JP6622622B2 - 1−(3−ヒドロキシメチルピリジル−2−)−2−フェニル−4−メチルピペラジンの製造方法 - Google Patents
1−(3−ヒドロキシメチルピリジル−2−)−2−フェニル−4−メチルピペラジンの製造方法 Download PDFInfo
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Description
従って、ミルタザピンの重要中間体であるピリジンメタノール化合物を取得する製法において、反応終了後のクエンチ操作において、水酸化アルミニウムの不溶物が生成することなく、分液操作にて簡便にピリジンメタノール化合物を分離でき、且つ過剰還元体の生成も少ないピリジンメタノール化合物の製法の開発が求められている。
下記式(1)
ピリジンカルボン酸化合物を還元してピリジンメタノール化合物とする方法としては、特許文献1又は2等に記載されている公知の方法を用いることができる。具体的にはピリジンカルボン酸化合物を含む有機溶媒中にアルミニウム系金属還元剤を添加し還元する。
ピリジンメタノール化合物を得るための還元反応は、反応溶液をクエンチ溶液に加えて、反応溶液中に残っているアルミニウム系金属還元剤をクエンチすることで終了させる。
クエンチ溶液の量は特に限定されないが、水酸化アルミニウム化合物と複合体を形成する化合物の量が、使用したアルミニウム系金属還元剤1モルに対し、0.5〜5モルとなる量が好ましく、0.5〜2モルとなる量がより好ましく、0.5〜1モルとなる量が特に好ましい。
得られたピリジンメタノール化合物の粗体は、公知の方法、例えば特許文献1に記載の結晶化方法にて、ピリジンメタノール化合物を精製することができる。
製造したピリジンメタノール化合物の純度は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定した。HPLC測定に使用した装置、測定の条件は、下記の装置、条件を採用した。
検出器:紫外吸光光度計(ウォーターズ2489)
検出波長:240nm
カラム:内径4.6mm、長さ25cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリカゲルが充填されたもの。
移動相及び送液方法:以下に示す移動相A及びBを用い、試料注入後の経過時間に従い、両者の混合比を下記表1に示す様に制御し、送液した。
移動相A:ペンタンスルホン酸ナトリウム3gを水3000mLに溶解し、トリエチルアミン9mLを加えた後、リン酸を加えてpH2.5とした。
移動相B:ペンタンスルホン酸ナトリウム3gを水900mLに溶解し、トリエチルアミン9mLを加えた後、リン酸を加えてpH2.5とした。これにアセトニトリル1050mL及びメタノール1050mLを加えた。
流量:毎分1.5mL
カラム温度:40℃付近の一定温度
撹拌翼、温度計を取り付けた1Lの三口フラスコ中でピリジンカルボン酸化合物60g、(201.8mmol)をテトラヒドロフラン270mLに懸濁し、10℃に冷却した。窒素気流下にて水素化アルミニウムリチウム15.3g(403.6mmol)を加えた後、40℃で5時間反応させた。反応終了後、反応溶液を10℃に冷却し、該反応溶液を10℃に冷却した35質量%ロッシェル塩水溶液275mLに撹拌しながら5分間で加えた。この時の混合溶液の温度は15℃であった。また、水酸化アルミニウムの沈殿は確認されなかった。その後、10分間撹拌し、有機層と水層を分液した。有機層を減圧濃縮し、ピリジンメタノール化合物を残渣として得た。該残渣にジエチルエーテル240mLを加えて室温で30分間撹拌し、結晶化したピリジンメタノール化合物を得た。結晶をろ過後、40℃で5時間減圧乾燥し、ピリジンメタノール化合物50gを得た。(収率88%、純度99.2%、過剰還元体の量0.2%)。
撹拌翼、温度計を取り付けた1Lの三口フラスコ中でピリジンカルボン酸化合物60g、(201.8mmol)をテトラヒドロフラン270mLに懸濁し、10℃に冷却した。窒素気流下にて70%水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムのトルエン溶液240g(706.2mmol)を滴下した後、40℃で5時間反応させた。反応終了後、反応溶液を10℃に冷却し、該反応溶液を10℃に冷却した35質量%ロッシェル塩水溶液275mLに撹拌しながら5分間で加えた。この時の混合溶液の温度は15℃であった。また、水酸化アルミニウムの沈殿は確認されなかった。その後、10分間撹拌し、有機層と水層を分液した。有機層を減圧濃縮し、ピリジンメタノール化合物を残渣として得た。該残渣にジエチルエーテル240mLを加えて室温で30分間撹拌し、結晶化したピリジンメタノール化合物を得た。結晶をろ過後、40℃で5時間減圧乾燥し、ピリジンメタノール化合物51gを得た。(収率89%、純度99.3%、過剰還元体の量0.2%)。
撹拌翼、温度計を取り付けた1Lの三口フラスコ中でピリジンカルボン酸化合物60g、(201.8mmol)をテトラヒドロフラン270mLに懸濁し、10℃に冷却した。窒素気流下にて水素化アルミニウムリチウム15.3g(403.6mmol)を加えた後、40℃で5時間反応させた。反応終了後、反応溶液を10℃に冷却し、該反応溶液へ10℃に冷却した35質量%ロッシェル塩水溶液275mLを撹拌しながら30分間かけて加えた。滴下途中、水酸化アルミニウムが固形物として大量に析出してきたが、撹拌を1時間継続し、固形物を溶解させた後、有機層と水層を分液した。有機層を減圧濃縮し、ピリジンメタノール化合物を残渣として得た。該残渣にジエチルエーテル240mLを加えて結晶化した。結晶をろ過後、40℃で5時間減圧乾燥し、ピリジンメタノール化合物50gを得た。(収率88%、純度98.3%、過剰還元体の量0.8%)。
撹拌翼、温度計を取り付けた1Lの三口フラスコ中でピリジンカルボン酸化合物60g、(201.8mmol)をテトラヒドロフラン270mLに懸濁し、10℃に冷却した。窒素気流下にて70%水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムのトルエン溶液240g(706.2mmol)を滴下した後、40℃で5時間反応させた。反応終了後、反応溶液を10℃に冷却し、該反応溶液へ10℃に冷却した35質量%ロッシェル塩水溶液275mLを撹拌しながら30分間かけて加えた。滴下途中、水酸化アルミニウムが固形物として大量に析出してきたが、撹拌を1時間継続し、固形物を溶解させた後、有機層と水層を分液した。有機層を減圧濃縮し、ピリジンメタノール化合物を残渣として得た。該残渣にジエチルエーテル240mLを加えて結晶化した。結晶をろ過後、40℃で5時間減圧乾燥し、ピリジンメタノール化合物50gを得た。(収率88%、純度98.4%、過剰還元体の量0.8%)。
撹拌翼、温度計を取り付けた1Lの三口フラスコ中でピリジンカルボン酸化合物60g、(201.8mmol)をテトラヒドロフラン270mLに懸濁し、10℃に冷却した。窒素気流下にて水素化アルミニウムリチウム15.3g(403.6mmol)を加えた後、40℃で5時間反応させた。反応終了後、反応溶液を10℃に冷却し、該反応溶液へ10℃に冷却した35質量%ロッシェル塩水溶液275mLを撹拌しながら5分間で加えた。滴下途中、反応溶液が入ったフラスコより、大量の水素が発生し、反応容器より反応溶液があふれ出した。また、水酸化アルミニウムが固形物として大量に析出してきたが、撹拌を1時間継続し、固形物を溶解させた後、有機層と水層を分液した。有機層を減圧濃縮し、ピリジンメタノール化合物を残渣として得た。該残渣にジエチルエーテル240mLを加えて結晶化した。結晶をろ過後、40℃で5時間減圧乾燥し、ピリジンメタノール化合物22gを得た。(収率39%、純度98.2%、過剰還元体の量0.8%)
撹拌翼、温度計を取り付けた1Lの三口フラスコ中でピリジンカルボン酸化合物60g、(201.8mmol)をテトラヒドロフラン270mLに懸濁し、10℃に冷却した。窒素気流下にて水素化アルミニウムリチウム15.3g(403.6mmol)を加えた後、40℃で5時間反応させた。反応終了後、反応溶液を10℃に冷却し、該反応溶液へ10℃に冷却した水275mLを撹拌しながら30分間かけて加えた。滴下途中、水酸化アルミニウムが固形物として大量に析出したため、撹拌翼に負荷がかかり、撹拌は困難であった。水滴下終了後、撹拌を10分間継続し、固形物をろ過した後、該固形物をテトラヒドロフラン200mLで洗浄しろ液と合わせ、有機層と水層とに分液した。有機層を減圧濃縮し、ピリジンメタノール化合物を残渣として得た。該残渣にジエチルエーテル240mLを加えて結晶化した。結晶をろ過後、40℃で5時間減圧乾燥し、ピリジンメタノール化合物41gを得た。(収率72%、純度98.3%、過剰還元体の量0.9%)
Claims (4)
- 前記アルミニウムと錯体を形成する化合物として、酒石酸塩を用いることを特徴とする請求項1記載のピリジンメタノール化合物の製造方法。
- ピリジンメタノール化合物を含む反応溶液とアルミニウムと錯体を形成する化合物を含む水溶液との混合溶液の温度を45℃以下に保つことを特徴とする請求項1記載のピリジンメタノール化合物の製造方法。
- アルミニウム系金属還元剤として、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム又は水素化アルミニウムリチウムを用いることを特徴とする請求項1記載のピリジンメタノール化合物の製造方法。
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