JP2011080527A - 転がり軸受用シールリング及びシールリング付転がり軸受 - Google Patents

転がり軸受用シールリング及びシールリング付転がり軸受 Download PDF

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Abstract

【課題】回転抵抗が低く、しかも優れたシール性能を有するシールリング付転がり軸受を、シールリングの歩留まりを悪化させる事なく実現する。
【解決手段】シールリング8aは、円輪状の芯金9aと、この芯金9aにより補強された円輪状の弾性材10aとを備える。この弾性材10aの内周縁部を、この芯金9aの内周縁よりも径方向内方に突出させてシールリップ12aとする。このシールリップ12aは、外径側半部の薄肉部13aと、内径側半部に存在して、この薄肉部13aよりも厚肉の頭部14aとを備える。そして、この薄肉部13aを、断面楔状で、この頭部14aに近い内周縁側に向かうほど厚さを大きくする。
【選択図】図1

Description

この発明は、自動車用変速機等、各種回転装置の回転支持部に組み込んだ状態で、回転軸等の回転部材を、ハウジング等の固定部分に回転自在に支持する為に利用する転がり軸受の開口部を塞ぐシールリング、並びに、当該シールリングを組み込んだ転がり軸受の改良に関する。
各種回転支持部に組み込む為の軸受として、玉軸受、ころ軸受、円すいころ軸受等の、各種転がり軸受が広く使用されている。又、この様な転がり軸受として、端部開口をシールリングにより塞いだ、シールリング付転がり軸受も、例えば特許文献1〜4に記載される等により、従来から広く知られている。図5〜6は、このうちの特許文献3に記載された、シールリング付転がり軸受の従来構造の1例として、シールリング付の単列深溝型玉軸受を示している。先ず、この従来構造に就いて説明する。
外輪1の内周面中央部に形成した深溝型の外輪軌道2と、内輪3の外周面中央部に形成した深溝型の内輪軌道4との間に、それぞれが転動体である複数個の玉5を、保持器6で保持した状態で、転動自在に設ける事により、前記外輪1と前記内輪3とを、同心に、且つ、相対回転を自在に組み合わせている。又、これら外輪1の内周面と内輪3の外周面との間に存在し、前記各玉5を配置した軸受内部空間7の両端開口部を、それぞれ円輪状のシールリング8、8により塞いでいる。
これら両シールリング8、8はそれぞれ、芯金9と弾性材10とを備える。このうちの芯金9は、鋼板等の金属板に、打ち抜き、曲げ等のプレス加工を施す事により、全体を円輪状としている。又、前記弾性材10は、ゴムの如きエラストマー製で、前記芯金9を包埋した状態で円輪状に成形されて、この芯金9により補強されている。又、前記弾性材10の内外両周縁部のうちの外周縁部は、この芯金9の外周縁よりも径方向外方に少し突出させて、弾性係止部11としている。これに対して、前記弾性材10の内周縁部は、前記芯金9の内周縁よりも径方向内方に十分に突出させて、シールリップ12としている。このシールリップ12は、前記芯金9の内周縁寄り部分に存在する薄肉部13と、この薄肉部13を挟んでこの芯金9と反対側である内周縁部に存在する、この薄肉部13よりも厚肉の頭部14とを備える。尚、前記特許文献3に記載された構造の場合には、この薄肉部13の内側片面に、土手状の流体膜発生部を形成しているが、この様な構造を持たない薄肉部の形状に就いては、例えば特許文献1に記載されている。
上述の様なシールリング8、8を装着すべく、前記外輪1の内周面両端部に係止溝15、15を、それぞれ全周に亙って形成している。又、前記内輪3の外周面両端部に凹溝16、16を、それぞれ全周に亙って形成している。前記両シールリング8、8は、それぞれの外周縁部に設けた弾性係止部11を前記両係止溝15、15に係止すると共に、前記頭部14を前記両凹溝16、16内に進入させ、この頭部14の内側縁をこれら両凹溝16、16の内側面に全周に亙り摺接させた状態に組み立てる。この状態で、前記軸受内部空間7を、外部空間から遮断する。この様なシールリング付転がり軸受を、例えば自動車用変速機のケーシング内に設けた回転支持部に組み込んだ状態で、前記両シールリング8、8は、変速用のギヤの噛み合い部等で発生した摩耗粉等の異物が、前記軸受内部空間7内に入り込む事を防止する。そして、この異物により、前記外輪軌道2及び前記内輪軌道4と前記各玉5の転動面との転がり接触部が損傷する事を防止する。
ところで、近年に於ける省エネルギ化の流れにより、シールリング付転がり軸受の回転抵抗(動トルク)を低く抑える要求が強くなっている。一方、シールリング付転がり軸受の回転抵抗に前記両シールリング8、8の摩擦抵抗が占める割合は相当に大きい。従って、この回転抵抗を低減する為には、この摩擦抵抗を低減する事が効果がある。又、この摩擦抵抗を低くする為には、前記頭部14の内側縁が前記凹溝16の内側面に押し付けられる力を低く抑える事が効果がある。更に、この力を低く抑える為には、前記薄肉部13の厚さを小さくして、この薄肉部13の剛性を低く抑える事が効果がある。
但し、単に前記厚さを小さくただけでは、この薄肉部13の剛性が徒に低下し、前記頭部14の内側縁と前記凹溝16の内側面との摺動部が不安定になる。即ち、単に前記薄肉部13の厚さを小さくすると、この薄肉部13の剛性が、あらゆる方向に関して低くなり、前記頭部14が、前記シールリング8、8の厚さ方向(前記シールリング付転がり軸受の軸方向)だけでなく、径方向にも変位し易くなる。この状態では、前記摺動部の状態が不安定に(摺動部が周囲に振れ動き易く)なり、この摺動部のシール性確保が難しくなる。具体的には、シールリング付転がり軸受の周囲に存在する異物が、この摺動部を通過して、前記軸受内部空間7内に入り込み易くなる。
更には、単に前記薄肉部13の厚さを小さくしただけの場合には、前記弾性材10の形状精度及び寸法精度の確保が難しくなるだけでなく、この弾性材10の成形時に、前記薄肉部13に欠肉等の欠陥を生じ易くなり、歩留まりの悪化により、シールリング8、8の製造コストが嵩む。即ち、前記弾性材10は、ゴム材料を金型のキャビティ内に送り込む成形により前記弾性材10を造るが、前記厚さを単に小さくしただけの場合には、この弾性材10の形状精度及び寸法精度を確保しにくくなるだけでなく、前記成形時に前記キャビティ内に前記ゴム材料が行き渡りにくくなって、前記欠陥を生じ易くなる。
特許文献2、4には、シールリップの断面形状を工夫する事により、当該シールリップの先端縁と相手面との摺接部のシール性向上を図る発明が記載されている。前記特許文献2、4に記載された発明の構造は、何れも、シールリップの基端部の肉厚を小さくして、当該シールリップの先端縁の相手面に対する追従性を向上させている。但し、前記特許文献2、4に記載された発明の場合には、何れも、基端部以外の部分の厚さ寸法が十分に大きいとは言えないものであり、この基端部以外の部分も或る程度弾性変形する。この為、シールリップの先端縁と相手面との摺動部の状態を必ずしも安定させられず、例えば自動車用変速機の回転支持部に組み込んだ場合に、十分なシール性を確保できない可能性がある。
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、回転抵抗が低く、しかも、シールリップの先端面と相手面との摺動状態を安定させて十分にシール性能を確保できるシールリング付転がり軸受を、シールリングの歩留まりを悪化させる事なく実現すべく発明したものである。
本発明の転がり軸受用シールリング及びシールリング付転がり軸受のうち、請求項1に記載した転がり軸受用シールリングは、前述した従来から知られている転がり軸受用シールリングと同様に、円輪状の芯金と、この芯金により補強された円輪状の弾性材とを備える。そして、この弾性材の内外両周縁部のうちの少なくとも一方の周縁部を、前記芯金の周縁よりも径方向に突出させると共に、突出した部分をシールリップとしている。このシールリップは、前記芯金の周縁寄り部分に存在する薄肉部と、この薄肉部を挟んでこの芯金と反対側の端縁部に存在する、この薄肉部よりも厚肉の頭部とを備える。
特に、請求項1に記載した転がり軸受用シールリングに於いては、前記薄肉部の厚さが、前記頭部から遠い基端側で最も小さく、この頭部に近い先端側に向かうほど漸次大きくなる。
又、請求項2に記載したシールリング付転がり軸受の発明は、前述した従来から知られているシールリング付転がり軸受と同様に、内周面に外輪軌道を有する外輪と、外周面に内輪軌道を有する内輪と、これら外輪軌道と内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体と、前記外輪の内周面と前記内輪の外周面との間に存在してこれら各転動体を設置した空間の端部開口を塞ぐシールリングとを備える。
特に、本発明のシールリング付転がり軸受に於いては、前記シールリングが、上述した請求項1に記載した転がり軸受用シールリングである。
この様な請求項2に記載したシールリング付転がり軸受の発明を実施する場合に好ましくは、請求項3に記載した発明の様に、前記シールリングの外周縁部を、前記外輪の端部内周面に形成された係止溝に係止固定する。又、このシールリングの内周縁部に設けられたシールリップの頭部のうちで少なくとも軸方向の厚さが最も大きくなった部分を、前記内輪の端部外周面に設けられた凹溝内に、全周に亙って進入させる。そして、前記外輪及びこの内輪の軸方向に関して、前記頭部の一側縁を前記凹溝の片側内面に、全周に亙って摺接させ、同じくこの頭部の他側縁をこの凹溝の他側内面に、全周に亙って近接対向させる。
上述の様に構成する本発明によれば、回転抵抗が低く、しかも、シールリップの先端縁と相手面との摺動状態を安定させて十分にシール性能を確保できるシールリング付転がり軸受を、シールリングの歩留まりを悪化させる事なく実現できる。
即ち、シールリップを構成する薄肉部の径方向の一部に、他の部分よりも厚さが小さい部分を設けている為、このシールリップを弾性変形し易くして、摺動トルクを低く抑えられる。更に、薄肉部の厚さを、基端側で小さく、先端側で大きくしている為、頭部が揺動変位する際の中心(支点)から摺接部(作用点)までの距離を長く確保できて、前記シールリップを弾性変形させるモーメントを大きくでき、この面からも摺動トルクを低く抑えられる。従って、シールリング付転がり軸受の回転抵抗を低く抑えられる。
又、シールリップを構成する薄肉部の厚さを、基端側で小さく、先端側で大きくしている為、このシールリップの先端に設けた頭部が、前記薄肉部の基端側部分を中心に揺動変位する。そして、前記頭部が揺動変位する際の半径が大きく(これら基端側部分から頭部までの距離に)なり、この揺動変位に伴う、この頭部の径方向の変位量を小さく抑えられる。又、前記薄肉部の剛性が、前記基端側部分を除いて或る程度大きくなる為、この薄肉部のうちでこの基端側部分以外の部分の弾性変形が抑えられ、この面からも、前記頭部の径方向の変位を抑えられる。更に、揺動変位に伴う、シールリップの接触角の角度変動も小さく抑えられる。従って、シールリップの先端面と相手面との摺動状態を安定させる事ができて、十分にシール性能を確保できる。
しかも、前記薄肉部の厚さは、前記基端側部分を除いて或る程度大きい為、この薄肉部を含む弾性材の成形時に、この弾性材の形状精度及び寸法精度を確保し易くなるだけでなく、前記薄肉部に欠肉等の欠陥を生じにくくして、歩留まりを確保できる。そして、シールリング、及び、このシールリングを組み込んだシールリング付転がり軸受の製造コストを抑えられる。
本発明の実施の形態の1例を示す、シールリング付転がり軸受の部分断面図。 シールリングを取り出した状態で示す、部分拡大断面図。 本発明の作用・効果を説明する為の、本発明の技術的範囲に属する構造を示す部分拡大断面図(A)及び本発明の技術的範囲からは外れる構造を示す部分拡大断面図(B)。 同じく、(A)は本発明の技術分野に属する構造に関する、(B)は本発明の技術的範囲からは外れる構造に関する、それぞれ部分拡大断面図(a)及び模式図(b)。 従来から知られているシールリング付転がり軸受の1例を示す部分断面図。 同じくシールリングを取り出して示す部分断面図。
図1〜4により、本発明の実施の形態の1例に就いて説明する。尚、本例の特徴は、回転抵抗の低いシールリング付転がり軸受を、シール性能及びシールリングの歩留まりを悪化させる事なく実現すべく、このシールリングの内周縁部に設けたシールリップ12aの形状及び寸法を工夫した点にある。その他の部分の構成及び作用は、前述の図5〜6に示した、従来から知られているシールリング及びシールリング付の単列深溝型の玉軸受と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
本例のシールリング8aは、円輪状の芯金9aと、この芯金9aにより補強された円輪状の弾性材10aとを備える。そして、この弾性材10aの外周縁部を前記芯金9aの外周縁よりも径方向外方に少し突出させて弾性係止部11aとしている。これに対して、前記弾性材10aの内周縁部を、前記芯金9aの内周縁よりも径方向内方に十分に突出させて、突出した部分を前記シールリップ12aとしている。このシールリップ12aは、薄肉部13aと頭部14aとを備える。このうちの薄肉部13aは、このシールリップ12aのうちで、前記芯金9aの内周縁寄り部分である、径方向外半部に存在する。これに対して前記頭部14aは、前記薄肉部13aを挟んで前記芯金9aと反対側である、径方向内端縁部に存在する。
このうちの薄肉部13aは、断面形状が楔状であって、厚さが、前記頭部14aから遠
い基端側となる外径側端部で最も小さく、この頭部14aに近い先端側である内径側端部に向かうほど漸次大きくなる。即ち、前記薄肉部13aの厚さは、外径側端部で最も小さく(厚さT1 )、径方向中間部で少し大きく(厚さT2 )、内径側端部で最も大きく(厚さT3 )なっている。又、本例の場合には、前記薄肉部13aが、前記シールリング8aの中心軸に対し直行する仮想平面αに対して、内径側に向かうほど内輪3の軸方向中央部に向かう方向に、角度θ(例えば10〜30度程度)だけ傾斜している。
一方、前記頭部14aの厚さT14は、前記薄肉部13aの平均厚さTの2倍以上、5倍以下{T14=(2〜5)T}とし、且つ、次述する凹溝16aの外側内面に接触しない大きさに規制する事が好ましい。
上述の様なシールリング8aは、外周縁部に設けた弾性係止部11aを外輪1の端部内周面に設けた係止溝15aに係止すると共に、前記頭部14aを、内輪3の端部外周面に設けた凹溝16a内に、全周に亙って進入させる。この状態で、前記頭部14aの内側縁を、この凹溝16aのうちの内側内面に全周に亙って摺接させると共に、この頭部14aの外側縁を、この凹溝16aのうちの外側内面に、全周に亙って近接対向させる。又、前記弾性材10aの基部17の一部に前記薄肉部13aの外側に隣接して設けた、突条18の先端縁(内周縁)を、前記内輪3のうちで前記凹溝16aの外側に隣接した部分の外周面に、全周に亙って近接対向させている。そして、これら2箇所の近接対向させた部分を、それぞれラビリンスシールとしている。
上述の様に構成する本例の構造によれば、回転抵抗が低く、しかも、前記シールリップ12aの先端部に設けた頭部14aの内側縁と、前記凹溝16の内側内面との摺動状態を安定させて十分にシール性能を確保できるシールリング付転がり軸受を、前記シールリング8aの歩留まりを悪化させる事なく実現できる。先ず、歩留まりを悪化させずに回転抵抗を低く抑えられるのは、前記薄肉部13aの断面形状を楔状とする事により図れる。即ち、この薄肉部13aの断面形状を楔状とし、径方向の一部に厚さが十分に小さい部分を設ける事により、前記頭部14aの内側縁を前記凹溝16の内側内面に押し付ける力を小さく抑えて、これら内側縁と内側内面との摺接部の摩擦抵抗を低く抑え、前記回転抵抗を低く抑えられる。又、前記薄肉部13aの厚さを、基端側で小さく、先端側で大きくしている為、前記頭部14aが揺動変位する際の中心(支点)から摺接部(作用点)までの距離を長く確保できて、前記頭部14aの内側縁を前記凹溝16の内側内面に押し付ける力を小さく抑えられる。この為、この面からも前記回転抵抗を低く抑えられる。又、前記薄肉部13aの厚さが小さいのは、外径側端部のみで、他の部分の厚さは或る程度大きい為、前記薄肉部13aを含む、前記シールリップ12aの射出成形を安定して行う事ができて、前記歩留まりの悪化を防止できる。
次に、本例の構造によりシール性能を確保できる理由に就いて、図3〜4を参照しつつ説明する。本例の構造の場合には、図3、4の(A)に示す様に、前記シールリップ12aを構成する薄肉部13aの厚さT1 、T2 、T3 を、基端側で小さく、先端側で大きくしている(T1 <T2 <T3 )。この為、前記シールリップ12aの先端に設けた頭部14aが、図4の(A)の(a)(b)に点Oで示した、前記薄肉部13aの基端側部分を中心に(この点Oを支点とし、前記摺接部を作用点として)揺動変位する。この様に、前記薄肉部13aの外径側端部を揺動変位の中心とする場合には、図4の(A)(b)の記載から明らかな通り、前記頭部14aが揺動変位する際の半径が大きくなり、この揺動変位に伴う、この頭部14aの径方向の変位量δを小さく抑えられる。又、前記薄肉部13aの剛性が、前記基端側部分を除いて或る程度大きくなる為、この薄肉部13aのうちでこの基端側部分以外の部分の弾性変形が抑えられ(この薄肉部13aが径方向に関して弾性変形しにくくなり)、この面からも、前記頭部14aの径方向の変位を抑えられる。更に、揺動変位に伴う、前記シールリップ12aの接触角の角度変動αも小さく抑えられる。そして、この頭部14aの内側縁と前記凹溝16の内側内面との摺動状態を安定させて、前記シールリング8aによるシール性能の確保を図れる。
この様な本例の構造に対して、図3、4の(B)に示す様に、シールリップ12bを構成する薄肉部13bの厚さT4 、T5 、T6 を、基端側で大きく、先端側で小さくすると(T4 >T5 >T6 )、頭部14bが揺動変位する際の半径が小さくなる。そして、この頭部14bの軸方向に関する変位Lが、前記図4の(A)と同じである場合でも、前記揺動変位に伴う、前記頭部14bの径方向の変位量△が大きくなる。又、揺動変位に伴う、前記シールリップ12bの接触角の角度変動βも大きくなる。この様な状態では、この頭部14bの内側縁と凹溝16の内側内面との摺動状態が不安定になり、シールリング8bによるシール性能の確保を図りにくくなる。又、前記径方向に関する変位量△が大きくなる分、前記頭部14bの内側縁と前記凹溝16の内側内面との摺動部の摩擦抵抗が大きくなり、前記シールリング8bを組み込んだシールリング付転がり軸受の回転抵抗が大きくなる。
本発明は、自動車用変速機の回転支持部を構成する様な、小型のシールリング、及び、このシールリングを組み込んだシールリング付転がり軸受の改良に関する。従って、転がり軸受としては、小型の玉軸受が主となるが、ころ軸受、円すいころ軸受等、他の型式の転がり軸受への適用を排除するものではない。更に、例えば外輪回転型の転がり軸受で実施する場合に、シールリングの形状を、径方向に関して、内外逆にする事もできる。
1 外輪
2 外輪軌道
3 内輪
4 内輪軌道
5 玉
6 保持器
7 軸受内部空間
8、8a、8b シールリング
9、9a 芯金
10、10a 弾性材
11、11a 弾性係止部
12、12a、12b シールリップ
13、13a、13b 薄肉部
14、14a、14b 頭部
15、15a 係止溝
16、16a 凹溝
17 基部
18 突条
特開平10−339329号公報 特開2004−100842号公報 特開2004−257421号公報 国際公開WO2003/081096号公報

Claims (3)

  1. 円輪状の芯金と、この芯金により補強された円輪状の弾性材とを備え、この弾性材の内外両周縁部のうちの少なくとも一方の周縁部を、前記芯金の周縁よりも径方向に突出させると共に、突出した部分を、この芯金の周縁寄り部分に存在する薄肉部と、この薄肉部を挟んでこの芯金と反対側の端縁部に存在する、この薄肉部よりも厚肉の頭部とを備えたシールリップとした転がり軸受用シールリングに於いて、この薄肉部の厚さが、前記頭部から遠い基端側で最も小さく、この頭部に近い先端側に向かうほど漸次大きくなる事を特徴とする転がり軸受用シールリング。
  2. 内周面に外輪軌道を有する外輪と、外周面に内輪軌道を有する内輪と、これら外輪軌道と内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体と、前記外輪の内周面と前記内輪の外周面との間に存在してこれら各転動体を設置した空間の端部開口を塞ぐシールリングとを備えたシールリング付転がり軸受に於いて、このシールリングが請求項1に記載した転がり軸受用シールリングである事を特徴とするシールリング付転がり軸受。
  3. シールリングの外周縁部が、外輪の端部内周面に形成された係止溝に係止固定されており、このシールリングの内周縁部に設けられたシールリップの頭部のうちで少なくとも軸方向の厚さが最も大きくなった部分が、内輪の端部外周面に設けられた凹溝内に、全周に亙って進入しており、前記外輪及びこの内輪の軸方向に関して、前記頭部の一側縁が前記凹溝の片側内面に、全周に亙って摺接しており、同じくこの頭部の他側縁がこの凹溝の他側内面に、全周に亙って近接対向している、請求項2に記載したシールリング付転がり軸受。
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