JP5516754B2 - 車両の操舵制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、VGRS(Variable Gear Ratio Steering:操舵伝達比可変装置)、ARS(Active Rear Steering:後輪操舵装置)、AWS(All Wheel Steering:全輪操舵装置)或いはSBW(Steer By Wire:電子制御舵角可変装置)等、ハンドル操作と無関係に舵角を変化させ得る各種の舵角可変装置を搭載した車両の操舵状態を制御する、車両の操舵制御装置の技術分野に関する。
この種の装置として、舵角中点を演算するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された電動パワーステアリング装置によれば、ハンドル角、車速及びラックバーの軸力に基づいて車両の直進状態を正確に判定することができるため、舵角中点がずれていることに起因して運転者がハンドルを中立位置に戻すように操舵トルクを付与した状態であっても、操舵軸の回転角を検出するための基準点としての制御舵角中点を正確に決定することができるとされている。
また、特許文献2には、この種の装置を適用可能なものとして、目標軌跡に沿って車両自動運転する技術が開示されている。
特開2006−103390号公報 特開2009−262837号公報
舵角又はその相当値を検出するセンサが、何らかの理由によりその信頼性を低下させた状態においては、当該センサの検出値に基づいて演算される舵角中立点(上記「舵角中点」に相当する)の信頼性は著しく低下する。
一方、このように舵角中立点の信頼性が低下した状態では、ハンドル角中立点(上記「制御舵角中点」に相当する)の信頼性もまた低下する。ハンドル角中立点は、ハンドル角の基準点であり、舵角可変装置の使用を伴うか否かに関係ない広範な車両の運動制御の参照値となるから、舵角中立点の信頼性が低下した場合には、ハンドル角中立点の迅速な再学習が必要となる。
ところで、特許文献1には、ハンドル角中立点を再学習するにあたっての条件やタイミングとして、駐車時にバッテリからの電力供給状態が不良である場合に記憶された制御舵角中点(即ち、ハンドル角中立点)を消去する旨の記述がある。
ところが、ハンドル角中立点の信頼性が担保されないことのみを条件としてその時点で記憶される学習値を破棄してしまうと場合、ハンドル角中立点の再学習に係る学習精度や学習速度が低下する可能性がある。例えば、学習値を破棄した後も舵角中立点の精度が低下した状態が継続すれば、再学習されたハンドル角中立点の精度は必ずしも担保されない。即ち、特許文献1に開示されるものを含む従来の装置には、ハンドル角中立点の信頼性を十分に確保することが困難であるという技術的問題点がある。
本発明は、係る問題点に鑑みてなされたものであり、ハンドル角中立点を高精度に学習させ得る車両の操舵制御装置を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係る車両の操舵制御装置は、前輪及び後輪のうち少なくとも一方を含む操舵輪の舵角をハンドル操作から独立して変化させることが可能な舵角可変装置と、前記舵角に相当する、前記舵角可変装置に動作基準を与える舵角相当値を検出する舵角相当値検出手段とを備えた車両における操舵制御装置であって、ハンドル角中立点を学習する学習手段と、前記舵角相当値検出手段が異常状態にあるか否かを判定する異常判定手段と、前記舵角相当値検出手段が前記異常状態にあると判定された場合に、前記学習されたハンドル角中立点を破棄する破棄手段と、前記舵角相当値検出手段が前記異常状態にあると判定された場合に、前記舵角が舵角中立点に復帰するように前記舵角可変装置を制御する制御手段と、前記舵角が前記舵角中立点に復帰した後に前記舵角相当値検出手段を初期化する初期化手段とを具備し、前記学習手段は、前記舵角相当値検出手段が初期化された後に前記ハンドル角の学習を再開することを特徴とする。
本発明に係る舵角可変装置とは、例えば、前輪を操舵輪とすればVGRS、後輪を操舵輪とすればARS、四輪を操舵輪とすればAWS等を夫々好適に含み得る。尚、「舵角をハンドル操作から独立して変化させることが可能」とは、ハンドル操作と連動した舵角制御(機械的に連結された操舵機構による一義的な舵角変化も、ハンドル操作に応じた適宜の舵角アシストも含む)を除外するものではない。
本発明に係る舵角相当値とは、操舵輪の舵角と一対一、一対多、多対一又は多対多に対応する、或いは操舵輪の舵角と一義的又は多義的に対応する、舵角可変装置に動作基準を与える物理量、制御量或いは指標値を意味し、好適には、舵角可変装置と一対をなす、例えばVGRS相対角やARS相対角等を意味する。或いは、例えば舵角そのものを意味してもよい。尚、「動作基準を与える」とは、舵角可変装置の物理的動作量や物理的動作状態の基準を与えることを意味する。
本発明に係る車両の操舵制御装置は、例えば、一又は複数のCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、各種プロセッサ又は各種コントローラ、或いは更にROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、バッファメモリ又はフラッシュメモリ等の各種記憶手段等を適宜に含み得る、単体の或いは複数のECU(Electronic Controlled Unit)等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る。
本発明に係る車両の操舵制御装置によれば、学習手段によりハンドル角中立点が学習される。ハンドル角中立点とは、ハンドル角のゼロ点であり、車両が直進状態に維持されている際のハンドル角を意味する。即ち、好適には、ハンドル角中立点において、運転者の積極的な操舵操作(保舵操作に類するものは除く)は生じないものと扱われる。
尚、学習とは、対象値の実践的信頼性を確保すべく一定又は不定の周期で実行される各種の検出、算出或いは推定処理とそれにより求められた値の記憶及び破棄等を含む総合的なプロセスを意味し、その実践的態様は何ら限定されるものではない。例えば、学習手段は、車両が直進状態にある場合、或いは直進状態にあると推定される場合におけるハンドル角をハンドル角中立点(即ち、ゼロ点)のサンプル値として取得すると共に、一定又は不定の周期毎に得られた当該サンプル値を所定数保持し、それら保持されたサンプル値に各種演算処理(平均処理や重み付け処理等を含み得る)を施してハンドル角中立点を更新することにより、学習を行ってもよい。また、直進状態においても運転者がハンドルを保舵する限り幾らかなりのハンドル揺らぎは生じ得る。ハンドル角学習手段は、この種の揺らぎの発生に応じてある程度の範囲としてハンドル角中立点を学習してもよい。
舵角可変装置は、通常、舵角相当値検出手段により検出される舵角相当値に基づいて舵角中立点を確定し、実際に舵角制御を運用するにあたっての規範としている。舵角中立点とは、直進状態における舵角相当値を意味し、運転者の操舵操作が検出されない或いは操舵操作量が所定内である場合等においては、舵角可変装置は、例えば舵角相当値をこの舵角中立点に制御することによって、車両の操舵状態を好適に維持することができる。
ところで、舵角相当値検出手段は、一時的恒久的の別を問わず、その検出値の信頼性が所定以上確保し難い状態としての各種の異常状態(検出値が正常範囲を超える、検出値が発散する、検出値が無効値である、値が検出されない、出力が安定しない、或いは出力がハンチングする等の各種状態を含んでもよい)に陥ることがある。舵角相当値検出手段が異常状態にある場合、舵角中立点の信頼性はその度合いはさておき実践上無視し難い程度に低下する。舵角中立点の信頼性が低下すると、本来直進状態に相当するはずの舵角中立点において操舵輪の舵角が左右いずれかに偏向することになるから、車両が直進状態から外れてしまう。
一方、このような状況においては、運転者は、ハンドル操作により適宜操舵軸に操舵トルクを与えることによって車両を直進状態に修正しようと試みる可能性が高い。この場合、上述したハンドル角中立点学習手段により学習されるハンドル角中立点は、本来あるべきハンドル角中立点から外れることになる。その結果、ハンドル角中立点の学習値もまたその信頼性が低下する。この点に鑑みれば、舵角相当値検出手段が異常状態にあると判定された場合には、ハンドル角中立点の学習値を一旦破棄して、再度学習を開始する必要がある。
他方、このような異常状態の有無は、異常状態の定義に応じて各種実践的態様の下に判定可能であるが、単に舵角相当値検出手段が異常状態にあることをもってハンドル角中立点の学習値を破棄し、新たにハンドル角の学習処理を開始してしまうと、舵角相当値検出手段の異常状態が、新たに開始されるハンドル角中立点の学習処理にも影響を及ぼす可能性が排除され難い。その結果、再度学習されるハンドル角中立点の学習精度が低下し、少なくとも、信頼性の高いハンドル角中立点を得るまでの時間的損失や、その間の車両の操舵制御の品質低下が無視出来ない程度に顕在化する可能性がある。
本発明に係る車両の操舵制御装置によれば、このように舵角相当値検出手段が異常状態にあると判定された場合において、制御手段により、操舵輪の舵角が舵角中立点に復帰するように舵角可変装置が制御される。ここで、制御手段の制御目標となる舵角中立点とは、舵角相当値検出手段に係る異常状態の影響を受けない舵角中立点であり、例えば、舵角相当値検出手段の初期位置に相当する舵角等を意味する。例えばこの場合、経時的に変化し得る、ホイルアライメント、タイヤの磨耗状態、或いは操舵機構のメカ的な動作特性等が舵角中立点に与える影響は補償され難いものの、少なくとも実践的運用面において問題のない直進状態が実現される。或いは、この制御手段の制御目標となる舵角中立点とは、車両のヨーレート、ヨー偏差、車体スリップ角或いは横方向加速度等に基づいた判定処理により車両が直進状態である旨の判定がなされる、実践的な舵角位置であってもよい。いずれにせよ、制御手段の作用により、車両は一時的に直進状態に維持される。
一方、このように一時的直進状態が得られると、初期化手段により舵角相当値検出手段が初期化される。初期化とは、その時点の検出値をゼロ点、即ち、舵角中立点として新たに舵角相当値の検出を開始することを意味する。
ここで、上述した学習手段は、この舵角相当値検出手段の初期化が完了したことを条件として、ハンドル角中立点の学習値破棄後における、ハンドル角中立点の学習を再開するように構成されている。
このようにハンドル角中立点の学習再開条件が規定されることにより、従前の学習値が破棄された後のハンドル角中立点の学習処理は、制御手段の作用により暫定的な直進状態が得られた状態で、且つ初期化手段の作用により舵角相当値の正常な検出処理が再開された状態で再開されることになる。従って、ハンドル角中立点の学習処理が理想的な条件で開始されることになり、ハンドル角中立点を迅速且つ高精度に学習させることが可能となるのである。
尚、このような本発明に特有の実践上有益なる効果は、ハンドル角中立点の学習を舵角相当値検出手段の初期化完了後に開始すれば担保されるが、ハンドル角中立点が破棄されている状況は、車両の操舵状態を安定に維持する観点からは短い方が良い。その点に鑑みれば、破棄手段がハンドル角中立点の学習値を破棄するタイミングも、舵角相当値検出手段の初期化完了後に設定されるのが望ましい。
本発明に係る車両の操舵制御装置の一の態様では、前記車両は、前記舵角中立点に相当する前記舵角相当値検出手段の中立位置を検出する中立位置検出手段を更に具備し、前記制御手段は、前記検出された中立位置に基づいて前記舵角を前記舵角中立点に復帰させる(請求項2)。
この態様によれば、制御手段が操舵輪の舵角を舵角中立点に復帰させるにあたって、中立位置検出手段により検出された舵角相当値検出手段の中立位置を使用することができるため、迅速にハンドル角中立点学習に係る処理を再開させることができる。
本発明に係る車両の操舵制御装置の他の態様では、前記制御手段は、所定時間以内に前記舵角が前記舵角中立点に復帰するように前記舵角可変装置を制御する(請求項3)。
この態様によれば、舵角相当値検出手段の異常判定時に、舵角を所定時間以内に舵角中立点に復帰させることができる。従って、舵角が成り行き任せで舵角中立点に復帰する場合と較べて、舵角相当値検出手段の異常判定時における一連の復帰処理の時間的ばらつきが抑制され、品質の向上に効果がある。
ここで特に、舵角を所定時間以内に舵角中立点に復帰させることの技術的意義は、この所定時間が、ある種の制約や法規上の理由に基づいて設定された場合にはより鮮明となる。例えば、VSC(Vehicle Stability Control)等、ハンドル角中立点を制御上の参照値として使用する車両の各種挙動安定化制御が知られているが、この種の各種挙動安定化制御が実行不能である期間に法規上の制約、例えば、このような実行不能期間が所定時間以上継続した場合にWL(Warning Lamp)の点灯が義務付けられる状況等を考えた場合、WLの点灯が運転者に与える心理的負担を考えれば、可及的にWLの点灯を回避する旨の対策を講じることは、極めて実践上有益且つ妥当である。
例えば、ここに例示した制約について言えば、本態様に係る「所定時間」とは、法規上の制約としての所定時間から、ハンドル角中立点学習処理によりハンドル角中立位置の学習値が導出されるのに要する時間を減じてなる猶予時間であってもよい。
本発明に係る車両の操舵制御装置の他の態様では、ハンドル操作速度及び車速のうち少なくとも一方に基づいて前記舵角を前記舵角中立点に復帰させる際の前記舵角の変化速度を決定する決定手段を更に具備し、前記制御手段は、前記決定された変化速度で前記舵角が変化するように前記舵角可変装置を制御する(請求項4)。
制御手段に係る、舵角中立点へ向けた舵角制御は、一種の強制制御であるから、運転者の意思や感性とは本来的に無関係である。従って、場合によっては、運転者に違和感や不快感を与えるといった事態も考えられる。
この態様によれば、ハンドル操作速度(例えば、ハンドル角センサにより検出されるハンドル角の時間微分値であってもよい)と車速のうち少なくとも一方に基づいて制御手段が舵角を舵角中立点へ向けて制御するにあたっての舵角の変化速度が制限される。
より具体的には、ハンドル操作速度が相対的に大きい状況では、制御手段による舵角制御が運転者の感性や感覚に与える影響は総じて小さくなるから、舵角の変化速度を相対的に大きく設定し得る。また、車速が相対的に高い状況では、舵角変化が車両挙動に与える影響が相対的に大きくなるから、舵角の変化速度は相対的に小さい方がよい。尚、舵角の変化速度は、予め実験的に、経験的に又は理論的に、運転者に違和感や不快感を与えない範囲で可及的迅速に舵角を舵角中立点に復帰せしめ得るように設定されていてもよい。
本発明に係る車両の操舵制御装置の他の態様では、予め設定される走行条件に基づいて前記車両が自動操舵状態となるように前記舵角可変装置を制御する自動操舵制御手段と、前記車両が直進走行状態にあるか否かを判定する直進判定手段とを更に具備し、前記破棄手段は、前記車両が前記自動操舵状態にある自動操舵期間において前記舵角相当値検出手段が前記異常状態にあると判定された場合には、前記車両が前記直進走行状態にあると判定された場合に、前記学習されたハンドル角中立点を破棄し、前記制御手段は、前記車両が前記自動操舵状態にある自動操舵期間において前記舵角相当値検出手段が前記異常状態にあると判定された場合には、前記車両が前記直進走行状態にあると判定された場合に、前記舵角を前記舵角中立点に復帰させる(請求項5)。
この態様によれば、自動操舵制御手段により予め設定される走行条件に基づいて、車両が自動操舵状態に移行する。自動操舵状態とは、運転者の積極的操舵操作を要しない走行状態を意味する。自動操舵制御手段による、この種の自動操舵状態へ向けた舵角可変装置の制御は、例えば、LKA(Lane Keeping Assist)等、車両に目標走行路をトレースさせる制御であってもよい。
尚、このような自動操舵状態に係る自動操舵制御手段の実践的制御形態は多様であり、一義に規定されるものではないが、例えば、自動操舵制御手段は、目標走行路を規定する白線やレーンマークと車体との位置関係を規定する位置状態偏差(例えば、横位置偏差やヨー角偏差等)に応じて舵角可変装置の制御量を変化させることによって車両を係る自動操舵状態に誘ってもよい。
ところで、自動操舵状態においては、運転者は積極的操舵意思がなく、且つ車両の状態は直進状態に限らず旋回状態も採り得る。従って、このように車両が自動操舵状態にある自動操舵期間において舵角相当値検出手段の異常判定が成立した場合に、制御手段の作用により舵角を舵角中立点に復帰させてしまうと、車両挙動に大きな影響が生じる。無論それと同時に運転者の心理的負担の増大や、違和感、不安感或いは不快感の発生等が生じ得る。
また、車両を自動操舵状態に維持するための自動操舵制御の中には、制御情報としてハンドル角中立点を必要とするものがある。このため、舵角相当値検出手段の異常判定成立をもってハンドル角中立点を破棄してしまうと、係る自動操舵制御が成立しなくなり、車両挙動の安定性が低下する。
この態様によれば、自動操舵期間においては、直進判定手段により車両が直進状態にある旨が判定された場合に、ハンドル角中立点の学習値が破棄され且つ制御手段による舵角の制御が許可される。従って、車両挙動の不安定化や運転者への違和感、不安感或いは不快感の付与が防止され、高品質な操舵制御が提供される。
尚、直進判定手段に係る直進判定は、例えば、ヨーレートと閾値との比較とにより比較的簡便にして可能であるが、直進判定により直進状態と判定され得る車両状態は、制御手段に係る舵角中立点への舵角制御により得られる直進状態と必ずしも一致しなくてよい。より具体的には、制御手段により舵角が舵角中立点へ復帰せしめられるに際して上述の各種問題点が顕在化しない限りにおいて、直進判定手段により直進状態と判定される直進状態とは、比較的小さい規模での旋回状態を含み得る。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
本発明の第1実施形態に係る車両における操舵系の構成を概念的に表してなる概略構成図である。 図1の車両における、操舵制御に係るブロック図である。 図1の車両においてECUにより実行されるハンドル角中立位置制御のフローチャートである。 図3の制御に関連する、ACTセンサ異常状態値更新処理のフローチャートである。 本発明の第2実施形態にハンドル角中立位置制御のフローチャートである。
以下、適宜図面を参照して本発明の車両の操舵制御装置に係る各種実施形態について説明する。
<第1実施形態>
<実施形態の構成>
始めに、図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る車両10の構成について説明する。ここに、図1は、車両10における操舵系の構成を概念的に表してなる概略構成図である。
図1において、車両10は、操舵輪として左右一対の前輪FL及びFR並びに左右一対の後輪RL及びRRを備え、これら各操舵輪が左右方向へ操舵されることにより所望の方向に進行可能に構成されている。車両10は、ECU100、VGRSアクチュエータ200、VGRS駆動装置300、EPSアクチュエータ400、EPS駆動装置500、ARSアクチュエータ600及びARS駆動装置700を備える。
ECU100は、夫々不図示のCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を備え、車両10の動作全体を制御可能に構成された電子制御ユニットであり、本発明に係る「車両の操舵制御装置」の一例である。ECU100は、ROMに格納された制御プログラムに従って、後述するハンドル角中立点制御を実行可能に構成されている。
尚、ECU100は、本発明に係る「学習手段」、「異常判定手段」、「破棄手段」「制御手段」及び「初期化手段」の夫々一例として機能するように構成された一体の電子制御ユニットであり、これら各手段に係る動作は、全てECU100によって実行されるように構成されている。但し、本発明に係るこれら各手段の物理的、機械的及び電気的な構成はこれに限定されるものではなく、例えばこれら各手段は、複数のECU、各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等として構成されていてもよい。
車両10では、操舵入力手段としてのハンドル11を介して運転者から与えられる操舵入力が、ハンドル11と同軸回転可能に連結され、ハンドル11と同一方向に回転可能な軸体たるアッパーステアリングシャフト12に伝達される。アッパーステアリングシャフト12は、その下流側の端部においてVGRSアクチュエータ200に連結されている。
VGRSアクチュエータ200は、ハウジング201、VGRSモータ202及び減速機構203を備えた、本発明に係る「舵角可変装置」の一例である。
ハウジング201は、VGRSモータ202及び減速機構203を収容してなるVGRSアクチュエータ200の筐体である。ハウジング201には、前述したアッパーステアリングシャフト12の下流側の端部が固定されており、ハウジング201は、アッパーステアリングシャフト12と一体に回転可能となっている。
VGRSモータ202は、回転子たるロータ202a、固定子たるステータ202b及び駆動力の出力軸たる回転軸202cを有するDCブラシレスモータである。ステータ202bは、ハウジング201内部に固定されており、ロータ202aは、ハウジング201内部で回転可能に保持されている。回転軸202cは、ロータ202aと同軸回転可能に固定されており、その下流側の端部が減速機構203に連結されている。
減速機構203は、差動回転可能な複数の回転要素(サンギア、キャリア及びリングギア)を有する遊星歯車機構である。この複数の回転要素のうち、第1の回転要素たるサンギアは、VGRSモータ202の回転軸202cに連結されており、また、第2の回転要素たるキャリアは、ハウジング201に連結されている。そして第3の回転要素たるリングギアが、ロアステアリングシャフト13に連結されている。
このような構成を有する減速機構203によれば、ハンドル11の操作量に応じたアッパーステアリングシャフト12の回転速度(即ち、キャリアに連結されたハウジング201の回転速度)と、VGRSモータ202の回転速度(即ち、サンギアに連結された回転軸202cの回転速度)とにより、残余の一回転要素たるリングギアに連結されたロアステアリングシャフト13の回転速度が一義的に決定される。この際、回転要素相互間の差動作用により、VGRSモータ202の回転速度を増減制御することによって、ロアステアリングシャフト13の回転速度を増減制御することが可能となる。即ち、VGRSモータ202及び減速機構203の作用により、アッパーステアリングシャフト12とロアステアリングシャフト13とは相対回転可能である。また、減速機構203における各回転要素の構成上、VGRSモータ202の回転速度は、各回転要素相互間のギア比に応じて定まる所定の減速比に従って減速された状態でロアステアリングシャフト13に伝達される。
このように、車両10では、アッパーステアリングシャフト12とロアステアリングシャフト13とが相対回転可能であることによって、アッパーステアリングシャフト12の回転量たるハンドル角δhと、ロアステアリングシャフト13の回転量に応じて一義的に定まる(後述するラックアンドピニオン機構のギア比も関係する)転舵輪の一たる前輪の舵角δfとの比たる操舵伝達比Kが、予め定められた範囲で連続的に可変となる。
即ち、VGRSアクチュエータ200は、ハンドル角δhと舵角δfとの関係を変化させることが可能であり、運転者の操舵入力とは無関係に前輪の舵角δfを変化させることが可能である。
尚、減速機構203は、ここに例示した遊星歯車機構のみならず、他の態様(例えば、アッパーステアリングシャフト12及びロアステアリングシャフト13に夫々歯数の異なるギアを連結し、各ギアと一部分で接する可撓性のギアを設置すると共に、係る可撓性ギアを、波動発生器を介して伝達されるモータトルクにより回転させることによって、アッパーステアリングシャフト12とロアステアリングシャフト13とを相対回転させる態様等)を有していてもよいし、遊星歯車機構であれ上記と異なる物理的、機械的、又は機構的態様を有していてよい。
VGRS駆動装置300は、VGRSモータ202のステータ202bに対し通電可能に構成された、PWM回路、トランジスタ回路及びインバータ等を含む電気駆動回路である。VGRS駆動装置300は、図示せぬバッテリと電気的に接続されており、当該バッテリから供給される電力によりVGRSモータ202に駆動電圧を供給することが可能に構成されている。また、VGRS駆動装置300は、ECU100と電気的に接続されており、その動作はECU100により制御される構成となっている。尚、VGRS駆動装置300は、VGRSアクチュエータ200と共に、本発明に係る「舵角可変装置」の一例を構成する。
ロアステアリングシャフト13の回転は、操舵機構14に伝達される。
操舵機構14は、所謂ラックアンドピニオン機構であり、ロアステアリングシャフト13の下流側端部に接続されたピニオンギア14A及び当該ピニオンギアのギア歯と噛合するギア歯が形成されたラックバー14Bを含む機構である。操舵機構14は、ピニオンギア14Aの回転がラックバー14Bの図中左右方向の運動に変換されることにより、ラックバー14Bの両端部に連結されたタイロッド及びナックル(符号省略)を介して操舵力を各前輪に伝達する構成となっている。
EPSアクチュエータ400は、永久磁石が付設されてなる回転子たる不図示のロータと、当該ロータを取り囲む固定子であるステータとを含むDCブラシレスモータとしてのEPSモータを備えた操舵トルク補助装置である。このEPSモータは、EPS駆動装置500を介した当該ステータへの通電によりEPSモータ内に形成される回転磁界の作用によってロータが回転することにより、その回転方向にアシストトルクTAを発生可能に構成されている。
一方、EPSモータの回転軸たるモータ軸には、不図示の減速ギアが固定されており、この減速ギアはまた、ピニオンギア14Aと噛合している。このため、EPSモータから発せられるアシストトルクTAは、ピニオンギア14Aの回転をアシストするアシストトルクとして機能する。ピニオンギア14Aは、先に述べたようにロアステアリングシャフト13に連結されており、ロアステアリングシャフト13は、VGRSアクチュエータ200を介してアッパーステアリングシャフト12に連結されている。従って、アッパーステアリングシャフト12に加えられる操舵トルクMTは、アシストトルクTAにより適宜アシストされた形でラックバー14Bに伝達され、運転者の操舵負担が軽減される構成となっている。
EPS駆動装置500は、EPSモータのステータに対し通電可能に構成された、PWM回路、トランジスタ回路及びインバータ等を含む電気駆動回路である。EPS駆動装置500は、図示せぬバッテリと電気的に接続されており、当該バッテリから供給される電力によりEPSモータに駆動電圧を供給することが可能に構成されている。また、EPS駆動装置500は、ECU100と電気的に接続されており、その動作はECU100により制御される構成となっている。
一方、車両10には、操舵トルクセンサ15、ハンドル角センサ16及びVGRS回転角センサ17を含む各種センサが備わっている。
操舵トルクセンサ15は、運転者からハンドル11を介して与えられる操舵トルクMTを検出可能に構成されたセンサである。より具体的に説明すると、アッパーステアリングシャフト12は、上流部と下流部とに分割されており、図示せぬトーションバーにより相互に連結された構成を有している。係るトーションバーの上流側及び下流側の両端部には、回転位相差検出用のリングが固定されている。このトーションバーは、車両10の運転者がハンドル11を操作した際にアッパーステアリングシャフト12の上流部を介して伝達される操舵トルク(即ち、操舵トルクMT)に応じてその回転方向に捩れる構成となっており、係る捩れを生じさせつつ下流部に操舵トルクを伝達可能に構成されている。従って、操舵トルクの伝達に際して、先に述べた回転位相差検出用のリング相互間には回転位相差が発生する。操舵トルクセンサ15は、係る回転位相差を検出すると共に、係る回転位相差を操舵トルクに換算して操舵トルクMTに対応する電気信号として出力可能に構成されている。また、操舵トルクセンサ15は、ECU100と電気的に接続されており、検出された操舵トルクMTは、ECU100により一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
ハンドル角センサ16は、アッパーステアリングシャフト12の回転量を表すハンドル角δhを検出可能に構成された角度センサである。ハンドル角センサ16は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたハンドル角δhは、ECU100により一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
VGRS回転角センサ17は、VGRSアクチュエータ200におけるハウジング201(即ち、回転角で言うならばアッパーステアリングシャフト12と同等である)とロアステアリングシャフト13との相対回転角たるVGRS回転角δvgrsを検出可能に構成されたロータリーエンコーダである。VGRS回転角センサ17は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたVGRS回転角δvgrsは、ECU100により一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
尚、VGRS回転角センサ17により検出されるVGRS回転角δvgrsは、ハンドル角δhと足し込まれることにより前輪舵角δfと一対一に対応する。即ち、VGRS回転角δvgrsは、本発明に係る「舵角相当値」の一例であり、またVGRS回転角センサ17は、本発明に係る「舵角相当値検出手段」の一例である。
車両10は更に、車速センサ18及びヨーレートセンサ19を備える。
車速センサ18は、車両10の速度たる車速Vを検出可能に構成されたセンサである。車速センサ18は、ECU100と電気的に接続されており、検出された車速Vは、ECU100により一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
ヨーレートセンサ19は、車両10の旋回速度たるヨーレートγを検出可能に構成されたセンサである。ヨーレートセンサ19は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたヨーレートγは、ECU100により一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
ARSアクチュエータ600は、夫々不図示の舵角制御用ロッドと、ARSモータと、このARSモータの回転を舵角制御用ロッドの往復運動に変換する直動機構とを備えた後輪舵角可変装置であり、本発明に係る「舵角可変装置」の一例である。後輪RL及びRRは、この舵角制御用ロッドの両端部にナックル等の支持体を介して連結されており、ARSモータから付与される駆動力によって、舵角制御用ロッドが左右いずれかの方向にストロークすると、そのストローク量に応じて後輪舵角δrが変化する構成となっている。
ARS駆動装置700は、ARSモータに対し通電可能に構成された、PWM回路、トランジスタ回路及びインバータ等を含む電気駆動回路である。ARS駆動装置700は、図示せぬバッテリと電気的に接続されており、当該バッテリから供給される電力によりARSモータに駆動電圧を供給することが可能に構成されている。また、ARS駆動装置700は、ECU100と電気的に接続されており、その動作はECU100により制御される構成となっている。
車両10にはARS回転角センサ20が備わる。ARSアクチュエータ600に収容されたARSモータの回転角たるARS回転角δarsを検出可能に構成されたロータリーエンコーダである。ARS回転角センサ20は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたARS回転角δarsは、ECU100により一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
尚、ARS回転角センサ20により検出されるARS回転角δarsは、後輪舵角δrと一対一に対応する。即ち、ARS回転角δarsは、本発明に係る「舵角相当値」の一例であり、またARS回転角センサ20は、本発明に係る「舵角相当値検出手段」の他の一例である。
次に、図2を参照し、ECU100の更なる詳細な構成について説明する。ここに、図2は、車両10の操舵制御に係るブロック図である。尚、同図において、図1と重複する箇所には同一の符号を付して説明を適宜省略することとする。
図2において、ECU100は、操舵輪制御部100A、ハンドル角中立点学習部100B及び補正部100Cを備える。
操舵輪制御部100Aは、操舵輪たる前輪及び後輪の制御量を算出する装置である。
より具体的には、操舵輪制御部100Aには、入力値としてVGRS回転角δvgrs、車速V、ARS回転角δars及び後述する補正ハンドル角δh_crが入力される。操舵輪制御部100Aは、予めROMに格納されたVGRS回転角マップ及びARS回転角マップから、これら入力値に対応する、夫々目標VGRS回転角δvgrstg及び目標ARS回転角δarstgを選択し、出力値として出力する構成となっている。
尚、本実施形態において、目標VGRS回転角δvgrstgは、現時点のVGRS回転角δvgrsに対する偏差として算出され、VGRS駆動装置300に入力される。同様に、目標ARS回転角δars、現時点のARS回転角δarsに対する偏差として算出され、ARS駆動装置700に入力される。
ハンドル角中立点学習部100Bは、ハンドル角δhの中立位置たるハンドル角中立点δh_zeroを学習する装置である。
より具体的には、ハンドル角中立点学習部100Bには、入力値としてVGRS回転角δvgrs、ARS回転角δars、車速V、ハンドル角δh、ヨーレートγ及びハンドル角中立点δh_zeroが入力される。ハンドル角中立点学習部100Bは、車両10が直進状態にある場合に、予め設定された学習アルゴリズムに従って、これら入力値から、常時最新のハンドル角中立点δh_zeroを算出する構成となっている。尚、ハンドル角中立点の学習処理に関しては公知の各種態様を適用することができるため、ここではその詳細な説明については省略することとする。
補正部100Cは、ハンドル角δhからハンドル角中立点δh_zeroを減算することによって、運転者の操舵意思に基づいた正味のハンドル操作量たる補正ハンドル角δh_crを算出する装置である。上述したように、操舵輪制御部100Aは、この補正ハンドル角δh_crに基づいて前後輪の舵角を制御する構成となっている。
<実施形態の動作>
以下、適宜図面を参照し、本実施形態の動作として、ECU100により実行されるハンドル角中立点制御について説明する。
<ハンドル角中立点制御の概要>
ハンドル角中立点制御は、ハンドル角中立点δh_zeroを高精度に維持するための制御である。ハンドル角中立点δh_zeroは、図2から明らかなように、実際の前後輪の舵角制御を司る操舵輪制御部100Aの入力値の一つである補正ハンドル角δh_crを算出するための基準値となる。従って、ハンドル角中立点δh_zeroの精度が不十分である場合、操舵輪制御部100Aによる前後輪の舵角制御が正確に遂行できない。特に、ハンドル角中立点δh_zeroが異常値であれば尚更である。
ここで、ハンドル角中立点δh_zeroは、舵角中立点へ向けた前後輪の舵角制御の精度に影響を受ける。舵角中立点とは、車両直進時の舵角である。舵角中立点においては、ハンドル11は本来、保舵状態に維持されるはずであるが、舵角中立点へ操舵輪を制御するにあたって、VGRS回転角δvgrs及びARS回転角δarsの検出精度が低下していると、操舵輪が本来の舵角中立点で停止しない。このため、直進走行を所望する運転者は、ハンドル11を介して操舵トルクを与えて舵角を補正する行為に及ぶことになる。
一方、ハンドル角中立点δh_zeroは、車両直進時のハンドル角であるから、このように操舵トルクの付与により舵角が補正された結果として車両10が直進している場合であっても、その時点のハンドル角がハンドル角中立点δh_zeroとして学習されてしまう可能性がある。このような場合、運転者がハンドル11を保舵した状態では、車両10は左右いずれかの方向に偏向してしまうため、車両の挙動制御上大変好ましくない。即ち、ハンドル角中立点δh_zeroの精度を維持するためには、VGRS回転角センサ17及びARS回転角センサ20の異常状態に的確に対処する必要がある。本実施形態では、ハンドル角中立点制御により、ハンドル角中立点δh_zeroが高精度に維持される構成となっているのである。
<ハンドル角中立点制御の詳細>
ここで、図3を参照して、ハンドル角中立点制御の詳細について説明する。ここに、図3は、ハンドル角中立点制御のフローチャートである。尚、ECU100は、図2に例示した各装置から構成されるが、ここでは、特別の断りがない限り、ECU100の動作として各装置の別なく表記することとする。また、車両10は、本発明に係る「舵角相当値検出手段」として、VGRS回転角センサ17及びARS回転角センサ20を備えるが、ここでは、各アクチュエータに付設されたセンサという意味から、適宜「ACTセンサ」なる用語をもって包括的に表現することとする。
図3において、ECU100は、各種センサにより検出されるセンサ値を読み込む(ステップS101)。より具体的には、ECU100は、ハンドル角δh、車速V、ヨーレートγ、VGRS回転角δvgrs及びARS回転角δarsを読み込む。
続いて、ECU100は、ACTセンサが異常状態にあるか正常状態にあるかを規定する、ACTセンサ異常状態値を取得する(ステップS102)。尚、ACTセンサ異常状態値は、ACTセンサが正常状態にあることを意味する「正常値」又はACTセンサが異常状態にあることを意味する「異常値」のいずれか一方を採り、ハンドル角中立点制御と並行して実行される、ACTセンサ異常状態値更新処理により設定される。
ここで、図4を参照し、ACTセンサ異常状態値更新処理の詳細について説明する。ここに、図4は、ACTセンサ異常状態値更新処理のフローチャートである。
図4において、ECU100は、ACTセンサが正常状態にあるか否かを判定する(ステップS201)。ここで、「正常状態」とは、ACTセンサの検出値に所定以上の信頼性が確保された状態を意味する。ACTセンサが正常状態にあるか否かは、ACTセンサの動作状態を総合的に考慮して判定される。より具体的には、ECU100は、ACTセンサの検出値が、適正範囲を超える、発散している、無効値である、検出されない、出力が安定しない、或いはハンチングする等の状態を採る場合に、ACTセンサが異常状態である旨の判定を行う。尚、ここに例示されるものに限らず、予め実験的に、経験的に又は理論的に、ACTセンサの信頼性が担保されない旨の判定を下し得る判断基準が与えられていてもよい。
ACTセンサが異常状態にある場合(ステップS202:NO)、ECU100は、ACTセンサ異常状態値を「異常値」に設定する(ステップS206)。ステップS206が実行されると、処理はステップS201に戻される。
一方、ACTセンサが正常状態にある場合(ステップS201:YES)、ECU100は、現時点のACTセンサ異常状態値が「正常値」であるか否かを判定する(ステップS202)。現時点のACTセンサ異常状態値が「正常値」である場合(ステップS202:YES)、ECU100は、ACTセンサ異常状態を正常値に設定する(ステップS203)。ステップS203が実行されると、処理はステップS201に戻される。
ここで、現時点(ACTセンサは正常状態である)におけるACTセンサ異常状態値が「異常値」である場合(ステップS202:NO)、ECU100は、ACTセンサの、後述する中立位置への復帰及び初期化が完了しているか否かを判定する(ステップS204)。未だ中立位置への復帰及び初期化が完了していない場合(ステップS204:NO)、ECU100は、処理をステップS206に移行させる。即ち、ACTセンサ異常状態値は「異常値」のまま維持される。
ステップS204において、ACTセンサの中立位置への復帰及び初期化が完了している場合(ステップS204:YES)、ECU100は、処理をステップS203に移行し、ACTセンサ異常状態値を「正常値」に切り替える。ACTセンサ異常状態値更新処理は以上の如くに実行される。
図3に戻り、ECU100は、ACTセンサ異常状態値が「正常値」であるか否かを判定する(ステップS103)。ACTセンサ異常状態値が「正常値」である場合(ステップS103:YES)、ECU100は、車両10が直進状態にあるか否かを判定する(ステップS104)。尚、直進状態にあるか否かの判定は、ヨーレートγの絶対値(ヨーレートγは、旋回方向により正負いずれかの値を採る)が基準値A未満であるか否かによって判定される。ヨーレートγが基準値A未満である場合に、車両10が直進状態にある旨の判定が下される。
車両10が直進状態にあると判定された場合(ステップS104:YES)、ECU100は、予め設定された学習アルゴリズムに従って、ハンドル角中立点δh_zeroを演算する(ステップS105)。演算の結果得られたハンドル角中立点δh_zeroは、最新の学習値として更新される(ステップS106)。ハンドル角中立点δh_zeroの最新の学習値が求まると、処理はステップS101に戻される。また、ステップS104において、車両10が直進状態にないと判定された場合(ステップS104:NO)、処理はステップS101に戻される。即ち、この場合、ハンドル角中立点δh_zeroは、学習されることなく従前の値に維持される。
一方、ステップS103において、ACTセンサ異常状態値が「異常値」であった場合(ステップS103:NO)、ECU100は、ACTセンサを中立位置に復帰させ、且つ初期化する(ステップS107)。
ここで、ACTセンサに係る「中立位置」とは、予めACTセンサに設定された基準となる中立位置であり、必ずしも車両10の舵角中立点に相当する位置ではないが、初期設定時においては、この中立位置において車両10が直進状態となるように操舵装置全体が構築されているので、ACTセンサが係る中立位置となるように異常状態にあるACTセンサに対応するアクチュエータを駆動することによって、対応する舵角もまた基準となる中立位置に復帰する。
また、ACTセンサに係る「初期化」とは、異常状態をキャンセルするためのリセット処理である。尚、ACTセンサが物理的、機械的又は電気的にみて、その性能を十分に発揮し得ない程度に損傷しているような場合には、係る初期化は殆ど意味をなさない。この場合は、速やかに車両10に備え付けられた警告灯が点灯制御される。本実施形態において対象とする異常は、主として、何らかの理由により一時的に生じた異常である。
ECU100は、異常状態にあるACTセンサに対応する舵角が中立位置に復帰し(即ち、一義的にACTセンサもまた中立位置である)、且つACTセンサの初期化が完了したか否かを判定する(ステップS108)。尚、このステップS108に係る処理は、図4のACTセンサ異常状態値更新処理のステップS204に係る処理と同等である。舵角の中立位置への復帰及びACTセンサの初期化が未完了である場合(ステップS108:NO)、処理は一時的に待機状態に維持される。
舵角の中立位置への復帰及びACTセンサの初期化が完了した場合(ステップS108:YES)、即ち、車両10が暫定的に直進状態となり、且つACTセンサが正常に機能し始めると、ECU100は、その時点で保持されているハンドル角中立点δh_zeroの学習値を破棄する(ステップS109)。学習値が破棄されると、処理はステップS101に戻される。ハンドル角中立点制御は、以上のように進行する。
ここで、ステップS108が「YES」側に分岐した時点で、ACTセンサ異常状態値は「正常値」に切り替わるため、ハンドル角中立点δh_zeroが破棄された後に訪れるステップS103に係る判定は「YES」側に分岐する。更に、舵角の中立位置への復帰も既に完了しているため、車両10は暫定的に直進状態に維持されており、ステップS104に係る判定もまた「YES」側に分岐する。
その結果、ステップS105及びS106からなるハンドル角中立点δh_zeroの学習処理が速やかに実行される。一方、この段階では、既にACTセンサの初期化も完了しており、係るハンドル角中立点学習処理に、異常状態にあるACTセンサから出力される異常な検出値は影響しない。また、異常状態からの復帰中等における過渡的な誤差がハンドル角中立点学習処理に影響することもない。即ち、ACTセンサの異常判定時において、迅速且つ項精度にハンドル角中立点δh_zeroを学習することが可能となるのである。
尚、ステップS107において、ACTセンサの中立位置に基づいて舵角を中立位置に復帰せしめるに際しては、舵角の変化速度を、その時点のハンドル角δhの変化速度であるハンドル角速度δh’或いは車速V等に応じて多段階に変化させてもよい。例えば、ハンドル角速度δh’の大小変化に対し舵角の変化速度を夫々大小に変化させてもよい。或いは車速Vの高低に対し舵角の変化速度を夫々小大に変化させてもよい。このようにその時点の車両10の走行状態或いは操舵状態に応じて舵角の変化速度を変化させることにより、ドライバにおける違和感、不安感或いは不快感の発生を防止することができる。
一方、これとは別に、法規上の理由から、ACTセンサの異常判定時における、ハンドル角中立点δh_zeroの学習再開に要する時間に制約が存在する場合がある。例えば、ハンドル角中立点δh_zeroを参照値として利用するVSC等の車両挙動制御においては、当該車両挙動制御が実行不可能である期間が所定以上である場合における、警告灯の点灯が義務付けられる可能性がある。警告灯の点灯は、運転者にとっては心理的に大きな負担となり、不安感や不快感を増大させる要因となる。
このような観点に立てば、上述した舵角の変化速度に応じて生じる違和感、不安感或いは不快感を一方で防止又は抑制しつつ、可及的に速やかにハンドル角中立点δh_zeroの学習値を再度確定させるのが実践上有意義である。即ち、ECU100は、ステップS107に係る処理を、これらの各種制約から逆算して得られる制限時間内に終えるように、各アクチュエータを制御してもよい。
<第2実施形態>
次に、図5を参照し、本発明の第2実施形態に係るハンドル角中立点制御について説明する。ここに、図5は、ハンドル角中立点制御のフローチャートである。尚、同図において、図3と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
第2実施形態に係るハンドル角中立点制御は、自動走行状態を採り得る車両10を対象とした制御である。ここで、自動走行の実践的態様は公知の各種態様を適用可能であり、ここではその詳細については省略するが、例えば、この自動走行の一種として、LKA等の軌跡追従制御が実行されてもよい。
この場合、例えば、車載カメラ等により撮像される白線やレーンマークと車体とのヨ−角偏差や、走行路の半径(又は曲率)やヨーレート等に基づいて、車体に発生させる横方向加速度の目標値が決定され、決定された目標値に相当する横方向加速度が得られるように、VGRSアクチュエータ300やARSアクチュエータ700等の各種アクチュエータの動作が制御されてもよい。また、このような自動走行状態の実現に際しては、適宜EPSアクチュエータ等の操舵トルク補助装置による操舵トルクの補助が付随してもよい。
図5において、ACTセンサ異常状態値が「異常値」である場合(ステップS103:NO)、ECU100は、車両10が自動走行中であるか否かを判定する(ステップS301)。車両10が自動走行中でない場合(ステップS301:NO)、処理はステップS107に移行され、第1実施形態と同様に処理が進行する。
一方、車両10が自動走行中である場合(ステップS301:YES)、ECU100は、車両10が直進走行中であるか否かを判定する(ステップS302)。自動走行制御の過程において車両10が旋回状態にある等、直進走行中でない場合(ステップS302:NO)、処理はステップS301に戻される。即ち、この場合、ACTセンサの中立位置への復帰及び初期化は、一時的に待機状態となる。
ステップS302において車両10が直進走行中であれば(ステップS302:YES)、ECU100は自動走行を強制的に終了させ(ステップS303)、処理をステップS107に移行する。
このように、第2実施形態に係るハンドル角中立点制御によれば、車両10が、例えばLKA等の各種自動走行制御中である場合には、車両10が直進状態になるのを待って舵角が中立位置に復帰せしめられる。従って、運転者が操舵意思を有さない自動操舵期間において、旋回中の車両10が急激に直進状態に復帰させられることによる、車両挙動の不安定化並びに運転者における違和感、不安感及び不快感の発生等が抑制される。
尚、ステップS302に係る「直進走行」とは、舵角が中立位置にある場合に得られる直進状態よりは厳密性を欠いた直進状態であってよい。即ち、舵角を中立位置へ復帰させるに際して、運転者に違和感、不安感或いは不快感を与えることがないのであれば、小規模な旋回動作中である場合に直進状態である旨の判定が下されてもよい。
尚、ハンドル角中立点のずれは、センサ温度のドリフトや路面障害物との接触等、予測が困難或いは不可能な事象が原因で生じ得る。従って、ハンドル角中立点の学習は、常時の実行を必要とするものであり、本発明に係る車両の操舵制御装置によってもたらされる効果は明確である。また、本発明の技術的意義もまた明確である。
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う車両の操舵制御装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。


本発明は、運転者の操作から独立して操舵輪の舵角を変化させることが可能な車両に利用可能である。
FL、FR、RL、RR…車輪、10…車両、11…ハンドル、12…アッパーステアリングシャフト、13…ロアステアリングシャフト、14…操舵機構、15…ハンドル角センサ、16…操舵トルクセンサ、17…VGRS回転角センサ、18…車速センサ、19…ヨーレートセンサ、20…ARS回転角センサ、100…ECU、200…VGRSアクチュエータ、300…VGRS駆動装置、400…EPSアクチュエータ、500…EPS駆動装置、600…ARSアクチュエータ、700…ARS駆動装置。

Claims (5)

  1. 前輪及び後輪のうち少なくとも一方を含む操舵輪の舵角をハンドル操作から独立して変化させることが可能な舵角可変装置と、
    前記舵角に相当する、前記舵角可変装置に動作基準を与える舵角相当値を検出する舵角相当値検出手段と
    を備えた車両における操舵制御装置であって、
    ハンドル角中立点を学習する学習手段と、
    前記舵角相当値検出手段が異常状態にあるか否かを判定する異常判定手段と、
    前記舵角相当値検出手段が前記異常状態にあると判定された場合に、前記学習されたハンドル角中立点を破棄する破棄手段と、
    前記舵角相当値検出手段が前記異常状態にあると判定された場合に、前記舵角が舵角中立点に復帰するように前記舵角可変装置を制御する制御手段と、
    前記舵角が前記舵角中立点に復帰した後に前記舵角相当値検出手段を初期化する初期化手段と
    を具備し、
    前記学習手段は、前記舵角相当値検出手段が初期化された後に前記ハンドル角中立点の学習を再開する
    ことを特徴とする車両の操舵制御装置。
  2. 前記車両は、前記舵角中立点に相当する前記舵角相当値検出手段の中立位置を検出する中立位置検出手段を更に具備し、
    前記制御手段は、前記検出された中立位置に基づいて前記舵角を前記舵角中立点に復帰させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両の操舵制御装置。
  3. 前記制御手段は、所定時間以内に前記舵角が前記舵角中立点に復帰するように前記舵角可変装置を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両の操舵制御装置。
  4. ハンドル操作速度及び車速のうち少なくとも一方に基づいて前記舵角を前記舵角中立点に復帰させる際の前記舵角の変化速度を決定する決定手段を更に具備し、
    前記制御手段は、前記決定された変化速度で前記舵角が変化するように前記舵角可変装置を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両の操舵制御装置。
  5. 予め設定される走行条件に基づいて前記車両が自動操舵状態となるように前記舵角可変装置を制御する自動操舵制御手段と、
    前記車両が直進走行状態にあるか否かを判定する直進判定手段と
    を更に具備し、
    前記破棄手段は、前記車両が前記自動操舵状態にある自動操舵期間において前記舵角相当値検出手段が前記異常状態にあると判定された場合には、前記車両が前記直進走行状態にあると判定された場合に、前記学習されたハンドル角中立点を破棄し、
    前記制御手段は、前記車両が前記自動操舵状態にある自動操舵期間において前記舵角相当値検出手段が前記異常状態にあると判定された場合には、前記車両が前記直進走行状態にあると判定された場合に、前記舵角を前記舵角中立点に復帰させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両の操舵制御装置。
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