JPH088388B2 - 光部品の温度安定化方法及び装置 - Google Patents

光部品の温度安定化方法及び装置

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JPH088388B2
JPH088388B2 JP11854389A JP11854389A JPH088388B2 JP H088388 B2 JPH088388 B2 JP H088388B2 JP 11854389 A JP11854389 A JP 11854389A JP 11854389 A JP11854389 A JP 11854389A JP H088388 B2 JPH088388 B2 JP H088388B2
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Description

【発明の詳細な説明】 概要 半導体レーザ等の光部品の温度安定化方法に関し、 外気温度が変化しても、光部品を所定の温度で安定化
することを目的とし、 密封容器内に設けられた光部品近傍の温度を検出し、
該検出温度が設定温度と一致するように制御するように
した光部品の温度安定化方法において、前記密封容器外
部の温度を検出し、該検出温度に基づいて前記設定温度
を補正し、光部品を所望の温度で安定化させるように構
成する。
産業上の利用分野 本発明は半導体レーザ等の光部品の温度安定化方法に
関する。
光通信システムにおいては、一般に半導体レーザ(以
下LDという)を時系列の電気信号で変調し、この変調光
をレンズ系を介して伝送路としての光ファイバに導くよ
うにしている。LDは通常、LDの直前に配置するレンズ等
と一体化されて、LDモジュールとして使用される。この
ようなLDモジュールを用いてコヒーレント光通信、ある
いは光周波数多重(FDM)伝送を行う場合、その発振周
波数が経時的に十分に安定している必要がある。しかし
ながら、LDの発振周波数は温度に対して極めて敏感であ
り、例えば、単一縦モードで発振するDFB−LDにおいて
は、1℃当たり約1Åの波長変化を示し、この波長変化
は1.55μm帯で約12.5GHzの周波数変化に相当するもの
であり、その安定度を10MHz〜数+MHz程度とするために
はLDの温度を少なくとも0.01℃程度の精度で精密に制御
する必要がある。このため、LDの温度を十分に安定さ
せ、周波数変動を少なくすることのできる光部品の温度
安定化方法が要望されている。
従来の技術 第3図は従来のLD(半導体レーザ)モジュールの温度
安定化装置の構成ブロックである。
30はLD31が固定されたヒートシンクであり、LD31の周
囲には、図示はしていないが、変調信号を通すための高
周波線路、光モニタ用のホトダイオード、バイアス供給
端子、コリメート用のレンズ等が配置されており、これ
らを避けてヒートシンク30上には温度センサ32が取り付
けられている。また、ヒートシンク30にはペルチェ素子
33が密着固定され、これらが恒温槽34内に密封収容され
て光半導体モジュールが構成されている。
ペルチェ素子33は異種の導体又は半導体の接点に電流
を流すときに、当該接点でジュール熱以外に熱の発生又
は吸収が起こるペルチェ効果を加熱又は冷却に利用した
ものであり、その通電電流に応じた発熱又は吸熱作用に
より、LD31の温度制御を行うものである。温度センサ32
としては、サーミスタ、白金側温体等が使用され、温度
変化をこれらの抵抗変化に換算して温度検出を行うもの
である。
温度センサ32はブリッジ回路35の抵抗ブリッジの一辺
を構成しており、その抵抗変化に対応したブリッジ中点
間の電位差が増幅器36により作動増幅され、微小温度変
化が検出される。増幅器36で増幅された出力電圧信号
は、比較器37で基準電源38からの基準電圧信号(LD31を
所定の発振周波数とするための温度に対応した電圧であ
って、任意に設定可能)と比較され、その差等に応じて
制御回路39によりペルチェ素子ドライバ40が制御され、
ペルチェ素子34への通電電流が制御されることにより、
LD31が所定の温度で安定するようにしている。
発明が解決しようとする課題 LDの温度を検出する温度センサは、できるだけLDに近
接して設けることが望ましいが、LDの周囲には高周波線
路、ホトダイオード、バイアス供給端子等が設けられて
いるため、温度センサをLDに近接して設けることができ
ず、LDから少し離れた位置に設けられている。このた
め、LDの実際の温度と、温度センサにより検出される温
度との間に温度差が生じる場合がある。
これを確認するために、本発明者等は従来構成の温度
安定化装置を用いてLDモジュールの温度を厳密に制御す
るとともに、恒温槽外部の温度(外気温度)を変化せし
め、LDからの出射光を光アイソレータを介して光波長計
に入射し、その波長を計測してみたところ、第4図に示
すような結果を得た。このとき、温度安定化装置は正常
に作動しており、外気温度が変化しても、温度センサ自
身の温度は常に一定温度に制御されていることを確認し
ながら試験を実施している。
第4図から明らかなように、外気温度が上昇するにつ
れて、LDの発振周波数が比例的に高くなっていることが
わかる。これは即ちLDの温度が上昇していることを示し
ており、温度センサとLDの距離が離れているために、そ
の間に熱抵抗が存在して温度勾配が生じ、温度センサの
ある位置とLDの温度が異なっていることを示唆している
ものである。
このように、従来構成では、温度センサのある位置の
温度を一定に制御しているにすぎず、温度センサのある
位置の温度が一定であっても、LDの実際の温度は外気温
度の変化により変化してしまうという問題があった。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、
その目的とするところは、外気温度が変化しても、光部
品を所定の温度で安定化させる方法及び装置を提供する
ことである。
課題を解決するための手段 第1図は本発明の原理図である。本発明の温度安定化
方法は、密封容器4内に設けられた光部品1近傍の温度
を検出し、これらの検出温度が設定温度(光部品の安定
させるべき温度)と一致するように制御するようにした
光部品の温度安定化方法において、密封容器4外部の温
度を検出し、これの検出温度に基づいて前記設定温度を
補正し、光部品1を所望の温度で安定化させるようにし
たものである。
そして、上記方法の実施に直接使用することのできる
温度安定化装置は、光部品1が取り付けられた通電電流
に応じて発熱又は吸熱する手段2と、光部品1近傍に設
けられた第1温度検出手段3と、これらの手段2、3を
密封収容する容器4と、容器4の外側に設けられた第2
温度検出手段5と、光部品1の安定させるべき温度を設
定する手段6と、第2温度検出手段5の検出温度に基づ
いて、前記設定温度を補正する手段7と、該補正手段7
により補正された温度に前記第1温度検出手段3の検出
温度が一致するように、前記通電電流に応じて発熱又は
吸熱する手段2への通電電流を制御する手段8とから構
成される。
作用 従来構成では、温度センサのある位置の温度を設定温
度と一致するように制御していたから、光部品の温度と
外気温度に温度差がある場合に、光部品と温度センサと
が離間していることによる温度勾配によって、光部品の
実温度が設定温度とは異なった温度になっていた。しか
し、本発明によれば、LD等の光部品を収容した容器外部
の温度を検出し、この外気温度に基づいて設定温度を補
正するようにしている。この補正は外気温度の変化に伴
う光部品の実際の温度と第1温度センサのある位置の温
度との温度差を予め計測しておき、この温度差に応じて
設定温度を高く、あるいは低くすることにより行うこと
ができる。そして、温度センサのある位置の温度を、補
正された設定温度と一致するように制御するものであ
る。これにより、外気温度が変化しても光部品の温度
を、常に設定温度に一致せしめることができるのであ
る。
実施例 以下本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する
ことにする。
第2図は本発明の一実施例の構成ブロック図である。
10はLD(半導体レーザ)11が固定されたヒートシンク
であり、LD11の近傍には、図示はしていないが、変調信
号を通すための高周波線路、光モニタ用のホトダイオー
ド、バイアス供給端子、コリメート用のレンズ等が配置
されており、これらを避けてヒートシンク10上には温度
センサ12が取り付けられている。また、ヒートシンク10
にはペルチェ素子13が密着固定されており、これらが恒
温槽14内に密封収容されてLDモジュール15が構成されて
いる。恒温槽14の外壁には温度センサ16が取り付けられ
ている。
プルチェ素子13は異種の導体又は半導体の接点に電流
を流すときに、当該接点でジュール熱以外に熱の発生又
は吸収が起こるペルチェ効果を加熱又は冷却に利用した
ものであり、その通電電流に応じた発熱又は吸熱作用に
より、LD11の温度鮮魚を行うものである。温度センサ12
としては、サーミスタ、白金側温体等が使用され、温度
変化をこれらの抵抗変化に換算して温度検出を行うもの
である。
温度センサ12はブリッジ回路17の抵抗ブリッジの一辺
を構成しており、その抵抗変化に対応したブリッジ中点
間の電位差が増幅器18により作動増幅され、微小温度変
化が検出される。増幅器18で増幅された出力電圧信号
は、比較器19に入力される。一方、恒温槽14の外壁に取
り付けられた温度センサ16からの信号はその信号をモニ
タするための外気温度モニタ回路20を経て基準電源21に
入力される。
基準電源21は設定温度(LDを所定の発振周波数にする
ための温度)をマニュアルで、あるいは他の制御装置等
からの設定温度制御入力により設定できるものであり、
また、温度センサ16からの入力信号に応じて所定の補正
値で、該設定温度を補正し、この補正された設定温度に
応じた基準電圧信号を比較器19に出力するものである。
比較器19では、増幅器18で増幅された出力電圧信号
と、基準電源21からの補正された基準電圧信号とが比較
され、その差等に応じてPID制御回路23によりペルチェ
素子ドライバ24が制御され、ペルチェ素子13への通電電
流が制御されることにより、LD11の温度が制御されるよ
うになっている。
基準電源21からの基準電圧信号、及び比較器19からの
出力信号はそれぞれバッファ25、26を介してモニタでき
るようになっており、また、ペルチェ素子ドライバ24に
よる通電電流もモニタできるようになっている。27は温
度センサ16からの信号を基準電源21に入力するか否かを
選択するスイッチであり、また、ペルチェ素子ドライバ
24はドライブON/OFF制御入力によってそのON/OFFを選択
できるようになっている。
基準電源21において用いる補正値は、LDモジュール15
からの出射光を光アイソレータを介して光波長計に入射
するように構成し、スイッチ27をOFFにし、恒温槽14外
部の温度及び光波長計をモニタして、LD11の出射光が所
定の波長と異なっている場合に、基準電源の設定電圧
(温度)をマニュアルで変更して、所定の波長となるよ
うに調整し、このときの電圧(温度)を計測し、そして
恒温槽14外部の温度を変更して、同様の作業を行い、外
気温度の変化に応じた電圧(温度)を計測することによ
り求めることができる。
本実施例によれば、恒温槽14外部の温度を温度センサ
16により検出し、この検出温度信号に基づいて、基準電
源21において設定温度(LDを所定の発振周波数とするた
めの温度)を補正し、温度センサ12のある位置の温度
が、設定温度を補正した温度に一致するように制御する
ものである。即ち、LD11と温度センサ12とが離間してい
ることにより生じる温度勾配を予め計測しておき、これ
を補正値として基準電源21において設定温度を補正し、
この補正された温度に応じて温度センサ12のある位置の
温度が制御されるのである。これにより、LD11の温度を
設定温度に一致させることができ、外気温度が変化して
も常に一定の発振周波数の光を出射することができるの
である。
発明の効果 以上詳述したように本発明によれば、外気温度の変化
に応じて設定温度を補正し、この補正した温度に、容器
内部に設けられた温度センサからの検出温度が一致する
ように制御するようにしたから、外気温度が変化しても
光部品を所定の温度で安定せしめることができるように
なるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の原理図、 第2図は本発明一実施例の構成ブロック図、 第3図は従来技術の構成ブロック図、 第4図は外気温度の変化によるLDの発振周波数の変化を
示す図である。 1……光部品、2……通電電流に応じて発熱又は吸熱す
る手段、3……第1温度検出手段、4…密封容器、5…
…第2温度検出手段、6……温度設定手段、7……補正
手段、8……通電電流制御手段。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】密封容器(4)内に設けられた光部品
    (1)近傍の温度を検出し、該検出温度が設定温度と一
    致するように制御するようにした光部品の温度安定化方
    法において、 前記密封容器(4)外部の温度を検出し、 該検出温度に基づいて前記設定温度を補正し、 光部品(1)を所望の温度で安定化させることを特徴と
    する光部品の温度安定化方法。
  2. 【請求項2】光部品(1)が取り付けられた通電電流に
    応じて発熱又は吸熱する手段(2)と、 光部品(1)近傍に設けられた第1温度検出手段(3)
    と、 これらの手段(2,3)を密封収容する容器(4)と、 該容器(4)の外側に設けられた第2温度検出手段
    (5)と、 光部品(1)の安定させるべき温度を設定する手段
    (6)と、 第2温度検出手段(5)の検出温度に基づいて、前記設
    定温度を補正する手段(7)と、 該補正手段(7)により補正された温度に、前記第1温
    度検出手段(3)の検出温度が一致するように、前記通
    電電流に応じて発熱又は吸熱する手段(2)への通電電
    流を制御する手段(8)とから構成したことを特徴とす
    る光部品の温度安定化装置。
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