JP2011094881A - 空気調和機及び空気調和システム - Google Patents

空気調和機及び空気調和システム Download PDF

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Abstract

【課題】睡眠中に快適で省エネな空調制御が可能な空気調和機及び空気調和システムを提供する。
【解決手段】室内空間を空調する空調手段と、就寝者の睡眠状態を判定する睡眠状態取得システムと、睡眠状態取得システムにより判定された睡眠状態と運転モードとに応じて、空調手段の設定温度を決定し、室内空間の温度が設定温度となるように空調手段を制御する制御手段とを備え、制御手段は、就寝者が睡眠開始した場合、運転モードが冷房運転であれば、設定温度を、初期設定温度を下回る温度まで徐々に下げ、その後、就寝者が深睡眠に入った場合、設定温度を初期設定温度を上回る温度に設定する。
【選択図】図3

Description

本発明は、ヒトの睡眠状態に基づいて空調制御を行う空気調和機及び空気調和システムに関するものである。
従来より、この種の空気調和機として、例えば「室内に空調機15が設置されこの室内で使用されるベッド10には就寝者の体動を検知する体動検知手段9が設けられている。またこの体動検知手段からの信号により在床を検出する在床判定手段12および入眠を検出する入眠判定手段13が設けられさらに外気温度センサ14と室内温度センサ16と起床タイマ17とからの信号により室内設定温度を演算する演算手段18が設けられ、そしてこの演算手段18からの信号により制御手段19を介して空調機15を制御する。これによって入眠検知時に睡眠中の室内温度を設定し、その後空調機の運転を停止する。」という技術がある(例えば、特許文献1参照)。
特開平5−92040号公報(要約)
従来技術では、入眠検知後は目標温度に一定に制御していた。睡眠中は睡眠状態に応じて体温が変化することが知られており、この体温の変化を考慮せずに室内の温熱環境を一定のままとすると、体温変化の際に目覚めてしまう上に、省エネを考慮したものではなかった。
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、睡眠中に快適で省エネな空調制御が可能な空気調和機及び空気調和システムを提供することを目的とする。
本発明に係る空気調和機は、室内空間を空調する空調手段と、就寝者の睡眠状態を判定する睡眠状態取得システムと、睡眠状態取得システムにより判定された睡眠状態と運転モードとに応じて、空調手段の設定温度を決定し、室内空間の温度が設定温度となるように空調手段を制御する制御手段とを備え、制御手段は、就寝者が睡眠開始した場合、運転モードが冷房運転であれば、設定温度を、初期設定温度を下回る温度まで徐々に下げ、その後、就寝者が深睡眠に入った場合、設定温度を初期設定温度を上回る温度に設定するものである。
本発明によれば、睡眠状態に応じて空調制御を行うようにし、また、就寝者が深睡眠に入った場合は空調能力を抑える温度設定とするようにしたので、睡眠中に快適で省エネな空調制御が可能な空気調和機を得ることができる。
本発明の実施の形態1に係る空気調和機の構成を示すブロック図である。 睡眠開始から起床までの睡眠状態の変化と、睡眠と関係が深いとされる体内の深部体温(体の中心部の温度(直腸温度))の変化とを示す図である。 本発明の実施の形態1に係る空気調和機における冷房通常運転の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1に係る空気調和機における冷房通常運転の制御を説明するための波形図である。 本発明の実施の形態1に係る空気調和機における冷房省エネ運転の制御を説明するための波形図である。 本発明の実施の形態1に係る空気調和機における冷房省エネ運転のタイムラグ制御を説明するための波形図である。 本発明の実施の形態1に係る空気調和機におけるエラー機能付き冷房省エネ運転の制御を説明するための波形図である。 本発明の実施の形態1に係る空気調和機における暑がりさん用運転の制御を説明するための波形図である。 本発明の実施の形態1に係る空気調和機における暖房通常運転の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1に係る空気調和機における暖房通常運転の制御を説明するための波形図である。 本発明の実施の形態1に係る空気調和機におけるリニアモード運転の制御を説明するための波形図である。 本発明の実施の形態1に係る空気調和機におけるエラー機能付き暖房運転の制御を説明するための波形図である。 本発明の実施の形態2に係る空気調和システムの構成を示す図である。 本発明の実施の形態3に係る空気調和システムのネットワーク構成を示す図である。 図14のシステムにおいてネットワーク上に公開されたランキング結果画面の一例を示す図である。 本発明の実施の形態4に係る生体状態取得装置を備えた生体状態取得システムの構成を示すブロック図である。 図16の演算装置における生体状態取得処理の流れを示すフローチャートである。 ヒトの呼吸時の体表面の動きに応じた反射波のIQ平面を示す図である。 速度ベクトルのノルムの時系列データの一例を示す図である。 図19の時系列データから呼吸を検出するための演算処理の説明図(その1)である。 図19の時系列データから呼吸を検出するための演算処理の説明図(その2)である。 図19の時系列データから呼吸を検出するための演算処理の説明図(その3)である。 体表面の動きが複雑な場合の体表面の変位量(の平均値)の時系列データの一例を示す図である。 図23の体表面の動きを計測した場合のIQ平面を示す図である。 図24のIQ平面の速度ベクトルのノルムの時系列データを示す図である。 呼吸カウントが正常に行われている場合の呼吸周期(呼吸時間)とその分布とを示す図である。 呼吸カウントが正常に行われていない場合の呼吸周期(呼吸時間)とその分布とを示す図である。 図17の補正要否判定処理及び補正処理(補正必要の場合)の流れを示すフローチャートである。 図25の速度ベクトルのノルムの時系列データから呼吸をカウントする際の演算処理の説明図(その1)である。 図25の速度ベクトルのノルムの時系列データから呼吸をカウントする際の演算処理の説明図(その2)である。 図25の速度ベクトルのノルムの時系列データから呼吸をカウントする際の演算処理の説明図(その3)である。 本発明の実施の形態5に係る生体状態取得システムの構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態5に係る演算装置における生体状態取得処理の流れを示すフローチャートである。 心拍信号と体動信号とが混在した状態のIQ信号出力を示す図である。 図34の信号出力を包絡線処理後、ローパスフィルター処理した後のベクトルノルムの波形を示す図である。 ローパスフィルター処理後のI信号及びQ信号の信号強度(振幅=I及びQそれぞれの自乗和の平方根)の時系列データを示す図である。 図36の振幅時系列データから心拍を検出するための演算処理の説明図(その1)である。 図36の振幅時系列データから心拍を検出するための演算処理の説明図(その2)である。 図36の振幅時系列データから心拍を検出するための演算処理の説明図(その3)である。 1拍の中で体表面が2段階に脈打つ場合の、ローパスフィルター処理後のI信号及びQ信号の信号強度(振幅=I、Qの自乗和の平方根)の時系列データを示す図である。 図40の時系列データから心拍をカウントする際の演算処理の説明図(その1)である。 図40の時系列データから心拍をカウントする際の演算処理の説明図(その2)である。 図40の時系列データから心拍をカウントする際の演算処理の説明図(その3)である。 図33の補正要否判定処理及び補正処理(補正要の場合)の流れを示すフローチャートである。 心拍数カウントが正常に行われている場合の単位期間毎の心拍数とその分布とを示す図である。 心拍数カウントが正常に行われていない場合の単位期間毎の心拍数とその分布とを示す図である。 本発明の実施の形態6に係る生体状態取得システムの構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態6に係る演算装置における生体状態取得処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態7に係る生体状態取得システムの構成を示すブロック図である。 浅睡眠(覚醒含む)、深睡眠及びREM睡眠のそれぞれの場合の体動、呼吸及び心拍の特徴を示した図である。 本発明の実施の形態7に係る演算装置における生体状態取得処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態8に係る生体状態取得システムの構成を示すブロック図である。 ある期間内のIQ平面の安定した軌跡(深睡眠)を示す図である。 ある期間内のIQ平面の不安定な軌跡(深睡眠以外)を示す図である。 本発明の実施の形態8に係る演算装置における生体状態取得処理の流れを示すフローチャートである。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る空気調和機の構成を示すブロック図である。なお、図1には、本発明に関わる要部の構成のみを示しており、空気調和機に通常備わる各種構成部の図示は省略している。
空気調和機1は、室内の空調を行う空調手段2と、室内空間の温度を検出する温度検出手段3と、睡眠状態を判定する睡眠状態取得システム100と、空気調和機全体の制御を行う演算装置4とを備えている。
空調手段2は、リモコン5や空気調和機本体に設置されたボタン(図示せず)などによって設定された運転モードに応じた空調運転を行う手段である。運転モードとしては、冷房運転では、冷房通常運転、冷房省エネ運転、冷房省エネ運転(タイムラグ制御)、エラー機能付き冷房省エネ運転及び暑がりさん用運転がある。また、暖房運転では、暖房通常運転、暖房省エネ運転、リニアモード運転、エラー機能付き暖房運転があり、これらはリモコン等5で切り替え可能である。また、例えば省エネ設定ボタンを設け、冷房通常運転又は暖房通常運転をそれぞれ省エネ運転に切り替え可能としてもよい。空調手段2は、温度検出手段3で検出された室内空間の温度が、設定温度となるように空調気体の温度を調節して室内空間に吐出するまでの一連の動作を行う。なお、冷暖房のための具体的な冷凍サイクルなどの構成については従来公知の構成を採用でき、この構成部分に関しては、本発明の趣旨とは関連性がないので詳細説明は省略する。また、本例は特に睡眠中の冷房運転及び暖房運転について説明するものであり、睡眠中以外の一般的な冷房運転及び暖房運転のモードについては従来公知の制御を採用でき、この制御についても本発明の趣旨とは関連性がないので詳細説明は省略する。
睡眠状態取得システム100は、ヒト(就寝者)の睡眠状態を判定し、判定結果を示す睡眠状態信号を演算装置4に出力する。ここで、睡眠状態について説明する。
図2は、睡眠開始から起床までの睡眠状態の変化と、睡眠と関係が深いとされる体内の深部体温(体の中心部の温度(直腸温度))の変化とを示す図である。また、後述の実施形態の参考として、睡眠状態と体動との関係も図示している。
まず、睡眠は、一般的に眠りの浅いREM睡眠と、眠りの深いノンREM睡眠とに大別される。更に細かく睡眠状態が定義されており、覚醒、REM睡眠、睡眠深度1、2、3、4の6つの状態が定義されている。睡眠深度1、2、3、4は、ノンREM睡眠を更に4つの段階に分けたものであり、ノンREM睡眠のなかでは、睡眠深度1が最も眠りが浅く、睡眠深度4が最も深い。
ヒトが入眠を開始してから次に目覚めるまでの間には、REM睡眠、睡眠深度1、2、3、4と睡眠が深くなるように移行し、その後、睡眠深度3、2、1、REM睡眠へと移行するという睡眠サイクルが通常約90分周期で繰り返されている。
睡眠状態取得システム100はこのような就寝者の睡眠状態を判定しており、浅睡眠(REM睡眠、睡眠深度1及び睡眠深度2)に入ったことを示す浅睡眠信号と、深睡眠に入ったことを示す深睡眠信号と、起床予測信号とを少なくとも出力する。睡眠状態取得システム100から出力する睡眠信号は、各睡眠状態(REM睡眠、睡眠深度1、2、3、4)に移行する度にその睡眠状態を示す睡眠状態信号を演算装置に出力するようにしてもよいし、現在の睡眠状態を示す睡眠状態信号を定期的に演算装置に出力するようにしてもよい。睡眠状態取得システム100の構成については特に限定するものではないが、本例では、呼吸、心拍、体動などの生体状態情報をドップラレーダーセンサーを用いて非接触で取得し、取得した生体状態情報を基に、予め設定された閾値を用いた閾値判定などにより睡眠状態を判定するシステムを採用している。睡眠状態取得システム100の具体的な構成例は後述の実施の形態で説明する。なお、起床予測信号は、起床よりも所定時間(例えば60分)前であることを示す信号である。このような起床予測は、ヒトの生体信号(呼吸信号や心拍信号など)に基づいて行っても良いし、予め就寝者により設定された起床時刻に基づき行ってもよい。
温度検出手段3は、サーミスターやそれに類似するものから構成されている。温度検出手段3は室内温度を検出し、その温度を示す温度検出信号を演算装置4に出力する。
演算装置4は、マイクロコンピューターで構成され、内部にCPU、ROM及びRAMを備えており、ROMに記憶されている各種プログラムに従って動作する。CPUがROMに記憶されている制御プログラムを実行することにより、空気調和機全体を制御する。
また、演算装置4は、睡眠状態取得システム100からの睡眠状態信号及び温度検出手段3からの温度検知信号を受信し、その受信した信号に応じた制御を行う。演算装置4は、各運転モードに応じた空調制御を行うための空調制御データを記憶している。空調制御データとは、運転モードに応じて睡眠状態毎の設定温度を指定したものであり、空調制御手段4aは空調制御データに基づいて、就寝者の睡眠状態に応じて空調手段2の設定温度を変更し、室内空間の温度が設定温度となるように空調手段2を制御する。
ここで、空気調和機1の具体的な制御を説明するに先だって、睡眠状態に応じた深部体内の温度変化について図2を参照して説明する。
深部体温は、睡眠開始後に一旦上昇した後、睡眠状態が深くなるにつれて徐々に下降する。そして、睡眠状態が浅くなる時期(睡眠深度4から睡眠深度3への移行時期)に深部体温が今度は上昇に転じ、目覚めに向かって徐々に上昇している。
このように、睡眠開始後、深部体温が上昇する。従って、睡眠開始時は室内温度を下げて手足からの放熱を促進することにより入眠を促進することが可能となる。また、深睡眠中は室内空間の温熱環境の変化に対する感覚が鈍く、一方で体温調節機能が働く。このため、就寝前に就寝者が設定した設定温度を室内温度が上回っても、中途覚醒が生じる可能性が低い。よって、省エネ性を考慮して深睡眠中は室内温度を上昇させることが好ましい。
本実施の形態1の空気調和機1は、上述した睡眠時の深部体温の変化などの特徴を踏まえ、就寝者に対して快適な睡眠を提供可能な空調制御を行う。
以下、本発明の実施の形態1の空気調和機1の動作を説明する。本実施の形態1の空気調和機1は、冷房運転(冷房通常運転、冷房省エネ運転、冷房省エネ運転(タイムラグ制御)、エラー機能付き冷房省エネ運転、暑がりさん用運転)、暖房運転(暖房通常運転、暖房省エネ運転、リニアモード運転、エラー機能付き暖房運転)を行うもので、以下、それぞれ順に説明する。また、空気調和機1には予め就寝者により就寝者自身にとって快適な温度設定がなされているものとし、以下ではこの温度を初期設定温度T0という。さらに、予め就寝者により起床時刻が設定され、演算装置4内のメモリに設定されているものとする。また、就寝者によるリモコン操作などにより各運転モードの開始が指示されると、睡眠状態取得システムは就寝者の睡眠状態の判定を開始し、睡眠状態判定結果を示す睡眠状態信号を演算装置4に出力しているものとする。
まず、夏季の冷房運転について順次説明する。
(冷房通常運転)
図3は、睡眠状態信号を受信した際の演算装置の処理の流れを示すフローチャートである。また、図4は、冷房通常運転の制御を説明するための波形図である。図4において、一点鎖線が睡眠状態の変化を示しており、ここでは睡眠状態がREM、1、2の浅睡眠と、睡眠状態が3、4の深睡眠の2段階の変化を示している。また、図4において実線が設定温度の制御波形を示している。後述の各波形図においても図の見方は同様である。
演算装置4の空調制御手段4aは、睡眠状態取得システム100から睡眠状態信号を受信し(S1)、その受信した睡眠状態信号が、睡眠が開始後の最初の浅睡眠信号(最初の深睡眠信号がくるまで)である場合、次の制御を行う。すなわち、空調制御手段4aは、設定温度を、初期設定温度T0を下回る温度(図4では、T0−1℃))まで徐々に下げる(S2,S3)。図4には段階的に下げるようにした例を示している。そして、空調制御手段4aは、室内空間の温度が設定温度(ここでは、T0−1℃)となるように空調手段2を制御する(S4)。そして、ステップS1に戻って次の睡眠状態信号が来るのを待ち、設定温度を維持する。ヒトの体温は、上述したように睡眠開始後上昇するため、睡眠開始後に設定温度を徐々に下げることにより体熱の放熱を促進することができ、入眠を促進することができる。
そして、就寝者が深睡眠に入り、空調制御手段4aは睡眠状態取得システム100から深睡眠信号を受信すると(S2)、今度は初期設定温度T0を上回る温度(図4では、T0+2℃)に設定温度を更新する(S5)。深睡眠中は室内空間の温熱環境の変化に対する感度が鈍く、一方で体温調節機能が働くため、設定温度が就寝者の快適な初期設定温度を上回っても、中途覚醒が生じる可能性が低い。よって、省エネ性を考慮して深睡眠中は設定温度を上昇させる。空調制御手段4aは、室内空間の温度が設定温度(ここでは、T0+2℃)となるように空調手段2を制御する(S4)。なお、冷房運転中の夏場では、冷房中の室内よりも外気温が高いため、空調手段2をOFFにすることにより自然と室内空間の温度が上がる。室内空間の温度を設定温度とするための具体的な空調手段2の制御は任意であるが、省エネ性を考えると、空調手段2をOFFにして圧縮機のインバータ制御も止めるようにすればよい。
そして次に就寝者が浅睡眠に入り、空調制御手段4aは睡眠状態取得システム100から浅睡眠信号を受信すると(S2)、設定温度を初期設定温度T0に戻す(S6)。浅睡眠時は温熱環境の変化に敏感であるため、不快温度帯であると、中途覚醒が生じてしまう。このため、就寝者によって設定された初期設定温度T0に戻すことによって、中途覚醒を防止して快適な睡眠を提供することが可能となる。快適な睡眠が得られることで健康状態も良好に維持できる。
そして、次に深睡眠に入ると、最初の深睡眠の場合のときと同様にステップS5及びステップS4を行う。空調制御手段4aは深睡眠と浅睡眠の間、以上の制御を繰り返す。そして、空調制御手段4aは睡眠状態取得システム100から起床予測信号(起床時刻よりも所定時間(例えば60分)前を示す信号)を受信すると、設定温度を深睡眠時の設定温度以上の温度(図4では深睡眠時の設定温度と同じ温度T0+2℃にした例を示している)に更新する。深夜には深部体温が下がっているため、設定温度を初期設定温度T0よりも高い温度にし、室内温度を上昇させておくことにより、中途覚醒が少なく就寝者に快適な起床を提供できる。
(冷房省エネ運転)
図5は、冷房省エネ運転の制御を説明するための波形図である。以下、冷房省エネ運転は上記の冷房通常運転と基本的に同様であり、ここでは冷房省エネ運転が冷房通常運転と異なる部分について説明する。
図4と図5とを比較して明らかなように、冷房省エネ運転では、深睡眠を抜けて浅睡眠に入っても、設定温度を初期設定温度T0に戻さず、深睡眠時の設定温度(ここでは、T0+2℃)のままとし、これを起床まで継続するようにしている。
これにより、冷房通常運転に比べて更に省エネが可能となる。
(冷房省エネ運転(タイムラグ制御))
図6は、冷房省エネ運転のタイムラグ制御を説明するための波形図である。
上記睡眠時省エネ制御では、省エネ効果があるが、最初の深睡眠に入った後、起床まで温熱環境変化がなく、初期設定温度T0よりも高い温度(T0+2℃)が維持される。このため、浅睡眠後、深睡眠に向けて体の末端からの放熱が始まると、就寝者は暑くて中途覚醒する可能性がある。そこで、このタイムラグ制御では、省エネ効果と睡眠時の快適性との両方を兼ね備えた制御を実現するものである。
以下、冷房省エネ運転のタイムラグ制御について説明する。ここでは図6に示すタイムラグ制御が図4に示した冷房通常運転と異なる部分を中心に説明する。なお、図6中の数値は時間を示しているが、この時間は一例でありこの時間に限られたものではない。
タイムラグ制御では、最初の深睡眠に入った際、設定温度を上げて深睡眠時の設定温度(ここでは、T0+2℃)に更新する。そして、この深睡眠を経て浅睡眠に移行した際、設定温度を冷房通常運転の場合のように直ちに設定温度を下げるのではなく、所定のタイムラグ(図6では例えば45分)経過した後、設定温度を下げ(ここでは、T0+1℃に設定)、次の深睡眠へ誘導するようにしている。この温度は、ここではT0+1℃としているが、これに限られたものではなく、省エネ性を考慮して初期設定温度T0以上の温度とする。そして、次の深睡眠に入ると、同様に設定温度をT0+2℃に更新する。そしてこの深睡眠を経て浅睡眠に移行した際、同様に所定のタイムラグ(図6では例えば45分)経過した後、次の深睡眠へ誘導するために設定温度を段階的に下げる。ここでは、初期設定温度T0まで段階的に設定温度を下げる例を示している。そして、段階的に下げた後、冷えすぎないように設定温度をT0+1℃に上昇させている。
このようなタイムラグ制御を行うことにより、睡眠時冷房省エネ制御に比べて睡眠時の快適性も維持しつつ、省エネな制御が可能となる。
(エラー機能付き冷房省エネ運転)
図7は、エラー機能付き冷房省エネ運転の制御を説明するための波形図である。以下、エラー機能付き冷房省エネ運転は上記の冷房省エネ運転と基本的に同様であり、ここではエラー機能付き冷房省エネ運転が冷房省エネ運転と異なる部分について説明する。
図7と図5とを比較して明らかなように、エラー機能付き冷房省エネ運転は、睡眠開始後、空調手段2の設定温度を初期設定温度T0を下回る温度(ここでは、T0−1℃)まで徐々に(段階的に)下げた後、一定期間経過すると設定温度を初期設定温度T0に戻すようにしている。この点、冷房省エネ運転と異なっている。実際には就寝者の睡眠状態が深睡眠となっているにも関わらず、何らかのエラーなどで睡眠状態取得システム100から深睡眠信号が演算装置4に入力されない場合、設定温度が初期設定温度T0を下回る温度(ここでは、T0−1℃)に設定されたままとなってしまう。この場合、省エネ性に問題があるばかりでなく、深睡眠後、温熱環境変化に敏感な浅睡眠時に初期設定温度T0よりも低い温熱環境が継続された状態となるため、寒さを感じて中途覚醒が生じ、快適な睡眠が得られない。このようなことから、エラー機能付き冷房省エネ運転では、空調手段2の設定温度をT0−1℃まで下げた後、一定期間経過すると強制的に設定温度を初期設定温度T0に戻すようにしている。その後の動作は、冷房省エネ運転の場合と同様であり、設定温度をT0+2℃に更新する。
(暑がりさん用運転)
図8は、暑がりさん用運転の制御を説明するための波形図である。暑がりさん用運転は、図6に示したタイムラグ制御と略同様の波形形状を有し、その波形形状を保ったまま温度が低い方にシフトさせた波形に基づく運転を行っている。ここでは暑がりさん用運転が冷房通常運転のタイムラグ制御と異なる部分について説明する。
暑がりさん用運転では、睡眠開始時に設定温度を下げる点については冷房通常運転と同様であるが、冷房通常運転の場合よりも更に低い温度(ここでは、T0−2℃)まで設定温度を下げるようにしている。そして、最初の深睡眠に入った際、冷房通常運転では設定温度をT0+2℃としていたのに代えて、暑がりさん用運転では、更に低い温度(ここでは、T0+1℃)としている。
この制御により、暑がりなユーザーに対して快適な空調制御を行うことができ、また、省エネが可能である。
次に、冬季の暖房運転について説明する。
(暖房通常運転)
図9は、暖房通常運転において睡眠状態信号を受信した際の演算装置4の処理の流れを示すフローチャートである。図10は、暖房通常運転の制御を説明するための波形図である。また、暖房運転時では、温度検出手段3で検出された室温が設定温度よりもある温度幅(例えば1℃)以上、離れた場合、自動的に空調手段2をON又はOFFにして室温が設定温度となるように空調手段2を制御する処理が空調制御手段4a内に組み込まれているものとする。
演算装置4の空調制御手段4aは、睡眠状態取得システム100から睡眠状態信号を受信し(S11)、その受信した睡眠状態信号が、睡眠が開始後の最初の浅睡眠信号(最初の深睡眠信号がくるまで)である場合、冷房通常運転と同様の処理(S12、S13)を行う。すなわち、空調制御手段4aは、空調手段2の設定温度を、初期設定温度T0を下回る温度(ここでは、T0−1℃)まで徐々に(段階的に)下げる(S13)。図10には2段階で段階的に下げるようにした例を示している。
そして、空調制御手段4aは、室内空間の温度が設定温度(ここでは、T0−1℃)となるように空調手段2を制御する(S14)。なお、暖房運転時では外気温は低いため、空調手段2をOFFにすることにより自然と室内空間の温度が下がる。室内空間の温度を設定温度とするための具体的な空調手段2の制御は任意であるが、省エネ性を考えると、空調手段2をOFFにしてインバータ制御も止めるようにすればよい。
そして、空調制御手段4aは、ステップS1に戻って次の睡眠状態信号が来るのを待ち、深睡眠が検出されるまで温度T0−1℃を維持する。ヒトの体温は、上述したように睡眠開始後上昇するため、睡眠開始後に設定温度を徐々に下げることにより、放熱を促進することができ、入眠を促進することができる。
そして、就寝者が深睡眠に入り、空調制御手段4aは睡眠状態取得システム100から深睡眠信号を受信すると(S11)、現在の設定温度T0−1℃を下回る温度T0−2℃に設定温度を更新する(S15)。すなわち、設定温度を下げて暖房能力を弱める設定を行う。そして、空調制御手段4aは、室内空間の温度がT0−2℃となるように空調手段2を制御する(S14)。ここでの具体的な制御としては、空調制御手段4aは空調手段2をOFFする。これにより室内温度が徐々に下がっていくことになる。なお、寝床内温度は、空調手段2をOFFしても急激には下がらず、徐々にしか下がらないため、睡眠中の就寝者は頭寒足熱の状態になる。冬場は頭寒足熱の状態が好ましいが、ある一定以上の寒冷地になると室内温度が下がりすぎ、頭部が急激に冷える。この刺激により睡眠が妨げられることがあるため、これを防ぐことが重要である。そこで、空調制御手段4aは、温度検出手段3により測定された室温が、設定温度(ここでは、T0−2℃)よりも、ある温度幅(例えば1℃)以上、下がっていないかどうかを定期的にチェックしており、室温が温度幅(例えば1℃)以上、設定温度よりも下がった場合には、これ以上、室温が下がらないように空調手段2をONにし、暖房運転を行う。
また、設定温度を変更した場合、寝床内温度が設定温度へ到達するまでの時間は、室温が設定温度に到達するまでの時間に比べて長い。すなわち、就寝者が実感として体感する寝床内温度は、室温よりも変化が遅く、設定温度を多少変更しても、その設定温度が就寝者に体感として伝わるのには時間を要する。このため、所定の温度幅(ここでは、1℃)以上、設定温度よりも室温が下がらない限りは、その後、浅睡眠信号又は深睡眠信号を受信しても、図10に示したように睡眠中の設定温度の変更は行わない。
そして、空調制御手段4aは、睡眠状態取得システム100から起床予測信号(起床時刻よりも所定時間(例えば60分)前を示す信号)を受信すると(S11、S12)、起床段階に入ったものと判断し、設定温度を現在の設定温度(ここでは、T0−2℃)を上回る温度(ここでは、T0+1℃)に上昇させ(S16)、起床しやすい環境を作っておく。このように、温度変化により就寝者が起床しない程度に室内空間を徐々に暖めておき、起床時の寒さを軽減する。
(暖房省エネ運転)
暖房省エネ運転は、図10に示す起床予測タイミング(起床段階)において、暖房通常運転では設定温度を初期設定温度T0を上回る温度(ここでは、T0+1℃)としていたところを、初期設定温度T0を超えない範囲で現在より上回る温度(ここでは、T0−1℃(図10の点線))としたものである。この場合も、睡眠中の設定温度T0−2℃よりは設定温度を上昇させているので、起床時の寒さを軽減可能である。この運転では、上記の暖房通常運転に比べて起床時の暖房能力を抑えているので、省エネが可能である。
(リニアモード運転)
リニアモード運転は、例えば薄い布団で睡眠する場合などに適用されて快適な睡眠を提供可能な運転である。
図11は、リニアモード運転の制御を説明するための波形図である。ここでは、リニアモード運転が図10に示した暖房通常運転と異なる部分を中心に説明する。
図11と図10とを比較して明らかなように、リニアモード運転では、深睡眠を抜けて浅睡眠に入った際、空調制御手段4aは、設定温度を初期設定温度T0に更新し、そして再び深睡眠に入った際には設定温度をT0−2℃に更新する。そして、この深睡眠を抜けて浅睡眠に入った際は再度、設定温度を初期設定温度T0に更新する。空調制御手段4aは深睡眠と浅睡眠の間、以上の制御を繰り返す。そして、暖房通常運転と同様、起床予測タイミングとなると、設定温度をT0+1℃に更新し、起床時の寒さを軽減するようにしている。薄い布団の場合、設定温度をT0−2℃としたまま浅睡眠に入ると、寒くて中途覚醒してしまう場合がある。リニアモード運転では、上記のように制御することにより、浅睡眠時に中途覚醒してしまう不都合を軽減できる。
(エラー機能付き暖房運転)
図12は、エラー機能付き暖房運転の制御を説明するための波形図である。エラー機能付き暖房運転は上記の暖房通常運転と基本的に同様であり、ここではエラー機能付き暖房運転が暖房通常運転と異なる部分について説明する。
図12と図10とを比較して明らかなように、エラー機能付き暖房運転は、睡眠開始後、空調手段2の設定温度を初期設定温度T0を下回る温度(ここでは、T0−1℃)まで徐々に(段階的に)下げた後、一定期間経過すると設定温度を強制的に更に下回る温度(ここでは、T0−2℃)に下げるようにしている。この点、暖房通常運転と異なっている。実際には就寝者の睡眠状態が深睡眠となっているにも関わらず、何らかのエラーなどで深睡眠信号が睡眠状態取得システム100から演算装置4に入力されない場合、空調制御手段4aは空調手段2をOFFしたままの状態となる。この場合、室温が下がり続け、寝床内温度も徐々に下がり続け、寒さを感じて中途覚醒が生じ、快適な睡眠が得られない。このようなことから、エラー機能付き暖房運転では、空調手段2の設定温度をT0−1℃まで下げた後、一定期間経過すると強制的に設定温度を現在よりも更に下げる(ここではT0−2℃)ようにしている。すなわち、設定温度を下げて暖房能力を弱める設定とする。その後の動作は暖房通常運転の場合と同様である。以上の制御を行うことにより、何らかのエラーが発生した場合でも、快適な睡眠と省エネを実現することが可能な空調制御を実現できる。
なお、暖房運転のリニアモード運転及びエラー機能付き暖房運転の際に、省エネ設定が成されていた場合には、暖房省エネ運転と組合せるようにしてもよい。すなわち、起床段階において、設定温度を初期設定温度T0を上回る温度(ここでは、T0+1℃)としていたところを、初期設定温度T0を超えない範囲で現在より上回る温度(ここでは、T0−1℃(図10の点線))とするようにしてもよい。
以上説明したように、本実施の形態1によれば睡眠中の快適な空調制御が可能で且つ省エネ性のある空気調和機1を得ることができる。
なお、上記の説明において、初期設定温度を上回る温度又は下回る温度とするときのその温度幅は一例であり、上記の温度に限られたものではない。
なお、本実施の形態1では就寝者が一人の場合を想定したが、一人に限られたものではなく、複数人であってもよい。この場合、睡眠状態取得システム100におけるセンサ部分を複数配置し、複数人の睡眠状態をそれぞれ判定し、以下のような空調制御を行う。2人を例に説明すると、両者の快適温度の中間又は高い方を初期設定温度T0として設定する。そして、ここでは冷房の例で説明すると、睡眠開始時は、その初期設定温度T0を下回る温度(例えば、T1=T0−1℃)まで設定温度を徐々に下げていく。そして、両者とも深睡眠に入った場合は、初期設定温度T0を上回る温度T1に設定温度を更新する。そして、片方の就寝者が深睡眠を経て浅睡眠に移行しても、もう一方の就寝者がまだ深睡眠状態にあるときには、設定温度を初期設定温度T0に戻さず温度T1のままとする。すなわち、両方の就寝者が深睡眠から浅睡眠に移行するまでは設定温度を初期設定温度T0に戻さない。これにより、体温調整が効かない深睡眠中における室内空間の温度低下を防ぐことができ、中途覚醒を防止できる。
また、起床を予測することにより、深夜電力時間帯に部屋を暖めておくことが可能になる。例えば部屋の温度追従性能を学習しておき、起床予測時間に室内が快適温度となるように、深夜電力時間帯に通常より設定温度を高めに暖めておく。これにより、起床時は空調手段2がOFFでも快適温度が確保されている。設定温度より高めに設定する場合に熱負荷が大きい場合には室温変化で起床させないように深睡眠の時間帯に運転を始める。
なお、本実施の形態1では、睡眠状態取得システム100により判定された睡眠状態に基づいて空調制御を行う例を説明したが、更に別のセンサを設け、そのセンサの検出結果と組み合わせて睡眠、快適に有効な空調制御を行うことが可能である。具体的には例えば、赤外線センサ、例えばマトリックス状のサーモパイル、単眼又は複眼サーモパイルを走査させてセンシングした熱画素画像、CMOS、CCD、暗視機能付などのカメラによる画像を用いる。これらのセンサを利用した赤外線技術や画像処理技術により就寝者の着衣量及び布団の量を推定する。例えば熱画素画像なら頭部、手足など体の部位の判別ができ、表面温度も分かる。よって、体が布団から出ている場合、どの部位が布団から出ているかを判別でき、また、着衣量はどの程度かを判別し、空調制御データ(図4などに示す波形図における各設定温度及び一定時間など)を変更するようにしてもよい。例えば冬季の暖房運転時は、頭寒足熱の状態を理想としているため、以下の制御とする。すなわち、本実施の形態1では睡眠開始時に室内空間の温度を下げるようにしているが、手足が布団から出ている場合は、設定温度を通常時の設定温度(本例ではT0−1℃)よりも高めの温度(<初期設定温度T0)に設定するとともに、頭を暖めないように手足に向かって暖気を届けるよう、風向制御を行うフラップ及びベーンを制御する。なお、布団位置は、接触センサ又は非接触センサにより検知した重量及び距離などによる位置推定より推定可能であり、また、布団の状況(布団の量や厚さなど)はサーミスタにより寝床内温度がどのように変化しているのかにより把握可能である。
また、空調制御は、上述したように就寝者の睡眠状態を実際に判定しながらその判定結果に応じて制御するようにしてもよいし、基本の睡眠サイクルパターン(睡眠状態遷移パターン)に当てはめて空調制御を行っても良い。基本の睡眠サイクルパターンを用いる場合、予測制御が可能となる。すなわち、基本の睡眠サイクルにより、入眠開始から数時間後に深睡眠となることが予測できるため、深睡眠に入る前に設定温度を下げて深い眠りに誘導するといった制御が可能となる。また、REM睡眠を抜けるタイミングを基本の睡眠サイクルパターンに基づき予測し、早めに設定温度を起床温度に変更するといった制御も可能である。
しかし、睡眠サイクルパターンは、同一の個人であっても、ライフサイクル(例えば、夜勤労働者の場合、19時に起きて21時〜翌5時まで働き、12時に就寝など)や健康状態によって様々に変化するため、就寝者の睡眠サイクルが、基本の睡眠サイクルとは違ったパターンの睡眠サイクルとなる場合がある。このため、実際にサンプルデータを大量に計測し、睡眠状態変化の特長量をライフサイクルや健康状態別にパターン化してデータベース化しておく。そして、実使用時に、睡眠開始から例えば3時間程度の睡眠初期段階までに得られた睡眠サイクルパターンに基づきデータベースを検索し、合致する睡眠サイクルパターンを抽出し、抽出した睡眠サイクルパターンに基づいて予測制御を行うようにすればよい。パターン化に際しては、ライフサイクルと睡眠制御の組合せ毎、または健康状態と睡眠制御の組合せ毎に、入眠開始までの時間と、深睡眠比率と、サイクル数とでポイント化する。
また、上記では、各運転モード毎に空調制御データが一意に決定されているものとして説明したが、ユーザーが空調制御データの設定温度を、各運転モードの特徴を逸脱しない温度範囲で自分好みの温度にリモコン5などの入力手段により変更可能としてもよい。そして、ユーザー個人毎に空調制御データを切り替えられる構成とする。また、睡眠状態取得システム100として、就寝者の生体状態(呼吸、心拍など)から睡眠状態を判定するシステムを採用した場合には、その生体状態情報から個人を特定し、その個人毎に空調制御データを自動的に切り替えるようにしてもよい。個別に空調制御データを登録することにより、個人に合った最適な空調設定を可能にすることができ、より快適で省エネに効果がある空調制御が期待できる。
また、睡眠状態取得システム100では、睡眠状態を判定するために就寝者の生体状態情報の検出が行われているため、就寝者の生体状態の変化を空調制御に加味するようにしてもよい。例えば、夏場の冷房通常運転では、深睡眠を抜けて浅睡眠となると、図4に示すように設定温度を初期設定温度T0に下げ、浅睡眠の間は初期設定温度T0を継続するようにしている。このような空調制御データに基づく制御中において、睡眠状態取得システム100により検出された生体状態情報から演算装置4が就寝者の快適度を判断し、快適度が高い場合には空調制御を省エネ設定に切り替えるようにしてもよい。快適度の判断の手法は従来既存の方法を採用できるものとする。
ここでの省エネ設定とは、例えば設定温度を初期設定温度T0から徐々に上げるようにし(例えば、15分に0.5℃ずつ上昇させ、最大、深睡眠時の設定温度まで上げる)、冷房能力を抑えて省エネを図るようにする。なお、設定温度を上げることによって就寝者の快適度が低下する場合(後述の実施の形態4のIQ平面の乱れ(体動が多く、呼吸が乱れる)、心拍ならR−R間隔による交感神経の状態が短くなる)には、省エネ設定を解除し、これ以上設定温度を上昇させるのをやめる。このような制御により、快適性や健康性を失わずに省エネモードに自動設定することが可能となる。なお、ここでの省エネ設定はあくまでも一例であり、これに限られたものではない。
また、空気調和機1に表示パネルを設け、省エネ運転中であることや、上記の例のように設定温度を初期設定温度T0のままとせずに徐々に上げたことによる電気代の差額を表示するようにしてもよい。
実施の形態2.
上記実施の形態1は、空気調和機1を室内で独立して利用する形態を想定した構成である。実施の形態2は、空気調和機1をインターネットなどのネットワークに接続するとともに、ネットワーク上にサーバーを設け、空気調和システムを構成したものである。
図13は、本発明の実施の形態2に係る空気調和システムの構成を示す図である。
空気調和システムは、実施の形態1の空気調和機1に更に通信機能が備わった空気調和機1と、空気調和機1と通信可能なサーバー101とを備え、空気調和機1とサーバー101とがインターネットなどのネットワークを介して接続されている。ネットワーク接続はEthernet(登録商標)、無線LAN、電話回線などインターネットに接続できればどのような方法でも良く、方式は問わない。
また、図13の空気調和システムでは更に、空気調和機1と同じユーザー宅に設置された1又は複数の機器102と、就寝者(ユーザー)が使用するユーザー端末(例えば、携帯電話など)103とがネットワーク上に接続された例を示している。機器102は、例えばマットレスや焦電センサにより体動等の生体情報を取得して睡眠判定を行う機能を備え、睡眠判定結果に基づいて制御される機器であり、例えば除湿器や加湿器などが該当する。図1には機器102が一台のみ接続された例を示しているが、もちろん複数接続されていてもよい。なお、図13のネットワーク構成図は、あくまでも一例であって、この限りではない。
以下、空気調和機1をネットワーク上に接続したことにより実現可能となる利用形態について説明する。なお、以下の説明では、図13のネットワーク構成に対応する利用形態以外にも、適宜多様な利用形態についても説明する。
このように空気調和機1をネットワークに接続した構成とすることにより、空気調和機1にデフォルトで設定されている各種データ(睡眠状態取得システム100における睡眠状態判定に用いる閾値(実施の形態4で説明する)や、各運転モードの空調制御データなど)よりも、更に詳細な睡眠状態判定や、就寝者の体調に応じた快適な空調制御などを可能にする各種データを、ネットワーク上に接続されたサーバー101からダウンロード可能な構成とすることができる。また、空気調和機1をネットワークに接続することにより種々のソフトウェア(例えば、不具合修正プログラムや性能向上のためのパッチプログラム)をサーバー101からダウンロードすることもできる。これにより空気調和機1のソフトウェアを常に最新状態にできる。
また、空気調和機1は、機器102に搭載されるセンサー(生体情報取得手段)が検知したデータをネットワークを介して機器102から取得し、睡眠状態判定のための閾値を決定する際に利用する構成とすることも可能となる。この睡眠状態判定のための閾値については後述の実施の形態4で説明するが、睡眠状態取得システム100により学習期間を設けて取得した睡眠データを所定のアルゴリズムに基づいて分析することにより睡眠状態判定のための閾値を自動設定するような場合に、機器102に搭載されるセンサー(生体情報取得手段)から得たデータを、その閾値決定に利用することが可能となる。睡眠状態取得システム100において生体状態情報を取得するために必要なセンサー類(ドップラレーダーセンサーを含む生体認証センサー)を空気調和機1に搭載するとコスト高となるため、ネットワーク経由で別の機器102に搭載されているセンサーから同様のデータを取得するようにすれば、空気調和機1の低コスト化が可能である。
また、人種、性別、年齢などに応じた睡眠状態判定データ(睡眠状態判定のための閾値)を予め用意してネットワーク上のサーバー101に登録しておくようにしてもよい。そして、空気調和機1側で人種、性別、年齢などのパラメーターをユーザーに入力させ、これらのパラメーターとともにサーバー101に閾値を要求して該当の閾値を取得するようにしてもよい。この場合、より正確な睡眠状態判定が可能となる。なお、サーバー101に代えて、空気調和機1のメモリに登録しておき、ネットワークを利用しない構成としてももちろん良い。
また、1日の歩数、体調状態(例えば会社の在住時間、通勤の混雑具合など)に加え、それぞれの場所の温熱環境、音、光の状態などの環境情報を加味して、ストレスレベルなどの体調状態を既存のプログラムを利用して空気調和機1が判別するようにしてもよい。環境情報は、ユーザー端末(例えば、携帯電話)103に設けたセンサーから取得してもよいし、電車又は道路などの管理サーバーのAPIを利用して取得してもよい。これらの環境情報は、ネットワークを通してサーバー101で1元管理して、サーバー101から空気調和機1に送信してもよい。また、ユーザー端末103に環境情報を登録しておき、自宅に帰ったときに家庭内ネットワークに接続し、環境情報をユーザー端末103からサーバー101又は空気調和機1へ転送するようにしてもよい。
これらの方法により、睡眠状態が変化する度合いを学習、又はパターンとしてデータベースに登録、それを参照し、睡眠状態判定データおよび空調制御データの設定を行うことができる。例えば体調が芳しくないユーザーには、体への負荷を軽減するため冷房の上下設定温度を一定内に抑え、温度変化もゆっくり行い、体への負荷をより軽減するなどの制御に設定する。
また、睡眠状態取得システム100で用いる各種センサー(ドップラレーダーセンサーなど(後述の実施の形態4参照))や別の機器102との連動により取得した、生体情報、健康情報、個人情報(人種、性別、年齢など)および生活情報(ライフサイクルなど)などの個人属性情報をネットワークを介してサーバー101にアップロードし、サーバー101側で分析・管理・蓄積することが可能である。そして、空気調和機1側からネットワークを介してサーバー101に個人属性情報を送信し、就寝者の特徴に合致した睡眠判定データ(睡眠状態判定に必要な閾値など)や空調制御データをサーバー101側に要求して取得することも可能である。また、サーバー101側に蓄積した前記個人属性情報を、同業者、同年代、同性、地域、人種別等に分類して睡眠状態を分析し、睡眠状態判定のための閾値の決定に利用することも可能である。
また、データベースを空気調和機1ではなくサーバー101上に設けるようにすれば、大容量のデータベースを利用できるため、多量のパターンを蓄積することが可能である。また、前記パターンマッチングをサーバー101側で高速に処理することができるので、空気調和機1を安価に構成できる。
また、個人に登録承認を得られた個人属性情報を直ぐにネットワークでサーバー101にアップデートして蓄積し、睡眠判定データを決める参考データとして利用するようにしてもよい。これにより、サーバー101側の睡眠判定データを最新の状態にしておくことが可能となり、空気調和機1側で睡眠状態判定を行う際には、サーバー101から最新の睡眠判定データを取得又は参照可能となる。その結果、より正確な睡眠状態の判定ソフトウェアの作成及び更新が可能になる。
また、個人属性情報は、病院などでの健康診断、体内時計による薬剤投与の調整など、医療や健康面でのサポートに利用可能である。また、個人属性情報を電力会社の電力ピークカットなどに利用することもできる。例えば、電力制限すると生体状態が悪化する機器102についてはピークカットを行わない、または制限する、体感温度状態を判断しピークカットレベルを決定するなどである。これにより、健康に影響の出る、または快適性を損なうピークカットを極力避けることができ、不満の出にくい機器102から電力制限をかけることができる。
なお、個人を特定する方法としては、個人を特定可能な情報を取得可能な各種機器(空気調和機1の睡眠状態取得システム100とは別の生体認証機器、携帯しているIDや服のRFIDなどをリーダーで読み取る機器、カメラを備えた携帯電話など)をユーザー宅に設置し、その機器により取得した個人識別情報を元に個人を特定するようにしてもよい。ユーザー宅で取得した個人識別情報と照合するための照合用の個人識別情報は、空気調和機1に予め登録しておいてもよいし、サーバー101に登録しておきネットワークを介して取得して照合するようにしてもよい。また、ドップラレーダセンサーなど生体情報が取得できる場合にはリラックス時、睡眠時など呼吸/心拍が安定しているときに周波数、RR間隔などの交感神経の動向、呼吸/心拍の振幅などを取得し、これらの情報から従来公知の手法を用いて個人を特定しても良い。また、後述の実施の形態4のIQ平面の軌跡をパターン化し、マッチングして個人を特定するようにしてもよい。
ところで、一般的にネットワークで接続されている機器同士は、GPSやRFIDなど互いの存在位置を特定できる機能を持っている場合もあるが、その機能がない場合でも、無線などの通信方式によっては機器同士の距離や存在位置を特定できる。この位置特定機能を空気調和機1に採用して以下のような構成を実現することも可能である。
すなわち、睡眠状態取得システム100のうち、就寝者の生体状態情報を検出する検出部を空気調和機1から物理的に独立させて分離型装置とし、空気調和機1と分離型装置とを、互いの位置を特定可能な通信方式でデータ通信可能な構成とする。これにより、空気調和機1は分離型装置の位置を特定できるので、分離型装置を例えば枕元など人の近くに配置しておき、分離型装置の配置位置を避けて気流を送るようにすれば、人に直接気流があたるのを避けることができ、緩やかな対流で人付近を空調することが可能になる。このような制御を行うことにより、人体に気流感を強く感じさせない空調が可能となる。
また、分離型装置をベビーベットで寝ている子供の近くに置いておき、子供の呼吸数とその振幅などを検知することにより、子供の異常検知(例えば、無呼吸症候群、呼吸不全など)を行うことも可能である。
また、子供の睡眠サイクルに合わせて以下のように空調を制御するようにしてもよい。REM睡眠時は脳が活発に活動しており、脳を作っている時間と言われている。また、子供は大人と違い、入眠開始後直ぐにREM睡眠に入る。REM睡眠終盤及び深睡眠時には温度変化に敏感ではないことから、空調制御による温度変化を行う場合には、このタイミング(REM睡眠終盤及び深睡眠時)に行う。一方、子供を起床させたい場合には、温度変化に敏感な、REMに入る直前に温度変更を行うと効果的である。また、空気調和機1から照明や音楽機器を制御し、睡眠リズムを徐々につくっていくことも可能である。
ここで、空気調和機1と分離型装置との間の無線通信方式としては、赤外線、または微弱、特定小電力、無線LANなど2.4GHz帯ISM、など様々な方式がある。空気調和機本体と分離型装置の内部時計の同期精度が高ければ、どちらかが送信した信号から一定時間後に相手が返す信号の時間差から互いの距離を特定できる。また、リモコン5を利用して3角法で位置も特定できる。内部時計の同期が正確でなくても送受信の時間差分で判断されるので受信処理を行い、信号を返す処理を最小にしておけば空間を飛ぶ通信速度に比例する時間が算出できる。全二重通信の場合は通信中に送信側信号のbitを反転してから受信側信号のbitが反転するまでの時間でも良い。空中にノイズがある場合はランダム時間後に行うか周波数チャンネルを変更して再度行う方法でも良いし、複数チャンネルの時間上下を除いた値の平均などで距離を算出して決定しても良い。
また、睡眠状態を基に制御したい家電機器(加湿器、除湿機、空清機、照明など、睡眠判定を行う機能を持たない一般家電機器であって、例えば付属リモコンから赤外線通信により操作が可能な機器)がユーザー宅にある場合には、空気調和機1による睡眠状態判定結果に応じて空気調和機1から家電機器を制御するようにしてもよい。すなわち、家電機器を制御することによって、室内の湿度や明るさ等、快適で快眠できる環境を作り出すことができる。したがって、空気調和機1から睡眠状態に応じた快適な睡眠環境を作り出すための湿度設定信号や照明強度信号などの制御信号を家電機器に送信し、睡眠状態に応じた快適な睡眠環境を作り出すようにしてもよい。
実施の形態3.
実施の形態3は、ユーザーが自由に空調制御データの設定温度を変更可能とするとともに、その変更後の空調制御データをネットワーク上で広く公開して複数のユーザーに提供可能とする空気調和システムに関するものである。
図14は、実施の形態3の空気調和システムのネットワーク構成を示す図である。図14の空気調和機1も実施の形態2と同様に、実施の形態1の空気調和機1に通信機能を備えたものであり、ネットワーク上に複数(ここでは2台を例示)されている。
空気調和機1は、運転モード毎に用意された空調制御データの設定温度を、運転モードの特徴を逸脱しない温度範囲でユーザー個人が自分好みの温度に設定可能な構成とする。設定温度の変更はリモコン5などの入力手段により行うようにすればよい。
ここで、設定変更の例を説明する。実施の形態1で説明したように暑がりさん用運転では、図6に示したタイムラグ制御と略同様の波形形状を保ったまま、温度が低い方にシフトさせる温度設定としている。このシフト温度を、図8の暑がりさん用運転では1℃としていたが、例えば更に暑がりなユーザーであれば2℃に設定した空調制御データを作成する。
また、空気調和機1は、ユーザーにより作成された空調制御データをネットワークを介してサーバー101に送信する送信手段を備えている。また、ネットワーク上には、複数の空気調和機1が接続されており、複数のユーザーが同様に自己が作成した空調制御データをネットワーク上に公開可能である。空気調和機1の演算装置4は、ネットワーク上で公開されている複数の空調制御データの中から、ユーザーからの要求に応じて所望の空調制御データをダウンロードし、ダウンロードした空調制御データに基づいて空調制御を実行し、この空調制御における就寝者の睡眠状態変化(睡眠サイクル)を含む睡眠情報を睡眠状態取得システム100により取得してサーバー101に送信する機能を有する。
また、サーバー101は、各空気調和機1から送信されてくる複数の空調制御データをネットワーク上で公開するとともに、公開された空調制御データに基づく空調制御に対する複数ユーザーによる評価結果の投票をネットワークを介して受け付け、投票結果を集計してランキングして公開する制御手段101aを有している。制御手段101aは、空調制御データ毎に、その空調制御データをダウンロードした複数ユーザーからの睡眠情報に基づいて睡眠快適度の平均を算出し、ランキング結果に合わせて公開する機能も有している。睡眠快適度は、入眠時間、深睡眠比率、サイクル数及び睡眠時間を各パラメータ毎に年齢、性別毎に点数化し、足した点数(100点満点)である。また、ユーザーによる評価結果は、例えば10点満点で評価する。
図15は、ネットワーク上に公開された複数の空調制御データのランキング結果を示すランキング結果画面の一例である。
図15では、ユーザーが作成した空調制御データのランキングが、その空調制御データを試したユーザーによる評価の平均値及び平均睡眠(睡眠快適度の平均)とともに公開された例を示している。
このように実施の形態3では、ユーザーが空調制御データを変更できるようにし、また、ユーザー作成の空調制御データをネットワーク上に公開し、また、ランキングするようにした。これにより、空調制御データの改善をコミュニティなどで効率よく進めることが期待できる。また、本実施の形態3の空気調和システムを用いることにより、省エネ運転、暑がりさん用運転などバラエティ豊かな空調制御データの試験を、市場で複数人で改善しながら、ユーザーの評価を反映した空調制御データを短期間で作成するのにも役立つ。
実施の形態4.
本実施の形態4及びそれ以降の実施の形態は、実施の形態1の睡眠状態取得システム100の詳細を説明するものである。睡眠状態取得システム100は、ドップラレーダセンサーを備え、睡眠中のヒトに対して電磁波を送信し、その反射波を受信して受信波を用いて非接触で呼吸などの生体状態情報を取得する生体状態検出部としての生体状態取得装置を有している。そして、睡眠状態取得システム100は、生体状態取得装置で取得した生体状態情報に基づいて睡眠状態を判定するものである。睡眠状態取得システム100は、実施の形態4及びそれ以降の実施の形態で説明する構成に限られたものではなく、脳波などその他の生体信号から睡眠状態を判定する装置であってもよい。以下では、睡眠状態取得システム100の一例としての生体状態取得システム100について詳細に説明する。
以下に説明する生体状態取得装置では、呼吸、心拍、体動等の生体の活動状態を基礎データとして取得するとともに、この基礎データを基に、更に、自律神経の状態(交感神経優位、副交感神経優位等)と、生体の睡眠状態とを取得する。以下の各実施の形態では、睡眠中の生体(例えば、ヒト)の生体状態を取得する場合を例に説明する。
(呼吸検出)
図16は、本発明の実施の形態4に係る生体状態取得装置を備えた生体状態取得システムの構成を示すブロック図である。実施の形態4では、生体状態の基礎データとして呼吸に関する呼吸情報を取得する。そして、取得した呼吸情報に基づいて自律神経の状態と、ヒトの睡眠状態とを算出(取得)する場合について説明する。
生体状態取得システム100は、睡眠中のヒトに対して電磁波(マイクロ波)を送信し、その送信波のヒトからの反射波を受信するドップラレーダセンサー10と、IQ検波器20と、バンドパスフィルター30と、AD変換器40とを備えている。生体状態取得システム100は更に、生体状態取得装置としての演算装置50と、各種データ(後述の学習データ等)を記憶する記憶装置60とを備えている。
ドップラレーダセンサー10は、睡眠中のヒトに向けて電磁波を照射するとともに、ヒト体表面で反射される反射波を取り込み可能に配置されている。ドップラレーダセンサー10は、反射波を受信波として受信するアンテナと、入出力の増幅器と、発振器と、IQミキサ(検波器)と、電源と、周辺部品とを収容したモジュールで構成(何れも図示せず)されている。
IQ検波器20は、ドップラレーダセンサー10のアンテナで受信した反射波を入射波に対する同相成分(I信号)と直交成分(Q信号)に分解し、バンドパスフィルター30に出力する。バンドパスフィルター30は、呼吸検出用の低域のバンドパスフィルター31を有し、ターゲットとする信号を抽出してAD変換器40に出力する。IQ検波器20の出力は、呼吸だけでなく、心拍及び体動も全て重畳された信号であるため、その信号をバンドパスフィルター31を通すことにより呼吸信号を抽出する。そして、バンドパスフィルター31を通過後の信号をAD変換器40でデジタル信号に変換して演算装置50に出力する。なお、呼吸検出用のバンドパスフィルター31の通過周波数帯域は予め設定されている。
演算装置50はマイクロコンピューターで構成され、内部にCPU、ROM及びRAMを備えており、ROMに記憶されている各種プログラムに従って動作する。CPUがROMに記憶されている生体状態取得プログラムを実行することにより、AD変換器40からのIQ信号を取得するIQ信号取得手段51と、生体状態取得手段52とが機能的に構成されている。
生体状態取得手段52は、ドップラレーダセンサー10を睡眠中のヒトに対して適用し、呼吸や心拍、寝返りなどの体動によりヒトの体表面が動くことによるドップラ効果を利用して生体状態(呼吸、自律神経の状態、睡眠状態等)を取得するものである。
生体状態取得手段52は、生体の呼吸を検出して呼吸数等の呼吸情報を算出する呼吸検出手段53と、呼吸検出手段53で算出した呼吸情報に基づいて生体の自律神経状態を判定する自律神経状態判定手段54とを備えている。生体状態取得手段52は更に、呼吸検出手段53で算出した呼吸情報に基づいて生体の睡眠状態を判定する睡眠状態判定手段55を備えている。
なお、図16ではドップラレーダセンサー10の後段にバンドパスフィルター31及びAD変換器40を設けた例を示したが、バンドパスフィルター31及びAD変換器40は、ドップラレーダセンサー10のモジュールに組み込んでも良い。また、バンドパスフィルター31をディジタルフィルターで構成し、AD変換器40の後段に配置してもよい。また、IQ検波器20の出力が足りない場合にはAD変換器40の前段に更に増幅器を配置するなど、IQ信号が正確にフィルタリングされて演算装置50に入力できれば構成はどのような構成でも良い。
以下、生体状態取得システム100の動作について説明する。
ドップラレーダセンサー10は、睡眠中のヒトに向けて電磁波を照射し、ヒトからの反射波をアンテナ(図示せず)で受信する。そして、ドップラレーダセンサー10は、受信した反射波を増幅器で増幅してIQ検波器20に出力する。IQ検波器20に入力された信号は、I信号とQ信号に分解された後、バンドパスフィルターにより呼吸信号が抽出され、AD変換器40でデジタル信号に変換された後、演算装置50に出力される。演算装置50には、AD変換器40からの呼吸信号(I信号とQ信号)が時系列に順次入力される。
演算装置50は、AD変換器40からのI信号及びQ信号をIQ信号取得手段51で取得し、取得した取得信号のIQ平面上の軌跡に基づいて呼吸検出を行う。以下、演算装置50の呼吸検出手段53における呼吸検出方法について詳細に説明する。
ここでまず、生体状態の測定原理について簡単に説明する。ヒトは、呼吸による呼吸筋、横隔膜の活動による動作や、心拍による脈動、体動によって体表面が動く。呼吸の場合、呼吸によって胸部分の体表面が動く。このため、ドップラレーダセンサー10のアンテナで受信されるヒトからの反射波には、呼吸による体表面の動きの速度に応じたドップラシフトが生じている。
呼吸時の体表面の挙動を細かく分析すると、呼吸開始(吸い込み開始)前は体表面の動きの速度は略ゼロであり、吸い込み開始後、徐々に速度が上昇してピークに達する。そして、呼吸の端点(吸う吐くの切り替わり時)に向かって今度は速度が下降し、呼吸の端点で略ゼロとなる。そして、吐き出し開始後、体表面の動きの速度は徐々に上昇してピークに達し、その後、吐き出しの端点(吐き出し終了時)に向かうに従って今度は速度が下降し、吐き出しの端点で速度は略ゼロとなる。このような体表面の速度変化をIQ検波の検波結果から検出することにより呼吸を検出する。
図17は、図16の演算装置における生体状態取得処理の流れを示すフローチャートである。以下、図17を参照して生体状態取得処理の流れを説明する。
(S1:I信号及びQ信号取得)
演算装置50のIQ信号取得手段51は、ヒトの体表面の動きに応じてAD変換器40から時系列に順次出力されたIQ信号を取得する。そして、生体状態取得手段52は、取得したI信号及びQ信号のIQ平面上の軌跡に基づき、まず、速度ベクトルのノルムを算出する。以下、速度ベクトルのノルム算出について説明する。
(S2:速度ベクトルのノルム算出、S2:呼吸検出)
IQ信号取得手段51で取得した取得信号をIQ平面上にプロットすると、ヒトの体表面の動きに応じて次の図18に示すような軌跡を描く。
図18は、ヒトの呼吸時の体表面の動きに応じた反射波のIQ平面の一例を示す図である。図18(A)は、体表面がドップラレーダセンサー10に近づく場合、図18(B)は体表面がドップラレーダセンサー10から遠ざかる場合を示している。
図18(A)の反時計回り方向の矢印は、体表面がドップラレーダセンサー10に近づいたときのIQ信号のIQ平面上の座標の軌跡の方向を示している。図18(B)の時計回り方向の矢印は、体表面がドップラレーダセンサー10から遠ざかったときのIQ信号のIQ平面上の座標の軌跡の方向を示している。また、図18(A)の各点1〜9及び図18(B)の各点1〜9はサンプリングタイム毎のIQ信号の座標をプロットしたものである。
呼吸時の体表面の動作は、上述したように吸い込み時は、吸い込み開始後、徐々に速度が上昇してピークに達する。そして、呼吸の端点(吸う吐くの切り替わり時)に向かって今度は速度が下降し、呼吸の端点で略ゼロとなる。体表面の動きが速いと、ドップラ効果による反射波の位相変化が大きくなる。このため、IQ平面上において図18(A)の各点間の間隔が、動作開始時は間隔が狭く、次第に間隔が広くなり、軌跡の中間部分では最も長くなった後、再度間隔が狭くなっていく様子が示されている。吐き出し時も同様の特徴を有するIQ平面となる。
速度ベクトルは、サンプリング間隔毎に得られたIQ平面上の各点(図中の点1から点9・・・)のベクトル差に相当する。矢印(a)は点5と点6間の速度ベクトルを示している。各点間のベクトル差の長さがそのタイミングにおける速度ベクトルのノルムに相当する。この速度ベクトルのノルムを時系列に図示すると、次の図19に示す図となる。
図19は、速度ベクトルのノルムの時系列データを示す図である。図19において横軸は時間、縦軸は速度ベクトルのノルムを示している。
呼吸によって体表面が動く場合、上述したように吸い込みと吐き出しのそれぞれの動作の略中間で体表面の動きの速度が最も速くなり、また、呼吸の端点(吸う吐くの切り替わり時)で、体表面の速度は略ゼロとなる。よって、速度ベクトルのノルムの時系列データは、図19に示したように、吸い込み動作と吐き出し動作のそれぞれで山型のカーブを描く。従って、速度ベクトルのノルムの時系列データの2山分が1呼吸を示すことになる。よって、IQ信号から速度ベクトルのノルムを順次算出し、ノルムの時系列データから呼吸を検出することが可能となる。
このように、呼吸による体表面の動きの特徴を利用し、呼吸の端点でIQ平面上の軌跡速度が略ゼロとなることを手がかりにして、呼吸信号から1呼吸を抽出する。すなわち、呼吸の吸い込みと吐き出しの切り替わり時に速度ベクトルのノルムが略ゼロとなることによる、速度ベクトルのノルムの時系列データの波形の周期的な変動に基づいて1呼吸に対応する呼吸信号を検出する。ノルムの算出に際しては周波数解析が不要であるため、簡易且つ低負荷で呼吸を検出できる。
速度ベクトルのノルムの時系列データから、2山のカーブを1呼吸分として検出するための具体的な演算処理としては、図20〜図22に示す方法を用いることができる。図20の方法では、速度ベクトルのノルムの時系列データから一定値を引き算し、その引き算後の時系列データのゼロクロス点を検出する。そして、4つのゼロクロス点ごとに1呼吸とカウントする。また別の方法として、図21に示すように速度ノルムベクトルのデータのピークを抽出し、一つのピークが現れてから二つ目のピークが現れるまでを1呼吸とカウントするようにしてもよい。また図21と逆の方法として図22に示すように速度ベクトルノルムのデータの谷の底辺を抽出し、一つの谷が現れてから二つ目の谷が現れるまでを1呼吸とカウントするようにしてもよい。図20の方法では速度ベクトルのノルムの振幅に変動がある場合、一定値の数値の設定次第でゼロクロスしない部分が生じ、その部分の呼吸をカウントできない可能性がある。これに対し、図21及び図22の方法の場合では、速度ベクトルのノルムの振幅が一定とならない場合などでも呼吸をカウント可能である。
(S3:呼吸数、呼吸周期の変動幅(標準偏差)算出)
呼吸検出手段53は、時系列のノルム算出結果から、上述したように2山のカーブを1呼吸として検出し、呼吸情報を算出する。呼吸情報として、一定期間(例えば過去2分間)の呼吸数を算出する。また、一定期間の呼吸周期の変動幅(1呼吸に要する時間の変動幅(標準偏差))を算出する。
(S4:呼吸数の補正要否判定・補正(補正要の場合))
睡眠中において、呼吸による体表面の動きが安定している場合は上記の方法で呼吸を検知できるが、体表面の動きが複雑な場合、呼吸を正確にカウントできないことがある。例えば複数の筋肉が活動してドップラシフトを相殺し、体表面の動きを検知できない場合が考えられる。このような場合、呼吸数の補正が必要である。よって、ステップS4では、呼吸を正確にカウントできているかを判別するための、呼吸数の補正要否判定処理を行う。なお、補正要否判定処理の詳細は後述することにし、ここでは呼吸数を正確にカウントでき、補正不要と判定した場合の生体状態取得処理の説明を続ける。
(S5:自律神経の状態判定)
自律神経の状態が交感神経優位状態では、呼吸数が多く且つ呼吸周期の変動幅が大きくなり、逆に副交感神経優位状態では、呼吸数が少なく呼吸周期の変動幅が小さくなる特徴がある。よって、呼吸数及び呼吸周期の変動幅を求めることにより、自律神経の状態判定が可能となる。
自律神経状態判定手段54は、呼吸検出手段で算出された呼吸情報に基づいて自律神経の状態を判定するための指標を算出する。この指標は、呼吸数又は呼吸周期の変動幅そのものの値であってもよいし、何らかの関数にそれぞれを代入して得られた値等でもよく、ここでは交感神経が優位なほど大きい値を取るものとする。この指標により自律神経の状態を判定することができる。例えば、指標と予め設定した閾値とを比較し、指標が閾値よりも大きい場合、交感神経優位と判定し、指標が閾値未満の場合、副交感神経優位と判定する。その他、例えば交感神経の活動度合いを判定するようにしてもよい。
(S6〜S10:睡眠状態判定)
また、睡眠状態判定手段55は、呼吸情報に基づいて睡眠状態を判定する。次に、睡眠状態判定手段55の動作について説明する。
ここで、睡眠状態判定手段55の動作を説明するに先立ち、まず、睡眠状態について説明する。睡眠は、一般的に眠りの浅いREM睡眠と、眠りの深いノンREM睡眠とに大別される。更に細かく睡眠状態が定義されており、覚醒、REM睡眠、睡眠深度1、2、3、4の6つの状態が定義されている。睡眠深度1、2、3、4は、ノンREM睡眠を更に4つの段階に分けたものであり、ノンREM睡眠のなかでは、睡眠深度1が最も眠りが浅く、睡眠深度4が最も深い。
ヒトが入眠を開始してから次に目覚めるまでの間には、REM睡眠、睡眠深度1、2、3、4と睡眠が深くなるように移行し、その後、睡眠深度3、2、1、REM睡眠へと移行するという睡眠サイクルが通常約90分周期で繰り返されている。本例では、呼吸数及び呼吸周期の変動幅に基づいてREM睡眠、浅睡眠(例えば睡眠深度1、2)、深睡眠(例えば睡眠深度3、4)の何れかを判定する。
睡眠中のヒトの呼吸数は睡眠状態によって様相が変化することが知られている。一般的に深睡眠中の呼吸数は低く安定(呼吸周期の変動幅は小さい)しており、浅い睡眠中の呼吸数は高く不安定(呼吸周期の変動幅が大きい)である。また、REM睡眠中は最も不安定で、呼吸周期の変動幅は更に大きい。よって、REM睡眠、浅睡眠、深睡眠を判定するための第1呼吸数閾値、第2呼吸数閾値(<第1呼吸数閾値)、第1変動幅閾値、第2変動幅閾値(<第1変動幅閾値)を予め実験などにより求めて設定しておき、各閾値との比較により睡眠状態を判定する。
すなわち、呼吸数が第1呼吸数閾値以上で且つ呼吸周期の変動幅が第1変動幅閾値以上であればREM睡眠と判定する(S6、S8)。呼吸数が第1呼吸数閾値未満で第2呼吸数閾値以上、且つ呼吸周期の変動幅が第1変動幅閾値未満で第2変動幅閾値以上であれば浅睡眠と判定する(S6、S9)。呼吸数が第2呼吸数閾値未満且つ呼吸周期の変動幅が第2変動幅閾値未満であれば深睡眠と判定する(S6、S10)。
これらの各閾値は、学習期間を設けて1睡眠サイクル以上の睡眠データを取得し、その睡眠データに基づいて個人毎に設定するようにしてもよい。また、学習期間の睡眠データを所定のアルゴリズムに基づいて分析し、閾値となる値を判別して自動設定するようにしてもよい。
(図17のステップS4の呼吸数の補正要否判定の詳細説明)
以下、呼吸数の補正要否判定の詳細について説明する。呼吸数の補正が必要な場合とは、上述したように例えば呼吸中の体表面の動きが複雑でドップラシフトを相殺してしまう場合等が該当する。次の図23に、体表面の動きが複雑な場合の体表面の変位量(の平均値)の時系列データの一例を示す。
図23は、体表面の動きが複雑な場合の体表面の変位量(の平均値)の時系列データの一例を示す図である。実線は体表面の動きが複雑な場合を示している。なお、図23において上下方向に伸びる点線は、参考のために体表面の動きが通常の場合を示したものであり、時間の経過と共に体表面の変位量が徐々に上昇し、その後下降に転じる動作が繰り返される様子が示されている。
図23の例では、体表面の動きが複雑な場合の例として、吸い込み及び吐き出しのそれぞれの動作に際し、体表面全体の動きの平均値が変動しない期間が存在する例を示している。図23の横長の楕円で囲った部分がその期間を示している。図中実線で示す体表面の動きを計測した場合のIQ平面は、次の図23のようになる。
図24は、図23に示すような体表面の動きを計測した場合のIQ平面を示す図である。なお、図24では、図23の1呼吸における吸い込み動作と吐き出し動作を図示している。
体表面全体の動きの平均値が変化しない期間では、体表面全体においてドップラレーダセンサーに近づく動作と離れる動作とが混在し、結果としてドップラシフトが相殺されている。よって、その期間のIQ信号のIQ平面上での速度ベクトルはゼロとなる。図24において縦長の楕円で囲った部分が、速度ベクトルがゼロになる部分を示している。従って、図24に示すような速度ベクトルのノルムの時系列データは次の図25のようになる。
図25は、図24のIQ平面の速度ベクトルのノルムの時系列データを示す図である。
図24のIQ平面の場合、速度ベクトルのノルムの時系列データでは、図25に示すように吸い込み動作及び吐き出し動作のそれぞれが2山となって現れる。すなわち、1呼吸が4山となって現れる。呼吸検出手段53では、上述したように2山を1呼吸とカウントするアルゴリズムを採用しているため、1呼吸が4山となって現れると、正確には1呼吸である部分が2呼吸としてカウントされてしまうことになる。
図26及び図27は、呼吸周期(呼吸時間)とその分布とを示す図であり、図26は呼吸カウントが正常に行われている場合、図27は正常に行われていない場合を示している。図26及び図27は、横軸に取った各呼吸順に、各呼吸それぞれの呼吸周期を縦軸としてプロットした図である。
呼吸周期は、図19の速度ベクトルのノルムの場合、時間Ta、Tb、Tcに示される時間である。呼吸周期の頻度分布を取ると、図26に示すように、略正規分布状の形状となる。これに対し、図25の速度ベクトルのノルムの場合、正確には4山を1呼吸としてカウントし、呼吸周期を時間TA+TBとして算出すべきところ、2山を1呼吸としてカウントし、呼吸周期が時間TA、TB・・・と算出される。従って、呼吸周期の頻度分布は、図27に示されるように、明らかに2極化された分布となり、2つの山を持つ形状となる。したがって、呼吸検出手段53は呼吸数カウント後、呼吸周期の頻度分布を算出し、頻度分布が略正規分布状の形状であるか否かによって呼吸カウントが正常に行われているかいないかを判定できる。
ところで、呼吸による体表面の動きが複雑となる場合とは、具体的には例えば横向きで寝ている場合等が該当し、睡眠時の姿勢等が影響する。よって、一定期間の短い時間内に正常な呼吸カウントと正常でない呼吸カウントとが混在して行われることはあまりない。仮に混在してもその数は少ない。この前提の基、呼吸周期の頻度分布から呼吸カウントが正常に行われているか行われていないかを判定可能としている。
図28は、図17の補正要否判定処理及び補正処理(補正必要の場合)の流れを示すフローチャートである。以下、補正要否判定処理及び補正処理(補正必要の場合)の流れを図28を参照して説明する。
呼吸検出手段53は、呼吸周期の頻度分布を算出し(S21)、該分布が略正規分布状の形状であるか否かをチェックする(S22)。分布が略正規分布状の形状であれば、正常な呼吸数カウントが行われているものと判断し、補正不要と判定する(S23)。一方、呼吸周期の分布が略正規分布状の形状から乖離していれば、正常な呼吸数カウントが行われていないものと判断し、補正必要と判定する(S24)。呼吸周期の頻度分布が略正規分布状の形状であるか否かについては、呼吸周期の頻度分布のモーメントを算出し、これを閾値判定することで判定する。具体的には例えば3次モーメントである尖り度を算出し、この尖り度が予め設定した閾値3(正規分布)から乖離していれば、略正規分布状の形状から乖離していると判定する。
上記アルゴリズムで補正必要と判定した場合、呼吸検出手段53は呼吸周期の頻度分布の山の個数Nを推定する(例えば最尤推定などで)(S25)。なお、図23〜図27では、N=2の場合を例示して説明したが、体表面の動きによっては2個に限られたものではなく、更に複数個の場合もある。そして、個数Nに基づいてステップS3(図17参照)で算出した過去一定期間の呼吸数及び呼吸周期を補正する(S26)。以下、この補正について具体例で説明する。
図29〜図31は、図25の速度ベクトルのノルムの時系列データから呼吸をカウントする際の演算処理の説明図である。図29はゼロクロス点によるカウント、図30はピーク抽出によるカウント、図31は谷抽出によるカウントを示す。なお、ここでは呼吸周期の分布の山の個数N=2とする。
ステップS3では、2山を1呼吸としてカウントするアルゴリズムを採用しているため、図25の測定データの場合、図29〜図31に示すように、正確には1呼吸であるところ、2呼吸とカウントされる。よって、2呼吸を1呼吸としてカウントし直す補正を行うとともに、呼吸周期を補正する。具体的には、一定期間の呼吸数を算出後、その算出結果の呼吸数を2で除算し、補正後の呼吸数とする。なお、一定期間の速度ベクトルのノルムの時系列データそのものから、例えばゼロクロス点によるカウント方法により、4(ゼロクロスの個数)×N(山の数)個分で1呼吸とカウントし直す補正を行うようにしてもよい。また、呼吸周期の補正は、例えば図25の例で説明すると、時間TA+TBを呼吸周期として算出し直す補正を行う。
以上のように、ステップS24で補正必要と判定した場合には、補正を行う。そして、補正後の呼吸数及び呼吸周期に基づいてステップS5の自律神経の状態判定及びステップS6〜10の睡眠状態の判定を行う。
演算装置50は以上のようにして判定した自律神経の状態及び睡眠状態の判定結果を例えば空気調和機等の外部機器に出力する。判定結果を受信した機器側では、判定結果に応じた機器制御が行われることになる。機器制御の具体例については後述の実施の形態6で説明する。
以上説明したように、本実施の形態4ではIQ平面の軌跡から差分ベクトル(速度ベクトル)を算出し、その差分ベクトルのノルムを算出し、そのノルムの時系列データから呼吸情報(呼吸数及び呼吸周期)を得るようにした。よって、従来のような周波数解析などの負荷が高い処理が不要となり、安価な演算装置50を用いて呼吸情報を得ることができる。また、呼吸情報と相関の深い自律神経の状態及び生体の睡眠状態を高速で判定することができる。なお、自律神経の状態と睡眠状態とには互いに関係性があることから、自律神経の状態を示す前記指標に基づいて睡眠状態を判定するようにしてもよい。呼吸に伴った自律神経の活動を推定することで、生理モデルに沿った睡眠状態の判定が可能になる。
また、本実施の形態4によれば、1呼吸を複数呼吸にカウントしてしまうカウント誤りを検出することができ、カウント誤りを検出した場合、呼吸数を補正するようにしたので、呼吸数の算出精度を向上することができる。その結果、自律神経の状態及び睡眠状態の判定精度を向上することができる。
また、呼吸数と呼吸周期の変動幅との両方を用いて多次元空間で自律神経の状態判定及び睡眠状態判定を行うようにしているため、高精度に判定することが可能である。なお、多少の精度低下は否めないが、呼吸数と呼吸周期の変動幅のどちらか一方に基づいて自律神経の状態判定及び睡眠状態判定を行うようにしても良い。また、本実施の形態4では、呼吸情報として、呼吸数と呼吸周期の変動幅を例に挙げたが、これに限られたものではなく、呼吸数の変動幅を更に呼吸情報に含めてもよい。
また、体表面の移動速度が速い場合、IQ信号の位相が360度以上変化することがある。この場合、IQ平面上の座標は同じとなるため、単なるIQ平面の座標からでは1呼吸をカウントすることが難しい。しかしながら、本実施の形態4では、各サンプリング間のIQ信号の速度ベクトルのノルムを用い、各サンプリング時間の間に体表面が動いたかあるいは止まったかといった事象に基づいて呼吸を検出しているため、体表面の移動速さによらず、呼吸をカウントすることができる。
また、本実施の形態4では、呼吸を検出する場合について説明したが、心拍及び脈波などIQ検波により変化を情報として取得できるものであれば上記と同様の方法で検知できる。なお、呼吸の場合は、心拍や脈波などに比べて体表面の動き幅が大きく、ゆっくりとした動きであるので、呼吸の折り返し点で速度が略ゼロになることを見い出し易い。このため、呼吸の場合は実施の形態4の方法が特に好ましい。また、呼吸の場合、体表面の動き幅が大きいため、体表面から離れた位置でも検出可能である。
また、本実施の形態4では、睡眠中を中心に呼吸検出する例を説明したが、睡眠中だけではなく、リラックスしている状態、運転中など別の状態でもフィルター変更などにより、呼吸検出が可能である。ディジタルフィルターであれば自動でフィルター変更も可能であり、生体状態を取得するシーンに合わせて自動で設定を変更することも可能である。
なお、呼吸の複数誤カウントを防止する方法として、例えば、IQ平面上の軌跡自体を移動平均でフィルターをかけて図24の波形において速度がゼロになる部分を吸収し、フィルター処理後の軌跡に基づき呼吸数カウントを行うようにしてもよい。この場合、呼吸が複数誤カウントされてしまうことを抑制できる。フィルターは移動平均としたが、微小変化や急峻な変化を抑制できるフィルターであればどれでも良い。
実施の形態5.(心拍検出)
実施の形態5は、心拍のように体動による体表面の動きが小さく、また、複雑な動きをする生体状態を取得する場合に好適な方法を説明するものである。
図32は、本発明の実施の形態5に係る生体状態取得システムの構成を示すブロック図である。図32において、図16に示した実施の形態4と同一部分には同一符号を付す。
実施の形態5の生体状態取得システム200は、バンドパスフィルター30が実施の形態4の呼吸用のバンドパスフィルター31に代えて心拍・体動用の高域のバンドパスフィルター32を備えている。また、生体状態取得手段52が、生体の心拍を検出して心拍数等の心拍情報を算出する心拍検出手段56と、自律神経状態判定手段54Aと、睡眠状態判定手段55Aとを備えている。その他の構成は実施の形態4と同様である。
IQ検波器20の出力は、呼吸や心拍並びに体動も全て重畳された信号であるため、この信号を心拍及び体動検出用の高域のバンドパスフィルター32を通すことにより、心拍及び体動の信号を抽出する。抽出された信号は、AD変換器40でデジタル信号に変換されて演算装置50に入力される。なお、バンドパスフィルター32の通過周波数帯域は予め設定されている。
心拍検出手段56は、IQ信号取得手段51で取得された取得信号(I信号及びQ信号)から高域成分を除去するローパスフィルター(図示せず)を備えている。演算装置50に入力された測定データをローパスフィルターに通過させることにより心拍信号を抽出する。そして、心拍検出手段56は、心拍信号の波形の周期的な変動に基づいて1心拍に対応する心拍信号を検出し、単位期間における心拍数を心拍情報として算出する。
自律神経状態判定手段54Aは、心拍検出手段56で算出された心拍情報に基づいて自律神経状態を示す指標を算出する。
睡眠状態判定手段55Aは、心拍検出手段56で算出された心拍情報に基づいて睡眠状態を判定する。
以下、実施の形態5が実施の形態4と異なる部分を中心に説明する。
図33は、本発明の実施の形態5に係る演算装置における生体状態取得処理の流れを示すフローチャートである。
(S31:I信号及びQ信号取得)
生体状態取得システムにおいてIQ検波器20から出力されたI信号及びQ信号は、呼吸や心拍並びに体動も全て混在した信号である。このため、IQ検波器20から出力されたI信号及びQ信号を心拍及び体動検知用の高域のバンドパスフィルター32に通すことにより、心拍信号及び体動信号を抽出する。そして、この信号がAD変換器40でデジタル信号に変換されてIQ信号取得手段51に入力される。なお、バンドパスフィルター32の通過周波数帯域は予め設定されている。このように、IQ信号取得手段51は、ヒトの体表面の動きに応じてAD変換器40から時系列に順次出力されるIQ信号(心拍及び体動信号)を取得する。
(S32:IQベクトルのノルムの時系列データを算出)
そして、心拍検出手段56は、IQ信号取得手段51で取得された取得信号(心拍信号及び体動信号が混在した信号)のIQ平面上の点を原点からのベクトルで表現する(以下、このベクトル(IQ平面上の取得信号の位置ベクトル)をIQベクトルという)。そして、そのIQベクトルのノルム(振幅=I及びQそれぞれの自乗和の平方根)を算出する。
(S33:心拍信号抽出)
ここで、IQ信号取得手段51で取得された取得信号は、心拍信号及び体動信号が混在した信号であるため、心拍検出手段56は、上述したようにローパスフィルター(図示せず)を通過させる。この結果、心拍による脈動を示す心拍信号の波形が得られる。
図34は、心拍信号と体動信号とが混在した状態のIQ信号出力を示す図で、バンドパスフィルター後のIQ信号を示している。図35は、図34の信号出力を包絡線処理後、ローパスフィルター処理した後のベクトルノルムの波形を示す図である。図35には、参考のため、リファレンス(実際の脈動波形)も示している。
図34と図35とを比較して明らかなように、ローパスフィルター(図示せず)を通過させることにより、実際の脈動波形と同期した心拍信号の波形が得られている。
心拍検出手段56は、ローパスフィルター通過後の心拍信号(I信号及びQ信号)の波形の周期的な変動に基づいて1心拍に対応する心拍信号を検出し、単位期間における心拍数を心拍情報として算出する。以下、心拍検出の具体的な処理について説明する。
(S34:単位期間の心拍数と一定期間の心拍数の変動幅算出)
図36は、ローパスフィルター処理後のI信号及びQ信号の信号強度(振幅=I及びQそれぞれの自乗和の平方根)の時系列データを示す図である。図36は図35の一部拡大図に相当する。
心拍検出手段56は、ローパスフィルター処理後のI信号及びQ信号の信号強度(振幅=I及びQそれぞれの自乗和の平方根)の時系列データ(以下、振幅時系列データという)から心拍数をカウントする。図36に示すように、振幅時系列データのピークから次のピークまでを1拍としてカウントする。
振幅時系列データから心拍数をカウントするための具体的な演算処理としては、図37〜図39に示す方法を用いることができる。図37の方法では、振幅時系列データから一定値を引き算し、引き算後のデータのゼロクロス点を検出する。そして、3つのゼロクロス点ごとに1拍とカウントする。また、別の方法として、図38に示すように振幅時系列データのピークを抽出し、一つのピークが現れてから次のピークが現れるまでを1拍としてカウントするようにしてもよい。また、更に別の方法として、図39に示すように振幅時系列データの谷の底辺を抽出し、一つの谷底辺が現れてから次の谷底辺が現れるまでを1拍としてカウントするようにしてもよい。
(心拍数時系列データ生成)
心拍検出手段56は、以上の方法で単位期間(例えば過去1分間)の心拍数を算出する。以上の心拍数の算出を一定期間(例えば3分間)に渡って行い、心拍数時系列データを生成する。また、心拍検出手段56は、一定期間内の心拍数の変動幅(標準偏差)を算出する。以上のように、心拍検出手段56は、心拍数及び心拍数の変動幅を心拍情報として算出する。
(S35:心拍数の補正要否判定・補正(補正要の場合))
睡眠中において、心拍による体表面の脈動が複雑である場合、例えば1拍の中で体表面が2段階に脈打つ場合が考えられる。この場合、上記の方法では1拍が複数の拍動としてカウントされる場合がある。この場合、心拍数の補正が必要である。よって、ステップS35では、心拍を正確にカウントできているかを判別するための、心拍数の補正要否判定を行う。なお、補正要不要判定処理の詳細は後述することにし、ここでは心拍数を正確にカウントでき、補正不要と判定した場合の生体状態取得処理の説明を続ける。
(S36:自律神経の状態判定)
自律神経状態判定手段54Aは、心拍検出手段56で算出された心拍情報に基づいて自律神経の状態を判定するための指標を算出する。この指標は、単位時間の心拍数又は一定期間における心拍数の変動幅そのものの値であってもよいし、何らかの関数にそれぞれを代入して得られた値等でもよく、交感神経が優位なほど、大きい値を取るものとする。この指標により自律神経の状態を判定することができる。例えば、指標と予め設定した閾値とを比較し、指標が閾値よりも大きい場合、交感神経優位と判定し、指標が閾値未満の場合、副交感神経優位と判定する。その他、例えば交感神経の活動度合いを判定するようにしてもよい。
(S37〜S41:睡眠状態判定)
また、睡眠状態判定手段55Aは、心拍検出手段56で算出された心拍情報に基づいて睡眠状態を判定する。次に、睡眠状態判定手段55Aの動作について説明する。
睡眠中のヒトの心拍数は、上述した呼吸数と同様、睡眠状態によって様相が変化することが知られている。一般的に深睡眠中の心拍数は低く安定(心拍数変動幅は小さい)、浅い睡眠中は心拍数が高く不安定(心拍数変動幅が大きい)である。また、REM睡眠中は最も不安定で、心拍数変動幅は更に大きい。よって、REM睡眠、浅睡眠、深睡眠を判定するための第1心拍数閾値、第2心拍数閾値(<第1心拍数閾値)、第1心拍数変動幅閾値、第2心拍数変動幅閾値(<第1心拍数変動幅閾値)を予め設定しておき、各閾値との比較により睡眠状態を判定する。
すなわち、心拍数が第1心拍数閾値以上で且つ心拍数変動幅が第1心拍数変動幅閾値以上であればREM睡眠と判定する(S37、S39)。心拍数が第1心拍数閾値未満で第2心拍数閾値以上、且つ心拍数変動幅が第1心拍数変動幅閾値未満で第2心拍数変動幅閾値以上であれば浅睡眠と判定する(S38、S40)。心拍数が第2心拍数閾値未満且つ心拍数変動幅が第2心拍数変動幅閾値未満であれば深睡眠と判定する(S38、S41)。
これらの各閾値は、学習期間を設けて1睡眠サイクル以上の睡眠データを取得し、その睡眠データに基づいて個人毎に設定するようにしてもよい。学習期間の睡眠データを所定のアルゴリズムに基づいて分析し、閾値となる値を判別して自動設定するようにしてもよい。
(図33のステップS35の心拍数の補正要否判定の詳細説明)
以下、心拍数の補正要否判定の詳細について説明する。心拍数の補正が必要な場合とは、上述したように、例えば1拍の中で体表面が2段階に脈打つ場合等が該当する。次の図40に、体表面の動きが複雑な場合の体表面の変位量(の平均値)の時系列データの一例を示す。
図40は、振幅時系列データを示す図で、1拍の中で体表面が2段階に脈打つ場合の心拍信号を示している。
心拍検出手段56は、振幅時系列データから心拍数をカウントする場合、図40の測定データでは、正確には1拍であるところ、図41〜図43に示すように2拍としてカウントされる。図41〜図43は、それぞれ図37〜図39で示したカウント方法に対応している。心拍数の補正要否判定のアルゴリズムは、基本的に実施の形態4の呼吸数の補正要否判定のアルゴリズムと同様であり、以下、心拍数の補正要否判定処理について簡単に説明する。
図44は、図33の補正要否判定処理及び補正処理(補正要の場合)の流れを示すフローチャートである。また、図45及び図46は、単位期間毎の心拍数と、心拍数の頻度分布とを示す図であり、図45は心拍数カウントが正常に行われている場合、図46は正常に行われていない場合を示している。
図45及び図46との比較から分かるように、正常に心拍数カウントが行われている場合は略正規分布状の形状となるのに対し、正常に行われていない場合は複数(ここでは2つ)の山を持つ形状となる。
よって、心拍検出手段56は心拍数の頻度分布を算出し(S51)、該分布が略正規分布状の形状であるか否かをチェックする(S52)。分布が略正規分布状の形状であれば、正常な心拍数算出が行われているものと判断して補正不要と判定する(S53)。一方、分布が略正規分布状の形状から乖離していれば、正常な心拍数算出が行われていないものと判断して補正必要と判定する(S54)。心拍数の分布が略正規分布状の形状であるか否かの判断は、実施の形態4と同様の方法を使用できる。
上記アルゴリズムで補正必要と判定した場合(S55)、心拍検出手段56は、心拍数の分布の山の個数Nを推定する(例えば最尤推定などで)(S56)。そして、個数Nに基づいてステップS34(図33参照)で算出した心拍数を過去一定期間に渡って補正する(S57)。具体的には、山の個数がN個であった場合、N拍を1拍としてカウントし直す。これによって正確な心拍数の情報を得ることができる。
以上のように、ステップS54で補正が必要と判定した場合には、補正を行う。そして、補正後の心拍情報に基づいてステップS36の自律神経の状態判定及びステップS37〜S41の睡眠状態の判定を行う。
演算装置50は以上のようにして判定した自律神経の状態及び睡眠状態の判定結果を例えば空気調和機等の外部機器に出力する。判定結果を受信した機器側では、判定結果に応じた機器制御が行われることになる。機器制御の具体例については後述の実施の形態6で説明する。
以上説明したように、本実施の形態5ではIQベクトルのノルムを算出し、そのノルムの時系列データから心拍数を検出するようにした。よって、従来のような周波数解析などの負荷が高い処理が不要となり、低負荷で高速に心拍数の算出を行うことができる。また、負荷が高い処理が不要となるため、安価な演算装置50を用いて心拍数を得ることができる。また、心拍数と相関の深い自律神経の状態及び生体の睡眠状態を高速に判定することができる。なお、自律神経の状態と睡眠状態とには互いに関係性があることから、自律神経の状態を示す前記指標に基づいて睡眠状態を判定するようにしてもよい。心拍に伴った自律神経の活動を推定することで、生理モデルに沿った睡眠状態の判定が可能になる。
また、本実施の形態5によれば、1心拍を複数心拍にカウントしてしまうカウント誤りを検出することができ、カウント誤りを検出した場合、心拍数を補正するようにしたので、心拍数の算出精度を向上することができる。その結果、自律神経の状態及び睡眠状態の判定精度を向上することができる。
なお、心拍による体表面の脈動は動きが速く、且つ動きが複雑であるため、実施の形態4の方法では心拍信号を抽出できない場合がある。すなわち、心拍の折り返し点以外にも速度がゼロになる点が多い(個人差も大きい)。このため、速度がゼロになることを手がかりとする実施の形態4の方法では、心拍を検出することが難しい。これに対し、実施の形態5の方法では、信号強度の時系列変化から心拍を検出するため、簡易に心拍を検出することができる。
また、本実施の形態5では、心拍を検出する場合について説明したが、必ずしも心拍に限定されず、呼吸及び脈波などIQ検波により変化を情報として取得できるものであれば同様の方法で検出できる。
また、本実施の形態5では、心拍数と心拍数変動幅との両方に基づいて自律神経の状態判定及び睡眠状態判定を行う例を示したが、心拍数と心拍数変動幅のどちらか一方に基づいて判定を行うようにしても良い。心拍数と心拍数変動幅との両方を用いた場合、多次元空間で判定することで、高精度に判定することが可能である。また、自律神経の状態と睡眠状態とには互いに関係性があることから、自律神経の状態を示す前記指標に基づいて睡眠状態を判定するようにしてもよい。
実施の形態6.(体動検出)
実施の形態6は、生体状態として、特に体動を取得する生体状態取得装置について説明する。
図47は、本発明の実施の形態6に係る生体状態取得システムの構成を示すブロック図である。図47において、図32に示した実施の形態5と同一部分には同一符号を付す。
実施の形態6の生体状態取得システム300は、生体状態取得手段52が、体動検出手段57と、自律神経状態判定手段54Bと、睡眠状態判定手段55Bとを備えており、その他の構成は実施の形態5と同様である。以下、実施の形態6が実施の形態5と異なる部分を中心に説明する。
体動検出手段57は、IQ信号取得手段51で取得された取得信号(I信号及びQ信号)のIQ平面上の軌跡から例えば寝返りなどの体動を検出するものである。
体動検出手段57は、IQ信号取得手段51で取得された取得信号(I信号及びQ信号)のIQ平面上の点を原点からのベクトルで表現する(以下、このベクトル(IQ平面上の取得信号の位置ベクトル)をIQベクトルという)。体動が生ずるときは、心拍や呼吸と比べて体表面の動きは変位量が大きく、変位する時間は短い。よって、体動が生じた瞬間のIQベクトルのノルムは大きな値となる。体動検出手段57はこの特徴を利用して体動検出を行う。すなわち、体動検出手段57は、各サンプリング毎のIQベクトルのノルム又はノルムの自乗を算出し、単位期間(例えば5秒間)に得られたこれらの値を積算(積分または総和を算出)する。そして、積算値に対して閾値判定を行い、その単位期間における体動の有無を判定する。また、体動検出手段57は、体動の有無判定の結果に基づいて一定期間(例えば8分)内の体動数を算出する。
自律神経状態判定手段54Bは、体動検出手段57で算出された体動数に基づいて自律神経の状態を判定する。
睡眠状態判定手段55Bは、体動検出手段57で算出された体動数に基づいて睡眠状態を判定する。
図48は、本発明の実施の形態6に係る演算装置における生体状態取得処理の流れを示すフローチャートである。
(S61:I信号及びQ信号取得)
生体状態取得システムにおいてIQ検波器20から出力されたI信号及びQ信号は、呼吸や心拍並びに体動も全て混在した信号である。このため、IQ検波器20から出力されたI信号及びQ信号を心拍及び体動検知用の高域のバンドパスフィルター32に通すことにより、心拍信号及び体動信号を抽出する。そして、この信号がAD変換器40でデジタル信号に変換されてIQ信号取得手段51に入力される。なお、バンドパスフィルター32の通過周波数帯域は予め設定されている。このように、IQ信号取得手段51は、ヒトの体表面の動きに応じてAD変換器40から時系列に順次出力されるIQ信号(心拍及び体動信号)を取得する。
(S62:ノルム積算)
そして、体動検出手段57は、サンプリングタイム毎の取得信号(心拍信号及び体動信号が混在した信号)のIQベクトルのノルム(=I及びQそれぞれの自乗和の平方根)を算出し、単位期間(例えば、5秒)のノルムの積算値を算出する。
(S63〜66:一定期間の体動数算出)
体動検出手段57は、単位期間のノルムの積算値と予め設定された閾値とを比較し(S63)、単位期間のノルムの積算値が閾値以上であれば体動有りと判定し、体動発生数としてカウントする(S64)。単位期間のノルムの積算値が閾値未満であれば、体動無しと判定する(S65)。ステップS31〜S34までの処理を一定期間(例えば8分)行う(S66)。
(S67:自律神経の状態判定)
一定期間が経過すると、自律神経状態判定手段54Bは、ステップS63〜S66でカウントされた一定期間内の体動数に基づき自律神経の状態を判定するための指標を算出する。この指標は、体動数そのものの値であってもよいし、何らかの関数にそれぞれを代入して得られた値等でもよく、ここでは交感神経が優位なほど、大きい値を取るものとする。この指標により、自律神経の状態を判定することができる。例えば、指標と予め設定した閾値とを比較し、指標が閾値よりも大きい場合、交感神経優位と判定し、指標が閾値未満の場合、副交感神経優位と判定する。その他、例えば交感神経の活動度合いを判定するようにしてもよい。
(S68〜S74:睡眠状態判定)
また、睡眠状態判定手段55Bは、一定期間の体動数に基づいて睡眠状態を判定する。次に、睡眠状態判定手段55Bの動作について説明する。
睡眠中のヒトの体動は、睡眠状態によって様相が変化することが知られている。一般的に深睡眠中及びREM睡眠中の体動数は少なく、睡眠が浅くなるほど体動数が多くなり、覚醒状態では最も体動数が多くなる。よって、覚醒、浅睡眠、REM睡眠及び深睡眠をそれぞれ判定するための第1体動数閾値、第2体動数閾値(<第1体動数閾値)及び第3体動数閾値(<第2体動数閾値)を予め実験などにより求めて設定しておき、各閾値との比較により睡眠状態を判定する。
すなわち、一定期間の体動数が第1体動数閾値以上であれば覚醒と判定する(S68、S69)。一定期間の体動数が第1体動数閾値未満で且つ第2体動数閾値以上であれば浅睡眠と判定する(S70、S71)。一定期間の体動数が第2体動数閾値未満で且つ第3体動数閾値以上であればREM睡眠と判定する(S72、S73)。一定期間の体動数が第3体動数閾値未満であれば深睡眠と判定する(S72、S74)。
これらの各閾値は、学習期間を設けて1睡眠サイクル以上の睡眠データを取得し、その睡眠データに基づいて個人毎に設定するようにしてもよい。また、学習期間の睡眠データを所定のアルゴリズムに基づいて分析し、閾値となる値を判別して自動設定するようにしてもよい。
演算装置50は以上のようにして判定された自律神経の状態及び睡眠状態の判定結果を上記実施の形態1〜3で説明したように空気調和機1に出力する。
以上説明したように、本実施の形態6ではIQベクトルのノルムの積算値から体動の有無を検出するようにした。すなわち、従来のような周波数解析などの負荷が高い処理が不要となり、低負荷で高速に体動の有無検出及び一定期間内の体動数算出を行うことができる。また、負荷が高い処理が不要となるため、安価な演算装置50を用いて体動情報を得ることができる。また、体動情報と相関の深い自律神経の状態及び睡眠状態を高速に判定することができる。なお、自律神経の状態と睡眠状態とには互いに関係性があることから、自律神経の状態を示す前記指標に基づいて睡眠状態を判定するようにしてもよい。心拍に伴った自律神経の活動を推定することで、生理モデルに沿った睡眠状態の判定が可能になる。
実施の形態7.(呼吸、心拍及び体動の組合せ)
上記実施の形態4〜6では、生体状態取得手段52がそれぞれ呼吸検出手段53、心拍検出手段56、体動検出手段57を別々に備えた例を説明した。実施の形態7の生体状態取得システムにおける生体状態取得手段52は、これら全ての検出手段を備えた構成としたものである。
図49は、本発明の実施の形態7に係る生体状態取得システムの構成を示すブロック図である。図49において、図16、図32、図47に示した実施の形態4〜6のブロック図と同一部分には同一符号を付す。
実施の形態7の生体状態取得システム400は、生体状態取得手段52が、実施の形態4〜6と同様の呼吸検出手段53、心拍検出手段56及び体動検出手段57を備えている。更に、生体状態取得手段52は、各検出手段53,56,57の検出結果(ヒト(生体)の呼吸数、呼吸周期変動(呼吸数変動)、心拍数、心拍数変動、体動数)を適宜組み合わせて自律神経状態を判定する自律神経状態判定手段54Cを備えている。また、生体状態取得手段52は、各検出手段53,56,57の検出結果(ヒト(生体)の呼吸数、呼吸周期変動(呼吸数変動)、心拍数、心拍数変動、体動数)を適宜組み合わせてヒトの睡眠状態を判定する睡眠状態判定手段55Cを備えている。これら複数の検出結果を組み合わせて自律神経の状態及び睡眠状態を判定することにより、心拍、呼吸及び体動のそれぞれのみを用いて自律神経の状態及び睡眠状態を判定する方法と比べて、高精度な判定が可能である。以下、実施の形態7が実施の形態4〜6と異なる部分を中心に説明する。
図50は、浅睡眠(覚醒含む)、深睡眠及びREM睡眠のそれぞれの場合の体動、呼吸及び心拍の特徴を示した図で、単位期間の体動数、呼吸数及び心拍数をそれぞれ時系列にプロットした図である。なお、体動についてはIQベクトルのノルムの時系列データも図50と同様の特徴を示す線図となる。浅睡眠と覚醒とは、体動、呼吸及び心拍のそれぞれにおいて同様の特徴を有していることから、一つの項目にまとめている。なお、覚醒時の体動は、浅睡眠の場合に比べて更に体動の動きが大きく、また発生数も多い特徴を有しており、図中に点線で示している。
図50から明らかなように、体動は、浅睡眠(覚醒含む)の場合、深睡眠及びREM睡眠の場合に比べて動きが大きくまた発生回数も多い。このため、体動情報により浅睡眠である第1状態か、深睡眠又はREM睡眠のどちらかである第2状態かを区別できる。また、実施の形態6で説明したように、体動数のみで深睡眠とREM睡眠とを区別することも可能ではあるが、両睡眠状態共、体動の動きが小さくまた発生回数が少ないため、高精度な睡眠状態の判定は難しい。しかし、図50の呼吸及び心拍に着目すると、呼吸及び心拍は深睡眠では安定し、REM睡眠では不安定であるという特徴がある。よって、呼吸と心拍のうち少なくとも一方を更に用いることにより深睡眠とREM睡眠とを区別することが可能である。
実施の形態7の演算装置50は、以上の特徴を踏まえた睡眠状態の判定を行う。
図51は、本発明の実施の形態7に係る演算装置における生体状態取得処理の流れを示すフローチャートである。
(S81〜S83:体動、呼吸、心拍に関する情報取得)
生体状態取得手段52の体動検出手段57、呼吸検出手段53及び心拍検出手段56のそれぞれは、ある睡眠状態判定期間(例えば8分間)内において、体動、呼吸及び心拍をそれぞれ検出する。体動検出手段57、呼吸検出手段53及び心拍検出手段56のそれぞれの動作は上記実施の形態と同様であり、体動検出手段57は体動数を算出し(S81)、呼吸検出手段53は呼吸数及び呼吸周期の変動幅を算出する(S82)。心拍検出手段56は心拍数及び心拍数変動幅を算出する(S83)。
(S84:自律神経状態判定)
そして、自律神経状態判定手段54Cは、体動、呼吸及び心拍に関する各種算出結果に基づき自律神経の状態を判定する。すなわち、体動発生数、呼吸数、呼吸周期の変動幅、心拍数及び心拍数の変動幅を複数組み合わせて用い、自律神経の状態を判定するための指標を算出する。この指標は何らかの関数にそれぞれを代入して得られた値等でもよく、交感神経が優位なほど、大きい値を取るものとする。この指標により、自律神経の状態を判定することができる。例えば、指標と予め設定した閾値とを比較し、指標が閾値よりも大きい場合、交感神経優位と判定し、指標が閾値未満の場合、副交感神経優位と判定する。その他、例えば交感神経の活動度合いを判定するようにしてもよい。
(S85〜S91:睡眠状態判定)
また、睡眠状態判定手段55Cは、体動検出手段57で算出された一定期間の体動数に基づいて、まず、睡眠状態が覚醒又は浅睡眠の第1状態か、REM睡眠又は深睡眠のどちらかである第2状態かを区別する。すなわち、体動数が第2体動数閾値(実施の形態6の図48参照)以上で、且つ体動信号のIQベクトルのノルムの積算値が予め設定された第1体動積算値閾値よりも大きいか否かを判断する(S85)。この判断がYESであれば、睡眠状態が第1状態と判定し、覚醒又は浅睡眠のどちらかであると判断できる。
この場合、続いて、睡眠状態が覚醒と浅睡眠のどちらであるかを区別するための判断を行う。すなわち、一定期間の体動数が第1体動数閾値(実施の形態6の図48参照)以上で、且つ体動信号のIQベクトルのノルムの積算値が予め設定された第2体動積算値閾値(>第1体動積算値閾値)以上の場合(S86)、覚醒と判定する(S87)。一方、このステップS87の判断がNOであれば、浅睡眠と判定する(S88)。
また、ステップS85の判断がNOであり、第2状態と判定した場合、続いて、睡眠状態判定手段55Cは睡眠状態がREM睡眠又は深睡眠のどちらであるかを判定する。すなわち、呼吸と心拍の少なくとも一方が安定であるか、又は不安定であるかを判断する。不安定と判断した場合、REM睡眠と判定し(S90)、安定と判断した場合、深睡眠と判定する(S91)。安定又は不安定の判定は、呼吸数及び呼吸周期の変動幅、又は心拍数及び心拍数変動幅に基づいて行うようにすればよい。
以上説明したように、本実施の形態7では、呼吸検出手段53、心拍検出手段56及び体動検出手段57の算出結果を組み合わせて自律神経の状態及び睡眠状態を判定する。これにより、心拍、呼吸及び体動のそれぞれのみを用いて自律神経の状態及び睡眠状態を判定する方法と比べて高精度で詳細な判定が可能である。すなわち、上記実施の形態6の体動検出手段57の算出結果のみでは高精度な判定が難しかった深睡眠とREM睡眠との判定精度を高めることが可能となる。なお、図51のフローチャートでは、呼吸及び心拍の両方を検出するようにしているが、少なくともどちらか一方を検出し、ステップS89では、検出した側の安定又は不安定を判定すればよい。
ところで、上記実施の形態4〜7で用いる各閾値(第1呼吸数閾値、第2呼吸数閾値、第1心拍数閾値等)の設定は、例えば脳波等の測定データと組み合わせて、例えば以下のようにして求めることもできる。すなわち、脳波等の別装置の測定データに基づく睡眠状態の判別結果を基に、以下の方法で各閾値を求める。
数日間睡眠状態を測定する学習期間を設けて入眠から起床までの睡眠状態サイクルを学習し、その学習期間における学習データが、脳波等の別装置の測定データに基づく睡眠状態の判別結果と一致するように各閾値を設定する。
また、睡眠状態判定手段55は、学習期間を設けて入眠から起床までの睡眠状態サイクルを学習し、その学習期間における睡眠状態サイクルが基本の睡眠状態サイクルに近づくように各閾値を変更するようにしてもよい。具体的には例えば、深睡眠の時間が全体の2〜3割の割合になるように各閾値を調整する。閾値の設定次第でREM睡眠、浅睡眠及び深睡眠それぞれの割合が変化するため、閾値の値を少しずつ変更しながら深睡眠の割合が全体の2〜3割となるように閾値を決定するようにしてもよい。
また、体動のみで睡眠状態を判定する場合に、体動のみでは区別し難いREM睡眠と深睡眠とを区別するための閾値を決定する際には、以下のように設定してもよい。例えば深睡眠の割合を深睡眠とREM睡眠との合計に対して3〜4割(前記全体の2〜3割よりも少し高い値)となるように閾値を設定する。
また、学習期間における睡眠状態サイクルが基本の睡眠状態サイクルに近づくように各閾値を変更する例として、他に例えば、睡眠中の90分の睡眠サイクルの繰り返し回数から各閾値を設定することも可能である。90分の睡眠サイクルの繰り返し回数を何回かに設定(例えば4回)し、その回数となるように各閾値を設定する。また、深睡眠の割合と睡眠サイクルの繰り返し回数から決定しても良い。また、例えば年齢などに応じて、深睡眠の割合や睡眠サイクルの繰り返し回数の傾向が異なる場合には、その年齢に応じた傾向に基づいて各閾値を設定するようにしてもよい。
実施の形態8.(IQ平面上の軌跡の安定度に基づく自律神経の状態及び睡眠状態判定)
上記各実施の形態では、呼吸、心拍、体動に基づいて自律神経の状態及び睡眠状態を判定していたが、実施の形態8では、IQ平面上に描かれる軌跡から直接自律神経の状態及び睡眠状態を判定する生体状態取得システムについて説明する。
図52は、本発明の実施の形態8に係る生体状態取得システムの構成を示すブロック図である。図52において、図16に示した実施の形態4と同一部分には同一符号を付す。
実施の形態8の生体状態取得システム500は、生体状態取得手段52が、安定度算出手段58と、自律神経状態判定手段54Dと、睡眠状態判定手段55Dとを備えている。また、バンドパスフィルター30Aの通過周波数帯域は、安定度算出手段58における安定算出処理に適した帯域として予め設定されている。その他の構成は実施の形態4と同様である。以下、実施の形態8が実施の形態4と異なる部分を中心に説明する。
安定度算出手段58は、IQ信号取得手段51で取得された取得信号(I信号及びQ信号)のIQ平面上の軌跡の安定度を算出する。安定度の算出方法については後述する。測定対象となる生体が深睡眠中にあるときは筋肉の活動が安定するため、図53に示すように、取得信号はIQ平面上でほぼ同じ軌跡を繰り返し描く。一方、深睡眠以外の場合は、取得信号はIQ平面上に図54のような不安定な軌跡を描く。このように、軌跡の安定度は、覚醒、REM睡眠、浅睡眠、深睡眠の順に高くなり、睡眠状態と相関がある。よって、軌跡の安定度から睡眠状態を判定することが可能である。
以下、安定度の算出方法の具体例について説明する。
(安定度の算出方法1)
IQ平面をM×M個の画素からなる量子化した有限平面で表現する。一定期間内に測定データがIQ平面上に描く軌跡に用いられる画素数をカウントし、この逆数を軌跡の安定度の指標とする。量子化したIQ平面上で用いられる画素数は、軌跡が不安定である度合いに応じて多くなる。よって、不安定であるほど安定度の指標は小さな値となり、これを安定度の指標とする。
(安定度の算出方法2)
IQ平面上に一定期間に描かれる軌跡と、この直後に描かれる軌跡の類似度を算出し、これを軌跡の安定度の指標とする。類似度は相互情報量、相関係数などを用いる。
睡眠状態判定手段55Dは、安定度算出手段58で算出した軌跡の安定度の指標を閾値判定することで睡眠状態を判定する。判定に用いる閾値(第1安定度閾値、第2安定度閾値及び第3安定度閾値)は、予め演算装置50内のメモリに記憶されていても良いし、個人別に自動設定するようにしてもよい。自動設定する場合には、学習期間を設けて1睡眠サイクル以上の睡眠データを取得し、その睡眠データから軌跡の安定度の分布推定を行い、その分布に基づいて適宜閾値を設定する。
図55は、本発明の実施の形態8に係る演算装置における生体状態取得処理の流れを示すフローチャートである。
(S101:I信号及びQ信号取得)
生体状態取得システム500においてIQ検波器20から出力されたI信号及びQ信号は、呼吸や心拍並びに体動も全て混在した信号であるため、その信号をバンドパスフィルター30Aに通すことにより安定度算出に適した信号が抽出される。そして、この信号がAD変換器40でデジタル信号に変換されてIQ信号取得手段51に入力される。このように、IQ信号取得手段51は、ヒトの体表面の動きに応じてAD変換器40から時系列に順次出力されるIQ信号を取得する。
(S102:一定期間の測定データをIQ平面上にプロット)
安定度算出手段58は、一定期間内にサンプリングタイム毎に得られる取得信号(I信号及びQ信号)をIQ平面上にプロットする。
(S103:軌跡の安定度算出)
安定度算出手段58は、IQ平面上にプロットされたサンプリングタイム毎の取得信号が描く軌跡の安定度を算出する。なお、軌跡の安定度そのものを自律神経の状態を判定するための指標としてもよい。この指標により自律神経の状態を判定することができる。例えば、指標と予め設定した閾値とを比較し、指標が閾値よりも大きい場合、交感神経優位と判定し、指標が閾値未満の場合、副交感神経優位と判定する。その他、例えば交感神経の活動度合いを判定するようにしてもよい。
(S104〜S110:睡眠状態判定)
睡眠状態判定手段55Dは、安定度算出手段58で算出された安定度と予め設定された第1安定度閾値、第2安定度閾値(<第1安定度閾値)、第3安定度閾値(<第2安定度閾値)とを比較し、睡眠状態を判定する。すなわち、安定度が第1安定度閾値以上であれば覚醒と判定し(S104、S105)、第1安定度閾値未満で且つ第2安定度閾値以上であればREM睡眠と判定する(S106、S107)。また、安定度が第2安定度閾値未満で且つ第3安定度閾値以上であれば浅睡眠と判定し(S108、S109)、第3安定度閾値未満であれば深睡眠と判定する(S108、S110)。
演算装置50は以上のようにして判定された睡眠状態の判定結果を上記実施の形態1〜3で説明したように空気調和機1に出力する。
以上説明したように、実施の形態8では、一定期間内に取得信号がIQ平面上で描く軌跡の安定度を指標とし、これを基に自律神経の状態及び睡眠状態を判定するようにした。このため、上記実施の形態4〜7の場合と同様に、周波数解析などが不要で、低負荷、高速に自律神経の状態及び睡眠状態の判定が行える。また、心拍数又は呼吸数を算出することなく、軌跡の安定度から直接的且つ簡易に自律神経の状態及び睡眠状態を判定することができる。よって、体表面の動きが複雑で心拍数、呼吸数の誤算出が避けられないような場合でも、その影響を受けることなく自律神経の状態及び睡眠状態の判定が可能である。
また軌跡の安定度に基づいて数値で閾値判定する方法だけでなく、以下の方法を用いても良い。IQ平面上に描かれた軌跡のうち、一定期間内にIQ平面上に描かれる軌跡のパターンを各睡眠状態毎(又は自律神経の状態毎)に予め記憶装置60に保持しておく。そして、記憶装置60に保持された軌跡パターンと、測定データ(IQ信号)による軌跡パターンとを照合し、最も似ているものを探索することで、睡眠状態を判定する。安定度の指標の数値的には同程度の軌跡を描く場合でも、このようにパターン判定することにより、軌跡の形状によって更に詳細に睡眠状態を分類することができる。また、照合用の軌跡パターンを各年代別、性別毎や、更には利用者毎に用意するようにすれば、より高精度に睡眠状態を判定することができる。なお、自律神経の状態も同様に、例えば交感神経優位や副交感神経優位等のそれぞれの状態に応じた軌跡パターンを予め保持しておくことで、詳細で高精度な自律神経状態の判定が可能となる。
また、取得信号に基づく軌跡を、利用者毎の睡眠状態に応じた軌跡データと照合することにより、睡眠中の利用者が誰であるかを同定することが可能となる。このため、後述の実施の形態6で説明するように、生体状態取得装置の出力(睡眠状態)を機器(例えば空気調和機)の制御に使用する場合に、利用者に合わせた機器制御が可能となる。
ところで、上記実施の形態4〜8の生体状態取得システムの睡眠状態判定手段は、ヒトの起床状態(一番目覚めかけている状態)を判定することも可能である。一般的に、REM睡眠の前後は目覚めやすく、REM睡眠後に起床すると快適に起床できる、また、自然と起床するとされている。このため、起床状態を検出し、そのタイミングで例えば目覚まし機能を有する機器を駆動するなどしてヒトを目覚めさせるようにすると、快適な起床を提供できる。
以下、起床状態の判定方法について簡単に説明する。
入眠開始から一定時間後、又は睡眠サイクルの所定回数繰り返し後のREM睡眠の後、又はREM睡眠時間がある一定以上の時間となる場合の3つの条件のうち、少なくとも1以上の条件が満たされる状態を、起床状態(一番目覚めかけている状態)と判定する。入眠から起床までの睡眠中に、複数回、REM睡眠状態となるが、その各REM睡眠の時間は、起床に向けて徐々に長くなる。このため、REM睡眠の時間がある一定以上の時間となる場合を条件として、その条件を満たすREM睡眠後が起床状態にあると判定できる。起床状態を判定するための各条件は、学習機能に基づいて設定しても良い。
また、実施の形態8のようにIQ平面上の軌跡パターンを用いて睡眠状態を判定する装置の場合、次のようにして起床状態を判定することも可能である。学習期間を設けて、少なくとも就寝から起床までを含む睡眠データを収集し、起床より一定期間前に現れるIQ平面上の軌跡を取得しておく。そして、その軌跡データを起床予兆データとして保持しておき、この起床予兆データに合致(類似)する測定データが得られるタイミングを起床状態と判定する。
以上のようにして得られた起床状態は、上述したように例えば目覚まし機能を有する機器の制御に利用することができる。具体的には、起床状態にあるときに目覚めさせるよう、例えば室内の照度を徐々に上げたり、音を発生させるなど、目覚めを促す制御を行うようにすればよい。なお、目覚まし設定時刻で強制的に目覚めを促す制御を行うと、ヒトの睡眠状態が起床状態でない場合には快適な目覚めが得られない。よって、目覚まし設定時刻より前の起床状態のときに目覚めを促す制御を行うようにする。これにより、快適に起床できる上、設定時刻より前に起床できるため、時間も有効に利用できる。
なお、生体状態取得機能を備えた機器としては、上述したように目覚まし時計や空気調和機の他、例えば照明、芳香機能など5感を刺激する機能を有する機器、TVや音楽プレーヤーなどのAV機器、湯たんぽ、加湿器、除湿機、空気清浄機などの空調機器としても良い。
また、快適な睡眠環境を提供する機器として、以下のような制御を行う機器を構成してもよい。入眠時に音や光を一定時間(例えば30分)かけて徐々に下げていき、入眠リズムを誘発する。睡眠中はノイズキャンセルなどの機能で周囲雑音を下げる。照度は起床に必要な条件である生体リズムをコントロールする作用があるため、起床時刻の前に、一定時間(例えば30分)かけて光の照度を上げていく。音は起床時間に大きくするように調整し、設定により不快な音量にまでコントロール可能とする。また、人体検知手段を設け、光がヒトに直接当たらないように調節する。調節方法はレンズのシボ、アクチュエータ、複数LEDのON/OFFのどの様な方法でも良い。人体検知でドップラレーダセンサー10のアンテナをヒトの方に向けるようにし、LEDはその方向とは違う位置に向けておけばよい。
また、湯たんぽの場合は温度を徐々に下げていき、起床時に再び上昇させる。温湿度センサなどで発汗しない程度に温める事も可能である。
また、深睡眠時は、音、光、温度変化などの外来ノイズで目覚める確率が少ないので、機器としてノイズになるような制御を深睡眠時に行うようにしてもよい。例えば、空気調和機では、お掃除機能、風向変更、換気ファン駆動等を行うことができる。
なお、上記各実施の形態では、ドップラレーダセンサー10により常にセンシングしている場合を想定した説明を行ったが、省電力化のためにドップラレーダセンサー10を一定間隔で停止し、睡眠状態の判定間隔を空けるようにしてもよい。この場合、常にセンシングしている場合に比べ、消費電力を削減できる。しかし、停止時間が長い場合には睡眠状態判定に支障が出る。深睡眠の状態では体動がほとんどなく、起き辛い状態であるので、次の睡眠状態へと移行する確率が低い。このため、深睡眠の状態において停止時間を長く設定してセンシング間隔を長くするようにすれば、睡眠状態の判定に支障を出さずに省電力化が可能である。また、深睡眠時間が所定時間以上続いた場合には、センシングを一時停止するなどの方式にしてもよい。センシング時間を短くすることにより、更に省エネを行うことができる。また、浅睡眠ではその逆でセンシング間隔を短くすることにより睡眠状態判定に支障が出ないように制御を行う。このような制御を行う場合、通電する時間も短くなるので長寿命化にも効果がある。
生体状態取得装置50で取得した生体状態情報は、睡眠状態判定の他、操作開始のトリガーとしても使用できる。例えば、意図的に呼吸を何秒間か停止し、これを生体状態取得装置50で検知して、例えばお休みタイマを起動するようにしてもよい。呼吸を意図的に停止した場合、生体状態取得装置50では心拍の検知は継続されるものの、呼吸のみが検知できなくなる状態となる。よって、この状態を生体状態取得装置50は意図的な呼吸停止と認識することができる。また、通常の呼吸から、敢えて大きな深呼吸を行うようにし、この呼吸の変化をトリガーとして生体状態取得装置50で検知し、機器操作を行うようにしてもよい。
上記実施の形態4〜8では、ドップラレーダセンサーを主に用いて説明しているが、IQ検波可能なセンサーであればどのセンサーでもよく、睡眠状態判定は生体状態情報が取れるセンサーであれば接触型センサーでも何でもよい。
また、上記の生体状態取得装置50は、睡眠状態以外でも生体状態情報を正確に取れる利点を活かし、リラックス状態の把握又は健康状態の把握などを必要とする装置に組み込むことが可能である。例えば、老人介護のシステムに組み込むようにすれば、介護を必要とするユーザーの負担にならないよう非接触で生体状態情報を取得でき、上述したような健康管理、異常検知(例えば、無呼吸症候群、呼吸不全など)に利用できる。また、空気調和機1の設定も健康に支障が出ないよう、生体状態情報に応じて空調設定を自動的に変更するようにしてもよい(例えば、呼吸が乱れる場合は、風よけモードに設定するなど)。
また、生体状態取得装置50を宅内ペット向けに使用し、ペットの生体状態を取得することで、ペットの異常検知(生死、荒い呼吸(病気又は熱中症))を行うことも可能である。また、留守番のときに生体状態取得装置50を動作させることで、外来進入者などの検知も可能である。
動物と人間とでは、呼吸/心拍周波数及び体動の振幅(積算量)に差異があるため、これらの計測値から計測対象の生体が動物なのか人間なのかの識別は可能である。このため、室外機にドップラレーダセンサーなど生体状態情報取得可能なセンサーを設け、人間と判断した場合のみ、ファン、ブザー、LEDなどセキュリティに有効な報知機能を駆動するなど、宅外セキュリティに活用することも可能である。室外機へ生体状態情報を取得可能なセンサーの配置する場合には、分離型装置として配置してもよく、この場合も同様の効果がある。
1 空気調和機、2 空調手段、3 温度検出手段、4 演算装置、4a 空調制御手段、5 リモコン、10 ドップラレーダセンサー、20 IQ検波器、30 バンドパスフィルター、30A バンドパスフィルター、31 バンドパスフィルター、32 バンドパスフィルター、40 AD変換器、50 演算装置(生体状態取得装置)、51 IQ信号取得手段、52 生体状態取得手段、53 呼吸検出手段、54 自律神経状態判定手段、54A 自律神経状態判定手段、54B 自律神経状態判定手段、54C 自律神経状態判定手段、54D 自律神経状態判定手段、55 睡眠状態判定手段、55A 睡眠状態判定手段、55B 睡眠状態判定手段、55C 睡眠状態判定手段、55D 睡眠状態判定手段、56 心拍検出手段、57 体動検出手段、58 安定度算出手段、60 記憶装置、100 睡眠状態取得システム(生体状態取得システム)、101 サーバー、101a 制御手段、102 機器、103 ユーザー端末、200 生体状態取得システム、300 生体状態取得システム、400 生体状態取得システム、500 生体状態取得システム、600 空気調和機、610 空調手段、620 演算装置。

Claims (21)

  1. 室内空間を空調する空調手段と、
    就寝者の睡眠状態を判定する睡眠状態取得システムと、
    前記睡眠状態取得システムにより判定された睡眠状態と運転モードとに応じて、空調手段の設定温度を決定し、室内空間の温度が設定温度となるように前記空調手段を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、
    就寝者が睡眠開始した場合、運転モードが冷房運転であれば、設定温度を、初期設定温度を下回る温度まで徐々に下げ、その後、就寝者が深睡眠に入った場合、設定温度を前記初期設定温度を上回る温度に設定することを特徴とする空気調和機。
  2. 前記制御手段は、就寝者が深睡眠を抜けて浅睡眠に入ると、前記設定温度を前記初期設定温度に戻すことを特徴とする請求項1記載の空気調和機。
  3. 前記制御手段は、省エネ設定が成されている場合、就寝者が最初の深睡眠に入った後、設定温度を初期設定温度を上回る温度に設定し、この設定を起床に至るまで継続することを特徴とする請求項1記載の空気調和機。
  4. 前記制御手段は、深睡眠を経て浅睡眠に移行した際、設定温度を深睡眠時のままとし、浅睡眠に移行して所定の時間経過後に初期設定温度以上の所定温度まで設定温度を下げ、この浅睡眠を抜けて深睡眠に移行した際、設定温度を現在よりも上げる設定を、深睡眠と浅睡眠の間、繰り返すことを特徴とする請求項1記載の空気調和機。
  5. 前記制御手段は、睡眠開始後に設定温度を初期設定温度を下回る温度まで徐々に下げた後、一定時間経過すると強制的に設定温度を初期設定温度に戻すことを特徴とする請求項1記載の空気調和機。
  6. 室内空間を空調する空調手段と、
    就寝者の睡眠状態を判定する睡眠状態取得システムと、
    前記睡眠状態取得システムにより判定された睡眠状態と運転モードとに応じて、空調手段の設定温度を決定し、室内空間の温度が設定温度となるように前記空調手段を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、
    就寝者が睡眠開始した場合、運転モードが暖房運転であれば、設定温度を、初期設定温度を下回る温度まで徐々に下げ、その後、就寝者が深睡眠に入った場合、設定温度を現在よりも更に下回る温度に設定することを特徴とする空気調和機。
  7. 前記制御手段は、最初の深睡眠に入って以降、起床段階に入るまで、設定温度を深睡眠時の設定温度のまま継続することを特徴とする請求項6記載の空気調和機。
  8. 前記制御手段は、起床段階に入ると、設定温度を、初期設定温度を上回る温度に設定することを特徴とする請求項6又は請求項7記載の空気調和機。
  9. 前記制御手段は、省エネ設定が成されている場合、起床段階に入ると、初期設定温度を超えない範囲で設定温度を現在よりも上げることを特徴とする請求項6又は請求項7記載の空気調和機。
  10. 前記制御手段は、深睡眠を抜けて浅睡眠に入った際、設定温度を初期設定温度に更新し、そして再び深睡眠に入った際、前回の深睡眠と同じ温度に設定する設定を、深睡眠と浅睡眠の間、繰り返すことを特徴とする請求項6、請求項8及び請求項9の何れか一項に記載の空気調和機。
  11. 前記制御手段は、睡眠開始後に設定温度を初期設定温度を下回る温度まで徐々に下げた後、一定時間経過すると強制的に設定温度を現在よりも下げることを特徴とする請求項6、請求項8及び請求項9の何れか一項に記載の空気調和機。
  12. 就寝者の着衣量を検出する手段と、寝床内温度を検出する手段とを有し、前記制御手段は、前記各検出手段の検出結果に基づいて前記設定温度を変更することを特徴とする請求項1乃至請求項11の何れか一項に記載の空気調和機。
  13. 前記制御手段は、空気調和機においてノイズを発生する制御を就寝者が深睡眠中に行うことを特徴とする請求項1乃至請求項12の何れか一項に記載の空気調和機。
  14. 前記睡眠状態取得システムは就寝者の生体状態情報を検出する検出部を有し、前記制御手段は、前記検出部により検出した生体状態情報から就寝者を特定し、就寝者個別の空調制御データとして予め登録された空調制御データに基づき前記空調手段を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項13の何れか一項に記載の空気調和機。
  15. 前記睡眠状態取得システムは就寝者の生体状態情報を検出する検出部を有し、検出部は一定間隔毎に検出を行うものであり、その一定間隔の長さは深睡眠中の場合、浅睡眠中に比べて長いことを特徴とする請求項1乃至請求項13の何れか一項に記載の空気調和機。
  16. 前記睡眠状態取得システムは就寝者の生体状態情報を検出する検出部を有し、前記制御手段は、前記検出部により検出された生体状態情報に基づいて快適度を判断し、快適度が高い場合には空調制御を省エネ設定に切り替え、省エネ設定に切り替え後に前記快適度が低下した場合には省エネ設定を解除することを特徴とする請求項1乃至請求項13の何れか一項に記載の空気調和機。
  17. 前記睡眠状態取得システムは就寝者の生体状態情報を検出する検出部を有し、前記検出部により検出された生体状態情報から睡眠状態を判定するものであり、前記検出部を空気調和機から物理的に独立させて分離型装置とし、空気調和機と分離型装置とを、互いの位置を特定可能な通信方式でデータ通信可能とし、前記制御手段は、前記分離型装置の位置を反映した空調制御を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項13の何れか一項に記載の空気調和機。
  18. 前記睡眠状態取得システムは就寝者の生体状態情報を検出する検出部を有し、前記検出部により検出された生体状態情報から睡眠状態を判定するものであり、前記制御手段は、前記検出部により検出された生体状態情報の所定の変化を空気調和機の操作トリガーとして利用することを特徴とする請求項1乃至請求項13の何れか一項に記載の空気調和機。
  19. 空調制御データを管理するサーバーとネットワークを介して接続するための通信手段を備え、前記制御手段は、前記空調手段を制御するための空調制御データを前記サーバーからダウンロードし、ダウンロードした空調制御データに基づいて空調制御を実行することを特徴とする請求項1乃至請求項18の何れか一項に記載の空気調和機。
  20. 請求項1乃至請求項19の何れか一項に記載の複数の空気調和機と、前記空気調和機とネットワークを介して接続されたサーバーとを有し、
    前記空気調和機は、運転モードに応じて睡眠状態毎の設定温度を指定した空調制御データを記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された前記空調制御データの設定温度を変更して新たな空調制御データを作成するためのユーザー操作可能な入力手段と、
    前記ユーザーにより作成された空調制御データをネットワークを介して前記サーバーに送信し、ネットワーク上で公開させる送信手段とを有し、
    前記空気調和機の前記制御手段は、前記ネットワーク上で公開されている空調制御データをユーザーからの要求に応じてダウンロードし、ダウンロードした空調制御データに基づいて空調制御を実行し、
    前記サーバは、
    前記空気調和機から送信されてくる複数の空調制御データをネットワーク上で公開するとともに、公開された空調制御データに基づく空調制御に対する複数ユーザーによる評価結果の投票をネットワークを介して受け付け、投票結果を集計してランキングして公開する制御手段を有することを特徴とする空気調和システム。
  21. 前記空気調和機の制御手段は、前記ダウンロードした空調制御データに基づく空調制御を行った際の就寝者の睡眠サイクルを含む睡眠情報を前記睡眠状態取得システムにより取得して前記サーバーに送信し、
    前記サーバーの制御手段は、空調制御データ毎に、その空調制御データをダウンロードした複数ユーザーからの睡眠情報に基づいて睡眠快適度の平均を算出し、前記ランキング結果に合わせて公開することを特徴とする請求項20記載の空気調和システム。
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