JP6622622B2 - 1−(3−ヒドロキシメチルピリジル−2−)−2−フェニル−4−メチルピペラジンの製造方法 - Google Patents

1−(3−ヒドロキシメチルピリジル−2−)−2−フェニル−4−メチルピペラジンの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、1−(3−ヒドロキシメチルピリジル−2−)−2−フェニル−4−メチルピペラジンの新規な製造方法に関する。
下記式(1)で示される1−(3−ヒドロキシメチルピリジル−2−)−2−フェニル−4−メチルピペラジン(以下、「ピリジンメタノール化合物」ともいう。)は医薬品の重要な中間体である。
Figure 0006622622
特に、抗精神薬として用いられているミルタザピン、即ち、下記式(2)で示される(14bRS)−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−2−メチルピラジノ[2,1−a]ピリド[2,3−c][2]ベンザゼピン(以下、「ミルタザピン」ともいう。)の有用な中間体である。
Figure 0006622622
従来、ピリジンメタノール化合物は、下記式(3)で示される1−(3−カルボキシピリジル−2−)−2−フェニル−4−メチルピペラジン(以下、「ピリジンカルボン酸化合物」ともいう。)のカルボン酸を還元剤存在下で水酸基に変換後、後処理操作を行い、次いで、再結晶操作により精製し製造されている。
Figure 0006622622
例えば、特許文献1には、ピリジンカルボン酸化合物を水素化アルミニウムリチウムにて還元し、反応終了後に反応溶液に水を添加してクエンチし、生成した無機塩をろ過し、濾液を濃縮、最後にエーテルによる晶析によりピリジンメタノール化合物を取得する方法が述べられている。
また、特許文献2には、ピリジンカルボン酸化合物のカリウム塩をTHF中、水素化アルミニウムリチウムにて還元し、反応終了後に反応溶液に水を添加してクエンチし、アルカリ水溶液で中和し、中和により生じた塩をろ過後、THFを留去する。これにヘプタンを48℃付近で加えて結晶を析出させ、0〜5℃で1時間冷却、ろ過し、ピリジンメタノール化合物を取得する方法が述べられている。
特公昭59−42678号公報 特許第3930736号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載の方法について、本発明者等が追試実験を実施した結果、還元反応終了後に、アルミニウム系金属還元剤をクエンチするために、水を添加した際に、反応系中に水酸化アルミニウムの不溶物が多量に生成し、撹拌翼に負荷がかかり、撹拌を継続するのが困難であった。また、該不溶物は水へ溶解することはなく、簡便な分液操作によるピリジンメタノール化合物と該不溶物の除去を実施することが困難であり、そのため、操作としては煩雑なろ過操作による分離をおこなう必要があるという欠点があることを確認した。加えて、特許文献1及び特許文献2に記載の方法では、水を多量に加えると一度に多量の水素が発生し、反応釜より反応溶液があふれ出すことを確認した。この現象を防ぐために、水の滴下をゆっくりとした場合、クエンチに時間を要し、結果として、下記式(4)で示される過剰還元体を多く含有する純度の低いピリジンメタノール化合物が生成するという欠点も有することを確認した。
Figure 0006622622

従って、ミルタザピンの重要中間体であるピリジンメタノール化合物を取得する製法において、反応終了後のクエンチ操作において、水酸化アルミニウムの不溶物が生成することなく、分液操作にて簡便にピリジンメタノール化合物を分離でき、且つ過剰還元体の生成も少ないピリジンメタノール化合物の製法の開発が求められている。
本発明は、前記従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、ピリジンカルボン酸化合物からピリジンメタノール化合物をクエンチ操作時に水酸化アルミニウムを析出させること無く、短時間でクエンチ操作を終了し、その後、簡便な分液操作にて、過剰還元体の含有量が少ないピリジンメタノール化合物を取得する製造方法を提供することを目的とする。
一般的にアルミニウム系金属還元剤の反応終了時の後処理方法としては、分液によってアルミニウム系金属還元剤を除去する方法が知られている。すなわち、反応溶液に酒石酸塩を含有する水溶液を加えて撹拌することで、アルミニウム系金属還元剤を水酸化アルミニウムへ変換した後、酒石酸塩とアルミニウムとの水溶性の錯体を形成させ、該錯体を水層に溶解し、分液操作により水層を除去する方法が知られている。しかしながら、本発明者らが特許文献2に記載の還元反応をおこない、水の代わりにロッシェル塩を含有する水溶液を用いてクエンチ操作を実施したところ、ロッシェル塩を含有する水溶液の添加途中で水酸化アルミニウムが大きな玉状の固形物として析出することが確認され、撹拌翼に負荷がかかり、撹拌に困難を生じた。その後、無理に撹拌を続けることで水酸化アルミニウムが錯体となり溶解し、該錯体を含有する水層を分液操作にて除去することができた。またこの時、クエンチ操作を早く終了させるために、ロッシェル塩を含有する水溶液の添加速度を速めたところ、クエンチ時の水素発生により反応釜から反応溶液があふれ出すことを確認した。この現象を防ぐために、ロッシェル塩を含有する水溶液の滴下をゆっくりとした場合、結果として前述の式(4)で示される過剰還元体が生成し、取得したピリジンメタノール化合物は純度の低いものであった。
このように、水の代わりにロッシェル塩等のアルミニウムと錯体を形成する化合物を含有する水溶液を用いても、課題を解決することはできなかった。しかし本発明者らは、上記課題を解決するために、さらに鋭意研究を重ねた結果、水の代わりにアルミニウムと錯体を形成する化合物を含有する水溶液(以下クエンチ溶液とも言う。)を用い、且つ反応溶液をクエンチ溶液に加えてクエンチすることで上記課題を解決できることを見出した。反応溶液をクエンチ溶液中に加えることで、水酸化アルミニウムの析出を抑制しながら、短時間でクエンチ操作を終了し、その後、分液操作にて、純度の高いピリジンメタノール化合物を取得できる。クエンチ操作時における水酸化アルミニウムの析出抑制の機構については明らかではないが、アルミニウム系金属還元剤を含む反応溶液にクエンチ溶液を加えた場合は、添加途中で水酸化アルミニウムの析出が確認されたが、クエンチ溶液にアルミニウム系金属還元剤を含む反応溶液を加えた場合は、水酸化アルミニウムの析出が確認されなかったことから、クエンチ操作時、アルミニウムと錯体を形成する化合物及び水がアルミニウム系金属還元剤に対し、過剰に存在する状況下では、クエンチにより水酸化アルミニウムが生成すると瞬時にアルミニウムと錯体を形成する化合物が錯体を形成し、水に溶解することで、クエンチ溶液添加途中での水酸化アルミニウムの析出を抑制しているものと推測する。また、過剰還元体の少ないピリジンメタノール化合物が得られることについては、速やかにクエンチ操作が終了し、該操作に要する時間を短縮でき、還元剤であるアルミニウム系金属還元剤を含む反応溶液をクエンチ溶液に加えた場合と比較して、過剰還元体の少ないピリジンメタノール化合物が得られたものと推測する。
すなわち、本発明は、下記式(3)
Figure 0006622622
で表わされるピリジンカルボン酸化合物を、アルミニウム系金属還元剤を用いて還元する、下記式(1)
Figure 0006622622
で表わされるピリジンメタノール化合物の製造方法において、還元後のピリジンメタノール化合物を含む反応溶液を、アルミニウムと錯体を形成する化合物を含有する水溶液に加えることを特徴とするピリジンメタノール化合物の製造方法である。
本発明によれば、アルミニウム系金属還元剤を用いた、ピリジンメタノール化合物を取得する還元反応において、特許文献1及び2に記載の方法で析出する水酸化アルミニウムを抑制することができる。さらに、特許文献1及び2に記載のクエンチ方法よりも短時間でクエンチ操作を終了させることが可能であり、水素の発生による反応溶液のあふれ出しを防止することが可能であるうえ、過剰還元体の含有量が少ないピリジンメタノール化合物を取得できる。
本発明は、ピリジンカルボン酸化合物を還元してピリジンメタノール化合物を得る還元反応において、クエンチ溶液に、還元剤であるアルミニウム系金属還元剤を含む反応溶液を加え、分液操作にて過剰還元体の含有量が少ないピリジンメタノール化合物を取得することを特徴とするピリジンメタノール化合物の製造方法である。
<ピリジンカルボン酸化合物>
下記式(1)
Figure 0006622622
で表わされるピリジンメタノール化合物は、下記式(3)
Figure 0006622622
で表わされるピリジンカルボン酸化合物を出発物質として使用し、有機溶媒中、還元剤によりカルボキシル基をヒドロキシル基へ変換することで得ることができる。
ピリジンメタノール化合物を得るための出発物質であるピリジンカルボン酸化合物は公知の化合物であり、例えば、前述の特許文献1等に記載されている方法で製造することができる。具体的には、下記式(5)
Figure 0006622622
で表わされるピリジンシアノ化合物を、水酸化カリウムを含むエタノール溶液中で反応させることにより製造することができる。
<ピリジンカルボン酸化合物の還元>
ピリジンカルボン酸化合物を還元してピリジンメタノール化合物とする方法としては、特許文献1又は2等に記載されている公知の方法を用いることができる。具体的にはピリジンカルボン酸化合物を含む有機溶媒中にアルミニウム系金属還元剤を添加し還元する。
ピリジンカルボン酸化合物を還元するためのアルミニウム系金属還元剤としては、目的の反応を進行させるものであれば、公知のアルミニウム系金属還元剤を制限無く使用することができる。例えば、水素化アルミニウムリチウム、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムがあげられる。これらの還元剤の中では、大量合成時の取扱い易さの観点より、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムが好ましい。
アルミニウム系金属還元剤の量は、反応を速やかに進行させるために、ピリジンカルボン酸化合物1モルに対して0.2〜20モルとするのが好ましく、0.5〜10モルとするのがより好ましく、1〜5モルとするのが特に好ましい。
反応温度は、特に限定されないが、反応を速やかに進行させるために、10〜50℃が好ましく、15〜45℃がより好ましく、20〜40℃が特に好ましい。
反応時間は、液体クロマトグラフィー等によりピリジンメタノール化合物の生成割合を確認して決定すれば良い。用いる還元剤の当量数、反応温度等により反応性が異なるため、一概に言うことはできないが、通常、0.5〜10時間、特に1〜6時間とするのが好適である。
有機溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、トルエン、これらの混合溶媒の使用が好適である。
有機溶媒の量は、特に限定はないが、ピリジンカルボン酸化合物1質量部に対して1〜1000質量部とするのが好ましく、2〜100質量部とするのがより好ましく、3〜50質量部とするのが特に好ましい。
<後処理>
ピリジンメタノール化合物を得るための還元反応は、反応溶液をクエンチ溶液に加えて、反応溶液中に残っているアルミニウム系金属還元剤をクエンチすることで終了させる。
クエンチ溶液に用いるアルミニウムと錯体を形成する化合物は、形成された複合体が水溶性で水に溶解させられるものであれば際限なく使用することができる。例えば、クエン酸、酒石酸、酒石酸塩、グルコン酸、乳酸、グリコール酸、α―ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシマロン酸、α―メチルリンゴ酸、ジヒドロキシ酒石酸、ヒドロキシフタル酸、β―レゾルシル酸、γ―レゾルシル酸、トリヒドロキシ安息香酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)があげられる。これらの中では、汎用性の点から酒石酸塩が好ましく、酒石酸塩としては酒石酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム2水和物、酒石酸ナトリウムカリウム、酒石酸ナトリウムカリウム4水和物(ロッシェル塩)が挙げられる。
クエンチ溶液の濃度は、特に限定されるものではないが、複合体がクエンチ溶液から析出しなければ良く、5質量%〜60質量%が好ましく、5質量%〜50質量%がより好ましく、5質量%〜40質量%が特に好ましい。
クエンチ溶液の量は特に限定されないが、水酸化アルミニウム化合物と複合体を形成する化合物の量が、使用したアルミニウム系金属還元剤1モルに対し、0.5〜5モルとなる量が好ましく、0.5〜2モルとなる量がより好ましく、0.5〜1モルとなる量が特に好ましい。
本発明においては、ピリジンメタノール化合物を含む反応溶液をクエンチ溶液に加えるが、反応溶液は、クエンチ溶液に加える前に冷却することが好ましい。反応溶液の冷却温度としては、クエンチ時の反応熱による温度上昇を抑える目的から、5℃〜20℃が好ましく、5℃〜15℃がより好ましく、5℃〜10℃が特に好ましい。クエンチ溶液の冷却温度としては、クエンチ時の反応熱による温度上昇を抑える目的から、5℃〜20℃が好ましく、5℃〜15℃がより好ましく、5℃〜10℃が特に好ましい。
クエンチ時に生成する固体の水酸化アルミニウム化合物を分散させ、複合体を形成させて、速やかにクエンチ溶液に溶解させる目的から反応溶液は、クエンチ溶液を撹拌しながら加えるのが好ましい。
クエンチ操作時のピリジンメタノール化合物を含む反応溶液とクエンチ溶液との混合液の温度は特に限定されないが、クエンチ操作を短時間で終了させ、過剰還元体の生成量を抑制する観点から、5℃〜50℃にすることが好ましく、5℃〜45℃にすることがより好ましく、5℃〜40℃にすることが特に好ましい。
反応溶液を加え終わった後、前述の反応溶液とクエンチ溶液との混合液を撹拌する。撹拌時間は生成した水酸化アルミニウム化合物が水溶性の複合体を形成するために、5分〜1時間撹拌するのが好ましく、5から40分間撹拌することが、より好ましく、5〜20分間撹拌することが特に好ましい。その後、30分間静置し、分液により水相と有機相を分離する。得られた有機層を濃縮し、ピリジンメタノール化合物の粗体を得ることができる。
<結晶化工程>
得られたピリジンメタノール化合物の粗体は、公知の方法、例えば特許文献1に記載の結晶化方法にて、ピリジンメタノール化合物を精製することができる。
かくして、ピリジンメタノール化合物を取得する製法において、反応終了後のクエンチ操作において、水酸化アルミニウム化合物の不溶物が生成することなく、分液操作にて簡便にピリジンメタノール化合物を分離でき、且つ過剰還元体の生成も少ないピリジンメタノール化合物を取得することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何等制限されることはない。なお、実施例及び比較例おける各種測定及び評価方法は以下のとおりである。
(ピリジンメタノール化合物の純度の測定方法)
製造したピリジンメタノール化合物の純度は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定した。HPLC測定に使用した装置、測定の条件は、下記の装置、条件を採用した。
装置:ウォーターズ社製2695
検出器:紫外吸光光度計(ウォーターズ2489)
検出波長:240nm
カラム:内径4.6mm、長さ25cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリカゲルが充填されたもの。
移動相及び送液方法:以下に示す移動相A及びBを用い、試料注入後の経過時間に従い、両者の混合比を下記表1に示す様に制御し、送液した。
移動相A:ペンタンスルホン酸ナトリウム3gを水3000mLに溶解し、トリエチルアミン9mLを加えた後、リン酸を加えてpH2.5とした。
移動相B:ペンタンスルホン酸ナトリウム3gを水900mLに溶解し、トリエチルアミン9mLを加えた後、リン酸を加えてpH2.5とした。これにアセトニトリル1050mL及びメタノール1050mLを加えた。
流量:毎分1.5mL
カラム温度:40℃付近の一定温度
Figure 0006622622
実施例1(ピリジンメタノール化合物の製造)
撹拌翼、温度計を取り付けた1Lの三口フラスコ中でピリジンカルボン酸化合物60g、(201.8mmol)をテトラヒドロフラン270mLに懸濁し、10℃に冷却した。窒素気流下にて水素化アルミニウムリチウム15.3g(403.6mmol)を加えた後、40℃で5時間反応させた。反応終了後、反応溶液を10℃に冷却し、該反応溶液を10℃に冷却した35質量%ロッシェル塩水溶液275mLに撹拌しながら5分間で加えた。この時の混合溶液の温度は15℃であった。また、水酸化アルミニウムの沈殿は確認されなかった。その後、10分間撹拌し、有機層と水層を分液した。有機層を減圧濃縮し、ピリジンメタノール化合物を残渣として得た。該残渣にジエチルエーテル240mLを加えて室温で30分間撹拌し、結晶化したピリジンメタノール化合物を得た。結晶をろ過後、40℃で5時間減圧乾燥し、ピリジンメタノール化合物50gを得た。(収率88%、純度99.2%、過剰還元体の量0.2%)。
実施例2(ピリジンメタノール化合物の製造)
撹拌翼、温度計を取り付けた1Lの三口フラスコ中でピリジンカルボン酸化合物60g、(201.8mmol)をテトラヒドロフラン270mLに懸濁し、10℃に冷却した。窒素気流下にて70%水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムのトルエン溶液240g(706.2mmol)を滴下した後、40℃で5時間反応させた。反応終了後、反応溶液を10℃に冷却し、該反応溶液を10℃に冷却した35質量%ロッシェル塩水溶液275mLに撹拌しながら5分間で加えた。この時の混合溶液の温度は15℃であった。また、水酸化アルミニウムの沈殿は確認されなかった。その後、10分間撹拌し、有機層と水層を分液した。有機層を減圧濃縮し、ピリジンメタノール化合物を残渣として得た。該残渣にジエチルエーテル240mLを加えて室温で30分間撹拌し、結晶化したピリジンメタノール化合物を得た。結晶をろ過後、40℃で5時間減圧乾燥し、ピリジンメタノール化合物51gを得た。(収率89%、純度99.3%、過剰還元体の量0.2%)。
比較例1(ピリジンメタノール化合物の製造)
撹拌翼、温度計を取り付けた1Lの三口フラスコ中でピリジンカルボン酸化合物60g、(201.8mmol)をテトラヒドロフラン270mLに懸濁し、10℃に冷却した。窒素気流下にて水素化アルミニウムリチウム15.3g(403.6mmol)を加えた後、40℃で5時間反応させた。反応終了後、反応溶液を10℃に冷却し、該反応溶液へ10℃に冷却した35質量%ロッシェル塩水溶液275mLを撹拌しながら30分間かけて加えた。滴下途中、水酸化アルミニウムが固形物として大量に析出してきたが、撹拌を1時間継続し、固形物を溶解させた後、有機層と水層を分液した。有機層を減圧濃縮し、ピリジンメタノール化合物を残渣として得た。該残渣にジエチルエーテル240mLを加えて結晶化した。結晶をろ過後、40℃で5時間減圧乾燥し、ピリジンメタノール化合物50gを得た。(収率88%、純度98.3%、過剰還元体の量0.8%)。
比較例2(ピリジンメタノール化合物の製造)
撹拌翼、温度計を取り付けた1Lの三口フラスコ中でピリジンカルボン酸化合物60g、(201.8mmol)をテトラヒドロフラン270mLに懸濁し、10℃に冷却した。窒素気流下にて70%水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムのトルエン溶液240g(706.2mmol)を滴下した後、40℃で5時間反応させた。反応終了後、反応溶液を10℃に冷却し、該反応溶液へ10℃に冷却した35質量%ロッシェル塩水溶液275mLを撹拌しながら30分間かけて加えた。滴下途中、水酸化アルミニウムが固形物として大量に析出してきたが、撹拌を1時間継続し、固形物を溶解させた後、有機層と水層を分液した。有機層を減圧濃縮し、ピリジンメタノール化合物を残渣として得た。該残渣にジエチルエーテル240mLを加えて結晶化した。結晶をろ過後、40℃で5時間減圧乾燥し、ピリジンメタノール化合物50gを得た。(収率88%、純度98.4%、過剰還元体の量0.8%)。
比較例3(ピリジンメタノール化合物の製造)
撹拌翼、温度計を取り付けた1Lの三口フラスコ中でピリジンカルボン酸化合物60g、(201.8mmol)をテトラヒドロフラン270mLに懸濁し、10℃に冷却した。窒素気流下にて水素化アルミニウムリチウム15.3g(403.6mmol)を加えた後、40℃で5時間反応させた。反応終了後、反応溶液を10℃に冷却し、該反応溶液へ10℃に冷却した35質量%ロッシェル塩水溶液275mLを撹拌しながら5分間で加えた。滴下途中、反応溶液が入ったフラスコより、大量の水素が発生し、反応容器より反応溶液があふれ出した。また、水酸化アルミニウムが固形物として大量に析出してきたが、撹拌を1時間継続し、固形物を溶解させた後、有機層と水層を分液した。有機層を減圧濃縮し、ピリジンメタノール化合物を残渣として得た。該残渣にジエチルエーテル240mLを加えて結晶化した。結晶をろ過後、40℃で5時間減圧乾燥し、ピリジンメタノール化合物22gを得た。(収率39%、純度98.2%、過剰還元体の量0.8%)
比較例4(ピリジンメタノール化合物の製造)
撹拌翼、温度計を取り付けた1Lの三口フラスコ中でピリジンカルボン酸化合物60g、(201.8mmol)をテトラヒドロフラン270mLに懸濁し、10℃に冷却した。窒素気流下にて水素化アルミニウムリチウム15.3g(403.6mmol)を加えた後、40℃で5時間反応させた。反応終了後、反応溶液を10℃に冷却し、該反応溶液へ10℃に冷却した水275mLを撹拌しながら30分間かけて加えた。滴下途中、水酸化アルミニウムが固形物として大量に析出したため、撹拌翼に負荷がかかり、撹拌は困難であった。水滴下終了後、撹拌を10分間継続し、固形物をろ過した後、該固形物をテトラヒドロフラン200mLで洗浄しろ液と合わせ、有機層と水層とに分液した。有機層を減圧濃縮し、ピリジンメタノール化合物を残渣として得た。該残渣にジエチルエーテル240mLを加えて結晶化した。結晶をろ過後、40℃で5時間減圧乾燥し、ピリジンメタノール化合物41gを得た。(収率72%、純度98.3%、過剰還元体の量0.9%)

Claims (4)

  1. 下記式(3)
    Figure 0006622622

    で表わされるピリジンカルボン酸化合物を、アルミニウム系金属還元剤を用いて還元する、下記式(1)
    Figure 0006622622
    で表わされるピリジンメタノール化合物の製造方法において、還元後のピリジンメタノール化合物を含む反応溶液を、アルミニウムと錯体を形成する化合物を含有する水溶液に加えることを特徴とするピリジンメタノール化合物の製造方法。
  2. 前記アルミニウムと錯体を形成する化合物として、酒石酸塩を用いることを特徴とする請求項1記載のピリジンメタノール化合物の製造方法。
  3. ピリジンメタノール化合物を含む反応溶液とアルミニウムと錯体を形成する化合物を含む水溶液との混合溶液の温度を45℃以下に保つことを特徴とする請求項1記載のピリジンメタノール化合物の製造方法。
  4. アルミニウム系金属還元剤として、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム又は水素化アルミニウムリチウムを用いることを特徴とする請求項1記載のピリジンメタノール化合物の製造方法。
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