JP2007245732A - 画像形成装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】色間ブリーディングによる画質劣化を防止するとともに、ノズル内インクの硬化を防止することができる画像形成装置及び方法を提供する。
【解決手段】描画インクに紫外線硬化型インクを用い、色別のインクジェットヘッド(12K,12M,12C,12Y)間に、インク液滴を半硬化させる程度の比較的低エネルギーの紫外線照射を行う第1の硬化手段(予備硬化光源16A,16B,16C)を設ける一方、最終色のインクジェットヘッドの後段に、インク液滴を下流側工程のハンドリングによって画像劣化しない程度に硬化(本硬化)させるに十分なエネルギーの紫外線照射を行う第2の硬化手段(本硬化光源18)を設ける。予備硬化光源16として紫外線LED素子群を使用し、各発光素子について1素子の照射領域内に着弾される液滴量に応じて各発光素子の発光量を制御する。
【選択図】図1
【解決手段】描画インクに紫外線硬化型インクを用い、色別のインクジェットヘッド(12K,12M,12C,12Y)間に、インク液滴を半硬化させる程度の比較的低エネルギーの紫外線照射を行う第1の硬化手段(予備硬化光源16A,16B,16C)を設ける一方、最終色のインクジェットヘッドの後段に、インク液滴を下流側工程のハンドリングによって画像劣化しない程度に硬化(本硬化)させるに十分なエネルギーの紫外線照射を行う第2の硬化手段(本硬化光源18)を設ける。予備硬化光源16として紫外線LED素子群を使用し、各発光素子について1素子の照射領域内に着弾される液滴量に応じて各発光素子の発光量を制御する。
【選択図】図1
Description
本発明は画像形成装置及び方法に係り、特に描画可能な全幅に対応する長さにわたるノズル列を有するフルライン型のインクジェットヘッドによって複数色のインクを記録媒体上に吐出してカラー画像を形成する画像形成装置及びその画像形成方法に関する。
従来、インクジェット方式の画像形成装置において、紫外線硬化型のインク(いわゆるUVインク)を使用する技術が知られている(特許文献1〜6参照)。特許文献1には、光硬化インクを吐出するフルライン型の記録ユニットと、記録媒体上に吐出されたインクに硬化用のUV光を照射する光照射部との間にインクを加熱するための加熱部を設け、この加熱部によってインク溶媒の蒸発を加速させ、硬化速度の促進を図る技術が開示されている。
特許文献2では、複数色のインクを用い、画像形成に要するインクの全てを出射した後、10秒以内に活性光線を照射することを提案している。特許文献3は、記録媒体上にインク滴を噴射させた後、340〜400nmの波長の紫外線を0.1〜10秒間照射し、その後、280〜400nmの波長の紫外線を10〜1000秒間照射することを提案している。
特許文献4は、インク着弾後の活性光線の照射条件を任意に可変する手段を設けることを開示している。特許文献5では、隣接する各ドットが記録媒体上で互いに干渉しないように印字データを作成し、当該印字データを基に印字(インクの吐出動作)と紫外線硬化の動作を繰り返しながら画像を形成する方法が提案されている。特許文献6は、記録ヘッドを往復移動させながら画像形成を行ういわゆるシャトルスキャン方式のインクジェット記録装置において、記録ヘッドの往復動作によりインクを複数回に分けて記録媒体上に付着させ、各付着の間に紫外線を照射する構成が開示されている。
特開2002−347232号公報
特開2003−11341号公報
特開2003−127517号公報
特開2003−191594号公報
特開2003−182048号公報
特開2003−11343号公報
しかしながら、特許文献1に開示された加熱部の作用は、インク溶媒の蒸発には寄与するものの、インクの硬化への寄与は小さい。したがって、特許文献1の図7に記載の如く各ヘッドの直後に加熱部を配置しても、上流のヘッドから吐出されたインクが記録媒体上で液状のまま、次の(下流の)ヘッドによって打滴が行われることになり、記録媒体表面上で液滴同士が干渉し、色間の混色による滲み(ブリーディング)が発生し、画像品質が低下する。
特許文献2は、画像形成に必要な全色のインク出射後に活性光線を照射する構成であるため、特許文献1と同様、色間の混色による色滲みが発生する。
特許文献3は、硬化光源の波長域と照射時間を2段階に分けて照射することを提案するが、ヘッドと照射光源の配置関係等が開示されおらず、実際にどのようなタイミングで光
照射が行われるのか不明である。
照射が行われるのか不明である。
特許文献4は、活性光線の照射条件として、照射時間、照射タイミング、照射強度、照射エネルギー、光源の種類、照射面積、入射角度、波長特性を変えることが述べられているが、照射光源とヘッドの位置関係を示す装置構成の開示がなく、どのような手段(装置)によってこれを実現するのか明らかではない。
特許文献5は、印字部と紫外線硬化部の動作を繰り返して画像を形成していくため、高速出力が困難である。また、同文献5においてもヘッドとUV照射装置との配置関係を示す記載がない。
特許文献6は、シャトルスキャン方式による各付着インク間の紫外線照射によりインクを定着させることを述べており、定着に必要な光量を照射する必要がある。しかし、ヘッドの近くでインクの定着に必要な光量の紫外線を照射すると、記録媒体からの乱反射等によってノズル内のインクが硬化し、吐出不良を招くという問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、色間ブリーディングによる画質劣化を防止するとともに、ノズル内インクの硬化を防止することができる画像形成装置及び方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明に係る画像形成装置は、記録媒体の全幅に対応する長さにわたってインク吐出用の複数のノズルを配列させたノズル列を有するフルライン型のインクジェットヘッドを複数色のインクの色別に複数配置して成るインク吐出手段と、前記色別に設けられた各インクジェットヘッドに、それぞれ対応する色の紫外線硬化型インクを供給するインク供給手段と、前記インクジェットヘッド及び前記記録媒体のうち少なくとも一方を前記記録媒体の幅方向と略直交する方向に搬送して前記インクジェットヘッドと前記記録媒体を相対移動させる搬送手段と、線状に配列され選択的に発光制御可能な発光素子群から成る紫外線光源を含んで構成されるとともに、前記色別のインクジェットヘッド間に配置され、前記インクジェットヘッドに対する前記記録媒体の相対的搬送方向の上流側にあるインクジェットヘッドから吐出されたインク液滴と前記相対的搬送方向の下流側にある後続のインクジェットヘッドによって吐出されるインク液滴とが前記記録媒体表面上で混合しない程度に、前記上流側のインクジェットヘッドによる着弾インク液滴を半硬化させる紫外線を照射する第1の硬化手段と、前記複数のインクジェットヘッドのうち最下流に配置されているヘッドの後段に配置され、前記記録媒体上のインク液滴を、硬化インク液滴がハンドリングによって画像劣化が起こらない程度に本硬化させる紫外線を照射する第2の硬化手段と、プリントすべき画像の画像データに基づき、前記発光素子群の各発光素子について1つの発光素子の照射領域内に着弾される液滴量を判定し、その液滴量が多いほど発光素子の発光量を大きくするように、各発光素子の照射領域内に着弾される液滴量に応じて各発光素子の発光量を制御する光源制御手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る画像形成方法は、記録媒体の全幅に対応する長さにわたってインク吐出用の複数のノズルを配列させたノズル列を有するフルライン型のインクジェットヘッドを複数色のインクの色別に複数配置し、これら色別の複数のインクジェットヘッドから記録媒体に向けてインクを吐出するとともに、前記インクジェットヘッド及び前記記録媒体のうち少なくとも一方を前記記録媒体の幅方向と略直交する方向に搬送して前記インクジェットヘッドと前記記録媒体を相対移動させて前記記録媒体上にカラー画像を形成する画像形成方法において、前記インクとして紫外線硬化型インクを用い、前記複数のインクジェットヘッドによって色ごとに順次インク吐出を行って画像を形成していく際に、インク吐出順で先行する色のインクジェットヘッドから吐出されたインク液滴と、後続のインクジェットヘッドによって吐出される他色のインク液滴とが前記記録媒体表面上で混合しない程度に、前記先行するインクジェットヘッドによる着弾インク液滴を半硬化させるべく、前記後続のインクジェットヘッドによるインク吐出前に、前記先行するインクジェットヘッドによる着弾インク液滴に対し、線状に配列され選択的に発光制御可能な発光素子群から成る紫外線光源から紫外線を照射する第1の硬化処理を行い、前記第1の硬化処理における前記紫外線の照射において、プリントすべき画像の画像データに基づき、前記発光素子群の各発光素子について1つの発光素子の照射領域内に着弾される液滴量を判定し、その液滴量が多いほど発光素子の発光量を大きくするように、各発光素子の照射領域内に着弾される液滴量に応じて各発光素子の発光量を制御し、最終のインクジェットヘッドによるインク吐出後に、前記記録媒体上のインク液滴を、硬化インク液滴がハンドリングによって画像劣化が起こらない程度に本硬化させる紫外線を照射する第2の硬化処理を行うことを特徴とする。
また、前記目的を達成するために本明細書は以下の発明を開示する。
発明(1)に係る画像形成装置は、記録媒体の全幅に対応する長さにわたってインク吐出用の複数のノズルを配列させたノズル列を有するフルライン型のインクジェットヘッドを複数色のインクの色別に複数配置して成るインク吐出手段と、前記色別に設けられた各インクジェットヘッドに、それぞれ対応する色の紫外線硬化型インクを供給するインク供給手段と、前記インクジェットヘッド及び前記記録媒体のうち少なくとも一方を前記記録媒体の幅方向と略直交する方向に搬送して前記インクジェットヘッドと前記記録媒体を相対移動させる搬送手段と、線状に配列された発光素子群から成る紫外線光源を含んで構成されるとともに、前記色別のインクジェットヘッド間に配置され、前記インクジェットヘッドに対する前記記録媒体の相対的搬送方向の上流側にあるインクジェットヘッドから吐出されたインク液滴と前記相対的搬送方向の下流側にある後続のインクジェットヘッドによって吐出されるインク液滴とが前記記録媒体表面上で混合しない程度に、前記上流側のインクジェットヘッドによる着弾インク液滴を半硬化させる紫外線を照射する第1の硬化手段と、前記複数のインクジェットヘッドのうち最下流に配置されているヘッドの後段に配置され、前記記録媒体上のインク液滴を、硬化インク液滴がハンドリングによって画像劣化が起こらない程度に本硬化させる紫外線を照射する第2の硬化手段と、を備えた特徴とする。
本発明によれば、描画インクとして紫外線により硬化する性質を有する紫外線硬化型インクを使用し、これを硬化させる工程を2段階に分けている。すなわち、各色ヘッド間に比較的低エネルギーの紫外線照射を行う第1の硬化手段(予備硬化部)を設け、記録媒体が1色のインクジェットヘッド部を通過して次のヘッド部に入る前に、この第1の硬化手段から紫外線を照射して、次段のヘッドからの他色インク液滴との混合を起こさない程度に先行のヘッドによる着弾インク液滴を半硬化させる。
先行のヘッドによるインク液滴が半硬化した状態で、次のヘッドから別色のインクを打滴する工程をインク色数に応じて繰り返し、最終色のインクジェッドヘッドを通過した後に、第2の硬化手段(本硬化部)によって、本硬化に必要な比較的高エネルギーの紫外線を照射してインク液滴をハンドリングにより画像劣化が起こらない程度に硬化(本定着)させる。
これにより、色間ブリーディングによる画質劣化を防止することができる。また、異色ヘッド間に設けた第1の硬化手段による照射エネルギーは、他色インク液滴との干渉による混色を防止する程度にインク液滴を半硬化させるに足るエネルギーであればよく、インク液滴を本硬化させるのに要するエネルギーよりも低いエネルギー量であるため、インクジェットヘッドへの影響も少なく、ノズル近傍インクの硬化を防止できる。
また、本発明において「第1の硬化手段」は、線状に配列された発光素子群から成る紫外線光源を含んで構成されている。すなわち、第1の硬化手段は、インク液滴を半硬化させるに足る低い照射エネルギーであるため、発光素子には、LED素子、LD素子などを好適に用いることができ、低コストで実現可能である。更に、線状に配列された発光素子群は、発光素子別に選択的に発光制御が可能であるため、点灯させる発光素子数や発光光量を容易に調整できる。
本発明における「ハンドリング」とは、[1] 第2の硬化手段の下流側搬送工程におけるローラーや搬送ガイド等と画像面との擦れ、[2] プリント集積部におけるプリント同士の擦れ、[3] 仕上がったプリントを実際に取り扱うときに種々の物体による擦れ、などを意味し、「本硬化」とは、上記ハンドリングを行っても画像劣化しない程度に硬化液滴が硬化しているレベルを意味する。したがって、「本硬化」とは必ずしも硬化反応が完了していることを意味するものではない。
なお、現在確認されている紫外線硬化型インク(UVインク)は、硬化反応の途中で光照射を止めてそのまま外部からエネルギーを与えないで放置すると硬化反応はその後、殆ど進行しない。再度、外部からエネルギーを加えない限り、硬化反応は再開しない。
一方、紫外線エネルギーを与え続けても重合せずにモノマーが残ってしまう場合もある。これは、紫外光が全インクに内部まで浸透しないことが原因であるが、電子線を照射すれば、残留モノマーは消滅すると考えられる。
「フルライン型のインクジェットヘッド」は、通常、記録媒体の相対的な送り方向(相対的搬送方向)と直交する方向に沿って配置されるが、搬送方向と直交する方向に対して、ある所定の角度を持たせた斜め方向に沿ってインクジェットを配置する態様もあり得る。更には、記録媒体の全幅に対応する長さに満たないノズル列を有する短尺の記録ヘッドユニットを複数個組み合わせることによって、これらユニット全体として記録媒体の全幅に対応するノズル列を構成する形態もあり得る。
「記録媒体」は、インクジェットヘッドの作用によって画像の記録を受ける媒体(印字媒体、被画像形成媒体、被記録媒体、受像媒体など呼ばれ得るもの)であり、連続用紙、カット紙、シール用紙、OHPシート等の樹脂シート、フイルム、布、インクジェットヘッドによって配線パターン等が形成されるプリント基板、その他材質や形状を問わず、様々な媒体を含む。
記録媒体とインクジェットヘッドを相対的に移動させる搬送手段は、停止した(固定された)インクジェットヘッドに対して記録媒体を搬送する態様、停止した記録媒体に対してインクジェットヘッドを移動させる態様(この場合、第1及び第2の硬化手段はインクジェットヘッドと等速で移動する)、或いは、インクジェットヘッドと記録媒体の両方を移動させる態様の何れをも含む。
発明(2)は、発明(1)記載の画像形成装置に係り、前記記録媒体の幅、前記インクジェットヘッドによる打滴インク領域、及び前記記録媒体の反射率のうち少なくとも1つの条件に応じて前記発光素子群の発光範囲及び発光量のうち少なくとも一方を制御する光源制御手段を備えたことを特徴とする。
記録媒体の幅や反射率など、記録媒体の特性を把握する手段は、実際に記録媒体の幅や反射率を測定する手段(検出手段)に限らず、使用される記録媒体の種類を供給マガジンのID等で自動判別するなどして、種類毎に整理されたデータテーブル等を参照して各記録媒体の特性を把握する構成でもよい。また、使用する記録媒体のサイズや紙種等をユーザが所定の入力装置等を操作して入力する構成も可能である。インクジェットヘッドによって打滴されるインクの領域については、プリント対象たる画像データに基づいて把握することができる。
これらプリントに関する条件に基づいて、必要最小限の発光を行うように制御することで、ノズルへの影響を一層低減させることができ、ノズル近傍インクの硬化防止の効果を一層高めることができる。
発明(3)は、発明(1)又は(2)記載の画像形成装置に係り、前記第1の硬化手段は、前記発光素子群から出射される光を前記記録媒体の相対的搬送方向と略直交する方向に沿って線状に集光するレンズを有していることを特徴とする。
かかる線状の集光作用を持つシリンドリカルレンズ或いは光屈折形状の非球面レンズを好適に用いることができる。半硬化用の照射光を記録媒体の相対的搬送方向と略直交する方向のライン上に集光することで、照射範囲を制限し、効率的に照射エネルギーを付与することができるとともに、インクジェットヘッドへの迷光反射を防止できる。
発明(4)は、発明(1)記載の画像形成装置に係り、前記第1の硬化手段は、紫外線を含む電磁波を発生する第1の紫外線光源を含んで構成されるとともに、前記第2の硬化手段は、紫外線を含む電磁波を発生する第2の紫外線光源を含んで構成されており、前記第1の硬化手段に用いられる第1の紫外線光源の波長領域は、前記第2の硬化手段に用いられる第2の紫外線光源の波長領域よりも狭いことを特徴とする。
インク液滴を本硬化させずに半硬化させる第1の硬化手段には、本硬化させるための第2の硬化手段よりも狭帯域の光源を使用することができる。
発明(5)は、発明(1)記載の画像形成装置に係り、前記第1の硬化手段に用いられる第1の紫外線光源による光照射量は、前記第2の硬化手段に用いられる第2の紫外線光源による光照射量よりも小さいことを特徴とする。
第1の硬化手段は、本硬化に必要なエネルギーに満たない低エネルギーの照射を行うため、第2の硬化手段よりも低輻射線量の光源を用いることができる。
発明(6)は、発明(1)記載の画像形成装置に係り、前記第1の硬化手段に用いられる第1の紫外線光源による光照射領域は、前記第2の硬化手段に用いられる第2の紫外線光源による光照射領域よりも小さいことを特徴とする。
第1の硬化手段は、インクジェットヘッドへの不要光反射抑止のために、記録媒体上への照射領域をできるだけ狭く設定する構成が好ましい。
発明(7)は前記目的を達成する方法発明を提供する。すなわち、発明(7)に係る画像形成方法は、記録媒体の全幅に対応する長さにわたってインク吐出用の複数のノズルを配列させたノズル列を有するフルライン型のインクジェットヘッドを複数色のインクの色別に複数配置し、これら色別の複数のインクジェットヘッドから記録媒体に向けてインクを吐出するとともに、前記インクジェットヘッド及び前記記録媒体のうち少なくとも一方を前記記録媒体の幅方向と略直交する方向に搬送して前記インクジェットヘッドと前記記録媒体を相対移動させて前記記録媒体上にカラー画像を形成する画像形成方法において、前記インクとして紫外線硬化型インクを用い、前記複数のインクジェットヘッドによって色ごとに順次インク吐出を行って画像を形成していく際に、インク吐出順で先行する色のインクジェットヘッドから吐出されたインク液滴と、後続のインクジェットヘッドによって吐出される他色のインク液滴とが前記記録媒体表面上で混合しない程度に、前記先行するインクジェットヘッドによる着弾インク液滴を半硬化させるべく、前記後続のインクジェットヘッドによるインク吐出前に、前記先行するインクジェットヘッドによる着弾インク液滴に対し、線状に配列された発光素子群から成る紫外線光源から紫外線を照射する第1の硬化処理を行い、最終のインクジェットヘッドによるインク吐出後に、前記記録媒体上のインク液滴を、硬化インク液滴がハンドリングによって画像劣化が起こらない程度に本硬化させる紫外線を照射する第2の硬化処理を行うことを特徴とする。
本発明によれば、描画インクに紫外線硬化型インクを用い、色別のインクジェットヘッド間に、インクを半硬化させる程度の比較的低エネルギーの紫外線照射を行う第1の硬化手段を設ける一方、最終色のインクジェットヘッドの後段に、インクを本硬化させるに十分なエネルギーの紫外線照射を行う第2の硬化手段を設けたので、色間ブリーディングによる画質劣化を防止できるとともに、ノズル近傍インクの硬化を防止できる。
以下添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
〔インクジェット記録装置の全体構成〕
図1は本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体構成図である。同図に示したように、この画像形成装置10は、各インク色に対応して設けられた複数のインクジェットヘッド(以下、ヘッドという。)12K,12M,12C,12Yと、各ヘッド12K,12M,12C,12Yに供給する紫外線硬化型インク(いわゆるUVインク)を貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、各ヘッド間に配置された予備硬化光源16A,16B,16Cと、最終色のヘッド12Yの後段に配置された本硬化光源18と、記録媒体たる記録紙20を供給する給紙部22と、記録紙20のカールを除去するデカール処理部24と、各ヘッド12のノズル面(インク吐出面)及び各光源(16A〜C,18)の光出射面に対向して配置され、記録紙20の平面性を保持しながら記録紙20を搬送する吸着ベルト搬送部26と、記録済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部28と、を備えている。
図1は本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体構成図である。同図に示したように、この画像形成装置10は、各インク色に対応して設けられた複数のインクジェットヘッド(以下、ヘッドという。)12K,12M,12C,12Yと、各ヘッド12K,12M,12C,12Yに供給する紫外線硬化型インク(いわゆるUVインク)を貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、各ヘッド間に配置された予備硬化光源16A,16B,16Cと、最終色のヘッド12Yの後段に配置された本硬化光源18と、記録媒体たる記録紙20を供給する給紙部22と、記録紙20のカールを除去するデカール処理部24と、各ヘッド12のノズル面(インク吐出面)及び各光源(16A〜C,18)の光出射面に対向して配置され、記録紙20の平面性を保持しながら記録紙20を搬送する吸着ベルト搬送部26と、記録済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部28と、を備えている。
紫外線硬化型インクは、紫外線エネルギーの付与によって硬化(重合化)する成分(モノマー、オリゴマー、又は低分子量ホモポリマー、コポリマーなどの紫外線硬化性成分)と重合開始剤とを含むインクであり、紫外線を受光すると重合を開始し、重合の進行とともに増粘し、やがて硬化する性質を有する。
インク貯蔵/装填部14は、各ヘッド12K,12M,12C,12Yに対応する色のインクを貯蔵するインクタンク14K,14M,14C,14Yを有し、各タンクは所要の管路30を介してヘッド12K,12M,12C,12Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部14は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
図1において、給紙部22の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジン32が示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコード或いは無線タグなどの情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される用紙の種類を自動的に判別し、用紙の種類に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部22から送り出される記録紙20はマガジン32に装填されていたことによる巻きクセが残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部24においてマガジン32の巻きクセ方向と逆方向に加熱ドラム34で記録紙20に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図1のように、裁断用のカッター38が設けられており、該カッター38によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター38は、記録紙20の搬送路幅以上の長さを有する固定刃38Aと、該固定刃38Aに沿って移動する丸刃38Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃38Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃38Bが配置される。なお、カット紙を使用する場合には、カッター38は不要である。
デカール処理後、カットされた記録紙20は、吸着ベルト搬送部26へと送られる。吸着ベルト搬送部26は、ローラ41,42間に無端状のベルト43が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも各ヘッド12K,12M,12C,12Yのノズル面に対向する部分が水平面(フラット面)をなすように構成されている。
ベルト43は、記録紙20の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引穴(不図示)が形成されている。ローラ41,42間に掛け渡されたベルト43の内側には、不図示の吸着チャンバが設けられており、この吸着チャンバをファンで吸引して負圧にすることによって記録紙20がベルト43上に吸着保持される。
ベルト43が巻かれているローラ41,42の少なくとも一方にモータ(図1中不図示,図14中符号134として記載)の動力が伝達されることにより、ベルト43は図1上で反時計回り方向に駆動され、ベルト43上に保持された記録紙20は図1の右から左へと搬送される。
各ヘッド12K,12M,12C,12Yは、当該画像形成装置10が対象とする記録紙20の最大紙幅に対応する長さを有し、そのノズル面には最大サイズの記録紙20の少なくとも一辺を超える長さ(描画可能範囲の全幅)にわたりインク吐出用のノズルが複数配列されたフルライン型のヘッドとなっている。
ヘッド12K,12M,12C,12Yは、記録紙20の送り方向に沿って上流側から黒(K)、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)の色順に配置され、それぞれのヘッド12K,12M,12C,12Yが記録紙20の搬送方向と略直交する方向に沿って延在するように固定設置される。
吸着ベルト搬送部26により記録紙20を搬送しつつ各ヘッド12K,12M,12C,12Yからそれぞれ異色のインクを吐出することにより記録紙20上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするノズル列を有するフルライン型のヘッド12K,12M,12C,12Yを色別に設ける構成によれば、紙送り方向(副走査方向)について記録紙20をヘッド12K,12M,12C,12Yに対して相対移動させる動作を一回行うだけで(すなわち1回の副走査で)、記録紙20の全面に画像を記録することができる。このようなシングルパス方式の画像形成装置は、記録ヘッドを主走査方向に往復動作させながら描画を行うシャトルスキャン方式に比べて高速印字が可能であり、プリント生産性を向上させることができる。
本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせは本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクジェットヘッドを追加する構成も可能である。また、各色ヘッドの配置順序も特に限定はない。
ヘッド間に配置されている予備硬化光源16A,16B,16Cは、ヘッドと同様に記録紙20の最大紙幅に対応する長さを有し、記録紙20の搬送方向と略直交する方向に延在するように固定されている。各予備硬化光源16A,16B,16Cは、隣接配置されている上流側のヘッド12K,12M又は12Cによる着弾インク液滴を半硬化状態(完全に硬化していない状態、半固溶状態)にする程度のエネルギーの紫外線を照射する。
すなわち、予備硬化光源16は、先行するヘッド12K,12M又は12Cによって記録紙20上に打滴されたインク液滴と後続のヘッド12M,12C又は12Yから吐出される他色インク液滴とが記録媒体表面上で混合して色滲みを起こすことがないように、その混合を防止し得る程度に記録紙20上のインク液滴を半硬化させる機能を果たす。
記録紙20が上流のヘッド部を通過して、次のヘッド下に入る前に、予備硬化光源16から光を照射して、記録紙20上のインク液滴を半硬化状態にし、次段の異色ヘッドによる打滴を行うようになっている。
図1の例では、黒ヘッド12Kによる打滴後に、予備硬化光源16Aによる光照射を経て黒インク液滴を半硬化させてから、マゼンタヘッド12Mによる打滴を行う。同様に、マゼンタヘッド12Mによる打滴後は、予備硬化光源16Bによる光照射を経てシアンヘッド12Cによる打滴を行い、その後予備硬化光源16Cによる光照射を経てイエローヘッド12Yによる打滴が行われる。
最終色のイエローヘッド12Yによる打滴後は、半硬化のための光照射は不要であるため、予備硬化光源は省略されている。
イエローヘッド12Y通過後は、本硬化光源18によって、記録紙20上のインク液滴を、その後の(下流側工程の)ハンドリングによって画像劣化が起こらない程度に硬化(本硬化)させるに足る光照射が行われ、本定着が行われる。
本硬化光源18の後段には、加圧定着ローラ46が設けられている。加圧定着ローラ46は、画像表面の光沢度及び平坦度を制御するための手段であり、画像面を所定の圧力で加圧する。
こうして生成されたプリント物は排紙部28から排出される。なお、図1には示さないが、排紙部28には、オーダー別に画像を集積するソーターが設けられる。
〔ヘッドの構造〕
次に、ヘッドの構造について説明する。インク色ごとに設けられている各ヘッド12K,12M,12C,12Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号50によってヘッドを示すものとする。
次に、ヘッドの構造について説明する。インク色ごとに設けられている各ヘッド12K,12M,12C,12Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号50によってヘッドを示すものとする。
図2(a) はヘッド50の構造例を示す平面透視図であり、図2(b) はその一部の拡大図である。また、図3はヘッド50の他の構造例を示す平面透視図、図4は1つの液滴吐出素子(1つのノズル51に対応したインク室ユニット)の立体的構成を示す断面図(図2中の4−4線に沿う断面図)である。
記録紙20上に印字されるドットピッチを高密度化するためには、ヘッド50におけるノズルピッチを高密度化する必要がある。本例のヘッド50は、図2(a),(b) に示したように、インク滴の吐出口であるノズル51と、各ノズル51に対応する圧力室52等からなる複数のインク室ユニット(液滴吐出素子)53を千鳥でマトリクス状に(2次元的に)配置させた構造を有し、これにより、ヘッド長手方向(紙送り方向と直交する方向)に沿って並ぶように投影される実質的なノズル間隔(投影ノズルピッチ)の高密度化を達成している。
記録紙20の送り方向と略直交する方向に記録紙20の全幅に対応する長さにわたり1列以上のノズル列を構成する形態は本例に限定されない。例えば、図2(a) の構成に代えて、図3に示すように、複数のノズル51が2次元に配列された短尺のヘッドユニット50’を千鳥状に配列して繋ぎ合わせることで記録紙20の全幅に対応する長さのノズル列を有するラインヘッドを構成してもよい。
各ノズル51に対応して設けられている圧力室52は、その平面形状が概略正方形となっており(図2(a),(b) 参照)、対角線上の両隅部にノズル51への流出口と供給インクの流入口(供給口)54が設けられている。なお、圧力室52の形状は、本例に限定されず、平面形状が四角形(菱形、長方形など)、五角形、六角形その他の多角形、円形、楕円形など、多様な形態があり得る。
図4に示したように、各圧力室52は供給口54を介して共通流路55と連通されている。共通流路55はインク供給源たるインクタンク(図4中不図示、図6中符号60として記載)と連通しており、インクタンク60から供給されるインクは図4の共通流路55を介して各圧力室52に分配供給される。
圧力室52の一部(図4において天面)を構成している加圧板(振動板)56には個別電極57を備えたアクチュエータ58が接合されている。個別電極57に駆動電圧を印加することによってアクチュエータ58が変形して圧力室52の容積が変化し、これに伴う圧力変化によりノズル51からインクが吐出される。なお、アクチュエータ58には、ピエゾ素子などの圧電体が好適に用いられる。インク吐出後、共通流路55から供給口54を通って新しいインクが圧力室52に供給される。
かかる構造を有する多数のインク室ユニット53を図5に示す如く、主走査方向に沿う行方向及び主走査方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜めの列方向とに沿って一定の配列パターンで格子状に配列させた構造になっている。主走査方向に対してある角度θの方向に沿ってインク室ユニット53を一定のピッチdで複数配列する構造により、主走査方向に並ぶように投影されたノズルのピッチPはd× cosθとなる。
すなわち、主走査方向については、各ノズル51が一定のピッチPで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。このような構成により、主走査方向に並ぶように投影されるノズル列が1インチ当たり2400個(2400ノズル/インチ)におよぶ高密度の
ノズル構成を実現することが可能になる。
ノズル構成を実現することが可能になる。
なお、印字可能幅の全幅に対応した長さのノズル列を有するフルラインヘッドで、ノズルを駆動する時には、(1)全ノズルを同時に駆動する、(2)ノズルを片方から他方に向かって順次駆動する、(3)ノズルをブロックに分割して、ブロックごとに片方から他方に向かって順次駆動する等が行われ、用紙の幅方向(用紙の搬送方向と直交する方向)に1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)を印字するようなノズルの駆動を主走査と定義する。
特に、図5に示すようなマトリクス状に配置されたノズル51を駆動する場合は、上記(3)のような主走査が好ましい。すなわち、ノズル51-11 、51-12 、51-13 、51-14 、51-15 、51-16 を1つのブロックとし(他にはノズル51-21 、…、51-26 を1つのブロック、ノズル51-31 、…、51-36 を1つのブロック、…として)、記録紙20の搬送速度に応じてノズル51-11 、51-12 、…、51-16 を順次駆動することで記録紙20の幅方向に1ラインを印字する。
一方、上述したフルラインヘッドと用紙とを相対移動することによって、上述した主走査で形成された1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)の印字を繰り返し行うことを副走査と定義する。
そして、上述の主走査によって記録される1ライン(或いは帯状領域の長手方向)の示す方向を主走査方向といい、上述の副走査を行う方向を副走査方向という。すなわち、本実施形態では、記録紙20の搬送方向が副走査方向であり、それに直交する方向が主走査方向ということになる。
本発明の実施に際してノズルの配置構造は図示の例に限定されない。また、本実施形態では、ピエゾ素子(圧電素子)に代表されるアクチュエータ58の変形によってインク滴を飛ばす方式が採用されているが、本発明の実施に際して、インクを吐出させる方式は特に限定されず、ピエゾジェット方式に代えて、ヒータなどの発熱体によってインクを加熱して気泡を発生させ、その圧力でインク滴を飛ばすサーマルジェット方式など、各種方式を適用できる。
〔インク供給系の構成〕
図6は画像形成装置10におけるインク供給系の構成を示した概要図である。インクタンク60はヘッド50にインクを供給する基タンクであり、図1で説明したインク貯蔵/装填部14に設置される。インクタンク60の形態には、インク残量が少なくなった場合に、不図示の補充口からインクを補充する方式と、タンクごと交換するカートリッジ方式とがある。使用用途に応じてインク種類を変える場合には、カートリッジ方式が適している。この場合、インクの種類情報をバーコード等で識別して、インク種類に応じた吐出制御を行うことが好ましい。なお、図6のインクタンク60は、先に記載した図1のインク貯蔵/装填部14と等価のものである。
図6は画像形成装置10におけるインク供給系の構成を示した概要図である。インクタンク60はヘッド50にインクを供給する基タンクであり、図1で説明したインク貯蔵/装填部14に設置される。インクタンク60の形態には、インク残量が少なくなった場合に、不図示の補充口からインクを補充する方式と、タンクごと交換するカートリッジ方式とがある。使用用途に応じてインク種類を変える場合には、カートリッジ方式が適している。この場合、インクの種類情報をバーコード等で識別して、インク種類に応じた吐出制御を行うことが好ましい。なお、図6のインクタンク60は、先に記載した図1のインク貯蔵/装填部14と等価のものである。
図6に示したように、インクタンク60とヘッド50の中間には、異物や気泡を除去するためにフィルタ62が設けられている。フィルタ・メッシュサイズは、ノズル径と同等若しくはノズル径以下(一般的には、20μm程度)とすることが好ましい。図6には示さないが、ヘッド50の近傍又はヘッド50と一体にサブタンクを設ける構成も好ましい。サブタンクは、ヘッドの内圧変動を防止するダンパー効果及びリフィルを改善する機能を有する。
また、画像形成装置10には、ノズル51の乾燥防止又はノズル近傍のインク粘度上昇
を防止するための手段としてのキャップ64と、ノズル面50Aの清掃手段としてのクリーニングブレード66とが設けられている。これらキャップ64及びクリーニングブレード66を含むメンテナンスユニットは、不図示の移動機構によってヘッド50に対して相対移動可能であり、必要に応じて所定の退避位置からヘッド50下方のメンテナンス位置に移動される。
を防止するための手段としてのキャップ64と、ノズル面50Aの清掃手段としてのクリーニングブレード66とが設けられている。これらキャップ64及びクリーニングブレード66を含むメンテナンスユニットは、不図示の移動機構によってヘッド50に対して相対移動可能であり、必要に応じて所定の退避位置からヘッド50下方のメンテナンス位置に移動される。
キャップ64は、図示せぬ昇降機構によってヘッド50に対して相対的に昇降変位される。電源OFF時や印刷待機時にキャップ64を所定の上昇位置まで上昇させ、ヘッド50に密着させることにより、ノズル面50Aをキャップ64で覆う。
クリーニングブレード66は、ゴムなどの弾性部材で構成されており、図示せぬブレード移動機構によりヘッド50のインク吐出面(ノズル板表面)に摺動可能である。ノズル板にインク液滴又は異物が付着した場合、クリーニングブレード66をノズル板に摺動させることでノズル板表面を拭き取り、ノズル板表面を清浄する。
印字中又は待機中において、特定のノズルの使用頻度が低くなり、ノズル近傍のインク粘度が上昇した場合、その劣化インクを排出すべくキャップ64に向かって予備吐出が行われる。
また、ヘッド50内のインク(圧力室内)に気泡が混入した場合、ヘッド50にキャップ64を当て、吸引ポンプ67で圧力室内のインク(気泡が混入したインク)を吸引により除去し、吸引除去したインクを回収タンク68へ送液する。この吸引動作は、初期のインクのヘッド50への装填時、或いは長時間の停止後の使用開始時にも粘度上昇(固化)した劣化インクの吸い出しが行われる。
ヘッド50は、ある時間以上吐出しない状態が続くと、ノズル近傍のインク溶媒が蒸発してノズル近傍のインクの粘度が高くなってしまい、吐出駆動用のアクチュエータ58が動作してもノズル51からインクが吐出しなくなる。したがって、この様な状態になる手前で(アクチュエータ58の動作によってインク吐出が可能な粘度の範囲内で)、インク受けに向かってアクチュエータ58を動作させ、粘度が上昇したノズル近傍のインクを吐出させる「予備吐出」が行われる。また、ノズル面50Aの清掃手段として設けられているクリーニングブレード66等のワイパーによってノズル板表面の汚れを清掃した後に、このワイパー摺擦動作によってノズル51内に異物が混入するのを防止するためにも予備吐出が行われる。なお、予備吐出は、「空吐出」、「パージ」、「唾吐き」などと呼ばれる場合もある。
また、ノズル51や圧力室52に気泡が混入したり、ノズル51内のインクの粘度上昇があるレベルを超えたりすると、上記予備吐出ではインクを吐出できなくなるため、以下に述べる吸引動作を行う。
すなわち、ノズル51や圧力室52のインク内に気泡が混入した場合、或いはノズル51内のインク粘度があるレベル以上に上昇した場合には、アクチュエータ58を動作させてもノズル51からインクを吐出できなくなる。このような場合、ヘッド50のノズル面に、圧力室52内のインクをポンプ等で吸い込む吸引手段を当接させて、気泡が混入したインク又は増粘インクを吸引する動作が行われる。
ただし、上記の吸引動作は、圧力室52内のインク全体に対して行われるためインク消費量が大きい。したがって、粘度上昇が少ない場合はなるべく予備吐出を行うことが好ましい。
〔予備硬化部の構成例〕
ここで予備硬化光源部の構造例について説明する。図7は予備硬化部の構造例を示した模式図である。図7中図1と共通する部分には同一の符号を付してある。図7に示したように、予備硬化光源16A,16B,16Cは、遮光囲い70の中に線状の紫外線LED素子72とレンズ系74とが配置された構造を有し、遮光囲い70の底面に形成されているスリット状の開口部76を介してベルト43上の記録紙20に線状集光された紫外線が照射される。なお、符号78は、紫外線LED素子72が支持されている基板である。
ここで予備硬化光源部の構造例について説明する。図7は予備硬化部の構造例を示した模式図である。図7中図1と共通する部分には同一の符号を付してある。図7に示したように、予備硬化光源16A,16B,16Cは、遮光囲い70の中に線状の紫外線LED素子72とレンズ系74とが配置された構造を有し、遮光囲い70の底面に形成されているスリット状の開口部76を介してベルト43上の記録紙20に線状集光された紫外線が照射される。なお、符号78は、紫外線LED素子72が支持されている基板である。
イエローヘッド12Y後段の本硬化光源18には、水銀ランプ又はメタルハライドランプなどが好適に用いられる。本硬化光源18は、紫外線LED素子72よりも、広い波長領域を有し、かつ、光量も大きい。また、イエローヘッド12Yと本硬化光源18の間には、本硬化光源18からの照射光がイエローヘッド12Yに入らないようにするための遮光仕切り部材80が配設されている。
予備硬化光源16A,16B,16C(以下、説明の便宜上これら各光源をまとめて符号16で表す。)による硬化処理は、記録媒体表面上での他色インク液滴同士の干渉による混色を防止する程度でインク中に未硬化部分が残る半固溶状態(粘度上昇状態)でよい。そのため、予備硬化光源16と、本硬化光源18とでは、それぞれ別種の光源を用い、予備硬化光源16と本硬化光源18の関係が以下の条件の少なくとも1つを満たすように構成する態様が好ましい。
(条件1):予備硬化光源16の波長域<本硬化光源18の波長域
(条件2):予備硬化光源16の照射量<本硬化光源18の照射量
(条件3):予備硬化光源16による光源域の照射領域<本硬化光源18による光源域の照射領域
ただし、予備硬化光源16や本硬化光源18の中心波長や波長域は使用されるインクの設計に応じて選択される。
(条件1):予備硬化光源16の波長域<本硬化光源18の波長域
(条件2):予備硬化光源16の照射量<本硬化光源18の照射量
(条件3):予備硬化光源16による光源域の照射領域<本硬化光源18による光源域の照射領域
ただし、予備硬化光源16や本硬化光源18の中心波長や波長域は使用されるインクの設計に応じて選択される。
図8は予備硬化光源16の詳細な構造例を示した部分断面図であり、図9は図8中の9A矢視断面図である。これらの図面に示したとおり、遮光囲い70の内側に配置された基板78には、ヘッド50の長手方向に沿って複数の紫外線LED素子72がライン状に並べられて配置されている。これら紫外線LED素子72列の下方には集光用のシリンドリカルレンズ84が設けられている。
遮光囲い70の底部には、光出射口となるスリット状の開口部76が形成されるとともに、該開口部76の周囲には光出射方向に凸の遮光くちばし86が設けられている。また、記録紙20と対向する遮光囲い70の底面には、紫外線吸収コーディング88が施されている。
紫外線LED素子72群から発せられる発散光は、シリンドリカルレンズ84の作用によって紙送り方向に略直交する方向に沿って線状に集光され、記録紙20上に照射される。シリンドリカルレンズ84に代えて、これと同様の集光パワーをもつ、光屈折面形状の非球面を1面以上有するレンズ群を用いることも可能である。
図10には、図8及び図9に示した構造の予備硬化光源16によって記録紙20上に照射される紫外線の照射エリアの例が示されている。
図10において、記録紙20は右から左へ白矢印方向に沿って搬送され、ヘッド50によってインクが吐出される。こうして記録紙20上に順次インクが着弾し、主走査方向のドットライン90が形成されていく。ヘッド50の下流側にある予備硬化光源16から照射される紫外線の照射エリア92は図示のように、副走査方向については狭幅w(好まし
くは、数ドットライン以内)を成し、主走査方向のドットライン90に沿って略平行な線状となっている。
くは、数ドットライン以内)を成し、主走査方向のドットライン90に沿って略平行な線状となっている。
図8及び図9で説明した紫外線LED素子72群を選択的に発光させたり、各素子の発光量を制御することより、紫外線の照射エリア92について所望の照射範囲及び光量(強度)分布を実現することができる。
図11は予備硬化光源16から出射される紫外線の照射エリアの光量分布例を示した拡大図である。同図中符号92Aは、弱光量エリア、符号92Bは強光量エリアを示し、符号92Cは色なしエリア(直前のヘッドによって打滴が行われていないエリア)を示す。色なしエリア92Cについては、記録紙20上に着弾インク液滴が存在しないため、予備硬化させるための紫外線照射が不要なエリアである。
記録紙20のサイズやヘッド50による打滴範囲及びインク量に応じて紫外線LED素子72の発光位置及び発光量を適切に制御して必要最小限の発光を行うことにより、ヘッド50への悪影響を極力抑えることが望ましい。
なお、予備硬化光源16の構成は、図8及び図9のような砲弾型の紫外線LED素子72を用いる構成に限定されず、図12のように、基板94上にLED素子95を一次元的に並べたものであってもよい。また、LEDに代えて、LD(レーザダイオード)を用いる構成も可能である。例えば、図8及び図9のような砲弾型の紫外線LED素子72列とシリンドリカルレンズ84とから成る光源部に代えて、図13のように、LD素子97と、集光レンズ98及びシリンドリカルレンズ99で構成する光源部に置き換えることができる。
〔制御系の説明〕
次に、画像形成装置10の制御系について説明する。
次に、画像形成装置10の制御系について説明する。
図14は画像形成装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。画像形成装置10は、通信インターフェース110、システムコントローラ112、画像メモリ114、モータドライバ116、ヒータドライバ118、プリント制御部120、画像バッファメモリ122、ヘッドドライバ124、メディア検出部126、光源制御部128等を備えている。
通信インターフェース110は、ホストコンピュータ130から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース110にはUSB(Universal Serial Bus)、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。ホストコンピュータ130から送出された画像データは通信インターフェース110を介して画像形成装置10に取り込まれ、一旦画像メモリ114に記憶される。画像メモリ114は、通信インターフェース110を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ112を通じてデータの読み書きが行われる。画像メモリ114は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ112は、通信インターフェース110、画像メモリ114、モータドライバ116、ヒータドライバ118等の各部を制御する制御部である。システムコントローラ112は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、ホストコンピュータ130との間の通信制御、画像メモリ114の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ134やヒータ136を制御する制御信号を生成する。
モータドライバ116は、システムコントローラ112からの指示に従ってモータ134を駆動するドライバ(駆動回路)である。ヒータドライバ118は、システムコントローラ112からの指示に従って加熱ドラム34その他各部のヒータ136を駆動するドライバである。
プリント制御部120は、システムコントローラ112の制御に従い、画像メモリ114内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字制御信号(ドットデータ)をヘッドドライバ124に供給する制御部である。プリント制御部120において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいてヘッドドライバ124を介して色別のヘッド12K,12M,12C,12Yのインク液滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
プリント制御部120には画像バッファメモリ122が備えられており、プリント制御部120における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ122に一時的に格納される。なお、図14において画像バッファメモリ122はプリント制御部120に付随する態様で示されているが、画像メモリ114と兼用することも可能である。また、プリント制御部120とシステムコントローラ112とを統合して1つのプロセッサで構成する態様も可能である。
ヘッドドライバ124はプリント制御部120から与えられるドットデータに基づいて各ヘッド12K,12M,12C,12Yの吐出駆動用アクチュエータ58を駆動する。ヘッドドライバ124にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
印刷すべき画像のデータは、通信インターフェース110を介して外部から入力され、画像メモリ114に蓄えられる。この段階では、例えば、RGBの画像データが画像メモリ114に記憶される。画像メモリ114に蓄えられた画像データは、システムコントローラ112を介してプリント制御部120に送られ、該プリント制御部120において既知のディザ法、誤差拡散法などの手法によりインク色ごとのドットデータに変換される。
こうして、プリント制御部120で生成されたドットデータに基づいてヘッド12K,12M,12C,12Yが駆動制御され、ヘッドからインクが吐出される。記録紙20の搬送速度に同期してヘッド12K,12M,12C,12Yからのインク吐出を制御することにより、記録紙20上に画像が形成される。
メディア検出部126は、記録紙20の紙種やサイズを検出する手段である。例えば、給紙部22のマガジン32に付されたバーコード等の情報を読み込む手段、用紙搬送路中の適当な場所に配置されたセンサ(用紙幅検出センサ、用紙の厚みを検出するセンサ、用紙の反射率を検出するセンサなど)が用いられ、これらの適宜の組み合わせも可能である。また、これら自動検出の手段に代えて、若しくはこれと併用して、所定のユーザインターフェースからの入力によって紙種やサイズ等の情報を指定する構成も可能である。
メディア検出部126により取得された情報はシステムコントローラ112及び/又はプリント制御部120に通知され、インク吐出制御及び予備硬化光源16A,16B,16Cの制御等に利用される。
光源制御部128は、予備硬化光源16A,16B,16Cの点灯(ON)/消灯(OFF)並びに点灯位置、点灯時の発光量等を制御する予備硬化光源制御回路と、本硬化光
源18の点灯(ON)/消灯(OFF)並びに点灯時の発光量等を制御する本硬化光源制御回路と、を含んで構成される。光源制御部128は、プリント制御部120からの指令に従って各光源(16A,16B,16C,18)の発光を制御する。
源18の点灯(ON)/消灯(OFF)並びに点灯時の発光量等を制御する本硬化光源制御回路と、を含んで構成される。光源制御部128は、プリント制御部120からの指令に従って各光源(16A,16B,16C,18)の発光を制御する。
〔予備硬化光源の制御例〕
次に、上記の如く構成された画像形成装置10における予備硬化光源の発光制御例について説明する。
次に、上記の如く構成された画像形成装置10における予備硬化光源の発光制御例について説明する。
図15は予備硬化光源の制御アルゴリズム例を示したフローチャートである。同図に示すとおり、まず、用紙幅の判定処理を行う(ステップS10)。判定方式には、例えば、記録紙20の厚み検出等による自動検出やマガジン検出などが用いられる。ステップS10の用紙幅判定の結果に基づき記録紙20の用紙幅値=Aを確定する(ステップS12)。
続いて、この用紙幅値=Aに応じて予備硬化光源による紫外線の照射幅(照射領域)を決定する(ステップS14)。照射幅は所定の係数α(ただし、α>0)を用いて判定式α×Aによって求められる。
ステップS14の判定式の結果に基づき、当該判定式結果に対応した発光素子域(LED素子域)を決定する(ステップS16)。こうして、記録紙20の紙幅と略同幅のLED素子群のみを発光させる。続いて、記録紙20の紙種判定(メディア種判定)処理を行う(ステップS18)。この判定方式には、例えば、記録紙20の光学反射率検出等による自動検出、マガジン検出、ユーザインターフェースによるメニュー指定等が用いられる。
ステップS18のメディア種判定結果に基づき、使用される記録紙20のメディア種に対応した判定値=Bを確定する(ステップS20)。判定値Bは、記録媒体の反射率に応じて確定するとよい。画像形成装置10は、メディア種と判定値とを対応付けたメディア種テーブルのデータを格納した情報記憶手段(内部メモリ又は外部メモリ)を備えており、このメディア種テーブルを参照して判定値が決定される。
次いで、1つの発光素子の照射する領域内に着弾される液滴量の判定を行う(ステップS22)。すなわち、この処理では、プリントすべき画像の画像データに基づき、発光対象に係る1つのLED素子の照射エリア中の液滴量Cを確定する。
ステップS22で求めた液滴量CとステップS20で求めた判定値B、並びに所定の係数β,γ(ただし、β>0,γ>0)、を用いて、発光素子付加エネルギー判定式(β×B)×(γ×C)を計算する(ステップS24)。そして、ステップS24の判定式結果に対応した発光素子照射量Rを確定する(ステップS26)。
ステップS22〜S26の工程を全発光素子について繰り返すことにより、全ての発光素子について各発光素子の照射量Rを決定する(ステップS28)。こうしてステップS28で得られた結果に基づき発光素子群の発光が制御される。なお、各発光素子の照射量制御は、ON/OFF制御、パルス幅制御、パワー制御等により行う。定性的に言えば、打滴箇所に必要十分な範囲で予備硬化用の紫外線照射を行い、記録媒体の反射率が高ければ、発光量を小さくする。
上記の如く構成された画像形成装置10によれば、予備硬化光源16は色間ブリーディングによる画質劣化防止に機能特化するため、インクを本硬化させずに半硬化状態とする程度の紫外線照射を行えば足りる。したがって、予備硬化光源16は、本硬化に要する照
射エネルギーよりも低光量、狭帯域の光源を使用することができる。
射エネルギーよりも低光量、狭帯域の光源を使用することができる。
本例のように、予備硬化光源16として紫外線LED素子72群やLD素子97群を使用する構成にすることで、記録媒体幅、打滴インク領域、記録媒体反射率等に応じた発光素子数の制限、発光光量の制限の制御が容易となる。ヘッド近傍に予備硬化光源16を配置した構成においても、必要最小限の発光を行うように制御することでノズル近傍インクの硬化を回避することができる。
特に、予備硬化光源16として線状の紫外線LED素子72群を使用し、シリンドリカルレンズ84等により記録紙20上に効率的に線状集光させることで、エネルギー密度を高めることができる。また、遮光囲い70によって周囲への不要な光照射を阻止するとともに、スリット状の開口部76を通して記録紙20上の限られた狭い範囲に光を照射するため、ノズル51への発散反射光が低減されている。更に、図8で説明したとおり、遮光囲い70の底面に遮光くちばし86を設けたり、紫外線吸収コーティング88を設けたりする構成により、ノズル51への反射光を一層低減することができる。
このように、ヘッド50への悪影響を回避する構成により、予備硬化光源16をヘッド50に近づけて配置することが可能となり、浸透メディア(インクが記録媒体の内部に浸透することによって定着する媒体)に対して浸透がメディア内部まで達しない状態で予備硬化用の光を照射することができる。
また、各色ヘッド間に予備硬化部を設けても省スペース化を実現できるとともに、光源の増加の割には省エネルギー化が可能である。
10…画像形成装置、12K,12C,12M,12Y…ヘッド、14…インク貯蔵/装填部、16,16A,16B,16C…予備硬化光源、18…本硬化光源、20…記録紙、22…給紙部、26…吸着ベルト搬送部、32…マガジン、50…ヘッド、51…ノズル、52…圧力室、58…アクチュエータ、70…遮光囲い、72…紫外線LED素子
、74…レンズ系、76…開口部、84…シリンドリカルレンズ、112…システムコントローラ、120…プリント制御部、126…メディア検出部、128…光源制御部
、74…レンズ系、76…開口部、84…シリンドリカルレンズ、112…システムコントローラ、120…プリント制御部、126…メディア検出部、128…光源制御部
Claims (8)
- 記録媒体の全幅に対応する長さにわたってインク吐出用の複数のノズルを配列させたノズル列を有するフルライン型のインクジェットヘッドを複数色のインクの色別に複数配置して成るインク吐出手段と、
前記色別に設けられた各インクジェットヘッドに、それぞれ対応する色の紫外線硬化型インクを供給するインク供給手段と、
前記インクジェットヘッド及び前記記録媒体のうち少なくとも一方を前記記録媒体の幅方向と略直交する方向に搬送して前記インクジェットヘッドと前記記録媒体を相対移動させる搬送手段と、
線状に配列され選択的に発光制御可能な発光素子群から成る紫外線光源を含んで構成されるとともに、前記色別のインクジェットヘッド間に配置され、前記インクジェットヘッドに対する前記記録媒体の相対的搬送方向の上流側にあるインクジェットヘッドから吐出されたインク液滴と前記相対的搬送方向の下流側にある後続のインクジェットヘッドによって吐出されるインク液滴とが前記記録媒体表面上で混合しない程度に、前記上流側のインクジェットヘッドによる着弾インク液滴を半硬化させる紫外線を照射する第1の硬化手段と、
前記複数のインクジェットヘッドのうち最下流に配置されているヘッドの後段に配置され、前記記録媒体上のインク液滴を、硬化インク液滴がハンドリングによって画像劣化が起こらない程度に本硬化させる紫外線を照射する第2の硬化手段と、
プリントすべき画像の画像データに基づき、前記発光素子群の各発光素子について1つの発光素子の照射領域内に着弾される液滴量を判定し、その液滴量が多いほど発光素子の発光量を大きくするように、各発光素子の照射領域内に着弾される液滴量に応じて各発光素子の発光量を制御する光源制御手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 前記光源制御手段は、さらに前記記録媒体の幅に応じて前記発光素子群の発光範囲を制御することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記光源制御手段は、さらに前記記録媒体の反射率に応じて前記発光素子群の発光量を制御することを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
- 前記第1の硬化手段は、前記発光素子群から出射される光を前記記録媒体の相対的搬送方向と略直交する方向に沿って線状に集光するレンズを有していることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記第1の硬化手段は、紫外線を含む電磁波を発生する第1の紫外線光源を含んで構成されるとともに、前記第2の硬化手段は、紫外線を含む電磁波を発生する第2の紫外線光源を含んで構成されており、
前記第1の硬化手段に用いられる第1の紫外線光源の波長領域は、前記第2の硬化手段に用いられる第2の紫外線光源の波長領域よりも狭いことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。 - 前記第1の硬化手段に用いられる第1の紫外線光源による光照射量は、前記第2の硬化手段に用いられる第2の紫外線光源による光照射量よりも小さいことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記第1の硬化手段に用いられる第1の紫外線光源による光照射領域は、前記第2の硬化手段に用いられる第2の紫外線光源による光照射領域よりも小さいことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 記録媒体の全幅に対応する長さにわたってインク吐出用の複数のノズルを配列させたノズル列を有するフルライン型のインクジェットヘッドを複数色のインクの色別に複数配置し、これら色別の複数のインクジェットヘッドから記録媒体に向けてインクを吐出するとともに、前記インクジェットヘッド及び前記記録媒体のうち少なくとも一方を前記記録媒体の幅方向と略直交する方向に搬送して前記インクジェットヘッドと前記記録媒体を相対移動させて前記記録媒体上にカラー画像を形成する画像形成方法において、
前記インクとして紫外線硬化型インクを用い、
前記複数のインクジェットヘッドによって色ごとに順次インク吐出を行って画像を形成していく際に、インク吐出順で先行する色のインクジェットヘッドから吐出されたインク液滴と、後続のインクジェットヘッドによって吐出される他色のインク液滴とが前記記録媒体表面上で混合しない程度に、前記先行するインクジェットヘッドによる着弾インク液滴を半硬化させるべく、前記後続のインクジェットヘッドによるインク吐出前に、前記先行するインクジェットヘッドによる着弾インク液滴に対し、線状に配列され選択的に発光制御可能な発光素子群から成る紫外線光源から紫外線を照射する第1の硬化処理を行い、
前記第1の硬化処理における前記紫外線の照射において、プリントすべき画像の画像データに基づき、前記発光素子群の各発光素子について1つの発光素子の照射領域内に着弾される液滴量を判定し、その液滴量が多いほど発光素子の発光量を大きくするように、各発光素子の照射領域内に着弾される液滴量に応じて各発光素子の発光量を制御し、
最終のインクジェットヘッドによるインク吐出後に、前記記録媒体上のインク液滴を、硬化インク液滴がハンドリングによって画像劣化が起こらない程度に本硬化させる紫外線を照射する第2の硬化処理を行うことを特徴とする画像形成方法。
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