JP2004001437A - インクジェットプリンタ、インク吐出ヘッドユニット及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のインクジェットプリンタ1は、紫外線の照射により硬化するUVインクを記録媒体99に吐出することによって、記録媒体99に画像形成するものである。インクジェットプリンタ9は、記録媒体99上で主走査方向Aに往復移動するキャリッジ3と、記録媒体99に向けてUVインクのインク滴を吐出する複数のヘッダ4,4,…と、記録媒体99に向けて紫外線を照射する複数のUV光源5,5,…とを具備する。ヘッダ4,4,…及びUV光源5,5,…はキャリッジ3に設けられている。そして、ヘッダ4とUV光源5が交互となって主走査方向Aに一列となって配列されている。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録媒体にインクを吐出することによって記録媒体に画像形成するインクジェットプリンタ、インク吐出ヘッドユニット及び画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、簡便、安価に画像を形成できる画像形成方法として、インクジェットプリンタを用いた画像形成方法が数多く用いられている。
シリアル方式のインクジェットプリンタは、例えば、紙等の記録媒体を副走査方向に間欠的に移動させ、記録媒体が停止している際に副走査方向と直角となる主走査方向にヘッドを記録媒体に対して移動させる。そして、インクジェットプリンタは、ヘッドを主走査方向に移動させている最中に、インクチャンバーを形成しているピエゾ素子を変形させるか又はインクチャンバーにヒータが設けられたヘッドの場合にはヒータを加熱して、ヘッドからインク滴を記録媒体向けてに吐出する。
また、ラインヘッド方式のインクジェットプリンタは、例えば、紙等の記録媒体を副走査方向に移動させ、副走査方向と直角な主走査方向に延びて設けられたラインヘッドからインク滴を記録媒体に向けて吐出する。インクを吐出するための方式は、シリアル方式のインクジェットプリンタと同様である。
以上のようなシリアル方式又はラインヘッド方式のインクジェットプリンタの動作によって、記録媒体に画像が形成される。
【0003】
ところで、インクジェットプリンタに用いられるインクとして、紫外線又は電子線といった活性光線の被照射により硬化する活性光線硬化性インクがある。活性光線硬化性インクは、例えば、色材と、重合性モノマー又はオリゴマーと、必要に応じて重合開始剤、重合促進剤等とを含んで組成され、活性光線の被照射による架橋反応又は重合反応によって硬化する。このような活性光線硬化性インクで画像形成するプリンタは、ソルベント系インクで画像形成するプリンタに比べ比較的低臭気であり、インク吸収性の無い記録媒体への記録が出来る点で、近年注目されつつある。
【0004】
例えば特許文献1に記載されているように、活性光線硬化性インクのうちUVインク(紫外線硬化性インク)で画像形成するプリンタは、紫外線を発するUV光源を具備しており、ヘッドから記録媒体に向けてUVインクのインク滴を吐出し、記録媒体又はヘッドを移動させることで記録媒体に着弾したインク滴にUV光源で紫外線を照射する。これにより、記録媒体に着弾したインク滴が硬化する。
【0005】
【特許文献1】
特開昭60−132767号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
また、紫外線で硬化するUVインクで画像形成するインクジェットプリンタとして、図9に示されるものが知られている。図9は、記録媒体104が副走査方向Bに搬送されている状態の上面図を、ヘッドのレイアウトを判り易くするために概略的に示している。図9に示されるインクジェットプリンタでは、ヘッド102,102,…それぞれが記録媒体104にUVインクのインク滴を吐出するものであり、主走査方向Aに往復移動するキャリッジ101にヘッド102,102,…が設けられており、キャリッジ101よりも副走査方向Bの下流側に光源103が設けられている。
【0007】
このインクジェットプリンタは、キャリッジ101が主走査方向Aに移動している最中にヘッド102,102,…から記録媒体104に向けてインク滴を吐出し、副走査方向Bに記録媒体104を搬送し、光源103で紫外線を照射する。これにより、記録媒体104に着弾したインク滴が硬化する。しかし、このインクジェットプリンタでは、インク滴が記録媒体104に着弾してから紫外線が照射されるまでに時間がかかることから、着弾したインク滴が記録媒体104で必要以上に滲んでしまう。
【0008】
高画質の画像を得るためにも、UVインクが記録媒体に着弾後可能な限り速やかに紫外線をインク滴に照射して、インク滴を硬化させることが望ましい。そこで、図10に示されるインクジェットプリンタも公知ではないが本出願人によって提案されている。図10のインクジェットプリンタは、主走査方向Aに移動するキャリッジ111を具備し、このキャリッジ111には主走査方向Aにヘッド112〜116が配列されており、キャリッジ111の主走査方向Aにおける両端部に光源117,118が設けられている。
【0009】
このインクジェットプリンタでは、記録媒体119に着弾したインク滴がキャリッジ111の移動中に光源117又は光源118で照射されるため、記録媒体119が副走査方向Bに移動せずとも、インク滴は着弾後図9の場合より比較的早く紫外線に照射される。しかし、このインクジェットプリンタでは、光源117,118から各ヘッド112〜116の距離によっても、或いは、キャリッジ111の移動方向によっても、インク滴の着弾時から照射時までの時間は微妙に差がある。例えば、ヘッド112から記録媒体119へ着弾したインク滴の広がり具合と、ヘッド116から記録媒体119へ着弾したインク滴の広がり具合とが互いに異なってしまうため、画像を高画質にするにも限度がある。特に、ヘッド112〜116が互いに異なる色のインク滴を吐出する場合が多いので、混色の程度ムラが発生する。
【0010】
そこで、本発明は、記録媒体に対して高画質の画像形成を行えるようにすることを課題とする。すなわち、記録媒体に着弾したインクの滲みを制御するとともに滲みの程度を均一にすることで高画質の画像形成を達成することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
活性光線の被照射により硬化する活性光線硬化性インクにより記録媒体に画像を形成するインクジェットプリンタにおいて、
前記活性光線硬化性インクをインク滴として前記記録媒体に向けて吐出するための複数の吐出口を各々有する複数のヘッドと、
前記記録媒体に着弾された前記活性光線硬化性インクを硬化させるための活性光線を、前記記録媒体に向けて照射するための複数の活性光線源と、を備え、
前記複数のヘッドの各々と前記複数の活性光線源の各々とが交互に配列されていることを特徴とする。
【0012】
請求項1に記載の発明では、複数のヘッドの各々と複数の活性光線源の各々とが交互に配列されているため、記録媒体に着弾したインク滴は、何れのヘッドの吐出口から吐出される場合も隣りの活性光線源からの活性光線にすぐに照射される。従って、何れのヘッドから吐出されたインク滴も記録媒体に着弾後所定の時間範囲内に活性光線に照射されて硬化が始まるため、インク滴は記録媒体上で広がらず、所謂滲みが防止される。また、インク滴が記録媒体に着弾してから活性光線で照射されるまでの時間が、複数のヘッド間でばらつきがなくなるため、記録媒体に着弾したインク滴は何れのヘッドから吐出されても広がり具合、滲み具合が同じである。よって、高画質の画像を得ることができ、画像中の何れの位置でも画質が均一である。
【0013】
また、複数の活性光線源の各々と複数のヘッドの各々とが交互に配列されているため、あるヘッドから吐出されたインク滴が記録媒体に着弾してからその隣りの活性光線源に照射されるまでの時間は、他のヘッドから吐出されたインク滴が記録媒体に着弾してからその隣りの活性光線源に照射されるまでの時間と略等しい。また、図9、10の従来に比較して、着弾したインク滴に対して活性光線の照射を受ける迄の時間が短くなるため、インク滴の滲みが減少する。従って、本発明は、更に高画質の画像を得られるという効果を奏する。
なお、ヘッドとは、複数の吐出口を有する吐出口組合体(吐出口群)を指す。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記記録媒体に対して相対的に主走査方向に移動自在に設けられ、前記複数のヘッドの各々と前記複数の活性光線源の各々とを交互に搭載した移動体、を具備することを特徴とする。
【0015】
請求項2に記載の発明では、複数のヘッド及び複数の活性光線源が移動体に搭載されているため、ヘッドを移動させながら記録媒体にインク滴を吐出する機構のインクジェットプリンタ、つまりシリアル方式のインクジェットプリンタを提供することができる。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記移動体は画像を形成する範囲において等速に移動するように設けられていることを特徴とする。
【0017】
請求項3に記載の発明では、移動体が等速に移動するため、何れのヘッドから吐出された場合でもインク滴の着弾から活性光線被照射までの時間が略一定になる。よって、各ヘッドの吐出口の位置によって若干の差はあるが、硬化に要される時間が略同一となり、何れのインク滴も記録媒体上での広がり具合が略一定になり、更に高画質な画像を得ることができる。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記複数の吐出口が前記主走査方向に対して実質的に直角な方向に沿って列状に配列されていることを特徴とする。
【0019】
請求項4に記載の発明では、複数の吐出口が複数のヘッド及び複数の活性光線源の配列方向に対して直交する方向に沿って列状に配列されているため、図9の従来に比較して、着弾したインク滴に対して活性光線の照射を受ける迄の時間が短くなるため、インク滴の滲みが減少する。
【0020】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4の何れか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記複数のヘッドの各々と、それらに隣接する前記複数の活性光線源の各々との間隔が何れも等しいことを特徴とする。
【0021】
請求項5に記載の発明では、ヘッドとそれに隣接する活性光線源との間隔が何れも等しいため、何れのヘッドから吐出されるインク滴も、着弾から活性光線被照射までの時間が略一定になるため、記録媒体上でのインク滴の広がり具合が略一定になり、更に高画質な画像を得られる。
【0022】
請求項6に記載の発明は、請求項2から5の何れか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記複数の活性光線源は隣り合う二つの活性光線源の間隔が何れも等しくなるように配列されており、
前記複数のヘッドは隣り合う二つのヘッドの間隔が何れも等しくなるように配列されていることを特徴とする。
【0023】
請求項6に記載の発明では、隣り合うヘッド及び活性光線源の間隔が所定距離内に入り、複数のヘッド及び複数の活性光線源が複数のヘッドの配列方向に等速に移動する場合、何れのヘッドから吐出された場合でもインク滴の着弾から活性光線被照射までの時間が略一定になる。よって、各ヘッドの吐出口の位置によって若干の差はあるが、硬化に要される時間が略同一となり、何れのインク滴も記録媒体上での広がり具合が略一定になり、更に高画質な画像を得ることができる。
【0024】
請求項7に記載の発明は、請求項2から6の何れか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記移動体の移動中に、前記ヘッドが前記吐出口からインク滴を吐出し、且つ、前記活性光線源が活性光線を発するように制御されることを特徴とする。
【0025】
請求項7に記載の発明では、記録媒体に着弾したインク滴は、活性光線源からの活性光線により、着弾後すぐに照射される。従って、インク滴が記録媒体上で広がらず、所謂滲みを防止することができる。
【0026】
請求項8に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記複数のヘッドの各々と前記複数の活性光線源の各々とが前記記録媒体に対して相対的に副走査方向に交互に配設されている
ことを特徴とする。
【0027】
請求項8に記載の発明では、記録媒体の幅と同等の長さを有するヘッド、つまりラインヘッド方式のインクジェットプリンタに適用可能である。
【0028】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記複数の吐出口が前記副走査方向に対して実質的に直角な方向に沿って列状に配列されていることを特徴とする。
【0029】
請求項9に記載の発明では、複数の吐出口が副走査方向に直角な方向に沿って列状に配列されているため、いわゆるラインヘッドを用いたインクジェットプリンタにおいて、記録媒体に着弾されたインク滴が活性光線により照射されるまでの時間が短くなる。よって、インク滴の滲みが減少する。
【0030】
請求項10に記載の発明は、請求項8又は9に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記複数のヘッドの各々と、それらに隣接する前記複数の活性光線源の各々との間隔が何れも等しいことを特徴とする。
【0031】
請求項10に記載の発明では、ヘッドとそれに隣接する活性光線源との間隔が何れも等しいため、何れのヘッドから吐出されるインク滴も、着弾から活性光線被照射までの時間が略一定になるため、記録媒体上でのインク滴の広がり具合が略一定になり、更に高画質な画像を得られる。
【0032】
請求項11に記載の発明は、請求項8から10の何れか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記複数の活性光線源は隣り合う二つの活性光線源の間隔が何れも等しくなるように配列されており、
前記複数のヘッドは隣り合う二つのヘッドの間隔が何れも等しくなるように配列されていることを特徴とする。
【0033】
請求項11に記載の発明では、隣り合う活性光線源とヘッドの間隔が所定距離内に入るため、いわゆるラインヘッドタイプの何れのヘッドから吐出されたインク滴も、記録媒体に着弾してから活性光線で照射されるまでの時間が略一定になる。よって、硬化に要される時間が略一様になり、何れのインク滴も記録媒体上での広がり具合が略一定になり、更なる高画質を得ることができる。
【0034】
請求項12に記載の発明は、請求項1から11の何れか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、ヘッドから吐出されたインク滴が前記記録媒体に着弾してから活性光線源の活性光線に最初に照射されるまでの時間が、何れのヘッドから吐出される場合でも所定時間範囲内になるように構成されたことを特徴とする。
【0035】
請求項12に記載の発明では、何れのヘッドから吐出されたインク滴も、活性光線により照射されるまでの時間のばらつきが小さくなるため、記録媒体上でのインク滴の広がり具合が略一様となり、所謂滲みの程度が略一定となるため、高画質な画像を得ることができる。
【0036】
請求項13に記載の発明は、請求項1から12の何れかに記載のインクジェットプリンタにおいて、前記複数のヘッドがフルカラー画像を形成するためのヘッドであることを特徴とする。
【0037】
請求項13に記載の発明では、フルカラー画像形成用のインクジェットプリンタにおいて、各色のムラや滲みを防止できるため、混色のないフルカラー画像の画質を向上させられる。
【0038】
請求項14に記載の発明は、活性光線の被照射により硬化する活性光線硬化性インクにより記録媒体に画像を形成するインクジェットプリンタにおいて、
前記記録媒体に対して相対的に主走査方向に往復移動する移動体と、
前記移動体に設けられ、前記記録媒体に向けて活性光線を照射する活性光線源と、
前記主走査方向における前記活性光線源の両脇に列状に配列され、前記活性光線硬化性インクを前記記録媒体に向けてインク滴として吐出する複数の吐出口と、を備えることを特徴とする。
【0039】
請求項14に記載の発明では、吐出口の列が活性光線源の両脇に配されているため、移動体の往動時と復動時にインク滴を吐出するタイプのインクジェットプリンタに適用した場合、何れの時に吐出されたインク滴に対しても、着弾後所定の時間内に活性光線に照射されて硬化が始まる。従って、何れの時に吐出されたかにかかわらず、記録媒体上でのインク滴の広がりを抑えられ、所謂滲みを防止することができ、高画質な画像を得ることができる。
【0040】
請求項15に記載の発明は、請求項1から14の何れか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記記録媒体を副走査方向に搬送するための搬送機構を有することを特徴とする。
【0041】
請求項15に記載の発明では、記録媒体を搬送して画像を形成することが可能である。
【0042】
請求項16に記載の発明のインク吐出ヘッドユニットは、活性光線の被照射により硬化する活性光線硬化性インクをインク滴として吐出し、複数列に配列された複数の吐出口と、前記吐出口の列の間に設けられた活性光線源と、を備えることを特徴とする。
【0043】
請求項16に記載の発明では、吐出口の列の間に活性光線源が設けられているため、このインク吐出ヘッドをインクジェットプリンタに適用すれば、吐出されたインク滴は、記録媒体に着弾後すぐに活性光線源からの活性光線に照射される。従って、高画質の画像を得ることができる。
【0044】
請求項17に記載の発明の画像形成方法は、活性光線の被照射により硬化する活性光線硬化性インクを複数の吐出口からインク滴として記録媒体に吐出する吐出工程と、
前記吐出工程後に、前記記録媒体に着弾したインク滴を活性光線で照射する照射工程と、を含み、
前記吐出工程において前記記録媒体にインク滴が着弾してから前記照射工程において前記記録媒体に着弾したインク滴が活性光線に照射されるまでの時間が、何れの吐出口から吐出されるインク滴においても略等しいことを特徴とする。
【0045】
請求項17に記載の発明では、何れの吐出口から吐出されるインク滴も、着弾から活性光線の被照射までの時間が略等しいため、記録媒体上でのインク滴の広がりが略一定になり、高画質な画像を得られる。
【0046】
請求項18に記載の発明は、請求項17に記載の画像形成方法において、前記吐出工程において前記記録媒体にインク滴が着弾してから前記照射工程において前記記録媒体に着弾したインク滴が活性光線に照射されるまでの時間が何れの吐出口から吐出されるインク滴においても0.001秒〜0.4秒となるように制御することを特徴とする。
【0047】
請求項18に記載の発明では、インク滴は、記録媒体に着弾後すぐに活性光線源からの活性光線に照射されため、記録媒体上でのインク滴の滲みを防止することができる。そのため、高画質な画像を得ることができる。また、何れの種類の記録媒体を用いても所望の均質且つ高品質な画像が得ることができる。
【0048】
請求項19に記載の発明は、前記吐出工程において前記記録媒体にインク滴が着弾してから前記照射工程において前記記録媒体に着弾したインク滴が活性光線に照射されるまでの時間が何れの吐出口から吐出されるインク滴においても0.005秒〜0.2秒となるように制御することを特徴とする。
【0049】
請求項19に記載の発明では、記録媒体上でのインク滴の広がりをより抑えることができ、インクの滲みをより防止することができる。従って、高画質な画像を得ることができる。また、下限値の許容度が広がるため、画像形成工程の自由度が広がる。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を用いて本発明の具体的な態様について説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0051】
〔第一の実施の形態〕
図1には、シリアル方式のインクジェットプリンタ1が示されている。
インクジェットプリンタ1は、紫外線の被照射により硬化する性質を有するUVインク(紫外線硬化性インク)を滴(以下、「インク滴」という。)として記録媒体99に向けて吐出し、インク滴の着弾後に紫外線照射を行うことで記録媒体99に画像形成を行うものである。以下の説明では、活性光線硬化性インクとしてUVインクを採用しているが、赤外線、可視光線、電子線、X線といった活性光線によって活性化して硬化する性質のインクを用いるものとしてもよい。ここで活性光線とは、広義の活性光線である。つまり、本明細書で取りあげる活性光線とは、空気を電離させる能力を有するものだけをさすのではなく、紫外線、可視光線、赤外線等の電磁波を含む。即ち、活性光線は、インクを活性化して硬化するものである。
【0052】
インクジェットプリンタ1は、平板状のプラテン15と、シート状の記録媒体99を副走査方向Bの下流に向けて搬送する搬送機構と、プラテン15よりも上方に配置されるとともに、副走査方向Bに対して略直角となる主走査方向Aに延在するガイド部材2と、記録媒体99及びプラテン15よりも上方においてガイド部材2によって案内されてガイド部材2に沿って主走査方向Aに移動する移動体であるキャリッジ3と、キャリッジ3に搭載され、UVインクのインク滴を吐出する複数のインク吐出ヘッド(以下、単に「ヘッド」という。)4,4,…と、キャリッジ3に搭載され、紫外線を発する複数のUV光源(活性光線源)5,5,…(図2等に図示)と、キャリッジ3よりも下方に配置されているとともにUVインクを貯蔵する複数のインクタンク6,6,…と、インクタンク6からヘッド4へUVインクを供給するインク供給路7と、各インクタンク6に設けられた変圧ポンプ8と、を具備する。
【0053】
前記搬送機構は、例えば、図示しない搬送モータ及び搬送ローラ等を具備し、搬送モータの動力で搬送ローラを回転させることによって記録媒体99を副走査方向Bに搬送するものである。この搬送機構は、キャリッジ3の動作に合わせて記録媒体99を搬送するようになっており、具体的には、間欠的に記録媒体99を搬送するようになっている。つまり、この搬送機構は、記録媒体99の搬送及び搬送停止を繰り返すようになっている。
【0054】
プラテン15は、搬送機構によって搬送される記録媒体99を下から平坦状に支持するものである。
【0055】
また、記録媒体99としては、通常のインクジェットプリンタに適用される普通紙,再生紙,光沢紙等の各種紙,各種布地,各種不織布,樹脂,金属,ガラス等の材質からなるものが適用可能である。また、記録媒体99の形態としては、ロール状、カットシート状、板状等が適用可能である。
特に、本実施の形態で用いられる記録媒体99として、所謂軟包装に用いられる透明又は不透明な非吸収性の樹脂製フィルムが適用できる。樹脂製フィルムの具体的な樹脂の種類として、ポリエチレンテレフタレート,ポリエステル,ポリオレフィン,ポリアミド,ポリエステルアミド,ポリエーテル,ポリイミド,ポリアミドイミド,ポリスチレン,ポリカーボネート,ポリ−ρ−フェニレンスルフィド,ポリエーテルエステル,ポリ塩化ビニル,ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン等が適用可能であり、さらには、これら樹脂の共重合体、これら樹脂の混合物、これら樹脂を架橋したもの等も適用可能である。中でも、樹脂製フィルムの樹脂の種類として、延伸したポリエチレンテレフタレート,ポリスチレン,ポリプロピレン,ナイロンのいずれかを選択するのが、樹脂製フィルムの透明性・寸法安定性・剛性・環境負荷・コスト等の面で好ましく、2μm(マイクロメートル)以上100μm以下(好ましくは6μm以上50μm以下)の厚みを有する樹脂製フィルムを用いるのが好ましい。また、樹脂製フィルムの支持体の表面にコロナ放電処理、易接着処理等の表面処理を施してもよい。
更に、本実施の形態に用いられる記録媒体99として、樹脂により表面を被覆した各種紙,顔料を含むフィルム,発泡フィルム等の不透明な公知の記録媒体も適用可能である。
【0056】
キャリッジ3は、搬送機構による間欠的な記録媒体99の搬送に合わせて、ガイド部材2に沿って主走査方向Aに往復移動するものであり、具体的には記録媒体99が停止している際に主走査方向Aに往動、復動又は往復移動をするものである。更に、キャリッジ3は、画像を形成する画像形成範囲(つまり、記録媒体99の直上であって平面視して記録媒体99に重なる範囲)においてほぼ等速移動をし、画像形成範囲から出て移動範囲の端(つまり、折返し端)まで移動する際には減速移動し、折返し端で折り返してから画像形成範囲まで移動する際には加速移動をする。例えば、図1の例であれば、キャリッジ3は、移動範囲の左端から記録媒体99の直上に位置するまでの間は加速移動し、画像形成範囲である記録媒体99の直上を左から右へ等速移動し、記録媒体99の直上から移動範囲の右端に位置するまでの間は減速移動し、右端で折り返して記録媒体99の直上に位置するまでの間は加速移動し、記録媒体99の直上を右から左へ等速移動し、記録媒体99の直上から移動範囲の左端に位置するまでの間は減速移動する。
【0057】
キャリッジ3の移動範囲の外には、複数のインクタンクが配設されている。インクタンク6,6,…は、交換することのできるインクカートリッジであって、それぞれのインクタンク6には一色のUVインクが貯蔵されている。つまり、一つのインクタンク6には、数種の色のうちの何れかの色のUVインクが貯蔵されている。基本的にインクタンク6ごとに異なる色のUVインクが貯蔵されているが、同じ色のUVインクが二以上のインクタンク6に貯蔵されていても良い。インクジェットプリンタ1に用いられるUVインクの色としては、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を基本としており、その他にホワイト(W)、ライトイエロー(LY)、ライトマゼンタ(LM)、ライトシアン(LC)、ライトブラック(LK)等がある。更に、インクジェットプリンタ1に用いられるUVインクの色として、ブルー、レッド、グリーン、ゴールド、シルバー等といった特色があっても良い。
【0058】
これらインクタンク6,6,…に貯蔵されるUVインクとしては、「光硬化技術−樹脂・開始剤の選定と配合条件及び硬化度の測定・評価−(技術協会情報)」に記載の「光硬化システム(第4章)」の「光酸・塩基発生剤を利用する硬化システム(第1節)」、「光誘導型交互共重合(第2節)」等に適合するインクが適用可能であり、ラジカル重合により硬化するものであってもよいし、カチオン重合により硬化するものであっても良い。
【0059】
具体的には、本実施形態で用いられるUVインクは、活性光線としての紫外線の被照射により硬化する性質を具備するインクであり、主成分として、少なくとも、色に応じた顔料(色材)と、モノマー及びモノマーといった重合性化合物(公知の重合性化合物を含む。)と、光反応開始剤と、を含むものである。このような組成のUVインクは、紫外線の照射を受けることで光反応開始剤が重合性化合物に作用する事に伴ってモノマーの架橋、重合反応によって硬化する性質を有する。ただし、本実施の形態に用いるインクとして、上記「光誘導型交互共重合(第2節)」に適合するインクを用いる場合には、光開始剤は除外されてもよい。
【0060】
上記紫外線硬化性インクは、重合性化合物として、ラジカル重合性化合物を含むラジカル硬化性インクとカチオン重合性化合物を含むカチオン硬化性インクとに大別されるが、どちらのインクも本実施の形態に用いられるインクとして適用可能であり、ラジカル硬化性インクとカチオン硬化性インクとを複合させたハイブリッド型インクを本実施の形態に用いられるインクとして適用してもよい。
【0061】
しかしながら、酸素による重合反応の阻害が少ない又は無いカチオン硬化性インクのほうが機能性・汎用性に優れるため、本実施の形態では、特に、カチオン硬化性インクを用いている。本実施の形態に用いられるカチオン硬化性インクは、具体的に、少なくともオキセタン化合物,エポキシ化合物,ビニルエーテル化合物等のカチオン重合性化合物と、光カチオン開始剤と、色材とを含む混合物であり、上記の通り、紫外線の被照射により硬化する性質を具備するものである。
【0062】
それぞれのインクタンク6は、インク供給路7によってヘッド4に連通しており、UVインクが色ごとにインクタンク6からヘッド4に供給されるようになっている。つまり、何れかのインクタンク6に貯留されたUVインクの色は、インク供給路7を介してそのインクタンク6に通じるヘッド4から吐出されるインク滴の色と同じである。また、インク供給路7は、キャリッジ3の移動に追従できるように、フレキシブルな部材から形成されている。
【0063】
また、それぞれのインクタンク6とインク供給路7との接続部には、複数の変圧ポンプ8,8,…が設けられている。変圧ポンプ8がインクタンク6からそのヘッド4に通じているインク供給路7の内部圧を変更することにより、インクタンク6からヘッド4へのインク供給量が変更されるようになっている。
【0064】
キャリッジ3について詳細に説明する。
図2には、キャリッジ3の下面図が示されている。図2に示すように、キャリッジ3には、ヘッド4,4,…が設けられている上、更に、副走査方向Bに長尺なUV光源5,5,…が設けられている。ヘッド4,4,…の外形は略直方体状に形成されており、これらヘッド4,4,…は互いに平行となって且つ主走査方向Aに一列となって等間隔に並んでいる。つまり、ヘッド4,4,…を結ぶ直線は主走査方向Aに平行となっているとともに、隣り合う二つのヘッド4,4の間隔は何れも等しくなっている。UV光源5,5,…も主走査方向Aに一列となって等間隔に並んでおり、UV光源5,5,…の長手方向が互いに平行となっている。また、どの隣り合う二つのUV光源5,5の間にも一つのヘッド4が配置されており、ヘッド4,4,…及びUV光源5,5,…は交互となって主走査方向Aに配列されており、ヘッド4,4,…及びUV光源5,5,…の配列方向は主走査方向Aとなっている。つまり、主走査方向Aにおける一つのUV光源5の両脇にそれぞれ一つのヘッド4が配されている。
【0065】
これらヘッド4,4,…とUV光源5,5,…とからなる列において、キャリッジ3の移動方向に問わず全てのインク滴に紫外線照射するために、主走査方向Aの両端はUV光源5となっている。また、ヘッド4とその一方の隣りのUV光源5との距離aは、ヘッド4とその他方の隣りのUV光源5との距離bと等しくなくてもよいが、等しいのがより好ましい。ここで、距離aと距離bが互いに等しい場合には、ヘッド4及びUV光源5は交互に且つ等間隔で一直線状に配列されていることになる。ここで、ヘッド4の基点(距離a,bを表すための基準点)は、吐出口の位置、又は、複数列吐出口ではそれらの吐出口の主走査方向Aに関しての中心位置とする。
【0066】
ヘッド4及びUV光源5について詳細に説明する。
図3(a)には、一つのヘッド4とその両隣に配列されたUV光源5,5の下面図が示されており、図3(b)には、このヘッド4及びこれらUV光源5,5を副走査方向Bに見た正面図が示されている。
図3に示すように、各ヘッド4の下端にはノズルプレート4aが設けられており、このノズルプレート4aによってヘッド4の下面が構成されており、ノズルプレート4aが下方の記録媒体99に対向している。ノズルプレート4aには、ヘッド4の内部空間からヘッド4外へと通じる複数の吐出口4b,4b,…が形成されている。吐出口4b,4b,…は、副走査方向Bに一直線状となって一列に配列されている。また、各ヘッド4は、変形により内部のインクに圧力を付与するピエゾ素子、内部のインクを膜沸騰させることにより内部のインクに圧力を付与する加熱素子、その他内部のインクに圧力を付与する素子を吐出口4bごとに有し、これら素子の動作によりそれぞれの吐出口4bから個別にインクを液滴として吐出するように構成されている。ヘッド4の内部空間にはインクタンク6からUVインクが供給されており、この内部空間は全ての吐出口4b,4b,…に共通しているため、或るヘッド4の各吐出口4bから吐出されるインク滴の色は全て同じである。基本的にヘッド4ごとに異なる色のUVインクのインク滴が吐出されるが、同じ色のUVインクが二以上のヘッド4から吐出されても良い。なお、図2において、各ヘッド4に示されている英字は吐出されるインク滴の色を意味するが、色の配列は図2のように限られない。
【0067】
UV光源5は、特定の波長領域(例えば、波長250nm)の紫外線を安定した照射エネルギーで発光する紫外線ランプ等から構成される。UV光源5から発する紫外線の波長及び照射強度は、記録媒体99の素材或いはUVインクの種類に応じて適宜設定されるが、例えば、照射強度は100mW/cm2又は100mJ/cm2とすることができる。紫外線ランプとしては、LED(light emitting diode)、蛍光灯、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、高圧水銀スポットランプ、キセノンランプ等が適用可能である。
【0068】
また、UV光源5から発せられる紫外線にヘッド4が曝露されないように、下方の開放した遮光カバー9がUV光源5を上から覆っている。遮光カバー9の下方が開放しているから、記録媒体99がUV光源5から発せられる紫外線に曝露される。副走査方向BにおけるUV光源5の長さは、副走査方向Bにおけるヘッド4(複数の吐出口4b,4b,…を覆う全巾)の長さより長いか、又はほぼ同等である。更に、本実施の形態ではUV光源5の径φは5mmであるが、必ずしも5mmである必要はない。なお、UV光源5は、記録媒体99の材質やUVインクの種類に応じて照射する紫外線の波長及び照射エネルギーを変更することができる。
また、本実施形態ではUV光源5そのものを図3のようにヘッド4の脇に設けているが、光ファイバ、光ファイバ束等の導光体を用いて紫外線を照射する場合には所謂”光源(発光部)”自体がヘッド4と一体と移動しなくても良い。この場合本発明にいう活性光線源とはヘッド4と一体に移動するようにキャリッジ3に設けられた光ファイバ又は光ファイバ束の末端であり、キャリッジ3とは別に設けられた所謂”光源”からの紫外線が光ファイバ又は光ファイバ束によって導かれて、ヘッド4とヘッド4との間から下方へ紫外線が照らされる。従って、キャリッジ3を下面から見た場合、光ファイバ又は光ファイバ束の末端が図2に示すようなUV光源5のように配置されており、光ファイバ又は光ファイバ束の末端とヘッド4が交互になって主走査方向Aに配列されている。
【0069】
次に、上述のように構成されるインクジェットプリンタ1の動作及びインクジェットプリンタ1による画像形成方法について説明する。
インクジェットプリンタ1の動作中において、UV光源5から紫外線が発しており、記録媒体99は紫外線に照射されている。そして、インクジェットプリンタ1は、搬送機構によって記録媒体99を副走査方向Bに間欠的に搬送する。ここで、記録媒体99が停止している際に、キャリッジ3が主走査方向Aに少なくとも往動し又は復動するが、画像形成範囲においてつまり記録媒体99の直上においてキャリッジ3は等速移動する。そして、キャリッジ3が画像形成範囲を等速移動している最中に、各ヘッド4が吐出口4b,4b,…からインク滴を吐出し、吐出されたインク滴は記録媒体99に着弾する。着弾したインク滴は、当該インク滴を吐出したヘッド4の移動方向反対側の隣りにあるUV光源5によって紫外線を照射されることで、硬化する。
【0070】
ここで、PET等の非吸収性プラスチックフィルムにインク滴を吐出する場合、インク滴が着弾してから硬化しない状態で一定時間以上経過すると、着弾したインク滴が大きく滲み、画像があまり高画質でない。多様な記録媒体に対応して均質且つ高品質な画像を得るためには、着弾後のインク滴に一定時間内に紫外線照射を行い、インク滴を硬化させることが好ましい。そこで、各種の記録媒体を用いて、インク滴が着弾してから紫外線照射までの時間を検討した結果、0.001秒〜0.4秒、好ましくは0.005秒〜0.2秒の場合に、何れの種類の記録媒体を用いても所望の均質且つ高品質な画像が得られることがわかった。
【0071】
そして、各ヘッド4の吐出口4bから吐出されたインク滴が記録媒体99に着弾した時から、その移動方向反対側の隣りにあるUV光源5によって最初に照射されるまでの時間が、0.001秒〜0.4秒となるように、更に好ましくは0.005秒〜0.2秒となるように制御されている。尚、ここで言う照射とは、照度0.1mW/cm2以上の光量による照射のことを意味する。ここでの照度はウシオ電機製分光放射照度計USR−40での220〜450nmにおける照度の値で定義する。この場合、ヘッド4とUV光源5が交互に等間隔に配列されているため、キャリッジ3の移動速度を制御することによって、着弾の時から照射の時までの時間を全てのヘッド4について同じにするように制御することができる。なお、各ヘッド4から吐出されたインク滴が記録媒体99に着弾した時から、そのインク滴がキャリッジ3の移動に伴いその隣りのUV光源5から紫外線に照射される時までの時間は、何れのヘッド4の吐出口4bでも所定時間範囲内にある。ここで、インク滴の「着弾」とはインク滴が記録媒体99に接触した瞬間を言い、その瞬間を着弾タイミングと定義する。
【0072】
インクジェットプリンタ1は、同様にキャリッジ3の移動、インク滴の吐出、インク滴に対しての照射を必要に応じて数回行った後に、搬送機構によって記録媒体99を副走査方向Bに所定距離搬送する。そして、記録媒体99が再び停止したら、インクジェットプリンタ1は再びキャリッジ3の往動又は復動、インク滴の吐出、インク滴に対しての照射を行う。以降、インクジェットプリンタ1が上述の動作を繰り返すことにより、記録媒体99上に画像が形成される。なお、UV光源5が遮光カバー9に覆われているため、ヘッド4から吐出したインク滴は、記録媒体99に着弾する前に硬化することがない上、ヘッド4の吐出口4bに残留したUVインクが硬化することもない。
【0073】
以上のインクジェットプリンタ1では、隣り合う二つのヘッド4,4の間隔は何れも等しくなっており、隣り合う二つのUV光源5,5の間隔は何れも等しくなっており、ヘッド4,4,…及びUV光源5,5,…が交互になって主走査方向Aに一直線状に配列されており、更に、画像形成範囲内においてキャリッジ3が等速移動している。従って、或るヘッド4から吐出されたインク滴が記録媒体99に着弾してからそのヘッド4の隣りのUV光源5(図2において、キャリッジ3が右へ移動しているなら、そのヘッド4の左隣りのUV光源5)から紫外線が照射されるまでの時間は、何れのヘッド4,4,…から吐出されたどのインク滴でも同じである。つまり、例えばキャリッジ3が右へ移動しているものとして図2を用いて説明すれば、最も右のヘッド4(イエローのUVインクを吐出するヘッド4)で吐出されたインク滴が記録媒体99に着弾してからそのヘッド4の左隣りのUV光源5によって照射されるまでの時間は、最も左のヘッド4(ライトブラックのUVインクを吐出するヘッド4)で吐出されたインク滴が記録媒体99に着弾してからそのヘッド4の左隣りのUV光源5によって照射されるまでの時間と等しい。この等しいとは、所定の時間幅に存在するという意味である。
【0074】
従って、吐出されたインク滴は、何れのヘッド4で吐出されても着弾してから紫外線に照射されるまでの時間は略一定になり、硬化に要する時間が一様である。従って、吐出されたインク滴は、どのヘッド4から吐出されても、その広がり具合、つまり、滲み具合が略同じとなる。
【0075】
更に、一つのヘッド4について着目すれば、吐出口4b,4b,…が副走査方向Bに一列となって一直線状に並んでいるとともに吐出口4b,4b,…の列が隣りのUV光源5と平行であるから、吐出されたインク滴は、何れの吐出口4b,4b,…で吐出されても、着弾してから紫外線に照射されるまでの時間は一定になり、硬化に要する時間が一定になる。従って、吐出されたインク滴は、どの吐出口4bから吐出されても、その広がり具合、滲み具合が同じとなる。つまり、図3のヘッド4のように吐出口4b,4b,…が配列されて、図2の如くヘッド4,4,…が配列された場合、吐出口4b,4bインク滴で形成される画像の中で全てのドット(インク滴)の滲み具合が同じになるため、画像中のどの位置でも一様に高画質であり、画像の品質が安定である。
【0076】
更に、UV光源5,5,…及びヘッド4,4,…が交互になって主走査方向Aに配列されているため、着弾したインク滴は、何れのヘッド4から吐出されようともその隣りのUV光源5で発せられた紫外線にすぐに照射される。ここで、「すぐ」とは、図9又は図10のような従来例に比較して早いということである。従って、何れのヘッド4から吐出されたインク滴も記録媒体に着弾後比較的早く硬化するため記録媒体99上で広がらず、所謂滲みが防止される。従って、インクジェットプリンタ1では、非常に高画質の画像を形成することができる。
【0077】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、上記実施形態では、複数のヘッド4,4,…が主走査方向Aに並んでなる列は一列であったが、複数のヘッド4,4,…が主走査方向Aに並んでなる列が複数列あっても良く(例えば、複数のヘッド4,4,…がマトリクス状にキャリッジに配列されていても良く)、この場合でも主走査方向Aに並んだ各列ではUV光源5とヘッド4が交互に配列されているか、又は、ヘッド複数個(列)毎に一列のUV光源となるように配列されている。また、主走査方向Aに並んだ各列について副走査方向Bに長尺なUV光源が共通していても良い。
【0078】
例えば、図4に示すキャリッジ13を図1のインクジェットプリンタ1のキャリッジ3の代わりに設けても良い。キャリッジ13では、以下のように複数のヘッド4,4,…がほぼマトリクス状に配列されていても良い。
[一列目]ホワイトのUVインク滴を吐出する四つのヘッド4,4,…が主走査方向Aに一列になって配列されている。
[二列目]イエローのUVインク滴を吐出する八つのヘッド4,4,…が主走査方向Aに一列になって配列されており、副走査方向Bに向かって見た場合に中央の四つのヘッド4,4,…が一列目のヘッド4,4,…にそれぞれ揃っている。
[三列目]マゼンタのUVインク滴を吐出する八つのヘッド4,4,…が主走査方向Aに一列になって配列されており、副走査方向Bに向かって見た場合に中央の四つのヘッド4,4,…が一列目のヘッド4,4,…にそれぞれ揃っている。
[四列目]シアンのUVインク滴を吐出する八つのヘッド4,4,…が主走査方向Aに一列になって配列されており、副走査方向Bに向かって見た場合に中央の四つのヘッド4,4,…が一列目のヘッド4,4,…にそれぞれ揃っている。
[五列目]ブラックのUVインク滴を吐出する八つのヘッド4,4,…が主走査方向Aに一列になって配列されており、副走査方向Bに向かって見た場合に中央の四つのヘッド4,4,…が一列目のヘッド4,4,…にそれぞれ揃っている。
[六列目]ホワイトのUVインク滴を吐出する四つのヘッド4,4,…が主走査方向Aに一列になって配列されており、副走査方向Bに向かって見た場合に一列目のヘッド4,4,…にそれぞれ揃っている。
一列目〜六列目の何れにおいても、ヘッド4,4,…とUV光源5,5,…は主走査方向Aに交互に配列されており、往復動のため主走査方向Aの両端にUV光源5を設けている。更に、UV光源5,5,…は、一列目から六列目まで共通しており、ホワイト、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックそれぞれのヘッド4,4,…共通に使用される。
【0079】
また、上記実施形態では、活性光線硬化性インクとしてUVインクを採用しているが、活性光線硬化性インクはUVインクに限らず、例えば、活性光線硬化性インクとして電子線硬化性インクを採用しても良い。電子線による照射の場合、モノマー(オリゴマー)の重合は光反応開始剤のような光触媒を要することなく、ラジカル反応によって進行することが知られている。よって、電子線硬化性インクとしては、UVインクの場合と異なり、顔料とモノマー(オリゴマー)とを含み、高価な光反応開始剤は含まないものを適用できる。これにより、記録媒体99に対してより安い経費で高精度、高強度な画像を形成することができる。電子線硬化性インクを用いた場合には、電子線を記録媒体99に向けて照射する電子線源をUV光源5に代えてキャリッジ3又はキャリッジ13に設けるのは勿論である。
【0080】
また、上記実施形態ではヘッド4には吐出口4b,4b,…が副走査方向Bに直線状になって一列に配列されていたが、副走査方向Bに直線状に並んだ吐出口4b,4b,…の列がヘッド4に複数設けられても良く、単列吐出口のヘッドを複数当接するように設けても良い。例えば、図5に示すようなヘッド14をヘッド4に代えてキャリッジ3又はキャリッジ13に設けても良い。このヘッド14には、このヘッド14の下面を構成するノズルプレート14aが設けられている。ノズルプレート14aには、ヘッド14の内部空間からヘッド14外へと通じる複数の吐出口14b,14b,…が形成されている。そして、ノズルプレート14aには、複数の吐出口14b,14b,…が副走査方向Bに一直線状に配列された列が三列形成されている、これら三列が平行となっている。もちろん、各吐出口14bからインク滴が吐出される。また、図5のように吐出口4b,4b,…が三列に並んでいるヘッド14の場合でも、或る吐出口14bに着目して、左隣りにあるUV光源5によって紫外線に照射される迄の時間は、逆方向走査で右隣りのUV光源5によって紫外線に照射される迄の時間と等しいか、又はこれら時間は所定時間範囲内になるように設けられている。なお、図5(a)はヘッド14の下面図であり、図5(b)はヘッド14を副走査方向Bに向かって見て示した正面図であ。
【0081】
また、上記実施形態では一つのヘッド4の各吐出口4bから吐出されるUVインクの色は全て同色であったが、一つのヘッドに設けられたそれぞれの吐出口から異なる色が吐出されても良い。例えば、図6に示されるヘッド24がヘッド4に代えてキャリッジ3又はキャリッジ13に設けられるが、このヘッド24では列ごとに吐出されるUVインクの色が分類されている。図6は、ヘッド24の下面図である。
【0082】
ヘッド24の下面には、ヘッド14の場合とほぼ同様に、複数の吐出口24b,24b,…が形成されている。そして、複数の吐出口24b,24b,…が副走査方向Bに一直線状に配列されてなる列が三列、ヘッド24の下面に配列されている。図6の左の列24cの各吐出口24bは、ヘッド24内部に延在する供給路24dに通じており、中央の列24eの各吐出口24bは、ヘッド24内部に延在する供給路24fに通じており、右の列24gの各吐出口24bは、ヘッド24内部に延在する供給路24hに通じている。そして、供給路24d、24f、24hはそれぞれインク色の異なる別々のインクタンク6に通じている。従って、左の列24cの各吐出口24bから吐出されるUVインクの色と、中央の列24eの各吐出口24bから吐出されるUVインクの色と、右の列24gの各吐出口24bから吐出されるUVインクの色とは、互いに異なっている。なお、ヘッド24の下面を構成するのは、ノズルプレート24aである。
【0083】
また、上記実施形態では図1に示したキャリッジ3又は図4に示したキャリッジ13が画像形成範囲を図1の左へ移動する際にも右へ移動する際にもインク滴が吐出されていたが、一方向の移動のみにインク滴が吐出されても良い。この場合、キャリッジ3又はキャリッジ13が左へ移動する際のみにインク滴が吐出される場合には、最も左のUV光源5を設けなくて良く、キャリッジ3又はキャリッジ13が右へ移動する際のみにインク滴が吐出される場合には、最も右のUV光源5を設けなくて良い。
【0084】
また、上記実施形態では図1に示したヘッド4、図5に示したヘッド14又は図6に示したヘッド24とUV光源5とがキャリッジ3に交互に主走査方向Aに配列されていたが、UV光源と吐出口の列がヘッドに主走査方向に交互に配列されていても良い。例えば、図7に示すヘッドがその例である。図7において、紙面奥行き方向が副走査方向Bである。
【0085】
図7(a)に示すヘッド34の下面には、左から順に、イエローのインク滴を吐出する吐出口34a,34aと、マゼンタのインク滴を吐出する吐出口34b,34bと、シアンのインク滴を吐出する吐出口34c,34cと、ブラックのインク滴を噴出する吐出口34d,34dが設けられている。吐出口34a,34b,34c,34dは複数、紙面の奥行き方向つまり副走査方向Bに列状となって配列されている。吐出口34aの列、吐出口34bの列、吐出口34cの列、吐出口34dの列は、それぞれ二列ある。
【0086】
また、ヘッド34の下面には、複数の凹部34e,34e,…が互いに等間隔になって形成されている。各凹部34eは、下面から見ると副走査方向Bに長尺となって、吐出口34a,34b,34c,34dの副走査方向Bの列より長くなっている。凹部34e,34e,…の間それぞれに、吐出口34aの列、吐出口34bの列、吐出口34cの列又は吐出口34dの列の何れかが配列されている。各凹部34e内には、紫外線を発するUV光源35が設けられている。UV光源35の長尺方向の長さは、吐出口34aの列の長さ、吐出口34bの列の長さ、吐出口34cの列の長さ、吐出口34dの列の長さとほぼ同等若しくは長くなっている。
【0087】
このヘッド34は、図1のキャリッジ3に設けられているか、或いは、図1のガイド部材2に沿って移動自在となってガイド部材2に取り付けられている。従い、ヘッド34は、主走査方向Aに往復移動するようになっている。
【0088】
図7(b)に示すヘッド44の下面には、左から順に、イエローのインク滴を吐出する吐出口44a,44aと、マゼンタのインク滴を吐出する吐出口44b,44bと、シアンのインク滴を吐出する吐出口44c,44cと、ブラックのインク滴を吐出する吐出口44d,44dが設けられている。吐出口44a,34b,44c,44dは複数、紙面の奥行き方向つまり副走査方向Bに列状となって配列されている。吐出口44aの列、吐出口44bの列、吐出口44cの列、吐出口44dの列は、それぞれ二列ある。
【0089】
このヘッド44は、図1のキャリッジ3に設けられているか、或いは、図1のガイド部材2に沿って移動自在となってガイド部材2に取り付けられている。従い、ヘッド44は、主走査方向Aに往復移動するようになっている。
【0090】
このヘッド44には、フレキシブルな光ファイバ束45,45,…が連結されている。各光ファイバ束45の一方の端45bは紫外線を発する発光部46に接続しており、各光ファイバ束45の他方の端45aはヘッド44の下面に至っている。各光ファイバ束45の他方の端45aは、下面から見ると副走査方向Bに長尺となって、吐出口44a,44b,44c,44dの副走査方向Bの列より長くなっている。各吐出口45の他方の端45aの間それぞれに、吐出口44aの列、吐出口44bの列、吐出口44cの列又は吐出口44dの列の何れかが配列されている。このヘッド44では、発光部46から発した紫外線が各光ファイバ束45を伝わって、記憶媒体99に吐出されたインク滴は各光ファイバ束45の他方の端45aからの紫外線に照射される。なお、この場合本発明にいう活性光線源とは、光ファイバ束45の一方の端45aである。
【0091】
〔第二の実施の形態〕
図8は、本発明が適用された第二実施形態のインクジェットプリンタ61の要部を示した下面図である。第二実施形態のインクジェットプリンタ61は、第一実施形態のインクジェットプリンタ1と同様に、プラテン15(図8では図示せず)と、インクタンク6,6,…(図8では図示せず)と、インク供給路(図8では図示せず)7と、変圧ポンプ8,8,…(図8では図示せず)と、搬送機構と、を備える。これらは、第一実施形態のインクジェットプリンタ1の場合と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0092】
第一実施形態のインクジェットプリンタ1と第二実施形態のインクジェットプリンタ61との間で異なる点は、図1、図2に示されたインクジェットプリンタ1がシリアル方式で画像を記録媒体99に形成するのに対して、図8に示されたインクジェットプリンタ61はラインヘッド方式で画像を記録媒体99に形成することである。
【0093】
詳細に説明すると、このインクジェットプリンタ61では、ガイド部材2及びキャリッジ3の代わりに基台(図示せず)が、プラテン15及び記録媒体99よりも上方に配設されており、この基台に複数のラインヘッド64,64,…が取り付けられている。
【0094】
ラインヘッド64は、副走査方向Bに対して直交する方向つまり記録媒体99の幅方向にわたって延在するように基台に取り付けられている。これらラインヘッド64,64,…は、互いに長手方向が平行となるように、副走査方向Bに配列されている。隣り合う二つのラインヘッド64,64の間隔は何れも等しくなっている。
【0095】
それぞれのラインヘッド64の下面は、下方のプラテン15及び記録媒体99に対向している。それぞれのラインヘッド64の下面には、インクを吐出するための複数の吐出口が副走査方向Bに直交する方向(つまり、主走査方向A)に一列に配列されて形成されている。つまり、ラインヘッド64,64,…が配列した配列方向に対して、ラインヘッド64の下面に配列した吐出口の配列方向が直交している。
【0096】
各ラインヘッド64は、変形により内部のインクに圧力を付与するピエゾ素子、内部のインクを膜沸騰させることにより内部のインクに圧力を付与する加熱素子、その他内部のインクに圧力を付与する素子を吐出口ごとに有し、これら素子の動作により各吐出口から個別にインクを液滴として吐出するように構成されている。一つのラインヘッド64からは、Y、M、C、K、LY、LM、LC、LKのうちの何れかの色のインクが吐出され、ラインヘッド64ごとに異なる色のインクが吐出される。図8において、ラインヘッド64に付されている英字は、吐出されるインクの色を表している。
【0097】
それぞれのラインヘッド64に対応してUV光源65が設けられている。詳細には、各UV光源65は、対応するラインヘッド64よりも副走査方向Bの下流側に配置されており、対応するラインヘッド64の下面よりも上方に配置されている。隣り合う二つのUV光源65,65の間隔は何れも等しくなっている。
また、ラインヘッド64,64,…及びUV光源65,65,…は交互となって副走査方向Bに配列されており、ラインヘッド64,64,…及びUV光源65,65,…の配列方向は副走査方向Bとなっている。また、隣り合うラインヘッド64とUV光源65との間隔は、何れも等しくなっている。
【0098】
ラインヘッド64,64,…及びUV光源65,65,…の配列の中で、副走査方向Bの最も上流にあるものはラインヘッド64であり、副走査方向Bの最も下流にあるものはUV光源65である。
【0099】
UV光源65は、副走査方向Bに対して直交する方向つまり主走査方向Aに沿った線状の光源とされており、記録媒体99の幅全体に延在するように基台に取り付けられている。このUV光源65は、LED、蛍光灯、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、高圧水銀スポットランプ、キセノンランプ等である。
【0100】
UV光源65,65,…は、第一実施形態のUV光源5,5,…と同様に、下方の開放した遮光カバー9,9,…によってそれぞれ覆われている。
【0101】
第二実施形態のインクジェットプリンタ61の動作について説明すると、搬送機構が記録媒体99を副走査方向Bに搬送している間に、それぞれのラインヘッド64がインクを吐出すると、記録媒体99に画像が記録される。記録媒体99に着弾したインク滴が記録媒体99の搬送に伴って副走査方向B下流側のUV光源65の下を通過している時に、UV光源65から発した紫外線が記録媒体99上のインクに入射する。これによって、記録媒体99に着弾したインク滴が硬化する。
【0102】
ここで、搬送機構は第一実施形態のように間欠的に記録媒体99を搬送するのではなく、連続的に記録媒体99を搬送する。搬送機構による記録媒体99の搬送速度は等速であるのが望ましい。また、各ラインヘッド64の吐出口から吐出されたインク滴が記録媒体99に着弾した時から、副走査方向Bの下流側にある隣りのUV光源65によって最初に照射されるまでの時間が、0.001秒〜0.4秒となるように、更に好ましくは0.005秒〜0.2秒となるように制御されている。この場合、ラインヘッド64とUV光源65が交互に等間隔に配列されているため、記録媒体99の搬送速度を制御することによって、着弾の時から照射の時までの時間を何れのラインヘッド64でも同じにするように制御することができる。
【0103】
以上のように、第二実施形態においても、記録媒体99が等速で搬送され、UV光源65とラインヘッド64の間隔は何れも等しいから、何れのラインヘッド64で吐出されてもインク滴が着弾してから紫外線に照射されるまでの時間は略一定になり、硬化に要する時間が一様である。従って、吐出されたインク滴は、どのラインヘッド64から吐出されても、その広がり具合、つまり、滲み具合が略同じとなる。従って、画像中のどの位置でも一様に高画質である。
【0104】
【発明の効果】
本発明によれば、複数のヘッドの各々と複数の活性光線源の各々とが交互に配列されているため、記録媒体に着弾したインク滴は、何れのヘッドの吐出口から吐出される場合も隣りの活性光線源からの活性光線にすぐに照射される。従って、何れのヘッドから吐出されたインク滴も記録媒体に着弾後所定の時間範囲内に活性光線に照射されて硬化が始まるため、インク滴は記録媒体上で広がらず、所謂滲みが防止される。また、インク滴が記録媒体に着弾してから活性光線で照射されるまでの時間が、複数のヘッド間でばらつきがなくなるため、記録媒体に着弾したインク滴は何れのヘッドから吐出されても広がり具合、滲み具合が同じである。よって、高画質の画像を得ることができ、画像中の何れの位置でも画質が均一である。
【0105】
また、複数の活性光線源の各々と複数のヘッドの各々とが交互に配列されているため、あるヘッドから吐出されたインク滴が記録媒体に着弾してからその隣りの活性光線源に照射されるまでの時間は、他のヘッドから吐出されたインク滴が記録媒体に着弾してからその隣りの活性光線源に照射されるまでの時間と略等しい。また、図9、10の従来に比較して、着弾したインク滴に対して活性光線の照射を受ける迄の時間が短くなるため、インク滴の滲みが減少する。従って、本発明は、更に高画質の画像を得られるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたシリアル方式のインクジェットプリンタの要部を示した斜視図である。
【図2】上記インクジェットプリンタに備わるキャリッジを概略的に示した下面図である。
【図3】上記キャリッジに備わる一つのヘッドとその両隣りに配置された光源を概略的に示した図面である。
【図4】上記キャリッジとは別例のキャリッジを概略的に示した下面図である。
【図5】上記ヘッドとは別例のヘッドを概略的に示した図面である。
【図6】上記ヘッドとは別例のヘッドを概略的に示した下面図である。
【図7】上記ヘッドとは別例のヘッドを概略的に示した正面図であり、図7(a)及び図7(b)においてヘッドの一部が破断して示されている。
【図8】本発明が適用されたラインヘッド方式のインクジェットプリンタの要部を示した下面図である。
【図9】従来のインクジェットプリンタの要部を示した平面図である。
【図10】上記従来のインクジェットプリンタとは別例のインクジェットプリンタの要部を示した平面図である。
【符号の説明】
1,61 インクジェットプリンタ
3,13 キャリッジ(移動体)
4,14,24,34,44 ヘッド(インク吐出ヘッド)
4a,14a,24a ノズルプレート
4b,14b,24b,34a,34b,34c,34d,44a,44b,44c,44d 吐出口
5,65 UV光源(活性光線源)
45a 光ファイバ束の他方の端(活性光線源)
99 記録媒体
64 ラインヘッド(ヘッド)
Claims (19)
- 活性光線の被照射により硬化する活性光線硬化性インクにより記録媒体に画像を形成するインクジェットプリンタにおいて、
前記活性光線硬化性インクをインク滴として前記記録媒体に向けて吐出するための複数の吐出口を各々有する複数のヘッドと、
前記記録媒体に着弾された前記活性光線硬化性インクを硬化させるための活性光線を、前記記録媒体に向けて照射するための複数の活性光線源と、を備え、
前記複数のヘッドの各々と前記複数の活性光線源の各々とが交互に配列されている
ことを特徴とするインクジェットプリンタ。 - 前記記録媒体に対して相対的に主走査方向に移動自在に設けられ、前記複数のヘッドの各々と前記複数の活性光線源の各々とを交互に搭載した移動体、を具備する
ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。 - 前記移動体は画像を形成する範囲において等速に移動するように設けられている
ことを特徴とする請求項2に記載のインクジェットプリンタ。 - 前記複数の吐出口が前記主走査方向に対して実質的に直角な方向に沿って列状に配列されている
ことを特徴とする請求項2又は3に記載のインクジェットプリンタ。 - 前記複数のヘッドの各々と、それらに隣接する前記複数の活性光線源の各々との間隔が何れも等しい
ことを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載のインクジェットプリンタ。 - 前記複数の活性光線源は隣り合う二つの活性光線源の間隔が何れも等しくなるように配列されており、
前記複数のヘッドは隣り合う二つのヘッドの間隔が何れも等しくなるように配列されている
ことを特徴とする請求項2から5の何れか一項に記載のインクジェットプリンタ。 - 前記移動体の移動中に、前記ヘッドが前記吐出口からインク滴を吐出し、且つ、前記活性光線源が活性光線を発するように制御される
ことを特徴とする請求項2から6の何れか一項に記載のインクジェットプリンタ。 - 前記複数のヘッドの各々と前記複数の活性光線源の各々とが前記記録媒体に対して相対的に副走査方向に交互に配設されている
ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。 - 前記複数の吐出口が前記副走査方向に対して実質的に直角な方向に沿って列状に配列されている
ことを特徴とする請求項8に記載のインクジェットプリンタ。 - 前記複数のヘッドの各々と、それらに隣接する前記複数の活性光線源の各々との間隔が何れも等しい
ことを特徴とする請求項8又は9に記載のインクジェットプリンタ。 - 前記複数の活性光線源は隣り合う二つの活性光線源の間隔が何れも等しくなるように配列されており、
前記複数のヘッドは隣り合う二つのヘッドの間隔が何れも等しくなるように配列されている
ことを特徴とする請求項8から10の何れか一項に記載のインクジェットプリンタ。 - ヘッドから吐出されたインク滴が前記記録媒体に着弾してから活性光線源の活性光線に最初に照射されるまでの時間が、何れのヘッドから吐出される場合でも所定時間範囲内になるように構成された
ことを特徴とする請求項1から11の何れか一項に記載のインクジェットプリンタ。 - 前記複数のヘッドがフルカラー画像を形成するためのヘッドである
ことを特徴とする請求項1から12の何れか一項に記載のインクジェットプリンタ。 - 活性光線の被照射により硬化する活性光線硬化性インクにより記録媒体に画像を形成するインクジェットプリンタにおいて、
前記記録媒体に対して相対的に主走査方向に往復移動する移動体と、
前記移動体に設けられ、前記記録媒体に向けて活性光線を照射する活性光線源と、
前記主走査方向における前記活性光線源の両脇に列状に配列され、前記活性光線硬化性インクを前記記録媒体に向けてインク滴として吐出する複数の吐出口と、を備える
ことを特徴とするインクジェットプリンタ。 - 前記記録媒体を副走査方向に搬送するための搬送機構を有することを特徴とする請求項1から14の何れか一項に記載のインクジェットプリンタ。
- 活性光線の被照射により硬化する活性光線硬化性インクをインク滴として吐出し、複数列に配列された複数の吐出口と、
前記吐出口の列の間に設けられた活性光線源と、を備える
ことを特徴とするインク吐出ヘッドユニット。 - 活性光線の被照射により硬化する活性光線硬化性インクを複数の吐出口からインク滴として記録媒体に吐出する吐出工程と、
前記吐出工程後に、前記記録媒体に着弾したインク滴を活性光線で照射する照射工程と、を含み、
前記吐出工程において前記記録媒体にインク滴が着弾してから前記照射工程において前記記録媒体に着弾したインク滴が活性光線に照射されるまでの時間が、何れの吐出口から吐出されるインク滴においても略等しい
ことを特徴とする画像形成方法。 - 前記吐出工程において前記記録媒体にインク滴が着弾してから前記照射工程において前記記録媒体に着弾したインク滴が活性光線に照射されるまでの時間が何れの吐出口から吐出されるインク滴においても0.001秒〜0.4秒となるように制御する
ことを特徴とする請求項17に記載の画像形成方法。 - 前記吐出工程において前記記録媒体にインク滴が着弾してから前記照射工程において前記記録媒体に着弾したインク滴が活性光線に照射されるまでの時間が何れの吐出口から吐出されるインク滴においても0.005秒〜0.2秒となるように制御する
ことを特徴とする請求項18に記載の画像形成方法。
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