JP2002236441A - ホログラム作成装置および方法 - Google Patents

ホログラム作成装置および方法

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JP2002236441A
JP2002236441A JP2001032752A JP2001032752A JP2002236441A JP 2002236441 A JP2002236441 A JP 2002236441A JP 2001032752 A JP2001032752 A JP 2001032752A JP 2001032752 A JP2001032752 A JP 2001032752A JP 2002236441 A JP2002236441 A JP 2002236441A
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民樹 竹森
Kenji Kon
健次 今
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置構成が小型であって低価格であり振動の
問題が生じないホログラム作成装置および方法を提供す
る。 【解決手段】 パルス電流駆動された光源10からパル
ス状のレーザ光を繰り返し出力させ、この光源10から
出力されたレーザ光をハーフミラー20により2分岐す
る。そして、ハーフミラー20で反射したレーザ光を空
間光変調素子36により空間的に変調して、この変調し
たレーザ光を物体光として感光材料2上の局所領域に入
射させる。また、ハーフミラー20を透過したレーザ光
を参照光として感光材料2上の局所領域に入射させる。
光源10からレーザ光が出力されていない期間に、感光
材料2において次に要素ホログラムを作成すべき局所領
域に物体光および参照光が入射するように、物体光光学
系および参照光光学系に対して感光材料2を感光材料2
の面に平行な方向に相対的に移動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光材料上の複数
の局所領域それぞれにおいて物体光と参照光とを干渉さ
せて要素ホログラムを記録して感光材料にホログラムを
作成する装置および方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ホログラムの1種であるホログラフィッ
クステレオグラムは、様々な方向から被写体を普通写真
として撮像し、これら普通写真によりレーザ光を空間的
に変調し、この変調されたレーザ光を物体光として1枚
のホログラム用の感光材料の局所領域に要素ホログラム
を記録し、このような要素ホログラムを局所領域毎に記
録して作成される。このようなホログラフィックステレ
オグラムには、1次元のものと2次元のものとがある。
また、物体光と参照光とが互いに異なる側から感光材料
に入射して要素ホログラムが記録されて作成されるリッ
プマン型のホログラフィックステレオグラムは、再生時
には、照明光が感光材料に入射する側と同一の側で再生
像を観察することができるので、例えば壁掛け用として
用いられる。このようなホログラムを作成する技術は、
例えば、文献1「特開平3−249686号公報」や文
献2「M. Yamaguchi, et al., "Development of a prot
otype full-parallax holoprinter", Proc. SPIE, Vol.
2406, pp.50-56 (1995)」に開示されている。
【0003】図11は、これらの文献に記載された従来
のホログラム作成技術の説明図である。この図に示す装
置では、レーザ光源111から出力されたレーザ光をハ
ーフミラー112により2分岐し、2分岐されたレーザ
光の一方をミラー113およびレンズ系114を順次に
経て空間光変調素子115に入射させ、空間光変調素子
115により変調を受けたレーザ光を物体光としてレン
ズ116を経て感光材料117に入射させる。また、ハ
ーフミラー112により2分岐されたレーザ光の他方を
参照光としてミラー118を経て感光材料117に背後
から入射させる。感光材料117に入射した物体光およ
び参照光を互いに干渉させて要素ホログラムを記録す
る。そして、空間光変調素子115に提示する画像を変
更するとともに感光材料117を移動させて、感光材料
117上の複数の局所領域それぞれに要素ホログラムを
順次記録し、感光材料117上にリップマン型ホログラ
フィックステレオグラムを作成する。このようにして、
0.3mm〜0.5mmの間隔で多数の要素ホログラム
が感光材料117上にアレイ状に記録され、リップマン
型ホログラフィックステレオグラムが作成される。ま
た、再生時には、上記参照光の入射方向と同じ方向に照
明光を入射させることにより、感光材料117上の各要
素ホログラムから物体再生光が発生し、照明光入射側で
再生像を観察することができる。
【0004】上記のホログラム作成技術では、空間光変
調素子115に提示する画像を変更するとともに感光材
料117を移動させている期間には物体光および参照光
が感光材料117に入射しないようにする必要がある。
そこで、文献2に記載されたホログラム作成技術では、
レーザ光源111としてHe-Neレーザ光源が用いら
れ、このレーザ光源111から出力されるレーザ光(物
体光、参照光)の透過/遮断を制御するシャッタ機構と
して超音波偏向素子が用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】He-Neレーザ光源
やArレーザ光源などの気体レーザ光源は、出力される
レーザ光の波長や可干渉性の安定性については優れてい
る。しかし、気体レーザ光源は、大型であるという問題
点を有しており、また、駆動回路によりレーザ光の出力
のオン/オフを制御することができないことから、この
制御の為にシャッタ機構が必要となる。
【0006】このシャッタ機構としてメカニカルシャッ
タや超音波偏向素子が用いられ得る。メカニカルシャッ
タは振動を発生させることから、ホログラム作成に際し
ては、この振動に対する対策が必要となる。例えば、感
光材料を保持する保持機構に振動が伝わらないように、
感光材料を保持する保持機構またはメカニカルシャッタ
を空中に配置したり、クッション材料を用いて配置した
りすることが一般に行われる。一方、超音波偏向素子
は、光学結晶に超音波を伝搬させることで該光学結晶に
周期的屈折率分布を発生させると、この周期的屈折率分
布によりレーザ光をブラッグ回折させることができるも
のであって、極めて高速にレーザ光の透過/遮断を制御
することができる。また、超音波偏向素子は振動を発生
させることがない点でも好適である。しかし、超音波偏
向素子は高価である。
【0007】本発明は、上記問題点を解消する為になさ
れたものであり、装置構成が小型であって低価格であり
振動の問題が生じないホログラム作成装置および方法を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係るホログラム
作成装置は、感光材料上の複数の局所領域それぞれにお
いて物体光と参照光とを干渉させて要素ホログラムを記
録して感光材料にホログラムを作成する装置であって、
(1) パルス電流駆動によりパルス状の可干渉光を繰り返
し出力する光源と、(2) 光源から出力された可干渉光を
2分岐する光分岐手段と、(3) 光分岐手段により2分岐
された一方の可干渉光を空間的に変調して、この変調し
た可干渉光を物体光として感光材料上の局所領域に入射
させる物体光光学系と、(4) 光分岐手段により2分岐さ
れた他方の可干渉光を参照光として局所領域に入射させ
る参照光光学系と、(5) 物体光光学系および参照光光学
系と感光材料とを感光材料の面に平行な方向に相対的に
移動させる移動手段と、(6) 光源から可干渉光が出力さ
れていない期間に、感光材料において次に要素ホログラ
ムを作成すべき局所領域に物体光および参照光が入射す
るように、移動手段による移動を制御する移動制御手段
と、を備えることを特徴とする。
【0009】本発明に係るホログラム作成方法は、感光
材料上の複数の局所領域それぞれにおいて物体光と参照
光とを干渉させて要素ホログラムを記録して感光材料に
ホログラムを作成する方法であって、(1) パルス電流駆
動された光源からパルス状の可干渉光を繰り返し出力さ
せ、(2) 光源から出力された可干渉光を2分岐し、(3)
2分岐された一方の可干渉光を空間的に変調して、この
変調した可干渉光を物体光として感光材料上の局所領域
に入射させ、(4) 2分岐された他方の可干渉光を参照光
として局所領域に入射させ、(5) 光源から可干渉光が出
力されていない期間に、感光材料において次に要素ホロ
グラムを作成すべき局所領域に物体光および参照光が入
射するように、物体光光学系および参照光光学系と感光
材料とを感光材料の面に平行な方向に相対的に移動させ
る、ことを特徴とする。
【0010】このホログラム作成装置またはホログラム
作成方法によれば、パルス電流駆動された光源から出力
された可干渉光は、光分岐手段により2分岐される。2
分岐された一方の可干渉光は、物体光光学系により、空
間的に変調されて物体光として感光材料上の局所領域に
入射する。2分岐された他方の可干渉光は、参照光光学
系により、参照光として感光材料上の局所領域に入射す
る。このようにして物体光と参照光とが入射した局所領
域には要素ホログラムが記録される。1つの局所領域に
おいて要素ホログラムの記録が終了すると、光源からの
可干渉光の出力がOFFとなって、光源から可干渉光が
出力されていない期間に、移動制御手段により制御され
た移動手段により、感光材料において次に要素ホログラ
ムを作成すべき局所領域に物体光および参照光が入射す
るように、物体光光学系および参照光光学系と感光材料
とは相対的に移動する。そして、この移動が終了する
と、光源から可干渉光が出力されて、新たな局所領域に
要素ホログラムが記録される。これを繰り返すことで、
感光材料上の複数の局所領域それぞれに要素ホログラム
が記録されて、感光材料にホログラムが作成される。こ
のように、本発明によれば、パルス電流駆動によりパル
ス状の可干渉光を繰り返し出力する光源を用いるととも
に、光源から可干渉光が出力されていない期間に、次に
要素ホログラムを作成すべき局所領域に物体光および参
照光が入射するように感光材料を移動させる。このよう
にすることにより、振動を発生させるメカニカルシャッ
タや高価な超音波偏向素子が不要であり、これにより、
装置構成が低価格であり、振動の問題が生じない。ま
た、光源として半導体レーザ光源や固体レーザ光源が用
いられるので、装置構成が小型のものとなる。
【0011】本発明に係るホログラム作成装置では、光
源は、可干渉光を一定周期かつ一定デューティ比で出力
し、移動制御手段は、光源から可干渉光が出力されてい
ない期間に、感光材料において次に要素ホログラムを作
成すべき隣りの局所領域に物体光および参照光が入射す
るように、移動手段による移動を制御する、ことを特徴
とする。また、本発明に係るホログラム作成方法では、
光源から可干渉光を一定周期かつ一定デューティ比で出
力し、光源から可干渉光が出力されていない期間に、感
光材料において次に要素ホログラムを作成すべき隣りの
局所領域に物体光および参照光が入射するように、物体
光光学系および参照光光学系と感光材料とを感光材料の
面に平行な方向に相対的に移動させる、ことを特徴とす
る。この場合には、光源から可干渉光が出力されている
期間が一定時間であって、光源から可干渉光が出力され
ていない期間も一定時間である。そして、光源から可干
渉光が出力されていない期間に、物体光光学系および参
照光光学系と感光材料とは相対的に移動する。したがっ
て、露光を終了した局所領域から次に露光すべき隣りの
局所領域への移動距離を常に最短かつ一定とすることが
でき、感光材料全体を露光してホログラムを作成するの
に要する時間を最短とすることができる。また、光源が
可干渉光を一定周期かつ一定デューティ比で出力するの
で、光源を恒温に制御することが容易となり、光源から
出力される可干渉光の波長が安定し、安定したホログラ
ムの作成が可能となる。
【0012】本発明に係るホログラム作成装置は、光源
の温度を制御する温度制御手段を更に備えることを特徴
とする。また、本発明に係るホログラム作成方法は、ホ
ログラム作成の際に光源の温度を制御することを特徴と
する。この場合には、設定温度範囲内になるように光源
の温度を制御することにより、光源から出力される可干
渉光の波長安定性を確保して、安定したホログラムを作
成する上で好適である。
【0013】本発明に係るホログラム作成装置では、温
度制御手段は、光源から出力される可干渉光の波長を安
定に維持し得る低温になるよう光源の温度を制御するこ
とを特徴とする。また、本発明に係るホログラム作成方
法は、光源から出力される可干渉光の波長を安定に維持
し得る低温になるよう光源の温度を制御することを特徴
とする。高温時の単位温度変化に対する発振波長変化と
比較すると、低温時の単位温度変化に対する発振波長変
化の方が小さいことから、低温に光源の温度を制御する
ことにより、或る程度の駆動電流の休止期間(例えば、
次に記録すべき局所領域への移動の距離が感光材料の略
一辺分に相当する場合)があっても、比較的波長変化を
起こさずに光源を使用することができる。
【0014】本発明に係るホログラム作成装置では、光
源から出力される可干渉光の波長の安定性を温度制御装
置により確保した後にホログラム作成を開始することを
特徴とする。また、本発明に係るホログラム作成方法
は、光源から出力される可干渉光の波長の安定性を温度
制御により確保した後にホログラム作成を開始すること
を特徴とする。この場合には、光源に駆動電流を供給す
る駆動回路に電源を投入してから、光源から出力される
可干渉光の波長の安定性が確保された後に要素ホログラ
ムの作成を開始するので、確実な露光開始タイミングを
得ることができる。なお、温度制御手段は、一般に光源
の実測温度と設定温度との差に基づいて光源の温度を制
御することから、光源の実測温度と設定温度との差をモ
ニタすることで、光源から出力される可干渉光の波長の
安定到達を検知することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明にお
いて同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を
省略する。
【0016】図1は、本実施形態に係るホログラム作成
装置1の構成図である。光源10は、計算機71により
制御され、パルス電流駆動によりパルス状のレーザ光
(可干渉光)を繰り返し出力するものであり、例えば、
半導体レーザ光源が好適に用いられ、或いは、固体レー
ザ光源(半導体レーザ光源から出力されたレーザ光を励
起光とするもの)も好適に用いられる。ハーフミラー2
0(光分岐手段)は、光源10から出力されたレーザ光
を入力し、一部を反射させ残部を透過させて、レーザ光
を2分岐する。
【0017】ハーフミラー20で反射したレーザ光は、
ミラー31により反射され、レンズ32により集光さ
れ、ピンホール33を通過し、レンズ34により平行光
とされ、ミラー35により反射されて、空間光変調素子
36へ入射する。空間光変調素子36は、高速専用計算
機72により制御され、入力したレーザ光を空間的に変
調して、この変調したレーザ光を物体光とするものであ
る。空間光変調素子36から出力された物体光は、レン
ズ37により収斂され、マスク38を通過して、感光材
料2のうちマスク38により規定された局所領域に入射
する。すなわち、ミラー31からマスク38に到るまで
の光学系は、ハーフミラー20で反射したレーザ光を空
間的に変調して物体光として、この物体光を感光材料2
上の局所領域に入射させる物体光光学系として作用す
る。
【0018】なお、空間光変調素子36とレンズ37と
の相対的位置関係は種々の態様があり得る。計算機ホロ
グラムを空間光変調素子36に書き込む場合には、空間
光変調素子36とレンズ37とは密着配置される。通常
のステレオグラムを作成する場合の透視変換画像を空間
光変調素子36に書き込む場合には、空間光変調素子3
6はレンズ37の前焦点の位置に配置される。また、レ
ンズ37による空間光変調素子36の実像ないし虚像が
観察点に一致するように適宜距離を選択して配置され
る。また、空間光変調素子36に与える計算機ホログラ
ムは、高速専用計算機72により逐次計算されて与えら
れてもよいし、或いは、予め計算された画像を順次読み
出して与えられてもよい。
【0019】ハーフミラー20を透過したレーザ光は、
ミラー41により反射され、貫通孔42を通過し、ミラ
ー43により反射され、レンズ44により集光され、ピ
ンホール45を通過し、レンズ46により平行光とされ
る。レンズ46により平行光とされて出力されたレーザ
光は、マスク47を通過し、レンズ48およびレンズ4
9を経て、ミラー50により反射されて、感光材料2の
裏面より参照光として入射する。マスク47からレンズ
48およびレンズ49を経て感光材料2に到るまでの光
学系は、物体光光学系におけるマスク38により規定さ
れた感光材料2の局所領域に参照光が入射するように、
アフォーカル光学系を構成している。すなわち、ミラー
41からミラー50に到る光学系は、ハーフミラー20
を透過したレーザ光を参照光として感光材料2上の局所
領域に入射させる参照光光学系として作用する。
【0020】Xステージ61は、感光材料2を保持する
ものであって、パルスモータ62によりX方向に感光材
料2を移動させる。Yステージ63,64は、パルスモ
ータ65,66によりY方向にXステージ61を移動さ
せる。パルスモータ62,65,66それぞれは計算機
71により制御される。なお、X方向およびY方向は、
感光材料2の面に平行な方向であって、互いに直交して
いる。すなわち、Xステージ61、パルスモータ62、
Yステージ63,64およびパルスモータ65,66
は、物体光光学系および参照光光学系に対して感光材料
2を感光材料2の面に平行な方向に相対的に移動させる
移動手段として作用する。
【0021】計算機71は、光源10からレーザ光が出
力されていない期間に、パルスモータ62,65,66
それぞれを制御することで、Xステージ61およびYス
テージ63,64を移動させ、要素ホログラムを記録す
べき感光材料2上の局所領域を指定する。すなわち、計
算機71は、光源10からレーザ光が出力されていない
期間に、感光材料2において次に要素ホログラムを作成
すべき局所領域に物体光および参照光が入射するよう
に、感光材料2の移動を制御する移動制御手段として作
用する。また、計算機71は、要素ホログラムを記録す
べき感光材料2上の局所領域の位置に基づいて、ホログ
ラム表示すべき仮想物体の座標から局所ホログラム座標
に変換し、この局所ホログラム座標の位置データを高速
専用計算機72に与える。そして、高速専用計算機72
は、計算機ホログラムを計算して空間光変調素子36に
表示させたり、或いは、ステレオグラム記録の場合には
透視変換画像を作成して空間光変調素子36に表示させ
る。また、計算機71は、光源10を駆動してレーザ光
を発生させ、マスク38の開口面積分だけ感光材料2を
露光して、要素ホログラムを作成する。次に、計算機7
1は、光源10の駆動を停止し、感光材料2を移動さ
せ、前述の動作を繰り返す。このようにして、感光材料
2上の複数の局所領域それぞれに要素ホログラムを記録
して、感光材料2上に仮想物体の波面からのホログラム
やステレオグラムを作成する。
【0022】図2は、本実施形態に係るホログラム作成
装置1の光源10周辺の断面図である。この図には、光
源10の温度を制御する温度制御手段が示されている。
アクリル等の断熱性が高い材料からなる断熱支持体11
上に、熱伝導率が高い銅等で作られたケース12が配置
されており、このケース12上にペルチェ素子等の電子
冷却機13が配置され、更に、この電子冷却機13上に
放熱板14が配置されている。ケース12の中には、電
流によって駆動される光源10、および、レンズ等の光
学部品15が封入されている。また、ケース12の中に
は、光源10から出力されるレーザ光の高調波を発生さ
せるYAGなどの光学結晶16や、高調波以外を遮断す
るフィルタ17が付加されている。更に、ケース12の
中には、サーミスタ等の温度センサ18も埋め込まれて
いる。そして、温度センサ18から出力される測温信号
に基づいて、電子冷却機13に電流が加えられて、光源
10は温度制御されて恒温に保たれる。
【0023】図3は、本実施形態に係るホログラム作成
装置1の光源10を駆動する駆動回路の回路図である。
この駆動回路は、抵抗器R1,R2,R3およびトラン
ジスタTrを備えて構成されている。光源10である半
導体レーザ光源のカソード端子は、抵抗器R1を介して
トランジスタTrのエミッタ端子と接続されており、ま
た、直接にトランジスタTrのコレクタ端子と接続され
ている。光源10のアノード端子は、抵抗器R2および
抵抗器R3を介してトランジスタTrのベース端子と接
続されている。抵抗器R2と抵抗器R3との間の位置に
は電源電圧Vccが供給されている。また、トランジスタ
Trのベース端子には、光源10からのレーザ光の出力
を制御するための制御信号が供給される。
【0024】トランジスタTrのベース端子をエミッタ
端子と同電位とするようにオープンコレクタ等で接地さ
せると、トランジスタTrはOFF状態となり、光源1
0は電源電圧Vccおよび抵抗器R1,R2の抵抗値で決
定される発光直前のバイアス電流状態となる。光源10
を発光させるためには、トランジスタTrのベース端子
とエミッタ端子とを電気的に切り離すことでベース電流
が抵抗器R3から流れ、トランジスタTrがONとな
る。したがって、光源10は、電源電圧Vccおよび抵抗
器R2の抵抗値で決定される駆動電流により発光するこ
とになる。なお、図3に示した回路は基本的な回路であ
り、実際には、光源10を保護するための保護ダイオー
ドやコンデンサ、また駆動電流のオーバーシュートやア
ンダーシュートを抑制するためのコイル等の部品が使わ
れる。また、発光期間中の駆動電流を一定とする形態に
限定されることはなく、高周波電流による駆動でもよ
い。
【0025】光源10である半導体レーザ光源を駆動す
る方法としては、図3に示したような駆動回路により一
定の駆動電流を保持するACC駆動方法が知られている
他、半導体レーザ光源とともにパッケージ内部に封入さ
れているフォトダイオードの出力をモニタして一定の光
出力となるように半導体レーザ光源を制御するAPC駆
動方法が知られている。APC駆動方法をホログラム作
成装置1に適用するには、OFF期間はAPC駆動の制
御を外す必要があり、多少複雑な回路構成となる。しか
し、ACC駆動方法は、ON期間中のみ一定電流を流す
ことを考慮するだけであるため、ホログラム作成装置1
においてパルス状のレーザ光を繰り返し出力する光源1
0を駆動するのに適している。
【0026】図4は、本実施形態に係るホログラム作成
装置1における、光源10に供給される駆動電流のON
/OFF、光源10から出力されるレーザ光のコヒーレ
ンス状態の変化、および、ステージ61,63,64の
移動/停止、それぞれのタイミングを説明する図であ
る。光源10は、パルス電流駆動によりパルス状のレー
ザ光を繰り返し出力する。光源10からレーザ光が出力
開始された直後は、そのレーザ光は、コヒーレンスが低
く、要素ホログラムを記録するには不適切である。しか
し、光源10からレーザ光が出力されている期間と比べ
て、コヒーレンスが低い状態は短時間に終了する。した
がって、コヒーレンスが高い状態の期間が、実質的に要
素ホログラムを記録する期間となる。ステージ61,6
3,64は、光源10からレーザ光が出力されている期
間は停止しており、光源10からレーザ光が出力されて
いない期間のうちに、感光材料2において次に要素ホロ
グラムを作成すべき局所領域に物体光および参照光が入
射するように感光材料2を移動させる。このように一定
周期で光源10がON/OFFを繰り返すことにより、
光源10の駆動電流による発熱と温度制御機構とが長時
間に渡って均衡し安定な干渉記録を行うことができる。
【0027】本実施形態に係るホログラム作成方法は、
上述した本実施形態に係るホログラム作成装置1を用い
て、感光材料2上の複数の局所領域それぞれにおいて物
体光と参照光とを干渉させて要素ホログラムを記録し感
光材料2にホログラムを作成するものである。すなわ
ち、本実施形態に係るホログラム作成方法では、計算機
71による制御の下に、パルス電流駆動された光源10
からパルス状のレーザ光を繰り返し出力させ、この光源
10から出力されたレーザ光をハーフミラー20により
2分岐する。そして、物体光光学系により、ハーフミラ
ー20で反射したレーザ光を空間光変調素子36により
空間的に変調して、この変調したレーザ光を物体光とし
て感光材料2上の局所領域に入射させる。また、参照光
光学系により、ハーフミラー20を透過したレーザ光を
参照光として感光材料2上の局所領域に入射させる。光
源10からレーザ光が出力されていない期間に、感光材
料2において次に要素ホログラムを作成すべき局所領域
に物体光および参照光が入射するように、物体光光学系
および参照光光学系に対して感光材料2を感光材料2の
面に平行な方向に相対的に移動させる。そして、各局所
領域に要素ホログラムを記録することにより、感光材料
2にホログラムを作成する。
【0028】ここで、実施例および比較例について説明
する。比較例では、室温25℃の環境下で、恒温制御や
安定化対策をしないHe-Neレーザ光源(出力パワー
10mW)を、ON期間が1秒であってOFF期間が
0.5秒であるメカニカルシャッターと共に用い、4時
間に亘り約1万個の要素ホログラムを記録したところ、
1%程度の割合で欠陥が発生した。これに対して、第1
実施例では、半導体レーザ光源(出力波長650nm、
出力パワー20mW)を光源10として用いて、ON期
間を1秒としOFF期間を0.5秒として光源10をパ
ルス駆動し、20℃±0.1℃に光源10を恒温制御し
て、4時間に亘り約1万個の要素ホログラムを記録した
ところ、欠陥を有する要素ホログラムの個数は0であっ
た。また、第2実施例では、半導体レーザ光源から出力
されるレーザ光を励起光とする励起YAGレーザ(出力
波長532nm、出力パワー3mW)を光源10として
用いて、同様にON期間を1秒としOFF期間を0.5
秒として光源10をパルス駆動し、20℃±0.1℃に
光源10を恒温制御して、4時間に亘り約1万個の要素
ホログラムを記録したところ、欠陥を有する要素ホログ
ラムの個数は0であった。
【0029】以上のように、本実施形態に係るホログラ
ム作成装置1またはホログラム作成方法によれば、パル
ス電流駆動によりパルス状のレーザ光を繰り返し出力す
る光源10を用いるとともに、光源10からレーザ光が
出力されていない期間に、次に要素ホログラムを作成す
べき局所領域に物体光および参照光が入射するように感
光材料2を移動させる。このようにすることにより、振
動を発生させるメカニカルシャッタや高価な超音波偏向
素子が不要であり、これにより、装置構成が低価格であ
り、振動の問題が生じない。また、光源10として半導
体レーザ光源や固体レーザ光源が用いられるので、装置
構成が小型のものとなる。
【0030】次に、本実施形態に係るホログラム作成装
置1における、感光材料2において要素ホログラムを作
成する順序について説明する。図5〜図7それぞれは、
感光材料2において要素ホログラムを作成する順序を説
明する図である。これらの図では、感光材料2上には8
1(=9行×9列)の局所領域があるものとして説明す
る。なお、要素ホログラムが記録される各局所領域の形
状は、正方形や長方形であってもよいし円や楕円であっ
てもよい。図5〜図7それぞれに示したものは、露光を
終了した局所領域から次に露光すべき局所領域への移動
距離が常に最短かつ一定である。
【0031】図5では、最も上の行である第1行(i=
1)の左から右へ(j=1→9)順に各局所領域を露光
し、次に、その直下の行である第2行(i=2)の右か
ら左へ(j=9→1)順に各局所領域を露光し、更にそ
の直下の行である第3行(i=3)の左から右へ(j=
1→9)順に各局所領域を露光していき、以下も同様に
してジグザグ状に順に各局所領域を露光していく。図6
では、第1番目に中央にある第5行第5列の局所領域を
露光し、第2番目にその右にある第5行第6列の局所領
域を露光し、第3番目にその上にある第4行第6列の局
所領域を露光し、第4番目にその左にある第4行第5列
の局所領域を露光し、第5番目にその左にある第4行第
4列の局所領域を露光し、第6番目にその下にある第5
行第4列の局所領域を露光し、以下も同様にして渦巻き
状に順に各局所領域を露光していく。図7では、第1番
目に左上角にある第1行第1列の局所領域を露光し、第
2番目にその右にある第1行第2列の局所領域を露光
し、第3番目にその下にある第2行第2列の局所領域を
露光し、第4番目にその左にある第2行第1列の局所領
域を露光し、第5番目にその下にある第3行第1列の局
所領域を露光し、第6番目にその右にある第3行第2列
の局所領域を露光し、以下も同様にして斜めジグザグ状
に順に各局所領域を露光していく。
【0032】これらのように、露光を終了した局所領域
から次に露光すべき隣りの局所領域への移動距離が常に
最短かつ一定であれば、感光材料2全体を露光してホロ
グラムを作成するのに要する時間を最短とすることがで
きる。また、光源10がレーザ光を一定周期で出力し、
デューティ比(出力期間と停止期間との比)を一定とす
ることで、光源10を恒温に制御することが容易とな
り、光源10から出力されるレーザ光の波長が安定し、
安定したホログラムの作成が可能となる。
【0033】図8も、感光材料2において要素ホログラ
ムを作成する順序を説明する図である。この図でも、感
光材料2上に81(=9行×9列)の局所領域があるも
のとして説明する。この図に示したものは、露光を終了
した局所領域から次に露光すべき局所領域への移動距離
が常に最短かつ一定であるとは限らない。図8では、最
も上の行である第1行(i=1)の左から右へ(j=1
→9)順に各局所領域を露光し、次に、その直下の行で
ある第2行(i=2)の左から右へ(j=1→9)順に
各局所領域を露光し、更にその直下の行である第3行
(i=3)の左から右へ(j=1→9)順に各局所領域
を露光していき、以下も同様にして各行について左から
右へ(j=1→9)順に各局所領域を露光していく。
【0034】この図8に示した要素ホログラム作成順序
は、何らかの理由により図5〜図7それぞれに示した要
素ホログラム作成順序を実施できない場合に有効とな
る。例えば、空間光変調素子36に表示する画像の順番
が時系列データとして遠方より制限を受けた形で受信す
る場合や、ステージ駆動機構を安価な機構にした場合に
おいて無視できないバッククラッシュが発生することか
ら正確な位置に移動するため常に一方向に移動を継続す
る必要が有る場合などである。図8では、各行第9列の
要素ホログラムが作成された局所領域(j=9)から、
次行第1列の要素ホログラムが作成される局所領域(j
=1)へ移動する際に、ステージを一辺分だけ(j=9
→1)移動させなくてはならない。したがって、図9に
タイミングチャートを示すように、第9列から第1列へ
の移動期間中の露光を避けるため、この移動期間中は光
源10への駆動電流を一時休止する必要がある。この休
止期間の後すぐに光源10の波長判定性を確保するに
は、ダミーの記録を多数回同じ露光エリアに行なうこと
で光源10の温度の安定を図る手法が考えられる。しか
し、無駄な記録時間と要素ホログラムの記録点が発生す
る。この回避策として光源10の恒温温度を結露が発生
しない程度の低温に保持しておく手法について以下に説
明する。
【0035】一般に、半導体レーザ光源のコヒーレンス
を利用しスペックル干渉計、ホログラフィ干渉計、マイ
ケルソン干渉計またはマッハツェンダ干渉計を利用した
計測器においては、半導体レーザ光源を休止期間の無い
一定電流駆動で用い、その半導体レーザ光源の恒温温度
を室温に近いものとしている。半導体チップや光学結晶
の温度が変化すると、膨張したり屈折率が変化するため
光路長が変化して内部共振距離が変化し、発振波長が変
動したりジャンプするモードホップ現象が発生するが、
これを有効に回避するために、半導体レーザ光源を恒温
制御することで、半導体レーザ光源や半導体レーザ励起
固体レーザ光源の波長安定化を図っている。
【0036】この内部共振距離の変化に因る発振波長変
化については、高温時の単位温度変化に対する発振波長
変化と比較すると、低温時の単位温度変化に対する発振
波長変化の方が小さい。したがって、なるべく低温に恒
温制御することで、或る程度の駆動電流の休止期間があ
っても、比較的波長変化を起こさずに光源10を使用す
ることができることになる。
【0037】また半導体レーザー励起固体レーザーの場
合には、光学結晶に対する励起光の入射角の温度依存性
が有り、コヒーレンスを高く保つ特定の温度となるべく
オン、オフ比に応じた恒温制御に注意を払う必要がある
が、半導体レーザー単独の発振とは異なり、半導体レー
ザーチップと比較して熱容量の大きな光学結晶を用いて
いるため、励起半導体レーザーの駆動電流のオン、オフ
による熱の影響を受けにくい。従って短時間の駆動電流
休止期間があっても、波長変化を起こさずに光源10を
使用することができることになる。
【0038】発振波長変化を起こさずに済む休止期間は
恒温制御能力により異なるが、半導体レーザ光源(出力
波長650nm、出力パワー20mW)を光源10とし
て用いて、ON期間を1秒としOFF期間を0.5秒と
して光源10をパルス駆動し、20秒の休止時間を与え
た実施例では、室温25℃において恒温制御した場合に
は波長安定性を確保する回復時間が30秒程度必要であ
ったのに対して、10℃±0.1℃に恒温制御した場合
には殆ど発振波長変化は発生しなかった。また、半導体
レーザ光源から出力されるレーザ光を励起光とする励起
YAGレーザ(出力波長532nm、出力パワー3m
W)を光源10として用いた場合も同様であった。さら
に同様な励起YAGレーザー(出力波長473nm、出
力パワー3mW)を光源10として用いた場合も同様で
あった。このように、光源10から出力されるレーザ光
の波長を安定に維持し得る低温になるよう光源10の温
度を制御することにより、第9列から第1列への移動の
際の休止期間の後に直ちに露光を開始することが可能で
ある。
【0039】以上までの説明では、多数の要素ホログラ
ムの露光の開始から終了までに光源10から出力される
レーザ光の波長安定性について述べてきたが、以下で
は、光源10に駆動電流を供給する駆動回路に電源を投
入してから確実な露光開始タイミングを得るための手法
について説明する。ホログラムを撮影するための準備段
階として、波長安定性の確保のために干渉縞が静止して
いることを確認することが必要である。具体的には、本
番の撮影を行う前に、光源10の発光開始から波長が安
定すると思われる30分から1時間程度に亘って光源1
0を放置することや、ホログラム撮影とは別の干渉計に
レーザ光を導きその干渉縞を1次元センサまたは2次元
センサで撮像し静止していることを確認することや、試
験的にホログラムを撮影・現像・再生してレーザ光が安
定していることを確認することが行われている。しか
し、ホログラム作成装置の安定動作・自動動作・起動時
間短縮は、前記の放置や試験撮影の手法では達成され得
ない。また、光学干渉計を組み込むことは、レーザ光の
ロスが生じ、付加装置が高価格となるので、好ましくは
ない。そこで半導体レーザ光源の恒温制御の挙動をモニ
タすることで、安価・安定・自動動作・起動時間短縮を
達成することが可能となる。
【0040】図10は、本実施形態に係るホログラム作
成装置1の光源10の温度を制御する温度制御回路の回
路図である。この温度制御回路は、光源10の温度が設
定温度の範囲内であることを示すモニタ出力付きの回路
である。基準電圧発生器81は、設定温度範囲の上限温
度に対応する電圧V1を発生させる。基準電圧発生器8
2は、設定温度範囲の下限温度に対応する電圧V2を発
生させる。抵抗器R4およびR5は、互いに直列接続さ
れて、基準電圧発生器81の出力端と基準電圧発生器8
2の出力端との間に設けられ、各々の抵抗値の比に応じ
て電圧V1と電圧V2との間の値の電圧V3を両者の間の
接続点に出力する。差動アンプ83は、その非反転入力
端子が抵抗器R4と抵抗器R5との接続点に接続され、
その反転出力端子がリニアライズ回路84の出力端に接
続されている。リニアライズ回路84は、抵抗値に基づ
いて光源10の温度を検知するサーミスタ(温度セン
サ)18の電流を入力し、この電流を波形整形し線形増
幅して電圧値に変換し、この電圧V4を差動アンプ83
の反転入力端子へ出力する。
【0041】差動アンプ83は、光源10の設定温度に
対応する電圧V3(非反転入力端子に入力する電圧値)
と光源10の実測温度に対応する電圧V4(反転入力端
子に入力する電圧値)との差を求めて差電圧V5を出力
する。比例回路85は、差動アンプ83から出力された
電圧V5を入力して、この電圧V5の値に比例する電圧を
出力する。積分回路86は、差動アンプ83から出力さ
れた電圧V5を入力して、この電圧V5の値を積分し、そ
の積分値に応じた電圧を出力する。電流ブースタ回路8
7は、比例回路85および積分回路86それぞれから出
力された電圧を入力し、この電圧に応じた値の電流をペ
ルチエ素子(電子冷却機)13へ出力する。すなわち、
光源10の温度はPI制御により恒温に維持される。
【0042】電圧比較器88は、基準電圧発生器81か
ら出力された設定温度範囲の上限温度に対応する電圧V
1を非反転入力端子に入力し、差動アンプ83から出力
された電圧V5を反転入力端子に入力し、これら2つの
電圧の値を比較して、光源10の実測温度が設定温度範
囲の上限値より低い場合には論理値Hを出力し、そうで
ない場合には論理値Lを出力する。電圧比較器89は、
基準電圧発生器82から出力された設定温度範囲の下限
温度に対応する電圧V2を反転入力端子に入力し、差動
アンプ83から出力された電圧V5を非反転入力端子に
入力し、これら2つの電圧の値を比較して、光源10の
実測温度が設定温度範囲の下限値より高い場合には論理
値Hを出力し、そうでない場合には論理値Lを出力す
る。論理積回路90は、電圧比較器88および89それ
ぞれから出力された論理値を入力しこれら2つの論理値
の論理積を求め、この論理積の結果を示す論理値を出力
する。計算機71は、論理積回路90から出力される論
理値をモニタすることで、光源10の実測温度が設定温
度範囲内にあるか否かを判断し、また、光源10の波長
安定到達を検知して、光源10を駆動する駆動回路への
電源投入から短時間で実際のホログラム露光を開始する
ことができる。
【0043】
【発明の効果】以上、詳細に説明したとおり、本発明に
よれば、パルス電流駆動によりパルス状の可干渉光を繰
り返し出力する光源を用いるとともに、光源から可干渉
光が出力されていない期間に、次に要素ホログラムを作
成すべき局所領域に物体光および参照光が入射するよう
に感光材料を移動させる。このようにすることにより、
振動を発生させるメカニカルシャッタや高価な超音波偏
向素子が不要であり、これにより、装置構成が低価格で
あり、振動の問題が生じない。また、光源として半導体
レーザ光源や固体レーザ光源が用いられるので、装置構
成が小型のものとなる。
【0044】また、光源から可干渉光を一定周期かつ一
定デューティ比で出力し、光源から可干渉光が出力され
ていない期間に、感光材料において次に要素ホログラム
を作成すべき隣りの局所領域に物体光および参照光が入
射するように、物体光光学系および参照光光学系と感光
材料とを感光材料の面に平行な方向に相対的に移動させ
るのが好適である。この場合には、露光を終了した局所
領域から次に露光すべき隣りの局所領域への移動距離を
常に最短かつ一定とすることができ、感光材料全体を露
光してホログラムを作成するのに要する時間を最短とす
ることができる。また、光源が可干渉光を一定周期かつ
一定デューティ比で出力するので、光源を恒温に制御す
ることが容易となり、光源から出力される可干渉光の波
長が安定し、安定したホログラムの作成が可能となる。
【0045】また、ホログラム作成の際に光源の温度を
制御するのが好適である。この場合には、設定温度範囲
内になるように光源の温度を制御することにより、光源
から出力される可干渉光の波長安定性を確保して、安定
したホログラムを作成する上で好適である。
【0046】また、光源から出力される可干渉光の波長
を安定に維持し得る低温になるよう光源の温度を制御す
るのが好適である。この場合には、単位温度変化に対す
る発振波長変化の方が小さい低温に光源の温度を制御す
ることにより、或る程度の駆動電流の休止期間があって
も、比較的波長変化を起こさずに光源を使用することが
できる。
【0047】また、光源から出力される可干渉光の波長
の安定性を温度制御により確保した後にホログラム作成
を開始するのが好適である。この場合には、光源に駆動
電流を供給する駆動回路に電源を投入してから、光源か
ら出力される可干渉光の波長の安定性が確保された後に
要素ホログラムの作成を開始するので、確実な露光開始
タイミングを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るホログラム作成装置1の構成
図である。
【図2】本実施形態に係るホログラム作成装置1の光源
10周辺の断面図である。
【図3】本実施形態に係るホログラム作成装置1の光源
10を駆動する駆動回路の回路図である。
【図4】本実施形態に係るホログラム作成装置1におけ
る、光源10に供給される駆動電流のON/OFF、光
源10から出力されるレーザ光のコヒーレンス状態の変
化、および、ステージ61,63,64の移動/停止、
それぞれのタイミングを説明する図である。
【図5】感光材料2において要素ホログラムを作成する
順序を説明する図である。
【図6】感光材料2において要素ホログラムを作成する
順序を説明する図である。
【図7】感光材料2において要素ホログラムを作成する
順序を説明する図である。
【図8】感光材料2において要素ホログラムを作成する
順序を説明する図である。
【図9】本実施形態に係るホログラム作成装置1におけ
る、光源10に供給される駆動電流のON/OFF、お
よび、ステージ61,63,64の移動/停止、それぞ
れのタイミングを説明する図である。
【図10】本実施形態に係るホログラム作成装置1の光
源10の温度を制御する温度制御回路の回路図である。
【図11】従来のホログラム作成技術の説明図である。
【符号の説明】
1…ホログラム作成装置、2…感光材料、10…光源、
11…断熱支持体、12…ケース、13…電子冷却機、
14…放熱板、15…光学部品、16…光学結晶、17
…フィルタ、18…温度センサ、20…ハーフミラー、
31…ミラー、32…レンズ、33…ピンホール、34
…レンズ、35…ミラー、36…空間光変調素子、37
…レンズ、38…マスク、41…ミラー、42…貫通
孔、43…ミラー、44…レンズ、45…ピンホール、
46…レンズ、47…マスク、48…レンズ、49…レ
ンズ、50…ミラー、61…Xステージ、62…パルス
モータ、63,64…Yステージ、65,66…パルス
モータ、71…計算機、72…高速専用計算機、81,
82…基準電圧発生器、83…差動アンプ、84…リニ
アライズ回路、85…比例回路、86…積分回路、87
…電流ブースタ回路、88,89…電圧比較器、90…
論理積回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今 健次 青森県むつ市中央2丁目24−2 有限会社 アートナウ内 Fターム(参考) 2K008 AA04 BB04 DD12 EE04 FF03 FF27 HH01 HH06 HH18 HH26

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光材料上の複数の局所領域それぞれに
    おいて物体光と参照光とを干渉させて要素ホログラムを
    記録して前記感光材料にホログラムを作成する装置であ
    って、 パルス電流駆動によりパルス状の可干渉光を繰り返し出
    力する光源と、 前記光源から出力された可干渉光を2分岐する光分岐手
    段と、 前記光分岐手段により2分岐された一方の可干渉光を空
    間的に変調して、この変調した可干渉光を物体光として
    前記感光材料上の局所領域に入射させる物体光光学系
    と、 前記光分岐手段により2分岐された他方の可干渉光を参
    照光として前記局所領域に入射させる参照光光学系と、 前記物体光光学系および前記参照光光学系と前記感光材
    料とを前記感光材料の面に平行な方向に相対的に移動さ
    せる移動手段と、 前記光源から可干渉光が出力されていない期間に、前記
    感光材料において次に要素ホログラムを作成すべき局所
    領域に前記物体光および前記参照光が入射するように、
    前記移動手段による移動を制御する移動制御手段と、 を備えることを特徴とするホログラム作成装置。
  2. 【請求項2】 前記光源は、可干渉光を一定周期かつ一
    定デューティ比で出力し、 前記移動制御手段は、前記光源から可干渉光が出力され
    ていない期間に、前記感光材料において次に要素ホログ
    ラムを作成すべき隣りの局所領域に前記物体光および前
    記参照光が入射するように、前記移動手段による移動を
    制御する、 ことを特徴とする請求項1記載のホログラム作成装置。
  3. 【請求項3】 前記光源の温度を制御する温度制御手段
    を更に備えることを特徴とする請求項1記載のホログラ
    ム作成装置。
  4. 【請求項4】 前記温度制御手段は、前記光源から出力
    される可干渉光の波長を安定に維持し得る低温になるよ
    う前記光源の温度を制御する、ことを特徴とする請求項
    3記載のホログラム作成装置。
  5. 【請求項5】 前記光源から出力される可干渉光の波長
    の安定性を前記温度制御装置により確保した後にホログ
    ラム作成を開始することを特徴とする請求項3記載のホ
    ログラム作成装置。
  6. 【請求項6】 感光材料上の複数の局所領域それぞれに
    おいて物体光と参照光とを干渉させて要素ホログラムを
    記録して前記感光材料にホログラムを作成する方法であ
    って、 パルス電流駆動された光源からパルス状の可干渉光を繰
    り返し出力させ、 前記光源から出力された可干渉光を2分岐し、 2分岐された一方の可干渉光を空間的に変調して、この
    変調した可干渉光を物体光として前記感光材料上の局所
    領域に入射させ、 2分岐された他方の可干渉光を参照光として前記局所領
    域に入射させ、 前記光源から可干渉光が出力されていない期間に、前記
    感光材料において次に要素ホログラムを作成すべき局所
    領域に前記物体光および前記参照光が入射するように、
    前記物体光光学系および前記参照光光学系と前記感光材
    料とを前記感光材料の面に平行な方向に相対的に移動さ
    せる、 ことを特徴とするホログラム作成方法。
  7. 【請求項7】 前記光源から可干渉光を一定周期かつ一
    定デューティ比で出力し、 前記光源から可干渉光が出力されていない期間に、前記
    感光材料において次に要素ホログラムを作成すべき隣り
    の局所領域に前記物体光および前記参照光が入射するよ
    うに、前記物体光光学系および前記参照光光学系と前記
    感光材料とを前記感光材料の面に平行な方向に相対的に
    移動させる、 ことを特徴とする請求項6記載のホログラム作成方法。
  8. 【請求項8】 ホログラム作成の際に前記光源の温度を
    制御することを特徴とする請求項6記載のホログラム作
    成方法。
  9. 【請求項9】 前記光源から出力される可干渉光の波長
    を安定に維持し得る低温になるよう前記光源の温度を制
    御することを特徴とする請求項8記載のホログラム作成
    方法。
  10. 【請求項10】 前記光源から出力される可干渉光の波
    長の安定性を温度制御により確保した後にホログラム作
    成を開始することを特徴とする請求項8記載のホログラ
    ム作成方法。
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