JP2015174853A - 2−(4−メチル−2−フェニルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−メタノールの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 特定の不純物の含有量が低減された、高純度の2−(4−メチル−2−フェニルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−メタノールを効率的に製造する方法を提供する。
【解決手段】 2−(4−メチル−2−フェニルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−カルボン酸またはその塩を還元する際に、金属水素化物の溶液または懸濁液を、2−(4−メチル−2−フェニルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−カルボン酸またはその塩に添加する。
【選択図】 なし
【解決手段】 2−(4−メチル−2−フェニルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−カルボン酸またはその塩を還元する際に、金属水素化物の溶液または懸濁液を、2−(4−メチル−2−フェニルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−カルボン酸またはその塩に添加する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、抗鬱剤として有用なミルタザピンの中間体である2−(4−メチル−2−フェニルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−メタノールの新規な製造方法に関する。
下記式(1)
で示されるミルタザピン(化学名称:(14bRS)−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−2−メチルピラジノ[2,1−a]ピリド[2,3−c][2]ベンズアゼピン)は、優れた効果を示す抗鬱剤として有用である。下記式(2)
で示される2−(4−メチル−2−フェニルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−メタノール(以下、ピリジンメタノール体とも言う。)は、当該ミルタザピンの製造中間体として知られており、下記式(3)
で示される2−(4−メチル−2−フェニルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−カルボン酸(以下、ピリジンカルボン酸体とも言う。)やその塩(以下、併せて、ピリジンカルボン酸体類とも言う。)を、金属水素化物で還元することによって製造することができる(特許文献1、2参照)。
例えば、特許文献1には、窒素雰囲気下、水素化リチウムアルミニウムとテトラヒドロフランを混合した懸濁液を沸騰させたところに、ピリジンカルボン酸体のテトラヒドロフラン溶液を1時間かけて加えた後、4時間還流状態とする方法が記載されている。しかしながら、当該方法では、原料であるピリジンカルボン酸体及び水素化リチウムアルミニウムの溶解性が低いことから、原料1gに対する溶媒の総使用量が約44mlと多量である必要があり、濃度が希薄となることから反応性が低下し、還流にて長時間反応させなければならず、工業的な製造方法として大きな問題があった。さらに、危険性の高い水酸化リチウムアルミニウムを原料1モルに対して約8モルと多量に使用する必要があることも問題であった。
一方、特許文献2には、ピリジンカルボン酸体のカリウム塩を金属水素化物で還元する方法が開示されており、例えば、金属水素化物を有機溶媒に溶解または懸濁した液に、ピリジンカルボン酸体のカリウム塩の溶液を滴下することによって行なう旨が記載されている。具体的には、ピリジンカルボン酸体のカリウム塩のテトラヒドロフラン溶液を、20〜30℃にて、水素化リチウムアルミニウムのテトラヒドロフラン溶液に滴下することによって反応が行なわれている。このように、原料として溶解性の高いカリウム塩を採用することによって、反応を室温付近で行なうことができ、さらに、有機溶媒の総使用量を低減することができている。
しかしながら、本発明者が上記特許文献に記載の条件に基づいて検討を行なったところ、いずれの方法においても、得られるピリジンメタノール体に、下記式(4)
で示される2−(4−メチル−2−フェニルピペラジン−1−イル)−3−メチルピリジン(以下、メチル体とも言う。)が一定量以上含まれることが明らかとなった。特に、高温で反応させたり、長時間反応させたりすることによって、前記メチル体の副生量が増加する傾向があり、得られるピリジンメタノール体の純度が低下し、ミルタザピンの製造全体での収率が低下してしまうことが問題であった。
したがって、本発明の目的は、前記メチル体の含有量の低減された高純度の2−(4−メチル−2−フェニルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−メタノール(ピリジンメタノール体)を効率的に製造する方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために、鋭意検討を行なった。その結果、ピリジンカルボン酸体類を還元する際に、金属水素化物を有機溶媒に溶解させた溶液を、ピリジンカルボン酸体類に添加することにより、前記メチル体の副生が抑制され、高純度のピリジンメタノール体が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。当該効果が得られる理由については明らかではないが、上記特許文献に記載の方法では、金属水素化物の溶液または懸濁液にピリジンカルボン酸体類を加えていることから、常に、ピリジンカルボン酸体類に対して金属水素化物が過剰に存在しており、ピリジンカルボン酸体類が過剰に還元されて前記メチル体となる反応が起こり易かったことが考えられた。それに対して、当該方法では、特に金属水素化物を有機溶媒に溶解させた溶液を用い、従来の方法とは逆に金属水素化物をピリジンカルボン酸体類に添加することによって、ピリジンカルボン酸体類に対して金属水素化物が過剰に存在しない状態を保つことができることから、ピリジンカルボン酸体類が過剰に還元されてしまう反応を抑制することができたものと考えられる。
即ち、本発明は、前記ピリジンカルボン酸体類を金属水素化物を用いて還元することによって前記ピリジンメタノールを製造する方法において、前記金属水素化物の溶液または懸濁液を前記ピリジンカルボン酸体類に添加することを特徴とする方法である。本発明では、前記金属水素化物が、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムであることが好ましい。
さらに、本発明は、前記いずれかの方法で前記ピリジンメタノール体を製造する工程、前記ピリジンメタノール体を硫酸と反応させてミルタザピンを得る工程を含むミルタザピンの製造方法を提供する。
本発明によれば、金属水素化物の溶液または懸濁液を2−(4−メチル−2−フェニルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−カルボン酸またはその塩に添加することによって、不純物の含有量が少ない2−(4−メチル−2−フェニルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−メタノールを簡便な方法で効率的に製造することができる。
本発明は、金属水素化物の溶液または懸濁液を2−(4−メチル−2−フェニルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−カルボン酸またはその塩(ピリジンカルボン酸体類)に添加し、還元することによって、2−(4−メチル−2−フェニルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−メタノール(ピリジンメタノール体)を製造する方法である。
(ピリジンカルボン酸体類)
本発明で使用されるピリジンカルボン酸体類は、前記ピリジンカルボン酸体またはその塩であり、当該塩としては、カリウム塩、ナトリウム塩などのアルカリ金属塩やマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩などが挙げられる。これらの化合物は特に制限されず、公知の方法で製造されたものを使用することができる。
本発明で使用されるピリジンカルボン酸体類は、前記ピリジンカルボン酸体またはその塩であり、当該塩としては、カリウム塩、ナトリウム塩などのアルカリ金属塩やマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩などが挙げられる。これらの化合物は特に制限されず、公知の方法で製造されたものを使用することができる。
例えば、特許文献1には、ピリジンカルボン酸体の製造方法が開示されており、具体的には、2−(4−メチル−2−フェニルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−カルボニトリルをエタノール溶媒中、水酸化カリウムにて加水分解した後、塩酸で中和してピリジンカルボン酸体を製造する方法が記載されている。また、特許文献2には、ピリジンカルボン酸体のカリウム塩の製造方法が開示されており、具体的には、2−(4−メチル−2−フェニルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−カルボニトリルのシュウ酸塩をブタノール溶媒中水酸化カリウムで加水分解することによって、ピリジンカルボン酸体のカリウム塩を製造する方法が記載されている。
(金属水素化物)
本発明で使用される金属水素化物は、前記ピリジンカルボン酸体類を還元するために使用される。当該金属水素化物としては、水素化リチウムアルミニウム(以下、LAHとも言う。)、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム(以下、SBAHとも言う。)、水素化ジイソブチルアルミニウムなどが挙げられるが、反応性や操作性を考慮すると、LAHまたはSBAHを使用することが好ましく、SBAHを使用することが特に好ましい。LAHまたはSBAHを使用することによって、不純物であるメチル体の副生を抑制する効果がより高く得られ、より高純度のピリジンメタノール体を得ることができ、特にSBAHでは当該効果をより高く得ることができる。当該金属水素化物の使用量は使用する金属水素化物により異なるが、使用するピリジンカルボン酸類1モルに対して、通常は1〜8モルであり、反応の効率や操作性を考慮すると2〜6モルであることが好ましい。
本発明で使用される金属水素化物は、前記ピリジンカルボン酸体類を還元するために使用される。当該金属水素化物としては、水素化リチウムアルミニウム(以下、LAHとも言う。)、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム(以下、SBAHとも言う。)、水素化ジイソブチルアルミニウムなどが挙げられるが、反応性や操作性を考慮すると、LAHまたはSBAHを使用することが好ましく、SBAHを使用することが特に好ましい。LAHまたはSBAHを使用することによって、不純物であるメチル体の副生を抑制する効果がより高く得られ、より高純度のピリジンメタノール体を得ることができ、特にSBAHでは当該効果をより高く得ることができる。当該金属水素化物の使用量は使用する金属水素化物により異なるが、使用するピリジンカルボン酸類1モルに対して、通常は1〜8モルであり、反応の効率や操作性を考慮すると2〜6モルであることが好ましい。
また、本発明では、当該金属水素化物を、有機溶媒に溶解させた溶液または懸濁液として使用する。当該金属水素化物は完全に溶解した溶液の状態であることが好ましいが、前記ピリジンカルボン酸体類に添加するのに問題ない程度であれば当該金属水素化物の一部が固体として残存していてもよく、固体が残存している場合は均一な懸濁液の状態であることが好ましい。当該金属水素化物を溶解させる有機溶媒としては、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどの鎖状エーテル類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル類、ヘキサン、ヘプタンなどの炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類が挙げられる。溶解性や反応性を考慮すると、鎖状エーテル類、環状エーテル類、芳香族炭化水素類を用いることが好ましく、特に、金属水素化物としてSBAHを使用する場合は、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレンを用いることが好ましく、金属水素化物としてLAHを使用する場合は、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフランを用いることが好ましい。また、当該有機溶媒の使用量は、金属水素化物が完全に溶解する量であればよく、使用する金属水素化物や有機溶媒の種類によって調整すればよいが、通常は金属水素化物1gに対して0.5ml〜10mlである。
本発明では、当該金属水素化物や上記有機溶媒として、試薬または工業原料を何等制限なく使用することができる。また、金属水素化物と有機溶媒とをそれぞれに用意して使用時に金属水素化物の溶液または懸濁液を調整することもできるが、予め金属水素化物の溶液または懸濁液として調整しておいたものを使用してもよく、溶液として調整された試薬を使用してもよい。
(反応条件)
本発明の製造方法においては、金属水素化物の溶液または懸濁液をピリジンカルボン酸体類に添加することに特徴がある。当該方法を採用することによって、ピリジンカルボン酸体類に対して金属水酸化物が過剰に存在することが防止され、ピリジンカルボン酸体類が過剰に還元されて、前記メチル体が副生されることを抑制することができる。
本発明の製造方法においては、金属水素化物の溶液または懸濁液をピリジンカルボン酸体類に添加することに特徴がある。当該方法を採用することによって、ピリジンカルボン酸体類に対して金属水酸化物が過剰に存在することが防止され、ピリジンカルボン酸体類が過剰に還元されて、前記メチル体が副生されることを抑制することができる。
本発明では、反応溶媒を使用し、ピリジンカルボン酸体類を溶液または懸濁液の状態として使用することが好ましい。反応溶媒を使用することによって、操作性よく、均一に当該反応を進行させることができるため、本発明の効果をより高く得ることができる。当該反応溶媒としては、ジエチルエーテル、ジブチルエーテルなどの鎖状エーテル類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどの環状エーテル類などが挙げられる。これらの中でも、良好な反応性を示すことから、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランを使用することが好ましい。当該反応溶媒の使用量は、ピリジンカルボン酸体類を完全に溶解させる量であってもよいし、それよりも少ない量として、ピリジンカルボン酸体類を完全に溶解させない量で懸濁液の状態としてもよい。懸濁液の状態で反応を行なう場合は、反応において、例えば撹拌するなどして均一な状態を保持できるような量を使用することが好ましい。具体的には、使用する有機溶媒の種類によって調整すればよいが、通常はピリジンカルボン酸体類1gに対して5〜20mlであり、好ましくは7〜18mlである。
本発明では、金属水素化物の溶液または懸濁液をピリジンカルボン酸体類に添加することに最大の特徴がある。当該添加方法については特に制限されず、ピリジンカルボン酸体類と溶媒とを混合して得られた溶液または懸濁液に、別に調整した金属水素化物の溶液を添加すればよい。この際、当該溶液の総量を一度に添加してもよいが、一度に添加せず、2回以上に分割して添加する方法や滴下して添加する方法を採用することが好ましい。さらに、添加にかける時間は特に制限されないが、反応のスケールや金属水素化物の溶液の濃度などによって、下記温度範囲を保持するように調整することが好ましい。このように、分割して添加することによって、反応時の発熱を制御することができ、さらに、金属水素化物がピリジンカルボン酸体類に対して過剰に存在することを防止し、メチル体の副生をより確実に抑制することができる。
また、金属水素化物の溶液を添加する際には、反応液の温度を−5〜40℃の範囲に保持することが好ましく、0〜35℃の範囲に保持することがより好ましい。当該温度範囲を保持して溶液を添加することにより、前記メチル体やその他不純物の副生を抑制し、より高純度のピリジンメタノール体を得ることができる。
金属水素化物の溶液を添加した後は、反応液の温度を−5〜40℃の範囲に保持することが好ましく、0〜35℃の範囲に保持することがより好ましい。当該温度範囲を保持することにより、前記メチル体やその他不純物の副生を抑制し、且つ、反応性よく、効率的に反応を進行させることができる。また、反応時間は、使用する金属水素化物の種類や量によって異なるが、通常は滴下後1〜40時間であり、より適切には2〜30時間である。
反応終了後は、適当な後処理を行なうことによって、ピリジンメタノール体を得る。具体的には、まず、反応液に水を加えて残留する金属水素化物を不活化する。この際、熱が発生するため、上記反応温度を保持するために適宜冷却して行なうことが好ましい。続いて、分液して得られた有機溶媒層を、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ水溶液、或いは、(+)−酒石酸ナトリウムカリウム4水和物、食塩などの塩の水溶液で洗浄することにより、不純物であるアルミニウム副生物を除去することが好ましい。なお、金属水素化物の溶液として、SBAHの芳香族炭化水素類の溶液または懸濁液を使用した場合は、反応後、反応液に加える水として、(+)−酒石酸ナトリウムカリウム4水和物水溶液を用いることができ、同時に洗浄を行なうことによって、効率的に後処理を行なうことができる。また、後処理では、必要に応じ、不溶物を濾過などにより除去してもよい。
このように洗浄や濾過などの処理をして得られた溶液から溶媒留去することによって、ピリジンメタノール体の粗体を得ることができる。当該粗体は十分に高純度であるため、そのままミルタザピンの製造中間体として使用することもできるし、当該粗体について再結晶やリスラリーなどの公知の精製操作を行なうことによって、より高純度の結晶とすることもできる。再結晶やリスラリーなどの精製操作を行なう場合、溶媒としては、ジエチルエーテル、ジブチルエーテルなどの鎖状エーテル類、ヘキサン、ヘプタンなどの炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類などを、単独または複数種類を混合して使用することができ、精製の効率や回収率などを考慮すると、トルエン/ヘプタンまたはトルエン/ヘキサンの混合溶媒を使用することが好ましい。精製操作では、公知の方法により、溶液から固体を析出させ、或いは、固体をリスラリーして得られた懸濁液から、減圧/加圧濾過や遠心分離など公知の方法によって固液分離することにより、ピリジンメタノール体を湿体として得ることができる。また、当該湿体は、必要に応じて、常圧または減圧下、100℃以下で乾燥することによって、ピリジンメタノール体の結晶を乾燥体として得ることができる。
本発明で得られたピリジンメタノール体の粗体または結晶は、これを用いることにより、公知の製造方法にて、ミルタザピンを製造することができる。具体的には、例えば、特許文献1や特許文献2に記載されているように、ピリジンメタノール体と濃硫酸または硫酸とを反応させることによって、ミルタザピンを得ることができる。
本発明によれば、不純物、特に前記メチル体の含有量が低減された高純度のピリジンメタノール体を高収率で、効率的に製造することができる。そのため、当該ピリジンメタノール体を用いて製造したミルタザピンは、メチル体などの含有量が少ないものであり、過剰な精製操作をする必要なく、高純度のミルタザピンを高収率で製造することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。
本実施例において、ピリジンメタノール体の純度及びメチル体の含有量の測定は、以下のように高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により行なった。なお、本発明において、溶液の体積は25℃におけるものとする。
本実施例において、ピリジンメタノール体の純度及びメチル体の含有量の測定は、以下のように高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により行なった。なお、本発明において、溶液の体積は25℃におけるものとする。
<HPLCによる純度及び含有量の測定方法>
装置:高速液体クロマトグラフ装置 ウォーターズ社製
検出器:紫外吸光光度計 ウォーターズ社製 (測定波長:240nm)
カラム:ジーエルサイエンス株式会社製 商品名 Inertsil ODS−3、内径4.6mm、長さ25cm(粒子径5μm、細孔径12nm)
カラム温度:25℃付近の一定温度
移動相:0.1Mテトラメチルアンモニウム5水和物水溶液(pH7.4、リン酸にて調整)と、アセトニトリルとメタノールとテトラヒドロフランとを容積比率6:5:3で混合した混合液とを、容積比率65:35で混合したもの
流量:毎分1.5ml
測定時間:60分
上記条件において、ピリジンメタノール体は約8分、メチル体は約39分、ピリジンカルボン酸体類は約2分にピークが確認される。以下の実施例、比較例において、ピリジンメタノール体の純度及びメチル体の含有量は、すべて、上記条件で測定される全ピークの面積値(溶媒由来のピークを除く)の合計に対する各化合物のピーク面積値の割合である。なお、上記測定方法による検出限界は0.01%未満であった。また、本実施例において、反応転化率は、ピリジンメタノール体とピリジンカルボン酸体類のピーク面積値の和に対するピリジンメタノール体のピーク面積値の割合として算出した。
装置:高速液体クロマトグラフ装置 ウォーターズ社製
検出器:紫外吸光光度計 ウォーターズ社製 (測定波長:240nm)
カラム:ジーエルサイエンス株式会社製 商品名 Inertsil ODS−3、内径4.6mm、長さ25cm(粒子径5μm、細孔径12nm)
カラム温度:25℃付近の一定温度
移動相:0.1Mテトラメチルアンモニウム5水和物水溶液(pH7.4、リン酸にて調整)と、アセトニトリルとメタノールとテトラヒドロフランとを容積比率6:5:3で混合した混合液とを、容積比率65:35で混合したもの
流量:毎分1.5ml
測定時間:60分
上記条件において、ピリジンメタノール体は約8分、メチル体は約39分、ピリジンカルボン酸体類は約2分にピークが確認される。以下の実施例、比較例において、ピリジンメタノール体の純度及びメチル体の含有量は、すべて、上記条件で測定される全ピークの面積値(溶媒由来のピークを除く)の合計に対する各化合物のピーク面積値の割合である。なお、上記測定方法による検出限界は0.01%未満であった。また、本実施例において、反応転化率は、ピリジンメタノール体とピリジンカルボン酸体類のピーク面積値の和に対するピリジンメタノール体のピーク面積値の割合として算出した。
製造例1
2−(4−メチル−2−フェニルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−カルボニトリル30gと25%水酸化カリウムのエタノール溶液590mlとを混合して得られた溶液を100℃付近に加温して4時間撹拌した。反応液を25℃付近まで冷却した後、水590mlを加え、エタノールを減圧留去して得られた懸濁液を、ジクロロメタン200mlで2回抽出し、さらに水層を2N塩酸水溶液でpH7に中和してからクロロホルムで抽出し、合わせて有機層を得た。有機層から溶媒を減圧留去して得られた残渣に、エタノール105mlを加え、70℃付近に加温して撹拌し、得られた溶液を25℃付近に冷却して5時間撹拌した。析出した固体を減圧濾過して分取し、得られた湿体を80℃で10時間減圧乾燥して、ピリジンカルボン酸体16g(純度99.50%)を得た。
2−(4−メチル−2−フェニルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−カルボニトリル30gと25%水酸化カリウムのエタノール溶液590mlとを混合して得られた溶液を100℃付近に加温して4時間撹拌した。反応液を25℃付近まで冷却した後、水590mlを加え、エタノールを減圧留去して得られた懸濁液を、ジクロロメタン200mlで2回抽出し、さらに水層を2N塩酸水溶液でpH7に中和してからクロロホルムで抽出し、合わせて有機層を得た。有機層から溶媒を減圧留去して得られた残渣に、エタノール105mlを加え、70℃付近に加温して撹拌し、得られた溶液を25℃付近に冷却して5時間撹拌した。析出した固体を減圧濾過して分取し、得られた湿体を80℃で10時間減圧乾燥して、ピリジンカルボン酸体16g(純度99.50%)を得た。
製造例2
2−(4−メチル−2−フェニルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−カルボニトリルのシュウ酸塩40gと水酸化カリウム61gと1−ブタノール162gとを混合し、130℃付近に加温して7時間撹拌した後、50℃付近まで冷却し、水200g加え、水層を分離した。得られた有機層から溶媒の一部を減圧留去して得られた溶液に、キシレン86gを加え、130℃付近に加温して、内部の水分量が0.5%以下となるまで共沸脱水し、次いで溶媒の一部を常圧留去し、得られた残渣にテトラヒドロフラン89gを加えて混合し、ピリジンカルボン酸体のカリウム塩のテトラヒドロフラン/キシレン溶液(純度99.60%)を得た。
2−(4−メチル−2−フェニルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−カルボニトリルのシュウ酸塩40gと水酸化カリウム61gと1−ブタノール162gとを混合し、130℃付近に加温して7時間撹拌した後、50℃付近まで冷却し、水200g加え、水層を分離した。得られた有機層から溶媒の一部を減圧留去して得られた溶液に、キシレン86gを加え、130℃付近に加温して、内部の水分量が0.5%以下となるまで共沸脱水し、次いで溶媒の一部を常圧留去し、得られた残渣にテトラヒドロフラン89gを加えて混合し、ピリジンカルボン酸体のカリウム塩のテトラヒドロフラン/キシレン溶液(純度99.60%)を得た。
実施例1
直径3.6cmの2枚撹拌翼を備えた200mL四つ口フラスコに、製造例1で得られたピリジンカルボン酸体5.0g(16.8mmol)、テトラヒドロフラン60mlを加え、25℃で撹拌して得られた懸濁液に、1mol/L水素化リチウムアルミニウム/テトラヒドロフラン溶液67.2ml(67.2mmol)を内温25℃付近に保持しながら30分かけて滴下して加えた後、25℃で4時間撹拌した(反応転化率99.9%)。反応液を水冷しながら水2.6mlを加えて撹拌した後、水層を分離し、得られた有機層を15%水酸化ナトリウム水溶液2.6ml、水7.7mlで順次洗浄し、濾過により不溶物を除去して得られた溶液から溶媒を減圧留去し、微黄色油状物としてピリジンメタノール体の粗体を得た。得られた油状物にトルエン25mlを加え、撹拌して得られた溶液にヘプタン25mlを加えて5時間撹拌した。析出した固体を減圧濾過して分取し、得られた湿体を80℃で20時間減圧乾燥して、白色結晶としてピリジンメタノール体4.1gを得た(収率:85%)。この結晶をHPLCで分析した結果、ピリジンメタノール体の純度は99.82%であり、メチル体の含有量は0.038%であった。
直径3.6cmの2枚撹拌翼を備えた200mL四つ口フラスコに、製造例1で得られたピリジンカルボン酸体5.0g(16.8mmol)、テトラヒドロフラン60mlを加え、25℃で撹拌して得られた懸濁液に、1mol/L水素化リチウムアルミニウム/テトラヒドロフラン溶液67.2ml(67.2mmol)を内温25℃付近に保持しながら30分かけて滴下して加えた後、25℃で4時間撹拌した(反応転化率99.9%)。反応液を水冷しながら水2.6mlを加えて撹拌した後、水層を分離し、得られた有機層を15%水酸化ナトリウム水溶液2.6ml、水7.7mlで順次洗浄し、濾過により不溶物を除去して得られた溶液から溶媒を減圧留去し、微黄色油状物としてピリジンメタノール体の粗体を得た。得られた油状物にトルエン25mlを加え、撹拌して得られた溶液にヘプタン25mlを加えて5時間撹拌した。析出した固体を減圧濾過して分取し、得られた湿体を80℃で20時間減圧乾燥して、白色結晶としてピリジンメタノール体4.1gを得た(収率:85%)。この結晶をHPLCで分析した結果、ピリジンメタノール体の純度は99.82%であり、メチル体の含有量は0.038%であった。
実施例2
直径3.6cmの2枚撹拌翼を備えた200mL四つ口フラスコに、製造例1で得られたピリジンカルボン酸体5.0g(16.8mmol)、テトラヒドロフラン60mlを加え、25℃で撹拌して得られた懸濁液に、65%水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム/トルエン溶液15.7g(50.4mmol)を内温25℃付近に保持しながら30分かけて滴下して加えた後、25℃で12時間撹拌した(反応転化率99.9%)。反応液を水冷しながら(+)−酒石酸ナトリウムカリウム4水和物11.8gと水17mlとを混合して得られた溶液を加えて撹拌した後、水層を分離し、得られた有機層を15%食塩水2.6mlで洗浄して得られた溶液から溶媒を減圧留去し、微黄色油状物としてピリジンメタノール体の粗体を得た。得られた油状物にトルエン25mlを加えて溶解させた後、濾過により不溶物を除去して得られた溶液にヘプタン25ml加えて5時間撹拌した。析出した固体を減圧濾過して分取し、得られた湿体を80℃で20時間減圧乾燥して、白色結晶としてピリジンメタノール体4.2gを得た(収率:88%)。この結晶をHPLCで分析した結果、ピリジンメタノール体の純度は99.89%であり、メチル体の含有量は0.029%であった。
直径3.6cmの2枚撹拌翼を備えた200mL四つ口フラスコに、製造例1で得られたピリジンカルボン酸体5.0g(16.8mmol)、テトラヒドロフラン60mlを加え、25℃で撹拌して得られた懸濁液に、65%水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム/トルエン溶液15.7g(50.4mmol)を内温25℃付近に保持しながら30分かけて滴下して加えた後、25℃で12時間撹拌した(反応転化率99.9%)。反応液を水冷しながら(+)−酒石酸ナトリウムカリウム4水和物11.8gと水17mlとを混合して得られた溶液を加えて撹拌した後、水層を分離し、得られた有機層を15%食塩水2.6mlで洗浄して得られた溶液から溶媒を減圧留去し、微黄色油状物としてピリジンメタノール体の粗体を得た。得られた油状物にトルエン25mlを加えて溶解させた後、濾過により不溶物を除去して得られた溶液にヘプタン25ml加えて5時間撹拌した。析出した固体を減圧濾過して分取し、得られた湿体を80℃で20時間減圧乾燥して、白色結晶としてピリジンメタノール体4.2gを得た(収率:88%)。この結晶をHPLCで分析した結果、ピリジンメタノール体の純度は99.89%であり、メチル体の含有量は0.029%であった。
実施例3
直径3.6cmの2枚撹拌翼を備えた200mL四つ口フラスコに、製造例2で得られたピリジンカルボン酸体のカリウム塩のテトラヒドロフラン/キシレン溶液22ml(ピリジンカルボン酸のカリウム塩の含有量5.6g(16.8mmol))を加え、25℃で撹拌しながら、1mol/L水素化リチウムアルミニウム/テトラヒドロフラン溶液67.2ml(67.2mmol)を内温25℃付近に保持しながら30分かけて滴下して加えた後、25℃で4時間撹拌した(反応転化率99.9%)。反応液を水冷しながら水2.6mlを加えて撹拌した後、水層を分離し、得られた有機層を15%水酸化ナトリウム水溶液2.6ml、水7.7mlで順次洗浄した後、濾過により不溶物を除去して得られた溶液から溶媒を減圧留去し、微黄色油状物としてピリジンメタノール体の粗体を得た。得られた油状物にトルエン25mlを加え、撹拌して得られた溶液にヘプタン25mlを加えて5時間撹拌した。析出した固体を減圧濾過して分取し、得られた湿体を80℃で20時間乾燥して、白色結晶としてピリジンメタノール体3.8gを得た(収率:79%)。この結晶をHPLCで分析した結果、ピリジンメタノール体の純度は99.86%であり、メチル体の含有量は0.033%であった。
直径3.6cmの2枚撹拌翼を備えた200mL四つ口フラスコに、製造例2で得られたピリジンカルボン酸体のカリウム塩のテトラヒドロフラン/キシレン溶液22ml(ピリジンカルボン酸のカリウム塩の含有量5.6g(16.8mmol))を加え、25℃で撹拌しながら、1mol/L水素化リチウムアルミニウム/テトラヒドロフラン溶液67.2ml(67.2mmol)を内温25℃付近に保持しながら30分かけて滴下して加えた後、25℃で4時間撹拌した(反応転化率99.9%)。反応液を水冷しながら水2.6mlを加えて撹拌した後、水層を分離し、得られた有機層を15%水酸化ナトリウム水溶液2.6ml、水7.7mlで順次洗浄した後、濾過により不溶物を除去して得られた溶液から溶媒を減圧留去し、微黄色油状物としてピリジンメタノール体の粗体を得た。得られた油状物にトルエン25mlを加え、撹拌して得られた溶液にヘプタン25mlを加えて5時間撹拌した。析出した固体を減圧濾過して分取し、得られた湿体を80℃で20時間乾燥して、白色結晶としてピリジンメタノール体3.8gを得た(収率:79%)。この結晶をHPLCで分析した結果、ピリジンメタノール体の純度は99.86%であり、メチル体の含有量は0.033%であった。
比較例1
直径3.6cmの2枚撹拌翼を備えた200mL四つ口フラスコに、1mol/L水素化リチウムアルミニウム/テトラヒドロフラン溶液67.2ml(67.2mmol)を加え、製造例1で得られたピリジンカルボン酸体5.0g(16.8mmol)をテトラヒドロフラン75mlに溶解させた溶液を内温25℃付近に保持しながら30分かけて滴下して加えた後、25℃で4時間撹拌した(反応転化率99.9%)。反応液を水冷しながら水2.6mlを加えて撹拌した後、水層を分離し、得られた有機層を15%水酸化ナトリウム水溶液2.6ml、水7.7mlで順次洗浄し、濾過により不溶物を除去して得られた溶液から溶媒を減圧留去し、微黄色油状物としてピリジンメタノール体の祖体を得た。得られた油状物にトルエン25mlを加えて溶解させた後、濾過により不溶物を除去して得られた溶液に、ヘプタン25mlを加えて5時間撹拌した。析出した固体を減圧濾過して分取し、得られた湿体を80℃で20時間乾燥して、白色結晶としてピリジンメタノール体3.7gを得た(収率:78%)。この結晶をHPLCで分析した結果、ピリジンメタノール体の純度は99.51%であり、メチル体の含有量は0.381%であった。
直径3.6cmの2枚撹拌翼を備えた200mL四つ口フラスコに、1mol/L水素化リチウムアルミニウム/テトラヒドロフラン溶液67.2ml(67.2mmol)を加え、製造例1で得られたピリジンカルボン酸体5.0g(16.8mmol)をテトラヒドロフラン75mlに溶解させた溶液を内温25℃付近に保持しながら30分かけて滴下して加えた後、25℃で4時間撹拌した(反応転化率99.9%)。反応液を水冷しながら水2.6mlを加えて撹拌した後、水層を分離し、得られた有機層を15%水酸化ナトリウム水溶液2.6ml、水7.7mlで順次洗浄し、濾過により不溶物を除去して得られた溶液から溶媒を減圧留去し、微黄色油状物としてピリジンメタノール体の祖体を得た。得られた油状物にトルエン25mlを加えて溶解させた後、濾過により不溶物を除去して得られた溶液に、ヘプタン25mlを加えて5時間撹拌した。析出した固体を減圧濾過して分取し、得られた湿体を80℃で20時間乾燥して、白色結晶としてピリジンメタノール体3.7gを得た(収率:78%)。この結晶をHPLCで分析した結果、ピリジンメタノール体の純度は99.51%であり、メチル体の含有量は0.381%であった。
比較例2
直径3.6cmの2枚撹拌翼を備えた200mL四つ口フラスコに、1mol/L水素化リチウムアルミニウム/テトラヒドロフラン溶液67.2ml(67.2mmol)を加え、製造例2で得られたピリジンカルボン酸体のカリウム塩のテトラヒドロフラン/キシレン溶液22ml(含有量5.6g(16.8mmol))を内温25℃付近に保持しながら30分かけて滴下して加えた後、25℃で4時間撹拌した(反応転化率99.9%)。反応液を水冷しながら水2.6mlを加えて撹拌した後、水層を分離し、得られた有機層を15%水酸化ナトリウム水溶液2.6ml、水7.7mlで順次洗浄し、濾過により不溶物を除去して得られた溶液から溶媒を減圧留去し、微黄色油状物としてピリジンメタノール体の祖体を得た。得られた油状物にトルエン25mlを加えて溶解させた後、濾過により不溶物を除去して得られた溶液に、ヘプタン25mlを加えて5時間撹拌した。析出した固体を減圧濾過して分取し、得られた湿体を80℃で20時間乾燥して、白色結晶としてピリジンメタノール体を3.7g得た(収率:78%)。この結晶をHPLCで分析した結果、ピリジンメタノール体の純度は99.59%であり、メチル体の含有量は0.321%であった。
直径3.6cmの2枚撹拌翼を備えた200mL四つ口フラスコに、1mol/L水素化リチウムアルミニウム/テトラヒドロフラン溶液67.2ml(67.2mmol)を加え、製造例2で得られたピリジンカルボン酸体のカリウム塩のテトラヒドロフラン/キシレン溶液22ml(含有量5.6g(16.8mmol))を内温25℃付近に保持しながら30分かけて滴下して加えた後、25℃で4時間撹拌した(反応転化率99.9%)。反応液を水冷しながら水2.6mlを加えて撹拌した後、水層を分離し、得られた有機層を15%水酸化ナトリウム水溶液2.6ml、水7.7mlで順次洗浄し、濾過により不溶物を除去して得られた溶液から溶媒を減圧留去し、微黄色油状物としてピリジンメタノール体の祖体を得た。得られた油状物にトルエン25mlを加えて溶解させた後、濾過により不溶物を除去して得られた溶液に、ヘプタン25mlを加えて5時間撹拌した。析出した固体を減圧濾過して分取し、得られた湿体を80℃で20時間乾燥して、白色結晶としてピリジンメタノール体を3.7g得た(収率:78%)。この結晶をHPLCで分析した結果、ピリジンメタノール体の純度は99.59%であり、メチル体の含有量は0.321%であった。
実施例4
実施例1で得られたピリジンメタノール体4.0gと濃硫酸14.0gとを混合し、40℃付近に加温して7時間撹拌した。得られた反応液を水冷しながら水14.0gに分散させた後、25%水酸化ナトリウム水溶液18.0gを加えてpH11付近に調整し、濾過により不溶物を除去した。次いでトルエンで抽出し、有機層を25%水酸化ナトリウム水溶液及び水で順次洗浄した後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をトルエンとヘプタンで晶析し、乾燥して、ミルタザピンの結晶3.1gを得た(収率82%)。この結晶をHPLCで分析した結果、ミルタザピンの純度は99.85%であり、メチル体は検出されなかった。
実施例1で得られたピリジンメタノール体4.0gと濃硫酸14.0gとを混合し、40℃付近に加温して7時間撹拌した。得られた反応液を水冷しながら水14.0gに分散させた後、25%水酸化ナトリウム水溶液18.0gを加えてpH11付近に調整し、濾過により不溶物を除去した。次いでトルエンで抽出し、有機層を25%水酸化ナトリウム水溶液及び水で順次洗浄した後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をトルエンとヘプタンで晶析し、乾燥して、ミルタザピンの結晶3.1gを得た(収率82%)。この結晶をHPLCで分析した結果、ミルタザピンの純度は99.85%であり、メチル体は検出されなかった。
比較例3
比較例1で得られたピリジンメタノール体3.5gと濃硫酸12.5gとを混合し、40℃付近に加温して7時間撹拌した。得られた反応液を水冷しながら水12.5gに分散させた後、25%水酸化ナトリウム水溶液16.7gを加えてpH11付近に調整し、濾過により不純物を除去した。次いでトルエンで抽出し、有機層を25%水酸化ナトリウム水溶液及び水で順次洗浄した後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をトルエンとヘプタンで晶析し、乾燥して、ミルタザピンの結晶2.6g得た(収率81%)。この結晶をHPLCで分析した結果、ミルタザピンの純度は99.72%であり、メチル体の含有量は0.110%であった。
比較例1で得られたピリジンメタノール体3.5gと濃硫酸12.5gとを混合し、40℃付近に加温して7時間撹拌した。得られた反応液を水冷しながら水12.5gに分散させた後、25%水酸化ナトリウム水溶液16.7gを加えてpH11付近に調整し、濾過により不純物を除去した。次いでトルエンで抽出し、有機層を25%水酸化ナトリウム水溶液及び水で順次洗浄した後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をトルエンとヘプタンで晶析し、乾燥して、ミルタザピンの結晶2.6g得た(収率81%)。この結晶をHPLCで分析した結果、ミルタザピンの純度は99.72%であり、メチル体の含有量は0.110%であった。
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