JPH1180166A - トリフェニルボロン誘導体の製造方法 - Google Patents

トリフェニルボロン誘導体の製造方法

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JPH1180166A
JPH1180166A JP20361298A JP20361298A JPH1180166A JP H1180166 A JPH1180166 A JP H1180166A JP 20361298 A JP20361298 A JP 20361298A JP 20361298 A JP20361298 A JP 20361298A JP H1180166 A JPH1180166 A JP H1180166A
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JP
Japan
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boron
triphenyl
reaction
pyridine
rosinamine
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Application number
JP20361298A
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English (en)
Inventor
Masanori Kohara
正則 古原
Shinichi Nakao
信一 中尾
Akira Shimada
朗 嶋田
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YOSHITOMI FINE CHEM KK
Original Assignee
YOSHITOMI FINE CHEM KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 漁網防汚剤、船底塗料などの有効成分として
有用なトリフェニル(アルキルアミン)ボロンやトリフ
ェニル(ロジンアミン)ボロンを、入手が容易なトリフ
ェニル(ピリジン)ボロンを用いて製造する方法が求め
られていた。 【解決手段】 トリフェニル(ピリジン)ボロンと、ア
ルキルアミンまたはロジンアミンを、不活性溶媒の存在
下または無溶媒下、温度110〜130℃で付加物交換
反応により、トリフェニル(アルキルアミン)ボロンや
トリフェニル(ロジンアミン)ボロンを工業的に製造す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、漁網防汚剤、船底
塗料、工業用防菌防黴剤または動物用忌避剤などの有効
成分として有用なトリフェニルボロン誘導体の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】
【0003】トリフェニルボロン誘導体は、ベリッヒテ
(Berichte)第57B巻、813ページ(19
24年)には、トリフェニルボロンの無水エーテル溶液
を調製し、窒素気流下、アミンとして、メチルアミン、
エチルアミン、プロピルアミン、ジメチルアミン、トリ
メチルアミン、ピリジン、アニリン、キノリン、キナル
ジン、ピペリジン、フェニルヒドラジンと反応させるこ
とにより、対応するトリフェニルボロンアミン化合物を
合成する方法が記載されている。
【0004】また、米国特許第3211679号明細書
には、トリフェニル(ドデシルアミン)ボロン、トリフ
ェニル(テトラデシルアミン)ボロン、トリフェニル
(メチルアミン)ボロン、トリフェニル(ピリジン)ボ
ロン、トリフェニル[(4−ピリジル)グリコール]ボ
ロン、トリフェニル(γ−ピコリン)ボロンなどを、特
開昭62−277307号公報には、ピリジン−トリス
(4−フルオロフェニル)ホウ素などを、上記ベリヒッ
テの方法と同様の方法により合成する方法が記載されて
いる。
【0005】これらはいずれも実験室スケールに適した
製造方法であり工業的には困難な点がいくつかある。た
とえば高価で非常に引火性の高いエーテルを使用するこ
と、反応工程および副生する無機塩の濾過除去工程を窒
素雰囲気下で行わなければならないこと、原料のトリフ
ェニルボロンは可燃性の固体であるため工業的スケール
での取り扱いは危険であることなどである。
【0006】上述方法を改良した製造方法が、ジャーナ
ル・オブ・オーガニックメタル・ケミストリー(J.O
rganomet.Chem.)第8巻、411ページ
(1967)に記載されており、テトラフェニルボロン
アルカリ金属錯体とアミンを反応させてアミン化反応を
行い、熱分解によりトリフェニルボロン誘導体を製造し
ている。原料的にはトリフェニルボロンと比較して取り
扱いは安全であるが、アミン化反応後の熱分解により目
的とする化合物を製造する工程では、温度が高い為にト
リフェニルボロン誘導体の分解が進行し、収率低下をき
たす問題があった。
【0007】上述した製造方法いずれの場合も、窒素雰
囲気下で実施しなければならず、副生する無機塩の除去
工程が必要である。また反応溶媒として使用されるテト
ラヒドロフランおよびエーテルは、回収工程での過酸化
物管理が厄介で、工業的製造には危険性を伴っているの
が現状である。
【0008】この問題点を解決するために、特開平8−
311074号公報でトリフェニルボロンの水酸化ナト
リウムまたは水酸化カリウムを水溶液中でアミンと反応
させることにより、相当するトリフェニル(アミン)ボ
ロンを製造する方法が提案されているが、原料となるト
リフェニルボロンの水酸化ナトリウムまたは水酸化カリ
ウムは高価であり、工業的に大量に得ることは困難であ
る化合物である。したがって、トリフェニル(アルキル
アミン)ボロンやトリフェニル(ロジンアミン)ボロン
を製造を工業的に製造するには、特開平8−31107
4号公報に記載の方法は必ずしも望ましいものではな
い。
【0009】工業的に製造され入手が容易なトリフェニ
ル(ピリジン)ボロンを用いて、トリフェニル(アルキ
ルアミン)ボロンやトリフェニル(ロジンアミン)ボロ
ンを製造する方法は文献に記載されていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、工業的に製
造され入手が容易なトリフェニル(ピリジン)ボロンを
原料として、トリフェニル(アルキルアミン)ボロンや
トリフェニル(ロジンアミン)ボロンを、工業的に製造
する方法、なかでも高収率でかつ副生物が少ない製造方
法が求められていた。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のト
リフェニル(アルキルアミン)ボロンやトリフェニル
(ロジンアミン)ボロンを製造する方法を、鋭意研究に
努力した結果、工業的に実施が容易で、高収率でかつ副
生物が少ない製造方法を見いだし、本発明を完成させる
に至った。
【0012】すなわち本発明は、「1」:トリフェニル
(ピリジン)ボロンと、一般式(1)
【0013】
【化7】
【0014】(式中、R1は炭素数6〜30の直鎖また
は分岐アルキル基を示す。)で表される脂肪族アミンま
たはロジンアミンとを、不活性溶媒の存在下または無溶
媒下、温度110〜130℃で付加物交換反応により製
造することを特徴とするトリフェニル(アルキルアミ
ン)ボロンまたはトリフェニル(ロジンアミン)ボロン
の製造方法に関する。
【0015】また、「2」:「1」の製造方法であっ
て、トリフェニル(ピリジン)ボロンと、直鎖または分
岐の炭素数8〜18のアルキルアミンまたはロジンアミ
ンとを反応させる製造方法、
【0016】「3」:「1」の製造方法であって、トリ
フェニル(ピリジン)ボロンと、直鎖または分岐の炭素
数8、12、または18のアルキルアミンまたはロジン
アミンとを反応させる製造方法、さらに、
【0017】「4」:トリフェニル(ピリジン)ボロン
と、一般式(1)
【0018】
【化8】
【0019】(式中、R1は炭素数6〜30の直鎖また
は分岐アルキル基を示す。)で表される脂肪族アミンま
たはロジンアミンとの反応モル比が、1:1〜1:1.
5である「1」記載の製造方法、
【0020】「5」:「4」の製造方法であって、トリ
フェニル(ピリジン)ボロンと、直鎖または分岐の炭素
数8〜18のアルキルアミンまたはロジンアミンとを反
応させる製造方法、
【0021】「6」:「4」の製造方法であって、トリ
フェニル(ピリジン)ボロンと、直鎖または分岐の炭素
数8、12、または18のアルキルアミンまたはロジン
アミンとを反応させる製造方法にも関する。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の製造法は、トリフェニル
(ピリジン)ボロンと脂肪族アミンまたはロジンアミン
を、不活性溶媒の存在下または無溶媒下、反応温度11
0〜130℃で副生するピリジンを常圧または減圧下で
系外に除去しながら付加物交換反応により製造する。反
応初期はスラリー状態であるが、付加物交換反応が進行
するにつれて反応物は徐々に溶解し、完結すれば均一な
溶液となる。
【0023】一般式(1)
【0024】
【化9】
【0025】のR1としては、炭素数6〜30の直鎖ま
たは分岐したアルキル基が挙げられる。例えば、ヘキシ
ル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−
エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル
基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペン
タデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタ
デシル基が挙げられる。特に、炭素数8〜18の直鎖ま
たは分岐したアルキル基が好ましく、さらに炭素数8、
12、または18の直鎖または分岐したアルキル基が好
ましく、なかでもn−オクチル基、n−ドデシル基、n
−オクタデシル基がさらに好ましい。
【0026】本発明方法において用いられる一般式
(1)の脂肪族アミン化合物としては、例えば、ヘキシ
ルアミン、イソヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オク
チルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ノニルアミ
ン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミ
ン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデ
シルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミ
ン、オクタデシルアミンなどが挙げられる。特に、炭素
数8〜18の直鎖または分岐したアルキルアミンが好ま
しく、さらに炭素数8、12、または18の直鎖または
分岐したアルキルアミンが好ましく、なかでもn−オク
チルアミン、n−ドデシルアミン、n−オクタデシルア
ミンがさらに好ましい。
【0027】本発明において、トリフェニル(ピリジ
ン)ボロンと脂肪族アミンまたはロジンアミンの反応モ
ル比は、1:1〜1:1.5であり、好ましくは、1:
1.05〜1:1.10で、脂肪族アミンまたはロジン
アミンを小過剰仕込むほうが良い。
【0028】本発明に使用される不活性溶媒としては、
トルエン、キシレンなどが適している。反応を速く進行
させるためには減圧下、溶媒を滴下しながら副生ピリジ
ンを系外に共沸させる方法が望ましい。
【0029】反応温度を110〜130℃で実施するの
は、この温度範囲で反応させると目的とするトリフェニ
ルボロン誘導体が90〜95%と高収率で得られる特徴
がある。
【0030】反応温度が低い場合、例えば90〜100
℃で製造すると、初期付加物交換反応については問題な
く反応が進むが、反応が進むにつれて付加物交換反応が
遅くなり、収率80%程度で反応が停止する。この場
合、分解はほとんど起こらないが反応物中に未反応のト
リフェニル(ピリジン)ボロンが残存する。このトリフ
ェニル(ピリジン)ボロンは、例えばキシレンなどの有
機溶剤にはほとんど溶けず、反応物を加温溶解後、室温
に放置すると、未反応のトリフェニル(ピリジン)ボロ
ンが結晶として析出しするため、工業上の製造方法とし
ては適したものではない。
【0031】また、反応を速める為に温度を高くする
と、例えば140℃〜150℃で反応すると反応時間は
短縮されるが、トリフェニルボロン誘導体が分解し収率
が50〜80%に低下する。
【0032】したがって、不活性溶媒を使用する場合は
110〜130℃で反応を行なうことがよく、無溶媒下
で反応を行なう場合には120〜130℃で行うことが
望ましい。
【0033】本発明に用いるロジンアミンとしては、デ
ヒドロアビエチルアミン、ジヒドロアビエチルアミン、
テトラヒドロアビエチルアミンなどが挙げられる。市販
品のロジンアミンD(山宗化学株式会社製)を用いても
よく、また松の樹幹に傷をつけ取った生松ヤニを水蒸気
蒸留してテルピン油を除いて得られるガムロジン(gu
m rosin)、伐採後10数年経過したあ松の根株
をチップ状にして溶剤抽出しさらに蒸留してテルピン油
を除いたウッドロジン(wood rosin)、ある
いは松剤をクラフト法によってパルプ化する工程で副生
する粗トール油を精密蒸留塔で減圧蒸留したトール油ロ
ジン(Tail oil rosin)などのロジンか
ら公知の反応により製造したものを用いてもよい。
【0034】
【実施例】以下に実施例を示すが、本発明はこれらに限
定されるものではない。
【0035】実施例1 トリフェニル(オクチルアミ
ン)ボロン
【0036】蒸留装置、メカニカルスターラー、温度計
および滴下ロートを備えた1L4口コルベンにトリフェ
ニル(ピリジン)ボロン161.1g(0.5モル、純
度99.7%)、n−オクチルアミン67.9g(0.
53モル)、トルエン250gを入れ、攪拌を開始し
た。この4口コルベンを130℃の油浴に浸けて加熱を
開始した。内温が110℃になると、トルエンおよび副
生するピリジンの留出が始まった。トルエンを入れた滴
下ロートよりトルエンを滴下しながら、115〜120
℃で反応させた。反応物はスラリー状態から徐々に均一
な溶液になった。完全に溶解するまでに8時間を要し
た。溶解後、更に3時間反応後、減圧下にトルエンを留
去すると、融点72〜78℃の白色結晶176.5gが
得られた。赤外吸収スペクトル(以下、IRという。)
により目的化合物であることを確認した。更に、この反
応生成物をメタノールにより再結すると、融点79〜8
0℃の白色結晶が得られ、IRおよび元素分析により、
目的化合物であることを確認した。この精製品を標品と
して、反応生成物を液体クロマトグラフ(以下、HPL
Cという。)で測定分析をすると、純度は96.5%で
あった。純度補正による収率は91.7%であった。
【0037】実施例2 トリフェニル(ドデシルアミ
ン)ボロン
【0038】蒸留装置、メカニカルスターラー、温度計
および滴下ロートを備えた1L4口コルベンにトリフェ
ニル(ピリジン)ボロン161.1g(0.5モル、純
度99.7%)、ドデシルアミン97.3g(0.53
モル)、キシレン40gを入れ攪拌を開始した。コルベ
ン内を300mmHgに設定した。この4口コルベンを
120℃の油浴に浸け加熱を開始した。温度が108℃
になると、キシレンおよび副生するピリジンの留出が始
まった。温度110℃でキシレン、ピリジンを留出させ
ながら、約2時間30分を要して圧力を徐々に下げて6
0mmHgにした。滴下ロートよりキシレンを滴下しな
がら6時間反応すると反応物はスラリー状態から徐々に
均一な溶液となり、完全に溶解した。更に3時間反応さ
せて、キシレンを減圧下留去すると、融点52〜60℃
の白色結晶210gが得られた。IRにより目的化合物
であることを確認した。更に、この反応生成物をメタノ
ールにより再結すると、融点60.5〜61.5℃の白
色結晶が得られIRおよび元素分析により目的化合物で
あることを確認した。この精製品を標品として、反応物
の純度をHPLCで測定分析すると93%であった。純
度補正による収率は91.1%であった。
【0039】実施例3 トリフェニル(ロジンアミン)
ボロン
【0040】蒸留装置、メカニカルスターラー、温度計
および滴下ロートを備えた1L4口コルベンにトリフェ
ニル(ピリジン)ボロン161.1g(0.5モル、9
9.7%)、ロジンアミン166.5g(0.53モ
ル、純度90%)を入れ攪拌を開始。このコルベンを1
40℃の油浴に浸け加熱を開始した。コルベン内を60
mmHgに設定した。70℃になると副生するピリジン
の留出が始まった。2時間を要して内温を徐々に上げて
130℃にし、ピリジンの留出が止まるまで13時間反
応の後、滴下ロートよりキシレン50gを10分間を要
して滴下し反応を完結させるとアメ状物質280gが得
られた。IRにより目的化合物であることを確認した。
更に、反応物をメタノールで再結すると黄色アメ状物質
が得られIRおよび元素分析により目的化合物であるこ
とを確認した。この精製品を標品として反応物の純度を
HPLCで測定分析すると85%であった。純度補正に
よる収率は92.4%であった。
【0041】実施例4 トリフェニル(オクタデシルア
ミン)ボロン
【0042】蒸留装置、メカニカルスターラー、温度計
および滴下ロートを備えた1L4口コルベンにトリフェ
ニル(ピリジン)ボロン161.1g(0.5モル、純
度99.7%)、オクタデシルアミン142.8g
(0.53モル)、キシレン40gを入れて攪拌を開始
した。このコルベンを130℃の油浴に浸けて加熱を開
始。コルベン内を300mmHgに設定した。温度が1
08℃になるとキシレン、ピリジンの留出が始まった。
約30分間で温度を125℃に上げ、同温度下で約2時
間を要して圧力を徐々に下げて60mmHgにした。滴
下ロートよりキシレンを滴下しながら1時間反応後、3
0分間で圧力を30mmHgにした。1時間後には内容
物は溶解した。更に3時間反応後、キシレンの滴下を止
め、減圧下に溶媒を留去すると、融点51〜59℃の白
色結晶253gが得られた。IRにより目的化合物であ
ることを確認した。更に、反応物をメタノールで再結す
ると、融点54〜60℃の白色結晶が得られた。IRお
よび元素分析により目的化合物であることを確認した。
この精製品を標品として反応物の純度をHPLCにより
測定分析すると96%であった。純度補正による収率は
95%であった。
【0043】比較例1 反応温度140℃での実施例4
化合物の製造 実施例4の製造を反応温度140℃で実施すると、反応
時間は2時間短縮できるが、得られた結晶は238gで
この純度はHPLCで78%であった。純度補正による
収率は72.5%であった。
【0044】比較例2 反応温度150℃での実施例4
化合物の製造 実施例4の製造を反応温度150℃で実施すると、反応
時間は3時間短縮できるが、得られた結晶は210gで
この純度はHPLCで62.5%であった。純度補正に
よる収率は51.3%であった。
【0045】比較例3 反応温度90〜100℃での実
施例4化合物の製造 実施例4の製造を反応温度90〜100℃で実施する
と、反応時間は10時間長くなった。この反応物をHP
LCで分析定量し、収率を求めると、80%であった。
更に、反応を2時間継続したが、反応はこれ以上進まな
かった。この反応物にキシレン700gを加えて、90
〜100℃に加温し、溶解後、室温(20℃)に数日間
放置すると、結晶が析出した。この結晶を濾過し、IR
で確認したところ、未反応のトリフェニル(ピリジン)
ボロンであった。
【0046】
【発明の効果】本発明の方法により、トリフェニル(ピ
リジン)ボロンを原料として、トリフェニル(アルキル
アミン)ボロンやトリフェニル(ロジンアミン)ボロン
を工業的に高収率で容易に製造することが出来る。本発
明により製造されたトリフェニル(アルキルアミン)ボ
ロンやトリフェニル(ロジンアミン)ボロンは、漁網防
汚剤、船底塗料などとして、有用な化合物である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トリフェニル(ピリジン)ボロンと、一
    般式(1) 【化1】 (式中、R1は炭素数6〜30の直鎖または分岐アルキ
    ル基を示す。)で表される脂肪族アミンまたはロジンア
    ミンとを、不活性溶媒の存在下または無溶媒下、温度1
    10〜130℃で付加物交換反応により製造することを
    特徴とするトリフェニル(アルキルアミン)ボロンまた
    はトリフェニル(ロジンアミン)ボロンの製造方法。
  2. 【請求項2】 脂肪族アミンが一般式(2) 【化2】 (式中、R2は炭素数8〜18の直鎖または分岐アルキ
    ル基を示す。)である請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 脂肪族アミンが一般式(3) 【化3】 (式中、R3は炭素数8、12、または18の直鎖また
    は分岐アルキル基を示す。)である請求項1記載の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 トリフェニル(ピリジン)ボロンと、一
    般式(1) 【化4】 (式中、R1は炭素数6〜30の直鎖または分岐アルキ
    ル基を示す。)で表される脂肪族アミンまたはロジンア
    ミンとの反応モル比が、1:1〜1:1.5である請求
    項1記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 脂肪族アミンが一般式(2) 【化5】 (式中、R2は炭素数8〜18の直鎖または分岐アルキ
    ル基を示す。)である請求項4記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 脂肪族アミンが一般式(3) 【化6】 (式中、R3は炭素数8、12、または18の直鎖また
    は分岐アルキル基を示す。)である請求項4記載の製造
    方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008155414A1 (en) 2007-06-21 2008-12-24 Ppg B.V. Antifouling coating, resin composition and methods of production thereof
EP2199349A1 (en) 2008-12-19 2010-06-23 Ppg B.V. Resin composition, antifouling coating comprising barnacle antifoulant and processes of production thereof
JP2011102251A (ja) * 2009-11-10 2011-05-26 Hitachi Chem Co Ltd トリアリールボラン錯体の製造方法

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