JP2004137145A - モールドプレス成形用光学ガラス - Google Patents

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Abstract

【課題】 モールドプレス成形用光学ガラスとして要求される特性を満足し、特に屈折率(nd)が1.55〜1.65、アッベ数(νd)が55以上であり、成形時に金型と融着しない非鉛系のモールドプレス成形用光学ガラスを提供する。
【解決手段】 質量%で、SiO2 40.5〜60%、Al23 0〜10%、B23 12〜30%、MgO 0〜5%、CaO 0〜10%、BaO 0〜10%、SrO 0〜15%、ZnO 0〜10%、Li2O 1〜12%、Na2O 0〜10%、K2O 0〜9%、TiO2 0〜0.4%、ZrO2 0〜10%、La23 3〜20%、Gd23 0〜5%、Nb25 0〜0.3%、Bi23 0〜5%、MgO+CaO+BaO+SrO 1〜30%、Li2O+Na2O+K2O 1〜15%含有し、3.2≦SiO2/La23≦15.0であることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

 本発明はモールドプレス成形用光学ガラスに関するものである。
 CD、MD、DVDその他各種光ディスクシステムの光ピックアップレンズ、ビデオカメラや一般のカメラの撮影用レンズ等の光学レンズ用に、屈折率(nd)が1.55〜1.65、アッベ数(νd)が55以上の光学ガラスが使用されている。従来、このようなガラスとしてSiO2−PbO−R'2O(R'2Oはアルカリ金属酸化物)を基本とした鉛含有ガラスが広く使用されていたが、近年では環境上の問題からSiO2−B23−RO(ROは2価の金属酸化物)−R'2O系等の非鉛系ガラスに切り替えられつつある(例えば特許文献1、2)。
特開平6−107425号公報 特開2000−302479号公報
 これらの光ピックアップレンズや撮影用レンズは、溶融ガラスをノズルの先端から滴下し一旦液滴状ガラスを作製し、研削、研磨、洗浄して得られるプリフォームガラス、または溶融ガラスを急冷鋳造し一旦ガラスブロックを作製し、同じく研削、研磨、洗浄して得られるプリフォームガラスを、精密加工を施した金型によって、軟化状態のプリフォームガラスを加圧成形し、金型の表面形状をガラスに転写させる、いわゆるモールドプレス成形法が広く用いられている。
 しかしながら上記したSiO2−B23系の非鉛系のガラスは、繰り返し、或いは極端な場合は1回の成形でも金型とガラスが融着するという問題が発生しやすい。融着すると金型表面にガラスが付着して生産不能となったり、金型の面精度を損ね、設計通りの製品が得られなくなる。金型と融着しないガラスを用いることが、製品の品質と量産性の向上に重要である。
 また高い屈折率を得るためにTiO2、Nb25を多量に含有させると、アッベ数を高くすることが難しくなり、設計の自由度が小さくなる。
 本発明の目的は、モールドプレス成形用光学ガラスとして要求される特性を満足し、特に屈折率(nd)が1.55〜1.65、アッベ数(νd)が55以上であり、成形時に金型と融着しない非鉛系のモールドプレス成形用光学ガラスを提供することである。
 本発明のモールドプレス成形用光学ガラスは、質量%で、SiO2 40.5〜60%、B23 12〜30%、La23 3〜20%含有し、屈折率(nd)が1.55〜1.65、アッベ数(νd)が55以上、軟化点が650℃以下、△T={成形温度(101.5ポイズでの温度)−液相温度}が50℃以上、日本光学硝子工業会規格JOGISによる粉末法耐水性での重量減が0.10%未満、同粉末法耐酸性での重量減が0.35%未満、ガラスの塩基性度が11以下であることを特徴とする。
 また本発明のモールドプレス成形用光学ガラスは、質量%で、SiO2 40.5〜60%、Al23 0〜10%、B23 12〜30%、MgO 0〜5%、CaO 0〜10%、BaO 0〜10%、SrO 0〜15%、ZnO 0〜10%、Li2O 1〜12%、Na2O 0〜10%、K2O 0〜9%、TiO2 0〜0.4%、ZrO2 0〜10%、La23 3〜20%、Gd23 0〜5%、Nb25 0〜0.3%、Bi23 0〜5%、MgO+CaO+BaO+SrO 1〜30%、Li2O+Na2O+K2O 1〜15%含有し、3.2≦SiO2/La23≦15.0であることを特徴とする。
 以上説明したように、本発明の光学ガラスは、CD、MD、DVDその他各種光ディスクシステムの光ピックアップレンズ、ビデオカメラや一般のカメラの撮影用レンズ等の光学レンズに使用される1.55〜1.65の屈折率(nd)、55以上のアッベ数(νd)を有している。また軟化点が低くガラス成分が揮発し難いため、成形精度の低下および金型の劣化や汚染が生じない。しかも作業温度範囲が広く、プリフォームガラスの量産性に優れるとともに、耐候性が良好であるため、製造工程や製品の使用中に物性の劣化や表面の変質を起こすことがない。さらにプレス時の金型との融着がなく量産性が非常によい。それゆえモールドプレス成形用光学ガラスとして好適である。
 本発明のモールドプレス成形用光学ガラスは、屈折率(nd)が1.55〜1.65、アッベ数(νd)が55以上のガラスである。また軟化点が650℃以下であり、ガラス成分が揮発し難い。また作業温度範囲(△T={成形温度(101.5ポイズでの温度)−液相温度})が50℃以上であるため、硝材の溶融や成形工程で問題となる失透ブツや脈理が発生し難い。さらに日本光学硝子工業会規格JOGISによる粉末法耐水性での重量減が0.10%未満、同粉末法耐酸性での重量減が0.35%未満であり、高い耐候性を有する。さらに塩基性度が11以下(好ましくは9.5以下)であり、モールドプレスによる成形時にガラスとプレス金型の融着を防止することができる。
 なお本発明において、塩基性度とは、(酸素原子のモル数の総和/陽イオンのField Strengthの総和)×100として定義される。式中のField Strength(以下F.S.と表記する)は次式により求められる。
   F.S.=Z/r2
 Zはイオン価数、rはイオン半径を示している。なおガラス中の元素の配位数、イオン価数はガラス組成によって変化するものであり、それにともなってイオン半径の数値も変化する。そのため正確な塩基性度を算出するにあたって、各元素のイオン価数、イオン半径は組成系ごとに適宜選択することが望ましい。本発明におけるZ、rの数値は組成系より、表1の値を用いることが適当と判断し、これに基づいて塩基性度の算出を行うこととする。
Figure 2004137145
 本発明者の知見によれば、塩基性度が低いほど、金型と融着しにくくなる。以下にガラスの塩基性度が融着を支配する機構について説明する。
 ガラスの塩基性度はガラス中の酸素の電子がガラス中の陽イオンにどのくらい引きつけられているかを示す指標になる。塩基性度の高いガラスではガラス中の陽イオンによる酸素の電子の引きつけが弱い。したがって、塩基性度の高いガラスは、電子を求める傾向の強い陽イオン(金型成分)と接した際、塩基性度の低いガラスに比べガラス中に金型からの陽イオンの侵入が起きやすい。金型成分である陽イオンがガラス中へ侵入(拡散)すると、界面付近のガラス相中の金型成分濃度が増加する。これによりガラス相と金型相の組成差が減少するため、両者の間の親和性が増し、ガラスが金型に濡れやすくなる。このような機構により、ガラスと金型が融着すると考えられる。従って塩基性度が低くなるにしたがって、ガラス中に金型成分が侵入しにくくなり、ガラスと金型は融着しなくなる。
 具体的にはガラスの塩基性度が11以下、好ましくは9.5以下であれば融着が起こらなくなると考えられる。ガラスの塩基性度が9.5を超えると金型と融着する傾向が現れ、11を超えるとガラスと金型が融着して製品の面精度が損なわれ、量産性が顕著に悪化する。
 また本発明のモールドプレス成形用光学ガラスは、質量%で、SiO2 40.5〜60%、B23 12〜30%、La23 3〜20%の基本組成を有し、鉛を含まないガラスである。本発明のガラスでは、TiO2、Nb25を多量含有させる代わりに、アッベ数の低下が比較的少ないLa23を使用することにより、屈折率が1.55以上、アッベ数が55以上のガラスを容易に得ることが可能となり、その結果ガラスの組成設計の自由度を確保し易くなる。またB23を12%以上含有させることにより、金型との融着を改善することができる。
 各成分の範囲を上記のように限定した理由を述べる。
 SiO2はガラスの骨格を構成する成分であり、耐候性を向上させる効果がある。その含有量は40.5〜60%、好ましくは41.0〜55%、さらに好ましくは41.5〜50.5%である。なおSiO2が多くなると屈折率が低下したり、軟化点が高くなる傾向がある。また失透傾向が強くなる。一方、SiO2が少なくなると耐酸性や耐水性等の耐候性が悪化する。
 B23はガラスの骨格成分であり、耐失透性の向上に効果がある。またアッベ数を高め、軟化点を低下させる成分である。さらにガラスの塩基性度を下げる作用もあり、モールドプレス成形におけるガラスと金型の融着防止に効果がある。その含有量は12〜30%、好ましくは12〜25%、さらに好ましくは12〜20%である。なおB23が多くなるとガラス溶融時にB23‐R'2Oで形成される揮発物が多くなり、脈理の生成を助長する。またモールド成形時にも揮発が生じて金型を汚染し、金型の寿命を縮めてしまうおそれがある。さらに耐候性が悪化する。一方、B23が少ないと、耐失透性が低下して十分な作業温度範囲を確保できなくなる可能性がある。また金型と融着し易くなる。さらにSiO2の少ない組成域では、B23が少ないとアッベ数を55以上に維持することが難しくなる。
 また、SiO2/B23の範囲は1.0〜5.0、であることが好ましい。この比を1.0〜5.0とすることで耐失透性を低下させることなく、高いアッベ数を維持することができる。この比が大きくなると失透傾向が強くなり、小さくなるとアッベ数や耐候性が低下する傾向がある。
 La23は、アッベ数を低下させることなく屈折率を高める効果がある。また、十分な作業温度範囲を確保するための成分である。さらに軟化点の上昇を抑え、また耐候性を向上させる効果もある。La23の含有量は3〜20%、好ましくは4〜14%、さらに好ましくは5〜12%である。なお高い屈折率を得るためにLa23を多量に添加すると分相性が強くなり、液相温度が上昇して失透性が増大する。結果として作業性が低下するおそれがある。一方、少ないと、屈折率が低下し、また耐候性が悪化する。
 さらに本発明のモールドプレス成形用光学ガラスは、Al23、MgO、CaO、BaO、SrO、ZnO、Li2O、Na2O、K2O、TiO2、ZrO2、Gd23、Nb25、Bi23等を適当量含有することができる。以下に各成分について説明する。
 Al23はSiO2と共にガラスの骨格を構成する成分であり、耐候性を向上させる効果がある。特にSiO2‐B23‐RO‐R'2O‐La23系ガラスでは、ガラス中アルカリ成分の、水への選択的溶出を抑制する効果が顕著であり、その含有量は0〜10%、好ましくは0.1〜4.5%である。なおAl23が多いと失透し易くなる。また溶融性が悪化して脈理や泡がガラス中に残り、レンズ用ガラスとしての要求品位を満たさなくなる可能性がある。
 RO(RはMg、Ca、Ba、Sr)は融剤として作用するとともに、SiO2‐B23‐RO‐R'2O‐La23系ガラスにおいて、アッベ数を低下させずに屈折率を高める効果がある。その合量は1〜30%、好ましくは2〜25%、さらに好ましくは5〜20%である。なおROが多くなると、プリフォームガラスの溶融、成形工程中に失透ブツが析出し易くなり、液相温度が上がって作業範囲が狭くなり量産化し難くなる傾向がある。さらにガラスから研磨洗浄水や各種洗浄溶液中への溶出が増大する、高温多湿状態でのガラス表面の変質が顕著になる等、耐候性が悪化し易い。一方ROが少なくなると、屈折率が低下したり、軟化点が高くなる等の不都合が生じやすい。
 MgOは屈折率を高める成分であるが、分相性が強く、また液相温度を高める傾向がある。MgOの含有量は0〜5%、特に0〜3%であることが好ましい。
 CaOは屈折率を高める成分であるが、分相性があり、また液相温度を高める傾向がある。ただしMgOに比べると分相性は強くないため、MgOより多量に含有させることができる。CaOの含有量は0〜10%、特に0〜5%であることが好ましい。
 BaOは屈折率を高める成分であり、またこのガラス系においては液相温度を低下させ作業性を向上させる効果もある。しかし、高温多湿状態でガラス表面からの析出量が他のRO成分に比べ著しく多いため、多量に含有させると最終製品の耐候性を損なうおそれがある。BaOの含有量は0〜10%、特に3〜9.5%であることが好ましい。
 SrOは屈折率を高める成分である。またBaOに比べると高温多湿状態でのガラス表面からの析出量が少ない。従ってSrOを積極的に使用することにより、耐候性に優れた製品を得ることができる。その含有量は0〜15%、好ましくは3〜12%、さらに好ましくは5〜10%である。なおSrOが多くなると液相温度が上がって作業範囲が狭くなる傾向にある。
 ZnOは屈折率を高めるとともに、耐候性を向上させる効果がある。また失透傾向が強くないため、多量に含有させても均質なガラスを得ることができる。その含有量は0〜10%、好ましくは0〜7%、さらに好ましくは0〜4%である。ZnOが多くなるとアッベ数が低下する傾向がある。
 R’2O(R’はLi、Na、Kの一種以上)は軟化点を低下させるための成分であり、その合量は1〜15%、好ましくは2〜14%、さらに好ましくは3〜13%である。なおR’2Oが多くなると液相温度が上昇して作業温度範囲が狭くなり易い。この場合、量産性に悪影響を与えるおそれがある。また耐候性が悪化する傾向がある。逆にR’2Oが少なくなると軟化点が高くなる。
 R’2OのなかでもLi2Oが最も軟化点を低下させる効果が大きい。その含有量は1〜12%、好ましくは2〜10%、さらに好ましくは3〜9%である。ただしLi2Oは分相性が強いため、多量に添加すれば液相温度が高くなって作業性を悪化させる傾向がある。またF.S.が低く、ガラスの塩基性度を上げる成分であるため、プレス成形時に金型との融着を引き起こす原因となる。一方、Li2Oが少なくなると軟化点が高くなる。
 Na2O、K2Oは軟化点を低下させる効果があるが、多量に含有させると溶融時にB23‐R'2Oで形成される揮発物が多くなり、脈理の生成を助長してしまう。またモールド成形時にも揮発が生じて金型を汚染し、金型の寿命を大きく縮めてしまう。Na2Oの含有量は0〜10%、特に1〜7%であることが好ましい。同様にK2Oの含有量は0〜9%、特に0〜5%であることが好ましい。
 TiO2は光学定数の調整成分として0〜0.4%含有することができる。TiO2が0.4%を超えると、アッベ数の低下を招くと共に分相性が強まり、液相温度が上昇し、作業性が低下する。従って、本発明では極力含有させないことが望ましい。
 ZrO2は屈折率を高め、耐候性を向上させる成分である。また、中間酸化物としてガラスを形成するため、耐失透性を向上する効果もある。ZrO2の含有量は0〜10%、特に0〜8%、さらには0〜5%であることが好ましい。なおZrO2が多くなるとアッベ数が低下し、また軟化点が上昇する傾向がある。
 Gd23は屈折率を高め、耐候性を向上させる成分であり、その含有量は0〜5%、特に0〜3%、さらには0〜2.5%であることが望ましい。Gd23はZrO2と同様、耐失透性を向上させる効果があり、作業温度範囲が拡大できる。ただしGd23が多くなるとアッベ数が低下する傾向がある。
 Nb25は光学定数の調整成分として0〜0.3%、好ましくは0〜0.2%含有することができる。Nb25が0.3%を超えると、分相性が強まり、液相温度が上昇して作業性が著しく低下する。従って、本発明ではTiO2と同様に極力含有させないことが望ましい。
 Bi23は屈折率を高める成分であり、モールドプレス成形において、ガラスと金型の融着防止に効果があるが、成形時の加熱によって着色する傾向を強めてしまう。Bi23の含有量は0〜5%、特に0〜3%であることが望ましい。
 清澄剤としてSb23を添加することもできる。なおガラスに対する過度の着色を避けるため、Sb23の含有量は1%以下とする。
 またSiO2/La23の範囲は3.2〜15.0、特に3.2〜10.0であることが好ましい。この比を3.2〜15.0とすることで屈折率を低下させることなく、高い耐失透性を維持することができる。この比が小さくなると耐失透性が低下し、大きくなると屈折率が低下する傾向がある。
 上記以外にも、本発明の特徴を損ねない範囲でP25、Ta25、WO3等の他成分を添加することができる。なおP25は、モールドプレス成形においてガラスと金型の融着防止や液相温度の低下に効果があるが、分相性が強く耐水性が低下する傾向があるため、5%以下、特に3%以下に制限することが望ましい。Ta25、WO3は、屈折率を高める効果があるが、多量に添加するとアッベ数が低下する傾向がある。
 なおPbOやAs23は環境上好ましくないため、またAgおよびハロゲン類は光可逆変色キャリヤーとなるので、本発明においては使用しないほうがよい。
 次に、本発明のガラスを製造する方法を説明する。
 まず、所望の組成を有するようにガラス原料を調合し、これを1200〜1400℃で溶融し、ガラス化する。続いてガラス融液をモールドプレス可能なプリフォーム形状に成形すればよい。なお成形方法としては制限はないが、後加工が殆ど不要な液滴成形法を採用することが好ましい。液滴成形法とは、溶融ガラスをノズルの先端から滴下して一旦液滴状ガラスを作製した後、必要に応じて研削、研磨等の後加工を施す方法である。
 以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
Figure 2004137145
Figure 2004137145
Figure 2004137145
Figure 2004137145
Figure 2004137145
 表2〜4は本発明の実施例(試料No.1〜15)を、表5、6は比較例(試料No.16〜21)をそれぞれ示している。
 各試料は次のようにして調製した。まず表に示す組成になるようにガラス原料を調合し、白金ルツボを用いて1400℃で3時間溶融した。溶融後、融液をカーボン板上に流しだし、更にアニール後、各測定に適した試料を作製した。
 得られた試料について、屈折率(nd)、アッベ数(νd)、軟化点(Ts)、耐水性、耐酸性、成形温度(TW)及び液相温度(TL)を測定した。また塩基性度を算出した。それらの結果を各表に示す。
 表から明らかなように、本発明の実施例であるNo.1〜15の各試料は、屈折率が1.5718〜1.6083、アッベ数が55.3以上、軟化点が645℃以下であった。また作業温度範囲が89℃以上であり、作業性が優れている。しかも耐水性は重量減が0.09%以下、耐酸性は重量減が0.32%以下であり、耐候性が良好である。またB23を多く含有し、塩基性度も8.79以下と低いため、金型との融着が起こりにくいと考えられる。
 なお屈折率(nd)は、ヘリウムランプのd線(587.6nm)に対する測定値で示した。
 アッベ数(νd)は上記したd線の屈折率と水素ランプのF線(486.1nm)、同じく水素ランプのC線(656.3nm)の屈折率の値を用い、アッベ数(νd)=[(nd−1)/(nF−nC)]式から算出した。
 軟化点TSは、日本工業規格R−3104に基づいたファイバーエロンゲーション法によって測定した。
 作業温度範囲△Tは次のようして求めた。まず成形温度TWを白金球引上げ法により測定し、101.5ポイズに相当する温度として求めた。また液相温度TLは297〜500μmの粉末状になるよう試料を粉砕、分級してから白金製のボートに入れ、温度勾配を有する電気炉に24時間保持した後、空気中で放冷し、光学顕微鏡で失透の析出位置を求めることで測定した。このようにして得られた成形温度TWと液相温度TLの差を作業温度範囲△Tとした。
 耐水性及び耐酸性は、日本光学硝子工業会規格06−1975に基づき、ガラス試料を粒度420〜590μmに破砕し、その比重グラムを秤量して白金篭に入れ、それを試薬の入ったフラスコに入れて沸騰水浴中で60分間処理し、処理後の粉末ガラスの質量減(重量%)を算出したものである。なお耐水性評価で用いた試薬はpH6.5〜7.5に調整した純水であり、耐酸性評価で用いた試薬は0.01Nに調整した硝酸水溶液である。
 塩基性度は、(酸素原子のモル数の総和/陽イオンのField Strengthの総和)×100の式に基づいて算出したものである。なお式中のField Strength(以下F.S.と表記する)は次式により求められる。
   F.S.=Z/r2
 Zはイオン価数、rはイオン半径を示している。

Claims (9)

  1.  質量%で、SiO2 40.5〜60%、B23 12〜30%、La23 3〜20%含有し、屈折率(nd)が1.55〜1.65、アッベ数(νd)が55以上、軟化点が650℃以下、△T={成形温度(101.5ポイズでの温度)−液相温度}が50℃以上、日本光学硝子工業会規格JOGISによる粉末法耐水性での重量減が0.10%未満、同粉末法耐酸性での重量減が0.35%未満、ガラスの塩基性度が11以下であることを特徴とするモールドプレス成形用光学ガラス。
  2.  請求項1のモールドプレス成形用光学ガラスにおいて、さらに、質量%でR’2O(R’はLi、Na、Kの一種以上) 1〜15%含有することを特徴とするモールドプレス成形用光学ガラス。
  3.  請求項1又は2に記載のモールドプレス成形用光学ガラスにおいて、さらに、質量%でLi2O 1〜12%、Na2O 0〜10%、K2O 0〜9%含有することを特徴とするモールドプレス成形用光学ガラス。
  4.  請求項1〜3のいずれかに記載のモールドプレス成形用光学ガラスにおいて、さらに、質量%で、Al23 0〜10%、MgO 0〜5%、CaO 0〜10%、BaO 0〜10%、SrO 0〜15%、ZnO 0〜10%、ZrO2 0〜10%、Gd23 0〜5%、Bi23 0〜5%含有することを特徴とするモールドプレス成形用光学ガラス。
  5.  請求項1〜4のいずれかに記載のモールドプレス成形用光学ガラスにおいて、さらに、質量%で、RO(RはMg、Ca、Ba、Srの一種以上) 1〜30%含有することを特徴とするモールドプレス成形用光学ガラス。
  6.  請求項1〜5のいずれかに記載のモールドプレス成形用光学ガラスにおいて、さらに、質量%で、TiO2 0〜0.4%、Nb25 0〜0.3%含有することを特徴とするモールドプレス成形用光学ガラス。
  7.  請求項1〜6のいずれかに記載のモールドプレス成形用光学ガラスにおいて、さらに、3.2≦SiO2/La23≦15.0であることを特徴とするモールドプレス成形用光学ガラス。
  8.  質量%で、SiO2 40.5〜60%、Al23 0〜10%、B23 12〜30%、MgO 0〜5%、CaO 0〜10%、BaO 0〜10%、SrO 0〜15%、ZnO 0〜10%、Li2O 1〜12%、Na2O 0〜10%、K2O 0〜9%、TiO2 0〜0.4%、ZrO2 0〜10%、La23 3〜20%、Gd23 0〜5%、Nb25 0〜0.3%、Bi23 0〜5%、MgO+CaO+BaO+SrO 1〜30%、Li2O+Na2O+K2O 1〜15%含有し、3.2≦SiO2/La23≦15.0であることを特徴とするモールドプレス成形用光学ガラス。
  9.  ガラスの塩基性度が11以下であることを特徴とする請求項8のモールドプレス成形用光学ガラス。
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