JP2013256438A - 光学ガラス - Google Patents

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高宏 俣野
Fumio Sato
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Abstract

【課題】(1)環境上好ましくない成分を含有しない、(2)ガラス転移点が低くモールドプレス成形が容易である、(3)高屈折率かつ低分散である、(4)プリフォーム成形時の耐失透性に優れる、といった要求をすべて満足することが可能な光学ガラスを提供する。
【解決手段】ガラス組成として、質量%で、SiO 0〜10%、B 5〜30%、ZnO 3.1〜25%、ZrO 0〜5.4%、La 20〜41%、Gd 0〜30%、Ta 10〜17.5%、Nb 0〜7%、WO 0〜7%およびTiO 0.1〜7%を含有し、かつ、鉛成分、ヒ素成分およびフッ素成分を実質的に含有せず、屈折率が1.846以上、アッベ数が30〜45、ガラス転移点が650℃以下であることを特徴とする光学ガラス。
【選択図】図1

Description

本発明は光学ガラスに関するものである。詳細には、各種光ディスクシステムの光ピックアップレンズ、ビデオカメラ、一般のカメラの撮影用レンズ等に好適な光学ガラスに関する。
CD、MD、DVD、その他各種光ディスクシステムの光ピックアップレンズ、ビデオカメラ、一般のカメラの撮影用レンズは、一般に以下のようにして作製される。
まず、溶融ガラスをノズルの先端から滴下して、液滴状ガラスを作製し(液滴成形)、研削、研磨、洗浄を施し、プリフォームガラスを作製する。または、溶融ガラスを急冷鋳造して、一旦ガラスインゴットを作製し、研削、研磨、洗浄を施し、プリフォームガラスを作製する。続いて、プリフォームガラスを加熱して軟化し、精密加工を施した金型によって加圧成形し、金型の表面形状をガラスに転写してレンズを作製する。このような成形方法は、一般にモールドプレス成形法と呼ばれている。
モールドプレス成形法を採用する場合、金型の劣化を抑制しつつ、レンズを精密にモールドプレス成形するために、できるだけ低いガラス転移点(少なくとも650℃以下)を有するガラスが求められており、種々のガラスが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
また、プリフォームガラスを作製する際に失透が生じると、モールドプレスレンズとしての基本性能が得られないことから、耐失透性に優れたガラスであることが重要である。また環境問題への意識の高まりから、ガラス成分に鉛等の有害な物質を使用しない光学ガラスが望まれている。さらに近年では、各種光ディスクシステムの光ピックアップレンズや、撮影用レンズといった光学レンズには、コスト削減を目的として、レンズを薄くしたり、レンズの枚数を少なくしたりすることが検討されており、これを実現するために高屈折率で低分散の(アッベ数の大きい)ガラス材質が求められている。
特開2003−267748号公報 特開2003−248897号公報 特開2006−16295号公報
一般に、高屈折率の光学ガラスを作製しようとすると、アッベ数が小さくなる、すなわち、高分散になる傾向があり、高屈折率かつ低分散のガラスを作製することは難しいとされている。また、高屈折率かつ低分散のガラスを作製しようとすると、耐失透性が低下する傾向にあることが知られている。
そこで、本発明は、(1)環境上好ましくない成分を含有しない、(2)ガラス転移点が低くモールドプレス成形が容易である、(3)高屈折率かつ低分散である、(4)プリフォーム成形時の耐失透性に優れる、といった要求をすべて満足することが可能な光学ガラスを提供することを目的とする。
本発明者等は種々の実験を行った結果、光学ガラスにおいて、SiO、B、ZnO、ZrO、La、Gd、Ta、Nb、WO、TiOの各成分の含有量を適宜規制することにより、上記課題を解決できることを見いだし、本発明として提案するものである。
すなわち、本発明は、ガラス組成として、質量%で、SiO 0〜10%、B 5〜30%、ZnO 3.1〜25%、ZrO 0〜5.4%、La 20〜41%、Gd 0〜30%、Ta 10〜17.5%、Nb 0〜7%、WO 0〜7%およびTiO 0.1〜7%を含有し、かつ、鉛成分、ヒ素成分およびフッ素成分を実質的に含有せず、屈折率が1.846以上、アッベ数が30〜45、ガラス転移点が650℃以下であることを特徴とする光学ガラスに関する。
なお、本発明において、「鉛成分、ヒ素成分およびフッ素成分を実質的に含有しない」とは、これらの成分を意図的にガラス中に含有させないことを意味し、不可避的不純物まで完全に排除するものではない。客観的には、不純物を含めたこれらの成分の含有量が、質量%で、各々0.1%未満であることを意味する。
第二に、本発明の光学ガラスは、Nb+WO+TiOが0.1〜7%であることが好ましい。
第三に、本発明の光学ガラスは、LiO 0〜5%を含有することが好ましい。
第四に、本発明の光学ガラスは、密度dと屈折率ndが、d<7.8252×nd−9.24の関係式を満たすことが好ましい。
通常、光学ガラスにおいて、密度と屈折率の間に相関関係が見られる。具体的には、屈折率を向上させる成分を含有させると、密度が上昇する傾向があるが、密度と屈折率が上記関係式を満たせば、同じ屈折率であっても密度が小さくなる。結果として、所望の屈折率特性を維持しつつ、軽量化を図ることが可能となる。
第五に、本発明の光学ガラスは、モールドプレス成形用であることが好ましい。
本発明によれば、(1)環境上好ましくない成分を含有しない、(2)ガラス転移点が低くモールドプレス成形が容易である、(3)高屈折率かつ低分散である、(4)プリフォーム成形時の耐失透性に優れる、といった要求をすべて満足することが可能な光学ガラスを提供することが可能となる。
実施例におけるNo.4〜7、10、17、18、22〜24、29、30の試料につき、屈折率(nd)および密度(d)の値と、式d=7.8252×nd−9.24との関係を示すグラフである。
以下に、各成分の含有量を上記のように規制した理由を説明する。なお、以下の説明において、特に断りがない場合、「%」は「質量%」を意味する。
SiOはガラス骨格を構成する成分であり、失透を抑制するとともに耐候性を向上させる効果がある。また、アッベ数を高める効果がある。SiOの含有量は0〜10%であり、好ましくは0.5〜8%、より好ましくは1〜7%、さらに好ましくは1.5〜6%である。SiOの含有量が多すぎると、屈折率が低下したり、軟化点が高くなったりする傾向がある。
はガラス骨格を構成する成分であり、アッベ数を高める効果が最も高い成分である。Bの含有量は5〜30%であり、好ましくは7.5〜25%、より好ましくは8.5〜20%である。Bが少なすぎると、高いアッベ数が得られにくくなる。また、ガラスが不安定になって耐失透性が低下したり、着色しやすくなったりする。一方、Bの含有量が多すぎると、屈折率が低下するとともに、耐候性が低下する傾向がある。
ZnOは、屈折率やアッベ数を大きく変化させることなく、粘度を低下させる成分である。そのため、ZnOを含有させることにより、ガラス転移点を低下させることができる。また、モールドプレス成形時に金型と融着しにくいガラスを得ることができる。また、アルカリ土類金属成分(MgO、CaO、SrO、BaO)に比べ失透傾向が強くないため、多量に含有させても均質なガラスが得られやすい。ZnOの含有量は3.1〜25%であり、好ましくは3.5〜23%、より好ましくは4〜20%、さらに好ましくは5〜17.5%、特に好ましくは5.5〜15%である。ZnOの含有量が少なすぎると、ガラス転移点の低いガラスが得られにくくなる。また、モールドプレス成形時に金型と融着しやすくなる。一方、ZnOの含有量が多すぎると、耐候性が低下する傾向がある。
ZrOは、アッベ数をほとんど低下させることなく屈折率を高めることができる成分である。また、中間酸化物としてガラス骨格を形成するため、化学的耐久性を向上させる効果もある。ただし、その含有量が多すぎると、ガラス転移点が上昇し、モールドプレス成形性が低下すると同時に、失透しやすくなる。したがって、ZrOの含有量は0〜5.4%であり、好ましくは0.1〜5.3%、より好ましくは0.5〜5%である。
Laは、アッベ数をほとんど低下させることなく屈折率を高めることのできる成分である。Laは、同じく屈折率を高める効果のあるZrO、Gd、TaおよびNbに比べ失透傾向が強くないため、比較的多量に含有させても均質なガラスが得られやすい。Laの含有量は20〜41%であり、好ましくは25〜40.5%、より好ましくは26〜40.5%、さらに好ましくは27.5〜40.5%、特に好ましくは29〜40.5%である。Laの含有量が少なすぎると、所望の高屈折率特性が得られにくくなる。一方、Laの含有量が多すぎると、成形時に失透しやすくなる。
Gdは屈折率を高める成分である。また、耐失透性を向上させる効果があり、作業温度範囲を拡大することができる。ただし、多量に含有させると、分相傾向が強くなり、均質なガラスが得られにくくなる。また、液相温度が上昇したり、アッベ数が低下したりする傾向がある。なお、Gdは、Ta、WO、TiO等に比べると、アッベ数の低下割合は低い。Gdの含有量は0〜30%であり、好ましくは2〜25%、より好ましくは4〜20%である。
Taは屈折率を高める成分である。また、化学的耐久性や耐失透性を高める効果がある。Taはアッベ数の低下に対して屈折率の上昇の大きい成分であり、高屈折かつ低分散の光学特性を得るために有効な成分である。Taの含有量は10〜17.5%であり、好ましくは10.5〜16%、より好ましくは11〜15%、さらに好ましくは12〜14.5%である。Taの含有量が少なすぎると、所望の高屈折率特性が得られにくくなる。一方、Taの含有量が多すぎると、アッベ数の低下が大きくなる傾向がある。また、液相温度が上昇しやすくなる。さらに、コストも高くなるため、経済的観点からも好ましくない。
Nbは屈折率を高める効果が大きい成分である。また、Taを多く含有する組成系において、耐失透性を改善する働きがある。なお、Nbはアッベ数の低下に対して屈折率の上昇の大きい成分であり、高屈折率かつ低分散の光学特性を得るために有効な成分である。Nbの含有量は0〜7%であり、好ましくは0.1〜5%である。Nbの含有量が多すぎると、失透物がガラス表面に析出(表面失透)しやすくなる。
WOは屈折率を高める効果を有する。WOはアッベ数の低下に対して屈折率の上昇の大きい成分であり、高屈折かつ低分散の光学特性を得るために有効な成分である。また、中間酸化物としてガラス骨格を形成するため、耐失透性を向上させる効果もある。WOはTaやNbに比べ失透傾向が強くないため、多く含有させても均質なガラスが得られやすい。WOの含有量は0〜7%であり、好ましくは1〜6.5%、より好ましくは2〜6%、さらに好ましくは2.5〜6%である。WOの含有量が多すぎると、アッベ数の低下が大きくなる傾向がある。また、短波長領域の透過率が低下するおそれがある。
TiOは屈折率を高める成分である。また、耐失透性を向上する効果や、紫外光による変色(ソラリゼーション)を抑制する効果もある。なお、TiOは密度の上昇に対する屈折率の上昇割合が大きく、また、アッベ数の低下に対して屈折率の上昇の大きい成分である。TiOの含有量は0.1〜7%であり、好ましくは0.1〜5%、より好ましくは0.1〜2.5%である。TiOの含有量が少なすぎると、上記効果が得られにくくなる。一方、TiOの含有量が多すぎると、アッベ数の低下が大きくなる傾向がある。さらに、短波長領域の透過率が低下して、短波長用レンズとしての使用に支障をきたすおそれがある。
本発明の光学ガラスにおいて、高屈折率かつ優れた耐失透性を得るためには、Nb、WOおよびTiOの合量を適切に調整することが好ましい。具体的には、Nb+WO+TiOの含有量は、好ましくは0.1〜7%、より好ましくは1〜6%以下である。Nb+WO+TiOの含有量が少なすぎると、上記効果が得られにくくなる。一方、Nb+WO+TiOの含有量が多すぎると、短波長領域の透過率が低下して、短波長用レンズとしての使用に支障をきたすおそれがある。
本発明の光学ガラスにおいて、高屈折率かつ優れた耐失透性を得るためには、ZrOとTiOの合量を適切に調整することが好ましい。具体的には、ZrO+TiOの含有量は、好ましくは0.1〜10%、より好ましくは0.5〜9%、さらに好ましくは1〜8%、特に好ましくは2〜7%である。ZrO+TiOの含有量が少なすぎると、上記効果が得られにくくなる。一方、ZrO+TiOの含有量が多すぎると、失透しやすく、ガラス化が困難となる傾向がある。
本発明の光学ガラスにおいて、高屈折率かつ低分散の光学特性、および、優れた耐失透性を得るためには、LaとTaの合量を適切に調整することが好ましい。具体的には、La+Taの含有量は、好ましくは30〜57%、より好ましくは32〜53%、さらに好ましくは35〜50%である。La+Taの含有量が少なすぎると、上記効果が得られにくくなる。一方、La+Taの含有量が多すぎると、耐失透性が低下したり、短波長領域の透過率が低下したりしやすくなる。
本発明の光学ガラスにおいて、高屈折率かつ低分散の光学特性、および、優れた耐失透性を得るためには、TiOとTaの合量を適切に調整することが好ましい。具体的には、TiO+Taの含有量は、好ましくは10.1〜22%、より好ましくは11〜17.5%、さらに好ましくは12〜15%である。TiO+Taの含有量が少なすぎると、上記効果が得られにくくなる。一方、TiO+Taの含有量が多すぎると、かえって低分散の光学特性が得られにくくなる。
本発明の光学ガラスにおいて、高屈折率かつ低分散の光学特性、および、優れた耐失透性を得るためには、NbとTaの合量に対するTiOとWOの合量の比率を適切に調整することが好ましい。具体的には、TiO+WO/Nb+Ta(質量比)は、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.4以下である。
本発明の光学ガラスにおいて、屈折率かつ低分散の光学特性、および、優れた耐失透性を得るためには、NbとWOとTiOの合量に対するLaとGdの合量の比率を適切に調整することが好ましい。具体的には、La+Gd/Nb+WO+TiO(質量比)は、好ましくは3以上、より好ましくは4以上である。
本発明の光学ガラスにおいて、高屈折、低分散でかつ優れた耐失透性を得るためには、ZnOとZrOの合量を適切に調整することが好ましい。具体的には、ZnO+ZrOの含有量は、好ましくは5〜30%、より好ましくは7.5〜25%、さらに好ましくは10〜22.5%、特に好ましくは12.5〜20%、最も好ましくは15〜19%である。ZnO+ZrOの含有量が少なすぎると、上記効果が得られにくくなる。一方、ZnO+ZrOの含有量が多すぎると、ZnOやZrOを主成分とした結晶が析出しやすくなる。
本発明の光学ガラスにおいて、プレス成形時の金型への融着を抑制するためには、SiO+Bに対するZnOの割合を適切に調整することが好ましい。金型への融着はガラスの塩基度と相関があり、ガラスの塩基度が高くなる、すなわちZnO/(SiO+B)(質量比)が小さくなると、融着が発生しやすくなる。ただし、ガラスの塩基度が低すぎる、すなわちZnO/(SiO+B)が大きすぎると、高屈折かつ高分散なガラスが得られにくくなる。以上に鑑み、ZnO/(SiO+B)(質量比)は、好ましくは0.1〜4、より好ましくは0.3〜3、さらに好ましくは0.5〜2、最も好ましくは0.7〜1.5である。
本発明の光学ガラスには、上記成分以外に、LiOを含有させることができる。
LiOは軟化点を顕著に低下させる成分である。ただし、分相性が強いため、含有量が多すぎると液相温度が上昇して失透しやすくなるため、作業性が低下するおそれがある。また、モールドプレス成形の際に、揮発物が発生しやすくなったり、金型と融着しやすくなったりする。なお、LiOは密度の上昇に対する屈折率の低下割合が少ない。LiOの含有量は、好ましくは0〜5%、より好ましくは0.1〜3%、さらに好ましくは0.5〜2%である。なお、浮上成形等の蒸発脈理の発生しやすい成形を行う場合は、液相温度を低下させることが好ましい。それにより、低温での成形が可能となる。このように、液相温度の低下を優先する場合は、LiOの含有量はなるべく少ないほうが好ましく、LiOを含有しないことがより好ましい。
本発明の光学ガラスにおいて、高屈折率かつ低密度のガラスを得るためには、TiOとLiOの合量を適切に調整することが好ましい。具体的には、TiO+LiOの含有量は、好ましくは0.1〜10%、より好ましくは0.5〜9%、さらに好ましくは1〜8%、特に好ましくは2〜7%である。TiO+LiOの含有量が少なすぎると、上記効果が得られにくくなる。一方、TiO+LiOの含有量が多すぎると、耐失透性が低下する傾向がある。
本発明の光学ガラスにおいて、高屈折率かつ低密度のガラスを得るためには、TiOとLiOの合量に対するZrOとLaとGdとTaとWOの合量の比率を適切に調整することが好ましい。具体的には、ZrO+La+Gd+Ta+WO/TiO+LiO(質量比)は、好ましくは10〜500、より好ましくは15〜400、さらに好ましくは20〜200、特に好ましくは25〜100である。上記比率が小さすぎると、高屈折特性が得られにくい。一方、上記比率が大きすぎると、高屈折かつ低密度のガラスが得られにくくなる。
本発明の光学ガラスにおいて、高屈折率かつ低密度のガラスを得るためには、TiOとLiOの合量に対するTaとWOの合量の比率を適切に調整することが好ましい。具体的には、Ta+WO/TiO+LiO(質量比)は、好ましくは1〜100、より好ましくは2〜90、さらに好ましくは3〜80、特に好ましくは4〜70である。上記比率が小さすぎると、高屈折率特性が得られにくくなる。一方、上記比率が大きすぎると、高屈折かつ低密度のガラスが得られにくくなる。
本発明の光学ガラスにおいて、高屈折率かつ低密度のガラスを得るためには、TiOとLiOの合量に対するSiOとBの合量の比率を適切に調整することが好ましい。具体的には、SiO+B/TiO+LiO(質量比)は、好ましくは1〜100、より好ましくは2〜90、さらに好ましくは3〜80、特に好ましくは4〜70である。上記比率が小さすぎると、高屈折かつ低密度のガラスが得られにくくなる。一方、上記比率が大きすぎると、高屈折特性が得られにくくなる。
本発明の光学ガラスにおいて、高屈折率かつ低密度のガラスを得るためには、TiOとLiOの合量に対するNbとTaの合量の比率を適切に調整することが好ましい。具体的には、Nb+Ta/TiO+LiO(質量比)は、好ましくは1〜100、より好ましくは1.5〜90、さらに好ましくは2〜80、特に好ましくは2〜70である。上記比率が小さすぎると、高屈折率かつ低密度のガラスが得られにくくなる。一方、上記比率が大きすぎると、高屈折特性が得られにくくなる。
本発明の光学ガラスには、上記成分以外に、以下の成分を含有させることができる。
およびYbは、アッベ数をほとんど低下させずに屈折率を高める成分である。また、適量含有させることによって、B−ZnO−La系ガラスにおいて生じやすい分相を抑制する効果がある。YおよびYbのそれぞれの含有量は、好ましくは0〜10%、より好ましくは0.1〜8%である。YまたはYbの含有量が多すぎると、失透しやすくなり、作業温度範囲が狭くなる傾向がある。また、脈理が発生しやすくなる。
Alは、SiOやBとともにガラス骨格を構成することが可能な成分である。また、耐候性を向上させる効果があり、特にガラス中の成分が水へ選択的に溶出することを抑制する効果が高い。Alの含有量は、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下である。Alの含有量が多すぎると、失透しやすくなる。また、溶融性が低下して脈理や泡がガラス中に残存しやすくなり、レンズ用ガラスとしての要求品位を満たさなくなるおそれがある。
CaO、SrOまたはBaOといったアルカリ土類金属酸化物(RO)は融剤として作用するとともに、アッベ数をほとんど低下させずに屈折率を高める効果がある。ただし、ROの含有量が多すぎると、溶融または成形工程中に失透物が析出しやすくなり、液相温度が上がって作業範囲が狭くなりやすい。その結果、量産化しにくくなる傾向がある。さらに、ROの含有量が多すぎると、耐候性が低下しやすくなり、ガラス成分の研磨洗浄水や各種洗浄溶液中への溶出が増大したり、高温多湿環境下でガラス表面の変質が顕著になったりする傾向がある。よって、CaO、SrOおよびBaOは、合量で20%以下であることが好ましい。
なお、CaO、SrOおよびBaOのそれぞれの含有量の好ましい範囲は以下の通りである。
CaOは高温多湿状態においてアルカリ金属成分やアルカリ土類金属成分がガラス表面に析出することを防止する効果が高くなることから、耐候性向上のための有効成分である。CaOの含有量は、好ましくは0〜10%、より好ましくは0〜5%である。
SrOおよびBaOは、CaOに比べると高温多湿環境下でのガラス表面からの析出が少ない。よって、SrOおよびBaOを積極的に使用することにより、耐候性に優れたガラスを得ることができる。SrOおよびBaOのそれぞれの含有量は、好ましくは0〜20%、より好ましくは0〜10%、さらに好ましくは0〜5%である。
なお、CaO、SrOおよびBaO以外にも、屈折率を高めるために、MgOを含有させてもよい。MgOの含有量は、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下である。MgOの含有量が多すぎると、失透しやすくなる。
NaOは、LiO同様に軟化点を低下させる効果を有する。ただし、その含有量が多すぎると、溶融時にBとNaOで形成される揮発物が多くなり、脈理の生成を助長してしまう。また、失透物が析出して液相温度が高くなりやすい。さらに、モールドプレス成形時の際に、揮発物が発生しやすくなったり、金型と融着しやすくなったりする。NaOの含有量は、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下である。
Oも、LiO同様に軟化点を低下させる効果を有する。KOの含有量は、好ましくは0〜10%、より好ましくは0〜5%である。KOの含有量が多くすぎると、耐候性が低下する傾向がある。また、失透物が析出して液相温度が高くなりやすい。さらに、モールドプレス成形時の際に、揮発物が発生しやすくなったり、金型と融着しやすくなったりする。
なお、清澄剤として、例えばSbやSnOを添加することができる。Sbは、不純物として混入するFeの消色効果がある。Sbの含有量は、好ましくは0〜1%、より好ましくは0.01〜0.1%以下である。Sbの含有量が多すぎると、着色が過度になる傾向がある。
鉛成分(例えばPbO)、ヒ素成分(例えばAs)およびフッ素成分(例えばF)は、環境上の理由から、実質的なガラスへの導入は避けるべきである。よって、本発明の光学ガラスはこれらの成分を実質的に含有しない。
本発明の光学ガラスの屈折率(nd)は1.846以上であり、好ましくは1.85以上、より好ましくは1.86以上である。屈折率の上限は特に限定されないが、好ましくは1.92以下、より好ましくは1.99以下である。また、本発明の光学ガラスのアッベ数(νd)は30〜45であり、好ましくは32〜42、より好ましくは34〜40である。本発明の光学ガラスは、上記光学特性を満たすことにより、色分散が少なく、高機能で小型の光学素子用の光学レンズとして好適となる。
本発明の光学ガラスのガラス転移点は650℃以下であり、好ましくは640℃以下、より好ましくは630℃以下である。これにより、低温でのモールドプレス成形が可能となり、金型の酸化や、ガラス成分の揮発による金型の汚染、さらには、ガラスと金型との融着を抑制することができる。
本発明の光学ガラスの液相温度は1200℃以下であることが好ましく、1150℃以下であることがより好ましい。液相温度が当該範囲を満たすことにより、100.5dPa・s以上の液相粘度を達成しやすく、例えば液滴成形を行った場合でも、失透が生じにくくなる。
本発明の光学ガラスの透過率曲線(厚さ10mm)において、透過率が70%となる波長(以下、「着色度λ70」という)は、好ましくは450nm以下、より好ましくは440nm以下、さらに好ましくは430nm以下、特に好ましくは420nm以下である。着色度λ70が大きすぎると、可視域または近紫外域における透過率に劣り、各種光学レンズ等に使用することが困難となる傾向がある。
着色度λ70を上記範囲に調整するためには、着色成分であるFe、Ni、Cr、Cu等の不純物の混入を抑制する、あるいは、Nb、WO、TiO等の透過率を低下させる成分の含有量を適宜調整することが効果的である。
本発明の光学ガラスは、密度(d)と屈折率(nd)が、d<7.8252×nd−9.24の関係式を満たすことが好ましい。これにより、本発明の光学ガラスは、所望の屈折率特性を維持しつつ、軽量化を図ることが可能となる。さらに、本発明の光学ガラスは、密度(d)と屈折率(nd)が、d<7.8252×nd−9.2423の関係式を満たすことがより好ましく、d<7.8252×nd−9.2473の関係式を満たすことがさらに好ましい。なお、上記関係式を満たすためには、TiO等の、密度の上昇に対する屈折率の上昇が大きい成分を積極的に含有させることが好ましい。
次に、本発明のガラスを用いて光ピックアップレンズや撮影用レンズ等を製造する方法を述べる。
まず、所望の組成になるようにガラス原料を調合した後、ガラス溶融炉中で溶融する。次に、溶融ガラスをノズルの先端から滴下して液滴状ガラスを作製し、プリフォームガラスを得る。または、溶融ガラスを急冷鋳造して、一旦ガラスブロックを作製し、研削、研磨、洗浄を施してプリフォームガラスを得る。続いて、精密加工を施した金型中にプリフォームガラスを入れて、軟化状態となるまで加熱しながら加圧成形し、金型の表面形状をガラスに転写させる(モールドプレス成形)。このようにして光ピックアップレンズや撮影用レンズを得ることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1〜4は本発明の実施例(No.1〜24、31〜36)および比較例(No.25〜30)をそれぞれ示している。
各試料は次のようにして作製した。
まず、表に示す各組成になるようにガラス原料を調合し、白金ルツボを用いて1300〜1450℃で3時間溶融した。溶融ガラスをカーボン板上に流し出し、さらにアニール後、各測定に適した試料を作製した。
得られた試料について、屈折率(nd)、アッベ数(νd)、ガラス転移点(Tg)、液相温度(TL)、着色度λ70および密度(d)測定した。結果を表1〜4に示す。また、図1に、No.4〜7、10、17、18、22〜24、29、30の試料につき、屈折率(nd)および密度(d)の値と、式d=7.8252×nd−9.24との関係を示す。なお、図1において、◆はNo.4〜7、10、17、18、22〜24、■はNo.29、30のデータを示す。
表から明らかなように、本発明の実施例であるNo.1〜24、31〜36の各試料は、屈折率が1.8478〜1.8838、アッベ数38.5〜40.6という所望の光学定数を有していた。また、ガラス転移点が619℃以下と低いため、モールドプレス成形性に優れ、また、液相温度も1120℃以下と低いため、プリフォーム成形時に失透しにくいことがわかる。さらに、着色度λ70が393nm以下と小さく、可視光または近紫外域の透過率に優れていることがわかる。
一方、比較例であるNo.25の試料は屈折率が1.8370と低く、No.26の試料はアッベ数が28.7と低かった。また、No.27の試料はガラス転移点が697℃と高く、No.28の試料は液相温度が1260℃と高かった。さらに、No.29および30の試料は密度が7.8252×nd−9.24の値以上であった。
なお、上記各特性は以下のようにして測定した。
屈折率は、ヘリウムランプのd線(587.6nm)に対する測定値で示した。
アッベ数は、上記d線の屈折率と、水素ランプのF線(486.1nm)、同じく水素ランプのC線(656.3nm)の屈折率の値を用い、アッベ数(νd)=[(nd−1)/(nF−nC)]の式から算出した。
ガラス転移点は、熱膨張測定装置(dilato meter)を用いて測定した。
着色度λ70は次のようにして測定した。分光光度計を用いて、厚さ10mm±0.1mmの光学研磨された試料について、200〜800nmの波長域での透過率を0.5nm間隔で測定し、透過率曲線を作成した。透過率曲線において、透過率70%を示す波長を着色度λ70とした。
液相温度は、電気炉で1350℃−0.5時間の条件で試料を再溶融後、温度勾配を有する電気炉内で16時間保持した後、電気炉から取り出して大気中で放冷し、光学顕微鏡で失透物の析出位置(温度)を求めることで測定した。
本発明の光学ガラスは、CD、MD、DVD、その他各種光ディスクシステムの光ピックアップレンズ、ビデオカメラ、一般のカメラの撮影用レンズ等に好適である。また、モールドプレス成形以外の方法で成形されるガラス硝材として使用することも可能である。

Claims (5)

  1. ガラス組成として、質量%で、SiO 0〜10%、B 5〜30%、ZnO 3.1〜25%、ZrO 0〜5.4%、La 20〜41%、Gd 0〜30%、Ta 10〜17.5%、Nb 0〜7%、WO 0〜7%およびTiO 0.1〜7%を含有し、かつ、鉛成分、ヒ素成分およびフッ素成分を実質的に含有せず、屈折率が1.846以上、アッベ数が30〜45、ガラス転移点が650℃以下であることを特徴とする光学ガラス。
  2. Nb+WO+TiOが0.1〜7%であることを特徴とする請求項1に記載の光学ガラス。
  3. LiO 0〜5%を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の光学ガラス。
  4. 密度dと屈折率ndが、d<7.8252×nd−9.24の関係式を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学ガラス。
  5. モールドプレス成形用であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学ガラス。
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