JP5660270B2 - 光学ガラス - Google Patents

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    • C03C4/00Compositions for glass with special properties
    • C03C4/0092Compositions for glass with special properties for glass with improved high visible transmittance, e.g. extra-clear glass

Description

本発明は、光学ガラスに関するものである。
CD、MD、DVDその他各種光ディスクシステムの光ピックアップレンズ、デジタルカメラ、ビデオカメラ、カメラ付き携帯電話機等の撮像用レンズ、光通信に使用される送受信用レンズ等のレンズとして非球面形状のレンズが広く用いられている。レンズ用ガラス素材として種々のガラスが提案されており、例えば屈折率1.56〜1.65、アッベ数50以上、特に55以上の光学ガラスとして、特許文献1〜3に示すようなSiO―B系ガラスが提案されている。
この種のレンズの作製方法として、例えば以下のような方法が知られている。
まず、溶融ガラスをノズルの先端から滴下して、液滴状ガラスを作製し(液滴成形)、研削、研磨、洗浄してプリフォームガラスを作製する。または、溶融ガラスを急冷鋳造し一旦ガラスインゴットを作製し、研削、研磨、洗浄してプリフォームガラスを作製する。続いて、プリフォームガラスを加熱して軟化させ、高精度な成形表面を持つ金型によって加圧成形し、金型の表面形状をガラスに転写してレンズを作製する。
このような成形方法は一般にモールドプレス成形法と呼ばれており、大量生産に適した方法として近年広く採用されている。
特開2002−187735号公報 特開2005−350279号公報 特開2007−297269号公報
プリフォームガラスをモールドプレス成形すると、ガラス表面に白濁が生じることがある。レンズ表面の白濁は、レンズを透過する光を遮断、散乱させるため致命的な欠陥となりうる。
本発明の目的は、レンズ表面の白濁が発生しにくい光学ガラスを提供するものである。
本発明者等が行った種々のテストの結果、比較的高粘性のプリフォームガラスをプレスすると白濁が生じることが明らかになった。さらに調査を進めたところ、白濁の原因は高粘性のガラスに清澄剤として入っているSbが原因であることを突き止め、本発明を提案するに到った。
即ち、本発明の光学ガラスは、質量%で、SiO 35〜60%、B 2〜22%、Al 0.5〜6%、BaO 12〜30%、LiO 4〜8%、LiO、NaOおよびKOの合量が5〜12%のSiO−B系光学ガラスにおいて、Sbの含有量が0.0001%未満であることを特徴とする。
また本発明の光学ガラスは、質量%で、SiO 35〜60%、B 2〜22%、Al 0.5〜5%、BaO 12〜30%、LiO 4〜8%、LiO、NaOおよびKOの合量が5.5〜12%のSiO−B系光学ガラスにおいて、Sbの含有量が0.0001%未満であることを特徴とする。
本発明においては、屈伏点が565℃以下であることが好ましい。
上記したような低屈伏点ガラスである場合にはモールドプレス成形が採用可能であることから、本発明の効果をより一層享受できる。
本発明においては、(酸素原子のモル数の総和/陽イオンのField Strengthの総和)×100で定義されるガラスの塩基性度が11以下であることが好ましい。本発明において「Field Strength(以下F.S.と表記する)」とは下記の数1により求められる。
Zはイオン価数、rはイオン半径を示している。尚、本発明におけるZ、rの数値は表1の値(『科学便覧基礎偏 改訂2版(1975年 丸善株式会社発行)』に記載された値)を用いる。
上記構成によれば、ガラスの還元性を示す指標である塩基性度が小さくなり、Sbに起因するプレス時の白濁をより確実に抑制することが可能になる。
本発明においては、モールドプレス成形用であることが好ましい。
上記構成によれば、本発明の効果を的確に享受することができる。
本発明の光学レンズは、上記ガラスからなることを特徴とする。
本発明の光学レンズの製造方法は、質量%で、SiO 35〜60%、B 2〜22%、Al 0.5〜6%、BaO 12〜30%、LiO 4〜8%、LiO、NaOおよびKOの合量が5〜12%含有するSiO−B系光学ガラスでプリフォームを作製し、次いで前期プリフォームをモールドプレスする光学レンズの製造方法において、光学ガラスとしてSbの含有量が0.0001%未満のガラスを使用することを特徴とする。
本発明の光学ガラスは、Sbの含有量を制限することで、プレス時にガラス表面に白濁が生じないガラスを得ることができる。このため、レンズ表面の高い面精度が維持され、量産性に優れたガラスである。また低粘性であることから溶融性や清澄性に優れており、均質で安定したガラスを得ることができる。さらに屈折ndが1.56〜1.65、アッベ数νdが50以上の光学特性を有するガラスを容易に設計することができる。さらに耐候性に優れており、長期間信頼性の高い光学レンズ製品を得ることができる。
それゆえ本発明の光学ガラスは、CD、MD、DVDその他各種光ディスクシステムの光ピックアップレンズ、デジタルカメラ、ビデオカメラ、カメラ付き携帯電話機等の撮像用レンズ、光通信に使用される送受信用レンズ等といったモールドプレス成形で得られる光学レンズ用硝材として好適である。
また本発明の方法によれば、白濁を生じさせることなくモールドプレス成形を行うことができることから、光学レンズの製造方法として好適である。
本発明のガラスは、質量%で、SiO 35〜60%、B 2〜22%、Al 0.5〜6%、BaO 12〜30%、LiO 4〜8%、LiO、NaOおよびKOの合量が5〜12%、Sbが0.0001%未満であることを特徴とする。
SiOを35質量%以上含有するSiO―B系ガラスのような高粘性の光学ガラスには、一般的にSbが清澄剤として0.5質量%程度含まれる。ところがプレス時にガラスが高温の金型と接触すると、ガラス中のSbが還元されて析出して金型を汚染し、これがガラス表面に付着して白濁となる。なお以下の記載において、「%」は特に断りがない限り「質量%」を意味する。
そこで本発明はSbを0.0001%未満に制限することによって、プレス時にガラス表面で発生する白濁を防止している。なおSbを0.0001%未満とすることによる清澄力不足は、ガラスを低粘性化することにより補うことができる。詳述すると1300℃における粘性が102.0dPa・s以下、特に101.8以下となるようにガラスの粘性を調節すれば、泡が浮上しやすくなって清澄性が改善できる。ガラスを低粘性化するには、アルカリ酸化物であるLiOやアルカリ土類酸化物であるBaOやSrOの量を調整することで容易に達成できる。また溶融時間を長くする、溶融温度を高くする、溶融時のガラス融液の深さを浅くする、Sb以外の清澄剤を使用することなどで補完することができる。
Sb以外の清澄剤としては、例えばSnO、CeO等を使用することができる。ただしSnOは、Sbと同様にプレス時の白濁の原因になる恐れがあるため、多量の添加は避けるべきである。SnOの含有量は0.1%未満、特に0.001%未満であることが好ましい。またCeOは着色する恐れがあるので、やはり多量の添加は避けるべきである。CeOの含有量は0.1%未満、特に0.001%未満であることが好ましい。さらにSnO及びCeOの合量は、0.1%未満で0.0001%以上が好ましい。なお清澄剤として広く知られているAsは有害であるので、実質的に含有しないことが望ましい。ここで実質的に含有しないとは0.0001%未満であることを意味する。
本発明のガラスは、モールドプレス成形が採用可能な低屈伏点ガラスである場合に、その効果をより一層享受できる。低屈伏点ガラスとは具体的に、ガラス屈伏点Atが565℃以下のガラスを指す。
また本発明の光学ガラスは、AlイオンとBイオンを4配位で存在させることが好ましい。ガラス中でAlイオンは4配位と6配位をとり得る。Bイオンは4配位と3配位をとり得る。AlイオンとBイオンを6配位、もしくは3配位で存在させておくと、4配位での存在下に比べガラス中の酸素イオンが移動しやすくなるため、還元され易い成分、例えばSbイオンなどがプレス時に容易に還元されてレンズ表面に白濁が生じる。
AlイオンとBイオンを4配位で存在させるためには、アルカリ金属成分とアルカリ土類金属成分の量と種類を調整すればよい。つまりB分子内にはBイオン一つに対して酸素が1.5個存在する。Bイオンが4配位で存在するためには、Bイオンに2個の酸素が必要であり、不足している酸素はアルカリ金属成分(RO)やアルカリ土類金属成分(RO)によって供給される。十分なROやROが存在すれば、Bイオンは4配位で存在することが可能になる。AlもBと同様であり、不足している酸素がROやROにより供給され、4配位へと移行する。Alイオンの4配位はBイオンの4配位よりも安定しているため、ROやROから供給される酸素は初めにAlイオンの4配位へ消費される。次にBイオンの4配位へと消費されるため、Alイオン、Bイオン両者が4配位で存在するためには後述の指標ψが0.8以上になるようなアルカリ金属成分やアルカリ土類金属成分の量が必要になる。
AlイオンとBイオンが4配位で存在するための指標ψは以下の式で示される。ここでROはアルカリ金属成分の合量、ROはアルカリ土類金属成分の合量を示す。本発明においてはψが0.8以上、特に1以上であることが好ましい。
以下、本発明においてガラス組成を上記のように限定した理由を述べる。
SiOは、ガラスの骨格を構成し、骨格の結合を強固にする成分である。またBに次いでアッベ数を高める効果の大きい成分であり、耐候性を向上させる成分でもある。SiOの含有量が60%よりも多いとガラスが高粘性になり清澄性が悪化する。また屈折率が低く、屈伏点が高くなる傾向にある。また、35%よりも少ないと、耐酸性や耐候性が悪化する傾向がある。好ましいSiOの含有量の範囲は41〜55%、より好ましい範囲は45〜50%である。
は、アッベ数を高める効果を有するが、22%よりも多く含有すると屈折率が低下する傾向にある。またプレス時にBが揮発し、レンズ表面の白濁を発生させたり、プレス金型の劣化を引き起こしたりする。一方、2%よりも含有量が少ないとアッベ数を50以上の値にすることが困難となる。またガラス転移点が高くなったり、耐失透性が悪化したりする傾向がある。好ましいBの含有量の範囲は2〜20%、より好ましい範囲は7〜15%、さらに好ましい範囲は7〜12%である。
SiOとBの質量比(SiO/B)は10.8以下が好ましい。この比が10.8を超えるとガラスを溶融する際にSiOが溶け残り、溶融性が悪化する傾向にある。
Alは、SiOと共にガラスの骨格を構成する成分であり、耐候性を向上させる効果がある。また、SiO−B−RO−RO系ガラスにおいて、アルカリ成分が水に溶出することを抑制する顕著な効果を有する。それゆえ本発明では0.5%以上含有させる。しかし、Alの含有量が6%を超えるとガラスが高粘性になって清澄性が悪化する。また5.5%を超えると屈折率が低くなる傾向や、屈伏点が高くなる傾向が現れる。好ましいAlの含有量の範囲は0.5〜5.5%、特に0.5〜5%、より好ましい範囲は1.5〜4%である。
BaOは、アルカリ土類金属の中でも特に低粘性を達成するために有効な成分である。またAlイオン、Bイオンを4配位で存続させることに寄与する成分である。また屈折率を高める成分であるとともに、ガラスの液相温度を低下させて、作業性を向上させる成分である。さらに屈伏点を下げる成分である。ただし、多量に含有すると、長期間にわたって高温多湿環境下に曝された場合ガラス表面が変質しやすい。また塩基性度を高める成分でもある。好ましいBaOの含有量の範囲は15〜30%、より好ましい範囲は24〜30%である。
LiO、NaOおよびKOは、粘度を下げて清澄性を高めるとともに、溶融温度や屈伏点を低下させ、作業性を高める効果を有する。これらの成分の合量は5〜12%、好ましくは5.5〜12%、さらに好ましくは5.5〜10%である。LiO、NaOおよびKO合量が多くなると、洗浄工程において表面が変質し易くなる傾向がある。また、液相温度が上昇して作業範囲が狭くなり、量産性に悪影響を及ぼすおそれもある。一方、これらの合量が少なくなると粘度が低くなり清澄性が低下する。また屈伏点が高くなり、プレス性が損なわれる傾向がある。
LiOは、アルカリ金属成分の中でも特に低粘性を達成するために有効な成分である。またAlイオン、Bイオンを4配位で存続させることに寄与する成分であることから必須成分として使用する。LiOが8%を越えると分相性が強く、液相温度が高くなって作業性が悪くなる。一方、4%より少ないと溶融温度が高くなる傾向がある。好ましいLiOの含有量の範囲は4.5〜8%、より好ましい範囲は5〜8%である。
NaOはガラスを低粘性化する成分であるが、多すぎるとガラス溶融時のB‐NaOで形成される揮発物が多くなり、脈理の生成を助長する傾向にある。NaOの含有量は5%以下、特に3%以下が望ましい。
Oはガラスを低粘性化する成分であるが、多すぎるとガラス溶融時のB‐KOで形成される揮発物が多くなり、脈理の生成を助長する傾向にある。KOの含有量は5%以下、特に3%以下であることが望ましい。
本発明に係る光学ガラスは上記以外にも種々の成分を含有することができる。例えばCaO、SrO、MgO、ZnO、TiO、ZrO、Nb、La、P等を添加することができる。
CaOも粘度を下げて清澄性を高める効果がある。また屈伏点を下げる効果や屈折率を高める効果を有する。ただし、多量に含有すると、長期間にわたって高温多湿環境下に曝された場合、ガラス表面が変質しやすい。好ましいCaOの含有量の範囲は0〜10%、より好ましい範囲は5〜10%である。
SrOは、BaOと同様に粘度を下げて清澄性を高め、また屈伏点を下げる効果を有する。さらに耐候性を高めたり、屈折率を高めたりする成分であるとともに、ガラスの液相温度を低下させて、作業性を向上させる成分である。ただし、多量に含有すると、長期間にわたって高温多湿環境下に曝された場合にガラス表面が変質し易くなる。好ましいSrOの含有量の範囲は0〜8%、より好ましい範囲は0〜5%である。
MgOは、耐候性を高めるとともに、屈折率を高めるために5%まで添加することができる。しかし、含有量が多いと分相する傾向が強く、また液相温度を高める傾向がある。MgOの含有量の好ましい範囲は4%以下、より好ましい範囲は3%以下、特に好ましい範囲は1%未満である。
ZnOは必須成分ではないが、屈折率を高めるとともに、耐候性を向上させる成分であることから、2%以上含有させることが好ましい。しかし、含有量が多くなると、プレス時のZnの揮発によりプレス金型の劣化を引き起こしたり、レンズ表面に白濁を生じさせたりする。またアッベ数が低下する傾向があるとともに、失透傾向も強くなり、均質なガラスが得られにくくなる。このため、ZnOの上限は18%以下、15%以下、特に4.5%以下であることが好ましい。
TiOは、屈折率を高めるために有効な成分であるが、一方でアッベ数の著しい低下を引き起こす。また粘性が著しく上昇し、屈伏点が高くなったりするため、その含有量は1%以下、0.5%以下、特に0.1%未満とすることが好ましい。
ZrOは、屈折率を高めるとともに、耐候性を向上させるために添加する成分である。しかし、含有量が多くなるとアッベ数を低下させる傾向があるとともに、失透傾向も強くなり、均質なガラスが得られなくなるため、3%以下であることが望ましい。
Nbは、屈折率を高めるために有効な成分であるが、一方でアッベ数を著しく低下させるため、その含有量は5%以下、特に0.3%以下とすることが好ましい。
Laは、アッベ数を低下させることなく屈折率を高める効果がある。しかし、過剰に含有するとガラスの失透傾向が強まるため、含有量は21%以下であることが好ましい。また、モールドプレス成形を行なう場合、含有量が多いと金型と融着する傾向もある。Laの含有量は0〜21%、2〜21%、特に2〜18%であることが好ましい。
GdもLaと同様に、アッベ数を低下させることなく屈折率を高める効果があるが過剰に含有するとガラスの失透傾向が強まるため、含有量は10%以下であることが好ましく、特に5%以下が好ましい。
は、液相温度を低下させるために添加する成分である。ただし、含有量が多くなるとガラスが分相しやすくなるとともに、洗浄工程で表面がくもる傾向にあるため、その含有量は5%以下、1%未満、特に0.01%未満であることが好ましい。
PbOは、屈折率を高めるために有効な成分であるが、環境負荷物質であるため実質的に含有しないことが好ましい。ここで実質的に含有しないとは0.0001%未満であることを意味する。
LuOは高屈折率低分散化に有利な成分であるが、ガラスの着色を強め、ガラス安定性を低下させる傾向がある。また、稀少高価な材料であるためLuOの含有量は0.1%以下であることが好ましい。
TeOは屈折率を高めるために有効な成分であるが、ガラスの着色を強める傾向がある。またプレス時にTeが揮発してプレス金型の劣化を早めることから、その含有量は1%以下、特に0.1%未満であることが好ましい。
Biは屈折率を顕著に高める効果があるが、ガラスの着色を強める傾向がある。またプレス時の揮発によるレンズ表面の白濁を生じさせる成分でもあることから、その含有量は10%以下、5%以下、特に1%以下であることが好ましい。
上記組成範囲に加えて、本発明の光学ガラスは、さらに(酸素原子のモル数の総和/陽イオンのField Strengthの総和)×100で定義されるガラスの塩基性度が11以下であることが好ましい。塩基性度が11を超えると、ガラス中にSbが微量混入している場合には、プレス時にSbイオンが容易に還元されて析出し、白濁が発生しやすくなる。
ガラスの塩基性度は、ガラス中の酸素の電子がガラス中の陽イオンにどの程度引きつけられているかを示す指標になる。塩基性度の高いガラスではガラス中の陽イオンによる酸素の電子の引きつけが弱い。したがって、塩基性度の高いガラスは、電子を求める傾向の強い陽イオン(金型成分)と接した際、塩基性度の低いガラスに比べガラス中の陽イオンが還元されやすい。
金型にWCが使われる場合、ガラスの塩基性度が11以下、好ましくは9.5以下であればガラス中のSbイオンが還元され難くなると考えられる。ガラスの塩基性度が11を超えていると、ガラス中にSbが少しでも含まれている場合には容易にSbイオンが還元され、ガラス表面に白濁を生じ、量産性が悪化する可能性がある。
塩基性度の変化は主としてF.S.の影響が大きい。つまりF.S.が大きい成分を増加させると塩基性度が低下する傾向があり、逆にF.S.が小さい成分を増加させると塩基性度が上昇する傾向がある。このためガラスの塩基性度を下げようとする場合、例えば比較的F.S.の大きいSiO、B3、WO等の組成比を増加させるか、または比較的F.S.の小さいLiO、NaO、SrO、BaO等を減少させればよい。
次に、本発明の光学ガラスを用いたレンズ等の光学部品の製造方法について説明する。
まず、所望の組成を有するように調合したガラス原料を溶融容器内で溶融する。
ガラスの溶融温度は1150℃以上であることが好ましい。さらに1200℃以上が好ましく、特に1250℃以上であることが好ましい。なお溶融容器を構成する白金金属からのPt溶け込みによるガラス着色を防止する観点から、溶融温度は1450℃以下が好ましく、さらには1400℃以下が好ましく、特に1350℃以下が好ましく、最適には1300℃以下が好ましい。
また溶融時間が短すぎると、十分に清澄できない可能性があるので、溶融時間は2時間以上であることが好ましく、さらに3時間以上が好ましい。ただし溶融容器からのPt溶け込みによるガラス着色を防止する観点から、溶融時間は8時間以内、特に5時間以内であることが好ましい。
また溶融容器内のガラス融液の深さは、浅すぎると生産性が悪くなるため、30mm以上、特に50mm以上であることが好ましい。一方、深すぎると泡の浮上に時間がかかるため、1m以下、好ましくは0.5m以下が好ましい。
続いて、溶融ガラスをモールドプレス可能な大きさのプリフォームに成形し、プリフォームを加熱軟化させながらモールドプレスして所望の形状に加工した後、洗浄、乾燥してレンズ等の光学部品を作製する。
プリフォームの成形方法としては、板状や塊状のガラス片から所定の形状に切り出して研磨、洗浄して作製してもよいが、連続的に所定量ずつ滴下してから研削、研磨、洗浄する液滴成形法を用いると、容易に成形できるため好ましい。
以下、本発明の光学ガラスを実施例に基づいて詳細に説明する。
表2〜7は本発明の実施例(No.3、6、9、11、14、16、20、23、25、27、30)及び比較例(No.1、2、4、5、7、8、10、12、13、15、17−19、21、22、24、26、28、29)を示す。
各試料は、次のようにして作製した。
表2〜7に記載の組成となるように調合したガラス原料を、ガラス融液深さが50mmになるよう白金ルツボに入れ、1300℃で3時間溶融した。なお表中で「−」と表示した成分は、含有量が0.0001%未満であることを意味している。
次に、溶融ガラスをカーボン板上に流し出し、冷却固化した後、アニールを行って試料を作製した。このようにして得られた試料について、ガラス屈伏点(At)、ガラス転移点(Tg)、1300℃におけるガラスの粘度(粘度)、プレス後のレンズ表面白濁の有無、屈折率及びアッベ数を評価した。また塩基性度を算出した。結果を表2〜7に示す。
本発明の実施例である各試料は、プレスしてもガラス表面に白濁が発生しなかった。これに対して比較例の各試料はプレス後にガラス表面に白濁が確認された。
なおガラス屈伏点は熱膨張曲線における屈伏した点より求めた。
ガラス転移点は熱膨張曲線における低温度域の直線と高温度域の直線の交点より求めた。
1300℃におけるガラスの粘度は周知の白金球引き上げ法で測定した。
白濁発生は次のようにして評価した。まずPt−IrがコートされたWC板の上にガラス試料を載置し、Tg+25℃のN雰囲気にて1分間熱処理した後、ガラス表面の白濁の有無を顕微鏡で観察した。このような評価を100回又は1000回行い、白濁が認められた試料の個数を表に示した。
屈折率ndは、屈折率計(カルニュー光学工業社製 KPR-200)を用いて、ヘリウムランプのd線(波長:587.6nm)における測定値で示した。
アッベ数νdは、屈折率計(カルニュー光学工業社製 KPR-200)を用いて、上記したd線、水素ランプのF線(波長:486.1nm)、および水素ランプのC線(波長:656.3nm)における屈折率をそれぞれ測定した値を、それぞれnd、nF、nCとした際の{(nd−1)/(nF−nC)}の値とした。
本発明の光学用ガラスは、モールドプレスしても表面に白濁を生じないことから、量産性に優れている。よってCD、DVD等の光ピックアップレンズや、ビデオカメラ、デジタルカメラ等の光学レンズに好適に使用できる。

Claims (6)

  1. 質量%で、SiO 45〜60%、B 2〜22%、Al 0.5〜6%、BaO 12〜30%、LiO 4〜7%、LiO、NaOおよびKOの合量が5.5〜12%のSiO−B系光学ガラスにおいて、Sbの含有量が0.0001%未満、Asの含有量が0.0001%未満であることを特徴とする光学ガラス。
  2. 屈伏点が565℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の光学ガラス。
  3. ガラスの塩基性度が11以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の光学ガラス。
  4. モールドプレス成形用であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の光学ガラス。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載のガラスからなることを特徴とする光学レンズ。
  6. 質量%で、SiO 45〜60%、B 2〜22%、Al 0.5〜6%、BaO 12〜30%、LiO 4〜7%、LiO、NaOおよびKOの合量が5.5〜12%含有するSiO−B系光学ガラスでプリフォームを作製し、次いで前記プリフォームをモールドプレスする光学レンズの製造方法において、光学ガラスとしてSbの含有量が0.0001%未満、Asの含有量が0.0001%未満のガラスを使用することを特徴とする光学レンズの製造方法。
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