JP2011103192A - ジョイントコネクタ及びワイヤハーネス - Google Patents

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Abstract

【課題】ジョイント端子における雄端子部とブラケットとの繋ぎ目部分の曲げ強度を高める。
【解決手段】雌端子11を挿入可能なキャビティ21が複数並設されたハウジング20と、各キャビティ21内に収容される雄端子55が複数並んで連結された雄端子部51の後縁側にアース部への取付部65を有するブラケット52が連設されたジョイント端子50とが具備されたアース用のジョイントコネクタJCであって、ブラケット52は、雄端子部51の後縁からキャビティ21の延長方向に延びて2度曲げされたクランク状に形成され、先端側の平坦部により取付部65が形成される一方、基端側の平坦部には補強ビードであるフランジ73と突条75が形成され、ハウジング20には、フランジ73と突条75の奥端を挟持する受け部46,47が設けられている。
【選択図】図9

Description

本発明は、アース用のジョイントコネクタと同ジョイントコネクタを用いたワイヤハーネスに関する。
従来、複数のアース用電線を一括して車両のアース部に接続することに用いるジョイントコネクタとして、特許文献1に記載されたものが知られている。このものは、アース用電線の端末に接続された雌端子を挿入可能なキャビティが複数並んで形成されたコネクタハウジングと、このコネクタハウジングに装着されるジョイント端子とからなり、ジョイント端子は、各キャビティ内に収容される雄端子が複数本並設されてそれらの基端同士が連結されてなる雄端子部の後縁側に、L字形に曲げ形成されたブラケットが連設された構造であって、同ブラケットの先端側の平坦部に、取付孔が開口された取付部が形成されている。
そして、ジョイント端子が装着されたコネクタハウジングの各キャビティ内に、アース用電線の端末に接続された雌端子が挿入されて、対応する雌雄の端子同士が接続される一方、ジョイント端子のブラケットの取付部に開口された取付孔が、車両のアース部に立てられたボルトに挿通されてナットを螺合して締め付けることで、同取付部がアース部に密着して固定され、これにより各アース用電線のアースが一括して取られるようになっている。
一方、このようなジョイントコネクタの取付位置は、車両の走行等に伴って振動を受けやすく、コネクタハウジング側が振られやすいために、特にL字形に曲げられたブラケットの屈曲部の増強を図るために、補強ビードが形成されている。
特開2000−77140号公報
ところで、この種のジョイントコネクタを車両のアース部に取り付けるに当たり、配設スペースの制限等から、コネクタハウジングの位置をアース部から大きく離間させることが必要となる場合がある。このときは例えば、ブラケットにおける縦向きの脚の部分を長く形成することになるが、同脚部の背が高くなると、上記のように振動を受けた場合に、脚部の付け根と雄端子部の後縁との繋ぎ目に曲げ力が作用し、折損の起点となるおそれがあるため、その対策が切望されていた。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、ジョイント端子における雄端子部とブラケットとの繋ぎ目部分の曲げ強度を高めるところにある。
本発明は、雌端子を挿入可能なキャビティが複数並設されたコネクタハウジングと、前記コネクタハウジングに装着され、前記各キャビティ内に収容される雄端子が複数並んで連結された雄端子部の後縁側に、同雄端子部と段差状をなす位置にアース部への取付部を有するブラケットが連設されたジョイント端子と、が具備されたアース用のジョイントコネクタであって、前記ブラケットは、前記雄端子部の後縁から前記キャビティの延長方向に延びて2度曲げされたクランク状に形成され、先端側の平坦部により前記取付部が形成される一方、基端側の平坦部には補強ビードが形成され、前記コネクタハウジングには、前記補強ビードの奥端を挟持する受け部が設けられているところに特徴を有する。
また、本発明のワイヤハーネスは、複数のアース用電線の端末に、上記構成のジョイントコネクタが接続されているところに特徴を有する。
上記構成によれば、ジョイント端子のブラケットにおける雄端子部の後縁との繋ぎ目となる部分に補強ビードの付け根部が設けられた形態となって、同補強ビードの付け根部がコネクタハウジングの受け部に嵌って挟持される。そのため、振動等を受けてブラケットにおける雄端子部との繋ぎ目部分に曲げ力が作用してもこれが受け部により受けられ、実質的に曲げ強度が高められる。結果、繋ぎ目部分での折損等が未然に防止される。
なお、ジョイントコネクタについて、以下のような構成としてもよい。
(1)前記補強ビードが、前記基端側の平坦部の側縁に曲げ形成されたフランジであって、同フランジは前記受け部に圧入されている。
(2)前記補強ビードが、前記基端側の平坦部の中央部分において叩き出し形成された突条であって、同突条は前記受け部に緊密に挿入されている。
(3)前記ジョイント端子の前記雄端子部は、各雄端子の連結部が長さ方向の途中で折り返されることによって、雄端子列を複数段に配した形状となっている。
本発明によれば、ジョイント端子における雄端子部とブラケットとの繋ぎ目部分の曲げ強度を高めることができる。
本発明の一実施形態に係るジョイント端子の斜視図 同展開図 同平面図 同正面図 同側面図 ハウジングの正面図 ジョイント端子をハウジングに装着する動作を示す一部切欠側面図 図6のVIII−VIII線断面図 ジョイント端子がハウジングに装着された状態の側断面図 図9の部分拡大図 ジョイント端子がハウジングに装着された状態における突条の挟持部分の構造を示す側断面図 ジョイント端子がハウジングに装着された状態の正面図 図12における領域XIIIの拡大図 図12における領域XIVの拡大図 ジョイント端子がハウジングに装着された状態の背面図 治具の拡大正面図 ランスの係止解除動作を示す一部切欠側面図 ランスの係止が解除された状態を示す側断面図
<実施形態>
本発明の一実施形態を図1ないし図18によって説明する。
本実施形態のジョイントコネクタJCは、図1及び図9に示すように、コネクタハウジング20の前面側にジョイント端子50の雄端子部51が装着された構造であって、コネクタハウジング20の後面側からアース用電線10の端末に接続された雌端子11が装着されて、雄端子部51に設けられた雄端子55と接続され、ジョイント端子50のブラケット52が車両のアース部に取り付けられるようになっている。
コネクタハウジング20(以下、単にハウジング20という)は合成樹脂製であって、図6及び図7に示すように、扁平なブロック状に形成され、大まかには前部側(図7の左側)が、ジョイント端子50の雄端子部51の装着域となっている一方、後部側が雌端子11の装着域となっている。後部側には、雌端子11を後方から挿入可能としたキャビティ21が、幅方向に6個ずつ並んで上下2段に亘って形成されている。各キャビティ21の天井面には、撓み変位可能なランス22が設けられている。
雌端子11は、図9に示すように、ジョイント端子50の雄端子55が挿入されて接続される角筒状の接続部12の後方にバレル13,14を設けた形状であって、同バレル13,14がかしめ圧着されることでアース用電線10の端末に固着されている。各雌端子11は、キャビティ21内に後方から挿入されてランス22を撓み変位させつつ押し込まれ、前壁23に当たる正規位置まで押し込まれると、ランス22が復動変位して接続部12の上面に開口されたランス孔に嵌り、雌端子11が抜け止め状態に一次係止される。なお、ハウジング20の上面には、サイドタイプのリテーナ25が装着されていて、同リテーナ25が本係止位置に押し込まれると、係止部26が雌端子11における接続部12の後縁(あご部)に二次係止することで、二重に抜け止めされるようになっている。
続いて、ジョイント端子50並びにそのハウジング20への装着構造を説明する。ジョイント端子50は、金属板を素材として図2に示すような展開形状に打ち抜かれたのち、所定の曲げ加工が施されることで形成され、図3ないし図5に示すように、雄端子部51の後縁側に、車両のアース部(図示せず)に取り付けられるブラケット52が連設された形状である。
雄端子部51は展開形状では、図2に示すように、横長の帯状をなす連結部54を備えており、同連結部54が横幅方向において左右2つの領域に分けられ、左側部分と右側部分の各前縁には、タブ状をなす雄端子55が6本ずつ一定ピッチで並んで突設されている。雄端子55の配設ピッチは、上記したハウジング20のキャビティ21の配設ピッチと同一である。各雄端子55は、先端がガイド用に先細り状に形成されているとともに、根元側の約1/4の長さ領域が拡幅されて圧入部56となっている。
このような展開形状になる雄端子部51が、連結部54の横幅方向の中央部から180度折り返され、詳細には、図2の下側ある右側部分が、左側部分の上面側に、上記したハウジング20に設けられた上下のキャビティ21の間隔と同じ間隔を開けて折り返されている。したがって、曲げ成形後の雄端子部51は、扁平な横向きのチャンネル形をなす連結部54の上面部54Aと下面部54Bの前縁から、雄端子55が6本ずつ上下2段に亘り、キャビティ21と整合した配列で突設されている。
また、連結部54の上面部54Aと下面部54Bには、それぞれ各雄端子55の中心線の後方への延長線上の位置ごとに、係止突起58が下面側に叩き出して形成されている。
ブラケット52は展開形状では、同じく図2に示すように、雄端子部51の連結部54の下面部54Bにおける後縁の幅方向の中央部から、後方に延出する形態で形成されている。詳細には、基端側の半分強の長さ領域に、下面部54Bよりもやや狭い一定幅の脚部60が延出形成されているとともに、先端側に取付部65が形成されている。取付部65は、左側縁が少し張り出した形態で形成され、同取付部65の張出部寄りの位置には、取付孔66が開口されている。この取付孔66には、図示はしないが車両に設けられたアース部から立てられたスタッドボルトが挿通可能となっている。また、取付孔66の表面側の孔縁部には、別部材として備えられた他のアース端子等を重ねて取り付けることが可能な重畳部67が形成されている。さらに、取付部65の左側縁からは回り止め部68となる舌片が突設されている。
このような展開形状になるブラケット52が、図1及び図5に示すように、脚部60の途中位置で下向きに、脚部60と取付部65の継ぎ目位置で後向きに2度直角曲げされ、端的にはクランク状に曲げ形成されている。より詳細には、ブラケット52は、連結部54の下面部54Bと面一に後方に延びた水平面70(本発明の基端側の平坦面に相当)の先に、下向きの垂直面71を有するL型の脚部60と、同脚部60の垂直面71の下端に取付部65が後方に水平姿勢で突出した形態で形成されている。なお、取付部65の舌片は併せてL字形に曲げ成形され、回り止め部68が形成されている。
ハウジング20におけるジョイント端子50の雄端子部51を装着する等に機能する前部側の構造は以下のようである。
ハウジング20の前面には、各キャビティ21ごとに配されたランス22を個々に係止解除方向に撓み変位させるための治具80を挿入可能とした治具挿入溝30が形成されている。治具挿入溝30は、各ランス22の前方に開口する形態で形成されており、図14に詳細に示すように、ランス22の幅に相当する幅を持った縦部31Aの上端に横部31Bを連設してなる断面T字形に形成され、横部31Bの両端がガイド32となっている。
治具80は、図16及び図17に示すように、治具挿入溝30に倣って断面T字形に形成され、その先端面がランス22の先端に係合して押圧する押圧部81となっているとともに、横部82の両端がガイド32に嵌るようになっている。このような治具80が柄84の先端に設けられ、柄84を持って治具挿入溝30に抜き差しされるようになっている。
ハウジング20の前面には、ジョイント端子50の雄端子部51が挿入される端子挿入溝35が形成されている。この端子挿入溝35は、図6に示すように、雄端子部51の連結部54の形状に倣って、扁平な横向き(左側に開放)のチャンネル形に形成されており、上下の溝部36A,36Bがそれぞれ、上下各段のキャビティ21の下部に対応する位置、言い換えると、治具挿入溝30の縦部31Aの下端と連なる位置に形成されている。また、同端子挿入溝35の奥面35Aは、図9に示すように、ハウジング20の前面から、同ハウジング20の前面とキャビティ21の前面との間の距離の約2/3の距離入った位置にある。
端子挿入溝35における上溝部36Aと下溝部36Bの奥面には、各キャビティ21の直前に対応する位置ごとに、雄端子部51の雄端子55が圧入される端子圧入孔38が形成されている。各端子圧入孔38は各キャビティ21の前面に開口しているとともに、同端子圧入孔38の間口は、雄端子55の基端の圧入部56より少し狭くなっている。
上記した各端子圧入孔38の直下に対応する位置には、ハウジング20の前面から所定寸法(ハウジング20の前面からキャビティ21の前面までの距離の1/3弱)入った位置から、キャビティ21の前面に達するようにして係止溝40が切られており、同係止溝40の前端面が、上記したジョイント端子50の連結部54に形成された係止突起58が係止される係止面40Aとなっている。
なお、ハウジング20の前面における各係止溝40の手前側に対応する位置には、壁部41を挟んで導入口42が開口されている。
ジョイント端子50の雄端子部51がハウジング20の前面の端子挿入溝35に挿入されると、挿入の途中で各雄端子55の先端が対応する端子圧入孔38に進入し、押し込みの終盤になると、雄端子55の基端側の圧入部56が端子圧入孔38の左右の側壁に食い込み、すなわち圧入されつつ押し込まれ、図8に示すように、連結部54の前縁が端子挿入溝35の奥面35Aに当たったところで押し込みが停止される。その間、係止突起58が導入口42から進入して壁部41を通過したのち対応する係止溝40に嵌り、図9に示すように、それぞれ係止面40Aに係止されることによって雄端子部51が抜け止めされて装着される。
このとき、雄端子部51の各雄端子55は、対応するキャビティ21内に前方から所定寸法突出し、いわゆる待ち受け状態でキャビティ21内に収容される。また、ブラケット52の脚部60の水平面70が、幅方向において、下段の6個のキャビティ21のうち、中央の4個のキャビティ21からなるキャビティ列21Xの配設領域に対応して位置し、同水平面70の左右両側縁は、キャビティ列21Xの両端の各キャビティ21と、それらの外側のキャビティ21との各仕切部分に位置している。
さてブラケット52には、補強ビードが形成されている。第1の補強ビードは、ブラケット52の端縁が表面側に所定高さ直角曲げされたフランジ73によって構成されている。このフランジ73は、脚部60の水平面70から垂直面71に亘る左側縁と、同脚部60の水平面70から垂直面71に亘る右側縁から、さらに取付部65における回り止め部68の奥側の端縁に至る領域と、取付部65における手前側の端縁との3箇所においてそれぞれ形成されている。特筆すべきは、脚部60の水平面70の左右両側縁に形成されたフランジ73は、4個のキャビティ列21Xの両端のキャビティ21に付設された各治具挿入溝30の外側に外れた箇所に位置するところである。
第2の補強ビードは、表面側に叩き出されて形成された突条75から構成されている。突条75は、脚部60の幅方向の中央部において一部が取付部65に延びるようにして図示3本が形成されている。より詳細には、各突条75は、上記した4個のキャビティ列21Xの隣り合うキャビティ21の間の仕切部分に対応するようにして形成されており、それぞれ脚部60の水平面70における連結部54との繋ぎ目部分を基端としており、左側と中央部の突条75の終端は、取付部65における重畳部67の奥側に留まり、右側の突条75は重畳部67の右側を通過して手前の端縁付近にまで達している。3本の突条75は、上記したフランジ73よりも少し低い同一高さに形成されているが、中央の突条75が両端の突条75に比べてやや幅広に形成されている。ブラケット52の垂直面71の幅方向の中央部は、両側のフランジ73から最も離間した箇所であり、特に垂直面71の長さが大であると強度に劣ることが懸念されるため、同箇所に幅広の突条75を設けることで十分な強度を確保するようにしている。
ここで特筆すべきは、脚部60の水平面70の中央部に形成された3本の突条75は、4個のキャビティ列21Xの隣り合うキャビティ21の間の位置において、両側の治具挿入溝30とは干渉しない形態で配されるところである。
ハウジング20の前面における端子挿入溝35の下溝部36Bの直上位置には、言い換えると、下側の段の治具挿入溝30の縦部31Aの高さ領域と対応する位置には、上記した脚部60の水平面70に設けられたフランジ73と突条75のそれぞれの基端側が挿入可能な嵌入凹部44が形成されている。嵌入凹部44の奥面は、上記した係止溝40の係止面40Aの位置まで後退している。
嵌入凹部44の天井面は、下段の治具挿入溝30の横部31Bが開口されている関係上、図6に示すように、フランジ73並びに突条75が嵌入される位置においてのみ、所定幅が残された形態にある。5箇所に残された天井部のうち、両端の天井部45Aと嵌入凹部44の底面との間によって、フランジ73が挿入される受け部46が構成されている。このフランジ73用の受け部46では、天井部45Aにおける天井面の高さが、フランジ73の高さよりも少し低く設定されており、したがってフランジ73は、受け部46に対しては、天井面に少し食い込みつつ、すなわち圧入されるようになっている。
一方、中央の3箇所の天井部45Bと嵌入凹部44の底面との間によって、それぞれ突条75が挿入される受け部47が構成されている。この突条75用の受け部47では、天井部45Bにおける天井面の高さが、突条75の高さにほぼ等しく設定されており、したがって突条75は、受け部47に対してほぼ緊密に挿入されるようになっている。
続いて、本実施形態の作用を説明する。
ジョイントコネクタJCを組み付ける手順の一例は、以下のようである。図7に示すように、リテーナ25を仮係止位置に組み付けたハウジング20に対して、ジョイント端子50が前方から組み付けられる。簡単に繰り返すと、ジョイント端子50の雄端子部51がハウジング20の前面の端子挿入溝35に挿入されると、各雄端子55が端子圧入孔38に圧入されつつキャビティ21内に進入し、図8に示すように、雄端子部51における連結部54の前縁が端子挿入溝35の奥面35Aに当たったところで押し込みが停止され、そのとき図9に示すように、係止突起58が対応する係止溝40に嵌って係止面40Aに係止されることで、雄端子部51が抜け止めされて装着される。雄端子部51の各雄端子55は、対応するキャビティ21内に前方から所定寸法突出して待ち受け状態で収容された状態となる。
この間に、図12に示すように、ブラケット52の脚部60における水平面70の基端側が嵌入凹部44に嵌入され、特に幅方向の両端のフランジ73が、図9,図10及び図13に示すように、フランジ73用の受け部46の手前側の領域に圧入されるとともに、幅方向の中央部の3本の突条75が、図11及び図14に示すように、突条75用の受け部47の奥方まで緊密に挿入される。
一方、ワイヤハーネスWHを構成するアース用電線10の端末にはそれぞれ雌端子11が固着され、各雌端子11は、上記のようにジョイント端子50が予め組み付けられたハウジング20の対応するキャビティ21内に後方から挿入される。雌端子11はランス22を撓み変位させつつ押し込まれ、それに伴い待ち受け状態にある相手の雄端子55が接続部12内に前方から相対的に進入する。図9の鎖線に示すように、雌端子11が正規位置まで押し込まれると、ランス22が復動しつつランス孔に嵌ることで抜け止めされ、併せて雄端子55が接続部12内に正規量進入することで、雌雄の端子11,55同士が正規接続された状態となる。すべての雌端子11が正規に挿入されたら、リテーナ25が本係止位置に押し込まれて各雌端子11が二重係止される。これにより、アース用のワイヤハーネスの端末にジョイントコネクタJCが接続された状態となる。
このようにワイヤハーネスWHの端末に接続されたジョイントコネクタJCは、図示はしないが、車両の所定位置に設定されたアース部に取り付けられ、より具体的には、ジョイント端子50におけるハウジング20の前面側に突出したブラケット52の取付部65に開口された取付孔66が、アース部から突設されたスタッドボルトに挿通され、同スタッドボルトに螺合したナットを締め付けることで、取付部65がアース部に密着して固定される。このとき、回り止め部68をアース部の角部等に係合させておくと、ナットは取付部65を連れ回りさせることなく締め付けることができる。これにより、各アース用電線10が一斉にアースを取ることになる。
なお、別のアース用電線の端末に設けられたアース端子を重畳部67に重ねて接続しておくことで、同アース電線のアースも併せて取ることができる。
本実施形態のジョイントコネクタJCでは、ジョイント端子50に設けられたブラケット52の脚部60の高さが比較的高く、その上端にハウジング20が接続されているのであるから、車両走行時の振動等を受けたときに、脚部60の付け根と雄端子部51の後縁との繋ぎ目に曲げ力が作用しやすいが、脚部60の付け根である水平面70の基端には、2本のフランジ73と3本の突条75が設けられて、それらが対応する受け部46,47内に圧入または緊密に嵌合されていることで、その曲げ力が受け部46,47により受けられ、実質的に曲げ強度が高められたことになる。
メンテナンス等において、ハウジング20から雌端子11を抜き取る場合は、以下のようにして行う。まず、ジョイント端子50のブラケット52を固定していたナットを緩めて外すことによって、ジョイントコネクタJCをアース部から外す。続いて、ハウジング20に装着されたリテーナ25を仮係止位置に戻し、図17に示すように、治具80を所定の姿勢に向けて治具挿入溝30に挿入すると、所定量挿入されたところで、図18に示すように、治具80の先端の押圧部81がランス22の先端を押圧して、ランス22を係止解除方向に強制的に撓み変位させ、これによりランス22による雌端子11に対する係止が解除される。そうしたら、対応するアース用電線10を摘んで後方に引っ張ることによって、雌端子11をキャビティ21の後方に抜き取ることができる。
本実施形態のジョイントコネクタJCのように、ハウジング20に対してジョイント端子50の雄端子部51を装着し、同雄端子部51の後縁に連設されたブラケット52の下端の取付部65をアース部に固定する形式のものでは、特にアース部とハウジング20との離間距離が大きく、ブラケット52の脚部60の背が高くならざるを得ないものでは、車両走行に伴って振動を受けた場合に、ブラケット52の脚部60の付け根と雄端子部51との繋ぎ目に対して大きな曲げ力が作用する可能性が高い。
それに対して本実施形態では、ブラケット52の脚部60が、雄端子部51の後縁から面一に延出した水平面70の先に下向きの垂直面71を有するL字形に形成され、雄端子部51との繋ぎ目となる水平面70の基端側に亘って、補強ビードであるフランジ73と突条75とが形成され、これらのフランジ73と突条75の奥端が、ハウジング20に設けられた対応する受け部46,47に嵌められて挟持された構造としてある。
そのため、上記のように振動等を受けてブラケット52における雄端子部51との繋ぎ目部分に曲げ力が作用してもこれが受け部46,47により受けられ、実質的に曲げ強度が高められる。結果、繋ぎ目部分での折損等が未然に防止される。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)ジョイント端子における脚部の水平面と雄端子部の後縁との継ぎ目部に設けられる補強ビードとしては、側縁に設けられたフランジと、中央部に設けられた突条との少なくともいずれか一方であってもよい。
(2)上記実施形態では、補強ビードであるフランジと突条とを、水平面の基端部を含んで脚部の全長に亘って設けた場合を例示したが、水平面の基端部以外には、大きな曲げ力を受けると考えられる脚部の2箇所の屈曲部分に限る等、適宜に形成場所を制限してもよい。
(3)上記実施形態では、ジョイント端子において雄端子列が2段に設けられた場合を例示したが、雄端子列が1段だけのもの、逆に雄端子列が3段以上設けられたものであってもよい。
(4)上記実施形態では、ジョイント端子の取付部に他のアース端子を重ねて組み付けることが可能な重畳部が設けられたものを例示したが、係る重畳部が除去されたものであってもよい。
(5)上記実施形態では、ワイヤハーネス側の雌端子がハウジングのキャビティ内に挿抜可能に装着されるものを例示したが、雌端子が抜き取りできない形式で装着されるものであってもよい。
JC…ジョイントコネクタ
WH…ワイヤハーネス
10…アース用電線
11…雌端子
20…コネクタハウジング
21…キャビティ
35…端子挿入溝
38…端子圧入孔
44…嵌入凹部
45A,45B…天井部
46…受け部
47…受け部
50…ジョイント端子
51…雄端子部
52…ブラケット
54…連結部
55…雄端子
60…脚部
65…取付部
70…(脚部60の)水平面(基端側の平坦部)
73…フランジ(補強ビード)
75…突条(補強ビード)

Claims (5)

  1. 雌端子を挿入可能なキャビティが複数並設されたコネクタハウジングと、
    前記コネクタハウジングに装着され、前記各キャビティ内に収容される雄端子が複数並んで連結された雄端子部の後縁側に、同雄端子部と段差状をなす位置にアース部への取付部を有するブラケットが連設されたジョイント端子と、が具備されたアース用のジョイントコネクタであって、
    前記ブラケットは、前記雄端子部の後縁から前記キャビティの延長方向に延びて2度曲げされたクランク状に形成され、先端側の平坦部により前記取付部が形成される一方、基端側の平坦部には補強ビードが形成され、
    前記コネクタハウジングには、前記補強ビードの奥端を挟持する受け部が設けられていることを特徴とするジョイントコネクタ。
  2. 前記補強ビードが、前記基端側の平坦部の側縁に曲げ形成されたフランジであって、同フランジは前記受け部に圧入されていることを特徴とする請求項1記載のジョイントコネクタ。
  3. 前記補強ビードが、前記基端側の平坦部の中央部分において叩き出し形成された突条であって、同突条は前記受け部に緊密に挿入されていることを特徴とする請求項1記載のジョイントコネクタ。
  4. 前記ジョイント端子の前記雄端子部は、各雄端子の連結部が長さ方向の途中で折り返されることによって、雄端子列を複数段に配した形状となっていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のジョイントコネクタ。
  5. 複数のアース用電線の端末に、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のジョイントコネクタが接続されていることを特徴とするワイヤハーネス。
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