JP2011079410A - 車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーンキープ制御とドライバの操舵意思を反映した操舵制御との干渉を制御品質を低下させることなく防止する。
【解決手段】本発明に係る車両の制御装置は、転舵輪に対し該転舵輪の舵角の変化を促す操舵力を付与可能な操舵力付与手段を備えた車両において、維持すべき目標走行路と車両との相対的位置関係を規定する位置状態偏差を検出する偏差検出手段と、検出された位置状態偏差に基づいて操舵力付与手段の制御量を決定する決定手段と、決定された制御量に従って操舵力付与手段を制御することにより車両の走行路を目標走行路に維持する制御手段と、ドライバの操舵入力を検出する操舵入力検出手段と、走行路が目標走行路に維持される期間において操舵入力が検出された場合に、この操舵入力が反映されるように操舵力付与手段の制御量の決定基準を補正する補正手段とを具備する。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えばEPS(Electronic controlled Power Steering:電子制御式パワーステアリング装置)、VGRS(Variable Gear Ratio Steering:可変ギア比ステアリング装置)、ARS(Active Rear Steering:後輪操舵装置)又はSBW(Steer By Wire:電子制御舵角可変装置)等を備え、これらの機能を利用して、例えばLKA(Lane Keeping Assist:車線維持走行)等、車両の走行路を目標走行路に維持する機能を実現し得るように構成された車両を制御する、車両の制御装置の技術分野に関する。
この種の装置として、レーンキープ走行時のドライバのハンドル操作量を考慮したものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された操舵制御装置によれば、レーンキープ走行時にドライバのハンドル操作が生じた場合に、その操作量に応じて操舵制御に係る制御量を低減することにより、ハンドル操作と操舵制御との干渉を適切に防止可能であるとされている。
また、特許文献2には、レーンキープ制御時にドライバの操舵が生じた場合に、EPSのダンピング制御量を大きくすることによって操舵フィーリングを向上させるパワーステアリング装置が開示されている。
特開2007−160998号公報 特開2007−030612号公報
上述の各特許文献に開示される従来技術によれば、レーンキープ走行時にドライバの操舵入力が生じた場合に、レーンキープ走行に係る操舵制御と、ドライバの操舵入力に応じた操舵制御とが相互に干渉する事態については防止可能であるものの、レーンキープ走行を行うための操舵制御量自体を補正することによってドライバの操舵意思を実現しようとしているため、レーンキープ走行の収束性が大きく低下する結果を招く。このため、このような制御中に、横風や路面勾配に起因する外乱が生じて車両が目標走行路から逸脱した場合に、車両を目標走行路に復帰させることが容易でない。即ち、従来の技術には、レーンキープ走行の収束性を低下させない限りドライバの操舵意思を反映することができないことに起因して、肝心のレーンキープ走行の制御品質が低下する結果を招くという技術的な問題点がある。
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、レーンキープ走行に関する操舵制御とドライバの操舵意思を反映した操舵制御との干渉を、レーンキープ走行の制御品質を低下させることなく防止可能な車両の制御装置を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係る車両の制御装置は、転舵輪に対し該転舵輪の舵角の変化を促す操舵力を付与可能な操舵力付与手段を備えた車両を制御する装置であって、維持すべき目標走行路と前記車両との相対的位置関係を規定する位置状態偏差を検出する偏差検出手段と、前記検出された位置状態偏差に基づいて前記車両の走行路を目標走行路に維持するための前記操舵力付与手段の制御量を決定する決定手段と、該決定された制御量に従って前記操舵力付与手段を制御することにより前記走行路を前記目標走行路に維持する制御手段と、ドライバの操舵入力を検出する操舵入力検出手段と、前記走行路が前記目標走行路に維持される期間において前記操舵入力が検出された場合に、前記検出された操舵入力が反映されるように前記制御量の決定基準を補正する補正手段とを具備することを特徴とする。
本発明に係る車両には、操舵力付与手段が備わる。
操舵力付与手段は、転舵輪(好適には、前輪又は前後輪)に対し、直接的又は間接的の別を問わず該転舵輪の舵角(所謂、実舵角である)の変化を促す操舵力を付与可能な物理的、機械的、電気的又は磁気的構成を備えた手段である。補足すると、操舵力付与手段は、後述する制御手段の作用により当該操舵力の付与特性を制御可能な装置であって、ドライバがステアリングホイル等の各種操舵入力手段を介して与える操舵入力に対し舵角の変化特性が多義的に可変である装置を指し、好適には、操舵入力手段と転舵輪との間に、バッテリ等の蓄電手段から供給される電力資源を利用してこの種の操舵力を生成可能な、各種モータやアクチュエータを介装する構成を採る。
このような操舵力付与手段に係る実践的態様は、例えば、VGRS等、操舵入力手段に直接的に又は間接的に連結された操舵入力軸に対し転舵輪に連結された操舵出力軸を相対回転させ得る装置や、SBW等、操舵入力手段から物理的に切り離された装置等各種存在し得る。また、操舵力付与手段は、必ずしも舵角を制御量とするものでなくてもよく、操舵入力の一形態としてのドライバ操舵トルクとは独立して操舵トルクを付与可能な、EPS等の一種のパワーステアリング装置であってもよい。
本発明に係る車両の制御装置は、このような操舵力付与手段を備えた本発明に係る車両を制御する装置であって、例えば、一又は複数のCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、各種プロセッサ又は各種コントローラ、或いは更にROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、バッファメモリ又はフラッシュメモリ等の各種記憶手段等を適宜に含み得る、単体の或いは複数のECU(Electronic Controlled Unit)等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る。
本発明に係る車両の制御装置によれば、その動作時には、偏差検出手段の作用により位置状態偏差が検出される。
ここで、「位置状態偏差」とは、維持すべき目標走行路と車両との相対的位置関係を規定する偏差であり、目標走行路に沿って車両を走行させるための参照値となり得る物理量である。位置状態偏差は、好適な一形態として、目標走行路に対する車両の横位置の偏差やヨー角偏差等を含み得る。
尚、「目標走行路」とは、例えば、白線やレーンマーク等各種目標体によって規定されるトレースすべき仮想の走行路であってもよいし、より単純には、時間軸上で順次設定される車両の目標位置によってリアルタイムに構築される性質のものであってもよい。
位置状態偏差が検出されると、決定手段により、この検出された位置状態偏差に基づいて、車両の走行路を目標走行路へ維持するための操舵力付与手段の制御量が決定される。
尚、操舵力付与手段の採り得る実践的態様が多岐に渡る点に鑑みれば、決定される操舵力付与手段の制御量もまた多様な形態を採り得る。即ち、係る制御量は、最終的制御目標としての転舵輪の舵角であってもよいし、転舵輪の舵角変化を促す他の回転角であってもよいし、これら角度を実際に変化させるための駆動手段の制御量(例えば、駆動電流値や駆動デューティ比等)であってもよい。また、操舵力付与手段の制御量は、位置状態偏差に基づいて決定される、車両の横加速度の変化のさせ方やヨー角の変化のさせ方等を反映する形で決定されてもよい。
このようにして制御量が決定されると、制御手段により、この決定された制御量に従って操舵力付与手段が制御される。その結果、最終的に転舵輪の舵角変化が促され、車両の走行路が目標走行路に維持される。但し、「維持される」とは、車両の走行路が目標走行路に完全に一致することのみを意味するものではなく、車両の走行路が目標走行路へ近接又は漸近することや、車両の走行路が目標走行路と一定の偏差を維持し続けること等を含む趣旨である。尚、このように走行路が目標走行路に維持された走行状態を、これ以降適宜「レーンキープ走行」と称することとする。
一方、車両の望ましい構成としては、このようなレーンキープ走行がなされる過程においても、ドライバは、自身の操舵意思に基づいて操舵入力手段を自由に操作可能である。
ここで、この種のレーンキープ走行は、ドライバが車線変更を所望した場合等、比較的大きな操舵入力が生じた場合には、速やかに解除されるのが常識的であり且つ望ましい形態であるが、例えば、ドライバが、レーン内ではあっても目標走行路から相応に逸脱した走行路を維持して走行する旨の意思を有する場合等には、ドライバの操舵入力が生じたとしてもレーンキープ走行は継続させる必要がある。
ところが、レーンキープ走行を継続させる場合、上記決定手段及び制御手段は、あくまで車両を目標走行路へ追従させようとするため、ドライバが自身の意思に基づいた操舵入力手段のオーバーライド操作を行ったとしても、少なくとも定性的には、そのオーバーライド操作に対応する舵角の変化が、レーンキープ走行を継続させるための制御ロジックによって相殺される結果となる。即ち、レーンキープ走行に係る制御ロジックが、オーバーライド操作に干渉して、ドライバの意思が車両の挙動に反映され難くなる可能性がある。
然るに、このような制御干渉を防止する目的から、位置状態偏差に基づいた操舵力付与手段の制御量決定プロセスの内部ロジック、例えば、横方向偏差のフィードバックゲインやヨー角偏差のフィードバックゲイン等、フィードバック制御自体を構築する要素値を変更してしまうと、ドライバのオーバーライド操作が舵角変化に現れ易くなる代償として、オーバーライド操作以外の外乱要素、例えば、横風や路面勾配等に起因する位置偏向も同様に許容される結果を招く。即ち、このような措置を講じた場合、レーンキープ走行に係る制御の収束精度が極端に悪化して、そもそもレーンキープ走行自体の制御品質が劣化してしまう。
そこで、本発明に係る車両の制御装置は、下記の如くにして、レーンキープ走行の制御品質を維持しつつドライバのオーバーライド意思を的確に反映させることを可能としている。
即ち、本発明に係る車両の制御装置によれば、その動作時には、操舵入力検出手段によりドライバの操舵入力が検出される。ここで、操舵入力検出手段は、少なくともドライバの操舵意思に基づいた操舵入力の有無を検出可能な構成を有していればよいが、望ましくは、その操舵入力の度合いを検出可能に構成される。操舵入力の検出は、基本的には、例えば、操舵角センサ等のセンサ出力を監視する等の措置により実現可能である。但し、レーンキープ走行時には、操舵入力手段の操作量はゼロであるとは限らないため、操舵入力の有無検出に際しては、レーンキープ走行を遂行するために必要となる操舵角の影響が排除されるのが望ましい。
より具体的には、操舵入力手段の操舵角がA°であり、レーンキープ走行を行なわしめるための操舵角がB°であれば、ドライバのオーバーライド操作に対応する操舵角(即ち、操舵入力)は、(A−B)°であると考えることができる。この際、ドライバの癖や、自然発生に類する微小な振動等の影響を排除する目的から、係る操舵入力が所定の閾値と比較されるのがより望ましい。
一方、本発明に係る車両の制御装置は、走行路が目標走行路に維持される期間において操舵入力検出手段により操舵入力が検出された場合、補正手段により上記制御量の決定基準が補正される構成となっている。
ここで、本発明に係る「制御量の決定基準」とは、制御手段が制御量を決定するにあたって適用する制御ロジックそのものには影響しない、制御量決定の前提又は基準となる条件であり、好適な一形態としては、当該制御ロジックの入力値や出力値等を意味する。この入力値としては、例えば位置状態偏差が適当であり、出力値としては、例えば制御量そのものが適当である。
このように制御量の決定基準を補正すれば、レーンキープ走行に係る制御の収束対象或いは最終的な舵角変化量にドライバの操舵意思を反映させることになるため、収束対象に対する収束精度自体には実質的な影響が及ばない。従って、横風や路面勾配等の外乱に対しては車両挙動を迅速に立て直すことが可能であり、一方で、ドライバが自身の意思に基づいたオーバーライド操作を行った場合には、係るオーバーライド操作を確実に車両の挙動変化に反映させることができる。即ち、レーンキープ走行に関する操舵制御とドライバの操舵意思を反映した操舵制御との干渉を、レーンキープ走行の制御品質を低下させることなく防止することが可能となるのである。
本発明に係る車両の制御装置の一の態様では、前記操舵力付与手段は、操舵角と前記舵角との関係を変更可能な舵角可変手段を含み、前記制御手段は、該舵角可変手段を介して前記ドライバの操舵入力とは独立して前記舵角を変化させる。
この態様によれば、本発明に係る操舵力付与手段が特に、例えばVGRS或いはSBW等のように、操舵角と舵角との関係を可変とする舵角可変手段を含んで構成される。また、制御手段は、車両をしてレーンキープ走行を行わしめるにあたって、この舵角可変手段を制御することにより、ドライバの操舵入力とは独立して転舵輪を転舵させる。
従って、この態様によれば、所謂手放し走行と称される一種の自動操舵によるレーンキープ走行もまた可能であり、ドライバの操舵負担を好適に軽減可能である。また、この種の舵角可変手段は、制御量が舵角相当値であるため、車両挙動の制御精度が比較的高く、レーンキープ走行に関する操舵制御とドライバの操舵意思を反映した操舵制御との干渉を、レーンキープ走行の制御品質を低下させることなく防止する旨の本発明に係る実践上の利益をより確実に享受し得る。
本発明に係る車両の制御装置の他の態様では、前記決定基準は、前記位置状態偏差を規定する条件である。
この態様によれば、上述の決定基準として位置状態偏差を規定する各種の条件が補正される。位置状態偏差は、レーンキープ走行に係る制御ロジックにおける、言わば入力値に相当するものであり、制御ロジック自体を構築する各種フィードバックゲインとは全く無関係であるから、レーンキープ走行に係る制御の収束性には全く影響を与えない。従って、この態様によれば、レーンキープ走行の制御品質を低下させることなく、ドライバの操舵意思を的確に舵角変化に反映させることが可能となる。
決定基準が位置状態偏差を規定する条件である本発明に係る車両の制御装置の一の態様では、前記位置状態偏差を規定する条件は、前記目標走行路であり、前記補正手段は、前記検出された操舵入力により規定される操舵方向へ前記目標走行路をシフトさせる。
この態様によれば、位置状態偏差を規定する条件として目標走行路自体が補正され、目標走行路がドライバの操舵方向へシフトされる。例えば、レーンキープ走行中にドライバが本来の目標走行路よりも右(左)に偏向した走行路の維持を希望した場合には、目標走行路が右(左)方向へシフトされる。このように、目標走行路自体にドライバの操舵意思を反映させることにより、目標走行路への追従に係る収束速度や収束精度に影響を与えることなく、ドライバの操舵意思を好適に反映させることが可能となる。
決定基準が位置状態偏差を規定する条件である本発明に係る車両の制御装置の他の態様では、前記位置状態偏差を規定する条件は、前記相対的位置関係の許容範囲であり、前記補正手段は、前記操舵入力が検出されない場合と較べて前記許容範囲を拡大する。
この態様によれば、位置状態偏差を規定する条件として、目標走行路と車両との相対的位置関係の許容範囲が補正される。ここで、「許容範囲」とは、目標走行路として許容されるずれ量の範囲であり、例えば、レーンキープ走行中にドライバが本来の目標走行路よりも右(左)に偏向した走行路の維持を希望した場合には、目標走行路に対する右(左)方向へのずれが許容され、例えば、制御量決定に係るプロセスにおいて、位置状態偏差が係る許容量の分だけ減少する。従って、目標走行路は不変であっても、見かけ上位置状態偏差が生じていないこととなり、ドライバのオーバーライド操作による舵角変化が、レーンキープ走行に係る制御ロジックにより干渉される事態を防止することが可能となる。
本発明に係る車両の制御装置の他の態様では、前記操舵入力検出手段は、前記操舵入力の度合いを検出可能であり、前記補正手段は、前記検出される操舵入力が大きい程、前記決定基準の補正量を大きくする。
この態様によれば、操舵入力の度合いが大きい程決定基準の補正量が大きくなるため、ドライバの操舵意思をより的確に反映したレーンキープ走行が可能となる。
本発明に係る車両の制御装置の他の態様では、前記補正手段は、前記車両の走行条件に応じて前記決定基準の補正量を変化させる。
例えば、このような走行条件として車両の速度(即ち、車速)が変化すると、一の舵角に対する車両の挙動が変化する。このため、車速に対し制御量に係る上記決定基準の補正量、特に位置偏状態差の許容量等が一律に定められていると、オーバーライド操作に起因する舵角変化が不足する或いは逆に過剰となる可能性があり、いずれにせよドライバ操舵意思が十分に反映されない事態を招来し得る。
また、このような走行条件として、例えば目標走行路の曲率(或いはカーブ半径)を考えると、目標走行路が直線又はそれに類する略直線(曲率小、半径大)であれば、位置状態偏差として、ヨー角偏差よりも横位置の偏差の方が変化し易く、またヨー角偏差が車両挙動に与える影響が大きくなる(直線走行路であるから基本的にヨー角偏差は大きく変化しないはずである)。一方、目標走行路が曲線(曲率大、半径小)であれば、位置状態偏差として、横位置の偏差よりもヨー角偏差の方が変化し易く、また横位置の偏差が車両挙動に与える影響が大きくなる。
この態様によれば、車両の走行条件に応じて決定基準の補正量が変化するため、ドライバの操舵意思を的確に反映せしめ得ると共に、レーンキープ走行の追従性或いは収束性をより確実に担保することが可能となる。
本発明に係る車両の制御装置の他の態様では、前記補正手段は、上限値により規定される所定の制限範囲内で前記決定基準を補正する。
この態様によれば、制御量決定に係る決定基準が所定の制限範囲内で補正される。このため、ドライバの過度なオーバーライド操作に対し一定の制限を加えることが可能となり、ドライバの意思を反映した結果、レーンキープ走行が著しく乱れるといった事態が防止される。このような制限範囲は、例えば、補正対象が上述の目標走行路であれば、目標走行路が現状の車線を逸脱しないように定められていてもよいし、オーバーライド操作を反映させた結果生じる舵角変化に惹起された車両の横方向加速度が、予めレーンキープ走行の制御範囲を逸脱しないように定められていてもよい。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
以下、適宜図面を参照して本発明の車両の制御装置に係る各種実施形態について説明する。
本発明の第1実施形態に係る車両の構成を概念的に表してなる概略構成図である。 第1実施形態に係り、図1の車両においてなされるLKA制御のフローチャートである。 第1実施形態に係り、目標横加速度GYTGとLKA基本目標角θLKBとの関係を表す模式図である。 第1実施形態に係り、走行路半径Rと調整ゲインK2との関係を表す模式図である。 第1実施形態に係るEPS制御のフローチャートである。 第1実施形態に係り、EPS基本目標トルクTBASEとドライバ操舵トルクMTとの関係を表す模式図である。 第1実施形態に係るVGRS制御のフローチャートである。 第1実施形態に係り、操舵伝達比K1と車速Vとの関係を表す模式図である。 第1実施形態に係り、VGRS通常目標角用入力θinputと基本許容横方向偏差ΔYbaseとの関係を表す模式図である。 第1実施形態に係り、走行路半径Rと横方向偏差補正ゲインK3との関係を表す模式図である。 第1実施形態に係り、VGRS通常目標角用入力θinputと基本許容ヨー角偏差Δφbaseとの関係を表す模式図である。 第1実施形態に係り、走行路半径Rとヨー角偏差補正ゲインK4との関係を表す模式図である。 本発明の第2実施形態に係り、VGRS通常目標角用入力θinputとオーバーライド補正用VGRS目標角θovrとの関係を表す模式図である。<第1実施形態> <実施形態の構成> 始めに、図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る車両10の構成について説明する。ここに、図1は、車両10の基本的な構成を概念的に表してなる概略構成図である。
図1において、車両10は、転舵輪として左右一対の前輪FL及びFR並びに左右一対の後輪RL及びRRを備え、これら各転舵輪が操舵方向へ転舵することにより所望の方向に進行可能に構成されている。車両10は、ECU100、VGRSアクチュエータ200、VGRS駆動装置300、EPSアクチュエータ400、EPS駆動装置500、ARSアクチュエータ600及びARS駆動装置700を備える。
ECU100は、夫々不図示のCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を備え、車両10の動作全体を制御可能に構成された電子制御ユニットであり、本発明に係る「車両の制御装置」の一例である。ECU100は、ROMに格納された制御プログラムに従って、後述するLKA制御、EPS制御及びVGRS制御を夫々実行可能に構成されている。
尚、ECU100は、本発明に係る「偏差検出手段」、「決定手段」、「制御手段」、「操舵入力検出手段」及び「補正手段」の夫々一例として機能するように構成された一体の電子制御ユニットであり、これら各手段に係る動作は、全てECU100によって実行されるように構成されている。但し、本発明に係るこれら各手段の物理的、機械的及び電気的な構成はこれに限定されるものではなく、例えばこれら各手段は、複数のECU、各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等として構成されていてもよい。
車両10では、操舵入力手段としてのステアリングホイル11を介してドライバより与えられる操舵入力が、ステアリングホイル11と同軸回転可能に連結され、ステアリングホイル11と同一方向に回転可能な軸体たるアッパーステアリングシャフト12に伝達される。アッパーステアリングシャフト12は、その下流側の端部においてVGRSアクチュエータ200に連結されている。
VGRSアクチュエータ200は、ハウジング201、VGRSモータ202及び減速機構203を備えた、本発明に係る「操舵力付与手段」の一例である。
ハウジング201は、VGRSモータ202及び減速機構203を収容してなるVGRSアクチュエータ200の筐体である。ハウジング201には、前述したアッパーステアリングシャフト12の下流側の端部が固定されており、ハウジング201は、アッパーステアリングシャフト12と一体に回転可能となっている。
VGRSモータ202は、回転子たるロータ202a、固定子たるステータ202b及び駆動力の出力軸たる回転軸202cを有するDCブラシレスモータである。ステータ202bは、ハウジング201内部に固定されており、ロータ202aは、ハウジング201内部で回転可能に保持されている。回転軸202cは、ロータ202aと同軸回転可能に固定されており、その下流側の端部が減速機構203に連結されている。
減速機構203は、差動回転可能な複数の回転要素(サンギア、キャリア及びリングギア)を有する遊星歯車機構である。この複数の回転要素のうち、第1の回転要素たるサンギアは、VGRSモータ202の回転軸202cに連結されており、また、第2の回転要素たるキャリアは、ハウジング201に連結されている。そして第3の回転要素たるリングギアが、ロアステアリングシャフト13に連結されている。
このような構成を有する減速機構203によれば、ステアリングホイル11の操作量に応じたアッパーステアリングシャフト12の回転速度(即ち、キャリアに連結されたハウジング201の回転速度)と、VGRSモータ202の回転速度(即ち、サンギアに連結された回転軸202cの回転速度)とにより、残余の一回転要素たるリングギアに連結されたロアステアリングシャフト13の回転速度が一義的に決定される。この際、回転要素相互間の差動作用により、VGRSモータ202の回転速度を増減制御することによって、ロアステアリングシャフト13の回転速度を増減制御することが可能となる。即ち、VGRSモータ202及び減速機構203の作用により、アッパーステアリングシャフト12とロアステアリングシャフト13とは相対回転可能である。また、減速機構203における各回転要素の構成上、VGRSモータ202の回転速度は、各回転要素相互間のギア比に応じて定まる所定の減速比に従って減速された状態でロアステアリングシャフト13に伝達される。
このように、車両10では、アッパーステアリングシャフト12とロアステアリングシャフト13とが相対回転可能であることによって、アッパーステアリングシャフト12の回転量たる操舵角MAと、ロアステアリングシャフト13の回転量に応じて一義的に定まる(後述するラックアンドピニオン機構のギア比も関係する)転舵輪の一たる前輪の舵角θfとの比たる操舵伝達比K1が、予め定められた範囲で連続的に可変となる。
即ち、VGRSアクチュエータ200は、操舵角MAと舵角θfとの関係を変化させることが可能な、またドライバの操舵入力とは無関係に前輪の舵角θfを変化させることが可能な、本発明に係る「舵角可変手段」の一例としても機能し得るものである。
尚、減速機構203は、ここに例示した遊星歯車機構のみならず、他の態様(例えば、アッパーステアリングシャフト12及びロアステアリングシャフト13に夫々歯数の異なるギアを連結し、各ギアと一部分で接する可撓性のギアを設置すると共に、係る可撓性ギアを、波動発生器を介して伝達されるモータトルクにより回転させることによって、アッパーステアリングシャフト12とロアステアリングシャフト13とを相対回転させる態様等)を有していてもよいし、遊星歯車機構であれ上記と異なる物理的、機械的、又は機構的態様を有していてよい。
VGRS駆動装置300は、VGRSモータ202のステータ202bに対し通電可能に構成された、PWM回路、トランジスタ回路及びインバータ等を含む電気駆動回路である。VGRS駆動装置300は、図示せぬバッテリと電気的に接続されており、当該バッテリから供給される電力によりVGRSモータ202に駆動電圧を供給することが可能に構成されている。また、VGRS駆動装置300は、ECU100と電気的に接続されており、その動作はECU100により制御される構成となっている。尚、VGRS駆動装置300は、VGRSアクチュエータ200と共に、本発明に係る「操舵力付与手段」の一例を構成している。
ロアステアリングシャフト13の回転は、操舵機構19に伝達される。
操舵機構19は、所謂ラックアンドピニオン機構であり、ロアステアリングシャフト13の下流側端部に接続されたピニオンギア14及び当該ピニオンギアのギア歯と噛合するギア歯が形成されたラックバー15を含む機構である。操舵機構19は、ピニオンギア14の回転がラックバー15の図中左右方向の運動に変換されることにより、ラックバー15の両端部に連結されたタイロッド及びナックル(符号省略)を介して操舵力が各操舵輪に伝達される構成となっている。
EPSアクチュエータ400は、永久磁石が付設されてなる回転子たる不図示のロータと、当該ロータを取り囲む固定子であるステータとを含むDCブラシレスモータとしてのEPSモータを備えた、本発明に係る「操舵力付与手段」の一例である。このEPSモータは、EPS駆動装置500を介した当該ステータへの通電によりEPSモータ内に形成される回転磁界の作用によってロータが回転することにより、その回転方向にアシストトルクTAを発生可能に構成されている。
一方、EPSモータの回転軸たるモータ軸には、不図示の減速ギアが固定されており、この減速ギアはまた、ピニオンギア14と噛合している。このため、EPSモータから発せられるアシストトルクTAは、ピニオンギア14の回転をアシストするアシストトルクとして機能する。ピニオンギア14は、先に述べたようにロアステアリングシャフト13に連結されており、ロアステアリングシャフト13は、VGRSアクチュエータ200を介してアッパーステアリングシャフト12に連結されている。従って、アッパーステアリングシャフト12に加えられるドライバ操舵トルクMTは、アシストトルクTAにより適宜アシストされた形でラックバー15に伝達され、ドライバの操舵負担が軽減される構成となっている。
EPS駆動装置500は、EPSモータのステータに対し通電可能に構成された、PWM回路、トランジスタ回路及びインバータ等を含む電気駆動回路である。EPS駆動装置500は、図示せぬバッテリと電気的に接続されており、当該バッテリから供給される電力によりEPSモータに駆動電圧を供給することが可能に構成されている。また、EPS駆動装置500は、ECU100と電気的に接続されており、その動作はECU100により制御される構成となっている。尚、EPS駆動装置500は、EPSアクチュエータ400と共に、本発明に係る「操舵力付与手段」の一例を構成している。
尚、本発明に係る「操舵力付与手段」の態様は、ここに例示するものに限定されず、例えば、EPSモータから出力されるアシストトルクTAは、不図示の減速ギアによる回転速度の減速を伴って、直接ロアステアリングシャフト13に伝達されてもよいし、ラックバー15の往復運動をアシストする力として付与されてもよい。即ち、EPSモータ400から出力されるアシストトルクTAが、最終的に各操舵輪を操舵させる操舵力の少なくとも一部として供され得る限りにおいて、本発明に係る操舵力付与手段の具体的構成は何ら限定されない趣旨である。
一方、車両10には、操舵トルクセンサ16、操舵角センサ17及び回転センサ18を含む各種センサが備わっている。
操舵トルクセンサ16は、ドライバからステアリングホイル11を介して与えられるドライバ操舵トルクMTを検出可能に構成されたセンサである。より具体的に説明すると、アッパーステアリングシャフト12は、上流部と下流部とに分割されており、図示せぬトーションバーにより相互に連結された構成を有している。係るトーションバーの上流側及び下流側の両端部には、回転位相差検出用のリングが固定されている。このトーションバーは、車両10のドライバがステアリングホイル11を操作した際にアッパーステアリングシャフト12の上流部を介して伝達される操舵トルク(即ち、ドライバ操舵トルクMT)に応じてその回転方向に捩れる構成となっており、係る捩れを生じさせつつ下流部に操舵トルクを伝達可能に構成されている。従って、操舵トルクの伝達に際して、先に述べた回転位相差検出用のリング相互間には回転位相差が発生する。操舵トルクセンサ16は、係る回転位相差を検出すると共に、係る回転位相差を操舵トルクに換算して操舵トルクMTに対応する電気信号として出力可能に構成されている。また、操舵トルクセンサ16は、ECU100と電気的に接続されており、検出された操舵トルクMTは、ECU100により一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
操舵角センサ17は、アッパーステアリングシャフト12の回転量を表す操舵角MAを検出可能に構成された角度センサである。操舵角センサ17は、ECU100と電気的に接続されており、検出された操舵角MAは、ECU100により一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
回転センサ18は、VGRSアクチュエータ200におけるハウジング201(即ち、回転角で言うならばアッパーステアリングシャフト12と同等である)とロアステアリングシャフト13との回転位相差Δθを検出可能に構成されたロータリーエンコーダである。回転センサ18は、ECU100と電気的に接続されており、検出された回転位相差Δθは、ECU100により一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
車載カメラ20は、車両10のフロントノーズに設置され、車両10の前方における所定領域を撮像可能に構成された撮像装置である。車載カメラ20は、ECU100と電気的に接続されており、撮像された前方領域は、画像データとしてECU100に一定又は不定の周期で送出される構成となっている。ECU100は、この画像データを解析し、後述するLKA制御に必要な各種データを取得することが可能である。
車速センサ21は、車両10の速度たる車速Vを検出可能に構成されたセンサである。車速センサ21は、ECU100と電気的に接続されており、検出された車速Vは、ECU100により一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
ARSアクチュエータ600は、図示せぬパワーシリンダと、当該パワーシリンダに図示左右方向の往復駆動力を付与するARSモータを備え、このモータから付与される駆動力によって、当該パワーシリンダの両端に連結されたリアステアロッド(符合省略)を左右方向に所定量駆動させることにより、転舵輪たる後輪の舵角θrを変化させることが可能な、本発明に係る「操舵力付与手段」の更に他の一例である。
尚、ARSアクチュエータ600は、操舵入力手段としてのステアリングシャフト11とは機械的に連結されておらず、電気信号に応じてドライバの操舵入力から独立して後輪舵角θrを変化させ得る装置である。また、当然ながら操舵角MAと後輪舵角θrとの関係は一義に規定されない。即ち、ARSアクチュエータ600は、一種のSBW装置であり、本発明に係る「舵角可変手段」の他の一例である。
ARS駆動装置700は、ARSモータに対し通電可能に構成された、PWM回路、トランジスタ回路及びインバータ等を含む電気駆動回路である。ARS駆動装置700は、図示せぬバッテリと電気的に接続されており、当該バッテリから供給される電力によりARSモータに駆動電圧を供給することが可能に構成されている。また、ARS駆動装置700は、ECU100と電気的に接続されており、その動作はECU100により制御される構成となっている。
尚、ARS駆動装置700は、ARSアクチュエータ600と共に、本発明に係る「操舵力付与手段」の一例を構成している。このように、本実施形態に係る車両10は、所謂四輪操舵と称される操舵態様を有しているが、後輪の操舵を可能とする車両構成は、図示のものに限定されず公知の各種態様を採ってよい。
<実施形態の動作>
以下、適宜図面を参照し、本実施形態の動作について説明する。
始めに、図2を参照し、ECU100により実行されるLKA制御の詳細について説明する。ここに、図2は、LKA制御のフローチャートである。尚、LKA制御は、車両10を目標走行路(本実施形態では、即ち車線(レーン)である)に追従させる制御であり、車両10が有する走行支援制御の一である。
図2において、ECU100は、車両10に備わる各種スイッチ類の操作信号、各種フラグ及び上記各種センサに係るセンサ信号等を含む各種信号を読み込む(ステップS101)と共に、予め車両10の車室内に設置されたLKA制御発動用の操作ボタンがドライバにより操作される等した結果としてLKAモードが選択されているか否かを判別する(ステップS102)。LKAモードが選択されていない場合(ステップS102:NO)、ECU100は、処理をステップS101に戻す。
LKAモードが選択されている場合(ステップS102:YES)、ECU100は、車載カメラ20から送出される画像データに基づいて、LKAの目標走行路を規定する白線(白色である必要はない)が検出されているか否かを判別する(ステップS103)白線が検出されていない場合(ステップS103:NO)、仮想の目標走行路を設定できないため、ECU100は、処理をステップS101に戻す。一方、白線が検出されている場合(ステップS103:YES)、ECU100は、車両10を目標走行路に追従させるに際して必要となる各種路面情報を算出する(ステップS104)。
ステップS104においては、目標走行路の半径R(即ち、曲率の逆数である)、白線と車両10との横方向の偏差たる横方向偏差Y及び白線と車両10とのヨー角偏差φが算出される。ここで、ステップS104において算出される横方向偏差Y及びヨー角偏差φは、夫々本発明に係る「位置状態偏差」の一例であり、ステップS104においてこれらが算出されるにあたっては、ドライバによるステアリングホイル11のオーバーライド操作を考慮した算出プロセスが適用される。このオーバーライド操作を考慮した算出プロセスについては後述する。尚、目標走行路の半径R(以下、適宜「走行路半径R」とする)の算出については、上記画像データに基づいた公知の画像解析アルゴリズムが適用可能であるが、その算出プロセス自体は、本発明との相関が低いため、ここではその詳細を省略することとする。
これら各種路面情報が算出されると、ECU100は、車両10を目標走行路へ追従させるために必要となる目標横加速度GYTGを算出する(ステップS105)。尚、目標横加速度GYTGも、公知の各種アルゴリズム或いは演算式に従って算出可能である。或いは、ECU100は、予めROM等の然るべき記憶手段に、上記走行路半径R、横方向偏差Y及びヨー角偏差φをパラメータとする目標横加速度マップを保持し、適宜該当する値を選択することにより目標横加速度GYTGを算出(この種の選択もまた算出の一態様である)してもよい。
尚、補足すると、ECU100は、算出された半径R、横方向偏差Y及びヨー角偏差φに対し、夫々フィードバックゲインKr、Ky及びKφを乗じると共に、これらフィードバック制御項を加算することにより目標横加速度GYTGを算出する。定性的には、走行路半径Rが小さい程、横方向偏差Yが大きい程、またヨー角偏差φが大きい程、目標横加速度GYTGは大きくなる。
目標横加速度GYTGが算出されると、処理は二系統に分岐する。即ち、一方の処理において、ECU100は、LKA目標アシストトルクTLKを算出し(ステップS106)、該算出されたLKA目標アシストトルクTLKをフラッシュメモリやRAM等の書き換え可能な然るべき記憶手段に記憶させる(ステップS107)。LKA目標アシストトルクTLKは、予めROMに格納された、目標横加速度GYTGと車速VとをパラメータとするLKA目標アシストトルクマップに規定されており、ECU100は当該マップから該当する数値を選択することによりLKA目標アシストトルクTLKを算出する。
また、他方の処理において、ECU100は、目標横加速度GYTGに基づいてLKA基本目標角θLKBを算出し(ステップS108)、続いて走行路半径Rに基づいて調整ゲインK2を算出する(ステップS109)。更に、ECU100は、下記(1)式に従って、LKA補正目標角θLKを算出する(ステップS110)。LKA補正目標角θLKが算出されると、ECU100は、この算出されたLKA補正目標角θLKをRAM或いはフラッシュメモリ等の記憶手段に記憶させる(ステップS111)。
θLK=θLKB×K2・・・(1)
ここで、図3を参照し、目標横加速度GYTGとLKA基本目標角θLKBとの関係について説明する。ここに、図3は、目標横加速度GYTGとLKA基本目標角θLKBとの関係を表す模式図である。
図3において、縦軸にはLKA基本目標角θLKBが表され、横軸には目標横加速度GYTGが表されている。ここで、目標横加速度GYTG=0に相当する原点ラインの左側の領域は、車両左方向に対応する目標横加速度であり、同様に右側の領域は車両右方向に対応する横加速度を表す。また、LKA基本目標角θLKB=0に相当する原点ラインの上側の領域は、車両右方向の舵角に対応しており、同様に下側の領域は車両左方向の舵角に対応している。従って、LKA基本目標各θLKBは、係る原点ラインを境にして対称な特性となる。LKA基本目標角θLKBは、目標横加速度GYTG=0付近の不感帯を除けば、目標横加速度GYTGに対し絶対値がリニアに増加する特性を有する。
一方、図3には、車速V=V1、V2(V2>V1)及びV3(V3>V2)なる三種類の車速Vに対するLKA基本目標角θLKBの特性が、夫々図示鎖線、破線及び実線にて例示される。これらの図示より明らかなように、LKA基本目標角θLKBは、高車速側程減少側で設定される。これは、車速が高い程、舵角に対し発生する横加速度の度合いが大きくなるためである。尚、ECU100のROMには、予め図3に示す関係を数値化してなるLKA基本目標角マップが格納されており(無論、パラメータ値としての車速Vはより精細である)、ステップS108においては、係るLKA基本目標角マップから該当する値が選択される。
ここで、図4を参照し、曲率Rと調整ゲインK2との関係について説明する。ここに、図4は、走行路半径Rと調整ゲインK2との関係を表す模式図である。
図4において、縦軸には調整ゲインK2が表され、横軸には目標走行路の半径Rが表されている。即ち、図中左側へ向う程、目標走行路は急激に湾曲し(即ち、急カーブである)、右側へ向かう程、目標走行路は直線に近付くことになる。図示するように、調整ゲインK2は、1未満の領域で設定され、走行路の半径Rが大きい程(即ち、直線に近付く程)小さく設定される。これは、走行路半径が小さい程、ステアリングホイル11の操舵が許容される(ドライバから見て違和感が生じない)ためである。
尚、ECU100のROMには、予め図4に示す関係を数値化してなる調整ゲインマップが格納されており、ステップS109においては、係る調整ゲインマップから該当する値が選択される。
図2に戻り、ステップS107及びステップS111において夫々LKA目標アシストトルクTLK及びLKA補正目標角θLKが算出されると、処理はステップS101に戻される。LKA制御はこのように実行される。
一方、目標走行路への車両10の実際の追従動作は、EPS制御により実現される。ここで、図5を参照し、EPS制御の詳細について説明する。ここに、図5はEPS制御のフローチャートである。尚、同図において、図2と重複する箇所には同一の符合を付してその説明を適宜省略することとする。
図5において、ECU100は、各種信号を読み込んだ後(ステップS101)、ドライバ操舵トルクMT及び車速Vを取得する(ステップS201)。続いて、ECU100は、この取得されたドライバ操舵トルクMT及び車速Vに基づいて、EPSアクチュエータ400のEPSモータから出力すべきアシストトルクTAの基本値であるEPS基本目標トルクTBASEを算出する(ステップS202)。
ここで、図6を参照し、EPS基本目標トルクTBASEとドライバ操舵トルクMTとの関係について説明する。ここに、図6は、EPS基本目標トルクTBASEとドライバ操舵トルクMTとの関係を表す模式図である。
図6において、縦軸にはEPS基本目標トルクTBASEが表され、横軸にはドライバ操舵トルクMTが表されている。尚、ドライバ操舵トルクMT=0に相当する原点ラインの左側の領域は、車両左側への操舵操作に対応しており、同様に右側の領域は、車両右側の操舵操作に対応している。従って、図中EPS基本目標トルクTBASEは、係る原点ラインを境に対称な特性となる。
また、EPS基本目標トルクTBASEは、負値を採らない。EPS基本目標トルクTBASEが負値を採るとは、ステアリングホイル11の操舵方向と逆方向への言わば逆アシストがなされることを意味し、本実施形態では、車両10の挙動安定化を図る目的から、EPSアクチュエータ400が逆アシスト状態にならないように、EPS基本目標トルクTBASEが決定される。
一方、図6には、車速V=V1、V2(V2>V1)及びV3(V3>V2)なる三種類の車速Vに対するEPS基本目標トルクTBASEの特性が、夫々図示鎖線、破線及び実線にて例示される。図示より明らかなように、EPS基本目標トルクTBASEは、車速が高い程減少側で設定される。これは、車速が高い程、必要な横加速度を得るための舵角が小さくなるためであり、高車速側でステアリングホイル11の操舵に要する力を大きく(即ち、所謂ハンドルが重い状態である)することにより、ドライバの過度な操作を防止して車両10の挙動の安定化が図られるのである。尚、ECU100のROMには、予め図6に示す関係を数値化してなるEPS基本目標トルクマップが格納されており(無論、パラメータ値としての車速Vはより精細である)、ステップS202においては、係るEPS基本目標トルクマップから該当する値が選択される。
図5に戻り、ECU100は、ステップS202において算出されたEPS基本目標トルクTBASEと、先に算出され記憶されているLKA目標アシストトルクTLKとに基づいて、下記(2)式に従ってEPS最終目標トルクTTGを算出する(ステップS203)。
TTG=TBASE+TLK・・・(2)
EPS最終目標トルクTTGが算出されると、ECU100は、この算出されたEPS最終目標トルクTTGに基づいてEPS駆動装置500を制御し、EPSアクチュエータ400のEPSモータから、このEPS最終目標トルクTTGに対応するアシストトルクTAを出力させる(ステップS204)。ステップS204が実行されると、処理はステップS101に戻される。
このように、本実施形態では、EPSアクチュエータ400が、車両10を目標走行路に追従させるためのメインシステムとして機能し、ドライバの操舵操作に対応する通常のアシストトルクに加えて、車両10を目標走行路へ追従させるためのLKA目標アシストトルクTLKが出力される。
一方、EPSアクチュエータ400は、ステアリングホイル11の操舵角と転舵輪の実舵角との関係を変化させるものではないから、EPSアクチュエータ400からのアシストトルクの付与により目標走行路への追従がなされる場合、舵角の変化に応じてステアリングホイル11がドライバの意思とは無関係に操舵される。このため、ドライバが違和感を覚え、ドライバ側の不要な操舵操作を誘発する可能性が生じ得る。そこで、本実施形態では、このようにEPSアクチュエータ400により車両10を目標走行路へ追従させるに際しての挙動変化を、VGRS制御によって補償している。
ここで、図7を参照し、VGRS制御の詳細について説明する。ここに、図7は、VGRS制御のフローチャートである。尚、同図において、図2と重複する箇所には同一の符合を付してその説明を適宜省略することとする。
図7において、各種信号を読み込むと(ステップS101)、ECU100は、車速V及び操舵角MAを取得する(ステップS301)と共に、下記(3)式に従ってVGRS通常目標角用入力θinputを算出する(ステップS302)。
θinput=MA−θmaref・・・(3)
ここで、θmarefは、LKA制御中の操舵角を意味するLKA操舵角であり、下記(4)式によって規定される。
θmaref=θLKB−θLK・・・(4)
上記(3)式及び(4)式から明らかなように、VGRS通常目標角用入力θinputは、LKA制御に必要となるLKA操舵角を基準とした操舵角の変化量であり、即ち、本発明に係る「ドライバ操舵入力」の一例である。ドライバ操舵入力がない、即ちドライバが何らオーバーライド操作を行わない場合、操舵角MAは、LKA操舵角と等しくなり、VGRS通常目標角用入力θinputはゼロとなる。
ECU100は、ステップS301で取得した値と、このVGRS通常目標角用入力θinputに基づいて、下記(5)式に従い、アッパーステアリングシャフト12の回転角たる操舵角MAに対するロアステアリングシャフト13の相対回転角の基本値であるVGRS通常目標角θVGを算出する(ステップS303)。
θVG=K1×θinput・・・(5)
上記(5)式において、K1は、操舵角MAに対するロアステアリングシャフト13の回転角を規定する操舵伝達比であり、車速Vに応じて可変な数値である。ここで、図8を参照し、操舵伝達比K1と車速Vとの関係について説明する。ここに、図8は、操舵伝達比K1と車速Vとの関係を表す模式図である。
図8において、PRF_K1_A(実線)は、非LKA制御時の操舵伝達比K1の車速感応特性であり、PRF_K1_B(破線)は、LKA制御時の同車速感応特性である。
非LKA制御時において、操舵伝達比K1は、中車速領域のある車速において0(即ち、アッパーステアリングシャフト12とロアステアリングシャフト13との回転比が1:1)となり、それよりも低車速側では0より大きく、高車速側では0未満となる。即ち、低車速側程、小さい操舵角で大きい舵角変化が得られる構成となっている。これは、既に述べたように、高車速程、舵角に対する横加速度が大きくなることに起因する。
一方、LKA制御時における操舵伝達比K1は、非LKA制御時とその波形は略等しいものの、より減少側にオフセットされた特性となっている。即ち、操舵伝達比K1は、極低車速領域を除く殆どの車速領域において0未満であり、非LKA制御時と較べて、操舵角に対する舵角変化は小さいものとなっている。これは、LKA性御時には、目標走行路に対する自動追従が行われるため、ドライバのステアリング操作などに起因する外乱の影響によって車両10の走行安定性が損なわれることを効果的に抑制するためである。
図7に戻り、ECU100は更に、この算出されたVGRS通常目標角θVGと、先に算出され記憶されているLKA補正目標角θLKとに基づいて、式(6)に従ってVGRS最終目標角θTGFを算出する(ステップS304)。
θTGF=θVG+θLK・・・(6)
VGRS最終目標角θTGFが算出されると、ECU100は、この算出されたVGRS最終目標角θTGFに基づいてVGRS駆動装置300を制御し、VGRSアクチュエータ200のVGRSモータ202を、このVGRS最終目標角θTGFに対応する分回転させる(ステップS305)。ステップS305が実行されると、処理はステップS101に戻される。
このように、本実施形態に係るVGRS制御によれば、通常のVGRSの目標角に対し、LKA補正目標角θLKが別途付加されるため、先のEPS制御により車両10を目標走行路へ追従させるに際した操舵角MAの変化を抑制することが可能となる。このため、ドライバに与える違和感が軽減され、ドライバの心理的負担を軽減することが可能となって、車両10の挙動を安定させることが可能となる。
一方、このようにLKA補正目標角θLKにより、操舵角MAの変化が抑制される点に鑑みれば、本実施形態に係るVGRS制御において操舵角MAを低減するにあたり、操舵角MAに対するロアステアリングシャフト13の回転角の変化特性(即ち、操舵伝達比K1)を変化させる必要はない。このため、操舵伝達比K1を大きくして、EPS制御によって生じる舵角の変化が操舵角に与える影響を低減する必要はなくなり、このような措置を講じた場合に生じる、ドライバ操舵に対する舵角の変化の増加が車両挙動を不安定化させるといった問題も好適に解決される。特に、本実施形態では、先に述べたように、操舵伝達比K1を、この種の目標走行路への自動追従がなされない場合と較べて減少させている。このため、LKA制御の実行中において外乱としての操舵入力(例えば、ハンドル取られ等)が舵角に与える影響をより低下させる旨の効果を得ることができる。
次に、LKA制御におけるステップS104に係る処理(横方向偏差Y及びヨー角偏差φの算出処理)の詳細について説明する。
LKA制御中においても、所謂オーバーライド操作としてのドライバの操舵入力は発生する。オーバーライド操作は、ドライバの操舵意思に基づいた操舵入力であり、例えば、ハンドル取られや意図しないステアリング操作等とは異なり、舵角への反映が要求される入力である。ところが、図8に示されるように、LKA制御中に生じた操舵入力に対し、操舵伝達比K1は小さく設定されており、LKA制御中に生じたドライバのオーバーライド操作は、舵角変化に反映され難くなっている。また、LKA制御中に、ドライバのオーバーライド操作に応じて舵角を変化させても、係る舵角の変化に惹起された横方向偏差Y及びヨー角偏差φの変化は、フィードバック制御たる目標横加速度GYTGの決定プロセスにおいて即座に抑制される。即ち、何らの措置も講じられることがなければ、LKA制御は、ドライバのオーバーライド操作に対し過度に干渉する形となり、ドライバが、システム側で用意される目標走行路(例えば、レーンの中央等)よりも左右いずれか一方に偏った走行路に車両を追従させたいと所望しても、実現が難しい。
一方、先に述べた、目標横加速度GYTGの算出ロジックを構成する各フィードバックゲイン(例えば、Ky或いはKφ)を、目標横加速度GYTGに対する各偏差の影響が低下する側へ補正しようとすると、オーバーライド操作とは異なる外乱要素である、横風や路面勾配による位置変化の収束速度及び収束精度が低下してしまう。このような収束速度及び収束精度の低下は、LKA制御の制御品質自体を極度に低下させるため望ましくない。そこで、本実施形態では、夫々目標横加速度GYTGを規定する横方向偏差Y及びヨー角偏差φ(位置状態偏差)が、夫々下記(7)式及び(8)式に従って算出される。
Y=Yref+ΔYcomp−Yt・・・(7)
φ=φref+Δφcomp−φt・・・(8)
ここで、(7)式において、Yrefは車両10の目標横位置であり、ΔYcompは許容横方向偏差であり、Ytは車両10の実際の横位置である。尚、上記(7)式における「Yref−Yt」とは、実制御上は、目標走行路に対する厳密な意味での横方向偏差であり、ECU100が、車載カメラ20から提供される画像データに基づいて直接算出可能である。また、(8)式において、φrefは車両10の目標ヨー角であり、Δφcompは許容ヨー角偏差であり、φtは車両10の実際のヨー角である。尚、上記(8)式における「φref−φt」とは、実制御上は、目標走行路に対する厳密な意味でのヨー角偏差であり、ECU100が、車載カメラ20から提供される画像データに基づいて直接算出可能である。
一方、許容横方向偏差ΔYcompは、下記(9)式に従って算出される。
ΔYcomp=K3×ΔYbase・・・(9)
上記(9)式において、ΔYbaseは、基本許容横方向偏差であり、K3は、走行路半径Rに応じて可変な横方向偏差補正ゲインである。
ここで、図9を参照して、基本許容横方向偏差ΔYbaseについて説明する。ここに、図9は、VGRS通常目標角用入力θinputと基本許容横方向偏差ΔYbaseとの関係を表す模式図である。
図9において、基本許容横方向偏差ΔYbaseは、左右のいずれの操舵方向についてもVGRS通常目標角用入力θinputに対し等しい特性を有しており、VGRS通常目標角用入力θinputが極小さい不感帯領域(尚、この不感帯領域は、ドライバの明確な操舵意思に基づいたオーバーライド操作であるか否かを判別するための一種の閾値的な役割を果たす)と、基本許容横方向偏差ΔYbaseが上限値ΔYbasemaxに制限される、VGRS通常目標角用入力θinputが相対的に大きい制限領域を除いて、VGRS通常目標角用入力θinputに対し単調増加する。
但し、この基本許容横方向偏差ΔYbaseは、車速Vの関数であり、高車速側(図示V=HIGH(破線)に対応する)では、低車速側(図示V=LOW(実線)に対応する)よりも早く立ち上がり且つ早く飽和する傾向を有する。これは、車速が高い程、舵角変化に対する車両10の挙動変化が早く且つ大きく発生するからである。
尚、基本許容横方向偏差ΔYbaseの最大値は、LKA制御の本来の目標走行路(ある車線)を超えることのないように予め実験的に適合されている。補足すれば、車線を超える程度の操舵入力が生じた場合、LKA制御は迅速に終了させるのが望ましいのである。
次に、図10を参照して、横方向偏差補正ゲインK3について説明する。ここに、図10は、走行路半径Rと横方向偏差補正ゲインK3との関係を表す模式図である。
図10において、横方向偏差補正ゲインK3は、走行路半径Rが大きい略直線領域において1近傍の最大値(尚、適合値でり、これは一例である)を採り、走行路半径Rが極小さい急カーブ領域において0.5近傍の最小値(尚、適合値であり、これは一例である)を採る。また急カーブ領域から略直線領域へと変化する過渡期間については、最大値に向かって漸増する。
これら基本許容横方向偏差ΔYbase及び横方向偏差補正ゲインK3の特性に鑑みると、許容横方向偏差ΔYcompは、略直線領域で比較的VGRS通常目標角用入力θinputが大きい領域では、最大値としてΔYbasemax近傍の値を採り、急カーブ領域で比較的VGRS通常目標角用入力θinputが小さい領域では、最小値としてゼロを採る。
ここで、上記(7)式によれば、フィードバック制御上の横方向偏差Yには、この許容横方向偏差ΔYcompが加算される。従って、操舵入力としてのドライバのオーバーライド操作が発生すると、その度合いが大きい程、その操舵方向への横方向偏差が許容されることとなる。即ち、オーバーライド操作により操舵方向への車両10の偏向が始まると、制御上の横方向偏差Yは、許容横方向偏差ΔYcompによって規定される収束値に向かって収束する方向となり、目標横方向加速度GYTGが、オーバーライド操作による舵角変化を阻害する方向へ作用することがなくなる。
従って、オーバーライド操作が生じた場合に、ドライバの操舵意思を反映した目標走行路(本来の目標走行路から相応に乖離した仮想の走行路である)へ車両10を速やかに追従させることが可能となる。一方で、許容横方向偏差ΔYcompは、横方向偏差Yの算出にのみ限定的に影響する、本発明に係る「位置状態偏差の許容範囲」の一例であり、横風や路面勾配等に起因する外乱入力に対するLKA制御の追従性及び収束性は、何ら変わりなく担保される。即ち、本実施形態によれば、LKA制御がオーバーライド操作による舵角制御に過度に干渉することを防止しつつ、LKA制御の制御品質が確実に担保されるのである。
次に、許容ヨー角偏差Δφcompは、下記(10)式に従って算出される。
Δφcomp=K4×Δφbase・・・(10)
上記(10)式において、Δφbaseは、基本許容ヨー角偏差であり、K4は、走行路半径Rに応じて可変なヨー角偏差補正ゲインである。
ここで、図11を参照して、基本許容ヨー角偏差Δφbaseについて説明する。ここに、図11は、VGRS通常目標角用入力θinputと基本許容ヨー角偏差Δφbaseとの関係を表す模式図である。
図11において、基本許容ヨー角偏差Δφbaseは、左右のいずれの操舵方向についてもVGRS通常目標角用入力θinputに対し等しい特性を有しており、VGRS通常目標角用入力θinputが極小さい不感帯領域(尚、この不感帯領域は、ドライバの明確な操舵意思に基づいたオーバーライド操作であるか否かを判別するための一種の閾値的な役割を果たす)と、基本許容ヨー角偏差Δφbaseが上限値Δφbasemax(車速に応じて異なる)に制限される、VGRS通常目標角用入力θinputが相対的に大きい制限領域を除いて、VGRS通常目標角用入力θinputに対し単調増加する。
但し、この基本許容ヨー角偏差Δφbaseは、車速Vの関数であり、高車速側(図示V=HIGH(破線)に対応する)では、低車速側(図示V=LOW(実線)に対応する)よりも早く立ち上がり且つ早く飽和すると共に、最大値が減少する傾向を有する(Δφbasemax1>Δφbasemax2)。これは、車速が高い程、舵角変化に対する車両10の挙動変化が早く且つ大きく発生するからである。
尚、基本許容ヨー角偏差Δφbaseの最大値は、LKA制御に許容される最大横方向加速度を超えないように予め実験的に適合されている。
次に、図12を参照して、ヨー角偏差補正ゲインK4について説明する。ここに、図12は、走行路半径Rとヨー角偏差補正ゲインK4との関係を表す模式図である。
図12において、ヨー角偏差補正ゲインK4は、走行路半径Rが極小さい急カーブ領域において1近傍の最大値(尚、適合値でり、これは一例である)を採り、走行路半径Rが大きい略直線領域において0.5近傍の最小値(尚、適合値であり、これは一例である)を採る。また急カーブ領域から略直線領域へと変化する過渡期間については、最小値に向かって漸減する。
これら基本許容ヨー角偏差Δφbase及びヨー角偏差補正ゲインK4の特性に鑑みると、許容ヨー角偏差Δφcompは、急カーブ領域で比較的VGRS通常目標角用入力θinputが大きい領域では、最大値としてΔφbasemax近傍の値を採り、略直線領域で比較的VGRS通常目標角用入力θinputが小さい領域では、最小値としてゼロを採る。
ここで、上記(8)式によれば、フィードバック制御上のヨー角偏差φには、この許容ヨー角偏差Δφcompが加算される。従って、操舵入力としてのドライバのオーバーライド操作が発生すると、その度合いが大きい程、ヨー角偏差が許容されることとなる。即ち、オーバーライド操作により操舵方向への車両10の偏向が始まると、制御上のヨー角偏差φは、許容ヨー角偏差φcompによって規定される収束値に向かって収束する方向となり、目標横方向加速度GYTGが、オーバーライド操作による舵角変化を阻害する方向へ作用することがなくなる。
従って、オーバーライド操作が生じた場合に、ドライバの操舵意思を反映した目標走行路(本来の目標走行路から相応に乖離した仮想の走行路である)へ車両10を速やかに追従させることが可能となる。一方で、許容ヨー角偏差Δφcompは、ヨー角偏差φの算出にのみ限定的に影響する、本発明に係る「位置状態偏差の許容範囲」の他の一例であり、横風や路面勾配等に起因する外乱入力に対するLKA制御の追従性及び収束性は、何ら変わりなく担保される。即ち、本実施形態によれば、LKA制御がオーバーライド操作による舵角制御に過度に干渉することを防止しつつ、LKA制御の制御品質が確実に担保されるのである。
また、ヨー角偏差補正ゲインK4と横方向偏差補正ゲインK3との関係は、走行路半径Rに対してちょうど逆であり、走行路半径Rが小さい急カーブ領域において、目標横加速度GYTGの算出にヨー角偏差φをより支配的に反映させ、走行路半径Rが大きい略直線領域において、目標横加速度GYTGの算出に横方向偏差Yをより支配的に反映させることができる。より具体的には、直進走行時において本来大きく生じないはずであるヨー角偏差を過度に許容すると、車両10の挙動が不安定となり易く、LKA制御の安定性を低下させる可能性があり、車両旋回時には、横方向偏差よりもヨー角偏差の方が正確に車両の挙動を表し得るのである。
以上説明したように、本実施形態に係る車両10によれば、LKA制御中において、VGRSアクチュエータ200の制御量(即ち、本発明に係る操舵力付与手段の制御量の一例である)が決定されるにあたり、ドライバによるオーバーライド操作が生じた場合には、目標横加速度GYTGを規定する車両10の横方向偏差Y及びヨー角偏差φに対し、許容量が設定され、オーバーライド装置により規定される操舵方向への車両挙動が相応に許容される。即ち、相対的に見れば、目標走行路自体がオーバーライド操作に係る操舵方向へシフトする形となる。そのため、LKA制御の収束性や追従性に何ら影響を与えることなく、ドライバの操舵意思を車両挙動に的角に反映させることが可能となるのである。
尚、本実施形態においては、上述したように横方向偏差Y及びヨー角偏差φを夫々規定する許容横方向偏差ΔYcomp及び許容ヨー角偏差Δφcompが設定されることにより各偏差が補正されたが、これら偏差の補正が、実質的に車両10が追従すべき走行路を本来の目標走行路からシフトさせる効能を有する点に鑑みれば、ECU100は、オーバーライド操作が生じた場合に、これら偏差の補正に代えて、目標走行路自体をオーバーライド操作により規定される操舵方向へ所定量シフトさせてもよい。このようにすれば、オーバーライド操作が生じた場合に、目標走行路にドライバの操舵意思を反映させることが可能となり、上記と同様の効果を得ることができる。
尚、本実施形態においては、説明の煩雑化を防ぐ目的から、後輪の操舵を可能とするASアクチュエータ600のLKA制御中の作用については省略されている。然るに、後輪操舵においては、後輪の右転舵が車両の左旋回に、左転舵が右旋回に夫々対応しており、基本的には、上述した前輪に係るVGRS制御を適用可能である。また、本実施形態において、LKA制御中のオーバーライド操作発生時において、直進走行に対しては横方向偏差Yが主たる偏差として機能する構成となっている。これは、本実施形態に係る車両10のように所謂四輪操舵機能を有する車両における、前後輪の同位相制御を前提とするものであり、直進時のオーバーライド操作に対しては、四輪同位相制御により、ヨー角偏差の発生を抑制しつつ極めて円滑にオーバーライド操作に対する挙動変化を生じさせることができるのである。
<第2実施形態>
第1実施形態においては、LKA制御中にオーバーライド操作が生じた場合、目標横方向加速度GYTGの算出過程における横方向偏差Y及びヨー角偏差φを補正することによって、ドライバの操舵意思を車両挙動に反映させているが、これら偏差の補正に供される上述の許容値を設定する以外にも、ドライバの操舵意思を車両挙動に反映させることができる。
ここで、図13を参照し、このような趣旨に基づく本発明の第2実施形態について説明する。ここに、図13は、VGRS通常目標角用入力θinputとオーバーライド補正用VGRS目標角θovrとの関係を表す模式図である。
図13におけるオーバーライド補正用VGRS補正角θOVRとは、VGRS制御におけるステップS304に使用される値である。即ち、第2実施形態においては、VGRS制御におけるVGRS最終目標角θTGFが、下記(11)式に従って算出される。
θTGF=θVG+θLK+θOVR・・・(11)
即ち、本実施形態によれば、LKA制御中にオーバーライド操作が生じた場合、直接VGRSアクチュエータ200の制御量が増量側に補正される。VGRS通常目標角用入力θinputに対するオーバーライド補正用VGRS補正角θOVRの変化特性は図示の通り、既に述べたものと同様の不感帯領域及び制限領域(最大値θOVRmaxに制限される領域)を除き、基本的に単調増加であり、且つ車速Vに応じてより大きく設定される。
このように、本実施形態によれば、直接VGRSアクチュエータ200の制御量が補正される。ここで、このような補正もまた、第1実施形態に係る許容偏差と同様に、LKA制御の収束性や追従性を規定するフィードバック制御ロジックの範囲外にあるものであり、LKA制御の収束性や追従性に対し影響を与えない。従って、例えば横風や路面勾配等の外乱要素による目標走行路からのズレに関しては、何ら問題なく迅速に収束させることができる。即ち、LKA制御の制御品質を低下させることなく、ドライバのオーバーライド操作を的確に車両挙動に反映させることが可能となるのである。
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う車両の制御装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明は、例えば、車両を目標走行路に追従させる機能を有する車両に利用可能である。
FL、FR、RL、RR…車輪、10…車両、11…ステアリングホイル、12…アッパーステアリングシャフト、13…ロアステアリングシャフト、14…ピニオンギア、16…操舵角センサ、17…操舵トルクセンサ、18…回転角センサ、100…ECU、200…VGRSアクチュエータ、300…VGRS駆動装置、400…EPSアクチュエータ、500…EPS駆動装置、600…ARSアクチュエータ、700…ARS駆動装置。

Claims (8)

  1. 転舵輪に対し該転舵輪の舵角の変化を促す操舵力を付与可能な操舵力付与手段を備えた車両を制御する装置であって、
    維持すべき目標走行路と前記車両との相対的位置関係を規定する位置状態偏差を検出する偏差検出手段と、
    前記検出された位置状態偏差に基づいて前記車両の走行路を目標走行路に維持するための前記操舵力付与手段の制御量を決定する決定手段と、
    該決定された制御量に従って前記操舵力付与手段を制御することにより前記走行路を前記目標走行路に維持する制御手段と、
    ドライバの操舵入力を検出する操舵入力検出手段と、
    前記走行路が前記目標走行路に維持される期間において前記操舵入力が検出された場合に、前記検出された操舵入力が反映されるように前記制御量の決定基準を補正する補正手段と
    を具備することを特徴とする車両の制御装置。
  2. 前記操舵力付与手段は、操舵角と前記舵角との関係を変更可能な舵角可変手段を含み、
    前記制御手段は、該舵角可変手段を介して前記ドライバの操舵入力とは独立して前記舵角を変化させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 前記決定基準は、前記位置状態偏差を規定する条件である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の制御装置。
  4. 前記位置状態偏差を規定する条件は、前記目標走行路であり、
    前記補正手段は、前記検出された操舵入力により規定される操舵方向へ前記目標走行路をシフトさせる
    ことを特徴とする請求項3に記載の車両の制御装置。
  5. 前記位置状態偏差を規定する条件は、前記位置状態偏差の許容範囲であり、
    前記補正手段は、前記操舵入力が検出されない場合と較べて前記許容範囲を拡大する
    ことを特徴とする請求項3に記載の車両の制御装置。
  6. 前記操舵入力検出手段は、前記操舵入力の度合いを検出可能であり、
    前記補正手段は、前記検出される操舵入力が大きい程、前記決定基準の補正量を大きくする
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の車両の制御装置。
  7. 前記補正手段は、前記車両の走行条件に応じて前記決定基準の補正量を変化させる
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の車両の制御装置。
  8. 前記補正手段は、上限値により規定される所定の制限範囲内で前記決定基準を補正する
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の車両の制御装置。
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