JP2011075676A - カラーフィルタ製造方法及びカラーフィルタ製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】カラーフィルタ製造方法において、画素毎に透明インク層を形成する際、色毎の膜厚ばらつきを低減し、着色インクと透明インクとの溶解を防ぐとともに、製造工程削減を図る。
【解決手段】基板上に形成された遮光性を有する隔壁で囲まれた開口部の内側に分光特性の異なる複数の着色インクをインクジェット法で打滴する工程と、前記開口部の内側に打滴された前記複数の着色インクの溶媒を乾燥させる工程と、前記開口部の内側に打滴された前記複数の着色インクのうち少なくとも一つ以上の着色インクに対してその上にその着色インクの膜厚に応じて透明インクをインクジェット法で打滴する工程と、前記打滴された透明インクの溶媒を乾燥させる工程と、前記開口部の内側に打滴された前記複数の着色インク及びその上に打滴された前記透明インクのモノマーを同時に重合させる工程とを備える。
【選択図】図10
【解決手段】基板上に形成された遮光性を有する隔壁で囲まれた開口部の内側に分光特性の異なる複数の着色インクをインクジェット法で打滴する工程と、前記開口部の内側に打滴された前記複数の着色インクの溶媒を乾燥させる工程と、前記開口部の内側に打滴された前記複数の着色インクのうち少なくとも一つ以上の着色インクに対してその上にその着色インクの膜厚に応じて透明インクをインクジェット法で打滴する工程と、前記打滴された透明インクの溶媒を乾燥させる工程と、前記開口部の内側に打滴された前記複数の着色インク及びその上に打滴された前記透明インクのモノマーを同時に重合させる工程とを備える。
【選択図】図10
Description
本発明は、カラーフィルタ製造方法及びカラーフィルタ製造装置に係り、特に、インクジェットを用い、ブラックマトリックスの中に着色インク及びその上に透明インクをインクジェットで打滴してカラーフィルタを製造する技術に関する。
近年、テレビ、パソコン、携帯電話などの液晶ディスプレイにカラー表示を可能とさせるために、カラーフィルタが広く用いられている。表示装置用カラーフィルタは、ガラス等の基板上に赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のドット状画像をそれぞれマトリクス状に配置し、その境界を隔壁(ブラックマトリクス)で区分して構成されている。
このようなカラーフィルタを低コストで形成する方法として、インクジェットを用いる方法がある。しかしこのとき、R、G、Bの各々の色を構成するインクドットで形成された着色部材の高さが異なり色間段差が生じ、画像品質が低下するという問題があり、従来これに対して様々な提案がなされている。
例えば、色間段差が少なく、かつ低コストで製造でき、また画像品位の高い液晶表示装置を提供するものとして、画素部上に着色インクドットとは別の透光性インクドットを形成し、また着色液を受容する受容層の膨潤量の色間差によって着色インクドットの膜厚が色間で異なることに起因する画像品質の低下を改善するために、透光性インクドットの膜厚をその着色インクドットの高さによって調整して色間の膜厚ばらつきを低減し、画質の向上を図ったカラーフィルタが知られている(例えば、特許文献1等参照)。
また、例えば、RGB画素となる部分であるインク形成層と、ブラックマトリクスとなる仕切部との間の厚み段差による画質低下を改善するため、透明絶縁基板上に仕切部を形成し、仕切に囲まれた部分に着色インクをインクジェット法で塗布した後、インク形成層の表面にオーバーコートインクをインクジェット法により塗布する際、オーバーコート被膜のレベリング性を向上させるために、オーバーコートインクにシリコーン系界面活性剤等のレベリング剤を添加したり、1〜20%の表面張力が低い有機溶剤を添加するようにしたカラーフィルタの製造方法が知られている(例えば、特許文献2等参照)。
しかしながら、上記特許文献1に記載のものでは、着色インクドットをインクジェットで形成した後、90℃で20分のプリベークと、230℃で30分の本ベークによって硬化させた後、透明インクドットを形成しているが、これでは時間が長く温度が高い本ベークが2回行われることとなり、インクジェット法を用いることによる工程削減効果が限定的となってしまうという問題がある。
また、さらに上記特許文献1に記載のものにおいては、着色インクドットの厚みがG<B<Rの順に厚くなっているが、厚みがこのような順になる根拠が示されていない。
また、上記特許文献2に記載のものでは、上記特許文献1のものと同様に、着色工程の後、着色インク硬化工程を実施しているため、やはり工程削減効果が限定的であるという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、画素毎に透明インク層を形成する際、着色インクと透明インクとの溶解を防ぐとともに、色毎の膜厚ばらつきを低減し、画素内のレベリング性改善効果を保ったまま、製造工程の複雑化を最小限にし、製造工程削減を図ることのできるカラーフィルタ製造方法及びカラーフィルタ製造装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、基板上に形成された遮光性を有する隔壁で囲まれた開口部の内側に分光特性の異なる複数の着色インクをインクジェット法で打滴する工程と、前記開口部の内側に打滴された前記複数の着色インクの溶媒を乾燥させる工程と、前記開口部の内側に打滴された前記複数の着色インクのうち少なくとも一つ以上の着色インクに対してその上にその着色インクの膜厚に応じて透明インクをインクジェット法で打滴する工程と、前記打滴された透明インクの溶媒を乾燥させる工程と、前記開口部の内側に打滴された前記複数の着色インク及びその上に打滴された前記透明インクのモノマーを同時に重合させる工程と、を備えたことを特徴とするカラーフィルタ製造方法を提供する。
これにより、硬化のため高温にさらした場合には過加熱になり、インク硬化の前に温度上昇による粘度低下によりインク流動性があがり、隔壁からインクが溢れる虞れがあるところ、本発明においては、透明インク打滴前には着色インクを本硬化させることなく乾燥するだけとし、着色インクの膜厚に応じて透明インクを打滴するようにしたので、色毎の膜厚ばらつきが低減され、過加熱による隔壁からのインク溢れが防止されるとともに、従来と比べて硬化工程が2回から1回に減り工程が削減され、さらに装置の規模も削減することができる。
また、請求項2に示すように、前記複数の着色インク及びその上に打滴された前記透明インクのモノマーを同時に重合させる工程は、熱重合工程であることを特徴とする。
これにより、UV照射併用と比べて工程及び装置を削減することが可能となる。
また、請求項3に示すように、前記複数の着色インク及びその上に打滴された前記透明インクのモノマーを同時に重合させる工程は、紫外線照射工程と熱重合工程であることを特徴とする。
これにより、先にUV照射により硬化することで、熱硬化の過加熱による溢れを防止することができる。
また、請求項4に示すように、前記複数の着色インクの溶媒を乾燥させる工程の後、前記透明インクをインクジェット法で打滴する工程の前に、前記複数の着色インクを半硬化させる工程を行うことを特徴とする。
これにより、着色インクの上に透明インクを打滴したときに着色インクと透明インクが溶解するのを防止することができるとともに、過加熱による溢れを防止することが可能となる。
また、請求項5に示すように、前記複数の着色インクを半硬化させる工程が、紫外線照射工程であることを特徴とする。
これにより、UV照射によって表面のみを硬化することができ、着色インクと透明インクの溶解が防止される。
また、請求項6に示すように、前記透明インクの主成分は、前記着色インクの色材を除いたものであることを特徴とする。さらに、請求項7に示すように、前記透明インクの重合モノマーのインクに対する比率が前記着色インクのそれよりも多いことを特徴とする。
また同様に前記目的を達成するために、請求項8に記載の発明は、基板上に形成された遮光性を有する隔壁で囲まれた開口部の内側に分光特性の異なる複数の着色インクをインクジェット法で打滴する手段と、前記開口部の内側に打滴された前記複数の着色インクの溶媒を乾燥させる手段と、前記開口部の内側に打滴された前記複数の着色インクのうち少なくとも一つ以上の着色インクに対してその上にその着色インクの膜厚に応じて透明インクをインクジェット法で打滴する手段と、前記打滴された透明インクの溶媒を乾燥させる手段と、前記開口部の内側に打滴された前記複数の着色インク及びその上に打滴された前記透明インクのモノマーを同時に重合させる手段と、を備えたことを特徴とするカラーフィルタ製造装置を提供する。
これにより、色毎の膜厚ばらつきが低減され、過加熱による隔壁からのインク溢れが防止されるとともに、従来と比べて硬化工程が2回から1回に減り工程が削減され、さらに装置の規模も削減することができる。
また、請求項9に示すように、前記透明インクの主成分は、着色インクの色材を除いたものであることを特徴とする。さらに、請求項10に示すように、前記透明インクの重合モノマーのインクに対する比率が前記着色インクのそれよりも多いことを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、透明インク打滴前には着色インクを本硬化させることなく乾燥するだけとし、着色インクの膜厚に応じて透明インクを打滴するようにしたので、色毎の膜厚ばらつきが低減され、過加熱による隔壁からのインク溢れが防止されるとともに、従来と比べて硬化工程が2回から1回に減り、工程が削減され、装置の規模も削減することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明に係るカラーフィルタ製造方法及びカラーフィルタ製造装置について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るカラーフィルタ製造装置の全体構成図である。
図1に示すように、本実施形態のカラーフィルタ製造装置10は、隔壁形成部11、撥液処理部12、画素形成部13及び保護膜形成部14から構成される。
また、図2にカラーフィルタ基板を示す。図2(a)は、カラーフィルタ基板20上に隔壁22によって区切られた画素エリア24が形成された様子を示す拡大平面図であり、図2(b)は、図2(a)のA−A線に沿った断面図である。また、図2(c)は、隔壁22の開口部である画素エリア24にRGBの着色インクを打滴して、カラーフィルタ26を形成した様子を示す拡大平面図である。
カラーフィルタ製造装置10の隔壁形成部11は、カラーフィルタ基板20上に、ブラックマトリクスの機能を持った遮光性を有する隔壁22を形成するものである。ここでは、カラーフィルタ基板20として透明なガラス基板を用いた例で説明するが、カラーフィルタ基板20の素材は、ガラス基板に限定されるものではなく、他の素材の基板を用いてもよい。
この隔壁22は、公知のカラーフィルタ用ブラックマトリクスと同様の素材を用い、同様の公知の方法(例えば、特開2006−17980号公報、特開2007−193090号公等報参照)により形成すればよい。
撥液処理部12は、画素エリア24に打滴した着色インクが隔壁22を越えて溢れることによる隣接画素間での混色を防止するために、隔壁22に撥インク処理を施す。この撥インク処理は、公知の撥インク処理方法(例えば、特開2002−62420号公等報参照)を適用することができる。なお、撥インク性を備えた材質を用いて隔壁22を形成することにより、撥液処理部12を省略することも可能である。
画素形成部13は、画素エリア24に赤(R)、緑(G)、青(B)の各着色インクをインクジェット方式で打滴する。そして、図2(c)に示すように、画素エリア24に各着色インクが付与されたカラーフィルタ26が形成される。なお、画素形成部13の詳細については後述する。
保護膜形成部14は、着色インクが打滴された画素エリア24上に、透明インク層を形成する。透明インク層は、着色インクが打滴された画素エリア24を保護し、カラーフィルタ26の平坦性や耐熱性を向上させる保護膜としての機能を有している。
なお、カラーフィルタ基板20の各部への搬送は、図示しない搬送手段により自動的に行ってもよいし、作業者が行ってもよい。
ここで、画素形成部13の詳細について説明する。図3は、画素形成部13の構成図である。同図に示すように、画素形成部13は、カラーフィルタ基板20が載置されるプラテン32、カラーフィルタ基板20に向けて着色インクを吐出する印字部51、着色インク内に含まれる溶媒(有機溶剤)を除去する予備処理部34、活性エネルギー線を照射してインクを半硬化させる半硬化部36とを含み構成されている。
プラテン32は、カラーフィルタ基板20の幅よりも広い幅寸法を有しており、その基板保持面には多数の吸引穴(図4参照、符号33)が形成されている。プラテン32下面には吸着チャンバー42が設けられており、この吸着チャンバー42をファン44で吸引して負圧にすることによって、プラテン32上のカラーフィルタ基板20が吸着時保持される。なお、吸引吸着方式に代えて、静電吸着方式を採用してもよい。プラテン32は、図示しない搬送機構によって図3に矢印で示すように図の左から右へ搬送される。
印字部51の各印字ヘッド50R、50G、50Bは、ピエゾ方式、静電アクチュエータ方式、サーマル方式、静電吸引方式等の一般的なインクジェット方式が利用できる。インクの自由度、ヘッド寿命等を考えるとピエゾ方式が特に望ましい。
各印字ヘッド50R、50G、50Bは、カラーフィルタ基板20の搬送方向(図3に矢印で示す方向、副走査方向)に沿って上流側から赤(R)、緑(G)、青(B)の順に配置されており、後述するヘッド移動機構60(図4参照)により、カラーフィルタ基板20の幅方向(副走査方向に垂直な方向、主走査方向)に往復移動可能に構成されている。各印字ヘッド50は、カラーフィルタ基板20の幅方向に走査させて幅方向に対するインク吐出を行い(これを主走査という)、一回の幅方向のインク吐出が終わるとカラーフィルタ基板20を搬送方向に所定量だけ移動させて(これを副走査という)、次の吐出領域のカラーフィルタ基板20の幅方向に対するインク吐出を行う。この動作を繰り返してカラーフィルタ基板20の各画素エリア24に各色の着色インクを打滴することができる。
インク貯蔵部54は、各印字ヘッド50R、50G、50Bへ供給されるインクを貯蔵する。例えば、各インク(R、G、B)をそれぞれ貯蔵する複数のインクタンクからなる。
次に、ヘッド移動機構60は、各印字ヘッド50R、50G、50Bについてそれぞれ同様の構成で備えられているので、ここでは代表して印字ヘッド50Rのヘッド移動機構60について説明する。
図4に、ヘッド移動機構60を斜視図で示す。ヘッド移動機構60は、ヘッド50Rを主走査方向に走査移動させるものであり、ドライブスクリュ62、ガイドレール63、駆動支持部64、支持部65、キャリッジ66とから構成されている。
ガイドレール63は、ヘッド50Rの移動をガイドするためのものであり、キャリッジ66に形成された貫通孔に挿通され、カラーフィルタ基板20の搬送方向と直交するように配置されている。
ドライブスクリュ62は、ガイドレール63と所定の間隔を有するように、ガイドレール63と平行に配置されている。ドライブスクリュ62は、キャリッジ66に形成された雌ネジ部とカ咬み合う雄ネジ部を有するボールネジ等から構成され、回転することによりキャリッジ66を移動させる。
また、ドライブスクリュ62及びガイドレール63は、使用可能な最大のカラーフィルタ基板20の画像形成領域の全幅を、キャリッジ66が移動可能な長さで構成されている。
駆動支持部64及び支持部65は、ドライブスクリュ62を正逆回転可能な状態で支持するとともに、ガイドレール63を移動しないように支持するためのものである。駆動支持部64は、ドライブスクリュ62及びガイドレール63の一端に配置されており、図示しないモータ等の駆動源によりドライブスクリュ62を駆動する。また、支持部65は、駆動支持部64とは反対側の端部に配置されており、これらは、画素形成部13の図示を省略した筐体に支持されている。
キャリッジ66は、ドライブスクリュ62及びガイドレール63によって移動可能に支持されており、駆動支持部64によりドライブスクリュ62が正逆回転されることで、ガイドレール63に案内されつつ、主走査方向(X方向)に往復移動する。
ヘッド50Rは、キャリッジ66の下面に取り付けられ、キャリッジ66の移動に伴って移動する。
なお、ヘッド移動機構60の構成については、この例に限定されるものではなく、その他の公知の移動機構を用いることができる。
図3に戻り、プラテン32により形成される搬送路上において印字部51の下流側には、予備処理部34及び半硬化部36が設けられている。
予備処理部34は、遠赤外線ヒータ、ニクロム線ヒータ等を含んで構成され、カラーフィルタ基板20上に打滴されたインク内に含まれる溶媒を乾燥させて除去する。
半硬化部36は、活性エネルギー線を発する照射エネルギー源を含んで構成される。半硬化部36は、予備処理部34で溶媒が除去されたカラーフィルタ基板20上のインクに活性エネルギー線を照射して半硬化させる。照射エネルギー源や照射時間は、インクの特性に応じて適宜設定すればよい。
なお、半硬化部36による半硬化は必ずしも行う必要はなく、予備処理部34における乾燥のみにしてもよい。
次に、各印字ヘッド50R、50G、50Bを構成するヘッドモジュール52について説明する。各印字ヘッド50R、50G、50Bは、複数のヘッドモジュール52を組み合わせることにより構成されている。なお、インク色ごとに設けられている各印字ヘッド50R、50G、50Bの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号50によって印字ヘッドを表すものとする。
図5は、印字ヘッド50を構成するヘッドモジュール52を、カラーフィルタ基板20と対向するノズル面(インク吐出面)側から見て、さらにそのインク流路を示す模式図である。印字ヘッド50はヘッドモジュール52を略直線上につないで形成することもできるし、千鳥状に配置することもできる。
図5に示すように、一つのヘッドモジュール52は、16×32個の2次元ノズル配置を有している。また、各ノズル100の各列は、インクジェットヘッド30の移動方向(X方向)に対して角度αだけ傾斜を有するW方向に配置されており、さらに各ノズル100の各行は、カラーフィルタ基板20の搬送方向(Y方向)に対して角度γだけ傾斜を有するV方向に配置されている。
図5に示すように、支流供給路116が、2ノズル列分にインクを供給するように2ノズル列おきに配置されており、各ノズル100はそれぞれ支流供給路116と連通されている。また、各支流供給路116は本流供給路126と連通されており、本流供給路126は、インク貯蔵部54(図3参照)の各インクタンクから送液されたインクを各支流供給路116に供給する。
また、支流循環路128が、2ノズル列分のインクを通流するように、支流供給路116と交互に2ノズル列おきに配置されている。各支流循環路128は本流循環路129と連通されており、本流循環路129は各支流循環路128からのインクを図示しない回収タンクに送液する。
インク貯蔵部54のインクタンクと回収タンクの、それぞれの内部を大気開放した状態でタンク位置の高低差を調整することにより、インク流路のインク流量を制御する。なお、各タンク内の圧力や図示しないポンプによるインク流量を調整してインク流量を制御してもよい。また、図示しない送液手段を用いて、回収タンクからインク貯蔵部54へインクを送液することにより、インクを循環させてもよい。
図6は、図5に示すノズル100、支流供給路116、及び支流循環路128のY方向における断面図である。
各ノズル100に対応して設けられている圧力室112は、その平面形状が概略正方形となっており、対角線上の両隅部に供給絞り114とノズル連通路124とが設けられている。図6に示すように、各圧力室112は供給絞り114を介して支流供給路116と連通されており、さらに各圧力室112はノズル連通路124を介してノズル100と連通されている。
なお、図5に示したように、一つの支流供給路116は、2ノズル列分にインクを供給するように2ノズル列おきに配置されており、一つの支流供給路116には、両側のノズル列を構成するノズルの圧力室に連通される多数の供給絞り114が連通されている。
圧力室112の天面を構成している加圧板118には個別電極120を備えたアクチュエータ122が接合されており、個別電極120に駆動電圧を印加することによってアクチュエータ(ピエゾアクチュエータ)122が変形し、ノズル連通路124を通ってノズル100からインクが吐出される。インクが吐出されると、支流供給路116から供給絞り114を通って新しいインクが圧力室112に供給される。
また、各ノズル100の支流供給路116の反対側には、支流循環路128が設けられており、各ノズル100と支流循環路128とは循環絞り127を介して連通されている。なお、図5に示したように、一つの支流循環路128は、2ノズル列分からインクが排出されるように2ノズル列おきに配置されており、一つの支流循環路128には両側のノズル列を構成するノズルに連通される多数の循環絞り127が連通されている。
このように、各ノズル100でのインク吐出の有無に関わらず、支流供給路116から支流循環路128へインクを常に通流させることにより、ノズル100での目詰まりを防止している。
次に、各ノズル100の配列パターンについて説明する。
図7は、ヘッドモジュール52のノズル配置の詳細図である。図7では、131〜161の4列のノズル列が図示されているが、実際にはこの4列と同様な繰り返し配列パターンで合計32列が1個のヘッドモジュール52に配置され、各ノズル列には16個のノズルが設けられている。
図7において、X方向が印字ヘッド50の移動方向(主走査方向)で、Y方向がカラーフィルタ基板20の搬送方向(副走査方向)である。図7に示す各ノズルは、それぞれのノズル列の各ノズルをY方向に投影させたときの一つのノズル列の投影ノズルの間には、他のノズル列の投影ノズルが配置されるように、各ノズルが配置されている。
すなわち、1本の走査ライン170を打滴する場合、主走査方向に隣接するドット181、182、183及び184は、ノズル列131のノズル132などから吐出される。また、ドット184に隣接するドット185は、ノズル列131のノズル133から吐出され、以下、同様のノズル列パターンで吐出される。このように、ノズル列131、141、151、161の順に4列のノズル列を所定のパターンで使い回すことで、主走査方向の隣接ドットを打滴する。
従って、主走査方向については、各ノズル100が一定のピッチDで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。このような構成により、高密度のノズル構成を実現することが可能となる。
本実施形態では、複数のヘッドモジュール52を組み合わせて印字ヘッド50を構成しているが、一つのヘッドモジュール52を印字ヘッド50として用いてもよい。
また、印字ヘッド50は、カラーフィルタ基板20の全域をカバーするフルライン型のヘッドを構成してもよい。この場合には、ヘッド50と同様に、モジュール52をを略直線上につないで形成することもできるし、千鳥状に配置することもできる。このように構成することで、印字ヘッド50がカラーフィルタ基板20の搬送方向と直交する方向に往復動作する場合と比較し、高速に印字することが可能となり、生産性を向上させることができる。なお、この場合は、図5に示すX方向において、ヘッドモジュールをつなぎ、カラーフィルタ基板20の全域をカバーし、図5に示すY方向がカラーフィルタ基板20の搬送方向となる。
図8は、画素形成部13のシステム構成を示す要部ブロック図である。図8に示すように、画素形成部13は、通信インターフェース204、システムコントローラ206、プリント制御部208、画像メモリ210、画像バッファメモリ212、予備処理部34、半硬化部36、ヘッドドライバ220等を備えている。
通信インターフェース204にはUSB、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。
システムコントローラ206は、CPU(演算部)と画像処理用IC(DSP)、メモリコントローラから構成してもよいし、これらの機能をワンタッチ化したIC(プロセッサ)で構成してもよい。
ホストコンピュータ202から送出されたカラーフィルタデータは通信インターフェース204を介して画素形成部13に取り込まれ、一旦画像メモリ210に記憶される。取り込まれたカラーフィルタデータは展開され、プラテン32の図示しない搬送機構を制御する搬送系制御信号が生成される。搬送系制御信号はシステムコントローラ206から図示しない搬送機構及び予備処理制御部214、照射制御部216へ加えられる。なお、画像メモリ210にはRAMが適用されるが、半導体素子だけでなくハードディスクなどの磁気媒体を用いてもよい。
プリント制御部208は、画像メモリ210から送られたカラーフィルタデータに対して各種の画像処理や補正処理を施し、ヘッドドライバ220へ出力する。プリント制御部208には、カラーフィルタデータを処理する際にデータやパラメータなどを一時的に格納するための画像バッファメモリ112が備えられている。なお、画像バッファメモリ112は、画像メモリ210と兼用することも可能である。また、プリント制御部208に用いられるプロセッサに内蔵されているメモリを用いてもよい。
ヘッドドライバ220は、プリント制御部208から送られたカラーフィルタデータに基づいて、各色ヘッドのアクチュエータ122を駆動する。ヘッドドライバ220には、ヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
予備処理制御部214は、システムコントローラ206の指令に従い、予備処理部34における処理温度、処理時間等を制御する。同様に、照射制御部216は、半硬化部36を制御する。
なお、保護膜形成部14も、以上説明した画素形成部13と同様に、透明インクを吐出する透明インク印字部と、着色インクと透明インクを硬化させる熱硬化処理部とを有して構成される。
しかし、装置が大型化するのを防ぐために、透明インクを吐出するノズルを備えた透明インク印字ヘッド50Tを画素形成部13の印字部51内に設けるとともに、着色インクと透明インクを硬化させる熱硬化処理部38を画素形成部13内に設け、画素形成部13が保護膜形成部14を含む形に構成し、カラーフィルタ基板20を搬送するプラテン32を逆送可能に構成してもよい。また、透明インク印字ヘッド50Tは、ヘッドドライバ220を介してプリント制御部208で制御するとともに、加熱硬化部38を加熱制御部218で制御するようにする。
そして、まず、画素形成部13の印字部51で各着色インクを打滴した後、予備処理部34で着色インクを乾燥する。またこのとき前述したように、さらに着色インクを半硬化してもよいが、必ずしも半硬化しなくともよい。そして、再度カラーフィルタ基板20を印字部51に逆送して、今度は透明インク印字ヘッド50Tで各着色インク上に透明インクを打滴し、予備処理部34で透明インクに対し予備処理(溶媒除去)を行う。続いて半硬化部36により、着色インクと透明インクを同時に硬化(半硬化)し、その後加熱処理部38において、着色インクと透明インクに対して熱硬化処理を行う。なお、上記着色インクと透明インクの硬化にはUV硬化を併用するようにしてもよい。
以下、本発明に係るカラーフィルタ製造方法について説明する。
図9は、カラーフィルタ製造方法の第1の実施形態を示すフローチャートである。
まず、図9のステップS100の隔壁形成工程において、隔壁形成部11により、カラーフィルタ基板20上に隔壁22を形成する。隔壁22は、遮光性を有し、ブラックマトリクスの機能を持つものである。カラーフィルタ基板20上に、この隔壁22の開口部に着色インクを打滴するための画素エリア24が形成される(図2参照)。
次に、ステップS110の撥液処理工程において、撥液処理部12により、隔壁22に撥インク処理を施す。これは前述したように、画素エリア24に打滴した着色インクが隔壁22を越えて溢れることにより隣接画素間での混色を防止するために行われるものである。
次に、ステップS120のRGBインクのIJ(インクジェット)打滴工程において、画素形成部13によりインクジェット法によって隔壁22内の画素エリア24にRGBの着色インクを打滴する(図3参照)。すなわち、画素形成部13の印字部51は、赤(R)、緑(G)、青(B)の各着色インクをインクジェット方式により画素エリア24に打滴する。
ここで、着色インクについて説明する。着色インクは、色材、溶媒、重合性モノマー及び界面活性剤を含んで構成される。
色材としては、顔料、染料を使用することができる。顔料よりコントラスト、色再現域、輝度に優れる染料を利用するのが好ましい。後述するようにこの後インク層の上に透明インク層を形成するので、染料を用いてもカラーフィルタに要求される耐熱性、耐薬性、耐光性を満たすことができる。
溶媒としては、各成分の溶解性や沸点、安全性を考慮して選ばれることが好ましい。また、一種ではなく、複数種で構成してもよい。インクジェット吐出の安定性の観点から、主溶媒の沸点が高いもの(100℃以上)が好ましい。例として、シクロヘキサノン、N−メチルピロリドン、ベンジンアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、ジシクロヘキシルメチルアミン等がある。
重合性モノマーとしては、特に制限は無いが、各種置換基のバリエーションが多く、入手が容易な点で、(メタ)アクリル系モノマー、エポキシ系モノマー、及びオキセタニル系モノマーから選択される1種以上を含有することが好ましい。例として、DPCA−60(日本化薬社製(KAYARAD DPCA−60)、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)、DPHA(日本化薬社製(KAYARAD DPHA)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)、AD−TMP(新中村化学工業社製(NKエステルAD−TMP)、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート)などがある。
また、UV硬化を利用する場合には重合性モノマーの重合反応を促進する目的で、重合開始剤を添加する。重合開始剤としては、例えば、IRGACURE 369(チバスペシャルティケミカルズ社製)、IRGACURE 819(チバスペシャルティケミカルズ社製)、IRGACURE OXE 02(チバスペシャルティケミカルズ社製)、DAROCUR TPO(チバスペシャルティケミカルズ社製)などがある。
また、インクジェット吐出性の調整に界面活性剤を用いることができる。界面活性剤の例としては、KF−353(信越シリコーン社製、ポリエーテル変性シリコーンオイル)、BYK−377(ビックケミー社製、ポリエーテル変性ジメチルシロキサン混合物)、Solsperse20000(Lubrizol社製)、F781−F(大日本インキ化学工業製(メガファックF781F))などがある。
また本実施例において、着色インクRGB及び透明インクTについては、以下の表1に示すものを用いた。なお、表における数値は重量%である。
RGB間で同じ滴量が吐出するように印字ヘッド50の吐出駆動波形を調整し、隔壁22内の画素エリア24に対して、1画素内に同じ滴数で描画したときに、カラーフィルタとして必要な色特性が発現するように調整した。また、このときの膜厚はG>R>Bとなった。
ここでは着色インクRGB間で隔壁22内の画素エリア24に対して1画素内の打滴数が同じであるため、画素エリア24に対する着弾液滴の位置を色間で同一にすることができ、着弾位置ずれによる白抜けや、溢れを防止することが比較的容易である。
また、次の表2に示すように、各インクにおける固形分量を各色で同一にしたインクを利用した。
このとき、カラーフィルタとして必要な色特性が発現するように、隔壁22内の画素エリア24に対して1画素内への打滴量を調整したところ、Gに対してRは92%、Bは85%となった。また、膜厚は打滴量に比例して、G>R>Bとなった。
このインクは粘度表面張力がインクにより変わらず略一定であるため、インク間での吐出安定性の差が少なく、良好な吐出特性を得ることが可能である。
なお、UV硬化を併用した場合には、上記インクに2重量%のIRG−819を添加してインクを作成した。
また、染料としては、以下の式[化1]〜[化4]で表される化合物が好適に用いられる。
また、次の式[化5]において、R1〜R3を以下の式[化6]とし、R4を以下の式[化7]として、M1をCuとした化合物も好適に用いられる。
さらに、次の式[化8]において、R1〜R3を以下の式[化9]とし、R4を以下の式[化10]として、M1をCuとした化合物も好適に用いられる。
表1、2の染料として、R用Mは[化1]で表される化合物、R用Yは[化3]で表される化合物、G用Yは[化2]で表される化合物、G用Cは[化5]においてR1〜R3を式[化6]、R4を式[化7]、M1をCuとした化合物、B用Cは[化8]においてR1〜R3を式[化9]、R4を式[化10]、M1をCuとした化合物、B用Mは[化4]で表される化合物を用いた。
次に、ステップS130の乾燥工程において、画素形成部13の印字部51の下流にある予備処理部34(乾燥処理部)により、各画素エリア24内に打滴された着色インクに含まれる溶媒を乾燥して除去する。乾燥処理は、ホットプレート、オーブン、真空乾燥装置等で行われる。ホットプレート、オーブンを利用したときの加熱温度及び加熱時間については、インクの組成や画素の厚み等の特性に応じて適宜設定すればよいが、例えば、80℃〜150℃、2分〜20分の範囲で良好な特性が得られる。
次に、ステップS140の透明インクのIJ打滴工程において、保護膜形成部14により、隔壁22内の画素エリア24に打滴されたRGBの着色インク上の少なくとも一色以上の上に透明インクを各着色インクの膜厚に応じてインクジェット法によって打滴する。
透明インクを着色インク(RGBインク)の上にその膜厚に応じて配置することで、RGB間の高さばらつきやRGBと隔壁22との段差を補い、レベリング性を良好にする効果がある。透明インクは、着色インクの色材を除いたもので構成される。インクジェット適性を着色インクと合わせるために、重合性モノマー量のインクに対する比率を着色インクより多くすることが望ましい。その他バインダ等の粘度調整剤を添加してもよい。
このように、透明インクを着色インクの上に配置したことにより、最表面に色材が存在しないため、耐薬性、耐熱性、耐光性等を向上させるRGB層の保護膜として働くので、従来、耐薬性、耐熱性、耐光性の観点から使用が限定的であつた染料を色材として用いることが可能となる。
また、青(B)に利用されるバイオレット染料の耐薬性、耐熱性、耐光性が特に低いので、青(B)の透明インク層が他の色より厚いことが望まれる。用途によっては、青(B)のみ透明インク層を設けることでも効果がある。また、染料を使用することで、顔料の欠点であったコントラスト、色再現域、輝度の改善が可能となる。
なお、保護膜形成部14の透明インクをインクジェット法で打滴する装置としては、RGB各着色インクを吐出するヘッドと同様の構成を有する装置を利用することができる。すなわち、前述したように、カラーフィルタ基板20を搬送するプラテン32を逆送可能とし、透明インクを吐出する透明インク印字ヘッド50Tを画素形成部13の印字部51内に設置するとともに、熱硬化処理を行う加熱硬化部38を画素形成部13内に設けるようにしてもよい(図8参照)。これにより、予備処理部34で各着色インクを乾燥したカラーフィルタ基板20を、再び印字部51に逆送して、各着色インクの上に透明インク印字ヘッド50Tから透明インクを打滴することができる。
なお、各着色インクの膜厚に応じて透明インクを打滴するためには、例えば、各着色インクが乾燥工程による溶媒除去によりどの程度の膜厚になるかを予め測定し、そのデータを保持しておき、そのデータに基づいて透明インクを打滴するようにすればよい。
次に、ステップS150の乾燥工程において、各着色インクの上に打滴した透明インクを乾燥させる。これは着色インクと同様の乾燥装置を利用することができる。すなわち、上述したように、カラーフィルタ基板20を逆送して透明インクを打滴するようにした場合には、画素形成部13の予備処理部34で各着色インクと同様に透明インクを乾燥することができる。
次に、ステップS160の熱硬化工程において、加熱硬化部38における熱硬化処理により着色インクと透明インクを同時に重合させる。
すなわち、ホットプレートやオーブンによる熱硬化を行うことで、着色インクと透明インクを同時に重合させる。これには、180℃〜250℃で、20分〜60分の重合条件で行うとよい。
また、過加熱による透明インクの流動性アップにより、隔壁22からの溢れに注意して加熱条件を設定する必要がある。隔壁22からの溢れに対しては透明インクへの界面活性剤の添加が望ましい。界面活性剤の選択は、インクジェット吐出性や、溢れ、溶媒やモノマーを加味して適宜選択すればよい。透明インクは色材がないためインク構成として簡単で界面活性剤の選択範囲が広がるため、着色インクより溢れ防止は容易である。
さらに、着色インクと同様に溢れ防止に対しては、熱重合の前にUV硬化を行うこともできる。なお、着色インクと透明インクを同時に重合させる工程をUV照射と熱重合を併用して行うようにしてもよい。しかし、UV光等の光照射による光硬化の方法のみにより完全硬化することは、着色インクの色材の吸収性から多大な露光量が必要となり(100倍以上)、現実的ではないと考えられる。
このように、着色インクと透明インクを同時に重合した後、液晶表示方式に応じて、この上に、透明電極(ITO)、柱状スペーサ(PS)、MVA方式用リブ、さらなる平坦化のための全面均一オーバーコート(OC)等を適宜形成することにより、カラーフィルタとして完成する。
以上説明したカラーフィルタ製造方法を、各工程におけるカラーフィルタ基板20の状態を示して説明する。
図10に、上記カラーフィルタ製造方法の各工程におけるカラーフィルタ基板20の状態を模式的に示す。
まず、図10(a)に、図9のステップS120のRGBインクのIJ打滴工程後の状態を示す。カラーフィルタ基板20上に形成された隔壁22の開口部である画素エリア24にそれぞれ赤インク(R)、緑インク(G)、青インク(B)が打滴されている。
このとき、前述したように、青(B)のインクに利用されるバイオレット染料の耐薬性、耐熱性、耐光性が特に低いので、青(B)に対する透明インク層を他の色のインクよりも厚くするため、青インク(B)の打滴量が他よりも少なくなっている。
次に図10(b)に、図9のステップS130の乾燥工程後の状態を示す。このとき、図に示すように、各着色インクの溶媒が除去されて、緑インク(G)は略隔壁22の高さ、赤インク(R)は隔壁22より少し低く、また青インク(B)は隔壁22よりかなり低くなっている。
次に図10(c)に、図9のステップS140の透明インクのIJ打滴工程後の状態を示す。図に示すように、緑インク(G)には透明インクは打滴されず、赤インク(R)及び青インク(B)に対してのみ透明インク(T)が打滴されている。さらに、このとき赤インク(R)よりも青インク(B)の方が透明インク(T)の打滴量が多くなっている。
次に図10(d)に、図9のステップS160の熱硬化工程後の状態を示す。図に示すように、各着色インク(RGBインク)と透明インク(T)が重合された結果、それぞれの高さが略隔壁22の高さに均一化されている。
このように、本実施形態においては、各着色インクを打滴した後、乾燥させるだけで、従来のように本硬化は行なわず、透明インクを打滴してから、最後に着色インクと透明インクを同時に硬化させるようにしたため、特に時間がかかる本硬化工程が削減されたことにより、大きな工程削減効果が得られ、また、着色インクの膜厚(打滴量)に応じて透明インクを打滴するようにしたため、画素間の厚みが均一化される。
次に、本発明のカラーフィルタ製造方法の第2の実施形態について説明する。
図11に、カラーフィルタ製造方法の第2の実施形態のフローチャートを示す。
図11に示すように、本実施形態に係るカラーフィルタ製造方法は、前述した第1の実施形態に対して、RGBインクのIJ打滴工程の後の乾燥工程の次に半硬化(UV照射)工程を追加したものであり、その他の工程は第1の実施形態と同様である。
そこで、図11のステップS240の半硬化工程についてのみ説明する。
この半硬化工程は、カラーフィルタ基板20上に隔壁を形成し、隔壁上に対して撥液処理を行い、隔壁で仕切られた画素エリアに着色インクを打滴して、着色インクを乾燥させた後に行われるものである。
すなわち、有機溶剤を乾燥除去させた着色インクに対して、さらにエネルギーを与えて半硬化させる。半硬化させることにより、この後の透明インクの打滴において、着色インクと透明インクとが溶解せず、透明インクが着色インクの保護膜として働くためにより有効となる。
半硬化の方法としては、画素形成部13の予備処理部34による乾燥に引き続き、加熱硬化部38におけるホットプレートやオーブンによる熱硬化を行うことや、半硬化部36におけるUV光等の光照射による光硬化の方法がある。
熱硬化においては、過加熱による着色インク流動性アップにより、着色インクの隔壁22からの溢れに注意して加熱条件を設定する必要がある。
UV硬化は、着色インクの色材の吸収特性から容易に半硬化(表面のみ硬化)が可能である。また、UV光源としては、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ハイパワーメタルハライドランプ等を利用することができる。なお、UV硬化のみを利用して完全硬化することは着色インクの色材の吸収特性から多大な露光量(100倍以上)が必要となるため現実的ではない。
また実際に、石英ガラスに着色インク(RGB)、及び透明インク(T)をそれぞれスピンコートで塗布し、上述したカラーフィルタ形成プロセスにより膜硬化したサンプルを用いて紫外線領域の吸光度を分光光度計(日本分光性V−560)で測定した測定結果を図12に示す。
図12において、横軸は波長、縦軸は吸光度であり、RのグラフはRインク、GのグラフはGインク、BのグラフはBインク、Tのグラフは透明インクの特性をそれぞれ示している。
図12に示すように、紫外線領域では、吸光度は1以上で、膜下部には紫外線が到達していないことがわかる。従って、UV硬化を行った場合、上部のみ硬化して、下部は硬化していない状態、すなわち半硬化状態であると推定できる。
また、UV露光量をアップすれば、下部まで硬化可能であるが、ここでは現実的な値として、2000mJ/cm2を照射した。
このように、RGBインクを半硬化した後、第1実施形態と同様に、各着色インク上に透明インクを打滴し、乾燥させて、各着色インクと透明インクを同時に熱硬化させて重合させることでカラーフィルタが製造される。
このように、本実施形態においては、各着色インクを打滴した後、乾燥及び半硬化させるだけで、従来のように本硬化は行なわず、透明インクを打滴してから、最後に着色インクと透明インクを同時に硬化させるようにしたため、特に時間がかかる本硬化工程が削減されたことにより、大きな工程削減効果が得られ、また、画素間の厚みが均一化される。特に、本実施形態では、半硬化させることにより、着色インクの上に透明インクを打滴したときにこれらのインクが溶解することがなく、透明インクが各着色インクの保護膜となる。
以上、本発明のカラーフィルタ製造方法及びカラーフィルタ製造装置について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
10…カラーフィルタ製造装置、11…隔壁形成部、12…撥液処理部、13…画素形成部、14…保護膜形成部、20…カラーフィルタ基板、22…隔壁、24…画素エリア、26…カラーフィルタ、32…プラテン、34…予備処理部(乾燥処理部)、36…半硬化部、38…加熱硬化部、50(50R、50G、50B)…(着色インク)印字ヘッド、50T…透明インク印字ヘッド、51…印字部、52…ヘッドモジュール
Claims (10)
- 基板上に形成された遮光性を有する隔壁で囲まれた開口部の内側に分光特性の異なる複数の着色インクをインクジェット法で打滴する工程と、
前記開口部の内側に打滴された前記複数の着色インクの溶媒を乾燥させる工程と、
前記開口部の内側に打滴された前記複数の着色インクのうち少なくとも一つ以上の着色インクに対してその上にその着色インクの膜厚に応じて透明インクをインクジェット法で打滴する工程と、
前記打滴された透明インクの溶媒を乾燥させる工程と、
前記開口部の内側に打滴された前記複数の着色インク及びその上に打滴された前記透明インクのモノマーを同時に重合させる工程と、
を備えたことを特徴とするカラーフィルタ製造方法。 - 前記複数の着色インク及びその上に打滴された前記透明インクのモノマーを同時に重合させる工程は、熱重合工程であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ製造方法。
- 前記複数の着色インク及びその上に打滴された前記透明インクのモノマーを同時に重合させる工程は、紫外線照射工程と熱重合工程であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ製造方法。
- 前記複数の着色インクの溶媒を乾燥させる工程の後、前記透明インクをインクジェット法で打滴する工程の前に、前記複数の着色インクを半硬化させる工程を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のカラーフィルタ製造方法。
- 前記複数の着色インクを半硬化させる工程が、紫外線照射工程であることを特徴とする請求項4に記載のカラーフィルタ製造方法。
- 前記透明インクの主成分は、前記着色インクの色材を除いたものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のカラーフィルタ製造方法。
- 前記透明インクの重合モノマーのインクに対する比率が前記着色インクのそれよりも多いことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のカラーフィルタ製造方法。
- 基板上に形成された遮光性を有する隔壁で囲まれた開口部の内側に分光特性の異なる複数の着色インクをインクジェット法で打滴する手段と、
前記開口部の内側に打滴された前記複数の着色インクの溶媒を乾燥させる手段と、
前記開口部の内側に打滴された前記複数の着色インクのうち少なくとも一つ以上の着色インクに対してその上にその着色インクの膜厚に応じて透明インクをインクジェット法で打滴する手段と、
前記打滴された透明インクの溶媒を乾燥させる手段と、
前記開口部の内側に打滴された前記複数の着色インク及びその上に打滴された前記透明インクのモノマーを同時に重合させる手段と、
を備えたことを特徴とするカラーフィルタ製造装置。 - 前記透明インクの主成分は、着色インクの色材を除いたものであることを特徴とする請求項8に記載のカラーフィルタ製造装置。
- 前記透明インクの重合モノマーのインクに対する比率が前記着色インクのそれよりも多いことを特徴とする請求項8または9に記載のカラーフィルタ製造装置。
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