JP2011102251A - トリアリールボラン錯体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡便かつイオン性不純物の影響が少ないトリアリールボラン錯体の製造方法を提供する。
【解決手段】トリアリールボラン−アミン錯体を、アミンまたはホスフィンと、不活性ガス気流下で加熱して配位子交換反応させるトリアリールボラン錯体の製造方法。トリアリールボラン−アミン錯体を有機溶媒に溶解または分散させ、不活性ガス気流下で加熱還流して熱分解することでトリアリールボランを生成し、次いでアミンまたはホスフィンと反応させる、トリアリールボラン錯体の製造方法。
【選択図】図2
【解決手段】トリアリールボラン−アミン錯体を、アミンまたはホスフィンと、不活性ガス気流下で加熱して配位子交換反応させるトリアリールボラン錯体の製造方法。トリアリールボラン−アミン錯体を有機溶媒に溶解または分散させ、不活性ガス気流下で加熱還流して熱分解することでトリアリールボランを生成し、次いでアミンまたはホスフィンと反応させる、トリアリールボラン錯体の製造方法。
【選択図】図2
Description
本発明は、トリアリールボラン錯体の製造方法に関する。
トリフェニルボラン−アミン錯体は水中防汚剤、船底塗料、工業用防腐防黴剤等の有効成分として用いられている。また、トリアリールボラン−ホスフィン錯体はエポキシ樹脂の硬化促進剤としても用いられている。
トリアリールボラン−アミンまたはトリアリールボラン−ホスフィン錯体の製造法は、以下に示すようにいくつか知られている。
(従来法1)
ベリヒテ、第57巻、813頁(1924年)、米国特許第3211679号明細書には、トリフェニルボランの無水エーテル溶液を調整し、窒素気流下、種々のアミンと反応させることにより、相当するトリフェニルボラン−アミン錯体を合成する方法が記載されている。
(従来法2)
特開平8−311074号公報にはトリフェニルボランの水酸化ナトリウム付加体を水溶液中でアミンと反応させることにより、トリフェニルボラン−アミン錯体を製造する方法が記載されている。
(従来法3)
また、特許第3618515号公報、特許第3751713号公報ではナトリウムテトラフェニルボレートと無機酸または有機酸を反応させてトリアリールボランを生成した後、アミンまたはホスフィンを反応させることで製造する方法が記載されている。
(従来法4)
特許第3892237号公報、特開2003−238572号公報ではアンモニウムテトラフェニルボレート塩を熱分解することで対応するトリフェニルボラン−アミン錯体を製造する方法が記載されている。
トリアリールボラン−アミンまたはトリアリールボラン−ホスフィン錯体の製造法は、以下に示すようにいくつか知られている。
(従来法1)
ベリヒテ、第57巻、813頁(1924年)、米国特許第3211679号明細書には、トリフェニルボランの無水エーテル溶液を調整し、窒素気流下、種々のアミンと反応させることにより、相当するトリフェニルボラン−アミン錯体を合成する方法が記載されている。
(従来法2)
特開平8−311074号公報にはトリフェニルボランの水酸化ナトリウム付加体を水溶液中でアミンと反応させることにより、トリフェニルボラン−アミン錯体を製造する方法が記載されている。
(従来法3)
また、特許第3618515号公報、特許第3751713号公報ではナトリウムテトラフェニルボレートと無機酸または有機酸を反応させてトリアリールボランを生成した後、アミンまたはホスフィンを反応させることで製造する方法が記載されている。
(従来法4)
特許第3892237号公報、特開2003−238572号公報ではアンモニウムテトラフェニルボレート塩を熱分解することで対応するトリフェニルボラン−アミン錯体を製造する方法が記載されている。
Chem.Ber.,vol.57,813,1924
トリアリールボラン−ホスフィン錯体をエポキシ樹脂の硬化促進剤として用いる場合、エポキシ樹脂は電気絶縁材料、塗料、接着剤など幅広い分野で使用されており、特に電子部品用途で使用する際には電気絶縁性及び耐腐食性などが必要とされるためイオン性不純物を含まない高純度品が求められている。また、硬化促進剤として使用する場合、さまざまな硬化条件、硬化物特性等の使用条件に合わせて硬化促進剤の構造を修飾する必要があるため、少量多品種に対応できる簡便な製造方法も求められている。
従来法1の場合トリフェニルボランが水及び酸素に不安定であるため、そのつど調製する必要があること、高価で引火性の非常に高いエーテルを使用することなどから、工業スケールでの多量の取り扱いには問題がある。従来法2または3の場合、原料にナトリウム塩を使用するため、イオン性不純物の除去が必要である。従来法4の場合、原料はイオン性物質を含まないが、アンモニウム塩に限られるためホスフィン−ボラン錯体への適用ができないこと、また原料の合成はテトラフェニルボレートの金属塩から製造するため、原料の精製が困難な場合には同じくイオン性不純物の除去が課題になる。
本発明の目的は、簡便かつ適用範囲が広く、イオン性不純物の影響が少ない、トリアリールボラン錯体の製造方法を提供することである。
本発明の目的は、簡便かつ適用範囲が広く、イオン性不純物の影響が少ない、トリアリールボラン錯体の製造方法を提供することである。
本発明は以下のことに関する。
(1)トリアリールボラン−アミン錯体を、アミンまたはホスフィンと、不活性ガス気流下で加熱して配位子交換反応させることを特徴とするトリアリールボラン錯体の製造方法。
(2)トリアリールボラン−アミン錯体を有機溶媒に溶解または分散させ、不活性ガス気流下で加熱還流して熱分解することでトリアリールボランを生成し、次いでアミンまたはホスフィンと反応させることを特徴とするトリアリールボラン錯体の製造方法。
(3)トリアリールボラン−アミン錯体の昇温速度10℃/分における5%熱質量減少温度が、120℃以上200℃以下であることを特徴とする前記のトリアリールボラン錯体の製造方法。
(4)有機溶媒の沸点が100℃から220℃の範囲内であることを特徴とする前記のトリアリールボラン錯体の製造方法。
(5)トリアリールボラン−アミン錯体がトリフェニルボラン−ピリジン錯体であることを特徴とする前記のトリアリールボラン錯体の製造方法。
(1)トリアリールボラン−アミン錯体を、アミンまたはホスフィンと、不活性ガス気流下で加熱して配位子交換反応させることを特徴とするトリアリールボラン錯体の製造方法。
(2)トリアリールボラン−アミン錯体を有機溶媒に溶解または分散させ、不活性ガス気流下で加熱還流して熱分解することでトリアリールボランを生成し、次いでアミンまたはホスフィンと反応させることを特徴とするトリアリールボラン錯体の製造方法。
(3)トリアリールボラン−アミン錯体の昇温速度10℃/分における5%熱質量減少温度が、120℃以上200℃以下であることを特徴とする前記のトリアリールボラン錯体の製造方法。
(4)有機溶媒の沸点が100℃から220℃の範囲内であることを特徴とする前記のトリアリールボラン錯体の製造方法。
(5)トリアリールボラン−アミン錯体がトリフェニルボラン−ピリジン錯体であることを特徴とする前記のトリアリールボラン錯体の製造方法。
本発明により、金属塩を含まない原料を用いて、安定な前駆体から簡便なプロセスで製造することで、簡便かつイオン性不純物の影響が少ないトリアリールボラン錯体の製造方法を提供することが可能となった。
本発明で原料として用いるトリアリールボラン−アミン錯体は、加熱によってアミンが脱離することでトリアリールボランを発生させる前駆体として作用するもので、例えば、特許第3892237号公報等記載の方法で得ることができる。
このトリアリールボラン−アミン錯体に用いるアミン化合物は、トリアリールボランとの錯体が安定に保管、取り扱いできること、適切な温度でアミンが脱離すること、脱離後のアミン化合物を容易に除去できること、トリアリールボラン−アミン錯体が容易に精製できることが好ましい。
そのため、トリアリールボラン−アミン錯体の熱分解温度が5%熱質量減少温度で120〜200℃の範囲であることが好ましく、より好ましくは140〜190℃、さらに好ましくは150〜180℃である。5%熱質量減少温度が120℃未満では前駆体であるトリアリールボラン−アミン錯体が不安定で、原料の貯蔵安定性に問題がある。また、200℃を超えるとトリアリールボランの生成に高温を必要とするため、アミンの脱離以外の副反応がおこるため収率、純度の低下を引き起こすおそれがある。
なお、トリアリールボラン−アミン錯体の5%熱質量減少温度は、一般的に、昇温速度10℃/分における値である。
以上の条件を満たしかつ容易に入手可能なものとして、具体的にはトリフェニルボラン−ピリジン錯体が挙げられる。
なお、トリアリールボラン−アミン錯体の5%熱質量減少温度は、一般的に、昇温速度10℃/分における値である。
以上の条件を満たしかつ容易に入手可能なものとして、具体的にはトリフェニルボラン−ピリジン錯体が挙げられる。
本発明で用いる有機溶媒は、沸点において前駆体であるトリアリールボラン−アミン錯体の脱離反応が進行することが好ましく、さらにトリアリールボラン−アミン錯体の熱分解温度に合わせて調節することがより好ましい。そのためには使用する有機溶媒の沸点は100〜220℃の範囲であることが好ましく、より好ましくは120〜200℃の範囲である。さらには、前記の範囲内で、使用するトリアリールボラン−アミン錯体の1%熱質量減少温度〜10%熱質量開始温度の範囲が好ましく、より好ましくは2.5%熱質量減少温度〜7.5%熱質量開始温度範囲である。
沸点が100℃未満では前駆体であるトリアリールボラン−アミン錯体の脱離反応が十分に進行しないおそれがある。220℃を超えると脱離反応終了後に加熱濃縮による溶媒の除去が困難になり、さらにアミンの脱離以外の副反応がおこるため収率、純度の低下を引き起こすおそれがある。
本発明で用いる有機溶媒は、原料もしくは反応生成物を溶解することが望ましいが、分散状態でも構わない。また、使用する有機溶媒はトリアリールボラン−アミン錯体、及び生成物であるトリアリールボランやアミンと反応性を持たないものが好ましい。具体的には、キシレン及びメシチレン等の芳香族炭化水素化合物、N、N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリジノンなどのアミド系化合物、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル等のポリエーテル系化合物が好ましいが、これに限定されるものではない。また沸点及び溶解性を調節する目的で複数の有機溶媒を混合しても良い。
加熱温度は使用する有機溶媒の還流温度で行うと温度制御が容易であることに加えて、共沸によって前駆体のアミンを効率的に除去できるため好ましい。ただし、トリアリールボラン−アミン錯体の熱分解温度に合わせて沸点以下の温度で行っても良い。
加熱時間は使用するイミダゾールボラン錯体の熱分解温度と加熱時間で調節する必要があるが、30分〜4時間が好ましく、2〜3時間がより好ましい。さらに、反応溶液をサンプリングし、核磁気共鳴(NMR)、赤外分光(FT−IR)、ガスクロマトグラフ(GC)、高速液外クロマト(HPLC)、薄層クロマト(TLC)等の手段で、反応溶液中の原料の消失を確認して反応時間の決定をするのが特に好ましい。
また、生成するトリアリールボランは酸素に不安定であるため、窒素またはアルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行う必要がある。加熱中に発生するアミン化合物を効率的に反応系中から除去する目的で不活性ガスをフローさせるのが好ましい。さらに、このとき溶媒蒸気を同時に反応系中から除去させることで共沸よってさらに効率的にアミンを除去できるため、より好ましい。このとき減少した有機溶媒を加熱中に追加してもよい。
トリアリールボラン生成後に加熱濃縮によって有機溶媒を濃縮または除去することが望ましい。このとき、沸点を下げるため減圧下で加熱するとさらに好ましい。
濃縮後、窒素雰囲気下室温(25℃)で、トリアリールボランとホスフィンまたはアミンと反応させることで目的とするトリアリールボラン錯体を生成させる。
交換反応を行うホスフィンまたはアミンが前駆体に用いるアミンよりもトリアリールボランとの反応性が高くかつ沸点が高いならば、あらかじめ前駆体のトリアリールボラン−アミン錯体と交換反応を行うホスフィンまたはアミンを共存させて反応させても良い。
さらに、このとき交換反応を行うホスフィンまたはアミンが加熱濃縮可能ならば有機溶媒として大過剰用いても良い。
濃縮後、窒素雰囲気下室温(25℃)で、トリアリールボランとホスフィンまたはアミンと反応させることで目的とするトリアリールボラン錯体を生成させる。
交換反応を行うホスフィンまたはアミンが前駆体に用いるアミンよりもトリアリールボランとの反応性が高くかつ沸点が高いならば、あらかじめ前駆体のトリアリールボラン−アミン錯体と交換反応を行うホスフィンまたはアミンを共存させて反応させても良い。
さらに、このとき交換反応を行うホスフィンまたはアミンが加熱濃縮可能ならば有機溶媒として大過剰用いても良い。
本発明で製造できるトリアリールボラン錯体とするアミンまたはホスフィンとしては、脂肪族一級〜三級アミン、アニリン誘導体、ピリジン誘導体、イミダゾール誘導体、ピラゾール誘導体、ピラジン誘導体、ピリミジン誘導体、トリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン、ジアルキルアリールホスフィン、アルキルジアリールホスフィンが挙げられる。これらのアミン、ホスフィンを分子内に複数有する化合物、及びポリマーの主鎖及び側鎖に有するものでも良い。
このとき、一般的な有機溶媒に溶解させて行うと好ましい。トリアリールボラン錯体化反応は加熱の必要はないが、溶解性を上げるため加熱しても良い。また、単離時に有機溶媒を濃縮する際、熱分解を避けるため目的とするトリアリールボラン錯体の熱分解温度よりも低い沸点を有する有機溶媒を使用するのが好ましい。
通常、得られたトリアリールボラン錯体溶液を、冷却または、濃縮または、貧溶媒による再沈殿によってトリアリールボランを析出させることで単離を行う。
通常、得られたトリアリールボラン錯体溶液を、冷却または、濃縮または、貧溶媒による再沈殿によってトリアリールボランを析出させることで単離を行う。
以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、図1に実施例の反応装置を示す模式図を、図2に、実施例1の製造工程図を示した。
実施例1
(トリフェニルボラン 1−ブチルイミダゾール錯体の合成;下記反応式参照)
100mlフラスコにトリフェニルボランピリジン錯体(北興化学工業株式会社製、商品名;ホクコーPK)6.42g(10mmol)のメシチレン(和光純薬工業株式会社製)20gの分散液を加え窒素置換を行った。窒素気流下オイルバスを用い180℃で加熱を行い、メシチレンと分解生成物のピリジン蒸気を冷却トラップで回収しながら反応混合液の有機溶媒量が減少しないようにメシチレンを適宜追加した。3時間後ダイヤフラムポンプ(株式会社アルバック製、DTU−20)を用い減圧(到達圧力200Pa)加熱しながら濃縮乾燥したのち加熱を停止した。
室温(25℃)にて窒素雰囲気下で1−ブチルイミダゾール(東京化成工業株式会社製)2.5g(20mmol)のトルエン20g(和光純薬工業株式会社製)溶液を加え120℃で加熱還流し反応混合物を完全に溶解させた後、窒素雰囲気下、25℃で放置することで析出した白色結晶をろ過にて回収することでトリフェニルボラン1−ブチルイミダゾール錯体を収率85%で得た。得られた化合物(錯体)はプロトン核磁気共鳴分光法(1HNMR)で確認した。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ8.16(s1H),7.51(t,J=1.5Hz,1H), 7.17(m,15H),6.90(t,J=1.5Hz,1H), 4.13(t,J=7.2Hz,2H), 1.71(quint,J=6.6Hz,1H), 1.23(m,2H), 0.88(t.J=7.2Hz,3H)
実施例1
(トリフェニルボラン 1−ブチルイミダゾール錯体の合成;下記反応式参照)
100mlフラスコにトリフェニルボランピリジン錯体(北興化学工業株式会社製、商品名;ホクコーPK)6.42g(10mmol)のメシチレン(和光純薬工業株式会社製)20gの分散液を加え窒素置換を行った。窒素気流下オイルバスを用い180℃で加熱を行い、メシチレンと分解生成物のピリジン蒸気を冷却トラップで回収しながら反応混合液の有機溶媒量が減少しないようにメシチレンを適宜追加した。3時間後ダイヤフラムポンプ(株式会社アルバック製、DTU−20)を用い減圧(到達圧力200Pa)加熱しながら濃縮乾燥したのち加熱を停止した。
室温(25℃)にて窒素雰囲気下で1−ブチルイミダゾール(東京化成工業株式会社製)2.5g(20mmol)のトルエン20g(和光純薬工業株式会社製)溶液を加え120℃で加熱還流し反応混合物を完全に溶解させた後、窒素雰囲気下、25℃で放置することで析出した白色結晶をろ過にて回収することでトリフェニルボラン1−ブチルイミダゾール錯体を収率85%で得た。得られた化合物(錯体)はプロトン核磁気共鳴分光法(1HNMR)で確認した。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ8.16(s1H),7.51(t,J=1.5Hz,1H), 7.17(m,15H),6.90(t,J=1.5Hz,1H), 4.13(t,J=7.2Hz,2H), 1.71(quint,J=6.6Hz,1H), 1.23(m,2H), 0.88(t.J=7.2Hz,3H)
実施例2
(トリフェニルボラン 2−エチル−4−メチルイミダゾール錯体の合成)
100mlフラスコにトリフェニルボランピリジン錯体(北興化学工業株式会社製、商品名;ホクコーPK)6.4g(10mmol)、2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製)1.1g(10mmol)のメシチレン(和光純薬工業株式会社製)20gの分散液を加え窒素置換を行った。窒素気流下オイルバスを用い180℃で加熱還流を行い、メシチレンと分解生成物のピリジン蒸気を冷却トラップで回収しながら反応混合液の有機溶媒量が減少しないようにメシチレンを適宜追加した。3時間後ダイヤフラムポンプ(株式会社アルバック製、DTU−20)を用い減圧(到達圧力200Pa)加熱しながら濃縮乾燥したのち加熱を停止した。残渣をトルエンから再結晶することでトリフェニルボラン2−エチル−4−メチルイミダゾール錯体を収率90%で得た。得られた化合物(錯体)はプロトン核磁気共鳴分光法(1HNMR)で確認した。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ7.33(br,1H), 5.89(s,1H), 3.83(q,J=6.3Hz,6H), 3.36(q,J=6.6Hz,2H), 2.55(s,3H), 2.19(s,3H), 1.74(m,2H), 1.23(t,J=6.9Hz,9H), 0.69(m,2H)
(トリフェニルボラン 2−エチル−4−メチルイミダゾール錯体の合成)
100mlフラスコにトリフェニルボランピリジン錯体(北興化学工業株式会社製、商品名;ホクコーPK)6.4g(10mmol)、2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製)1.1g(10mmol)のメシチレン(和光純薬工業株式会社製)20gの分散液を加え窒素置換を行った。窒素気流下オイルバスを用い180℃で加熱還流を行い、メシチレンと分解生成物のピリジン蒸気を冷却トラップで回収しながら反応混合液の有機溶媒量が減少しないようにメシチレンを適宜追加した。3時間後ダイヤフラムポンプ(株式会社アルバック製、DTU−20)を用い減圧(到達圧力200Pa)加熱しながら濃縮乾燥したのち加熱を停止した。残渣をトルエンから再結晶することでトリフェニルボラン2−エチル−4−メチルイミダゾール錯体を収率90%で得た。得られた化合物(錯体)はプロトン核磁気共鳴分光法(1HNMR)で確認した。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ7.33(br,1H), 5.89(s,1H), 3.83(q,J=6.3Hz,6H), 3.36(q,J=6.6Hz,2H), 2.55(s,3H), 2.19(s,3H), 1.74(m,2H), 1.23(t,J=6.9Hz,9H), 0.69(m,2H)
実施例3
(トリフェニルボラン トリ‐p‐トリルホスフィン錯体の合成)
実施例1で1−ブチルイミダゾールに代えてトリ‐p‐トリルホスフィン(製品名TPTP、北興化学工業株式会社製)1.1g(10mmol)を用いた以外は実施例1と同様に反応、処理して白色結晶を収率70%で得た。得られた化合物(錯体)はプロトン核磁気共鳴分光法(1HNMR)で確認した。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ7.30−7.07(m,27H), 2.30(s,9H)
(トリフェニルボラン トリ‐p‐トリルホスフィン錯体の合成)
実施例1で1−ブチルイミダゾールに代えてトリ‐p‐トリルホスフィン(製品名TPTP、北興化学工業株式会社製)1.1g(10mmol)を用いた以外は実施例1と同様に反応、処理して白色結晶を収率70%で得た。得られた化合物(錯体)はプロトン核磁気共鳴分光法(1HNMR)で確認した。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ7.30−7.07(m,27H), 2.30(s,9H)
実施例1〜3に示すように、金属塩を含まない原料を用いて、安定な前駆体(トリアリールボラン−アミン錯体)から、簡便なプロセスで、簡便かつイオン性不純物の影響が少ない、トリアリールボラン錯体を製造することができた。
1 窒素ガス入口
2 窒素ガス出口
3 冷却トラップ
4 オイルバス、マグネチックスターラー
5 セプタムラバー
2 窒素ガス出口
3 冷却トラップ
4 オイルバス、マグネチックスターラー
5 セプタムラバー
Claims (5)
- トリアリールボラン−アミン錯体を、アミンまたはホスフィンと、不活性ガス気流下で加熱して配位子交換反応させることを特徴とするトリアリールボラン錯体の製造方法。
- トリアリールボラン−アミン錯体を、有機溶媒に溶解または分散させ、不活性ガス気流下で加熱還流して熱分解することでトリアリールボランを生成し、次いでアミンまたはホスフィンと反応させることを特徴とするトリアリールボラン錯体の製造方法。
- トリアリールボラン−アミン錯体の昇温速度10℃/分における5%熱質量減少温度が、120℃以上200℃以下であることを特徴とする請求項1または2記載のトリアリールボラン錯体の製造方法。
- 有機溶媒の沸点が100℃から220℃の範囲内であることを特徴とする請求項2または3記載のトリアリールボラン錯体の製造方法。
- トリアリールボラン−アミン錯体がトリフェニルボラン−ピリジン錯体であることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載のトリアリールボラン錯体の製造方法。
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