JP5835642B2 - 光学ガラス - Google Patents

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Description

本発明は光学ガラスに関するものである。
CD、MD、DVDその他各種光ディスクシステムの光ピックアップレンズ、デジタルカメラ、ビデオカメラ、カメラ付き携帯電話機等の撮像用レンズ、光通信に使用される送受信用レンズ等の用途では、屈折率ndが1.48〜1.54、アッベ数νdが59〜67の光学定数を持つ、いわゆるBKタイプのガラスが使用されている。
これらの撮影用レンズに用いられるガラスは、まず、溶融ガラスをノズルの先端から滴下して一旦液滴状ガラスを作製し、研削、研磨、洗浄してプリフォームガラスを作製する。または溶融ガラスを急冷鋳造して一旦ガラスブロックを作製し、同じく研削、研磨、洗浄してプリフォームガラスを作製する。次にプリフォームガラスを軟化状態になるように加熱しながら、精密加工を施した金型で加圧成形し、金型の表面形状をガラスに転写させる、いわゆるモールドプレス成形法が広く用いられている。
特許文献1〜5にはBKタイプのガラス組成が呈示されている。
特開2000−53441号公報 特開2000−247678号公報 特開2005−104824号公報 特開平5−193979号公報 特開2002−201037号公報
特許文献1に開示されているガラスのガラス転移点は550℃以上と高く、プレスによる量産が困難である。
一方、特許文献2〜5にはガラス転移点が550℃以下であり、プレス量産性に優れるガラス組成が開示されている。ところで特許文献2、3に開示のガラスは、化学耐久性を上げるためにTiOを必須成分として含有するが、TiOはガラスを着色させる恐れがあり、レンズ用途で使用されるガラスには不向きである。またTiOはガラスを高粘性化する。このため、ガラスの清澄性が悪化し、清澄剤として多量のSbを必要とする場合が多い。
特許文献4に開示されたガラスは1250〜1300℃における粘性が高く、溶融ガラスをノズルから自然滴下して液滴状ガラスを成型する方法を採用できないおそれがある。またAlが少なく、耐酸性などの化学的耐久性が低い傾向がある。特許文献5に開示されているガラス組成は、Bとアルカリ成分の合量が37%以上と多いので、化学耐久性が低いことが懸念される。
本発明の目的は上記課題に鑑み、ガラス転移点が低く、しかも清澄性が良好であり、かつ化学耐久性に優れた低屈折率低分散(具体的には屈折率ndが1.48〜1.54、アッベ数νdが59〜67)の光学ガラスを提供することである。
本発明の光学ガラスは、質量%で、SiO 45.5〜70%、B 10〜44%、Al 7.2〜20%、TiO 0〜7%、NaO 1〜20%、LiO 0〜9%、RO3〜30%(ROはNaO、LiO及びKOの合量)、Sb0〜0.1%未満、(B+RO)/(Al+SiO)が0.16〜0.80であり、実質的にPbOを含まないことを特徴とする。なお本発明において、「実質的にPbOを含まない」とは、PbOを意図的にガラス中に添加しないという意味であり、不可避的不純物まで完全に排除するということを意味するものではない。より客観的には、不純物を含めたPbOの含有量が、0.01%以下であるということを意味する。また本発明における「含有する」という用語に関し、「0〜」と規定された成分については、「0%」即ち、全く含まない場合もあり得ることを意味している。
本発明においては、質量%で、SiO 47〜60%、B 10〜35%、Al 7.2〜20%、TiO 0〜2%、NaO 1〜20%、LiO 0〜9%、RO 3〜30%(ROはNaO、LiO及びKOの合量)、Sb0〜0.1%未満、(B+RO)/(Al+SiO)が0.16〜0.80であり、実質的にPbOを含有しないことが好ましい。
本発明においては、さらにSOを0.005〜0.5質量%含有することが好ましい。
上記構成によれば、ガラスの清澄性が改善されることから、より高い泡品位を達成することができる。
本発明においては、屈折率nd 1.48〜1.54、アッベ数νd 59〜67であることが好ましい。
上記構成によれば、BKタイプのガラスとして使用可能となる。
本発明においては、ガラス転移点が530℃以下であることが好ましい。
上記構成によれば、優れたプレス量産性を得ることができる。
本発明のガラスは、モールドプレス成形用であることが好ましい。
本発明の光学ガラスの製造方法は、上記ガラスを製造する方法であって、清澄剤として硫酸塩を使用することを特徴とする。
上記構成によれば、ガラスの清澄性が向上し、より泡品位に優れた光学ガラスを製造することができる。
本発明の方法においては、硫酸塩の添加量が、ガラス原料100質量%に対して5質量%以下であることが好ましい。
本発明の光学ガラスは、一般のデジタルカメラやビデオカメラの撮影用レンズ等、各種光ディスクシステムの光ピックアップレンズの光学レンズに使用される低屈折率低分散の光学定数を達成できる。特に1.49〜1.54の屈折率nd、59〜67以上のアッベ数νdを容易に達成することができる。また高温粘性が低いことから、1質量%未満のSbで清澄することが可能である。さらにガラス転移点が低くプレス温度を下げることができることから、ガラス成分が揮発し難く、金型精度の低下および金型の劣化や汚染が生じない。しかも耐候性が良好であるため、製造工程や製品の使用中に物性の劣化や表
面の変質を起こすことがない。それゆえ本発明の光学ガラスはプリフォームガラスの量産性に優れている。
本発明の光学ガラスは、質量%でSiO 45.5〜70%、B 10〜44%、Al 7.2〜20%、TiO 0〜7%、NaO 1〜20%、LiO 0〜9%、RO 3〜30%、Sb0〜0.1%未満、(B+RO)/(Al+SiO)が0.16〜0.80の組成を有するSiO−B−Al系ガラスである。またPbO成分は環境上好ましくない成分であるため含有しない。
上記成分のうち、SiO及びAlはガラスの屈折率とアッベ数を低下させる働きがある。一方、B及びNaOはアッベ数を高める働きがある。
また上記成分のうちROとBは粘性を低下させる効果がある。ところがROとBを多く含有させると耐候性が悪化し、量産性が低下する傾向がある。一方、AlやSiOは耐候性を向上させる効果があるが、ガラスを高粘性にすることから清澄性を悪化させる。そこで本発明では、ガラスの低粘性化と耐候性悪化防止を両立させることを目的として、(Al量とSiO量の合量)と(B量とRO量の合量)の比率(B+RO)/(Al+SiO)を質量比で0.16〜0.80に調節している。この値が0.16〜0.80の範囲であれば、粘性を低く抑えながら量産性に優れた耐候性を得ることが可能になる。(B+RO)/(SiO+Al)が0.40〜0.75の範囲であれば特に耐候性に優れたガラスを得やすくなる。
なおROとBの合量が多くなるとガラスの化学耐久性が低下する。特にこれらの成分の合量が37%を超えると、(B+RO)/(Al+SiO)を質量比で0.16〜0.80の範囲に調整した場合でも、良好な耐候性を得ることが難しくなる。それゆえ、BとROの合量は37%以下とすることが好ましい。
また清澄性の観点からはSbが多いほど好ましいが、Sbが多すぎると、プレス時にガラス表面が白濁し、また金型形状を劣化させて金型の寿命を短くしてしまう。従って、Sbの上限は0.1%未満に制限される。
以下に、各成分の含有量を上記のように特定した理由を詳述する。なお、特に断りが無い場合、以下の「%」は「質量%」を意味する。
本発明において、SiOの含有量が少ないと屈折率を低下させることが困難になることから、SiOの含有量は45.5%以上、好ましくは47%以上、より好ましくは50%に設定される。SiOの含有量が多すぎると、ガラスの高温粘度が高くなり、清澄性が悪化する。またガラス転移点が上がり、プレス性が悪化する。このような理由からSiOの含有量は70%以下、好ましくは65%以下、より好ましくは60%以下、さらに好ましくは59%以下、特に58%以下に設定すべきである。
はアッベ数を上げ、またガラスの粘性を下げ、さらにガラス転移点を低下させる効果がある。しかしBを多量に含有させると化学的耐久性、特に耐酸性が著しく悪化する。またプレス時の揮発も多くなり、プレス金型を劣化させる。このような理由からBの含有量は10〜44%、好ましくは12〜40%、より好ましくは15〜35%、さらに好ましくは16〜25%、特に好ましくは17〜22%に制限すべきである。
Alは化学的耐久性を高めるのに効果的な成分である。特にROを13%以上含有するような高アルカリ含有ガラスであっても、耐酸性、耐水性及び耐候性を向上させることができる。しかしAlを多量に含有させると、高温でのガラスの粘性が高くなり、清澄性が著しく悪化する。またガラス転移点が著しく上昇し、プレス性が悪化する。Alの含有量は7.2〜20%、好ましくは7.5〜18%、さらに好ましくは8〜15%、特に好ましくは8.5〜11%である。
NaO、LiO及びKOは、ガラスの高温粘性を下げて清澄性を向上させ、またガラス転移点を低下させる成分である。さらに屈折率を下げる効果がある。
アルカリ金属酸化物(NaO、LiO及びKO)の合量を表すROの含有量は3%以上、好ましくは5%以上、8%以上、10%以上、13%以上、14.5%以上、特に好ましくは15%以上に設定される。一方、ROの含有量が多すぎるとプレス時のガラスからの揮発が多くなり、プレス金型を劣化させる。また溶融時の揮発も多くなり、溶融窯や溶融器具を劣化させ、量産性が悪化する。このような理由からROの含有量は30%以下、好ましくは25%以下、さらに好ましくは18%未満に設定すべきである。
NaOはアルカリ成分のなかでも、特に高温粘性を低くする効果があり、優れた清澄性を得るための必須成分である。またガラス転移点の低下にも効果的であり、プレス温度を下げることができる。NaOの含有量は3%以上、好ましくは6%以上、特に好ましくは7%以上に設定される。NaOの含有量が多いと耐候性が低下する。またプレス時に揮発して金型を汚染する。このような理由からNaOの含有量は20%以下、好ましくは15%以下、さらに好ましくは12%以下、特に好ましくは9.5%以下に設定すべきである。
LiOは必須成分ではないが、1%以上、特に2.5%以上含有させることが望ましい。ただしLiOの含有量が多すぎると耐候性が悪化する傾向にある。LiOの含有量が9%を超えると、(B+RO)/(Al+SiO)を質量比で0.16〜0.80に調節しても、化学的耐久性が低下しやすく、また耐候性が著しく劣化する。また本発明のガラスにおいては屈折率を不当に上昇させる。このような理由からLiOの含有量は9%以下、さらには7%以下、特に5%以下に制限すべきである。
OはNaOやLiOと同様にガラスの高温粘性を下げて清澄性を向上させる効果がある。またNaOやLiOに比べて屈折率を変動させることなく粘性を下げたり、ガラス転移点を下げたりする効果がある。KOの好ましい含有量は0〜10%、より好ましくは1〜8%、さらに好ましくは2〜7%、特に好ましくは3〜5.5%である。
Sbの含有量は0〜0.1%未満である。Sbは脱泡の効果があり、またPtイオン(不純物としてガラス中に数ppm混入)による着色を抑える効果がある。しかし、Sbの含有量が多いとプレス時にガラス表面を白濁させる。またSbは強い酸化力を有するため、その量が多すぎると溶融容器に使用するPtやRhといった金属を酸化し、量産性が低下する。Sbの好適な含有量は0〜0.09%、特に0〜0.08%である。
また本発明においては上記成分以外にも種々の成分を添加することができる。例えばTiO、ZrO、ZnO、MgO、CaO、BaO、SrO、La、Gd、Y、Nb、Ta、GeO、P等を添加することができる。
TiOの含有量は7%以下であることが好ましい。TiOの含有量が多くなり過ぎると、ガラスを著しく着色させたり、屈折率が高くなりすぎて所望の屈折率が得難くなったりする。またガラス転移点を530℃以下にすることが困難になる。さらにTiOの含有量が7%を超えると、(B+RO)/(Al+SiO)の値を0.16以上にしても、ガラスの粘性を十分に低下させることが困難になって清澄性が悪化する。TiOを0.1%以上含有させるとガラスの耐酸性を向上させることができるが、上記した不都合を生じるおそれが大きいことから、TiOの含有量は2%以下、特に1%未満とすることが好ましい。なおTiOを使用すべき特段の事情がなければ、着色や清澄性の問題を確実に回避するために含有しない方がよい。
ZrOの含有量は2%以下であることが好ましい。ZrOの含有量が2%を超えると、屈折率が高くなりすぎて所望の屈折率が得にくくなり、また(B+RO)/(Al+SiO)の値を0.16以上にしても、ガラスの粘性を十分に低下させることが困難になって清澄性が悪化する、またガラス転移点を530℃以下にすることが困難になる。ZrOの含有量は1%未満であることが好ましい。なおZrOを使用すべき特段の事情がなければ含有しない方がよい。
ZnO、MgO、CaO、BaO及びSrOは屈折率を高める成分であり、光学定数の調整として使用することができるが、各成分の含有量が5%を超えると耐候性が低下する。各成分の好ましい範囲は各々0〜3%、特に各々0〜1%である。
La、Gd、Yはアッベ数を維持しながら、屈折率を高める成分であり、光学定数の調整として使用することができる。各成分の含有量が5%を超えると屈折率ndを1.54以下にすることが困難になる。各成分の好ましい範囲は各々1%未満である。
Nb、Taは屈折率を顕著に高める成分であり、光学定数の調整として使用することができる。各成分の含有量が2%を超えると屈折率ndを1.54以下にすることが困難になる。各成分の好ましい範囲は各々1%未満である。
GeOはガラスの安定性や屈折率を高める目的で添加することができる。しかしGeOは稀少原料であるため、使用量が増えると原料コストの高騰に繋がる。それゆえGeOを使用するとしても、その含有量は少ない方が好ましく、具体的には0〜3%、さらには0〜1%、特に0〜0.001%であることが好ましい。
はガラス転移点や粘度特性の調整を目的として添加することができる。しかしガラスの耐候性が低下したり、耐失透性を悪化させたりするため、多量に含有することは好ましくない。それゆえPを使用するとしても、その含有量は少ない方が好ましく、具体的には0〜10%、さらには0〜1%であることが好ましい。なおPを使用すべき特段の事情がなければ含有しない方が好ましい。
なお上記以外にも、ガラスの特性を損なわない限り他の成分を添加してもよい。
例えば清澄性を向上させるために清澄剤を添加することができる。中でも硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸ストロンチウム、硫酸アルミニウムなどの硫酸塩の使用が効果的である。硫酸塩を使用すると、1200〜1500℃で清澄泡を放出し、効果的にガラスを清澄することができる。ただし、硫酸塩の使用量が多すぎると、プレス時にSOガスが発生して金型を汚染したり、過剰の清澄作用によりガラスに泡が残存したりする。硫酸塩の添加量は、ガラス原料100質量%に対して5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい。また得られるガラス組成中のSO量は、0.005〜0.5質量%、特に0.01〜0.3質量%であることが望ましい。
硫酸塩以外の清澄剤として、SnO、CeOの使用も考えられる。ただしSnOは、Sbと同様にプレス時にガラス表面を白濁させる原因となる恐れがあるため、多量の添加は避けるべきである。SnOの含有量は0.1%未満であることが好ましい。またCeOは着色する恐れがあるので、やはり多量の添加は避けるべきである。CeOの含有量は0.1%未満であることが好ましい。さらにSb、SnO及びCeOの合量は、0.1%未満で0.001%以上であることが好ましい。
なお清澄剤として広く知られているAsは有害であるので、実質的に含有しないことが望ましい。またF成分は環境に悪影響を及ぼすおそれがあることから実質的に含有しないことが好ましい。Cl成分はプレス時にガラスから揮発しやすく、プレス金型の劣化を著しく促進するため実質的に含有させることは好ましくない。ここで「Asを実質的に含有しない」、「Fを含有しない」及び「Clを実質的に含有しない」とは、これらの成分を意図的にガラス中に添加しないという意味であり、不可避的不純物まで完全に排除するということを意味するものではない。より客観的には、不純物を含めたこれらの成分の含有量が、Asで0.00001%以下、Fで0.01%以下、Clで0.01%以下であるということを意味する。
また、Cu、Ag、Pr,Brはガラスを着色させる成分であることから、含有しないことが好ましい。Cdは環境に対する影響を考慮し、含有しないことが好ましい。Biはプレス性を悪化させる成分なので、特段の理由がなければ、含有させないことが好ましい。
以上の組成を有する光学ガラスは、屈折率ndが1.49〜1.54、アッベ数νdが59〜67の光学定数を容易に達成することができる。特に屈折率ndが1.50〜1.52、アッベ数νdが60〜63の範囲の光学定数をもつガラスを得ることができる。
また上記組成を有する光学ガラスは、530℃以下のガラス転移点を容易に達成することができる。さらに520℃以下、特に510℃以下のガラス転移点を容易に達成することができる。
また1300℃に相当するガラスの粘度が102.0dPa・s以下、より好ましくは101.9dPa・s以下であることが好ましい。1300℃での粘度が上記の範囲であれば、ガラス中に含まれる泡が浮上し易くなることから、清澄が容易になる。
さらに330nmでの10mm厚での内部透過率(λ330nm)が85%以上、より好ましくは88%以上である。内部透過率が上記の範囲であれば、大径レンズであっても高透過を維持することが可能である。上記内部透過率を得るためには、原料の製造工程で混入するFeが少ない酸化物を選定するなどで達成することができる。例えば、MgOやCaOの原料は不純物としてFeを含む場合が多く、このような場合はMgOやCaOの使用は避けたほうが好ましい。またFeは40ppm以下であることが好ましい。
次に、本発明の光学ガラスを用いて光ピックアップレンズや撮影用レンズ等を製造する方法を述べる。
まず、所望の組成になるようにガラス原料を調合した後、ガラス溶融炉で溶融する。
清澄剤としてSbや硫酸塩を使用するという観点から、ガラスの溶融温度は1150℃以上であることが好ましい。さらに1200℃以上が好ましく、特に1250℃以上であることが好ましい。なお溶融容器を構成する白金金属からのPt溶け込みによるガラス着色を防止する観点から、溶融温度は1450℃以下が好ましく、さらには1400℃以下が好ましく、特に1350℃以下が好ましく、最適には1300℃以下が好ましい。
また溶融時間が短すぎると、十分に清澄できない可能性があるので、溶融時間は2時間以上であることが好ましく、さらに3時間以上が好ましい。ただし溶融容器からのPt溶け込みによるガラス着色を防止する観点から、溶融時間は8時間以内、特に5時間以内であることが好ましい。
また溶融容器内のガラス融液の深さは、浅すぎると生産性が悪くなるため、30mm以上、特に50mm以上であることが好ましい。一方、深すぎると泡の浮上に時間がかかるため、1m以下、好ましくは0.5m以下が好ましい。
次に、溶融ガラスをノズルの先端から滴下して一旦液滴状ガラスを作製し、プリフォームガラスを得る。または溶融ガラスを急冷鋳造して一旦ガラスブロックを作製し、研削、研磨、洗浄してプリフォームガラスを得る。
続いて、精密加工を施した金型中にプリフォームガラスに入れて軟化状態となるまで加熱しながら加圧成形し、金型の表面形状をガラスに転写させる。この成形方法はモールドプレス成形法と呼ばれ、広く用いられている。このようにして光ピックアップレンズや撮影用レンズを得ることができる。
以下、本発明の光学ガラスを実施例に基づいて詳細に説明する。
表1〜3は本発明の実施例(試料No.1〜11)及び表4は比較例(試料No.12〜16)を示している。
Figure 0005835642
Figure 0005835642
Figure 0005835642
Figure 0005835642
各試料は、次のようにして作製した。
まず、表1〜4に記載の組成となるように調合したガラス原料(炭酸塩、酸化物)を白金ルツボに入れ、1300℃でそれぞれ2時間溶融した。なお本実施例ではNaO原料としてソーダ灰を使用した。次に、溶融ガラスをカーボン板上に流し出し、冷却固化した後、アニールを行って試料を作製した。このようにして得られた試料について、各種特性を評価した。結果を各表に示す。
なおガラス中のFe量を確認するために、ガラスを酸溶液により溶かし、ICPにて測定したところ、No.6は30ppm、No.7は20ppmであった。これに対し、No.10はMgOを多量に含有しているためFe量が50ppmと多かった。
屈折率ndは、屈折率計(カルニュー製 KPR−200)を用いて、ヘリウムランプのd線(波長:587.6nm)における測定値で示した。
アッベ数νdは、屈折率計(カルニュー製 KPR−200)を用いて、上記したd線、水素ランプのF線(波長:486.1nm)、および水素ランプのC線(波長:656.3nm)における屈折率をそれぞれ測定し、それらの値をそれぞれnd、nF、nCとした際の{(nd−1)/(nF−nC)}の値とした。
ガラス転移点(Tg)は、熱膨張曲線における低温度域の直線と高温度域の直線の交点より求めた。
耐水性は、JOGIS化学耐久性の測定方法(粉末法)に準じて評価した。
耐酸性は、JOGIS化学耐久性の測定方法(粉末法)に準じて評価した。
耐候性は、60℃−90%RHに24時間保持した後の表面を観察したものであり、表面に白濁が認められなかったものを「○」、白濁が認められたものを「×」とした。
清澄性の評価は次のようにして行った。まず一旦成形したガラスを粉砕し、分級して2mm以下の粉砕ガラスとした。続いて300cc白金坩堝の中に粉砕ガラスを投入し、ガラス高さが30mmになるようにガラス量を調整した。次いで、電気炉にて1300℃で1時間保持した後、10mm厚の板形状に成形した試料を鏡面研磨し、試料の横から平行光を入射して泡を数えた。
1300℃に相当するガラスの粘度は、白金球引き上げ法にて測定した。
表から明らかなように、本発明の実施例であるNo.1〜11の各試料は、屈折率ndが1.485〜1.530、アッベ数νdが57.8〜64.1であった。またガラス転移点は480〜530℃であった。また1300℃における粘度は101.2〜102.0dPa・sであり、ガラス中の泡数は1cm当たり0〜4個であった。JOGIS耐水性(粉末法)は1〜3級であり、また耐候性評価も良好であった。
これに対して比較例であるNo.12、13、15は1300℃での粘度が102.2〜103.2dPa・sであり、また泡が5〜20個/cm残っていることから清澄性が低かった。またNo.15はガラス転移点が560℃と高く、モールドプレス成形が困難であることが予想される。No.14はJOGIS耐水性及び耐酸性(粉末法)がそれぞれ5級及び4級であり、また耐候性が悪かった。No.16はAlが少なく、JOGIS耐酸性(粉末法)が4級であった。No.14とNo.16は耐酸性が低いことから、酸処理工程での歩留まりが悪く、量産性に乏しいと思われる。
また硫酸塩の清澄効果を確認するために、NaO原料の一部を硫酸塩に置換した試料を用意し、上記と同様の方法を用いて泡数を評価した。具体的にはNo.3、6、8、及びNo.11のNaO原料として、硫酸ナトリウム(NaSO)を0.1〜0.02%、残部をソーダ灰として試料を作製し、評価に供した。
Figure 0005835642
Figure 0005835642
その結果、表5、表6に示すように、硫酸塩を用いた試料の泡数は何れも0個/gであった。
なおガラス中のSO量は、ガラスをアルカリ融解し、その液をイオン交換後、イオンクロマトグラフィにて測定を行った。

Claims (7)

  1. 質量%で、SiO 45.5〜59%、B 10〜44%、Al 7.2〜20%、TiO 0〜7%、NaO 1〜20%、LiO 0〜9%、RO 3〜30%(ROはNaO、LiO及びKOの合量)、Sb 0〜0.1%未満、F 0.01%以下、(B+RO)/(Al+SiO)が0.16〜0.80であり、実質的にPbOを含有せず、屈折率nd 1.48〜1.54、アッベ数νd 59〜67であることを特徴とする光学ガラス。
  2. 質量%で、SiO 47〜59%、B 10〜35%、Al 7.2〜20%、TiO 0〜2%、NaO 1〜20%、LiO 0〜9%、RO 3〜30%(ROはNaO、LiO及びKOの合量)、Sb0〜0.1%未満、(B+RO)/(Al+SiO)が0.16〜0.80であり、実質的にPbOを含有しないことを特徴とする請求項1に記載の光学ガラス。
  3. さらにSOを0.005〜0.5質量%含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の光学ガラス。
  4. ガラス転移点が530℃以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学ガラス。
  5. モールドプレス成形用であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学ガラス。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学ガラスを製造する方法であって、清澄剤として硫酸塩を使用することを特徴とする光学ガラスの製造方法。
  7. 硫酸塩の添加量が、ガラス原料100質量%に対して5質量%以下であることを特徴とする請求項に記載の光学ガラスの製造方法。
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