する。
その後、PID制御下において非線形結晶24の温度が設定温度Tsetに到達すると(ポイントD参照)、制御部61は、非線形結晶24の温度の推移状態が定常状態となったと判定し、PIDO制御による非線形結晶24の温度の制御を開始する。すなわち、制御部61は、モードをPID制御モードからPIDO制御モードへと切り換える。
本実施形態では、図2に示す処理により、非線形結晶24の温度の推移状態を素早く定常状態に導くためのPID制御モードと、定常状態において、非線形結晶24の温度を安定させるためのPIDO制御モードとを必要に応じて適切に切り換えることができる。
「PID制御」
次に、PID制御について具体的に説明する。下記の式1は、PID制御において用いられるPID制御関数を表している。なお、このPID制御関数は、一般的なPID制御で用いられる制御関数と同じである。
Figure 2016181184
PID制御関数において、左辺のU(t)は、温度調整部52(本実施形態では、ペルチェ素子)を制御するための制御値を表している。また、右辺の1項目、2項目及び3項目は、それぞれ順番に、比例項(P項)、積分項(I項)及び微分項(D項)を表している。
比例項において、Kpは、比例係数を表しており、e(t)は、設定温度Tsetと、測定温度との時刻tにおける偏差を表している。すなわち、比例項は、比例係数Kpと偏差e(t)との積である。
積分項において、Kiは、積分係数を表しており、Tiは、積分制御のための積分時間を表している。すなわち、積分項は、1/積分係数Kiと、現在時刻tよりもTi前の時刻から現在時刻tまでの範囲で偏差e(t)を積分した積分値との積である。
なお、本実施形態では、積分項は、1/積分係数Kiと、偏差e(t)の積分値との積とされている。一方、積分項は、積分係数Kiと、偏差e(t)の積分値との積とされていてもよい(なお、1/積分係数Kiは、定数であり、1/積分係数Kiが積分係数であるとも言える)。
微分項において、Kdは、微分係数を表している。すなわち、微分項は、微分係数Kdと、偏差e(t)を時間で微分した微分値との積である。
ここで、PID制御関数における、比例係数Kp、積分係数Ki、微分係数Kd、及び積分項における偏差e(t)の積分時間Tiは、予め設定されている定数である。PID制御関数におけるこれらの各種パラメータは、非線形結晶24の温度の推移状態を素早く定常状態へと導くことができるようにするための値が用いられる。
制御部61がPID制御関数を用いて制御値U(t)を算出するときの具体的な処理について説明する。なお、PID制御関数により制御値U(t)が算出され、非線形結晶24の温度が制御される周期は、例えば、100ms程度とされる。
制御値U(t)を算出するためには、比例項、積分項及び微分項の値を算出する必要がある。比例項の値を算出するとき、まず、制御部61は、非線形結晶24の現在における測定温度を温度検出部51から取得する。次に、制御部61は、非線形結晶24の現在の測定温度と、設定温度Tset(予め設定されている)との差を算出することによって偏差e(t)を算出する。そして、制御部61は、比例係数Kp(予め設定されている)と、算出された偏差e(t)とを乗算することによって、比例項の値を算出する。
ここで、制御部61は所定の周期(例えば、100ms程度)で偏差e(t)を算出するが、制御部61は偏差e(t)を算出する度に、算出された偏差を時刻に対応付けて記憶部62に記憶する。
積分項の値を算出するとき、まず、制御部61は、現在時刻tよりもTi(予め設定されている)前から現在時刻tまでの間の偏差e(t)を記憶部62から読み出す。次に、制御部61は、読み出した全ての偏差e(t)を加算することによって偏差e(t)の積分値を算出する。そして、制御部61は、1/積分係数Ki(予め設定されている)と、算出された積分値とを乗算することによって積分項の値を算出する。
微分項の値を算出するとき、制御部61は、今回の偏差e(t)と、前回の偏差e(t−Δt)と記憶部62から読み出し、今回の偏差e(t)と、前回の偏差e(t−Δt)との差を算出することによって、偏差e(t)の微分値を算出する。
そして、制御部61は、微分係数Kd(予め設定されている)と、算出された微分値とを乗算することによって積分項の値を算出する。なお、前回の偏差e(t−Δt)における括弧内のΔtは、偏差e(t)の算出周期(つまり、制御値U(t)の算出周期(100ms程度))を表している。
ここで、今回の偏差e(t)と、前回の偏差e(t−Δt)との差は、今回における非線形結晶24の測定温度と、前回における非線形結晶24の測定温度との差に等しい。従って、今回の偏差e(t)と、前回の偏差e(t−Δt)との差の代わりに、今回における非線形結晶24の測定温度と、前回の非線形結晶24の測定温度との差が用いられてもよい。
比例項、積分項及び微分項の値を算出すると、制御部61は、比例項、積分項及び微分項を含む3つの項の総和(第2の総和)を算出する。この総和がPID制御における制御値U(t)であり、本実施形態では、制御部61は、この制御値U(t)に基づいてペルチェ素子を制御することによって、非線形結晶24の温度を制御する。
なお、ペルチェ素子に対する指令は、プラスが冷却を表しており、マイナスが加熱を表している。従って、本実施形態では、PID制御における制御値U(t)がプラスである場合には、制御部61は、ペルチェ素子に対して冷却の指示を出す。一方、PID制御における制御値U(t)がマイナスである場合には、制御部61は、ペルチェ素子に対して加熱の指示を出す。なお、これについては、PIDO制御における制御値U(t)についても同様である。
「PIDO制御」
次に、本技術の特徴に係るPIDO制御について具体的に説明する。下記の式2は、PIDO制御において用いられるPIDO制御関数を表している。
Figure 2016181184
PIDO制御関数において、左辺のU(t)は、温度調整部61(本実施形態では、ペルチェ素子)を制御するための制御値を表している。また、右辺の1項目、2項目、3項目、4項目は、それぞれ順番に、比例項(P項)、積分項(I項)、微分項(D項)及びオフセット項(O項)を表している。すなわち、PIDO制御関数では、PID制御関数とは異なり、右辺の4項目にオフセット項(O項)が設けられている。
PIDO制御関数における比例項は、比例係数KpがPID制御関数における比例係数Kpとは異なる点を除いて、PID制御関数における比例項と同じである。
また、PIDO制御関数における積分項は、積分係数KiがPID制御関数の積分係数Kiとは異なる点、及び積分時間TiがPID制御関数の積分時間Tiと異なる点を除いて、PID制御関数における積分項と同じである。
また、PIDO制御関数における微分項は、微分係数KdがPID制御関数の微分係数Kdとは異なる点を除いて、PID制御関数における微分項と同じである。
PIDO制御関数におけるオフセット項において、Koは、オフセット係数を表しており、Co(t)は、時刻tにおけるオフセット値を表している。すなわち、オフセット項は、オフセット係数Koと、オフセット値Co(t)との積である。
さらに、オフセット値Co(t)を表す式において、Tcは、オフセット値を算出するための偏差e(t)の積分時間を表しており、Tsは、PIDO制御の開始時刻を表している。また、オフセット値Co(t)を表す式において、ΔM( )は、括弧内における値がプラスとなった場合には、+1となり、括弧内における値がマイナスとなった場合には、−1となることを表している(デルタ変換)。
すなわち、オフセット値Co(t)は、現在時刻tよりもTc前の時刻から現在時刻tまでの範囲で偏差e(t)を積分した積分値がプラスであれば+1となり、積分値がマイナスであれば−1となる値を、PIDO制御の開始時刻Tsから現在時刻tまでの範囲で積分した値である。概して言うと、オフセット値は、偏差e(t)の積分値に基づいて得られる値である。
オフセット値Co(t)を算出するための偏差e(t)の積分範囲(第1の積分範囲)について説明する。本実施形態では、この積分範囲は、現在時刻tよりもTc前の時刻から現在時刻tまでの範囲とされている。ここで、積分時間Tcは、短すぎると偏差e(t)の偏りが適切にオフセット値Co(t)に反映されない。逆に、積分時間Tcが長すぎるとオフセット項がPIDO制御関数に反映されるまでに時間が掛かりすぎる。従って、これらのことを考慮して積分時間Tcは設定される。本実施形態では、積分時間Tcは、3秒程度とされている。なお、この積分時間Tcは、積分項(I項)における偏差e(t)の積分時間Tiとは独立して個別に設定される。
次に、ΔM( )が表す値について説明する。本実施形態では、ΔM( )が表す値は、±1とされているが、この値は、±1に限られない。例えば、ΔM( )が表す値は、プラス及びマイナスで数字の大きさが同じであれば、±0.5、±2等であってもよい。つまり、ΔM( )が表す値は、数字の大きさはあまり重要ではなく、プラスか、マイナスかという点が重要とされる。
さらに、本実施形態では、ΔM( )は、括弧内における値がプラスとなった場合には、プラスとなり、括弧内における値がマイナスとなった場合には、マイナスとなるが、この関係は、逆であってもよい。つまり、ΔM( )は、括弧内における値がプラスとなった場合には、マイナスとなり、括弧内における値がマイナスとなった場合には、プラスとなってもよい。
次に、ΔM( )によって表される値を積分する範囲(第2の積分範囲)について説明する。本実施形態では、この積分範囲は、PIDO制御の開始時刻Tsから現在時刻tまでの範囲とされている。一方、ΔM( )によって表される値を積分する範囲は、これに限られない。例えば、この範囲は、現在時刻tよりも所定時間前(例えば、1分〜10分程度:偏差e(t)の積分時間Tcよりも長い)の時刻から現在時刻tまでの範囲であってもよい。
ここで、PIDO制御関数における、比例係数Kp、積分係数Ki、微分係数Kd、積分項における偏差e(t)の積分時間Ti、オフセット項における偏差e(t)の積分時間Tcは、予め設定されている定数である。PIDO制御関数におけるこれらの各種パラメータは、非線形結晶24の温度を定常状態において安定させる(リプルを緩やかにする)ことができるようにするための値が用いられる。
制御部61がPIDO制御関数を用いて制御値U(t)を算出するときの具体的な処理について説明する。なお、PIDO制御関数により制御値U(t)が算出され、非線形結晶24の温度が制御される周期は、例えば、100ms程度とされる。
なお、本実施形態では、PID制御関数により制御値U(t)が算出されて非線形結晶24の温度が制御される周期と、PIDO制御関数により制御値U(t)が算出されて非線形結晶24の温度が制御される周期とは同じとされている。但し、これらの周期はそれぞれ異なるように設定されていてもよい。
PIDO制御関数において制御値U(t)を算出するためには、比例項、積分項、微分項及びオフセット項の値を算出する必要がある。PIDO制御関数における比例項、積分項、微分項の値の算出方法は、PID制御関数における比例項、積分項、微分項の値の算出方法と同様である。従って、ここでは、オフセット項の値の算出方法について説明する。
オフセット項の値を算出するためには、現在時刻tにおけるオフセット値Co(t)を決定する必要がある。図4は、オフセット値Co(t)を決定するときの処理を示すフローチャートである。図5は、図4に示す処理を説明するための補足図であり、定常状態における非線形結晶24の温度の推移を表す図である。
図4に示すように、まず、制御部61は、PIDO制御が開始されたかどうかを判定する(ステップ201)。非線形結晶24の温度の推移状態が遷移状態から定常状態となり、PIDO制御が開始されると(ステップ201のYES)、制御部61は、現在のオフセット値Co(t)を0に設定する(ステップ202)。
次に、制御部61は、非線形結晶24の温度の推移状態が定常状態となり、PIDO制御が開始されてから積分時間Tcが経過しているかどうかを判定する(ステップ203)。PIDO制御が開始されてから積分時間Tcが経過していない場合(ステップ203のNO)、制御部61は、現在のオフセット値Co(t)を0としたまま次のステップ207へ進む。
つまり、PIDO制御が開始されてから積分時間Tcが経過していない場合には、非線形結晶24の温度の推移状態が定常状態となってからオフセット値Co(t)を算出するための十分な時間が経過していないので、オフセット値Co(t)は0とされる。
一方、PIDO制御が開始されてから時間Tcが経過している場合(ステップ203のYES)、制御部61は、次のステップ204へ進む。ステップ204では、制御部61は、現在時刻tよりもTc前から現在時刻tまでの偏差e(t)を記憶部62から読み出し、読み出した全ての偏差e(t)を加算することによって偏差e(t)の積分値を算出する。そして、制御部61は、算出した偏差e(t)の積分値が0以上であるかどうかを判定する。
現在時刻tよりもTc前から現在時刻tまでの偏差e(t)の積分値が0以上である場合(ステップ204のYES)、制御部61は、前回のオフセット値Co(t−Δt)に対して、1を加算して、今回のオフセット値Co(t)を算出する。そして、制御部61は、次のステップ207へ進む。なお、オフセット値Co(t−Δt)における括弧内のΔtは、オフセット値の算出周期(つまり、制御値U(t)の算出周期(100ms程度))に相当する。
なお、Tc〜tまでの偏差e(t)の積分値が0である場合、今回のオフセット値Co(t)として、前回のオフセット値Co(t−Δt)が用いられてもよい(つまり、Co(t)=Co(t−Δt))。
ここで、今回のオフセット値Co(t)が前回のオフセット値Co(t−Δt)よりも高い値となり、オフセット項の値が前回のオフセット項の値よりも高くなったとする。この場合、オフセット項は、今回の制御値を前回の制御値よりも高い値とさせるように制御値に作用する。なお、今回の制御値が前回の制御値よりも高い値となった場合、制御部61は、前回よりも低い温度での指令をペルチェ素子に対して与える。
現在時刻tよりもTc前から現在時刻tまでの偏差e(t)の積分値が0未満である場合(ステップ204のNO)、制御部61は、前回のオフセット値Co(t−Δt)から1を減算して、今回のオフセット値Co(t)を算出する。そして、制御部61は、次のステップ207へ進む。
ここで、今回のオフセット値Co(t)が前回のオフセット値Co(t−Δt)よりも低い値となり、オフセット項の値が前回のオフセット項の値よりも低くなったとする。この場合、オフセット項は、今回の制御値を前回の制御値よりも低い値とさせるように制御値に作用する。なお、今回の制御値が前回の制御値よりも低い値となった場合、制御部61は、前回よりも高い温度での指令をペルチェ素子に対して与える。
なお、本実施形態では、ステップ205及びステップ206において、前回のオフセット値Co(t−Δt)に対して±1が加えられているが、前回のオフセット値Co(t−Δt)に加えられる値は、±1に限られない。この値は、プラス及びマイナスで数字の大きさが同じであれば、±0.5、±2等であってもよい。
ステップ207では、制御部61は、PIDO制御が終了したかどうかを判定する。PIDO制御が継続される場合(ステップ207のNO)、制御部61は、ステップ203へ戻り、PIDO制御が開始されてから時間Tcが経過しているかどうかを判定する。
一方、PIDO制御がPID制御に切り換えられることによって、あるいは、非線形結晶24の温度制御が終了することによってPIDO制御が終了した場合(ステップ207のYES)、制御部61は処理を終了する。
図4に示す処理によって、現在のオフセット値Co(t)が決定されると、制御部61は、オフセット係数Ko(予め設定されている)と、現在のオフセット値Co(t)とを乗算し、オフセット項の値を算出する。
制御部61は、オフセット項の値の他に、比例項、積分項及び微分項の値をそれぞれ算出する。そして、制御部61は、比例項、積分項、微分項及びオフセット項を含む4つの項の総和(第1の総和)を算出する。この総和が、PIDO制御における制御値U(t)であり、本実施形態では、制御部61は、この制御値U(t)に基づいてペルチェ素子を制御することによって、非線形結晶24の温度を制御する。
図5を参照して、図5には、定常状態における非線形結晶24の温度の推移の一例が示されている。本実施形態では、非線形結晶24が発熱し続けるため、定常状態において、非線形結晶24が冷却されても最初のうちは図5に示すように、非線形結晶24の温度が設定温度Tsetよりも高い方向へとずれる。
従って、現在時刻tよりもTc前から現在時刻tまでの偏差e(t)の積分値は、0以上の値となる。この場合、制御部61は、前回のオフセット値Co(t−Δt)に対して1を加算することによって、今回のオフセット値Co(t)を算出する。
図5に示す例では、今回のオフセット値Co(t)が前回のオフセット値Co(t−Δt)よりも高い値となるので、オフセット項の値が前回のオフセット項の値よりも高くなる。この場合、オフセット項は、今回の制御値を前回の制御値よりも高い値とさせるように制御値に作用する。今回の制御値が前回の制御値よりも高い値となった場合、制御部61は、前回よりも低い温度での指令をペルチェ素子に指令を出す。
<作用等>
次に、本実施形態の作用等について説明する。ここでの説明では、オフセット項が付加されたことによる作用を中心に説明する。
ここで、一例として、通常のP制御関数の右辺に対してオフセット項が設けられた場合を想定する。図6は、通常のP制御関数と、P制御関数の右辺にオフセット項が追加された場合のP制御関数との関係を示す図である。
図6において、縦軸は、ペルチェ素子に対する制御値U(t)を表しており、横軸は偏差e(t)を表している。なお、縦軸においてプラスが冷却、マイナスが加熱を表している。また、横軸において、±Tpは、比例制御動作の温度範囲を示している。
また、図6において、点線で示す1本のグラフは通常のP制御関数における制御値U(t)を表しており、一点鎖線で示す2本のグラフはオフセット項が追加された場合のP制御関数における制御値U(t)を表している。
なお、通常のP制御関数を表す式は、U(t)=Kp×e(t)であり、オフセット項が追加されたP制御関数を表す式は、U(t)=Kp×e(t)+Ko×Co(t)である。
図6における破線を参照して、通常のP制御関数における制御値U(t)は、±Tpの範囲で、偏差e(t)に対して比例関係にあり、P制御関数における制御値U(t)は、偏差e(t)が0となると0となる。従って、偏差e(t)(つまり、測定温度及び設定温度Tsetの差)が0となればペルチェ素子を介して非線形結晶24に対して加えられる熱は0となる。
しかしながら、非線形結晶24は発熱し続けるため、偏差e(t)(つまり、測定温度及び設定温度Tsetの差)がある瞬間に0となったとしても、非線形結晶24を冷却し続けなければ、非線形結晶24の温度を適切に設定温度Tsetに維持することができない。すなわち、通常のP制御では、非線形結晶24等の制御対象物に対して平均的に出力を掛け続けなければいけないような状況下において、制御対象物を設定値に正確に制御することができない。
一方、一点鎖線に示すように、オフセット項が追加されたP制御関数では、オフセット項によって、制御値U(t)が通常のP制御関数に比べて冷却側又は加熱側にずれる(オフセットされる)。この場合、偏差e(t)が0となっても、制御値U(t)が0にはならず、非線形結晶24等の制御対象物に対して平均的に出力が掛け続けられることになる。
具体的には、非線形結晶24のように発熱し続けるような物体が制御対象物である場合、オフセット項によって、制御値U(t)が冷却側(図6の上側)にずれる。これにより、偏差e(t)が0となっても、非線形結晶24が所定の温度で冷却されるので、発熱し続ける非線形結晶24を適切に設定温度Tsetに維持することができる。
逆に、制御対象物を加熱し続けなければいけないような状況下では、オフセット項によって、制御値U(t)が加熱側(図6の下側)にずれる。これにより、偏差e(t)が0となっても、制御対象物が所定の温度で加熱されるので、制御対象物を適切に設定温度Tsetに維持することができる。
すなわち、本技術に係るオフセット項は、制御対象物の温度を設定温度Tsetに維持するために平均的に出力を掛けつづければならない状況下において、どの程度の平均的出力を掛け続ければよいかを表す値としての意義を有している。微調整を行いながらこのオフセット項における平均的出力を正確に求めるための処理が、図4及び図5を参照して説明した処理である。また、オフセット項(平均的出力)を数式的に表現したものが上記式2である。
上記式2を参照して、PIDO制御関数における右辺にオフセット項が追加されていることによって、制御値U(t)に対して変化が遅い定数項が付いた状態となる。このため、PIDO制御では、オフセット項によって表現される平均的出力を中心としてPID制御が行われるような状態となる(図6参照)。
このオフセット項を前提として、定常状態で用いられるPIDO制御関数の比例係数Kp、積分係数Ki、微分係数Kpを求めると、定常状態での温度の推移におけるリプルを緩やかにすることが可能な比例係数Kp、積分係数Ki、微分係数Kpを求めることができる。
一方、オフセット項を含まない通常のPID制御関数では、定常状態での温度の推移におけるリプルを緩やかにするような比例係数Kp、積分係数Ki、微分係数Kpを求めることは非常に困難である。通常のPID制御では、定常状態で偏差が0である場合に原則的にPID制御関数の出力が0になるように動作するため、設定温度と環境温度との間に差がある場合に、制御対象物の温度が環境温度に引っ張られて制御対象物の温度が平均的に環境温度側に偏り、制御による低周波リプルが発生してしまう場合がある(制御対象物が発熱し続けたりする場合も同様)。従って、PID制御は、非線形結晶24などの高精度な制御が必要な制御対象物の温度を制御するための処理としては不十分である。
これに対して、本実施形態におけるPIDO制御関数では、上述のように、オフセット項が設けられているので、定常状態での温度の推移におけるリプルを緩やかにする比例係数Kp、積分係数Ki、微分係数Kpを求めることができる。従って、本実施形態では、定常状態での温度の推移におけるリプルを低減することができるので、非線形結晶24の温度を高精度に設定温度Tsetに維持することができる。
なお、本発明者らが、定常状態におけるPIDO制御下での非線形結晶24の温度を実際に測定したところ、設定温度Tset±0.05℃の範囲で非線形結晶24の温度を制御することができていることが分かった。
<各種変形例>
以上の説明では、一例として、温度が制御される制御対象物が非線形結晶24である場合について説明した。一方、制御対象物は、非線形結晶24に限られない。例えば、制御対象物は、光源、ミラー、レンズなどの他の光学素子であってもよい。
ここで、非線形結晶24、光源、ミラー、レンズなどの各種の光学素子は、高精度な温度制御が求められる場合が多い。例えば、他の天体までの距離を測定する測定装置に内蔵されている各種の光学素子は、温度が少しずれただけでも測定精度が極端に低下してしまう場合があるため、高精度な温度制御が要求される。従って、このような高精度な温度制御が必要とされる各種の光学素子の温度を制御する装置として本技術を採用すると特にメリットがある。
温度制御は、制御対象物(例えば、光学素子)について個々に行われてもよいし、例えば、複数の制御対象物(例えば、光学素子)が一つの筐体内に収まっているような場合には、全体として温度制御が行われてもよい。
以上の説明では、本技術が温度制御に用いられる場合について説明した。一方、本技術は、温度制御に限られず、圧力制御、流量制御、速度制御、トルク制御等の他の制御に用いることもできる。
本技術は、以下の構成をとることもできる。
(1)比例係数と、予め設定されている設定値及び制御対象物を測定して得られる測定値の偏差との積である比例項と、積分係数と、前記偏差の積分値との積である積分項と、微分係数と、前記偏差の微分値との積である微分項と、オフセット係数と、前記偏差の積分値に基づいて得られるオフセット値との積であるオフセット項とを含む4つの項の第1の総和を算出し、前記第1の総和に基づいて、前記制御対象物を制御する制御部
を具備する制御装置。
(2) 上記(1)に記載の制御装置であって、
前記制御部は、前記第1の総和を算出し、前記第1の総和に基づいて、前記制御対象物を制御する第1のモードと、前記比例項、前記積分項及び前記微分項を含む3つの項の第2の総和を算出し、前記第2の総和に基づいて、前記制御対象物を制御する第2のモードとを切り換え可能である
制御装置。
(3) 上記(2)に記載の制御装置であって、
前記制御部は、前記測定値が前記設定値から所定の範囲内で推移しているとき、前記制御対象物を前記第1のモードで制御し、前記測定値が前記所定の範囲内で推移していないとき、前記制御対象物を前記第2のモードで制御する
制御装置。
(4) 上記(2)又は(3)に記載の制御装置であって、
前記オフセット値は、第1の積分範囲で前記偏差を積分した積分値がプラスであれば、プラス及びマイナスのうち一方の値となり、前記第1の積分範囲で前記偏差を積分した積分値がマイナスであれば、プラス及びマイナスのうち他方の値となる値を、第2の積分範囲で積分した値である
制御装置。
(5) 上記(4)に記載の制御装置であって、
前記第1の積分範囲は、現在時刻よりも所定時間前の時刻から現在時刻までの範囲である
制御装置。
(6) 上記(4)又は(5)に記載の制御装置であって、
前記第2の積分範囲は、前記第1のモードでの制御が開始されてから現在時刻までの範囲である
制御装置。
(7) 上記(1)〜(6)のうちいずれか1つに記載の制御装置であって、
前記オフセット値は、第1の積分範囲で前記偏差を積分した積分値がプラスであれば、プラス及びマイナスのうち一方の値となり、前記第1の積分範囲で前記偏差を積分した積分値がマイナスであれば、プラス及びマイナスのうち他方の値となる値を、第2の積分範囲で積分した値である
制御装置。
(8) 上記(1)〜(7)のうちいずれか1つに記載の制御装置であって、
前記制御部は、制御対象物の温度を制御する
制御装置。
(9) 上記(1)〜(8)のうちいずれか1つに記載の制御装置であって、
前記制御部は、前記制御対象物としての光学素子を制御する
制御装置。
(10) 制御対象物と、
比例係数と、予め設定されている設定値及び制御対象物を測定して得られる測定値の偏差との積である比例項と、積分係数と、前記偏差の積分値との積である積分項と、微分係数と、前記偏差の微分値との積である微分項と、オフセット係数と、前記偏差の積分値に基づいて得られるオフセット値との積であるオフセット項とを含む4つの項の第1の総和を算出し、前記第1の総和に基づいて、前記制御対象物を制御する制御部と
を具備する制御装置。
(11) 光学素子と、
比例係数と、予め設定されている設定値及び前記光学素子を測定して得られる測定値の偏差との積である比例項と、積分係数と、前記偏差の積分値との積である積分項と、微分係数と、前記偏差の微分値との積である微分項と、オフセット係数と、前記偏差の積分値に基づいて得られるオフセット値との積であるオフセット項とを含む4つの項の第1の総和を算出し、前記第1の総和に基づいて、前記光学素子を制御する制御部と
を具備する光学装置。
(12) 比例係数と、予め設定されている設定値及び制御対象物を測定して得られる測定値の偏差との積である比例項と、積分係数と、前記偏差の積分値との積である積分項と、微分係数と、前記偏差の微分値との積である微分項と、オフセット係数と、前記偏差の積分値に基づいて得られるオフセット値との積であるオフセット項とを含む4つの項の第1の総和を算出し、
前記第1の総和に基づいて、前記制御対象物を制御する
制御方法。
(13) コンピュータに、
比例係数と、予め設定されている設定値及び制御対象物を測定して得られる測定値の偏差との積である比例項と、積分係数と、前記偏差の積分値との積である積分項と、微分係数と、前記偏差の微分値との積である微分項と、オフセット係数と、前記偏差の積分値に基づいて得られるオフセット値との積であるオフセット項とを含む4つの項の第1の総和を算出するステップと、
前記第1の総和に基づいて、前記制御対象物を制御するステップと
を実行させるプログラム。
10…半導体レーザ部
20…波長変換共振部
24…非線形結晶
30…反射光検出部
40…補正光学系
50…温度調整機構
60…制御装置
61…制御部
100…光源装置

Claims (13)

  1. 比例係数と、予め設定されている設定値及び制御対象物を測定して得られる測定値の偏差との積である比例項と、積分係数と、前記偏差の積分値との積である積分項と、微分係数と、前記偏差の微分値との積である微分項と、オフセット係数と、前記偏差の積分値に基づいて得られるオフセット値との積であるオフセット項とを含む4つの項の第1の総和を算出し、前記第1の総和に基づいて、前記制御対象物を制御する制御部
    を具備する制御装置。
  2. 請求項1に記載の制御装置であって、
    前記制御部は、前記第1の総和を算出し、前記第1の総和に基づいて、前記制御対象物を制御する第1のモードと、前記比例項、前記積分項及び前記微分項を含む3つの項の第2の総和を算出し、前記第2の総和に基づいて、前記制御対象物を制御する第2のモードとを切り換え可能である
    制御装置。
  3. 請求項2に記載の制御装置であって、
    前記制御部は、前記測定値が前記設定値から所定の範囲内で推移しているとき、前記制御対象物を前記第1のモードで制御し、前記測定値が前記所定の範囲内で推移していないとき、前記制御対象物を前記第2のモードで制御する
    制御装置。
  4. 請求項2に記載の制御装置であって、
    前記オフセット値は、第1の積分範囲で前記偏差を積分した積分値がプラスであれば、プラス及びマイナスのうち一方の値となり、前記第1の積分範囲で前記偏差を積分した積分値がマイナスであれば、プラス及びマイナスのうち他方の値となる値を、第2の積分範囲で積分した値である
    制御装置。
  5. 請求項4に記載の制御装置であって、
    前記第1の積分範囲は、現在時刻よりも所定時間前の時刻から現在時刻までの範囲である
    制御装置。
  6. 請求項4に記載の制御装置であって、
    前記第2の積分範囲は、前記第1のモードでの制御が開始されてから現在時刻までの範囲である
    制御装置。
  7. 請求項1に記載の制御装置であって、
    前記オフセット値は、第1の積分範囲で前記偏差を積分した積分値がプラスであれば、プラス及びマイナスのうち一方の値となり、前記第1の積分範囲で前記偏差を積分した積分値がマイナスであれば、プラス及びマイナスのうち他方の値となる値を、第2の積分範囲で積分した値である
    制御装置。
  8. 請求項1に記載の制御装置であって、
    前記制御部は、制御対象物の温度を制御する
    制御装置。
  9. 請求項1に記載の制御装置であって、
    前記制御部は、前記制御対象物としての光学素子を制御する
    制御装置。
  10. 制御対象物と、
    比例係数と、予め設定されている設定値及び制御対象物を測定して得られる測定値の偏差との積である比例項と、積分係数と、前記偏差の積分値との積である積分項と、微分係数と、前記偏差の微分値との積である微分項と、オフセット係数と、前記偏差の積分値に基づいて得られるオフセット値との積であるオフセット項とを含む4つの項の第1の総和を算出し、前記第1の総和に基づいて、前記制御対象物を制御する制御部と
    を具備する制御装置。
  11. 光学素子と、
    比例係数と、予め設定されている設定値及び前記光学素子を測定して得られる測定値の偏差との積である比例項と、積分係数と、前記偏差の積分値との積である積分項と、微分係数と、前記偏差の微分値との積である微分項と、オフセット係数と、前記偏差の積分値に基づいて得られるオフセット値との積であるオフセット項とを含む4つの項の第1の総和を算出し、前記第1の総和に基づいて、前記光学素子を制御する制御部と
    を具備する光学装置。
  12. 比例係数と、予め設定されている設定値及び制御対象物を測定して得られる測定値の偏差との積である比例項と、積分係数と、前記偏差の積分値との積である積分項と、微分係数と、前記偏差の微分値との積である微分項と、オフセット係数と、前記偏差の積分値に基づいて得られるオフセット値との積であるオフセット項とを含む4つの項の第1の総和を算出し、
    前記第1の総和に基づいて、前記制御対象物を制御する
    制御方法。
  13. コンピュータに、
    比例係数と、予め設定されている設定値及び制御対象物を測定して得られる測定値の偏差との積である比例項と、積分係数と、前記偏差の積分値との積である積分項と、微分係数と、前記偏差の微分値との積である微分項と、オフセット係数と、前記偏差の積分値に基づいて得られるオフセット値との積であるオフセット項とを含む4つの項の第1の総和を算出するステップと、
    前記第1の総和に基づいて、前記制御対象物を制御するステップと
    を実行させるプログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US11942752B2 (en) * 2021-02-17 2024-03-26 Trumpf Laser Gmbh Method and laser system for generating output laser pulses with an optical component with temperature-dependent power efficiency and associated computer program product

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JP2023053573A (ja) * 2021-10-01 2023-04-13 富士電機株式会社 プラント応答推定装置、プラント応答推定方法、及びプログラム

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