JP2011079688A - 光学ガラス - Google Patents

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Abstract

【課題】 レンズ表面のクモリが発生しにくい光学ガラスを提供する。
【解決手段】 質量%で、SiO 35〜60%、B 1〜20%、Li
0.1〜12%含有し、Sbが0.0001%以上、0.1%未満であることを特
徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、光学ガラスに関するものである。
CD、MD、DVDその他各種光ディスクシステムの光ピックアップレンズ、デジタルカメラ、ビデオカメラ、カメラ付き携帯電話機等の撮像用レンズ、光通信に使用される送受信用レンズ等のレンズとしては非球面形状のレンズが広く用いられている。レンズ用ガラス素材として種々のガラスが提案されており、例えば屈折率1.55〜1.65、アッベ数50以上の光学ガラスとして、特許文献1〜3に示すようなSiO―B系ガラスが提案されている。
この種のレンズの作製方法は例えば以下のような方法が知られている。
まず、溶融ガラスをノズルの先端から滴下して、液滴状ガラスを作製し(液滴成形)、研削、研磨、洗浄してプリフォームガラスを作製する。または、溶融ガラスを急冷鋳造して一旦ガラスインゴットを作製し、研削、研磨、洗浄してプリフォームガラスを作製する。続いて、プリフォームガラスを加熱して軟化し、高精度な成形表面を持つ金型によって加圧成形し、金型の表面形状をガラスに転写してレンズを作製する。
このような成形方法は一般にモールドプレス成形法と呼ばれており、大量生産に適した方法として近年広く採用されている。
特開2002−187735号公報 特開2005−350279号公報 特開2007−297269号公報
プリフォームガラスをモールドプレス成形すると、ガラス表面にクモリが生じることがある。レンズ表面のクモリは、レンズに透過する光を遮断、散乱させるため致命的な欠陥となりうる。
本発明の目的は、レンズ表面のクモリが発生しにくい光学ガラスを提供するものである。
本発明者等は、種々のテストを行った結果、比較的高粘性のプリフォームガラスをプレスするとクモリが生じることが明らかになった。さらに調査を進めたところ、クモリの原因は高粘性のガラスに清澄剤として入っているSbが原因であることを突き止め、本発明を提案するに到った。
即ち、本発明の光学ガラスは、質量%で、SiO 35〜60%、B 1〜20%、LiO 0.1〜12%含有し、Sbが0.0001%以上、0.1%未満であることを特徴とする。本発明においては、(酸素原子のモル数の総和/陽イオンのField Strengthの総和)×100で定義されるガラスの塩基性度が11以下であることが好ましい。本発明において「Field Strength(以下F.S.と表記する)」とは下記の式1により求められる。
式1 F.S.=Z/r
Zはイオン価数、rはイオン半径を示している。尚、本発明におけるZ、rの数値は表1の値(『科学便覧基礎偏 改訂2版(1975年 丸善株式会社発行)』に記載された値)を用いる。
上記構成によれば、ガラスの還元性を示す指標である塩基性度が小さくなり、Sbに起因するプレス時のクモリを効果的に抑制することが可能になる。
本発明においては、モールドプレス成形用であることが好ましい。
上記構成によれば、本発明の効果を的確に享受することができる。
本発明においては、質量%で、SiO 42〜60%、B 2〜20%、CaO 0〜10%、BaO 3〜30%、SrO 0〜10%、LiO 2〜10%、ZrO 0〜3%、La 0〜2.5%含有し、LiO、NaOおよびKOの合量が3〜12%であり、Sbが0.0001%以上、0.1%未満であることが好ましい。特に、質量%で、SiO 42〜60%、B 2〜11%、CaO 0.5〜10%、BaO 3〜17%、SrO 0〜10%、LiO 2〜10%、ZrO 0〜3%、La 0〜2.5%含有し、LiO、NaOおよびKOの合量が3〜12%であり、Sbが0.001%以上、0.1%未満であることが好ましい。
上記構成によれば、プレス時のクモリを防止できることに加え、屈折率ndが1.55〜1.60、アッベ数νdが57以上の光学特性を有するガラスを容易に得ることができる。また上記組成を有するガラスは、耐酸性や耐候性に優れ、洗浄工程において酸性溶液によって洗浄されても、また長期間にわたって高温多湿環境下に曝されてもガラス表面が変質することがない。
本発明においては、質量%で、SiO 41〜56%、Al 1.5〜5%、B 7〜16%、CaO 0〜10%、BaO 0〜30%、SrO 0〜10%、ZnO 0〜5%、LiO 1〜10%、NaO 0〜5%、La 0〜15%含有し、Sbが0.0001%以上、0.1%未満であることが好ましい。特に、質量%で、SiO 41〜56%、Al 1.5〜5%、B 7〜16%、CaO 0.1〜10%、BaO 0〜10%、SrO 0〜10%、ZnO 0〜5%、LiO 1〜10%、NaO 0〜5%、La 5〜15%含有し、Sbが0.001%以上、0.1%未満であることが好ましい。
上記構成によれば、プレス時のクモリを防止できることに加え、屈折率ndが1.57〜1.62、アッベ数νdが55以上の光学定数を有するガラスを容易に得ることができる。また上記組成を有するガラスは、軟化点が低くガラス成分が揮発し難いため、成形精度の低下および金型の劣化や汚染が生じない。しかも作業温度範囲が広く、プリフォームガラスの量産性に優れるとともに、耐候性が良好であるため、製造工程や製品の使用中に物性の劣化や表面の変質を起こすことがない。
本発明においては、質量%で、SiO 35〜50.5%、Al 0〜15%、B 1〜15%、CaO 0〜15%、BaO 0〜15%、SrO 4.1〜15%、ZnO 0〜10%、LiO 3〜12%、NaO 0〜10%、La 5〜15%、Gd 0〜15%、Nb 0〜4.5%含有し、Sbが0.0001%以上、0.1%未満であることが好ましい。特に、質量%で、SiO 35〜50%、Al 0〜15%、B 1〜15%、CaO 0〜15%、BaO 0〜11.5%、SrO 4.1〜15%、ZnO 0〜10%、LiO 3〜12%、NaO 0〜10%、La 7.1〜15%、Gd 0〜10%、Nb 0〜4.5%含有し、Sbが0.001%以上、0.1%未満であることが好ましい。
上記構成によれば、プレス時のクモリを防止できることに加え、屈折率ndが1.58〜1.65、アッベ数νdが50以上の光学定数を有するガラスを容易に得ることができる。また上記組成を有するガラスは、成形工程中に失透しにくく、量産性に優れるとともに、耐候性が良好であるため、製造工程や製品の使用中に物性の劣化や表面の変質を起こすことがない。
本発明の光学レンズは、上記ガラスからなることを特徴とする。
本発明の光学ガラスは、Sbの含有量を制限することで、プレス時にガラス表面にクモリが生じないガラスを得ることができる。このため、レンズ表面の高い面精度が維持され、量産性に優れたガラスである。また少量のSbを含有させておくことにより、高粘性のガラスであってもガラス溶融を不当に高温、長時間行うことなく清澄することが可能になる。
それゆえ本発明の光学ガラスは、CD、MD、DVDその他各種光ディスクシステムの光ピックアップレンズ、デジタルカメラ、ビデオカメラ、カメラ付き携帯電話機等の撮像用レンズ、光通信に使用される送受信用レンズ等といったモールドプレス成形で得られる光学レンズ用硝材として好適である。
本実施例におけるSb量と泡数の関係を示すグラフである。 本実施例におけるSb量とクモリ発生率の関係を示すグラフである。 本実施例における塩基性度とクモリ発生率の関係を示すグラフである。
本発明のガラスは、質量%で、SiO 35〜60%、B 1〜20%、LiO 0.1〜12%(特に0.1〜10%)含有し、Sbが0.0001%以上、0.1%未満であることを特徴とする。
SiOを35質量%以上含有するSiO―B系ガラスのような高粘性の光学ガラスには、一般的にSbが清澄剤として0.5質量%程度含まれる。ところがプレス時にガラスが高温の金型と接触すると、ガラス中のSbが還元されて析出して金型を汚染し、これがガラス表面に付着してクモリとなる。なお以下の記載において、「%」は特に断りがない限り「質量%」を意味する。
そこで本発明はSbを0.1%未満に制限することによって、プレス時にガラス表面で発生するクモリを防止している。Sbの上限は0.08%以下、特に0.05%以下であることが好ましい。
一方、内部に泡がなく、また白金の溶け込みによる着色のないガラスを得る観点から、Sbの下限は0.0001%以上に限定される。好ましくは0.001%以上、0.005%以上、特に0.01%以上であることが好ましい。Sbが0.0001%未満であると、清澄の効果が認められず、ガラス中に泡が残る。また0.0001%未満のSb量で清澄させようとすると、溶融時間を長くしたり、溶融温度を高くしたりして泡を浮上させる方法が考えられるが、これらの方法ではガラス中に溶け込んでくるPt量が多くなり、ガラスが着色するようになる。他にも溶融容器内のガラス融液の深さを浅くして、泡の浮上時間を短くする方法が考えられるが、生産性の面から好ましくない。Sbの含有量が0.0001%以上であれば、清澄可能な量のガスが放出されて、溶融時間を極端に長く、或いは溶融温度を極端に高くしなくても、泡を含まず、しかも着色のないガラスを得ることが可能になる。
本発明における清澄剤はSbであるが、Sbに加えてその他の清澄剤成分を含有させることも可能である。例えばSnOやCeOがその他の清澄剤として考えられる。ただしSnOは、Sbと同様にプレス時のクモリになる恐れがあるため、多量の添加は避けるべきである。SnOの含有量は0.1%未満であることが好ましい。またCeOは着色する恐れがあるので、やはり多量の添加は避けるべきである。CeOの含有量は0.1%未満であることが好ましい。さらにSb、SnO及びCeOの合量は、0.1%未満で0.0001%以上が好ましい。なお清澄剤として広く知られているAsは有害であるので、実質的に含有しないことが望ましい。ここで実質的に含有しないとは0.0001%未満であることを意味する。
本発明の光学ガラスは、(酸素原子のモル数の総和/陽イオンのField Strengthの総和)×100で定義されるガラスの塩基性度11以下であることが好ましい。塩基性度が11を超えると、ガラス中のSbイオンの還元性が強くなり、プレス時にSbが容易に析出してクモリが発生しやすくなる。
ガラスの塩基性度はガラス中の酸素の電子がガラス中の陽イオンにどのくらい引きつけられているかを示す指標になる。塩基性度の高いガラスではガラス中の陽イオンによる酸素の電子の引きつけが弱い。したがって、塩基性度の高いガラスは、電子を求める傾向の強い陽イオン(金型成分)と接した際、塩基性度の低いガラスに比べガラス中の陽イオンが還元しやすい。
金型にWCが使われる場合、ガラスの塩基性度が11以下、好ましくは9.5以下であればSbイオンが還元しにくくなると考えられる。ガラスの塩基性度が11を超えるとガラス中のSbが還元しやすく、ガラス表面にクモリを生じ、量産性が悪化する可能性がある。
塩基性度の変化は主としてF.S.の影響が大きい。つまりF.S.が大きい成分を増加させると塩基性度が低下する傾向があり、逆にF.S.が小さい成分を増加させると塩基性度が上昇する傾向がある。このためガラスの塩基性度を下げようとする場合、例えば比較的F.S.の大きいSiO、B3、WO等の組成比を増加させるか、または比較的F.S.の小さいLiO、NaO、SrO、BaO等を減少させればよい。
本発明のガラスが高粘性である場合に、その効果をより一層享受できる。高粘性のガラスは、溶融時に泡が抜けにくいため、Sb等の清澄剤を必要とするからである。高粘性とは具体的には1300℃で100.3dPa・s以上の粘性を持つガラスを指す。また泡を浮上しやすくするという観点から、1300℃における粘性が101.5dPa・s以下であることが好ましい。なおSbを0.1%未満とすることによる清澄力不足は、溶融時間を長くする、溶融温度を高くする、溶融時のガラス融液の深さ浅くすることなどで補完することができる。
本発明のガラスは、モールドプレス成形が採用可能な低軟化点ガラスである場合に、その効果をより一層享受できる。低軟化点ガラスとは具体的に、ガラス転移点Tgが650℃以下のガラスを指す。
本発明において、屈折率ndが1.55〜1.60、アッベ数νdが57以上の光学定数を有するガラスとするためには、質量%で、SiO 42〜60%、B 2〜20%、CaO 0〜10%、BaO 3〜30%、SrO 0〜10%、LiO 2〜10%、ZrO 0〜3%、La 0〜2.5%含有し、LiO、NaOおよびKOの合量が3〜12%であり、Sbが0.0001%以上、0.1%未満の組成範囲(ガラス組成A)を選択することが好ましい。
また本発明において、屈折率ndが1.57〜1.62、アッベ数νdが55以上の光学定数を有するガラスとするためには、質量%で、SiO 41〜56%、Al 1.5〜5%、B 7〜16%、CaO 0〜10%、BaO 0〜30%、SrO 0〜10%、ZnO 0〜5%、LiO 1〜10%、NaO 0〜5%、La 0〜15%含有し、Sbが0.0001%以上、0.1%未満の組成範囲(ガラス組成B)を選択することが好ましい。
さらに本発明において、屈折率ndが1.58〜1.65、アッベ数νdが50以上の光学定数を有するガラスとするためには、質量%で、SiO 35〜50.5%、Al 0〜15%、B 1〜15%、CaO 0〜15%、BaO 0〜15%、SrO 4.1〜15%、ZnO 0〜10%、LiO 3〜12%、NaO 0〜10%、La 5〜15%、Gd 0〜15%、Nb 0〜4.5%含有し、Sbが0.0001%以上、0.1%未満の組成範囲(ガラス組成C)を選択することが好ましい。
以下に、各ガラスの組成範囲を限定した理由を示す。なおSbの限定理由は、既述の通りであり、以下の説明では割愛する。
(ガラスA)
SiOは、ガラスの骨格を構成する成分であり、Bに次いでアッベ数を高める効果の大きい成分であり、耐候性を向上させる成分でもある。SiOの含有量が60%よりも多いと、屈折率が低く、軟化点が高くなる傾向にある。また、42%よりも少ないと、耐酸性や耐候性が悪化する傾向がある。好ましいSiOの含有量の範囲は45〜57%、より好ましい範囲は50〜55%である。
は、アッベ数を高める効果を有するが、上述した様に多量に、具体的には20%よりも多く含有すると耐酸性が低下する傾向にある。一方、2%よりも含有量が少ないと、アッベ数を57以上の値にすることが困難となる。好ましいBの含有量の範囲は5〜9.5%、より好ましい範囲は7〜9.2%、さらに好ましい範囲は7〜9%である。
CaOは、アルカリ金属酸化物に次いで軟化点を下げる効果が大きいため、アルカリ金属成分と置換することで耐候性や耐酸性を高めることのできる成分である。また、屈折率を高める効果を有する。ただし、多量に含有すると、長期間にわたって高温多湿環境下に曝された場合、ガラス表面が変質しやすい。好ましいCaOの含有量の範囲は1〜10%、より好ましい範囲は5〜10%、特に好ましい範囲は5〜7%である。
BaOは、耐候性を高め、屈折率を高める成分であるとともに、ガラスの液相温度を低下させて、作業性を向上させる成分である。ただし、多量に含有すると、長期間にわたって高温多湿環境下に曝された場合ガラス表面が変質しやすい。好ましいBaOの含有量の範囲は5〜15%、より好ましい範囲は8.5〜11.5%である。
SrOは、BaOと同様に耐候性を高め、屈折率を高める成分であるとともに、ガラスの液相温度を低下させて、作業性を向上させる成分である。ただし、多量に含有すると、長期間にわたって高温多湿環境下に曝された場合ガラス表面が変質しやすい。好ましいSrOの含有量の範囲は3〜10%、より好ましい範囲は5〜10%である。
LiOは、溶融温度や軟化点を低下させ、作業性を高める効果があるため、必須成分として使用する。好ましいLiOの含有量の範囲は3.5〜9%、より好ましい範囲は5〜9%である。10%を越えると分相性が強く、液相温度が高くなって作業性が悪くなる。一方、2%より少ないと溶融温度が高くなる傾向がある。
LiO、NaOおよびKOは、溶融温度や軟化点を低下させ、作業性を高める効果を有するが、その合量は3〜12%、好ましくは5〜10%である。LiO、NaOおよびKO合量が多くなると、洗浄工程において表面変質が変質しやすい傾向にある。また、液相温度が上昇して、作業範囲が狭くなり、量産性に悪影響を及ぼす傾向もある。一方、これらの合量が少なくなると軟化点が高くなり、作業性が損なわれる傾向にある。
NaOは、LiOと同様に溶融温度や軟化点を低下させ、作業性を高める効果を有する。ただし、多すぎるとガラス溶融時のB‐NaOで形成される揮発物が多くなり、脈理の生成を助長する傾向にある。NaOの含有量は5%以下、特に3%以下が望ましい。
Oは、NaOと同様に溶融温度や軟化点を低下させ、作業性を高める効果を有する。ただし、多すぎるとガラス溶融時のB‐KOで形成される揮発物が多くなり、脈理の生成を助長する傾向にある。KOの含有量は5%以下、特に3%以下であることが望ましい。
ZrOは、屈折率を高めるとともに、耐候性を向上させるために添加する成分である。しかし、含有量が多くなるとアッベ数を低下させる傾向があるとともに、失透傾向も強くなり、均質なガラスが得られなくなるため、3%以下であることが望ましい。
Laは、アッベ数を低下させることなく屈折率を高める効果がある。しかし、過剰に含有すると、失透する傾向にあるため、含有量は2.5%以下であることが好ましい。また、モールドプレス成形を行なう場合、含有量が多いと金型と融着する傾向もある。
本発明に係るガラスAは、耐候性の向上を目的としてAl、MgOおよび/またはZnOを添加することができる。
Alは、SiOと共にガラスの骨格を構成する成分であり、耐候性を向上させる効果があり、10%まで含有することができる。また、ガラス中のアルカリ成分が水に溶出することを抑制する顕著な効果を有する。しかし、Alの含有量が多くなると屈折率が低くなる傾向や、軟化点が高くなる傾向がある。好ましいAlの含有量の範囲は0〜8%、より好ましい範囲は1〜5%である。
MgOは、耐候性を高めるとともに、屈折率を高めるために5%まで添加することができる。しかし、含有量が多いと分相する傾向が強く、また液相温度を高める傾向がある。MgOの含有量の好ましい範囲は4%以下、より好ましい範囲は3%以下である。
ZnOは、屈折率を高めるとともに、耐候性を向上させるため添加する成分であり、5%まで含有することができる。しかし、含有量が多くなると、アッベ数が低下する傾向があるとともに、失透傾向も強くなり、均質なガラスが得られにくくなるため、その含有量は3%以下であることが望ましい。
本発明に係るガラスAは、上記した以外の成分も適宜添加することができる。
例えばBiは、屈折率を高めるために添加することができる。ただし、含有量が多くなるとガラスが着色する傾向があるため5%以下であることが好ましい。
は、液相温度を低下させるために添加する成分である。ただし、含有量が多くなるとガラスが分相しやすくなるとともに、洗浄工程で表面がくもる傾向にあるため、その含有量は5%以下であることが望ましい。
TiO、Nbは、屈折率を高めるために有効な成分であるが、一方でアッベ数の低下を著しく引き起こすため、その含有量はTiO、Nbともにそれぞれ0.3%以下とすることが好ましい。
PbOは、屈折率を高めるために有効な成分であるが、環境負荷物質であるため実質的に含有しないことが好ましい。
(ガラスB)
SiOはガラスの骨格を構成する成分であり、耐候性を向上させる効果がある。その含有量は41〜56%、好ましくは42〜53%、さらに好ましくは43〜50.5%である。なおSiOが多くなると屈折率が低下したり、軟化点が高くなる傾向がある。また失透傾向が強くなる。一方、SiOが少なくなると耐酸性や耐水性等の耐候性が悪化する。
AlはSiOと共にガラスの骨格を構成する成分であり、耐候性を向上させる効果がある。特にSiO‐B‐RO‐R’O‐La系ガラス(但し、Rはアルカリ土類金属、R’はアルカリ金属)では、ガラス中アルカリ成分の、水への選択的溶出を抑制する効果が顕著であり、その含有量は1.5〜5%、好ましくは2〜4.5%、さらに好ましくは2.7〜4.5%である。なおAlが多いと失透し易くなる。また溶融性が悪化して脈理や泡がガラス中に残り、レンズ用ガラスとしての要求品位を満たさなくなる可能性がある。一方、Alが少ないと、耐水性・耐酸性が低下し、非常に高い耐候性を有するガラスを得にくくなる。
はガラスの骨格成分であり、耐失透性の向上に効果がある。またアッベ数を高め、軟化点を低下させる成分である。さらにガラスの塩基性度を下げる作用もあり、モールドプレス成形におけるガラスと金型の融着防止に効果がある。その含有量は7〜16%、好ましくは9〜16%、特に好ましくは10〜15.5%、さらに好ましくは12〜15%である。なおBが多くなるとガラス溶融時にB‐R’Oで形成される揮発物が多くなり、脈理の生成を助長する。さらに耐候性が悪化する。一方、Bが少ないと、耐失透性が低下して十分な作業温度範囲を確保できなくなる可能性がある。また金型と融着し易くなる。さらにSiOの少ない組成域では、Bが少ないとアッベ数を55以上に維持することが難しくなる。
CaO、BaO、SrOといったアルカリ土類金属酸化物(RO)は融剤として作用するとともに、SiO‐B‐RO‐R’O‐La系ガラスにおいて、アッベ数を低下させずに屈折率を高める効果がある。CaO、BaO、及びSrOは合量で10〜30%、特に10〜20%、さらには12〜18%であることが望ましい。なおROが多くなると、プリフォームガラスの溶融、成形工程中に失透ブツが析出し易くなり、液相温度が上がって作業範囲が狭くなり量産化し難くなる傾向がある。さらにガラスから研磨洗浄水や各種洗浄溶液中への溶出が増大する、高温多湿状態でのガラス表面の変質が顕著になる等、耐候性が悪化し易い。一方ROが少なくなると、屈折率が低下したり、軟化点が高くなったりする等の不都合が生じやすい。
CaOはアッベ数を低下させることなく屈折率を高める成分である。また、高温多湿状態においてアルカリやアルカリ土類の表面への析出を防止する効果が高くなることから、耐候性向上のための必須成分である。CaOの含有量は0.1〜10%、特に0.5〜5%、さらに1〜4%であることが好ましい。なおCaOが多くなると液相温度が上がり、失透し易くなる。
BaOは屈折率を高める成分であり、またこのガラス系においては液相温度を低下させ作業性を向上させる効果もある。しかし、高温多湿状態でガラス表面からの析出量が他のRO成分に比べ著しく多いため、多量に含有させると最終製品の耐候性を損なうおそれがある。BaOの含有量は0〜30%であり、0〜10%、特に0.5〜9.5%、さらに4〜9%であることが好ましい。
SrOは屈折率を高める成分である。またBaOに比べると高温多湿状態でのガラス表面からの析出量が少ない。従ってSrOを積極的に使用することにより、耐候性に優れた製品を得ることができる。その含有量は0〜10%、好ましくは0.5〜9%、さらに好ましくは3〜8%である。なおSrOが多くなると液相温度が上がって作業範囲が狭くなる傾向にある。
なおCaO、BaO、或いはSrO以外にも、屈折率を高めるためにMgOを添加してもよい。MgOを添加する場合、その含有量は0〜5%、特に0〜3%であることが好ましい。MgOが多くなると失透し易くなる。
ZnOは屈折率を高めるとともに、耐候性を向上させる効果がある。また失透傾向が強くないため、多量に含有させても均質なガラスを得ることができる。その含有量は0〜5%、好ましくは0.5〜4%、さらに好ましくは1〜3%である。ZnOが多くなるとアッベ数が低下する傾向がある。
LiOやNaOといったアルカリ金属酸化物(R’O)は軟化点を低下させるための成分である。LiOとNaOは合量で5〜12%、特に6〜11%、さらには7〜10%であることが望ましい。なおR’Oが多くなると液相温度が上昇して作業温度範囲が狭くなり易い。この場合、量産性に悪影響を与えるおそれがある。また耐候性が悪化する傾向がある。逆にR’Oが少なくなると軟化点が高くなる。
R’OのなかでもLiOが最も軟化点を低下させる効果が大きい。その含有量は1〜10%、好ましくは3〜9%、さらに好ましくは5〜8.5%である。ただしLiOは分相性が強いため、多量に添加すれば液相温度が高くなって作業性を悪化させる傾向がある。またField Strength(以下F.S.と表記する)が低く、後述するガラスの塩基性度を上げる成分であるため、プレス成形時に金型との融着を引き起こす原因となる。一方、LiOが少なくなると軟化点が高くなる。
NaOは軟化点を低下させる効果があるが、多量に含有させると溶融時にB‐R’Oで形成される揮発物が多くなり、脈理の生成を助長してしまう。またモールド成形時にも揮発が生じて金型を汚染し、金型の寿命を大きく縮めてしまう。NaOの含有量は0〜5%、特に0.5〜3%であることが好ましい。
なおLiOやNaO以外にも、軟化点を低下するためにKOを添加してもよい。KOを添加する場合、その含有量は0〜7%、特に0〜5%であることが好ましい。KOが多くなると耐候性が悪化する。
Laは、アッベ数を低下させることなく屈折率を高める効果があるため、多量のROを含有させる必要がなくなり耐候性の向上に効果がある。また、耐失透性を向上する効果があり、作業温度範囲を拡大することができる成分であるが、多量に含有するとガラスの分相傾向が強くなり、均質なガラスを得にくくなる。Laの含有量は0〜15%、好ましくは5〜15%、より好ましくは6〜12%、さらに好ましくは7〜10%である。
またSiOとLaの含有量は、質量%基準でSiO/Laの値が3.2〜15.0、特に3.2〜10.0の範囲内となるように調節することが好ましい。この比を3.2〜15.0とすることで屈折率を低下させることなく、高い耐失透性を維持することができる。この比が小さくなると耐失透性が低下し、大きくなると屈折率が低下する傾向がある。
本発明に係るガラスBは、上記以外にも種々の成分を含み得る。ただしTiO、Nbはガラスの屈折率を高める成分であるが、アッベ数を低下させたり、紫外域での吸収が大きく、390〜440nmでの透過率が減少し、短波長用レンズとしての使用に支障をきたしたりするため、実質的なガラスへの導入は避けるべきである。さらに、PbO及びBiは環境上の理由から、Ag及びハロゲン類は光可逆変色キャリヤーとなるため、実質的なガラスへの導入は避けるべきである。なお、「実質的なガラスへの導入を避ける」とは、含有量が0.1%以下であることを意味する。
(ガラスC)
SiOはガラスの骨格を構成する成分であり、耐候性を向上させる効果がある。その含有量は35〜50.5%、好ましくは36〜50.5%である。SiOが50.5%を超えると屈折率が低くなり過ぎたり、軟化点が650℃を超えたりしてしまう。一方、35%より少ないと、耐酸性や耐水性等の耐候性が著しく悪化する。
AlはSiOと共にガラスの骨格を構成する成分であり、耐候性を向上させる効果がある。特にSiO−B−RO−R'O−La系ガラス(但し、Rはアルカリ土類金属、R’はアルカリ金属)では、ガラス中のアルカリ成分の、水への選択的溶出を抑制する効果が顕著であり、その含有量は0〜15%、好ましくは1〜10%である。Alが15%を超えると失透し易くなり、溶融性も著しく悪化して脈理や泡がガラス中に残り、レンズ用ガラスとしての要求品位を満たさなくなる。
はアッベ数(νd)を高める成分として必須である。また軟化点を低下させる効果があり、その含有量は1〜15%、好ましくは1〜12%、さらに好ましくは3〜9.5%である。Bが15%を超えるとガラス溶融時にB−R'Oで形成される揮発物が多くなり、脈理の生成を助長してしまう。またモールド成形時にも揮発が生じて金型を汚染し、金型の寿命を大きく縮めてしまう。さらに耐候性が著しく悪化する。一方Bが1%に満たないと、アッベ数が50より小さくなる。
MgO、CaO、BaO、SrOは融剤として作用するとともに、SiO−B−RO−R'O−La系ガラスにおいて、アッベ数を低下させずに屈折率を高める効果がある。その合量は10〜30%、特に14〜27%であることが好ましい。これらの成分の合量が30%を越えると、プリフォームガラスの溶融、成形工程中に失透ブツが析出し易く、液相温度が上がって作業範囲が狭くなり量産化し難くなる。さらにガラスから研磨洗浄水や各種洗浄溶液中への溶出が激しくなり、また高温多湿状態でのガラス表面の変質が顕著となり、耐候性が著しく悪化する可能性がある。一方10%より少ないと、屈折率が低くなり過ぎたり、軟化点が650℃を越えたりするおそれがある。
MgOは屈折率を高める成分であるが、分相性が強く、また液相温度を高める傾向があるため、その含有量は0〜10%、特に0〜5%であることが好ましい。
CaOは屈折率を高める成分であり、MgOに比べると、分相性は強くないため、15%まで含有させることができる。好ましくは3〜10%である。
BaOは屈折率を高める成分であり、またこのガラス系においては液相温度を低下させ作業性を向上させる効果もある。しかし、高温多湿状態でガラス表面からの析出量が他のRO成分に比べ著しく多いため、多量に含有させると最終製品の耐候性を著しく損なうことになる。それ故、その含有量は15%以下、特に11.5%以下、さらには10%以下にすることが望ましい。
SrOは屈折率を高めるための必須成分であり、他のRO成分に比べて液相温度を下げる効果があるため作業範囲が広くなる。またBaOに比べると、高温多湿状態でのガラス表面からの析出程度は少なく、耐候性に優れている。その含有量は4.1〜15%、好ましくは4.1〜13%である。SrOが15%を越えると液相温度があがって作業範囲が狭くなる。一方4.1%より少ないと屈折率が低くなり過ぎたり、軟化点が650℃を越えたりして、所望の特性を得ることができなくなる。
LiO、NaO及びKOは軟化点を低下させるための成分であり、その合量は5〜14.5%、特に6.5〜14.5%であることが好ましい。これらの成分の合量が14.5%を超えると液相温度が著しく上がって、作業範囲が狭くなり量産性に悪影響を及ぼし、また耐候性が著しく悪化する可能性がある。一方5%より少ないと軟化点が高くなりやすい。
LiOはR'O成分の中で最も軟化点を低下させる効果があるため、必須成分である。その含有量は3〜12%、好ましくは3〜10%である。12%を越えると分相性が強く、液相温度が高くなって作業性が悪くなる。一方3%より少ないと軟化点が650℃を越えてしまう。
NaO、KOは軟化点を低下させる効果はあるが、Bとともに、ガラス溶融時のB−R'Oで形成される揮発物が多くなり、脈理の生成を助長してしまう。またモールド成形時にも揮発が生じて金型を汚染し、金型の寿命を大きく縮めてしまう。このため、NaOの含有量は10%以下、好ましくは5%以下である。KOの含有量は9%以下、特に5%以下が望ましい。
Laは、アッベ数を低下させることなく、屈折率を高める効果と軟化点の上昇を抑え、十分な作業範囲を確保するための必須成分である。また耐候性を向上させる効果がある。その含有量は5〜15%、好ましくは7.1〜14%である。15%を越えると分相性が強くなり、液相温度が上がって作業性が大幅に低下する。一方5%より少ないと上記効果が得られず、特に作業範囲が著しく狭くなる。
Gdは屈折率を高める成分であるが、分相性が強く、液相温度を上げる傾向があるため、その含有量は15%以下、好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下である。
ZrO、ZnO、Nbは屈折率を高める成分であり、その含有量はZrOが0〜10%、特に0.1〜5%であることが好ましい。ZnOの含有量は0〜10%、特に0〜5%であることが好ましい。Nbの含有量は0〜4.5%、好ましくは0〜3%である。各成分がその範囲を超えるとアッベ数(νd)が下がって、所望の光学定数を得られず、失透傾向も強くなり、さらには均質なガラスが得られなくなる可能性がある。
Biは屈折率を高める成分であり、またモールドプレス成形においてガラスと金型の融着防止に効果があるが、成形時の加熱によって着色する傾向が強くなるため、その含有量は0〜5%、特に0〜3%であることが好ましい。
上記以外にも、ガラス組成Cには種々の成分を添加することができる。例えば液相温度を下げるためPを0〜5%、特に0〜3%添加することができる。また光学定数の調整成分としてTiOを0〜0.4%含有することができる。なおPbOは環境上好ましくないため使用しない方がよい。さらにAgやハロゲン類は、光可逆変色キャリヤーとなるので使用しない方がよい。なお、ここでの「使用しない」とは、含有量が0.1%以下であることを意味する。
次に、本発明の光学ガラスを用いたレンズ等の光学部品の製造方法について説明する。
まず、所望の組成を有するように調合したガラス原料を溶融容器内で溶融する。
清澄剤としてSbを使用するという観点から、ガラスの溶融温度は1150℃以上であることが好ましい。さらに1200℃以上が好ましく、特に1250℃以上であることが好ましい。なお溶融容器を構成する白金金属からのPt溶け込みによるガラス着色を防止する観点から、溶融温度は1450℃以下が好ましく、さらには1400℃以下が好ましく、特に1350℃以下が好ましく、最適には1300℃以下が好ましい。
また溶融時間が短すぎると、十分に清澄できない可能性があるので、溶融時間は2時間以上であることが好ましく、さらに3時間以上が好ましい。ただし溶融容器からのPt溶け込みによるガラス着色を防止する観点から、溶融時間は8時間以内、特に5時間以内であることが好ましい。
また溶融容器内のガラス融液の深さは、浅すぎると生産性が悪くなるため、30mm以上、特に50mm以上であることが好ましい。一方、深すぎると泡の浮上に時間がかかるため、1m以下、好ましくは0.5m以下が好ましい。
続いて、溶融ガラスをモールドプレス可能な大きさのプリフォームに成形し、プリフォームを加熱軟化してモールドプレスして所望の形状に加工した後、洗浄、乾燥して光学部品を作製する。
プリフォームの成形方法としては、板状や塊状のガラス片から所定の形状に切り出して研磨、洗浄して作製してもよいが、連続的に所定量ずつ滴下してから研削、研磨、洗浄する液滴成形法を用いると、容易に成形できるため好ましい。
以下、本発明の光学ガラスを実施例に基づいて詳細に説明する。
表2〜12は本発明の実施例(No.2〜4、6、7、9、11、12、15、18、21、23、24、27、28、30、31、33、35、37、38、40、43)及び比較例(No.1、5、8、10、13、14、16、17、19、20、22、25、26、29、32、34、36、39、41、42、44)を示す。
各試料は、次のようにして作製した。
表2〜12に記載の組成となるように調合したガラス原料を、ガラス融液深さが50mmになるよう白金ルツボに入れ、1300℃で3時間溶融した。次に、溶融ガラスをカーボン板上に流し出し、冷却固化した後、アニールを行って試料を作製した。このようにして得られた試料について、ガラス転移点Tg、1300℃におけるガラスの粘度、液相温度、泡数、クモリ発生確率、Sb析出レベルを評価した。また塩基性度を算出した。結果を表2〜12に示す。
また各実施例におけるSb量と泡数の関係を図1に、Sb量とクモリ発生率の関係を図2に、塩基性度とクモリ発生率の関係を図3に示す。
表及びグラフから明らかなように、Sbを0.0001%以上、0.1%未満含有する本発明の各試料は、ガラス試料内部に泡が殆ど存在せず、しかもクモリ発生確率が9%以下と良好であった。
なおSbを含まない試料No.10について、溶融時間を長く(1300℃−24時間)して、泡の有無及び透過率を評価したところ、表13に示すように、ガラス内部に泡は存在しなかったものの、Ptの溶け込みによる透過率の低下が認められた。
屈折率ndは、屈折率計(カルニュー光学工業社製 KPR-200)を用いて、ヘリウムランプのd線(波長:587.6nm)における測定値で示した。アッベ数νdは、屈折率計(カルニュー光学工業社製 KPR-200)を用いて、上記したd線、水素ランプのF線(波長:486.1nm)、および水素ランプのC線(波長:656.3nm)における屈折率をそれぞれ測定した値を、それぞれnd、nF、nCとした際の{(nd−1)/(nF−nC)}の値とした。
ガラス転移点Tgは熱膨張曲線における低温度域の直線と高温度域の直線の交点より求めた。
1300℃におけるガラスの粘度は周知の白金球引き上げ法で測定した。
液相温度は、297〜500μmの粉末状になるようガラス試料を粉砕、分級してから白金製のボートに入れ、温度勾配を有する電気炉に24時間保持した後、空気中で放冷し、光学顕微鏡で失透の析出位置を求めることで測定した。
透過率は、肉厚が10mmになるようにガラス試料の両面を鏡面仕上げた後、波長500nmにおける透過率を分光光度計(島津製作所製 UV−3100PC)で測定した。
泡数は次のように評価した。ガラス試料を50×50×15mmに切断し、ベンジルアルコール溶液に浸して横から平行光を入射させ、顕微鏡試料台に設置し、100倍の倍率で観察を行い評価した。
クモリ発生確率は次のようにして評価した。まずPt−IrがコートされたWC板の上にガラス試料を載置し、Tg+25℃のN雰囲気にて1分間熱処理する作業を100回行った。その後、ガラス表面のクモリの有無を顕微鏡で観察した。このようにして100個の試料を評価し、クモリ発生確率を求めた。
Sb析出レベルは、WC板上にφ5×5mmのガラス試料を載置し、800℃のN雰囲気にて15分間熱処理を行った後、WC板のSb量をEPMA(日本電子製、JXA−8900M)のWDXにて面分析を行った。さらにWDXの面分析で得られた総信号量を測定面積で割った平均値を求めた。なおWDXの面分析は電流3×10−8Aで行った。
本発明の光学用ガラスは、モールドプレスしても表面にクモリを生じにくく、かつ内部に泡がないことから、量産性に優れている。よってCD、DVD等の光ピックアップレンズや、ビデオカメラ、デジタルカメラ等の光学レンズに好適に使用できる。

Claims (7)

  1. 質量%で、SiO 35〜60%、B 1〜20%、LiO 0.1〜12%含有し、Sbが0.0001%以上、0.1%未満であることを特徴とする光学ガラス。
  2. (酸素原子のモル数の総和/陽イオンのField Strengthの総和)×100で定義されるガラスの塩基性度が11以下であることを特徴とする請求項1に記載の光学ガラス。
  3. モールドプレス成形用であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学ガラス。
  4. 質量%で、SiO 42〜60%、B 2〜20%、CaO 0〜10%、BaO 3〜30%、SrO 0〜10%、LiO 2〜10%、ZrO 0〜3%、La 0〜2.5%含有し、LiO、NaOおよびKOの合量が3〜12%であり、Sbが0.0001%以上、0.1%未満であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の光学ガラス。
  5. 質量%で、SiO 41〜56%、Al 1.5〜5%、B 7〜16%、CaO 0〜10%、BaO 0〜30%、SrO 0〜10%、ZnO 0〜5%、LiO 1〜10%、NaO 0〜5%、La 0〜15%含有し、Sbが0.0001%以上、0.1%未満であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のモールドプレス成形用光学ガラス。
  6. 質量%で、SiO 35〜50.5%、Al 0〜15%、B 1〜15%、CaO 0〜15%、BaO 0〜15%、SrO 4.1〜15%、ZnO 0〜10%、LiO 3〜12%、NaO 0〜10%、La 5〜15%、Gd 0〜15%、Nb 0〜4.5%含有し、Sbが0.0001%以上、0.1%未満であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のモールドプレス成形用光学ガラス。
  7. 請求項1〜6の何れかに記載のガラスからなることを特徴とする光学レンズ。
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