JP4865446B2 - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

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本発明は、画像形成装置及び画像形成方法に係り、特に、インクジェットヘッドから光硬化型インクを吐出して画像を形成する画像形成装置及び画像形成方法に関する。
従来より、画像形成装置として、多数のノズル(液滴吐出口)を配列させたインクジェットヘッド(液滴吐出ヘッド)を有し、このインクジェットヘッドと被記録媒体とを相対的に移動させながら、ノズルから被記録媒体に向けてインクを液滴として吐出することにより、被記録媒体上に画像を形成するインクジェットプリンタ(インクジェット記録装置)が知られている。
インクジェットプリンタにおいては、ノズルから吐出されたインクによって形成されるインクドットを組み合わせることによって被記録媒体上に1つの画像が形成される。近年、インクジェットプリンタにおいても写真プリント並みの高画質な画像を形成することが望まれている。これに対して、例えば、ノズル径を小さくしてノズルから吐出されるインク液滴を小さくするとともに、ノズル配列を高密度化して単位面積あたりの画素数を多くすることによって高画質を実現することが考えられている。
一方、ノズルを高密度化して多数のノズルを配列することにより装置が大型化してしまうため、装置を小型化する必要もある。また、専用紙を必要とするインクジェット記録装置においては、用いられる被記録媒体が制限されてしまうため、被記録媒体の種類によらずに高画質の画像記録を行うことも望まれている。
例えば、駆動ローラと従動ローラとに掛け渡した媒体搬送ベルトで記録媒体を搬送し、あるいは回転ドラムの表面に記録媒体を巻き付けた状態で回転させて搬送し、異なるノズルから紫外線硬化型インクを所定の時間ずらして吐出し記録媒体上にドットを記録する場合に、それぞれのノズルから記録媒体上に吐出した紫外線硬化型インクのドットにそれぞれの吐出タイミングに合わせて紫外線を照射し増粘させて隣接するドットが互いに混合しない程度にプレ硬化させ、その後さらに紫外線を照射して本硬化させるようにしてブリーディング(着弾干渉)を防止しようとしたものが知られている(例えば、特許文献1等参照)。
また、例えば、選択的にインク滴の吐出制御可能な少なくとも1つのノズルを有する記録ヘッドから、放射線照射及び熱から選ばれる少なくともいずれかにより硬化するインクを吐出して基材上に印刷する際、吸光波長の異なる2種以上の光開始剤を含有したインクを用いるようにしたインクジェット記録方法において、放射線を照射してインクを硬化させる場合に、インク膜の基材への接着性・追従性を上げるために、波長または強度を変えて2段階に照射を分け、特に、開始剤について吸光波長の異なる2種以上を併用するようにしたものが知られている(例えば、特許文献2等参照)。
あるいは、回転ドラムに沿って用紙を搬送し、インクジェットヘッドからインク出力する際、インク出力をしようとするドットが隣接する場合に、複数回のインク出力のうち、主走査方向又は副走査方向に隣接するドットのインク出力を行う前に、予め設定した出力待ち時間(例えば、ドラム1回転分)を入れることを特徴とするインクジェットプリンタが知られている(例えば、特許文献3等参照)。
またあるいは、シート状のペーパ(被印刷物)にインクを吐出する画像形成部と、この
画像形成部によって画像形成された被印刷物を加圧する加圧部とを備えたインクジェットプリンタが知られている(例えば、特許文献4等参照)。このプリンタは、画像形成部によって被印刷物上に形成した画像のインクの表面凹凸を加圧して平坦化することにより、画像に光沢を与えるように構成されている。
特開2004−42548号公報 特開2003−251910号公報 特開2001−129982号公報 特開2001−1512号公報
しかしながら、上記従来技術においては、いまだ任意の記録媒体に対して高画質記録を高速で行う上で問題を有している。
例えば、上記特許文献1に記載のものでは、一色毎に紫外線硬化型インクを回転ドラムに打滴してプレ硬化(半硬化)させ、全色の打滴及びプレ硬化が終了した後に本硬化をさせているが、回転ドラム上に巻き付けられた記録媒体に直接紫外線硬化型インクを打滴するので、打滴直後のプレ硬化前のインクが記録媒体に浸透してしまい、記録媒体の種類によっては滲みが発生するという問題がある。
また、例えば上記特許文献4に記載のものでは、紫外線硬化インクによって形成されたドットに対して、画像のインクの表面凹凸を加圧して平坦化することにより画像に光沢を与えるようにしているが、このような平滑化処理を行うと、先に打滴された色のインク程硬化反応が進行し、本硬化状態となってしまい、加圧平坦化の際に、インク表面の割れや剥がれが発生するなどの不具合が生じるという問題がある。
また、記録媒体の浸透性に依存しない任意の媒体に対して高画質記録を得るための画像形成方式として中間転写方式があるが、紫外線硬化型インクの記録媒体への転写性を考慮すると、中間転写ドラム上に着弾したインクを記録媒体に転写するまでは半硬化状態に保つ必要がある。
また、着弾干渉を防止し、かつ制御系を複雑化しないためには、一色毎に中間転写ドラムに打滴して半硬化させる必要があるが、先に打滴するインク程硬化反応が進行し本硬化状態となってしまい、転写が不可能となるという問題がある。
例えば、上記特許文献1に記載のものを回転ドラムを用いた中間転写方式に適用しようとすると、半硬化工程で硬化反応が過剰に進行して本硬化の状態になってしまい、転写不良が発生するという問題がある。特に、一色毎に紫外線硬化型インクを回転ドラムに打滴すると、先に回転ドラムに着弾した紫外線硬化型インクの硬化反応が進行して本硬化してしまうという問題がある。
また、さらに、上記特許文献2に記載のものは、吸光波長の異なる2種類の開始剤をインクが含み、波長の異なる2種類の紫外線光源で2段階照射するようにしているが、この目的はインク膜の基材への接着性・追従性を上げるためであり、着弾干渉の防止及び転写性の確保のためではなく、また上記特許文献3に記載のものは、高画質記録及び高速記録を両立させるためのものではなく、いずれも中間転写方式により記録媒体の浸透性に依存せず任意の記録媒体に高速で高画質の画像記録を実現するものではない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、紫外線硬化型インクに代表されるエネルギー付与硬化型インク又はソリッドインクに代表される相変化型インクを用い、イ
ンク表面の割れや剥がれを回避しつつ、光沢感のある画像定着を実現するとともに、カラー画像形成時における異色インク間の混色による画質劣化を防止することができる画像形成装置を提供することを目的とする。また、本発明は特に、種々の記録媒体に対して着弾干渉と滲みを防止して転写性を向上させ高速で高画質記録を可能とする中間転写方式の画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、媒体に対して、少なくとも第1の波長領域で分光吸収特性を有する第1の紫外線硬化開始剤と、少なくとも前記第1の波長領域より短波長側の第2の波長領域において分光吸収特性を有し、かつ前記第1の波長領域において分光吸収特性を有ない第2の紫外線硬化開始剤と、紫外線重合性化合物及び色材とを含む液体を吐出する複数の吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドから前記媒体上に吐出された前記液体によって形成されたドットに対して、少なくとも前記第2の波長領域を超えて長波長側で且つ前記第1の波長領域の波長を含む紫外線を少なくとも1回以上照射する前記各吐出ヘッドの下流側に設けられた複数の半硬化手段と、前記液体が前記半硬化手段により複数回照射されても半硬化状態を維持しつつ、前記ドットによって前記媒体上に形成された画像を中間処理する中間処理手段と、前記中間処理手段によって中間処理された画像に対して、少なくとも前記第2の波長領域の波長を含む紫外線を照射する本硬化手段と、を有することを特徴とする画像形成装置を提供する。
このように、一つのヘッドで紫外線硬化開始剤と重合性化合物及び色材(インク)を吐出することで、ドットが半硬化手段により複数回照射されても第1と第2の紫外線硬化開始剤を有しているので、紫外線硬化型インクを媒体上で半硬化状態を維持して中間処理を行うことが可能となり、例えばカラー画像形成時においても、異色インク間の混色による画質劣化を防止し、高画質での確実な画像定着が可能となる。
また、同様に前記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、媒体に対して、少なくとも第1の波長領域で分光吸収特性を有する第1の紫外線硬化開始剤と、少なくとも前記第1の波長領域より短波長側の第2の波長領域において分光吸収特性を有し、かつ前記第1の波長領域において分光吸収特性を有ない第2の紫外線硬化開始剤を含む液体を吐出する少なくとも一つ以上の第1の吐出ヘッドと、前記媒体に対して、紫外線重合性化合物と色材を含む液体を吐出する複数の第2の吐出ヘッドと、前記各第1及び第2の吐出ヘッドから前記媒体上に選択的に吐出された前記各液体によって形成されたドットに対して、少なくとも前記第2の波長領域を超えて長波長側で且つ前記第1の波長領域の波長を含む紫外線を少なくとも1回以上照射する前記各第1及び第2の吐出ヘッドの下流側に設けられた複数の半硬化手段と、前記液体が前記半硬化手段により複数回照射されても半硬化状態を維持しつつ、前記ドットによって前記媒体上に形成された画像を中間処理する中間処理手段と、前記中間処理手段によって中間処理された画像に対して、少なくとも前記第2の波長領域以下の波長を含む紫外線を照射する本硬化手段と、を有することを特徴とする画像形成装置を提供する。
このように、一つのヘッドから紫外線硬化開始剤を吐出し、もう一つのヘッドから重合性化合物と色材を吐出することで、ドットが半硬化手段により複数回照射されても第1と第2の紫外線硬化開始剤を有しているので、紫外線硬化型インクを媒体上で半硬化状態を維持して中間処理を行うことが可能となり、これにより高速かつ高画質での画像形成が可能となる。
また、同様に前記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、媒体に対して、紫外線重合性化合物を含む液体を吐出する少なくとも一つ以上の第3の吐出ヘッドと、前記媒体に対して、少なくとも第1の波長領域で分光吸収特性を有する第1の紫外線硬化開始剤と、少なくとも前記第1の波長領域より短波長側の第2の波長領域において分光吸収特性を有し、かつ前記第1の波長領域において分光吸収特性を有ない第2の紫外線硬化開始剤及び色材とを含む液体を吐出する複数の第4の吐出ヘッドと、前記各第3及び第4の吐出ヘッドから前記媒体上に選択的に吐出された前記各液体によって形成されたドットに対して、少なくとも前記第2の波長領域を超えて長波長側で且つ前記第1の波長領域の波長を含む紫外線を少なくとも1回以上照射する前記各第3及び第4の吐出ヘッドの下流側に設けられた複数の半硬化手段と、前記液体が前記半硬化手段により複数回照射されても半硬化状態を維持しつつ、前記ドットによって前記媒体上に形成された画像を中間処理する中間処理手段と、前記中間処理手段によって中間処理された画像に対して、少なくとも前記第2の波長領域以下の波長を含む紫外線を照射する本硬化手段と、を有することを特徴とする画像形成装置を提供する。
このように、一つのヘッドから重合性化合物を吐出し、もう一つのヘッドから紫外線硬化開始剤と色材を吐出することで、ドットが半硬化手段により複数回照射されても第1と第2の紫外線硬化開始剤を有しているので、紫外線硬化型インクを媒体上で半硬化状態を維持して中間処理を行うことが可能となり、これにより高速かつ高画質での画像形成が可能となる。
なお、上記請求項1〜3において、少なくとも前記第1の波長領域より短波長側の第2の波長領域において分光吸収特性を有する、というのは、後述する図8において、素材Bが第1の波長領域αで吸収が完全にゼロでなくても、第2の波長領域βでの吸収に対して約5%以下(好ましくは約1%以下)となる態様を含むことを意味する。
また、上記請求項1〜3において、少なくとも前記第2の波長領域を超えて長波長側で且つ第1の波長領域の波長を含む紫外線を少なくとも1回以上照射する半硬化手段、というのは、半硬化手段が第2の波長領域βにおける照射強度が完全にゼロでなくても、第1の波長領域αにおける照射強度に対して、約5%以下(好ましくは約1%以下)となる態様を含むことを意味するものとする。
また、請求項4に示すように、同一色の色材を含む液体内に含まれる前記第1の紫外線硬化開始剤と、前記第2の紫外線硬化開始剤と、重合性化合物の混合割合は、前記液体が前記半硬化手段によって複数回紫外線照射されても半硬化の状態を維持し、さらに前記本硬化手段によって紫外線照射されると本硬化の状態となるような混合割合であることを特徴とする。これにより、ドットが半硬化手段により複数回照射されても半硬化状態を維持して中間処理を確実に行うことができる。
また、請求項5に示すように、前記媒体上に前記第1のヘッドと前記第2のヘッドから1液滴ずつ打滴して混合液滴を形成する場合、前記混合液滴内に含まれる前記第1の紫外線硬化開始剤と、前記第2の紫外線硬化開始剤と、重合性化合物の混合割合は、前記液体が前記半硬化手段によって複数回紫外線照射されても半硬化の状態を維持し、さらに前記本硬化手段によって紫外線照射されると本硬化の状態となるような混合割合であることを特徴とする。
さらに、請求項6に示すように、前記媒体上に前記第3のヘッドと前記第4のヘッドから1液滴ずつ打滴して混合液滴を形成する場合、前記混合液滴内に含まれる前記第1の紫外線硬化開始剤と、前記第2の紫外線硬化開始剤と、重合性化合物の混合割合は、前記液体が前記半硬化手段によって複数回紫外線照射されても半硬化の状態を維持し、さらに前記本硬化手段によって紫外線照射されると本硬化の状態となるような混合割合であることを特徴とする。
また、請求項7に示すように、前記中間処理手段は、前記媒体上の液体を平滑化する平滑化手段であることを特徴とする。
半硬化状態の液体(インク)は比較的柔軟で変形し易いため、この半硬化状態において平滑化手段を作用させ、液体面の凹凸を平坦にすることで、液体の重なり量の違いによって生じる表面の不均一感を解消することができる。
また、請求項8に示すように、前記平滑化手段は、前記媒体上の前記色材を加圧する加圧手段を含んで構成されることを特徴とする。
これにより確実に液体面を平滑化することができ、特に柔軟な半硬化状態で平滑化が可能なため、加圧平坦化の際に液体表面の剥がれや割れを防止することができる。
また、請求項9に示すように、前記平滑化手段は、更に前記媒体上の前記色材を加熱する加熱手段を含んで構成されることを特徴とする。
このように加熱手段を用いずに液体を加圧する加圧手段のみによっても平滑化は可能であるが、加熱手段と加圧手段とを組み合わせる構成によれば、液体と記録媒体の種類によっては、より効率的に平滑化することができる。例えば、加熱によって液体の硬化が進行する種類の液体を用いる場合には、平坦化を進めながら硬化反応を促進することができ、本硬化手段の付与エネルギーを小さくすることができる。
また、請求項10に示すように、前記媒体の種類、液体の種類及び液体着弾量のうち少なくとも1つの条件に応じて前記平滑化手段の平滑化条件及び前記半硬化手段により付与するエネルギーのうち少なくとも一方を制御する制御手段を備えたことを特徴とする。
「媒体の種類」は、材質、サイズ、厚さ、反射率、密着性、浸透性などの観点から識別することができる。媒体の種類を把握する手段は、実際に媒体の厚さや反射率を測定する手段(検出手段)に限らず、使用される媒体の種類を自動判別するなどして、種類毎に整理されたデータテーブル等を参照して各媒体の特性を把握する構成でもいよい。また、使用する媒体の紙種や厚さ等をユーザが所定の入力装置等を操作して入力する構成も可能である。
「液体(インク)の種類」を示す情報を取得する手段としては、例えば、インクタンクのカートリッジの形状(インク種を識別可能な特定の形状)、或いはカートリッジに組み込まれたバーコードやICチップなどからインクの物性情報を読み取る手段を用いることができる。その他、所定の入力装置(ユーザインターフェース)を利用してオペレータが必要な情報を入力する構成も可能である。
「液体着弾量」は、プリント対象の画像データに基づいて、液体吐出量情報から把握することができる。これらプリントに関する条件に基づいて、適切な平滑化処理または半固溶化硬化処理を行うように諸条件を制御することで、過度な平滑化処理で発生する液体の剥離や割れを防止でき、一層良好な画像定着が可能になる。
また、請求項11に示すように、前記媒体は中間転写回転媒体であり、前記中間処理手段は前記中間転写回転媒体に形成された画像を記録媒体に転写する転写手段であり、前記本硬化手段は前記記録媒体に対して照射することを特徴とする。
これにより、種々の記録媒体に対して着弾干渉と滲みを防止して転写性を向上させ高速での高画質記録が可能となる。
また、請求項12に示すように、請求項9に記載の画像形成装置であって、さらに、前記中間転写回転媒体に形成された前記ドットの半硬化時間を特定する半硬化時間特定手段と、少なくとも前記中間転写回転媒体の回転方向である副走査方向に対して斜めの方向におけるドットの重なり度に基づいて、前記副走査方向及び該副走査方向と直交する主走査方向におけるドットの打滴順序を設定する打滴順序設定手段と、互いに重なり合う隣接ドット間の打滴時間差が前記ドットの半硬化時間以上となるように、前記隣接ドット間の打滴時間差を設定する打滴時間差設定手段と、を備えたことを特徴とする。
これにより、着弾干渉が発生しないための高速・高画質化のための最適な打滴順序を設定することが可能となる。
また、同様に前記目的を達成するために、請求項13に記載の発明は、少なくとも第1の波長領域で分光吸収特性を有する第1の紫外線硬化開始剤と、少なくとも前記第1の波長領域より短波長側の第2の波長領域において分光吸収特性を有し、かつ前記第1の波長領域において分光吸収領域を有ない第2の紫外線硬化開始剤と、紫外線重合性化合物及び色材とを含む液体を媒体に対して複数の吐出ヘッドから吐出する工程と、前記媒体上に吐出された前記液体によって形成されたドットに対して、少なくとも前記第2の波長領域を超えて長波長側で且つ前記第1の波長領域の波長を含む紫外線を少なくとも1回以上照射して前記各吐出ヘッドから前記液体が吐出された後に半硬化させる複数の半硬化工程と、前記液体が前記半硬化させる工程において複数回照射されても半硬化状態を維持しつつ、前記半硬化された前記媒体上のドットによって形成される画像に対して中間処理を行う工程と、前記中間処理された画像に対して、少なくとも前記第2の波長領域の波長を含む紫外線を照射して本硬化させる工程と、を含むことを特徴とする画像形成方法を提供する。
これにより、一つのヘッドで紫外線硬化開始剤と重合性化合物及び色材(インク)を吐出することで、ドットが半硬化手段により複数回照射されても第1と第2の紫外線硬化開始剤を有しているので、紫外線硬化型インクを媒体上で半硬化状態を維持して中間処理を行うことが可能となり、例えばカラー画像形成時においても、異色インク間の混色による画質劣化を防止し、高画質での確実な画像定着が可能となる。
また、同様に前記目的を達成するために、請求項14に記載の発明は、少なくとも第1の波長領域で分光吸収特性を有する第1の紫外線硬化開始剤と、なくとも前記第1の波長領域より短波長側の第2の波長領域において分光吸収特性を有し、かつ前記第1の波長領域において分光吸収特性を有ない第2の紫外線硬化開始剤を含む液体を媒体に対して少なくとも一つ以上の第1の吐出ヘッドから選択的に吐出する工程と、紫外線重合性化合物と色材を含む液体を前記媒体に対して複数の第2の吐出ヘッドから選択的に吐出する工程と、前記各第1及び第2の吐出ヘッドから前記媒体上に選択的に吐出された前記各液体によって形成されたドットに対して、少なくとも前記第2の波長領域を超えて長波長側で且つ前記第1の波長領域の波長を含む紫外線を少なくとも1回以上照射して前記各第1及び第2の吐出ヘッドから前記各液体が吐出された後に半硬化させる複数の半硬化工程と、前記液体が前記半硬化させる工程において複数回照射されても半硬化状態を維持しつつ、前記半硬化された前記媒体上のドットによって形成される画像に対して中間処理を行う工程と、前記中間処理された画像に対して少なくとも前記第2の波長領域以下の波長を含む紫外線を照射して本硬化させる工程と、を含むことを特徴とする画像形成方法を提供する。
これにより、一つのヘッドから紫外線硬化開始剤を吐出し、もう一つのヘッドから重合性化合物と色材を吐出することで、ドットが半硬化手段により複数回照射されても第1と第2の紫外線硬化開始剤を有しているので、紫外線硬化型インクを媒体上で半硬化状態を維持して中間処理を行うことが可能となり、これにより高速かつ高画質での画像形成が可能となる。
また同様に前記目的を達成するために、請求項15に記載の発明は、紫外線重合性化合物を含む液体を媒体に対して少なくとも一つ以上の第3の吐出ヘッドから選択的に吐出する工程と、少なくとも第1の波長領域で分光吸収特性を有する第1の紫外線硬化開始剤と、少なくとも前記第1の波長領域より短波長側の第2の波長領域において分光吸収特性を有し、かつ第1の波長領域において分光吸収特性を有ない第2の紫外線硬化開始剤及び色材とを含む液体を前記媒体に対して複数の第4の吐出ヘッドから選択的に吐出する工程と、前記各第3及び第4の吐出ヘッドから前記媒体上に選択的に吐出された前記各液体によって形成されたドットに対して、少なくとも前記第2の波長領域を超えて長波長側で且つ前記第1の波長領域の波長を含む紫外線を少なくとも1回以上照射して前記各第3及び第4の吐出ヘッドから前記各液体が吐出された後に半硬化させる複数の半硬化工程と、前記液体が前記半硬化させる工程において複数回照射されても半硬化状態を維持しつつ、前記半硬化された前記媒体上のドットによって形成される画像に対して中間処理を行う工程と、前記中間処理された画像に対して少なくとも前記第2の波長領域以下の波長を含む紫外線を照射して本硬化させる工程と、を含むことを特徴とする画像形成方法を提供する。
これにより一つのヘッドから重合性化合物を吐出し、もう一つのヘッドから紫外線硬化開始剤と色材を吐出することで、ドットが半硬化手段により複数回照射されても第1と第2の紫外線硬化開始剤を有しているので、紫外線硬化型インクを媒体上で半硬化状態を維持して中間処理を行うことが可能となり、これにより高速かつ高画質での画像形成が可能となる。
なお、上記請求項13〜15において、少なくとも前記第1の波長領域より短波長側の第2の波長領域において分光吸収特性を有する、というのは、後述する図8において、素材Bが第1の波長領域αで吸収が完全にゼロでなくても、第2の波長領域βでの吸収に対して約5%以下(好ましくは約1%以下)となる態様を含むことを意味する。
また、上記請求項13〜15において、少なくとも前記第2の波長領域を超えて長波長側で且つ第1の波長領域の波長を含む紫外線を少なくとも1回以上照射して半硬化させる、というのは、半硬化させるための紫外線照射が第2の波長領域βにおける照射強度が完全にゼロでなくても、第1の波長領域αにおける照射強度に対して、約5%以下(好ましくは約1%以下)となる態様を含むことを意味するものとする。
以上説明したように、本発明によれば、紫外線硬化型インクを媒体上で半硬化状態を維持して中間処理を行うことが可能となり、例えばカラー画像形成時においても、異色インク間の混色による画質劣化を防止し、高画質での確実な画像定着が可能となる。また特に媒体として中間転写回転媒体を用いた場合には、紫外線硬化型インクを中間転写回転媒体上で半硬化状態で、確実に記録媒体に転写することが可能となり、これにより種々の記録媒体に対して高速かつ高画質での画像形成が可能となる。
以下、添付図面を参照して、本発明に係る画像形成装置及び画像形成方法について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の全体構成図である。同図に示したように、この画像形成装置10は、クリア(透明;CL)、黒(K)、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)の各インクに対応して設けられた複数のインクジェットヘッド(以下、ヘッドという。)12CL、12K、12M、12C、12Yと、各ヘッド12CL、12K、12M、12C、12Yに供給する紫外線硬化型インク(いわゆるUVインク)を貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、各ヘッドの下流側にそれぞれ配置された半固溶化光源(半硬化光源)16A、16B、16C、16Dと、最終ヘッド(イエローヘッド12Y)後段の半固溶化光源16Dの下流に配置された加圧定着部17と、該加圧定着部17の後段に配置された本硬化光源18と、記録媒体たる記録紙20を供給する給紙部22と、記録紙20のカールを除去するデカール処理部24と、各ヘッド12CL、12K、12M、12C、12Yのノズル面(インク吐出面)及び各半固溶化光源(半硬化光源)16A〜16Dの光出射面に対向して配置され、記録紙20の平面性を保持しながら記録紙20を搬送する吸着ベルト搬送部26と、記録済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部28とを備えている。
紫外線硬化型インクは、紫外線エネルギーの付与によって硬化(重合化)する成分(モノマー、オリゴマー、又は低分子量ホモポリマー、コポリマーなどの紫外線硬化性成分)と重合開始剤とを含むインクであり、紫外線を受光すると重合を開始し、重合の進行とともに増粘し、やがて硬化する性質を有する。なお、開始剤の素材に関しては、第2実施形態で詳細に説明する。
第1実施形態では、開始剤をクリア液としてヘッド12CLに装填し、一方、重合性化合物と各色KMCYの色材をヘッド12K、12M、12C、12Yに装填しておく。このように、開始剤と重合性化合物とを別のヘッドに装填することで、万一半固溶化光源16A〜16DのUV光の反射光がヘッドのノズルに入射してもノズル内の硬化による目詰まりを防止することができる。尚、クリア液ヘッド12CLは、各色ヘッド12K、12M、12C、12Yの各々に対して直前の上流側に配置しても良い。
上述以外として、重合性化合物をクリア液としてクリア液ヘッド12CLに装填し、一方、開始剤と各色KMCYの色材をヘッド12K、12M、12C、12Yに装填しておく態様でも良い。さらには、開始剤と重合性化合物と各色KMCYの色材を各々同一のヘッド12K、12M、12C、12Yに装填する態様もある。この場合、クリア液ヘッド12CLは設けないことになる。
インク貯蔵/装填部14は、各ヘッド12CL、12K、12M、12C、12Yに対応する色(透明色を含む)のインクを貯蔵するインクタンク14CL、14K、14M、14C、14Yを有し、各タンクは所要の管路30を介してヘッド12CL、12K、12M、12C、12Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部14は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
図1において、給紙部22の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジン32が示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマ
ガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコード或いは無線タグなどの情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を紙予定の読取装置によって読み取ることで、使用される用紙の種類を自動的に判別し、用紙の種類に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部22から送り出される記録紙20はマガジン32に装填されていたことによる巻きクセが残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部24においてマガジン32の巻きクセ方向と逆方向に加熱ドラム34で記録紙20に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図1のように、裁断用のカッター38が設けられており、該カッター38によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター38は、記録紙20の搬送路幅以上の長さを有する固定刃38Aと、該固定刃38Aに沿って移動する丸刃38Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃38Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃38Bが配置される。なお、カット紙を使用する場合には、カッター38は不要である。
デカール処理後、カットされた記録紙20は、吸着ベルト搬送部26へと送られる。吸着ベルト搬送部26は、ローラ41、42間に無端状のベルト43が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも各ヘッド12CL、12K、12M、12C、12Yのノズル面に対向する部分が平面(フラット面)をなすように構成されている。
ベルト43は、記録紙20の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引穴(図示省略)が形成されている。ローラ41、42間に掛け渡されたベルト43の内側には、図示を省略した吸着チャンバが設けられており、この吸着チャンバをファンで吸引して負圧にすることによって記録紙20がベルト43上に吸着保持される。
ベルト43が巻かれているローラ41、42の少なくとも一方にモータ(図1では図示省略、図6中に符号134として表示)の動力が伝達されることにより、ベルト43は図1上で反時計回り方向に駆動され、ベルト43上に保持された記録紙20は図1の右から左へと搬送される。
各ヘッド12CL、12K、12M、12C、12Yは、当該画像形成装置10が対象とする記録紙20の最大紙幅に対応する長さを有し、そのノズル面には最大サイズの記録紙20の少なくとも一辺を超える長さ(描画可能範囲の全幅)にわたりインク吐出用のノズルが複数配列されたフルライン型のヘッドとなっている。
ヘッド12CL、12K、12M、12C、12Yは、記録紙20の送り方向に沿って上流側からクリア(CL)、黒(K)、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)の色順に配置され、それぞれのヘッド12CL、12K、12M、12C、12Yが記録紙20の搬送方向と略直交する方向に沿って延在するように固定設置される。このヘッド配列順序は、硬化感度の鈍い色順に上流側から並べたものである。
吸着ベルト搬送部26により記録紙20を搬送しつつ各ヘッド12CL、12K、12M、12C、12Yからそれぞれ異色のインクを吐出することにより記録紙20上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするノズル列を有するフルライン型のヘッド12CL、12K、12M、12C、12Yを色別に設ける構成によれば、紙送り方向(副走査方向)について記録紙20をヘッド12K、12M、12C、12Yに対して相対移動させる動作を1回行うだけで(すなわち1回の副走査で)、記録紙20の全面に画像を記録することができる。このようなシングルパス方式の画像形成装置10は、記録ヘッドを主走査方向に往復動作させながら描画を行うシャトルスキャン方式に比べて高速印字が可能であり、プリント生産性を向上させることができる。
本例では、KMCYの標準色(4色)とクリア(CL)インクの組み合わせによる構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせは本実施形態には限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクジェットヘッドを追加する構成も可能である。
各ヘッドの下流に配置されている半固溶化光源16A〜16Dは、ヘッドと同様に記録紙20の最大紙幅に対応する長さを有し、記録紙20の搬送方向と略直交する方向に延在するように固定されている。半固溶化光源16A〜16Dには、本硬化光源18と比べて発光波長領域の狭いLED素子、或いはLD素子が好適に用いられる。ただし、半固溶化光源16A〜16Dや本硬化光源18の中心波長や発光波長領域は使用されるインクの設計に応じて選択される。
各半固溶化光源16A〜16Dは、隣接配置されている上流側のヘッド12CL、12K、12M、12C、12Yによる着弾インクを半固溶化状態(他色インクと接液状態でも混色を起こさない程度の粘度)にする程度のエネルギーの紫外線を照射する。
すなわち、半固溶化光源16A〜16Dは、先行するヘッド12CL、12K、12M、12C又は12Yによって記録紙20上に打滴されたインクを本硬化していない柔軟な(変形容易な)インク状態にする機能を果たすとともに、後続のヘッド12K、12M、12C、12Yから吐出される他色インクとが記録紙20上で混合して色滲みを起こすことがないように、その混合を防止し得る程度に記録紙20上のインクを半硬化させる機能を果たす。
記録紙20が上流のヘッドを通過して、次のヘッド下に入る前に、半固溶化光源16A〜16Dから光を照射して、記録紙20上のインクを半硬化状態にし、次段の異色ヘッドによる打滴を行うようになっている。
図1の例では、クリアヘッド12CLによる打滴を行った後に、黒ヘッド12Kによる打滴を行い、半固溶化光源16Aによる光照射を経て黒インクを半固溶化させてから、マゼンタヘッド12Mによる打滴を行う。同様に、マゼンタヘッド12Mによる打滴後は、半固溶化光源16Bによる光照射を経てシアンヘッド12Cによる打滴を行い、その後半固溶化光源16Cによる光照射を経てイエローヘッド12Yによる打滴を行う。イエローヘッド12Yによる打滴後は半固溶化光源16Dによって光照射を行う。
記録紙20の搬送方向に沿って上流側に存在するヘッドから吐出されたインク程、半固溶化領域を通過する回数が多くなるが、後述する開始剤の分光吸収感度特性により記録紙20上のインクは半硬化状態(半固溶化状態)を維持することが可能となり、最終の半固溶化光源16Dを通過した段階で記録紙20上のインクは色間の硬化の進行差が小さく平準化された半固溶化状態となっている。
最終の半固溶化光源16Dの後段に設けられた加圧定着部17(平滑化手段)は、表面
を剥離性の高い樹脂でコーティングしたローラ45を含んで構成される。該ローラ45は中空構造とし、中心部にハロゲンランプなどのヒータ46を配設し、熱を加えながら記録紙20の画像面を加圧する構造とする。加圧定着部17によってインク表面を加熱加圧することにより、インク表面の凹凸が平坦化される。また、熱を加えず加圧だけで平滑化可能な場合は、加熱しなくてもよい。なお、多孔質のペーパに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
加圧定着部17は、加圧圧力を調整できる機構(例えば、バネ負荷によってローラ45の押しつけ力を与える可変する構造)を有し、記録紙20の厚みやインク量に応じて適切な加圧圧力に制御される。
加圧定着部17の後段には本硬化光源18が設けられている。本硬化光源18は、半固溶化光源16A〜16Dよりも発光波長域が広く、照射光量が大きいメタルハライドランプや水銀ランプなどを用いる。
加圧定着部17によって平滑化処理が行われた記録紙20は、本硬化光源18によってインクを完全に硬化させるに足る光照射が行われ、本定着が行われる。
また、加圧定着部17のローラ45は、図示を省略した移動機構によって記録紙20と接触しない所定の退避位置へ移動させることができるように構成されている。インク面の平滑化処理を行う場合には、ローラ45を記録紙20と接触させる所定の位置(平滑化処理位置)に位置させて加圧を行う。一方、インク面の平坦化処理が不要な場合は、ローラ45を退避位置に退避させ、圧力を加えずに本硬化光源18にて硬化定着させる。これにより、インク表面の凹凸が残ったままの作画も可能である。
なお、加圧定着部17について加圧/非加圧を切り換える手段として、上記した退避機構に代えて、加圧定着部17を取り外し(離脱)可能な構造としてもよい。すなわち、平滑化処理が不要な場合には、当該画像形成装置10から加圧定着部17(又はその一部)を離脱させ、平滑化処理を省略するという態様も可能である。
こうして、本硬化光源18による本硬化処理(搬送ハンドリングにおいてもインクこすれ等による画質劣化を起こさない程度に硬化定着させる処理)を経て生成されたプリント物は排紙部28から排出される。なお、図1には示さないが、排紙部28には、オーダー別に画像を集積するソーターが設けられる。
なお、半硬化光源及び本硬化光源の照射波長領域に関しては、第2実施形態で詳細に述べる。
次に、半固溶化硬化部の構造例について説明する。なお、各半固溶化光源16A〜16Dの構造は共通しているので、これらを代表して符号16で表す。図2は半固溶化光源16の詳細な構造例を示した部分断面図であり、図3は図2中の3A矢視断面図である。
これらの図面に示したように、半固溶化光源16は、遮光囲い70の内側においてヘッド50の長手方向に沿って複数の紫外線LED素子72がライン状に並べられて配置され、これら紫外線LED素子72列の下方に集光用のシリンドリカルレンズ84が配置された構造を有している。なお、符号78は、紫外線LED素子72が支持されている基板である。
遮光囲い70の底部には光出射口となるスリット状の開口部76が形成されるとともに
、該開口部76の周囲には光出射方向に凸の遮光くちばし86が設けられている。また、記録紙20と対向する遮光囲い70の底面には、紫外線吸収コーティング88が施されている。
紫外線LED素子72群から発せられる発散光は、シリンドリカルレンズ84の作用によって紙送り方向に略直交する方向に沿って線状に集光され、記録紙20上に照射される。シリンドリカルレンズ84に代えて、これと同様の集光パワーをもつ、光屈折面形状の非球面を1面以上有するレンズ群を用いることも可能である。
図2及び図3で説明した紫外線LED素子72群を選択的に発光させたり、各素子の発光量を制御することより、紫外線の照射エリアについて所望の照射範囲及び光量(強度)分布を実現することができる。
記録紙20のサイズやヘッド50による打滴範囲及びインク量に応じて紫外線LED素子72の発光位置及び発光量を適切に制御して必要最小限の発光を行うことにより、ヘッド50への悪影響(ノズル51内インクの硬化など)を極力抑制する。
なお、半固溶化光源16の構成は、図2及び図3のような砲弾型の紫外線LED素子72を用いる構成に限定されず、基板上にLED素子を一次元的に並べたものであってもよい。また、LEDに代えて、LD(レーザダイオード)を用いる構成も可能である。
次に、画像形成装置10の制御系について説明する。
図4は画像形成装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。画像形成装置10は、通信インターフェース110、システムコントローラ112、画像メモリ114、モータドライバ116、ヒータドライバ118、加圧駆動部119、プリント制御部120、画像バッファメモリ122、ヘッドドライバ124、メディア検出部126、光源制御部128等を備えている。
通信インターフェース110は、ホストコンピュータ130から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース110にはUSB、IEEE1394、イーサネット、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(図示省略)を搭載してもよい。ホストコンピュータ130から送出された画像データは通信インターフェース110を介して画像形成装置10に取り込まれ、一旦画像メモリ114に記憶される。画像メモリ114は、通信インターフェース110を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ112を通じてデータの読み書きが行われる。画像メモリ114は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ112は、通信インターフェース110、画像メモリ114、モータドライバ116、ヒータドライバ118、加圧駆動部119等の各部を制御する制御部である。システムコントローラ112は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、ホストコンピュータ130との間の通信制御、画像メモリ114の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ134やヒータ46、加圧定着部17の加圧機構138等を制御する制御信号を生成する。
モータドライバ116は、システムコントローラ112からの指示に従ってモータ134を駆動するドライバ(駆動回路)である。ヒータドライバ118は、システムコントローラ112からの指示に従って加熱ドラム34や加圧定着部17のローラ45内のヒータ46その他各部のヒータを駆動するドライバである。
加圧駆動部119は、システムコントローラ112からの指示に従って加圧機構138を駆動して加圧圧力を可変するとともに、加圧機構138を退避位置及び平滑化処理位置の間で移動させる手段である。
プリント制御部120は、システムコントローラ112の制御に従い、画像メモリ114内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字制御信号(ドットデータ)をヘッドドライバ124に供給する制御部である。プリント制御部120において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいてヘッドドライバ124を介して色別のヘッド50のインク吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
プリント制御部120には画像バッファメモリ122が備えられており、プリント制御部120における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ122に一時的に格納される。なお、図6において画像バッファメモリ122はプリント制御部120に付随する態様で示されているが、画像メモリ114と兼用することも可能である。また、プリント制御部120とシステムコントローラ112とを統合して1つのプロセッサで構成する態様も可能である。
ヘッドドライバ124はプリント制御部120から与えられるドットデータに基づいて各ヘッド50の吐出駆動用アクチュエータ58を駆動する。ヘッドドライバ124にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
印刷すべき画像のデータは、通信インターフェース110を介して外部から入力され、画像メモリ114に蓄えられる。この段階では、例えば、RGBの画像データが画像メモリ114に記憶される。画像メモリ114に蓄えられた画像データは、システムコントローラ112を介してプリント制御部120に送られ、該プリント制御部120において既知のディザ法、誤差拡散法などの手法によりインク色ごとのドットデータに変換される。
こうして、プリント制御部120で生成されたドットデータに基づいてヘッド50が駆動制御され、ヘッド50からインクが吐出される。記録紙20の搬送速度に同期してヘッド50からのインク吐出を制御することにより、記録紙20上に画像が形成される。
メディア検出部126は、記録紙20の紙種やサイズを検出する手段である。例えば、給紙部22のマガジン32に付されたバーコード等の情報を読み込む手段、用紙搬送路中の適当な場所に配置されたセンサ(用紙幅検出センサ、用紙の厚みを検出するセンサ、用紙の反射率を検出するセンサなど)が用いられ、これらの適宜の組み合わせも可能である。また、これら自動検出の手段に代えて、若しくはこれと併用して、所定のユーザインターフェースからの入力によって紙種やサイズ等の情報を指定する構成も可能である。
メディア検出部126により取得された情報はシステムコントローラ112及び/又はプリント制御部120に通知され、インク吐出制御及び半固溶化光源16の制御、加圧機構138の制御等に利用される。
光源制御部128は、半固溶化光源16の点灯(ON)/消灯(OFF)並びに点灯位置、点灯時の発光量等を制御する半固溶化光源制御回路と、本硬化光源18の点灯(ON)/消灯(OFF)並びに点灯時の発光量等を制御する本硬化光源制御回路と、を含んで構成される。光源制御部128は、プリント制御部120からの指令に従って各光源(16,18)の発光を制御する。
次に、上記の如く構成された画像形成装置10の制御例について説明する。
図5は画像形成装置10の制御アルゴリズム例を示したフローチャートである。ここでは、用紙(メディア)の種類やインクの着弾量等の情報を基に半固溶化条件及び加圧加熱条件を制御する例を示す。
同図に示すとおり、まず、メディア種の判定処理(ステップS10)において、使用する記録媒体の種類を判定する。この判定方式には、例えば、記録紙20の光学反射率検出等による自動検出、マガジン検出、ユーザインターフェースによるメニュー指定等が用いられる。
ステップS10のメディア種判定結果に基づき、使用されるメディア種に対応した判定値=Aを確定する(ステップS12)。画像形成装置10は、メディア種と判定値とを対応付けたメディア種テーブルのデータを格納した情報記憶手段(内部メモリ又は外部メモリ)を備えており、このメディア種テーブルを参照して判定値が決定される。
上記のメディア種判定の処理(ステップS10)と並行して、又はこれに続いて、用紙厚の判定処理(ステップS20)を行う。判定方式には、例えば、記録紙20の厚み検出等による自動検出やマガジン検出などが用いられる。ステップS20の用紙厚判定の結果に基づき、用紙厚に対応した判定値=Bを確定する(ステップS22)。
また、プリントすべき画像のデータに基づいてインクの液滴量の判定を行い(ステップS30)、使用するインクの種類等も考慮して、その液滴量に対応した判定値=Cを確定する(ステップS32)。
こうして求めた判定値A,B,Cを用いて加圧圧力を決定する。例えば、加圧圧力を適値に定めるには、液滴量と用紙厚に所定の重み付けをし、また液滴量に対しては、メディア種により浸透状況等の差があるため、メディア種の項を係数としてかけた条件式である次式 [数1] のような加圧圧力判定式を用いて計算する(ステップS40)。
[数1] (α1 ×A)×(γ1 ×C)+β1 ×B
ただし、係数α1 ,γ1 ,β1 はそれぞれ所定の定数値である。
上記加圧圧力判定式 [数1] の結果を求め、その結果に対応した加圧圧力調整値Pを確定する(ステップS42)。
加圧定着時の加圧圧力の制御方法については、既述のとおり、例えば、ニップローラ(45)のバネ負荷で加圧圧力が加わる構成とし、上記ステップS42で求めた加圧圧力調整値Pの値に応じてバネを伸縮させて圧力を調整可能な構成とする。こうして、インクにかかる圧力条件を大きく変えない(圧力条件の変動範囲を一定以内に制御する)ことにより、インクの剥がれや割れを防ぐことができる。
また、ステップS12,S22,S32で求めた判定値A,B,Cを用いて加熱温度を決定する。例えば、加熱温度を適値に定めるには、メディア種と用紙厚と液滴量がある重み付けを持ち、概略独立的に関係し合うことから、次式 [数2] のような加熱温度判定式を用いて計算する(ステップS50)。
[数2] α2 ×A+β2 ×B+γ2 ×C
ただし、係数α2 ,γ2 ,β2 はそれぞれ所定の定数値である。
上記加熱温度判定式 [数2] の結果を求め、その結果に対応した加熱温度調整値Tを確定する(ステップS52)。
加圧定着時の加熱温度の制御方法については、既述のとおり、加圧定着のローラ45の中心部にハロゲンランプなどのヒータ46を配置し、上記ステップS52で求めた加温温度調整値Tの値に応じてヒータ46の温調温度を調整可能な構成とする。
また、ステップS12,S22,S32で求めた判定値A,B,Cを用いて付加エネルギーを決定する。例えば、付加エネルギーを適値に定めるには、用紙厚の影響はほぼ関与しないため、メディア種と液滴量がある重み付けをもって概略独立的に関係するため、次式 [数3] のような付加エネルギー判定式を用いて計算する(ステップS60)。
[数3] α3 ×A+γ3 ×C
ただし、係数α3 ,γ3 はそれぞれ所定の定数値である。
上記付加エネルギー判定式 [数3] の結果を求め、その結果に対応した付加エネルギー調整値Eを確定する(ステップS62)。
この付加エネルギー調整値Eの値に応じて、半固溶化光源16の照射量を調整可能な構成とする。
このように、メディアの特性やインク着弾量の情報を基に加圧定着部17の加圧加熱条件、半固溶化光源16の照射エネルギー条件を最適とすることにより、安定した定着処理が可能となり、インクの剥離や割れを防止することができる。
上述の説明では、紫外線硬化型インクを使用する例を述べたが、本発明の実施に際しては、光硬化型インクに限らず、電子線、X線などの輻射線の照射や加熱などよって硬化する他のエネルギー付与硬化型インクを用いることが可能であり、使用されるインクに応じてその硬化剤を活性化させる(重合を活性化させる)のに適した半固溶化硬化部及び本硬化部が設けられる。
上記実施形態では、色別に複数のフルライン型ヘッドを配置した構成を述べたが、本発明の実施に際しては、多色一体型のヘッドにおいて色別にノズル列が形成されているというヘッド構成も可能である。また、フルライン型ヘッドに代えて、短尺ヘッドを主走査方向に往復動作させるシャトルスキャン方式のヘッドを用いることもできる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図6は、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置の概略を示す全体構成図である。
図6に示すように、本実施形態のインクジェット記録装置210は、インクの色毎に設けられた、インクを液滴として吐出する複数の印字ヘッド(液滴吐出ヘッド)250(250C、250M、250Y、250K)と、各印字ヘッド250(250C、250M、250Y、250K)に供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部214(214C、214M、214Y、214K)と、その表面に転写画像が形成される中間転写ドラム(中間転写回転媒体)232と、中間転写ドラム232から転写画像が転写されて画像が記録される記録紙216を供給する給紙部218と、記録後の記録紙216を排出する排紙部226と、を主に有して構成される。
図6に示すように、中間転写ドラム232の回転方向(図中矢印で示す方向)に沿って、上流側からシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒(K)の順に各色インクに対応した印字ヘッド250(250C、250M、250Y、250K)が配置されている。
中間転写ドラム232を回転させながら、各印字ヘッド250(250C、250M、250Y、250K)からそれぞれ各色のインクを吐出することにより、中間転写ドラム232の表面に転写画像が形成される。
図6において、各色の印字ヘッド250(250C、250M、250Y、250K)毎に、UV硬化開始剤(第1及び第2)と重合性化合物と色材(染料または顔料)を含んだ液体(以降、単にインクと呼ぶ)が充填されている。
また、図7に、本実施形態におけるインクジェット記録装置の他の例を示す。
図7に示す例においては、中間転写ドラム232の回転上流側に処理液ヘッド250Sを配置し、UV硬化開始剤(第1及び第2)を含む処理液が充填されている。さらに下流側の各色の印字ヘッド250(250C、250M、250Y、250K)毎に、重合性化合物と色材(染料または顔料)を含んだ液体が充填されている。このようにUV硬化開始剤と重合性化合物とを別の吐出ヘッドに分けて充填することにより、半硬化光源242から照射されたUV光の散乱光がノズルに入射してノズル内のインクが硬化して起こる目詰まりの発生の防止をすることが可能となる。なお、処理液ヘッド250Sを各色の印字ヘッド250(250C、250M、250Y、250K)毎の上流側に各々配置しても良い。
また、図7においては、中間転写ドラム232に回転上流側に重合性化合物を含む処理液が充填された処理液ヘッド250Sを配置し、その下流側にUV硬化開始剤(第1及び第2)と色材(染料または顔料)を含んだ液体が充填させた各色の印字ヘッド250(250C、250M、250Y、250K)を配置する態様もある。この場合も、UV硬化開始剤と重合性化合物とを別の吐出ヘッドに分けて充填するようにしているので、半硬化光源242から照射されたUV光の散乱光がノズルに入射してノズル内のインクが硬化して起こる目詰まりの発生の防止をすることが可能となる。
また、図6または図7に示すように、印字ヘッド250に対し、中間転写ドラム232の回転方向下流側に、半硬化光源(半硬化手段)242が配置されている。半硬化光源242は、詳しくは後述するが、中間転写ドラム232上に形成されたインク液滴ドットが中間転写ドラム232が回転して複数回半硬化光源242によって照射を受けても、後述する開始剤の分光吸収感度特性により完全に硬化せず、高粘度の液滴となり着弾干渉(記録媒体表面上における、重ねて隣接して打滴されるドット間の液滴同士の合体・混合)が発生しない程度の状態となるように半硬化させるためのものである。
中間転写ドラム232の回転方向に沿った印字ヘッド250の上流側に、転写画像を記録紙216に転写した後の中間転写ドラム232の表面の汚れを清掃するためのクリーナ243が配置されている。クリーナ243は、洗浄水を含み吸水性を有し中間転写ドラム232の表面を濡らしながら洗浄する吸引ローラや、中間転写ドラム232の表面上の水滴やゴミなどの異物を吸引除去する吸引除去ローラ等によって構成されている。
図6(または図7)に示すように、給紙部218の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジン(ロール紙が装填された容器)を用いてもよいし、この他に紙幅や紙質等が異な
る複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給するようにしてもよい。
本実施形態においては、中間転写ドラム232上に一度転写画像を形成し、これを記録紙216に転写するようにしているため、いろいろな種類の記録紙216が利用可能であり、用いることのできる記録紙216の自由度が向上する。さらに、中間転写ドラム232には微細な撥水部が設けてあり、非撥水部はインク溶媒の浸透性を有しているため、中間転写ドラム232の内側から吸引することで記録媒体の滲みやべたつきが軽減される。
給紙部218から送り出される記録紙216は、ロール紙としてマガジン内に装填されていたことによる巻き癖が残りカールする。このカールを除去するために、給紙部218の下流側にデカール処理部220が設けられている。デカール処理部220は、マガジンの巻き癖の方向とは逆方向に加熱ドラムで記録紙216に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
ロール紙を使用する場合には、図6(または図7)に示したようにデカール処理部220の下流側に裁断用のカッター228が設けられており、カッター228によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カットされた記録紙216は、印字面が図の上側になるようにして搬送され、搬送ローラ234上の転写位置において中間転写ドラム232上に形成された転写画像が転写される。なお、カット紙を使用する場合には、カッター228は不要である。
各印字ヘッド250(250C、250M、250Y、250K)として、中間転写ドラム232の軸方向の最大画像形成可能幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを中間転写ドラム232の軸方向に沿って、その長手方向を中間転写ドラム232の回転方向と略直交する方向(中間転写ドラム232の軸方向と略平行な方向)に配置したライン型ヘッドを用いると、高速印字に適して好ましい。またインクを吐出するアクチュエータとしては、圧電素子(ピエゾ)でも発熱抵抗体でもどちらでもよい。ピエゾアクチュエータを用いる場合には、そのインク吐出面(ノズル面)に配列されるノズル密度を高密度化するために、2次元マトリクス状にずらして補間して配置することが好ましい。また、印字ヘッド250のノズル面は短手方向において中間転写ドラム232の周に合わせて湾曲した形状となっていることが好ましい。
また、図6(または図7)に示した例では、CMYKの標準色(4色)の構成を示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態には限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアンやライトマゼンタなどのライト系インクを吐出する印字ヘッドを追加した構成としてもよい。このようにすることにより、階調性をさらに高めることができる。
中間転写ドラム232の表面に形成された転写画像が転写された記録紙216はさらに下流側に搬送される。中間転写ドラム232の下流側には、記録紙216上に転写された画像を完全に定着させる本硬化を行うための本硬化光源(本硬化手段)244が配置されている。
次に、半硬化光源242、本硬化光源244およびここで用いられるインクについて、詳しく説明する。
本実施形態で用いられるインクは、紫外線硬化型インク(UV硬化型インク)であり、特に、硬化開始剤(紫外線硬化開始剤)として、異なるUV波長領域の分光感度特性を有する2種類の素材を有している。また、前述した半硬化光源242と本硬化光源244は
、異なる波長領域を有するUV光を照射するものであり、インク(UV硬化型インク)に含まれている2種類の硬化開始剤は、半硬化光源242のUV波長の分光吸収感度を有する第1の硬化開始剤と、本硬化光源244のUV波長の分光吸収感度を有する第2の硬化開始剤とからなっている。
このように、本実施形態は、異なるUV波長に分光吸収感度を有する2種類の硬化開始剤(半硬化光源42で硬化する第1の硬化開始剤と、本硬化光源244で硬化する第2の硬化開始剤)を有するUV硬化型インクを用いて、中間転写ドラム232上に打滴されたインク液滴ドットを第1の波長の半硬化光源242で半硬化させ、中間転写ドラム232から記録紙216に転写後に、第2の波長の本硬化光源244で本硬化させるようにすることで、種々の記録媒体に対して高画質記録を可能とするものである。
また、第1の硬化開始剤と第2の開始剤は、異なる波長に分光吸収感度を有しており、第2の開始剤が半硬化光源242によって硬化反応を発生することはない。従って、中間転写ドラム232上に形成された転写画像が中間転写ドラム232上で本硬化してしまうことはなく、中間転写ドラム232上で着弾干渉が発生することがない程度に硬化した状態で転写されることとなり、転写画像の記録媒体への転写性も確保される。
図8に、半硬化させるための第1の硬化開始剤と本硬化させるための第2の硬化開始剤の素材の波長と分光吸収特性の関係の一例を示す。
半硬化させるための第1の硬化開始剤の素材は、図8に示すAまたはA’の吸収特性を有するものを選定し、半硬化時には、半硬化光源242から照射するUV光の照射波長は図8に示す少なくとも第2の波長領域を超えて長波長側で且つ第1の波長領域αの波長を含むものとする。第1の硬化開始剤は、少なくとも第1の波長領域において、吸収特性を有していることが必要条件であり、第2の波長領域においては必ずしも吸収特性を有する必要はない。しかし、多くの化合物では第2の波長領域においても吸収特性を有するのが一般的である。
また、本硬化させるための第2の硬化開始剤の素材は、少なくとも第1の波長領域より短波長側の図8に示すBの第2の波長領域において吸収特性を有し、かつ第1の波長領域において分光吸収特性を有さないものを選定し、本硬化時には、本硬化光源244から照射するUV光の照射波長は図8に示す少なくとも第2の波長領域βを含むものとする。但し、本硬化光源244の照射波長に第1の波長領域が含まれていても問題はない。
ここで、図8に示すように、照射領域αの下限値は、吸収特性Bの吸収量が略0となる波長以上に設定する必要がある。
このように、半硬化用の第1の硬化開始剤は、少なくとも第1の波長領域αで分光吸収特性を有するものとし、本硬化用の第2の硬化開始剤は、少なくとも第1の波長領域より短波長側の第2の波長領域βにおいて分光吸収特性を有するものとすることが好ましい。
本実施形態においては、例えば、第1の硬化開始剤として、半硬化工程において350〜400nmの波長領域に分光感度特性のピークを有する硬化開始剤を用い、一方本硬化工程においては230〜280nmの波長領域に分光感度特性のピークを持つ硬化開始剤を用いるものとする。
なお、このように、本硬化工程において、半硬化工程よりも短い波長領域の分光感度を有する硬化開始剤を選定することで、確実にインクの内部までUV光線が浸透し、本硬化を確実なものとすることが可能となる。
また、このとき、第1の硬化開始剤と第2の硬化開始剤及び重合性化合物との混合割合
は、第1の硬化開始剤が半硬化光源242(波長350〜400nmまたは波長350nm以上)によりUV照射を複数回多量に受けて第1の硬化開始剤が反応して重合性化合物に対して重合反応させても中間転写ドラム232上に形成されたインク液滴ドットが完全に硬化せず、高粘度の液滴となり、着弾干渉が発生し難く、また転写可能な程度の半硬化の状態を維持できる状態になるような混合割合とする。
さらに、第2の硬化開始剤が本硬化光源244(波長230〜280nmまたは左記波長領域を包含する領域)によりUV照射を受けて第2の硬化開始剤が反応して重合性化合物に対して重合反応させると記録紙216に転写されたインク液滴ドットが完全に硬化するように、第1の硬化開始剤と第2の硬化開始剤及び重合性化合物との混合割合を設定するようにする。
これを図9及び図10に概念的に示すとともに、以下説明する。
図9は、図10で用いる記号を説明したものである。図9において、A1は第1の硬化開始剤のUV照射を浴びる前の状態であり、まだラジカル放出前である。また、A2は、第1の硬化開始剤がUV照射を受けてラジカルを放出した後の状態を表している。また、同様に、B1は第2の硬化開始剤がUV照射を受ける前でラジカル放出前の状態であり、B2は第2の硬化開始剤がUV照射を受けてラジカルを放出した後の状態である。また、C1は重合性化合物について、重合前のモノマーの状態であり、C2は重合性化合物について、重合後のポリマーの状態を表している。
次に図10において、ステップ1の状態は初期状態を表し、第1及び第2の硬化開始剤はともにUV照射前のラジカルを放出していない初期の状態A1、B1である。一方、重合性化合物Cは、何も重合していないので、全部がモノマーの状態C1になっている。
ここで350〜400nmの半硬化光源242からのUV照射を受けると、第1の硬化開始剤A1のみが反応して、ラジカルを放出したA2の状態となる。この第1の硬化開始剤がA1からA2となることでラジカルが重合性化合物C1に対して作用して、第1の硬化開始剤がA1からA2になった分の量だけ重合性化合物がC1からC2になる。
この状態でさらに半硬化光源242からUV照射を受けたとしても、第2の硬化開始剤は反応せず、B1のままであり、重合性化合物のうち半分はC1としてモノマーとして残っている。従って、半硬化状態を保っているので、着弾干渉を防止するとともに第1実施形態においては平滑化が可能な状態が維持され、一方第2実施形態においては転写もできる状態が維持されている。
図1において記録紙20に打滴された開始剤と重合性化合物との混合液滴は、このように図10のステップ2に示すような状態で加圧定着部17(平滑化手段)に送られて平滑化処理され、その後本硬化光源18からUV照射を受けると、今度は波長領域が半硬化の時とは異なり、第2の硬化開始剤B1からラジカルが放出され、残っていた重合性化合物のモノマーC1に対して重合反応が起き、ポリマーC2の状態となり、図10のステップ3の状態のように本硬化する。
上述したようなUV硬化型インクの材料構成とした場合、図1に示したような印字ヘッド12CLによって開始剤が記録紙20上に打滴され、次にKインクと重合性化合物を含む液滴をヘッド12Kが打滴して、記録紙20上で混合液滴となる。Kインクの混合液滴が半固溶化光源16A(波長350〜400nm)によってUV照射されて第1の硬化開始剤が重合性化合物に重合反応を起こさせることでKインクが半硬化状態になり、着弾干渉が発生しない状態となる(図10のステップ2の状態)。
その後、Mインク、Cインク、Yインクが記録紙20に打滴されて各々半硬
化光源16B〜16D(波長350〜400nm)によりUV照射が行われると、Kインクは計4回半硬化光源からUV照射を受けることとなる。
しかし、Kインクに含まれる第1の硬化開始剤は、Kインクが打滴された後の1回目の半硬化光源242によるUV照射で、Kインクが半硬化すると第1の硬化開始剤は全て消費されているので、2回目以降の半硬化光源16によるUV照射によるKインクのさらなる硬化反応は進行せず、着弾干渉が発生しない状態で、かつ平滑化可能な半固溶状態を維持することが可能となる(図10のステップ2の状態)。
さらに、MインクのドットがCインクのドットと重なって打滴される場合、Cインクのドットは既に半硬化されていて半固溶状態となっているので、Mインクのドット内の第1の硬化開始剤がCインク内の未反応の重合性化合物に対して重合反応させてCインクのドットが本硬化してしまうようなことはない。
その後、記録紙20上に打滴され半硬化状態となった混合液滴は、加圧定着部17により平滑化処理されて、本硬化光源18によりUV照射され、図10のステップ3に示すように本硬化される。
なお、再度図8を用いて説明すると、前述した図8に示した波長領域αにおいて半硬化させる工程では、第2の硬化開始剤は、図8示すように吸収特性Bを有しているため、波長領域αでは吸収量が略0であるため、第2の硬化開始剤はラジカルの放出を防止することができる。一方、波長領域βで本硬化させる工程では、第2の硬化開始剤がラジカルを放出して本硬化が行われる。このとき、第1の硬化開始剤の未反応物が残っていた場合には、第1の硬化開始剤からもラジカル放出が行われるが、これは本硬化工程であるので問題はなく、むしろ完全な硬化反応として促進するので好ましい。
次に第2実施形態を例に説明する。半硬化光源242としては、例えばメタルハライドランプ等で、上述したような350〜400nmの波長領域のUV光を照射することができる。このように350〜400nmの波長領域のUV光線を照射する半硬化光源242を中間転写ドラム232の外周に沿って円弧状の照射面をCMYKの各印字ヘッド250C、250M、250Y、250Kのドラム回転方向下流側に配置する。また、詳しくは後述するが、半硬化に要する時間「半硬化時間Thc」を短時間とし高速記録を可能とするために、UV照射光源の照射強度と円弧長さを所定値に設定する。
半硬化光源242は、印字ヘッド250(250C、250M、250Y、250K)と同様に、中間転写ドラム232の幅と同等以上の長さとする。
また、本硬化光源244も同様にメタルハライドランプ等で構成され、230〜280nmの波長領域のUV光線を画像転写後の記録媒体に照射する。
本硬化光源244は、中間転写部下流側の記録媒体に対向する位置に配置される。本硬化光源244も半硬化光源242と同様に、記録媒体の幅と同等以上の長さとする。最終的な本硬化を行うための光源であるため、半硬化光源242よりも相対的に短い波長領域を設定することで、ドットの中までUV光が浸透し易くなり、確実に本硬化反応を実現することが可能となる。
なお、ここでは、半硬化を行う第1の分光感度を350〜400nmとし、本硬化を行う第2の分光感度を230〜280nmとしたが、このような波長領域に限定されることなく、適宜波長領域を設定することができる。このとき、第1の分光感度波長領域と第2の分光感度波長領域とを離すとより好ましい。また、これらの光源(半硬化光源242、本硬化光源244)において、メタルハライドランプに対して波長選択フィルターを使用
してもよい。
また、このような分光感度を有する2種類の硬化開始剤としては、特に限定されるものではないが、例えば次に示すようなものが例示される。例えば、350〜400nmの分光感度を有する半硬化用の第1の硬化開始剤としては、DAROCUR TPO、2、4、6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、0.1%が好適に適用可能である。次にその化学構造式を示す。
Figure 0004865446
また、そのアセトニトリル溶液中における吸収特性を図11に示す。なお、図11において、アセトニトリル溶液中における各濃度は、(1)のグラフは0.1%、(2)のグラフは0.01%、(3)のグラフは0.001%の場合を示している。図11からわかるように、濃度0.1%の場合に、吸収率は波長380nm付近でピークとなっている。
また、例えば、230〜280nmの分光感度を有する本硬化用の第2の硬化開始剤としては、IRGACURE651、2、2−ジメトキシ−1、2−ジフェニルエタン−1−オン、0.01%が好適に適用可能である。次にその化学構造式を示す。
Figure 0004865446
また、そのアセトニトリル溶液中における吸収特性を図12に示す。なお、図12において、アセトニトリル溶液中における各濃度は、(4)のグラフは0.1%、(5)のグラフは0.01%、(6)のグラフは0.001%の場合を示している。図12からわかるように、濃度0.01%の場合に、吸収率が約280nm以下の領域で大きな値を有している。
また、高画質な画像形成を実現するためには、中間転写ドラム232上に転写画像を形成する際の着弾干渉を防止する必要がある。
そこで次に、中間転写ドラム232上に転写画像を形成する際の、同色インクのドット間の着弾干渉を防止する打滴制御について説明する。
まず、以下の説明で用いる用語の説明をする。
「着弾干渉」とは、記録媒体上に着弾したドットが重なって打滴される場合、記録媒体表面上のドットの液滴同士が合体又は混合して、ドット形状が変形または異なる色のインク同士の色が不均一に混ざり合って、画像劣化を引き起こすことをいう。
「ドットの重なり度」は、隣接するドット同士が重なる程度を示す物理量である。
ここでは、互いに重なり合うドットの数(「オーバーラップ数」ともいう)を「ドットの重なり度」として用いている。
例えば、図13(a)に示すように、副走査方向(図の横方向)において、2個のドット同士が重なる一方で、一つおきのドット同士は重ならない場合、すなわち、隣接するドット同士の中心間の距離Ptと、ドットの直径Dとの関係が、D/2≦Pt<Dである場合には、重なり度Vn=2である。
また、例えば、図13(b)に示すように、副走査方向において、3個のドット同士が重なる一方で、二つおきのドットが重ならない場合、すなわちD/3≦Pt<D/2である場合には、重なり度Vn=3である。
なお、複数種類のドット径を使用する場合には、最も大きいドット径を使用したときのドット重なり度を用いることにする。
また、ここで「半硬化」とは、液滴ドットが完全には硬化せず、高粘度の液滴となり、着弾干渉が発生しない程度の状態となることをいう。本実施形態では、中間転写ドラム232上に転写画像を形成し、これを記録紙216に転写するようにしているため、中間転写ドラム232上に打滴されるドットが着弾干渉しないようにするとともに、転写性を確保する必要もあり、完全には硬化しない半固溶状態とすることが好ましい。
図14は、本発明の画像形成装置の一実施形態としてのインクジェット記録装置の機能的な構成を示すブロック図である。
図14において、インクジェット記録装置210は、主として、中間転写ドラム232と、印字ヘッド250と、記録手段281と、記録媒体識別情報読取手段282と、インク識別情報読取手段283と、画像信号入力手段284と、画像処理手段285と、UV照射条件設定部290と、半硬化時間特定手段291と、打滴順序設定手段292と、打滴時間差設定手段293と、中間転写ドラム制御手段294と、打滴制御手段295とによって構成されている。
印字ヘッド250は、少なくとも主走査方向に並んだ複数のノズルを有し、複数のドットからなり画像信号に応じた画像(転写画像)が中間転写ドラム232上に形成されるように、複数のノズルのうち画像信号に応じて選択したノズルから回転する中間転写ドラム232に対してインクを液滴として吐出する。
記憶手段281は、画像形成に関する情報を記憶する。例えば、ドット毎の半硬化時間を特定するために必要なテーブル情報を記憶する。
記録媒体識別情報読取手段282は、記録媒体の種類を識別可能な識別情報(ID)を、記録媒体を収納する媒体収納マガジンから読み取るものである。
インク識別情報読取手段283は、インクの種類を識別可能な識別情報(ID)を、イ
ンクを貯えるインクカートリッジから読み取るものである。
記録媒体識別情報読取手段282及びインク識別情報読取手段283による各識別情報の読取は、無線タグ(RFIDともいう)等からの無線読取、バーコード等からの光学的読取、磁気的読取等、各種の読取態様がある。
画像信号入力手段284は、ホストコンピュータ(図示省略)等から画像信号が入力されるものである。画像信号には、画像形成の対象である画像データや、出力解像度を示す情報が含まれる。
画像処理手段285は、画像信号入力手段284に入力された画像データに対して各種の画像処理を施す。なお、画像処理手段285は、出力解像度(または、ドットピッチ)と所望の濃度階調表現等に基づいてドットの重なり度を算出する。
ここで、重なり度には、副走査方向におけるドット間の重なりの程度を示す重なり度Vs(副走査方向のドットの重なり度)、主走査方向におけるドット間の重なりの程度を示す重なり度Vm(主走査方向のドットの重なり度)、副走査方向に対して斜めの方向におけるドット間の重なりの程度を示す重なり度Vα(斜め方向のドットの重なり度)がある。
UV照射条件設定部290は、画像処理手段285の画像データに基づいてUV照射条件を設定するものである。また、半硬化時間特定手段291は、記憶手段281に記憶されたテーブル情報に基づいて、中間転写ドラム232上におけるドット毎(ドット単位)の半硬化時間を特定する。
具体的には、インク識別情報読取手段283により読み取られたインク識別情報、UV照射条件、ドット径等をパラメータとして、これらのパラメータに対応するドットの半硬化時間を特定する。
打滴順序設定手段292は、副走査方向及び主走査方向におけるドットの打滴順序を設定する。
この打滴順序設定手段292は、特に、副走査方向及び主走査方向の両方向において互いに重なり合う隣接ドットを打滴する場合、副走査方向、主走査方向及び斜め方向の全ての方向において隣接ドットと重なり合うドットの形状が変形しないように、ドットの打滴順序を設定する。
このような打滴順序の設定態様には各種ある。
第1の打滴順序の設定態様としては、斜め方向のドットの重なり度Vαに注目し、このVαに基づいて副走査方向及び主走査方向におけるドットの打滴順序を設定する態様がある。
ここでは、斜め方向のドットの重なり度Vαとして、副走査方向に対して斜めの方向において、特定のドット(注目ドット)と重なり合って打滴されるドットの数(斜め方向のドットのオーバーラップ数)を用いる。
斜め方向のドットの重なり度Vαについてもう少し説明する。副走査方向に並んだ複数のドットを行、主走査方向に並んだ複数のドットを列として、第i行(副走査行)の第j列(主走査列)のドットに注目する。第(i+1)行、すなわち注目ドットが属する副走
査行の隣にある副走査行において、注目ドット(i行、j列)に重なるドットの主走査列を調査する。ここで、第(i+1)行において、第j列のドットから調査して第(j+Vα−1)列のドットまでが注目ドットと重なる一方で、第(j+Vα)列のドットが注目ドットと重ならないとき、このVαを斜め方向のドットの重なり度とする。なお、「行」及び「列」という言葉は、いまここで斜め方向のドットの重なり度Vαを説明するために、便宜上定義したものであり、通常は、副走査方向に並んだ複数のドットをドット列と呼んでいる。
斜めの方向におけるドットの重なり度をVαとして、主走査方向におけるドットの重なり度をVmとするとき、中間転写ドラム232上にベタ画像が形成される場合に、副走査方向において(Vα×Vm−1)ドットお2きに打滴されるようにVα×Vmを基本単位Mとして副走査方向においてドット列を分割するとともに、主走査方向において(Vm−1)ドットおきに打滴されるように主走査方向において隣接するドット間にVαドット分の位相差を設定する。
このようにして、副走査方向及び主走査方向に複数のドットが2次元配列されてなるドット配列は、Vα×Vmを基本単位Mとして、N個のグループに分割される。このようなグループ化をN×Mのグループ化と称する。例えば、図17において、副走査方向に連続する丸1〜丸9までのドットの塊をグループと定義する。
なお、副走査方向においては、連続して並ぶM(=Vα×Vm)ドットを一つのグループに配属させる。
また、副走査方向において、第1グループから第Nグループまで、各グループ内のドットを、順次第1群から第M(=Vα×Vm)群まで振り分ける。実際に打滴する際には、まず第1グループから第Nグループまでの第1群のドットのみを連続的に打滴し、次に、第1グループから第Nグループまでの第2群のドットのみを連続的に打滴し、最後に、第1グループから第Nグループまでの第M群のドットのみを連続的に打滴する。このとき、副走査方向において、(Vα×Vm−1)ドットおきにドットが打滴される。
このようにドラム1回転内にノズルから連続して打滴されるドット同士を同じ群と称する。例えば、図17において、副走査方向に同じ番号で描かれたドット番号同士を同じ群のドットと定義する。第2の打滴順序の設定態様としては、斜め方向におけるドットの重なり度Vαには注目しないで、主として副走査方向のドット重なり度Vs及び主走査方向のドットの重なり度Vmに基づいて副走査方向及び主走査方向におけるドットの打滴順序を設定する態様がある。
具体的には、中間転写ドラム232上にベタ画像が形成される場合に、副走査方向において(Vs−1)個おきに打滴されるとともに主走査方向において(Vm−1)個おきに打滴されるように、中間転写ドラム232上で主走査方向及び副走査方向に2次元配列されてなるドット配列を、副走査方向のドット数がVsで主走査方向のドット数がVmであるVs×Vmの2次元ブロックを基本単位としてグループ化することにより、打滴順序を設定する。
また、重なり度Vs、Vm、Vα以外のパラメータも参照して打滴順序を設定してもよい。
例えば、ドット毎の半硬化時間と、主走査方向におけるドットの重なり度と、斜め方向におけるドットの重なり度とに基づいて、副走査方向及び主走査方向のドットの打滴順序を設定する。
打滴時間差設定手段293は、互いに重なり合う隣接ドット間の打滴時間差が半硬化時間特定手段291によって特定されたドット毎の半硬化時間以上となるように隣接ドット間の打滴時間差を設定する。
ここでは、打滴時間差設定手段293は、打滴順序設定手段292により設定された打滴順序に応じてノズルの吐出周期を設定する。
中間転写ドラム制御手段294は、中間転写ドラム232の回転速度の設定変更を行う。中間転写ドラム制御手段294は、出力解像度やノズルのドット毎の半硬化時間等に基づいて、中間転写ドラム232の回転速度(回転数ともいう)の設定変更を行う。このとき、打滴時間差設定手段293は、ノズルの吐出周期を設定すると共に、設定されたノズルの吐出周期と半硬化時間とに応じて、中間転写ドラム232の回転速度を設定することになる。
打滴制御手段295は、画像信号に基いて、印字ヘッド250のノズルからの打滴を制御する。このような打滴の際に、打滴制御手段295は、打滴順序設定手段292により設定された打滴順序と、打滴時間差設定手段293により設定された隣接ドット間の打滴時間差とに基づいて、印字ヘッド250のノズルからの打滴を制御する。
また、打滴時間差設定手段293は、打滴順序設定手段292により設定された打滴順序に応じてノズルのドット毎の半硬化時間Thcと、中間転写ドラム232の周上で転写画像が記録されない部分の印字ヘッド250の通過時間Tpassと、グループ数Nとに基づいて、印字ヘッド250のノズルの吐出周期を設定する。
記憶手段281には、UV(紫外線)硬化型インクの種類、記録媒体の種類、ドット径、UV照射エネルギー等の環境条件等をパラメータとして、これらパラメータに対応するドットの硬化反応により着弾干渉が発生しないための半硬化時間を、テーブル情報を予め作成し、記憶しておく。
次に、着弾干渉を発生させないための打滴制御について図15のフローチャートに沿って説明する。
以下、着弾干渉について最も厳しい条件であるベタ画像を打滴する場合に関して説明する。なお、ベタ画像は、説明のための一つの例であり、ノズルから選択的にインクを吐出しないことでベタ画像以外の画像も形成できることは言うまでもない。また、インクが単色である場合について説明するが、複数色のインクを用いる場合であっても同様の打滴制御を各色のインク毎に行うことができる。
まず、画像信号がホストコンピュータ等から画像信号入力手段284に入力される(S200)。
画像信号には、一般に中間転写ドラム232上に形成する画像を示すデータ(画像データ)と出力解像度Rsとが含まれる。画像処理手段285が画像データを編集して出力解像度を決定する場合もある。
なお、副走査方向のドットの重なり度がVsであり、主走査方向のドットの重なり度がVmであり、斜め方向のドットの重なり度がVαであるものとする。
次に、半硬化時間特定手段291により、ドット毎(ドット単位)の半硬化時間Thcを
特定する。
具体的には、記憶手段281に予め記憶されたテーブル情報を用いて、インクの種類、UV照射条件、ドット径等の画像形成に係るパラメータに基づいて、ドットの半硬化時間Thcを特定する(S400)。
次に、打滴順序設定手段292により、中間転写ドラム232上で主走査方向及び副走査方向に形成されるドットパターンの打滴順序を、ドットの重なり度に基づいてグループ化する(S600)。
ここでは、少なくとも斜め方向のドットの重なり度Vαに基づいて打滴順序を設定する態様について、グループ化のステップ(S600)を詳細に説明する。
まず、ドットの打滴順序を示す打滴順序パターンを仮設定する(S610)。
具体的には、副走査方向については、斜め方向のドットの重なり度Vα及び主走査方向のドットの重なり度Vmに基づいて、(Vα×Vm−1)ドットおきに打滴されるように、Vα×Vmをグループの基本単位Mとして、連続して並ぶVα×Vmドット毎に、グループを形成する。詳細には、第1番目のドットから第(Vα×Vm)番目のドットまでを第1グループに配属させて、以降、(Vα×Vm)ドット毎に一つずつグループを形成していく。
また、主走査方向においては、主走査方向のドット重なり度Vmに基づいて、(Vm−1)ドットおきに打滴されるように、且つ主走査方向において隣接するドット間にVαドット分の位相差を設定する。
このように、主走査方向に隣接して重ねて打滴されるドット同士を配列させることで、主走査方向及び斜め方向の隣接ドットの打滴時間差をドットの半硬化時間Thcより大きくすることができ、着弾干渉を防止することが可能となる。
なお、副走査方向のドットの重なり度Vsと、Vα×Vmとを比較する(S620)。
Vs>Vα×Vmである場合には、仮設定した打滴順序パターンを変更する(S630)。具体的には、副走査方向については、副走査方向のドットの重なり度Vsに基づいて、(Vs−1)個おきに打滴されるように、Vsをグループの基本単位Mとして、連続して並ぶVsドット毎にグループを形成する。詳細には、第1番目のドットから第Vs番目のドットまでを第1グループに配属させて、以降、Vsドット毎に一つのグループを形成していく。主走査方向については、主走査方向において隣接するドット間に位相差を設定する。
このようにしてグループを形成した後(S610、S620)、打滴順序パターンを最終設定する(S640)。ここでは、打滴時間差設定手段293及び打滴制御手段295に対して打滴順序パターンを設定する。
次に、隣接ドット間の打滴時間差を設定するため、打滴順序設定手段292により設定された打滴順序に応じてノズルの吐出周期Tjetを設定する(S800)。
具体的には、Tjet≧(Thc−Tpass)/Nとなるようにノズルの吐出周期Tjetを設定する。ここで、Thcは、ステップS4において特定された半硬化時間である。Tpassは、中間転写ドラム232の周上で転写画像が形成されない部分の印字ヘッド250の通過時間である。Nは、グループ数である。このようにしてノズルの吐出周期Tjetが設定されることにより、互いに重なり合う全ての隣接ドット間の打滴時間差がドット毎の半硬化時間以上となるように設定される。
そして、ステップS6において設定された打滴順序に基づいて、ステップS8において設定された吐出周期Tjetで、ノズルから中間転写ドラム232に対して打滴がされるこ
とにより、転写画像が中間転写ドラム232上に形成される。
以上説明した画像形成処理の各ステップは、実際には、記憶手段281に予め記憶されたプログラムにしたがって、マイクロコンピュータにより実行される。
ここで、ドットの重なり度(Vs、Vm、Vα)が異なる各種のドットパターンのグループ化について例を示す。なお、以下説明する各種の例において、いずれも下記の前提条件を満たすものとする。
[前提条件]
最終的に画像が形成される記録媒体(A4)の副走査方向の長さLp=300mm
出力解像度Rs=2400dpi(ドットピッチPt=10.6μm)
記録媒体(A4)の副走査方向のドット総数K=Lp/Pt=28301dot
図16は、ドットの重なり状態の一例である。図16において、副走査方向のドットの重なり度Vsは「3」であり、主走査方向のドットの重なり度Vmは「3」である。
注目ドット311が存在する位置を、第1副走査行かつ第1主走査列とすると、隣の主走査列(第2主走査列)において第3副走査行にあるドット312とは重なる一方で、その主走査列(第2主走査列)で第4副走査行にあるドット313とは重ならない。すなわち、斜め方向のドットの重なり度Vαは「3」である。なお、ここでは、斜め方向のドットの重なり度Vαを説明するために、便宜上「行」と「列」を定義したが、ここ以外では、副走査方向に並んだ複数のドットをドット列と呼んでいる。
グループ化の基本単位M=Vα×Vm=9である。このような基本単位M=9でグループ化した場合の打滴順序パターンの一部を図17に示す。
前述の前提条件により、記録媒体(A4)の副走査方向のドット総数K=Lp/Pt=28301dotなので、グループ数N=K/M=28301dot/9=3145である。
ドット毎の半硬化時間Thc=30ms、中間転写ドラム232の周上の転写画像が形成されない部分の印字ヘッド250の通過時間Tpass=0とすると、ノズルの吐出周期Tjet≧Thc=0.030/3415=8.7μsecである。しかし、実際にはノズルの吐出周期Tjetをノズルの最小吐出周期よりも小さくすることができないので、最小吐出周期が
40μsecの場合には、ノズルの吐出周期Tjetよりも最小吐出周期である40μsecに設
定する。中間転写ドラム232の回転数は、1/(Tjet×N)×60=439rpmである。
ドット毎の半硬化時間Thc=200ms、中間転写ドラム232の周上の転写画像が形成されない部分の印字ヘッド250の通過時間Tpass=0とすると、ノズルの吐出周期Tjet≧Thc/N=0.200/3415=58.5μsecである。中間転写ドラム232の回転数は、1/(Tjet×N)×60=300rpmである。
以上を一般的にいうと、次のようになる。すなわち、副走査方向のドット重なり度をV
s、主走査方向のドット重なり度をVmとし、i行(副走査行)、j列(主走査列)のドットと(i+1)行、(j+α)列目までのドットが重なるとする。このとき、副走査方向のグループ分割パターンを副走査方向に連続して並ぶ(α×Vm)個のドットをN
グループに分割する。すなわち、ドット総数はN×(α×Vm)となる。ただし、α×Vm<Vsの場合には、ドット総数は、N×Vsとする。
グループ分けは、α×Vm個のドットを基本グループとして、グループ内を第1群〜第(α×Vm)群に分けることによって行われる。そこで第1グループから第Nグループ内の第1群のドットのみを順次連続打滴する。このとき、(α×Vm−1)個おきにドットが打滴されることとなる。
次に、第1グループから第Nグループ内の第2群のドットのみを順次連続打滴する。同様にして、第1グループから第Nグループ内の第M群のドットのみを順次連続打滴する。
以上説明したように、打滴順序を設定することで、着弾干渉を防止して、高速かつ高画質の画像を得ることが可能となる。
以上、本発明の画像形成装置及び画像形成方法について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の全体構成図である。 半固溶化光源の詳細な構造例を示した部分断面図である。 図2中の矢印3A方向から見た部分断面図である。 本例の画像形成装置のシステム構成を示す要部ブロック図である。 本例の画像形成装置の制御例を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置の概略を示す全体構成図である。 本実施形態に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置の他の例の概略を示す全体構成図である。 硬化開始剤の吸収特性を示す線図である。 硬化開始剤による重合反応を説明する記号の説明図である。 硬化開始剤による重合反応の説明図である。 半硬化用の硬化開始剤の吸収特性を示す線図である。 本硬化用の硬化開始剤の吸収特性を示す線図である。 (a)はドットの重なり度が「2」の場合の説明図であり、(b)はドットの重なり度が「3」の場合の説明図である。 本実施形態のインクジェット記録装置の機能的な構成を示すブロック図である。 本実施形態における着弾干渉を防止するための打滴制御方法を示すフローチャートである。 ドットの重なり状態についての一例を示す説明図である。 図16の重なり状態における打滴順序パターンを示す説明図である。
符号の説明
10…画像形成装置(インクジェット記録装置)、12K,12C,12M,12Y,12CL…ヘッド、14…インク貯蔵/装填部、16,16A,16B,16C,16D,16E…半固溶化光源、17…加圧定着部、18…本硬化光源、20…記録紙、22…給紙部、26…吸着ベルト搬送部、32…マガジン、45…ローラ、46…ヒータ、50…ヘッド、51…ノズル、52…圧力室、58…アクチュエータ、112…システムコントローラ、119…加圧駆動部、120…プリント制御部、126…メディア検出部、138…加圧機構、160…加熱部、180…冷却部、232…中間転写ドラム、234…搬送ローラ、242…半硬化光源、243…クリーナ、244…本硬化光源

Claims (15)

  1. 媒体に対して、少なくとも第1の波長領域で分光吸収特性を有する第1の紫外線硬化開始剤と、少なくとも前記第1の波長領域より短波長側の第2の波長領域において分光吸収特性を有し、かつ前記第1の波長領域において分光吸収特性を有ない第2の紫外線硬化開始剤と、紫外線重合性化合物及び色材とを含む液体を吐出する複数の吐出ヘッドと、
    前記吐出ヘッドから前記媒体上に吐出された前記液体によって形成されたドットに対して、少なくとも前記第2の波長領域を超えて長波長側で且つ前記第1の波長領域の波長を含む紫外線を少なくとも1回以上照射する前記各吐出ヘッドの下流側に設けられた複数の半硬化手段と、
    前記液体が前記半硬化手段により複数回照射されても半硬化状態を維持しつつ、前記ドットによって前記媒体上に形成された画像を中間処理する中間処理手段と、
    前記中間処理手段によって中間処理された画像に対して、少なくとも前記第2の波長領域の波長を含む紫外線を照射する本硬化手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 媒体に対して、少なくとも第1の波長領域で分光吸収特性を有する第1の紫外線硬化開始剤と、少なくとも前記第1の波長領域より短波長側の第2の波長領域において分光吸収特性を有し、かつ前記第1の波長領域において分光吸収特性を有ない第2の紫外線硬化開始剤を含む液体を吐出する少なくとも一つ以上の第1の吐出ヘッドと、
    前記媒体に対して、紫外線重合性化合物と色材を含む液体を吐出する複数の第2の吐出ヘッドと、
    前記各第1及び第2の吐出ヘッドから前記媒体上に選択的に吐出された前記各液体によって形成されたドットに対して、少なくとも前記第2の波長領域を超えて長波長側で且つ前記第1の波長領域の波長を含む紫外線を少なくとも1回以上照射する前記各第1及び第2の吐出ヘッドの下流側に設けられた複数の半硬化手段と、
    前記液体が前記半硬化手段により複数回照射されても半硬化状態を維持しつつ、前記ドットによって前記媒体上に形成された画像を中間処理する中間処理手段と、
    前記中間処理手段によって中間処理された画像に対して、少なくとも前記第2の波長領域以下の波長を含む紫外線を照射する本硬化手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
  3. 媒体に対して、紫外線重合性化合物を含む液体を吐出する少なくとも一つ以上の第3の吐出ヘッドと、
    前記媒体に対して、少なくとも第1の波長領域で分光吸収特性を有する第1の紫外線硬化開始剤と、少なくとも前記第1の波長領域より短波長側の第2の波長領域において分光吸収特性を有し、かつ前記第1の波長領域において分光吸収特性を有ない第2の紫外線硬化開始剤及び色材とを含む液体を吐出する複数の第4の吐出ヘッドと、
    前記各第3及び第4の吐出ヘッドから前記媒体上に選択的に吐出された前記各液体によって形成されたドットに対して、少なくとも前記第2の波長領域を超えて長波長側で且つ前記第1の波長領域の波長を含む紫外線を少なくとも1回以上照射する前記各第3及び第4の吐出ヘッドの下流側に設けられた複数の半硬化手段と、
    前記液体が前記半硬化手段により複数回照射されても半硬化状態を維持しつつ、前記ドットによって前記媒体上に形成された画像を中間処理する中間処理手段と、
    前記中間処理手段によって中間処理された画像に対して、少なくとも前記第2の波長領域以下の波長を含む紫外線を照射する本硬化手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
  4. 同一色の色材を含む液体内に含まれる前記第1の紫外線硬化開始剤と、前記第2の紫外線硬化開始剤と、紫外線重合性化合物の混合割合は、前記液体が前記半硬化手段によって複数回紫外線照射されても半硬化の状態を維持し、さらに前記本硬化手段によって紫外線照射されると本硬化の状態となるような混合割合であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  5. 前記媒体上に前記第1の吐出ヘッドと前記第2の吐出ヘッドから1液滴ずつ打滴して混合液滴を形成する場合、前記混合液滴内に含まれる前記第1の紫外線硬化開始剤と、前記第2の紫外線硬化開始剤と、紫外線重合性化合物の混合割合は、前記液体が前記半硬化手段によって複数回紫外線照射されても半硬化の状態を維持し、さらに前記本硬化手段によって紫外線照射されると本硬化の状態となるような混合割合であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  6. 前記媒体上に前記第3の吐出ヘッドと前記第4の吐出ヘッドから1液滴ずつ打滴して混合液滴を形成する場合、前記混合液滴内に含まれる前記第1の紫外線硬化開始剤と、前記第2の紫外線硬化開始剤と、紫外線重合性化合物の混合割合は、前記液体が前記半硬化手段によって複数回紫外線照射されても半硬化の状態を維持し、さらに前記本硬化手段によって紫外線照射されると本硬化の状態となるような混合割合であることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  7. 前記中間処理手段は、前記媒体上の液体を平滑化する平滑化手段であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 前記平滑化手段は、前記媒体上の前記色材を加圧する加圧手段を含んで構成されることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記平滑化手段は、更に前記媒体上の前記色材を加熱する加熱手段を含んで構成されることを特徴とする請求項7または8に記載の画像形成装置。
  10. 前記媒体の種類、液体の種類及び液体着弾量のうち少なくとも1つの条件に応じて前記平滑化手段の平滑化条件及び前記半硬化手段により付与するエネルギーのうち少なくとも一方を制御する制御手段を備えたことを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の画像形成装置。
  11. 前記媒体は中間転写回転媒体であり、前記中間処理手段は前記中間転写回転媒体に形成された画像を記録媒体に転写する転写手段であり、前記本硬化手段は前記記録媒体に対して照射することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成装置。
  12. 請求項11に記載の画像形成装置であって、さらに、前記中間転写回転媒体に形成された前記ドットの半硬化時間を特定する半硬化時間特定手段と、少なくとも前記中間転写回転媒体の回転方向である副走査方向に対して斜めの方向におけるドットの重なり度に基づいて、前記副走査方向及び該副走査方向と直交する主走査方向におけるドットの打滴順序を設定する打滴順序設定手段と、互いに重なり合う隣接ドット間の打滴時間差が前記ドットの半硬化時間以上となるように、前記隣接ドット間の打滴時間差を設定する打滴時間差設定手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  13. 少なくとも第1の波長領域で分光吸収特性を有する第1の紫外線硬化開始剤と、少なくとも前記第1の波長領域より短波長側の第2の波長領域において分光吸収特性を有し、かつ前記第1の波長領域において分光吸収領域を有ない第2の紫外線硬化開始剤と、紫外線重合性化合物及び色材とを含む液体を媒体に対して複数の吐出ヘッドから吐出する工程と、
    前記媒体上に吐出された前記液体によって形成されたドットに対して、少なくとも前記第2の波長領域を超えて長波長側で且つ前記第1の波長領域の波長を含む紫外線を少なくとも1回以上照射して前記各吐出ヘッドから前記液体が吐出された後に半硬化させる複数の半硬化工程と、
    前記液体が前記半硬化させる工程において複数回照射されても半硬化状態を維持しつつ、前記半硬化された前記媒体上のドットによって形成される画像に対して中間処理を行う工程と、
    前記中間処理された画像に対して、少なくとも前記第2の波長領域の波長を含む紫外線を照射して本硬化させる工程と、
    を含むことを特徴とする画像形成方法。
  14. 少なくとも第1の波長領域で分光吸収特性を有する第1の紫外線硬化開始剤と、なくとも前記第1の波長領域より短波長側の第2の波長領域において分光吸収特性を有し、かつ前記第1の波長領域において分光吸収特性を有ない第2の紫外線硬化開始剤を含む液体を媒体に対して少なくとも一つ以上の第1の吐出ヘッドから選択的に吐出する工程と、
    紫外線重合性化合物と色材を含む液体を前記媒体に対して複数の第2の吐出ヘッドから選択的に吐出する工程と、
    前記各第1及び第2の吐出ヘッドから前記媒体上に選択的に吐出された前記各液体によって形成されたドットに対して、少なくとも前記第2の波長領域を超えて長波長側で且つ前記第1の波長領域の波長を含む紫外線を少なくとも1回以上照射して前記各第1及び第2の吐出ヘッドから前記各液体が吐出された後に半硬化させる複数の半硬化工程と、
    前記液体が前記半硬化させる工程において複数回照射されても半硬化状態を維持しつつ、前記半硬化された前記媒体上のドットによって形成される画像に対して中間処理を行う工程と、
    前記中間処理された画像に対して少なくとも前記第2の波長領域以下の波長を含む紫外線を照射して本硬化させる工程と、
    を含むことを特徴とする画像形成方法。
  15. 紫外線重合性化合物を含む液体を媒体に対して少なくとも一つ以上の第3の吐出ヘッドから選択的に吐出する工程と、
    少なくとも第1の波長領域で分光吸収特性を有する第1の紫外線硬化開始剤と、少なくとも前記第1の波長領域より短波長側の第2の波長領域において分光吸収特性を有し、かつ第1の波長領域において分光吸収特性を有ない第2の紫外線硬化開始剤及び色材とを含む液体を前記媒体に対して複数の第4の吐出ヘッドから選択的に吐出する工程と、
    前記各第3及び第4の吐出ヘッドから前記媒体上に選択的に吐出された前記各液体によって形成されたドットに対して、少なくとも前記第2の波長領域を超えて長波長側で且つ前記第1の波長領域の波長を含む紫外線を少なくとも1回以上照射して前記各第3及び第4の吐出ヘッドから前記各液体が吐出された後に半硬化させる複数の半硬化工程と、
    前記液体が前記半硬化させる工程において複数回照射されても半硬化状態を維持しつつ、前記半硬化された前記媒体上のドットによって形成される画像に対して中間処理を行う工程と、
    前記中間処理された画像に対して少なくとも前記第2の波長領域以下の波長を含む紫外線を照射して本硬化させる工程と、
    を含むことを特徴とする画像形成方法。
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