JP2018069550A - インクジェットプリンタおよび印刷方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】印刷物全体としての一体感や耐擦過性の向上した印刷物を得ることができる印刷方法を提供すること。
【解決手段】本発明に係る印刷方法は、記録媒体を用意する工程(ステップS1)と、記録媒体上にクリアーインクを付与して、未硬化のクリアーインク層を形成する工程(ステップS3)と、上記未硬化のクリアーインク層の少なくとも一部の表面にカラーインクを付与して、未硬化のカラーインク層を形成する工程(ステップS4)と、上記未硬化のクリアーインク層と上記未硬化のカラーインク層とを硬化させる工程(ステップS6)と、を包含する。
【選択図】図3
【解決手段】本発明に係る印刷方法は、記録媒体を用意する工程(ステップS1)と、記録媒体上にクリアーインクを付与して、未硬化のクリアーインク層を形成する工程(ステップS3)と、上記未硬化のクリアーインク層の少なくとも一部の表面にカラーインクを付与して、未硬化のカラーインク層を形成する工程(ステップS4)と、上記未硬化のクリアーインク層と上記未硬化のカラーインク層とを硬化させる工程(ステップS6)と、を包含する。
【選択図】図3
Description
本発明は、ソルベント系光硬化性インクを用いるインクジェットプリンタおよび印刷方法に関する。
従来から、光重合性組成物と光重合開始剤系と揮発性有機溶剤とを含むソルベント系光硬化性インクを使用して、記録媒体上に画像等を印刷するインクジェットプリンタや印刷方法が知られている。これに関連する技術として、特許文献1には、インクジェットヘッドからソルベント系光硬化性インクを噴射して記録媒体の表面にインク滴を着弾させ、このインク滴を加熱手段で加熱して揮発性有機溶剤を揮発除去した後、UV照射手段で紫外線を照射してインク滴を硬化させ、記録媒体の表面に画像を印刷する方法が開示されている。
図5に、特許文献1の印刷方法によって得られる印刷物の模式的な断面図を示す。図5に示す印刷物は、記録媒体50と、記録媒体50上に形成された画像50Coとを備えている。画像50Coは、ソルベント系光硬化性インクの硬化物からなる。画像50Coの表面50Co−Sは、光沢感を有している。一方、画像50Coを印刷していない部分の表面50−Sでは、記録媒体50本来の質感が維持されている。このため、上記印刷物では、画像50Coの表面50Co−Sと、画像50Coを印刷していない部分の表面50−Sとで、光沢感が大きく異なることがある。その結果、印刷物全体としての一体感や統一感に欠け、ユーザーが印刷物の仕上がりに違和感を覚えることがあった。また、画像50Coを印刷していない部分の表面50−Sでは、擦過性が低くなることがあった。
このような違和感を軽減したり耐擦過性を向上したりする目的で、従来より、印刷物の表面を熱可塑性樹脂等でラミネート加工することがなされている。しかしながら、印刷物の表面をラミネート加工する方法では、ラミネート機構が必要となり、プリンタが大型化したり高価になったりする。また、処理の手間も煩雑である。このため、新たな発想で印刷物全体としての一体感や耐擦過性の向上した印刷物を実現することが求められていた。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、印刷物全体としての一体感や耐擦過性の向上した印刷物を得ることができるインクジェットプリンタ及び印刷方法を提供することである。
本発明に係る印刷方法は、記録媒体を用意する工程と、上記記録媒体の印刷面全体に、光硬化性樹脂と光重合開始剤系と揮発性有機溶剤とを含むクリアーインクを付与して、上記クリアーインクに含まれる上記揮発性有機溶剤の少なくとも一部を揮発除去することにより、未硬化のクリアーインク層を形成する工程と、上記未硬化のクリアーインク層の少なくとも一部の表面に、光硬化性樹脂と光重合開始剤系と着色剤と揮発性有機溶剤とを含むカラーインクを付与して、上記カラーインクに含まれる上記揮発性有機溶剤の少なくとも一部を揮発除去することにより、未硬化のカラーインク層を形成する工程と、上記未硬化のクリアーインク層と上記未硬化のカラーインク層とに光を照射して、上記未硬化のクリアーインク層と上記未硬化のカラーインク層とを硬化させ、印刷物を得る工程と、を包含する。
上記印刷方法では、所望の画像を形成するためのカラーインクの付与に先立って、記録媒体の印刷面全体にクリアーインクが付与される。これにより、画像が印刷されない部分の表面にも光沢感が備えられる。そのため、印刷物の画像が印刷されている部分と画像が印刷されていない部分との光沢感の差を低減することができる。したがって、印刷物全体としての一体感や統一感を向上して、違和感の少ない印刷物を実現することができる。また、印刷物の画像が印刷されていない部分において、耐擦過性を向上することもできる。
また、本発明の他の側面として、インクジェットプリンタが提供される。このインクジェットプリンタは、光硬化性樹脂と光重合開始剤系と揮発性有機溶剤とを含むクリアーインクを貯留するクリアーインクタンクと、光硬化性樹脂と光重合開始剤系と着色剤と揮発性有機溶剤とを含むカラーインクを貯留するカラーインクタンクと、上記クリアーインクタンクに連通され、記録媒体の印刷面に向かって上記クリアーインクを吐出するクリアーインク用吐出ヘッドと、上記カラーインクタンクに連通され、上記記録媒体の印刷面に向かって上記カラーインクを吐出するカラーインク用吐出ヘッドと、上記記録媒体を加熱する加熱装置と、上記記録媒体の印刷面に光を照射する光源と、上記クリアーインク用吐出ヘッド、上記カラーインク用吐出ヘッド、上記加熱装置、および上記光源を制御する制御装置と、を備える。上記制御装置は、上記クリアーインク用吐出ヘッドによって上記記録媒体の印刷面全体に上記クリアーインクを吐出して、上記加熱装置によって上記クリアーインクに含まれる上記揮発性有機溶剤の少なくとも一部を揮発除去することにより、未硬化のクリアーインク層を形成するように構成されている第1インク層形成制御部と、上記カラーインク用吐出ヘッドによって上記未硬化のクリアーインク層の少なくとも一部の表面に上記カラーインクを吐出して、上記加熱装置によって上記カラーインクに含まれる上記揮発性有機溶剤の少なくとも一部を揮発除去することにより、未硬化のカラーインク層を形成するように構成されている第2インク層形成制御部と、上記未硬化のクリアーインク層と上記未硬化のカラーインク層とに上記光源から光を照射して、上記未硬化のクリアーインク層と上記未硬化のカラーインク層とを硬化させるように構成されている照射制御部と、を備える。
本発明のインクジェットプリンタ並びに印刷方法によれば、印刷物全体としての一体感を向上することができる。また、画像が印刷されていない部分の耐擦過性を向上することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化する。
まず、インクジェットプリンタ10について説明する。図1は、一実施形態に係る大判のインクジェットプリンタ(以下、単に「プリンタ」ということがある。)10の斜視図である。また、図2は、プリンタ10の主要部を表す正面図である。なお、図面中の符号Xは、副走査方向を示し、前後方向を表している。図面中の符号FおよびRrは、それぞれ前および後を表している。図面中の符号Yは、主走査方向を示し、左右方向を表している。図面中の符号LおよびRは、それぞれ左および右を表している。ただし、これらは説明の便宜上の方向に過ぎず、プリンタ10の設置態様を何ら限定するものではない。
プリンタ10は、記録媒体5上に画像を印刷するための光硬化型のプリンタである。記録媒体5は、画像が印刷される対象物である。記録媒体5としては特に限定されない。記録媒体5は、例えば、普通紙、インクジェット用印刷紙、塗工紙、アート紙、コート紙、キャスト紙、マット紙、グロス紙等の紙類であってもよいし、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリエチレン(PE)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリカーボネート(PC)系樹脂等の樹脂、アルミニウム、鉄、銅等の金属類、ガラス類、ゴム類等であってもよい。なかでも、印刷面の光沢度が低い記録媒体5、例えば、印刷面の60°光沢度が50以下、更には40以下、特には30以下の記録媒体5を用いる場合に、プリンタ10の効果がより良く発揮される。なお、60°光沢度は、一般的な光沢度計を用いて、JIS Z8741(1997年)に基づいて測定することができる。
プリンタ10は、ケーシング2と、ケーシング2内に配置されたガイドレール3とを備えている。ガイドレール3は左右方向に延び、ケーシング2の左右の壁に固定されている。ガイドレール3には、キャリッジ1が係合されている。キャリッジ1は、吐出ヘッド21、22C、22M、22Y、22Bと、紫外線ランプ25と、を備えている。キャリッジ1は、キャリッジ移動機構8によって、ガイドレール3に沿って主走査方向Y(図1、2の左右方向)に摺動自在に構成されている。キャリッジ移動機構8は、ガイドレール3の左端側および右端側に配置されたプーリ9b、9aを有している。プーリ9aにはキャリッジモータ8aが連結されている。プーリ9aは、キャリッジモータ8aによって駆動される。両プーリ9a、9bには、無端状のベルト6が巻き掛けられている。キャリッジ1はベルト6に固定されている。プーリ9a、9bが回転してベルト6が走行すると、キャリッジ1が主走査方向Yに移動する。
記録媒体5は、図示しない紙送り機構によって紙送り方向に搬送される。ここでは、紙送り方向が副走査方向X(図1の前後方向)である。ケーシング2には、記録媒体5を載せ置くプラテン4が設けられている。プラテン4は、キャリッジ1の下方に設けられている。プラテン4の上方には、記録媒体5を上方から押さえつけるピンチローラ(図示せず)が設けられている。ピンチローラの下方には、グリッドローラ(図示せず)が設けられている。グリッドローラは、図示しないフィードモータに連結されている。グリッドローラはフィードモータによって駆動され、回転する。グリッドローラとピンチローラとの間に記録媒体5が挟まれた状態でグリッドローラが回転すると、記録媒体5は副走査方向Xに搬送される。
ケーシング2の右端には、5つのカートリッジ11、12C、12M、12Y、12Bが、それぞれ着脱自在に装着されている。このうち、カートリッジ11は、クリアーインクが貯留されているクリアーインク供給源の一例である。カートリッジ12C、12M、12Y、12Bは、プロセスカラーインクが貯留されているカラーインク供給源の一例である。カートリッジ12C、12M、12Y、12Bのプロセスカラーインクは、相互に色の異なる画像を印刷可能なように調製されている。具体的には、カートリッジ12Cにはシアンインクが、カートリッジ12Mにはマゼンタインクが、カートリッジ12Yにはイエローインクが、カートリッジ12Bにはブラックインクが、それぞれ貯留されている。
なお、本明細書において「クリアーインク」とは、着色剤(可視光領域の波長の光を吸収する化合物)を含まないか、含んでいても少量(インク全体の0.1質量%以下)であるインクをいう。また、本明細書において「カラーインク」とは、クリアーインクを除くあらゆる有色のインクをいい、一般的なプロセスカラーインクの他に、例えばメタリックインク等も包含し得る用語である。
カートリッジ11、12C、12M、12Y、12Bに貯留されているインクは、いずれも受光によって硬化する性質のソルベント系光硬化性インクである。クリアーインクは、光硬化性樹脂と光重合開始剤系と揮発性有機溶剤とを含む。プロセスカラーインクは、光硬化性樹脂と光重合開始剤系と着色剤と揮発性有機溶剤とを含む。なお、本明細書において「揮発性有機溶剤」とは、ヒータ26の設定温度よりも低い温度で揮発する有機溶剤のことをいう。各インクは、上記必須成分の他に、必要に応じてその他の任意成分、例えば、光増感剤、重合禁止剤、捕捉剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、界面活性剤、レベリング剤、増粘剤、分散剤、消泡剤、防腐剤等を含み得る。
各インクの成分については特に限定されず、それぞれ従来から用いられているものと同等でよい。光硬化性樹脂としては、例えば、光重合開始剤系の分解によって生じたラジカル等の活性種によって重合し、硬化する性質の光重合性モノマーやオリゴマーが挙げられる。光重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート系モノマーや、ビニル基を有するビニル系モノマー等が挙げられる。なお、本明細書において「(メタ)アクリロイル」とは、「メタクリロイル」および「アクリロイル」を包含する用語であり、「(メタ)アクリレート」とは、「メタクリレート」および「アクリレート」を包含する用語である。光重合開始剤系としては、光重合開始剤や光増感剤が挙げられる。光重合開始剤としては、例えば、ラジカル光重合開始剤や陽イオン系光重合開始剤等が挙げられる。
揮発性有機溶剤は、記録媒体5の印刷面へのインクの浸透性を高めて、記録媒体5に対する着色剤の定着性を向上するための成分である。また、インクの粘度や表面張力を調整する成分でもある。揮発性有機溶剤としては、例えば、沸点が概ね120℃以下、典型的には100℃以下、例えば80℃以下の有機溶剤が挙げられる。具体例としては、例えば、n−ヘキサン等の脂肪族炭化水素類、トルエン等の芳香族炭化水素類、2−プロパノール、1−ブタノール等のアルコール類、酢酸エチル等のエステル類、メチルエチルケトン等のケトン類等が挙げられる。インクの保存安定性や取扱性を向上する観点からは、揮発性有機溶剤の沸点が室温よりも高く、典型的には35℃以上、例えば50℃以上であるとよい。インク全体に占める揮発性有機溶剤の含有割合は、質量基準で、概ね10%以上、典型的には20%以上、例えば30〜90%であり得る。ユーザーや環境に対する負荷を軽減する観点からは、揮発性有機溶剤の含有割合が、質量基準で、概ね60%以下、例えば50%以下と低く抑えられているとよい。
好適な一態様では、クリアーインクとカラーインクとが、同種類の光硬化性樹脂を含む。例えばクリアーインクとカラーインクとが、(メタ)アクリレート系モノマーを含むとよい。また、他の好適な一態様では、クリアーインクとカラーインクとが、同種類の揮発性有機溶剤を含む。例えばクリアーインクとカラーインクとが、脂肪族炭化水素類を含むとよい。プリンタ10は、未硬化のクリアーインク層と未硬化のカラーインク層とを一度に纏めて硬化させる。クリアーインクとカラーインクとが同種類の化合物を含むことで、2つのインクが融合された状態で硬化し、記録媒体5上に定着し易くなる。このことにより、画像部分の耐久性(例えば耐擦過性や耐候性)を、より良く向上することができる。
好適な他の一態様では、紫外線ランプ25でクリアーインクを硬化させたクリアーインク層の60°光沢度と、紫外線ランプ25でカラーインクを硬化させたカラーインク層の60°光沢度との差が、概ね±5以内、例えば±3以内である。このことにより、印刷物全体としての一体感や統一感を、より良く向上することができる。
カートリッジ11、12C、12M、12Y、12Bに貯留されている各インクは、粘度が概ね0.5〜50cps、好ましくは1〜20cpsに調整されているとよい。これにより、吐出ヘッド21、22C、22M、22Y、22Bから安定的にインクを吐出することができる。クリアーインクの粘度は、カラーインクの粘度よりも大きくてもよいし、カラーインクの粘度と同じであってもよいが、クリアーインクを薄めに付与する観点からは、カラーインクの粘度よりもクリアーインクの粘度を小さくするとよい。なお、本明細書において「粘度」とは、一般的なコーンプレート型回転式粘度計を用いて、25℃の温度で、JIS Z8803(2001年)に準拠して測定した値をいう。
カートリッジ11、12C、12M、12Y、12Bに貯留されている各インクは、表面張力が10〜50mN/mに調整されているとよい。これにより、プリンタ10内でのインクの滞留を抑制することができる。クリアーインクの表面張力は、カラーインクの表面張力よりも大きくてもよいし、カラーインクの表面張力と同じであってもよいが、クリアーインクを薄めに付与する観点からは、カラーインクの表面張力よりもクリアーインクの表面張力を小さくするとよい。なお、本明細書において「表面張力」とは、プレート法(Wilhelmy法)による表面張力計を用いて、20℃の温度で、測定子として白金プレートを用いて測定した値をいう。
なお、本実施形態では、クリアーインク供給源が1つのカートリッジ11を有しているが、これには限定されない。クリアーインク供給源は、2つ以上のカートリッジを有していてもよい。また、本実施形態では、カラーインク供給源が4つのカートリッジ12C、12M、12Y、12Bを有しているが、これには限定されない。カラーインク供給源は、1つのカートリッジでもよく、例えば5つ以上のカートリッジを有していてもよい。言い換えれば、プリンタ10は、モノクロ印刷や、メタリック印刷等の特色印刷を行うものであってもよい。
プリンタ10のキャリッジ1には、5つの吐出ヘッド21、22C、22M、22Y、22Bが備えられている。吐出ヘッド21、22C、22M、22Y、22Bは、主走査方向Yに並んで配置されている。吐出ヘッド21は、クリアーインク用吐出ヘッドの一例である。吐出ヘッド22C、22M、22Y、22Bは、カラーインク用吐出ヘッドの一例である。吐出ヘッド21、22C、22M、22Y、22Bは、インク供給路14によってカートリッジ11、12C、12M、12Y、12Bに連通されている。
吐出ヘッド21、22C、22M、22Y、22Bは、記録媒体5と対向する側の面(本実施形態では下面)に、それぞれインクを吐出するための複数のノズル24を備えている。吐出ヘッド21、22C、22M、22Y、22Bの内部には、それぞれ圧電素子等を備えたアクチュエータ(図示せず)が設けられている。このアクチュエータが駆動することによって、吐出ヘッド21、22C、22M、22Y、22Bの各ノズル24から記録媒体5に向かってインクが吐出される。例えば、吐出ヘッド21からは、クリアーインクが吐出される。吐出ヘッド22C、22M、22Y、22Bからは、プロセスカラーインクが吐出される。
インク供給路14は、カートリッジ11、12C、12M、12Y、12Bから吐出ヘッド21、22C、22M、22Y、22Bへと、インクを供給する流路である。インク供給路14は、例えば可撓性を有するチューブである。吐出ヘッド21、22C、22M、22Y、22Bは、キャリッジ1に搭載され、主走査方向Yに移動する。一方、カートリッジ11、12C、12M、12Y、12Bはキャリッジ1に搭載されておらず、主走査方向Yに移動しない。そのため、キャリッジ1が主走査方向Yに移動した場合にインク供給路14が破損しないように、インク供給路14の一部は左右方向に延びた状態で配置され、ケーブル類保護案内装置7により覆われている。また、本実施形態では、インク供給路14にそれぞれ送液ポンプ15が設けられている。ただし、送液ポンプ15は必ずしも必要ではなく、省略することも可能である。
紫外線ランプ25は、キャリッジ1に搭載され、主走査方向Yに移動しながら記録媒体5の印刷面に光を照射する。紫外線ランプ25は、光源の一例である。紫外線ランプ25は、光硬化型のインクを硬化可能な紫外線波長を有していればよい。紫外線ランプ25は、例えばLED方式であってもよいし、蛍光灯(低圧水銀灯)方式や高圧水銀灯方式であってもよい。紫外線ランプ25は、ここでは1つであるが、2つ以上であってもよい。紫外線ランプが複数ある場合、各紫外線ランプの紫外線波長は同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、紫外線ランプ25は、例えばキャリッジ1とは別のキャリッジに搭載されていてもよく、あるいは、ケーシング2の壁面等に設けられていてもよい。
プラテン4の内部には、ヒータ26が設けられている。ヒータ26は、加熱装置の一例である。ヒータ26は、記録媒体5を加熱して、記録媒体5上に着弾されたインクに含まれる揮発性有機溶剤を揮発除去するためのものである。ヒータ26の設定温度は、典型的には室温よりも高い温度であり、概ね30〜80℃、例えば35〜60℃程度であってもよい。ヒータ26を用いることで、記録媒体5上の未硬化のインクの状態を安定化させることができる。ヒータ26は、ここでは1つであるが、2つ以上であってもよい。ヒータが複数ある場合、2つ以上のヒータは、個別に温度設定可能なように構成されていてもよい。例えば、揮発性有機溶剤を揮発除去するためのヒータに加えて、インクが付着していない(インクを吐出する前の)記録媒体5を加熱するプレヒータや、硬化させたインクが固着している記録媒体5を後加熱するポストヒータ等を備えていてもよい。また、ヒータ26は、キャリッジ1に搭載されていてもよく、あるいは、ケーシング2の壁面等に設けられていてもよい。
プリンタ10の全体の動作は、制御装置30によって制御されている。制御装置30は、キャリッジ移動機構8のキャリッジモータ8a、紙送り機構のフィードモータ、吐出ヘッド21、22C、22M、22Y、22B、および紫外線ランプ25と通信可能に接続されており、それらを制御可能に構成されている。制御装置30は、付与設定部30Aと、第1および第2の2つのインク層形成制御部31、32と、照射制御部33とを備えている。
付与設定部30Aには、印刷する画像のデータが入力される。付与設定部30Aは、クリアーインクの付与設定を生成、保存する。第1インク層形成制御部31は、吐出ヘッド21と電気的に接続されている。第1インク層形成制御部31は、上記クリアーインクの付与設定に基づいて吐出ヘッド21を制御する。第1インク層形成制御部31は、記録媒体5に向かってクリアーインクを吐出して、未硬化のクリアーインク層を形成するように構成されている。第2インク層形成制御部32は、吐出ヘッド22C、22M、22Y、22Bと電気的に接続されている。第2インク層形成制御部32は、上記画像のデータに基づいて吐出ヘッド22C、22M、22Y、22Bを制御する。第2インク層形成制御部32は、記録媒体5に向かってカラーインクを吐出して、未硬化のカラーインク層を形成するように構成されている。照射制御部33は、未硬化のクリアーインク層と未硬化のカラーインク層とに光を照射して、上記未硬化のクリアーインクと上記未硬化のカラーインクとを硬化させるように構成されている。
制御装置30の構成は特に限定されない。制御装置30は、典型的にはコンピュータである。制御装置30は、例えば、ホストコンピュータ等の外部機器からの印刷データ等を受信するインターフェイス(I/F)と、制御プログラムの命令を実行する中央演算処理装置(CPU)と、CPUが実行するプログラムを格納したROMと、プログラムを展開するワーキングエリアとして使用されるRAMと、各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記憶媒体)とを備えている。
次に、プリンタ10を用いた印刷方法について説明する。図3は、一実施形態に係る印刷方法のフローチャートである。プリンタ10での印刷に先立ち、制御装置30には、ユーザーによって印刷する画像のデータが入力される。画像のデータは、例えば画像の印刷位置や色調に関する情報を含んでいる。画像の色調は、例えばRGB値やCMYK色空間の256階調で表されるものである。また、制御装置30には、ユーザーによってヒータ26の設定温度が入力される。制御装置30によって、ヒータ26の温度が設定温度まで上昇される。
ステップS1において、ユーザーは記録媒体5を用意する。記録媒体5はプリンタ10に設置される。この状態で紙送り機構のフィードモータが駆動されると、記録媒体5が副走査方向Xに搬送され、所定の印刷開始位置に配置される。制御装置30には、ユーザーによって記録媒体5の情報が入力される。記録媒体5の情報は、例えば記録媒体5の印刷面の材質に関する情報を含み得る。
次に、ステップS2において、制御装置30の付与設定部30Aは、クリアーインクの付与位置を設定し、保存する。クリアーインクの付与位置は、印刷面全体に設定される。なお、本明細書において「印刷面」とは、印刷領域として設定される記録媒体5の表面をいう。つまり、「印刷面」は、記録媒体5の印刷不可能な領域、例えば記録媒体5の端部等は含まない。また、本明細書において「印刷面全体」とは、少なくとも画像が印刷される領域と画像が印刷されない領域とを含み、印刷領域として設定される記録媒体5の表面の概ね90%以上、例えば95%以上の面積領域をいう。また、制御装置30の付与設定部30Aは、クリアーインクの付与条件を設定し、保存する。クリアーインクの付与条件は、例えばインクの吐出量やドット密度、ドットサイズを含んでいる。クリアーインクの付与条件は、ユーザーが任意に設定することもできるし、例えばステップ1で入力された記録媒体5の印刷面の材質等に応じて自動で生成することもできる。クリアーインクの付与設定は、第1インク層形成制御部31に出力される。
インクの吐出量は、印刷面全体で同じ設定にしてもよいし、例えば画像が印刷される部分と画像が印刷されない部分とで異なる設定にしてもよい。クリアーインク付与の厚みは、クリアーインクの吐出量に比例する。好適な一態様では、クリアーインクの吐出量を、例えばオーバーコート層やマット層を形成する場合に比べて相対的に少なく抑える。これにより、クリアーインクを薄めに付与することができる。
クリアーインクの付与厚みは、インクの吐出量のみならず、記録媒体5の印刷面の材質によっても異なり得る。好適な一態様では、記録媒体5にクリアーインクが浸透し易い場合ほど、クリアーインクの吐出量を多くする。具体的には、記録媒体5の印刷面の材質とクリアーインクの浸透性とが対応表等で予め関連付けられている。クリアーインクの浸透性は、例えば接触角で表されるものである。付与設定部30Aは、例えばステップ1で入力された記録媒体5の印刷面の材質等に応じて記録媒体5の印刷面に対するクリアーインクの浸透性を判別し、クリアーインクの吐出量を決定する。例えば、第1の記録媒体よりも浸透性の高い第2の記録媒体を用いる場合に、付与設定部30Aは、クリアーインクの吐出量を第1の吐出量よりも多い第2の吐出量とする。
好適な一態様では、付与設定部30Aは、カラーインク層の形成されない部分、すなわち画像が印刷されない部分におけるクリアーインクの平均吐出量を、カラーインク層の形成される部分、すなわち画像が印刷される部分におけるクリアーインクの平均吐出量に比べて相対的に多く設定する。これにより、画像が印刷されない部分では相対的にクリアーインク層の平均厚みを厚くし、画像が印刷される部分では相対的にクリアーインク層の平均厚みを薄くすることができる。
好適な一態様では、付与設定部30Aは、記録媒体5の単位面積当たりについて、クリアーインクの付与量とカラーインクの付与量との合計量が均一(好ましくは平均値±25%程度、典型的には平均値±10%程度、例えば平均値±5%程度)になるように、クリアーインクの吐出量を設定する。具体的には、印刷する画像のデータに基づいて、カラーインクの吐出量が決定されると、付与設定部30Aは、カラーインクの吐出量に応じてクリアーインクの吐出量を決定する。例えば、カラーインクの吐出量が第1の吐出量よりも多い第2の吐出量である場合に、付与設定部30Aは、クリアーインクの吐出量を第1の吐出量よりも少ない第2の吐出量とする。これにより、カラーインクの層と相俟って、印刷物全体としての厚みのバラつきを抑えることができる。言い換えれば、印刷物の表面の凹凸を小さく抑えることができる。一好適例では、画像が印刷されない部分のクリアーインクの層の平均厚みをAとし、画像が印刷される部分のクリアーインクの層の平均厚みをBとし、画像層の単独での平均厚みをXとすると、次の式:0.75X≦A−B≦1.25X;を満たし得る。
また、ドット密度(ある領域内の画素(単位画素数)においてドットが形成される画素の割合)は、印刷面全体で同じ設定にしてもよいし、例えば画像が印刷される部分と画像が印刷されない部分とで異なる設定にしてもよい。好適な一態様では、画像が印刷されない部分のドット密度を、画像が印刷される部分のドット密度と同じか、それよりも大きい値に設定する。これにより、画像が印刷されない部分においてドット同士の接触が多くなり、クリアーインク層の厚みを好適に均質化することができる。その結果、印刷物の表面の凹凸を、より小さく抑えることができる。
また、ドットサイズは、印刷面全体で同じ設定にしてもよいし、例えば画像が印刷される部分と画像が印刷されない部分とで異なる設定にしてもよい。印刷物の表面の凹凸をより小さく抑える観点からは、画像が印刷されない部分のドットサイズを同じ(機械的な誤差は許容され得る。)に設定するとよい。
次に、ステップS3において、第1インク層形成制御部31は、クリアーインクの付与設定に基づいて、記録媒体5の印刷面全体に未硬化のクリアーインク層を形成する。詳しくは、第1インク層形成制御部31は、キャリッジ移動機構8を駆動してキャリッジ1を主走査方向Yに移動させると共に、カートリッジ11に貯留されるクリアーインクを吐出ヘッド21から吐出させて、記録媒体5の表面に着弾させる。着弾されたクリアーインクは、ヒータ26によって加熱される。これにより、クリアーインクに含まれる揮発性有機溶剤の少なくとも一部が揮発除去される。クリアーインクの一部は、記録媒体5の表面に浸透し得る。本工程において、第1インク層形成制御部31は、ヒータ26の設定温度を一定(例えば±2℃程度)に維持することが好ましい。以上のようにして、記録媒体5上に未硬化のクリアーインク層が形成される。
次に、ステップS4において、第2インク層形成制御部32は、印刷する画像のデータに基づいて、未硬化のクリアーインク層の少なくとも一部の表面に未硬化のカラーインク層を形成する。詳しくは、第2インク層形成制御部32は、キャリッジ移動機構8を駆動してキャリッジ1を主走査方向Yに移動させると共に、カートリッジ12C、12M、12Y、12Bに貯留されるプロセスカラーインクを吐出ヘッド22C、22M、22Y、22Bから吐出させて、未硬化のクリアーインク層の表面に着弾させる。着弾されたプロセスカラーインクは、ヒータ26によって加熱される。これにより、プロセスカラーインクに含まれる揮発性有機溶剤の少なくとも一部が揮発除去される。本工程において、第2インク層形成制御部32は、ヒータ26の設定温度を一定(例えば±2℃程度)に維持することが好ましい。以上のようにして、未硬化のクリアーインク層の少なくとも一部の表面に、未硬化のカラーインク層が形成される。
好適な一態様では、ステップS5において、制御装置30は、紫外線ランプ25を駆動させずに所定の時間待機する。これにより、カラーインクの吐出から硬化までの時間を調節して、未硬化のクリアーインクとプロセスカラーインクとを融合させる。また、未硬化のインクの一部を記録媒体5に浸透させる。その結果、印刷物の表面の凹凸感をより良く抑えることができ、印刷物全体としての一体感を更に高めることができる。また、画像部分の耐久性、例えば耐擦過性や耐候性をより良く向上することができる。待機する時間は、上述の効果を発揮する限りにおいて特に限定されないが、一例では、ステップS3(未硬化のクリアーインク層の形成)が終了してからステップS4(未硬化のカラーインク層の形成)を開始するまでの時間よりも長い時間とするとよい。
本工程において、制御装置30は、ヒータ26の設定温度を一定(例えば±2℃程度)に維持することが好ましい。これにより、印刷の滲みを高いレベルで抑えることができ、上述の効果をより高いレベルで発揮することができる。
次に、ステップS6において、照射制御部33は、紫外線ランプ25を駆動させて、未硬化のクリアーインク層と未硬化のカラーインク層とに光を照射する。これによって、クリアーインクとカラーインクとを一度に纏めて硬化させ、記録媒体5上に固着させることができる。印刷物の表面の凹凸は、例えば紫外線の照射量や照射時間を調節することで調節することができる。以上のような動作を繰り返して、記録媒体5上に所望の画像が印刷された印刷物を得ることができる。
図4は、図3の印刷方法によって得られる印刷物を表す模式的な断面図である。この印刷物は、記録媒体5と、クリアーインク層5Clと、カラーインク層5Coとを備えている。この印刷物では、従来の印刷物に比べて印刷物全体としての一体感や統一感が好適に向上している。また、この印刷物では、クリアーインク層5Clの一部が、カラーインク層5Coよりも印刷物の表面5−Sの側に位置している。そのため、印刷物の表面5−Sにあたかもラミネート加工やオーバーコートを施したかのような艶やかさを付与して、印刷物の美観を向上することができる。好適な一態様では、印刷物の表面5−Sにおいて、任意の複数の地点(例えば、カラーインク層5Coの形成されている部分5地点と、カラーインク層5Coの形成されていない部分5地点とを含む計10地点)で60°光沢度を測定したときに、各地点の60°光沢度が、上記複数の地点における60°光沢度を算術平均した値の概ね±10以内、例えば±7以内、好ましくは±5以内である印刷物を実現することができる。
また、この印刷物では、従来の印刷物に比べて、印刷物の表面5−Sの凹凸が少なく、印刷物の耐擦過性の向上が好適に実現されている。例えば、印刷物の表面5−Sの最大高さが、クリアーインク層5Clの平均厚みよりも小さくてもよい。好適な一態様では、印刷物の表面5−Sにおいて、任意の複数の地点で、所定の基準長さを切り取って表面粗さを測定したときに、10点平均粗さRzが、算術平均粗さRaの概ね3倍以内、例えば2倍以内、好ましくは1.5倍以内である印刷物を実現することができる。なお、本明細書において「表面粗さ」とは、一般的な表面粗さ計を用いて、JIS B0601(2001年)に準拠して測定した値をいう。
なお、本明細書において「印刷物」とは、中間的な印刷物であってもよいし、最終的な印刷物であってもよい。つまり、ステップS6において未硬化のクリアーインク層と未硬化のカラーインク層とを硬化させて中間的な印刷物を得た後、更に何らかの工程を追加で行うことにより最終的な印刷物を得るような場合も許容するものである。
本実施形態では、ステップS4(未硬化のカラーインク層を形成する工程)とステップS6(印刷物を得る工程)との間に、ステップS5として、クリアーインクの付与が終了してからカラーインクの付与を開始するまでの時間よりも長い時間待機する工程を包含する。これにより、未硬化のクリアーインクとプロセスカラーインクとを好適に融合させたり、未硬化のインクの一部を記録媒体5に浸透させたりすることができる。したがって、印刷物の表面の凹凸感をより良く抑えることができ、印刷物全体としての一体感を更に高めることができる。
本実施形態では、ステップS3(未硬化のクリアーインク層の形成)において、カラーインク層の形成される部分でのクリアーインク層の平均厚みがカラーインク層の形成されない部分でのクリアーインク層の平均厚みよりも薄くなるように、上記クリアーインクを付与するとよい。これにより、印刷物の表面の凹凸をより良く小さく抑えることができる。
本実施形態では、ステップS3、S4において、クリアーインクの付与量とカラーインクの付与量との合計が記録媒体5の単位面積当たりについて均一になるように、クリアーインクとカラーインクとを付与するとよい。これにより、印刷物の表面の凹凸をより良く小さく抑えることができる。
本実施形態では、クリアーインクに含まれる光硬化性樹脂とカラーインクに含まれる光硬化性樹脂とは、同種類の光硬化性樹脂を含むとよい。これにより、樹脂成分の相溶性が高められ、2種類のインクをより良く融合させることができる。また、本実施形態では、上記クリアーインクに含まれる上記光硬化性樹脂と上記カラーインクに含まれる上記光硬化性樹脂とは、同種類の揮発性有機溶剤を含むとよい。これにより、溶剤成分の混和性が高められ、2種類のインクをより良く融合させることができる。その結果、画像部分の耐久性(例えば耐擦過性や耐候性)をより良く向上することができる。
本実施形態では、印刷物の印刷面において任意の複数の地点で60°光沢度を測定したときに、各地点の60°光沢度が上記複数の地点における60°光沢度を算術平均した値の±5以内にある印刷物を実現し得る。これにより、印刷物全体としての一体感や統一感、印刷物の美観をより良く向上することができる。
本実施形態では、印刷物の印刷面において任意の複数の地点で表面粗さを測定したときに、10点平均粗さが算術平均粗さの1.5倍以内にある印刷物を実現し得る。これにより、印刷物全体としての一体感や耐擦過性をより良く向上することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明した。しかし、上述の実施形態は例示に過ぎず、本発明は他の種々の形態で実施することができる。
上記した実施形態では、記録媒体5の情報として、記録媒体5の印刷面の材質に関する情報が例示されていたが、記録媒体5の情報は、例えば印刷面の光沢度に関する情報を含んでいてもよい。光沢度は、例えば60°光沢度や反射係数等で表されるものである。その場合、ステップS1(記録媒体5を用意する工程)とステップS2(クリアーインクの付与設定)との間には、クリアーインク層の形成が必要か否かを判定する判定工程を含んでもよい。具体的には、制御装置30には、カラーインク層5Coの光沢度に関する情報が保存されている。ユーザーによって記録媒体5の印刷面の光沢度に関する情報が入力されると、制御装置30は、カラーインク層5Coの光沢度と記録媒体5の印刷面の光沢度とを対比させる(判定工程)。そして、両者の光沢度の差が予め定められた所定値以下である場合に、制御装置30は、ステップS2とステップS3を省略することができる。言い換えれば、制御装置30は、ステップS1(記録媒体5を用意する工程)と判定工程とに続いて、ステップS4(未硬化のカラーインク層の形成)を実行するように構成されていてもよい。
上記した実施形態では、プリンタ10が印刷面の光沢度を測定するセンサを備えていなかったが、プリンタ10はそのようなセンサを備えていてもよい。これにより、印刷面の材質や光沢度等の情報を正確に把握することができる。
上記した実施形態では、吐出ヘッド21、22C、22M、22Y、22Bがキャリッジ1に搭載され、記録媒体5の紙送り方向と直交する主走査方向Yに往復移動(シャトル移動)しながら印刷が行われる、所謂、シャトルタイプ(シリアルタイプ)のプリンタ10について説明したが、これには限定されない。ここに開示される技術は、例えば記録媒体5と同じ幅のラインヘッドを備え、ラインヘッドが固定された状態で印刷が行われる、所謂、ラインタイプのプリンタにも同様に適用することができる。
また、吐出ヘッド21、22C、22M、22Y、22Bと記録媒体5との移動は相対的なものであり、そのどちらが主走査方向Yまたは副走査方向Xに移動してもよい。例えば、記録媒体5は移動不能に配置され、吐出ヘッド吐出ヘッド21、22C、22M、22Y、22Bが主走査方向Yおよび副走査方向Xの両方向に移動可能なように構成されていてもよい。また、吐出ヘッド吐出ヘッド21、22C、22M、22Y、22Bおよび記録媒体5のいずれもが両方向に移動可能なように構成されていてもよい。ここに開示される技術は、上記実施形態で示した記録媒体5を搬送する、所謂、Roll-to-Rollタイプのプリンタ10の他、例えばフラットベッドタイプのプリンタにも同様に適用することができる。
10 インクジェットプリンタ
11 カートリッジ(クリアーインク供給源)
12C、12M、12Y、12B カートリッジ(カラーインク用供給源)
21 クリアーインク用吐出ヘッド
22C、22M、22Y、22B カラーインク用吐出ヘッド
25 紫外線ランプ(光源)
30 制御装置
11 カートリッジ(クリアーインク供給源)
12C、12M、12Y、12B カートリッジ(カラーインク用供給源)
21 クリアーインク用吐出ヘッド
22C、22M、22Y、22B カラーインク用吐出ヘッド
25 紫外線ランプ(光源)
30 制御装置
Claims (9)
- 記録媒体を用意する工程と、
前記記録媒体の印刷面全体に、光硬化性樹脂と光重合開始剤系と揮発性有機溶剤とを含むクリアーインクを付与して、前記クリアーインクに含まれる前記揮発性有機溶剤の少なくとも一部を揮発除去することにより、未硬化のクリアーインク層を形成する工程と、
前記未硬化のクリアーインク層の少なくとも一部の表面に、光硬化性樹脂と光重合開始剤系と着色剤と揮発性有機溶剤とを含むカラーインクを付与して、前記カラーインクに含まれる前記揮発性有機溶剤の少なくとも一部を揮発除去することにより、未硬化のカラーインク層を形成する工程と、
前記未硬化のクリアーインク層と前記未硬化のカラーインク層とに光を照射して、前記未硬化のクリアーインク層と前記未硬化のカラーインク層とを硬化させ、印刷物を得る工程と、
を包含する、印刷方法。 - 前記未硬化のカラーインク層を形成する工程と前記印刷物を得る工程との間に、前記クリアーインクの付与が終了してから前記カラーインクの付与を開始するまでの時間よりも長い時間待機する工程を包含する、請求項1に記載の印刷方法。
- 前記未硬化のクリアーインク層の形成において、前記カラーインク層の形成される部分での前記クリアーインク層の平均厚みが前記カラーインク層の形成されない部分での前記クリアーインク層の平均厚みよりも薄くなるように、前記クリアーインクを付与する、請求項1または2に記載の印刷方法。
- 前記クリアーインクの付与量と前記カラーインクの付与量との合計が前記記録媒体の単位面積当たりについて均一になるように、前記クリアーインクと前記カラーインクとを付与する、請求項1から3のいずれか一項に記載の印刷方法。
- 前記クリアーインクに含まれる前記光硬化性樹脂と前記カラーインクに含まれる前記光硬化性樹脂とは、同種類の光硬化性樹脂を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の印刷方法。
- 前記クリアーインクに含まれる前記光硬化性樹脂と前記カラーインクに含まれる前記光硬化性樹脂とは、同種類の揮発性有機溶剤を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の印刷方法。
- 前記印刷物の印刷面において任意の複数の地点で60°光沢度を測定したときに、各地点の60°光沢度が前記複数の地点における60°光沢度を算術平均した値の±5以内にある前記印刷物を実現する、請求項1から6のいずれか一項に記載の印刷方法。
- 前記印刷物の印刷面において任意の複数の地点で表面粗さを測定したときに、10点平均粗さが算術平均粗さの1.5倍以内にある前記印刷物を実現する、請求項1から7のいずれか一項に記載の印刷方法。
- 光硬化性樹脂と光重合開始剤系と揮発性有機溶剤とを含むクリアーインクを貯留するクリアーインクタンクと、
光硬化性樹脂と光重合開始剤系と着色剤と揮発性有機溶剤とを含むカラーインクを貯留するカラーインクタンクと、
前記クリアーインクタンクに連通され、記録媒体の印刷面に向かって前記クリアーインクを吐出するクリアーインク用吐出ヘッドと、
前記カラーインクタンクに連通され、前記記録媒体の印刷面に向かって前記カラーインクを吐出するカラーインク用吐出ヘッドと、
前記記録媒体を加熱する加熱装置と、
前記記録媒体の印刷面に光を照射する光源と、
前記クリアーインク用吐出ヘッド、前記カラーインク用吐出ヘッド、前記加熱装置、および前記光源を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記クリアーインク用吐出ヘッドによって前記記録媒体の印刷面全体に前記クリアーインクを吐出して、前記加熱装置によって前記クリアーインクに含まれる前記揮発性有機溶剤の少なくとも一部を揮発除去することにより、未硬化のクリアーインク層を形成するように構成されている第1インク層形成制御部と、
前記カラーインク用吐出ヘッドによって前記未硬化のクリアーインク層の少なくとも一部の表面に前記カラーインクを吐出して、前記加熱装置によって前記カラーインクに含まれる前記揮発性有機溶剤の少なくとも一部を揮発除去することにより、未硬化のカラーインク層を形成するように構成されている第2インク層形成制御部と、
前記未硬化のクリアーインク層と前記未硬化のカラーインク層とに前記光源から光を照射して、前記未硬化のクリアーインク層と前記未硬化のカラーインク層とを硬化させるように構成されている照射制御部と、
を備える、インクジェットプリンタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016211399A JP2018069550A (ja) | 2016-10-28 | 2016-10-28 | インクジェットプリンタおよび印刷方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016211399A JP2018069550A (ja) | 2016-10-28 | 2016-10-28 | インクジェットプリンタおよび印刷方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018069550A true JP2018069550A (ja) | 2018-05-10 |
Family
ID=62111875
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016211399A Withdrawn JP2018069550A (ja) | 2016-10-28 | 2016-10-28 | インクジェットプリンタおよび印刷方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2018069550A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020131574A (ja) * | 2019-02-20 | 2020-08-31 | 株式会社リコー | 液体吐出装置、液体吐出装置における照射制御方法、及び照射制御プログラム |
JP2022002875A (ja) * | 2020-06-23 | 2022-01-11 | ローランドディー.ジー.株式会社 | 印刷装置 |
-
2016
- 2016-10-28 JP JP2016211399A patent/JP2018069550A/ja not_active Withdrawn
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