WO2006059462A1 - インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents

Abstract

　光を照射することによって硬化する光硬化型インクを記録媒体Ｐ上に吐出する記録ヘッド６と、吐出されたインクに紫外線を照射する紫外線照射装置と、記録ヘッド６を記録媒体Ｐの搬送方向Ｘと直交する方向に往復走査させるキャリッジ駆動機構１１と、記録ヘッド７を複数回往復走査させることによって１つのバンドを形成するようにキャリッジ駆動機構１１を制御するとともに１つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走査において、記録ヘッド６から吐出されるインク吐出量を少なくするように記録ヘッド６を制御する制御部８とを備えた。

Description

明 細 書

インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置

技術分野

[0001] 本発明は、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置に係り、特に、シリア ルプリント方式で画像記録を行うインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 に関するものである。

背景技術

[0002] 一般に、少量多品種の需要に対して臨機応変に対応できるインクジェット記録装置 として、従来よりインクジェット方式の記録装置（以下「インクジェット記録装置」と称す る。）が知られている。インクジェット記録装置は、記録ヘッドの記録媒体に対向する 面に設けられたノズルからインクを吐出して記録媒体上に着弾、定着させることにより 記録媒体に画像を記録するものであり、従来のグラビア印刷方式やフレキソ印刷方 式による画像記録手段と異なって製版工程を必要としないため少量の需要にも簡易 かつ迅速に対応することができるという特徴を有している。また、騒音が少なく多色の インクを用いることによってカラーでの画像記録も容易に行うことができるという長所が ある。

[0003] さらに近年は、様々な記録媒体に対応可能なインクジェット記録装置として、光硬 化型インクを用いたインクジェット記録装置が知られている（例えば、特許文献 1参照

)。これは、紫外線等の光に対して所定の感度を有する光開始剤が含有された光硬 化型インクを用レ、、記録媒体上に着弾したインクに光を照射することで、インクを硬化 させ記録媒体上に定着させるものである。このような光硬化型インクを用いたインクジ ヱット記録装置は、インク着弾後、光を照射することによりインクが瞬時に硬化するた め、記録媒体へのインクの浸透や滲みが少なぐ普通紙はもとより、インク受容層を持 たずインク吸収性の全くないプラスチックや金属等の記録媒体に対しても画像記録を 行うことが可能である。

[0004] ところで、このようなインクジェット記録装置のうち、記録ヘッドを主走査方向に往復 走査させるとともに、記録媒体を主走査方向に直交する搬送方向に間欠搬送させな がら、各記録ヘッドからインクを吐出させて、画像を形成するシリアルプリント方式のィ ンクジェット記録装置においては、記録ヘッドの往路と復路とで、主走査方向におけ る記録画像の色調や光沢感に差異が生じるという問題がある。

[0005] これは、記録ヘッドの往路と復路とでは記録媒体に対して吐出されるインクの色の 順番が異なるために、先に記録媒体上に着弾したインクの浸透具合やインクの濡れ 性、硬化の度合い等により、後から着弾したインクのドット径の拡がり具合やドットの繋 力 Sり具合等が異なることに起因する。そして、このようなインクのドット径の拡がり具合 やドットの繋がり具合等は、光照射による硬化のタイミングの違いや照射される光の 強度等に左右される。

[0006] このような主走查方向における記録画像の色調や光沢感の差異を解消するため、 従来、複数色のインクを吐出する記録ヘッドを主走查方向に対して対称となるように 二組配置し、主走查方向における往路、復路いずれの場合においてもインクの重な り具合に差異が生じないようにする技術が知られている（例えば、特許文献 2参照）。

[0007] また、水系インクを用いて画像記録を行うインクジェット記録装置において、インクの 吐出量を調整する技術も知られている (例えば、特許文献 3参照)。

[0008] し力しながら、特許文献 2に記載されている技術は、記録ヘッドを従来の 2倍搭載し なければならないため、装置の大型化、重量ィ匕を招くこととなる。

[0009] また、特許文献 3に記載されている技術は、記録媒体に浸透する水系のインクを用 レ、る場合において、インクの浸透度合いに応じてインク吐出量を調整するものであり 、殆ど記録媒体に浸透せず、インクのドット径の拡がり具合やドットの繋がり具合等が 光照射による硬化のタイミングの違いや照射される光の強度等に左右される光硬化 型インクには対応していない。

特許文献 1：特開 2001— 310454号公報

特許文献 2：特許 3248704号公報

特許文献 3 :特開 2003— 25613号公報

発明の開示

[0010] そこで、本発明は以上のような課題を解決すべくなされたものであり、主走査方向 における各バンドごとの色調や光沢感の差異の発生を防止して、高精細な画像記録 を行うことのできるインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置を提供すること を目的とするものである。

[0011] 上記目的を達成するための、本発明の一つの態様として次のものがあげられる。

[0012] 記録ヘッドを記録媒体の搬送方向と直交する方向に往復走查させながら、光を照 射することによって硬化する光硬化型インクを前記記録ヘッドから前記記録媒体上に 吐出し、吐出された前記インクに光を照射することによって画像を記録するインクジェ ット記録方法であって、前記記録ヘッドを複数回往復走査させることによって 1つのバ ンドを形成するように記録を行う際に、 1つのバンドを形成するために必要な往復走 查の最後の走查時に前記記録ヘッドから少ない量のインクを吐出させることを特徴と するインクジェット記録方法。

[0013] および、光を照射することによって硬化する光硬化型インクを記録媒体上に吐出す る記録ヘッドと、吐出された前記イン外こ光を照射する光源を備える光照射装置と、 前記記録ヘッドを前記記録媒体の搬送方向と直交する方向に往復走査させるヘッド 走査手段と、前記記録ヘッドを複数回往復走査させることによって 1つのバンドを形 成するように前記ヘッド走査手段を走査し記録を行う際に、 1つのバンドを形成する ために必要な往復走査の最後の走査時に前記記録ヘッドから吐出されるインク吐出 量を少なくするように前記記録ヘッドを制御する制御部とを備えたことを特徴とするィ ンクジェット記録装置。

図面の簡単な説明

[0014] [図 1]本発明に係るインクジェット記録装置の第一実施形態の要部構成を示した上面 図である。

[図 2]本実施の形態に係るインクジェット記録装置の第一実施形態の制御構成の概 略を示した要部ブロック図である。

[図 3]各バンドの画像形成を行う記録ヘッドの対応箇所を示した図である。

[図 4]図 4 (a)は、ヘッド解像度と画像解像度が同じである場合に 3回の主走査で 1バ ンドの画像記録を行う場合のドットマトリックスである。図 4 (b)は、画像解像度がヘッド 解像度の 2倍である場合に 6回の主走査で 1バンドの画像記録を行う場合のドットマト リックスである。 [図 5]インクドット径と照射タイミングとの関係をインクの硬化状態別に示したグラフで ある。

[図 6]インクドット径と照射タイミングとの関係を記録媒体別に示したグラフである。 符号の説明

[0015] 1 インクジェット記録装置

6 記録ヘッド'

7 紫外線照射装置

8 制御部

9 記憶部

P 記録媒体

A 主走査往路方向

B 主走査復路方向

X 搬送方向

発明を実施するための最良の形態

[0016] 本発明の上記目的は、以下の構成によって達成される。

[0017] (1)記録ヘッドを記録媒体の搬送方向と直交する方向に往復走查させながら、光を 照射することによって硬化する光硬化型インクを前記記録ヘッドから前記記録媒体上 に吐出し、吐出された前記インクに光を照射することによって画像を記録するインクジ エツト記録方法であって、前記記録ヘッドを複数回往復走査させることによって 1つの バンドを形成するように記録を行う際に、 1つのバンドを形成するために必要な往復 走査の最後の走査時に前記記録ヘッドから少ない量のインクを吐出させることを特徴 とするインクジェット記録方法。

[0018] (2) 1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後から 2番目の走査時に前 記記録ヘッドから少なレ、量のインクを吐出させることを特徴とする項 1に記載のインク ジェット記録方法。

[0019] (3)光を照射することによって硬化する光硬化型インクを記録媒体上に吐出する記 録ヘッドと、吐出された前記インクに光を照射する光源を備える光照射装置と、前記 記録ヘッドを前記記録媒体の搬送方向と直交する方向に往復走査させるヘッド走查 手段と、

前記記録ヘッドを複数回往復走査させることによって 1つのバンドを形成するように 前記ヘッド走査手段を走査し記録を行う際に、 1つのバンドを形成するために必要な 往復走査の最後の走查時に前記記録ヘッドから吐出されるインク吐出量を少なくす るように前記記録ヘッドを制御する制御部とを備えたことを特徴とするインクジェット記 録装置。

[0020] (4)前記制御部は、 1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後から 2番 目の走查時に前記記録ヘッドから吐出されるインク吐出量を少なくするように前記記 録ヘッドを制御することを特徴とする項 3に記載のインクジェット記録装置。

[0021] (5)前記制御部は、 1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走查 時に前記記録ヘッドから吐出されるインク吐出量は、記録媒体に着弾した際のドット 径が隣接して着弾するインクドットとのドット間距離の 1/2以下あるいはドット間距離以 上となるように前記記録ヘッドを制御することを特徴とする項 3に記載のインクジェット 記録装置。

[0022] (6)前記記録ヘッドを複数配置し、前記制御部は、前記記録ヘッドと前記光照射装 置との距離に応じて、 1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走査 時に前記記録ヘッドから吐出されるインク吐出量を決定することを特徴とする項 3又 は項 5に記載のインクジェット記録装置。

[0023] (7)前記記録ヘッドは、各色のインクごとに複数配置され、前記制御部は、インクの 種類に応じて、 1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走査時に前 記記録ヘッドから吐出されるインク吐出量を決定することを特徴とする項 3、項 5又は 項 6のいずれか一項に記載のインクジヱット記録装置。

[0024] (8)前記制御部は、前記記録媒体の種類に応じて、 1つのバンドを形成するために 必要な往復走査の最後の走查時に前記記録ヘッドから吐出されるインク吐出量を決 定することを特徴とする項 3、項 5から項 7のいずれか一項に記載のインクジェット記 録装置。

[0025] (9)前記制御部は、画像記録時の画像記録速度に応じて、 1つのバンドを形成する ために必要な往復走査の最後の走查時に前記記録ヘッドから吐出されるインク吐出 量を決定することを特徴とする項 3、項 5から項 8のいずれか一項に記載のインクジェ ット記録装置。

[0026] (10)前記光照射装置から照射される光の照射強度を測定する照射強度測定手段 を備え、前記制御部は、前記照射強度測定手段によって測定された前記照射強度 に応じて、 1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走查時に前記記 録ヘッドから吐出されるインク吐出量を決定することを特徴とする項 3、項 5から項 9の いずれか一項に記載のインクジェット記録装置。

[0027] (11)前記記録ヘッドの周囲の温度又は湿度のうち少なくとも何れか一方を測定す る温湿度測定手段を備え、前記制御部は、前記温湿度測定手段によって測定され た前記記録ヘッドの周囲の温度又は湿度のうち少なくとも何れか一方に応じて、 1つ のバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走查時に前記記録ヘッドから吐 出されるインク吐出量を決定することを特徴とする項 3、項 5から項 10のいずれか一 項に記載のインクジェット記録装置。

[0028] (12)前記制御部は、記録される画像の所望の画質に応じて、 1つのバンドを形成 するために必要な往復走査の最後の走査時に前記記録ヘッドから吐出されるインク 吐出量を決定することを特徴とする項 3、項 5から項 11のいずれか一項に記載のイン クジェット記録装置。

[0029] (13)前記制御部は、 1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走査 及び最後から 2番目の走査のうち少なくともいずれか一方の走査時に前記記録へッ ドから吐出されるインク吐出量は、記録媒体に着弾した際のドット径が隣接して着弾 するインクドットとのドット間距離の 1/2以下あるいはドット間距離以上となるように前記 記録ヘッドを制御することを特徴とする項 4に記載のインクジェット記録装置。

[0030] (14)前記記録ヘッドを複数配置し、前記制御部は、前記記録ヘッドと前記光照射 装置との距離に応じて、 1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走 查及び最後から 2番目の走査のうち少なくともいずれか一方の走查時に前記記録へ ッドから吐出されるインク吐出量を決定することを特徴とする項 4又は項 13に記載の インクジェット記録装置。

[0031] (15)前記記録ヘッドは、各色のインクごとに複数配置され、前記制御部は、インク の種類に応じて、 1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走査及び 最後から 2番目の走査のうち少なくともいずれか一方の走査時に前記記録ヘッドから 吐出されるインク吐出量を決定することを特徴とする項 4、項 13又は項 14のいずれか 一項に記載のインクジェット記録装置。

[0032] (16)前記制御部は、前記記録媒体の種類に応じて、 1つのバンドを形成するため に必要な往復走査の最後の走查及び最後から 2番目の走査のうち少なくともいずれ か一方の走查時に前記記録ヘッドから吐出されるインク吐出量を決定することを特徴 とする項 4、項 13から項 15のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。

[0033] (17)前記制御部は、画像記録時の画像記録速度に応じて、 1つのバンドを形成す るために必要な往復走査の最後の走查及び最後から 2番目の走査のうち少なくとも いずれか一方の走查時に、前記記録ヘッドから吐出されるインク吐出量を決定するこ とを特徴とする項 4、項 13から項 16のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置

[0034] (18)前記光照射装置から照射される光の照射強度を測定する照射強度測定手段 を備え、前記制御部は、前記照射強度測定手段によって測定された前記照射強度 に応じて、 1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走査及び最後か ら 2番目の走査のうち少なくともいずれか一方の走査時に前記記録ヘッドから吐出さ れるインク吐出量を決定することを特徴とする項 4、項 13から項 17のいずれか一項に 記載のインクジェット記録装置。

[0035] (19)前記記録ヘッドの周囲の温度又は湿度のうち少なくとも何れか一方を測定す る温湿度測定手段を備え、前記制御部は、前記温湿度測定手段によって測定され た前記記録ヘッドの周囲の温度又は湿度のうち少なくとも何れか一方に応じて、 1つ のバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走查及び最後から 2番目の走 查のうち少なくともいずれか一方の走查時に前記記録ヘッドから吐出されるインク吐 出量を決定することを特徴とする項 4、項 13から項 18のいずれか一項に記載のイン クジェット記録装置。

[0036] (20)前記制御部は、記録される画像の所望の画質に応じて、 1つのバンドを形成 するために必要な往復走査の最後の走查及び最後から 2番目の走査のうち少なくと もいずれか一方の走査時に前記記録ヘッドから吐出されるインク吐出量を決定する ことを特徴とする項 4、項 13から項 19のいずれか一項に記載のインクジェット記録装 置。

[0037] 次に、上記課題を解決する手段について詳しく説明する。

[0038] 上記課題を解決するため、項 1に記載の方法は、記録ヘッドを記録媒体の搬送方 向と直交する方向に往復走查させながら、光を照射することによって硬化する光硬化 型インクを前記記録ヘッドから記録媒体上に吐出し、吐出された前記インクに光を照 射することによって画像を記録するインクジェット記録方法であって、前記記録ヘッド を複数回往復走査させることによって 1つのバンドを形成するように記録を行う際に、 1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走查時に前記記録ヘッドか ら少なレ、量のインクを吐出させることを特徴としてレ、る。

[0039] ここで、インク吐出量を少なくすることは、吐出口からの吐出量を減らす方法と吐出 する吐出口をランダムに間引く方法があり、本方法ではその両方の場合を含む。

[0040] このような構成を有する項 1に記載の方法においては、記録ヘッドを記録媒体の搬 送方向と直行する方向に往復走査させながら、記録ヘッドから光硬化型インクを吐出 し、吐出されたインクに光を照射することによって画像記録を行レ、、記録ヘッドを複数 回往復走査させることによって 1つのバンドを形成するようになっており、 1つのバンド を形成するために必要な往復走査のうち、最後の走査時に、記録ヘッドから吐出され るインク吐出量を少なくするようになつている。

[0041] また、項 2に記載の方法は、項 1に記載のインクジェット記録方法において、 1つの バンドを形成するために必要な往復走査の最後から 2番目の走査時に前記記録へッ ドから少ない量のインクを吐出させることを特徴としている。

[0042] したがって、項 2に記載の方法では、 1つのバンドを形成するために必要な往復走 查のうち、最後から 2番目の走查時に、記録ヘッドから吐出されるインク吐出量を少な くするようになっている。

[0043] 項 3に記載の装置は、光を照射することによって硬化する光硬化型インクを記録媒 体上に吐出する記録ヘッドと、吐出された前記インクに光を照射する光源を備える光 照射装置と、前記記録ヘッドを前記記録媒体の搬送方向と直交する方向に往復走 查させるヘッド走査手段と、前記記録ヘッドを複数回往復走査させることによって 1つ のバンドを形成するように前記ヘッド走査手段を走査し記録を行う際に、 1つのバンド を形成するために必要な往復走査の最後の走査時に前記記録ヘッドから吐出される インク吐出量を少なくするように前記記録ヘッドを制御する制御部とを備えたことを特 徴としている。

[0044] このような構成を有する項 3に記載の装置においては、記録ヘッドを記録媒体の搬 送方向と直行する方向に往復走查させながら、記録ヘッドから光硬化型インクを吐出 し、吐出されたインクに光照射装置により光を照射することによって画像記録を行い、 記録ヘッドを複数回往復走査させることによって 1つのバンドを形成するようになって おり、制御部は、 1つのバンドを形成するために必要な往復走査のうち、最後の走查 時に記録ヘッドから吐出されるインク吐出量を少なくするようになつている。

[0045] また、項 4に記載の装置は、項 3に記載のインクジェット記録装置において、前記制 御部は、 1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後から 2番目の走査時 に前記記録ヘッドから吐出されるインク吐出量を少なくするように前記記録ヘッドを制 ί卸することを特 ί数としてレ、る。

[0046] したがって、項 4に記載の装置では、 1つのバンドを形成するために必要な往復走 查のうち、最後から 2番目の走査時に記録ヘッドから吐出されるインク吐出量を少なく するようになつている。

[0047] 先に記述したように、インク吐出量を少なくすることは、吐出口からの吐出量を減ら す方法と吐出する吐出口をランダムに間引く方法がある。次にそれぞれの方法使用 時における、着弾したインクドット径について説明する。

[0048] さらに、項 5に記載の装置は、項 3に記載のインクジェット記録装置において、吐出 口からの吐出量を減らす方法の使用時に、前記制御部は、 1つのバンドを形成する ために必要な往復走査の最後の走查時に前記記録ヘッドから吐出されるインク吐出 量は、記録媒体に着弾した際のドット径が隣接して着弾するインクドットとのドット間距 離の 1/2以下となるように前記記録ヘッドを制御することを特徴としている。

[0049] このように、項 5に記載の装置は、 1つのバンドを形成するために必要な往復走査の 最後の走查時に記録ヘッドから吐出されるインク吐出量が、記録媒体に着弾した際 のドット径が隣接して着弾するインクドットとのドット間距離の 1/2以下となるように制御 部が記録ヘッドを制御するので、インクドットが記録媒体上で互いに結合しないように なっている。

[0050] さらに、項 5に記載の装置は、項 3に記載のインクジェット記録装置において、吐出 する吐出口をランダムに間引く方法の使用時に、前記制御部は、 1つのバンドを形成 するために必要な往復走査の最後の走查において前記記録ヘッドから吐出されるィ ンク吐出量は、記録媒体に着弾した際のドット径が隣接して着弾するインクドットとの ドット間距離以上なるように前記記録ヘッドを制御することを特徴としている。

[0051] このように、項 5に記載の装置は、 1つのバンドを形成するために必要な往復走査の 最後の走查において記録ヘッドから吐出されるインク吐出量が、記録媒体に着弾し た際のドット径が隣接して着弾するインクドットとのドット間距離以上となるように制御 部が記録ヘッドを制御するので、インクドットが記録媒体上で互いに結合するようにな つている。

[0052] さらに、項 6に記載の装置は、項 3又は項 5に記載のインクジェット記録装置におい て、前記記録ヘッドを複数配置し、前記制御部は、前記記録ヘッドと前記光照射装 置との距離に応じて、 1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走査 時に前記記録ヘッドから吐出されるインク吐出量を決定することを特徴としている。

[0053] ここで、インク吐出量を決定することは、吐出口からの吐出量を決定する方法と吐出 する吐出口をランダムに間引く間引き率を決定する方法があり、本装置ではその両 方の場合を含む。

[0054] したがって、項 6に記載の装置によれば、記録ヘッドが複数配置されている場合に 、記録ヘッドと光照射装置との距離に応じて、 1つのバンドを形成するために必要な 往復走査の最後の走查時に記録ヘッドから吐出されるインク吐出量を制御部が決定 するようになつている。

[0055] また、項 7に記載の装置は、項 3、項 5又は項 6のいずれか一項に記載のインクジヱ ット記録装置において、前記記録ヘッドは、各色のインクごとに複数配置され、前記 制御部は、インクの種類に応じて、 1つのバンドを形成するために必要な往復走査の 最後の走查時に前記記録ヘッドから吐出されるインク吐出量を決定することを特徴と している。

[0056] このように、項 7に記載の装置によれば、記録ヘッドが各色のインクごとに複数配置 されている場合に、インクの種類に応じて、 1つのバンドを形成するために必要な往 復走査の最後の走查時に記録ヘッドから吐出されるインク吐出量を制御部が決定す るようになっている。

[0057] さらに、項 8に記載の装置は、項 3、項 5から項 7のいずれか一項に記載のインクジ エツト記録装置において、前記制御部は、前記記録媒体の種類に応じて、 1つのバン ドを形成するために必要な往復走査の最後の走查時に前記記録ヘッドから吐出され るインク吐出量を決定することを特徴としてレ、る。

[0058] このように、項 8に記載の装置は、 1つのバンドを形成するために必要な往復走査の 最後の走查時に記録ヘッドから吐出されるインク吐出量を、記録媒体の種類に応じ て、制御部が決定するようになっている。

[0059] さらに、項 9に記載の装置は、項 3、項 5から項 8のいずれか一項に記載のインクジ エツト記録装置において、前記制御部は、画像記録時の画像記録速度に応じて、 1 つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走査時に前記記録ヘッドから 吐出されるインク吐出量を決定することを特徴としてレ、る。

[0060] このように、項 9に記載の装置は、 1つのバンドを形成するために必要な往復走査の 最後の走査時に前記記録ヘッドから吐出されるインク吐出量を、画像記録時の画像 記録速度に応じて、制御部が決定するようになっている。

[0061] 項 10に記載されている装置は、項 3、項 5から項 9のいずれか一項に記載のインク ジェット記録装置において、前記光照射装置から照射される光の照射強度を測定す る照射強度測定手段を備え、前記制御部は、前記照射強度測定手段によって測定 された前記照射強度に応じて、 1つのバンドを形成するために必要な往復走查の最 後の走查時に前記記録ヘッドから吐出されるインク吐出量を決定することを特徴とし ている。

[0062] このような構成を有する項 10に記載の装置は、照射強度測定手段によって照射強 度を測定し、 1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走查時に記録 ヘッドから吐出されるインク吐出量を、測定結果に応じて、制御部が決定するようにな つている。

[0063] 項 11に記載されている装置は、項 3、項 5から項 10のいずれか一項に記載のインク ジェット記録装置において、前記記録ヘッドの周囲の温度又は湿度のうち少なくとも 何れか一方を測定する温湿度測定手段を備え、前記制御部は、前記温湿度測定手 段によって測定された前記記録ヘッドの周囲の温度又は湿度のうち少なくとも何れか 一方に応じて、 1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走查時に前 記記録ヘッドから吐出されるインク吐出量を決定することを特徴としている。

[0064] このような構成を有する項 11に記載の装置は、温湿度測定手段によって記録へッ ドの周囲の温度又は湿度のうち少なくとも何れか一方を測定し、 1つのバンドを形成 するために必要な往復走査の最後の走查時に記録ヘッドから吐出されるインク吐出 量を、温湿度測定手段による測定結果に応じて、制御部が決定するようになっている

[0065] 項 12に記載されている装置は、項 3、項 5から項 11のいずれか一項に記載のインク ジェット記録装置において、前記制御部は、記録される画像の所望の画質に応じて、 1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走査時に前記記録ヘッドか ら吐出されるインク吐出量を決定することを特徴としている。

[0066] このような構成を有する項 12に記載の装置は、 1つのバンドを形成するために必要 な往復走査のうち、最後の走査おいて、前記記録ヘッドから吐出されるインク吐出量 を、選択設定手段によって選択された所望の画質に応じて、制御部が決定するよう になっている。

[0067] さらに、項 13に記載の装置は、項 4に記載のインクジェット記録装置において、吐 出口からの吐出量を減らす方法の使用時に、前記制御部は、 1つのバンドを形成す るために必要な往復走査の最後の走查及び最後から 2番目の走査のうち少なくとも いずれか一方の走查時に前記記録ヘッドから吐出されるインク吐出量は、記録媒体 に着弾した際のドット径が隣接して着弾するインクドットとのドット間距離の 1/2以下と なるように前記記録ヘッドを制御することを特徴としてレ、る。

[0068] このように、項 13に記載の装置は、 1つのバンドを形成するために必要な往復走查 の最後の走查及び最後から 2番目の走査のうち少なくともいずれか一方の走查時に 記録ヘッドから吐出されるインク吐出量が、記録媒体に着弾した際のドット径が隣接 して着弾するインクドットとのドット間距離の 1/2以下となるように制御部が記録ヘッド を制御するので、インクドットが記録媒体上で互いに結合しなレ、ようになってレ、る。

[0069] さらに、項 13に記載の装置は、項 4に記載のインクジェット記録装置において、吐 出する吐出口をランダムに間引く方法の使用時に、前記制御部は、 1つのバンドを形 成するために必要な往復走査の最後の走查及び最後から 2番目の走査のうち少なく ともいずれか一方の走查において前記記録ヘッドから吐出されるインク吐出量は、記 録媒体に着弾した際のドット径が隣接して着弾するインクドットとのドット間距離以上と なるように前記記録ヘッドを制御することを特徴としてレ、る。

[0070] このように、項 13に記載の装置は、 1つのバンドを形成するために必要な往復走查 の最後の走查及び最後から 2番目の走査のうち少なくともいずれか一方の走查にお いて記録ヘッドから吐出されるインク吐出量力 記録媒体に着弾した際のドット径が 隣接して着弾するインクドットとのドット間距離以上となるように制御部が記録ヘッドを 制御するので、インクドットが記録媒体上で互いに結合するようになっている。

[0071] さらに、項 14に記載の装置は、項 4又は項 13に記載のインクジェット記録装置にお いて、前記記録ヘッドを複数配置し、前記制御部は、前記記録ヘッドと前記光照射 装置との距離に応じて、 1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走 查及び最後から 2番目の走査のうち少なくともいずれか一方の走査時に前記記録へ ッドから吐出されるインク吐出量を決定することを特徴としている。

[0072] したがって、項 14に記載の装置によれば、記録ヘッドが複数配置されている場合 に、記録ヘッドと光照射装置との距離に応じて、 1つのバンドを形成するために必要 な往復走査の最後の走查及び最後から 2番目の走査のうち少なくともいずれか一方 の走查時に記録ヘッドから吐出されるインク吐出量を制御部が決定するようになって いる。

[0073] また、項 15に記載の装置は、項 4、項 13又は項 14のいずれか一項に記載のインク ジェット記録装置において、前記記録ヘッドは、各色のインクごとに複数配置され、前 記制御部は、インクの種類に応じて、 1つのバンドを形成するために必要な往復走查 の最後の走查及び最後から 2番目の走査のうち少なくともいずれか一方の走查時に 前記記録ヘッドから吐出されるインク吐出量を決定することを特徴としている。

[0074] このように、項 15に記載の装置によれば、記録ヘッドが各色のインクごとに複数配 置されている場合に、インクの種類に応じて、 1つのバンドを形成するために必要な 往復走査の最後の走查及び最後から 2番目の走査のうち少なくともいずれか一方の 走查時に記録ヘッドから吐出されるインク吐出量を制御部が決定するようになってい る。

[0075] さらに、項 16に記載の装置は、項 4、項 13から項 15のいずれか一項に記載のイン クジェット記録装置において、前記制御部は、前記記録媒体の種類に応じて、 1つの バンドを形成するために必要な往復走査の最後の走查及び最後から 2番目の走查 のうち少なくともいずれか一方の走查時に前記記録ヘッドから吐出されるインク吐出 量を決定することを特徴としてレヽる。

[0076] このように、項 16に記載の装置は、 1つのバンドを形成するために必要な往復走查 の最後の走査及び最後から 2番目の走査のうち少なくともいずれか一方の走査時に 記録ヘッドから吐出されるインク吐出量を、記録媒体の種類に応じて、制御部が決定 するようになつている。

[0077] さらに、項 17に記載の装置は、項 4、項 13から項 16のいずれか一項に記載のイン クジェット記録装置において、前記制御部は、画像記録時の画像記録速度に応じて 、 1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走査及び最後から 2番目 の走査のうち少なくともいずれか一方の走査時に、前記記録ヘッドから吐出されるィ ンク吐出量を決定することを特徴としてレ、る。

[0078] このように、項 17に記載の装置は、 1つのバンドを形成するために必要な往復走査 の最後の走查及び最後から 2番目の走査のうち少なくともいずれか一方の走查時に 前記記録ヘッドから吐出されるインク吐出量を、画像記録時の画像記録速度に応じ て、制御部が決定するようになっている。

[0079] 項 18に記載されている装置は、項 4、項 13から項 17のいずれか一項に記載のイン クジェット記録装置において、前記光照射装置から照射される光の照射強度を測定 する照射強度測定手段を備え、前記制御部は、前記照射強度測定手段によって測 定された前記照射強度に応じて、 1つのバンドを形成するために必要な往復走査の 最後の走査及び最後から 2番目の走査のうち少なくともいずれか一方の走査時に前 記記録ヘッドから吐出されるインク吐出量を決定することを特徴としている。

[0080] このような構成を有する項 18に記載の装置は、照射強度測定手段によって照射強 度を測定し、 1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走查及び最後 力 2番目の走査のうち少なくともいずれか一方の走查時に記録ヘッドから吐出され るインク吐出量を、測定結果に応じて、制御部が決定するようになっている。

[0081] 項 19に記載されている装置は、項 4、項 13から項 18のいずれか一項に記載のイン クジェット記録装置において、前記記録ヘッドの周囲の温度又は湿度のうち少なくと も何れか一方を測定する温湿度測定手段を備え、前記制御部は、前記温湿度測定 手段によって測定された前記記録ヘッドの周囲の温度又は湿度のうち少なくとも何れ か一方に応じて、 1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走查及び 最後から 2番目の走査のうち少なくともいずれか一方の走查時に前記記録ヘッドから 吐出されるインク吐出量を決定することを特徴としてレ、る。

[0082] このような構成を有する項 19に記載の装置は、温湿度測定手段によって記録へッ ドの周囲の温度又は湿度のうち少なくとも何れか一方を測定し、 1つのバンドを形成 するために必要な往復走査の最後の走査及び最後から 2番目の走査のうち少なくと もいずれか一方の走査時に記録ヘッドから吐出されるインク吐出量を、温湿度測定 手段による測定結果に応じて、制御部が決定するようになっている。

[0083] 項 20に記載されている装置は、項 4、項 13から項 19のいずれか一項に記載のイン クジェット記録装置において、前記制御部は、記録される画像の所望の画質に応じて 、 1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走査及び最後から 2番目 の走査のうち少なくともいずれか一方の走查時に前記記録ヘッドから吐出されるイン ク吐出量を決定することを特徴としている。

[0084] このような構成を有する項 20に記載の装置は、 1つのバンドを形成するために必要 な往復走査のうち、最後の走查及び最後から 2番目の走査のうち少なくともいずれか 一方時に、前記記録ヘッドから吐出されるインク吐出量を、選択設定手段によって選 択された所望の画質に応じて、制御部が決定するようになっている。

[0085] 次に本発明の効果について述べる。 [0086] 各バンドの最後の走査時に吐出するインクの吐出量は、記録画像を視認した場合 に最も画質に影響を及ぼすものである力 項 1に記載された方法によれば、この最後 の走査時に吐出するインクの吐出量を他の走査時に吐出するインクの吐出量に比べ て少なくしている。すなわち吐出ロカもの吐出量を減らす、あるいは吐出する吐出口 をランダムに間引いている。このため、吐出されたインクの記録媒体上での結合が起 こり難ぐ主走査方向に移動する記録ヘッドの往路と復路とで、記録画像の色調や光 沢感に差異が生じることを防止して、高精細な画像記録を行うことができるという効果 を奏する。

[0087] また、最後の走查時に吐出するインクのインク量のみを少なくするので、画像全体 のインク量が大きく低下することがなぐ記録画像の濃度が薄くなることがなレ、。このた め、各バンドごとの記録画像の色調や光沢感に差異の発生のみを防止して高精細な 画像記録を行うことが可能となる。

[0088] 1バンドを形成するために多数回の走査を行う場合には、始めの数回の走査によつ てほとんどの画素が埋まるため、最後の走査のみならず最後から 2番目の走査時に 吐出するインクの吐出量を少なくしてもほとんど画質に影響を及ぼさない。そして、画 素がほとんど坦まった後は、できるだけ吐出させるインクを少なくする方が吐出口から の吐出量を減らす方法の使用時に、インクドット同士の結合を防いで、また吐出する 吐出口をランダムに間引く方法の使用時に、結合をランダムにして記録画像の色調 や光沢感に差異が生じることを防止することができる。項 2に記載された方法によれ ば、最後の走査と最後から 2番目の走査との双方においてそれぞれ吐出させるインク 量を少なくするので、 1回の走査において減らすインク量を多くする場合に比べて、よ り均一にインクを吐出させることができ、画像表面を平滑化させて、高精細な画像記 録を行うことができるという効果を奏する。

[0089] 各バンドの最後の走查時に吐出するインクの吐出量は、記録画像を視認した場合 に最も画質に影響を及ぼすものであるが、項 3に記載された装置によれば、この最後 の走查時に吐出するインクの吐出量を他の走查時に吐出するインクの吐出量に比べ て少なくしている。このため、吐出口からの吐出量を減らす方法の使用時に、吐出さ れたインクの記録媒体上での結合が起こり難ぐ吐出する吐出口をランダムに間引く 方法の使用時に、吐出されたインクの記録媒体上での結合をランダムに生じさせ、主 走査方向に移動する記録ヘッドの往路と復路とで、記録画像の色調や光沢感に差 異が生じることを防止して、高精細な画像記録を行うことができるという効果を奏する

[0090] また、最後の走查時に吐出するインクのインク量のみを少なくするので、画像全体 のインク量が大きく低下することがなぐ記録画像の濃度が薄くなることがなレ、。このた め、各バンドごとの記録画像の色調や光沢感に差異の発生のみを防止して高精細な 画像記録を行うことが可能となる。

[0091] 1バンドを形成するために多数回の走查を行う場合には、始めの数回の走查によつ てほとんどの画素が埋まるため、最後の走查のみならず最後から 2番目の走查時に 吐出するインクの吐出量を少なくしてもほとんど画質に影響を及ぼさない。そして、画 素がほとんど坦まった後は、できるだけ吐出させるインクを少なくする方が吐出口から の吐出量を減らす方法の使用時に、インクドット同士の結合を防いで、また吐出する 吐出口をランダムに間引く方法の使用時に結合をランダムにして記録画像の色調や 光沢感に差異が生じることを防止することができる。項 4に記載された装置によれば、 最後の走査と最後から 2番目の走査との双方にぉレ、てそれぞれ吐出させるインク量 を少なくするので、 1回の走査において減らすインク量を多くする場合に比べて、より 均一にインクを吐出させることができ、画像表面を平滑化させて、高精細な画像記録 を行うことができるという効果を奏する。

[0092] 項 5に記載された装置によれば、最後の走査において吐出させるインク吐出量を、 吐出口からの吐出量を減らす方法の使用時に、記録媒体に着弾した際のドット径が 隣接して着弾するインクドットとのドット間距離の 1/2以下としているので、最後の走查 において吐出されたインクのうち隣接するインク同士が結合することがなぐ記録画像 の色調や光沢感に差異が生じることを防止して、高精細な画像記録を行うことができ るという効果を奏する。

[0093] 項 5に記載された装置によれば、最後の走查において吐出させるインク吐出量を、 吐出する吐出口をランダムに間引く方法の使用時に、記録媒体に着弾した際のドット 径が隣接して着弾するインクドットとのドット間距離以上としているので、最後の走查 においてランダムに吐出されたインクのうち隣接するインク同士が結合して、記録画 像の色調や光沢感に差異が生じることを防止して、高精細な画像記録を行うことがで きるという効果を奏する。

[0094] 光硬化型のインクを用いて画像記録を行う場合、記録ヘッドが光照射装置の近くに 位置するときは記録媒体上に吐出されたインクに即座に光が照射されることによりィ ンクが着弾後すぐに硬化する。これに対して、記録ヘッドが光照射装置と離れた位置 にあるときは記録媒体上に吐出されたインクにすぐに光が照射されないことによりイン クが着弾後硬化するまでの間に周囲に広がって平滑化する。項 6に記載された装置 によれば、このようなインクの硬化タイミングを考慮して最後の走査にぉレ、て吐出させ るインク量（吐出口からの吐出量を減らす方法の使用時には吐出口力、らのインク吐出 量、吐出する吐出口をランダムに間引く方法の使用時には、インクの間引き率）を決 定することにより、例えば、画像記録速度の異なる記録動作を切り替えて行うことので きるインクジェット記録装置においても高精細な画像記録を行うことができるという効 果を奏する。

[0095] 複数色のインクを用いて画像記録を行う場合、インクの種類によりインクドットの結合 し易さや硬化の仕方に差異がある場合もある。項 7に記載された装置によれば、イン クの種類に応じて最後の走査において吐出させるインク量を決定するため、様々なィ ンクに対応して高精細な画像記録を行うことができるという効果を奏する。

[0096] 記録媒体はその種類によりインク吸収性や表面エネルギーの大小等が異なるため 、記録媒体に着弾した後のインクの広がり方は記録媒体の種類によって異なる。項 8 に記載された装置によれば、記録媒体に応じて、インク吐出量の調整を適切に行うこ とができ、高精細な画像記録を行うことができるとレ、う効果を奏する。

[0097] 光硬化型のインクを用いて画像記録を行う場合、画像記録速度が速いと記録媒体 上に吐出されたインクに即座に光が照射されることによりインクが着弾後すぐに硬化 する。これに対して、画像記録速度が遅いと記録媒体上に吐出されたインクにすぐに 光が照射されないことによりインクが着弾後硬化するまでの間に周囲に広がって平滑 化する。項 9に記載された装置によれば、このようなインクの硬化タイミングを考慮して 最後の走查において吐出させるインク量を決定することにより、例えば、画像記録速 度の異なる記録動作を切り替えて行うことのできるインクジェット記録装置においても 高精細な画像記録を行うことができるという効果を奏する。

[0098] 記録媒体上に吐出されたインクの硬化具合は光照射装置の光照射量に応じて異 なり、光照射量が多ければ記録媒体に着弾後すぐにインクが硬化するが、光照射量 が少ない場合にはインクは着弾後すぐに硬化せず周囲に広がって平滑化する。項 1 0に記載された装置によれば、このようなインクの硬化具合の違いを考慮して最後の 走查において吐出させるインク量を決定することにより、インク硬化までに必要とされ る走查回数が異なるような場合でも適切に対応することができ、常に高精細な画像記 録を行うことができるという効果を奏する。

[0099] インクは記録ヘッド周囲の温度が低い場合や湿度が高い場合には硬化し難ぐ記 録媒体に着弾後すぐに硬化せず周囲に広がって平滑化するが、温度が高い場合や 湿度が低レ、場合には硬化し易いとレ、う特性を有する。項 11に記載された装置によれ ば、このようなインクの特性を考慮して最後の走査にぉレ、て吐出させるインク量を決 定することにより、高精細な画像記録を行うことができるという効果を奏する。

[0100] 項 12に記載された装置によれば、 1バンドごとに画像の色調や光沢感に差異が生 じることを防止しつつ、マット調、ダロス調といった画質をユーザが任意に選択するこ とができる。このため、高精細な画像記録を行うことができるとともに、希望に合った画 質の画像を得ることができるとレ、う効果を奏する。

[0101] 項 13に記載された装置によれば、吐出ロカ の吐出量を減らす方法の使用時に、 最後の走査及び最後から 2番目の走査のうち少なくともいずれか一方の走査におい て吐出させるインク吐出量を、記録媒体に着弾した際のドット径が隣接して着弾する インクドットとのドット間距離の 1/2以下としているので、最後の走查又は最後から 2番 目の走查において吐出されたインクのうち隣接するインク同士が結合することがなぐ 記録画像の色調や光沢感に差異が生じることを防止して、高精細な画像記録を行う ことができるとレ、う効果を奏する。

[0102] 項 13に記載された装置によれば、吐出する吐出口をランダムに間引く方法の使用 時に、最後の走查及び最後から 2番目の走査のうち少なくともいずれか一方の走查 において吐出させるインク吐出量を、記録媒体に着弾した際のドット径が隣接して着 弾するインクドットとのドット間距離以上としてレ、るので、最後の走査又は最後から 2番 目の走査においてランダムに吐出されたインクのうち隣接するインク同士が結合して 、記録画像の色調や光沢感に差異が生じることを防止して、高精細な画像記録を行 うことができるとレ、う効果を奏する。

[0103] 光硬化型のインクを用いて画像記録を行う場合、記録ヘッドが光照射装置の近くに 位置するときは記録媒体上に吐出されたインクに即座に光が照射されることによりィ ンクが着弾後すぐに硬化する。これに対して、記録ヘッドが光照射装置と離れた位置 にあるときは記録媒体上に吐出されたインクにすぐに光が照射されないことによりイン クが着弾後硬化するまでの間に周囲に広がって平滑化する。項 14に記載された装 置によれば、このようなインクの硬化タイミングを考慮して最後の走查又は最後から 2 番目の走查において吐出させるインク量を決定することにより、例えば、画像記録速 度の異なる記録動作を切り替えて行うことのできるインクジェット記録装置においても 高精細な画像記録を行うことができるという効果を奏する。

[0104] 複数色のインクを用いて画像記録を行う場合、インクの種類によりインクドットの結合 し易さや硬化の仕方に差異がある場合もある。項 15に記載された装置によれば、ィ ンクの種類に応じて最後の走査又は最後から 2番目の走査にぉレ、て吐出させるイン ク量を決定するため、様々なインクに対応して高精細な画像記録を行うことができると レ、う効果を奏する。

[0105] 記録媒体はその種類によりインク吸収性や表面エネルギーの大小等が異なるため 、記録媒体に着弾した後のインクの広がり方は記録媒体の種類によって異なる。項 1 6に記載された装置によれば、記録媒体に応じて、インク吐出量の調整を適切に行う ことができ、高精細な画像記録を行うことができるとレ、う効果を奏する。

[0106] 光硬化型のインクを用いて画像記録を行う場合、画像記録速度が速いと記録媒体 上に吐出されたインクに即座に光が照射されることによりインクが着弾後すぐに硬化 する。これに対して、画像記録速度が遅いと記録媒体上に吐出されたインクにすぐに 光が照射されないことによりインクが着弾後硬化するまでの間に周囲に広がって平滑 化する。項 17に記載された装置によれば、このようなインクの硬化タイミングを考慮し て最後の走查又は最後から 2番目の走查において吐出させるインク量を決定すること により、例えば、画像記録速度の異なる記録動作を切り替えて行うことのできるインク ジェット記録装置においても高精細な画像記録を行うことができるという効果を奏する

[0107] 記録媒体上に吐出されたインクの硬化具合は光照射装置の光照射量に応じて異 なり、光照射量が多ければ記録媒体に着弾後すぐにインクが硬化するが、光照射量 が少ない場合にはインクは着弾後すぐに硬化せず周囲に広がって平滑化する。項 1 8に記載された装置によれば、このようなインクの硬化具合の違いを考慮して最後の 走查又は最後から 2番目の走查において吐出させるインク量を決定することにより、ィ ンク硬化までに必要とされる走查回数が異なるような場合でも適切に対応することが でき、常に高精細な画像記録を行うことができるという効果を奏する。

[0108] インクは記録ヘッド周囲の温度が低い場合や湿度が高い場合には硬化し難ぐ記 録媒体に着弾後すぐに硬化せず周囲に広がって平滑化するが、温度が高い場合や 湿度が低い場合には硬化し易いという特性を有する。項 19に記載された装置によれ ば、このようなインクの特性を考慮して最後の走査又は最後から 2番目の走査におい て吐出させるインク量を決定することにより、高精細な画像記録を行うことができるとい う効果を奏する。

[0109] 項 20に記載された装置によれば、 1バンドごとに画像の色調や光沢感に差異が生 じることを防止しつつ、マット調、ダロス調といった画質をユーザが任意に選択するこ とができる。このため、高精細な画像記録を行うことができるとともに、希望に合った画 質の画像を得ることができるとレ、う効果を奏する。

[0110] 以下、図 1から図 6を参照しつつ、本発明に係るインクジェット記録方法及びインク ジェット記録装置の第一の実施形態について説明する。

[0111] まず、図 1に示すように、本実施の形態において、インクジェット記録装置 1は、シリ アルプリント方式によるインクジェット記録装置 1であり、このインクジェット記録装置 1 には、平板状に形成され記録媒体 Pを非記録面から支持するプラテン 2が設けられて いる。

[0112] プラテン 2の上方には、プラテン 2の長手方向に延在する棒状のガイドレール 3が設 けられている。このガイドレール 3には、キャリッジ 4が支持されており、キャリッジ 4は ヘッド走査手段としてのキャリッジ駆動機構 11 (図 2参照）によりガイドレール 4に沿つ て主走査方向 A, Bに往復走査自在となっている。

[0113] また、インクジェット記録装置 1には、複数の搬送ローラ 5等により構成され、主走査 方向 A, Bと直交する搬送方向 Xに記録媒体 Pを送るための記録媒体搬送機構 12 ( 図 2参照）が設けられている。記録媒体搬送機構 12は、搬送ローラ 5を回転させること によって、画像記録時において、キャリッジ 4の動作に合わせて記録媒体 Pの搬送と 停止とを繰り返し、記録媒体 Pを搬送方向 Xの上流側から下流側に間欠的に搬送す るようになっている。

[0114] 図 1に示すように、キャリッジ 4には、本実施形態におけるインクジェット記録装置 1 で使用される各色（ブラック (K)、シアン (C)、マゼンタ（M)、イェロー (Y)。）に対応 した 4つの記録ヘッド 6が搭載されている。各記録ヘッド 6は、外形が略直方体状に形 成されており、長手方向が互いに平行となるように並んで配置されている。記録ヘッド 6の記録媒体 Pに対向する面には、記録ヘッド 6の長手方向に沿って列状に形成さ れた複数のインク吐出口（図示せず）が設けられ、各記録ヘッド 6はインク吐出口から それぞれインクを吐出させるようになっている。なお、インクジェット記録装置 1で使用 されるインクはこれに限定されず、例えば、ライトイェロー（LY)、ライトマゼンタ (LM) 、ライトシアン (LC)等の色を使用することもできる。この場合には、各色に対応した記 録ヘッドがキャリッジに搭載される。

[0115] また、記録ヘッド 6の近傍には記録ヘッド 6の周囲の温度及び湿度を測定する温湿 度測定手段としての温湿度センサ 13 (図 2参照）が設けられている。温湿度センサ 13 は、例えば、温度検出素子としてのサーミスタと湿度検出素子を備える高分子抵抗式 湿度センサからなり、記録ヘッド 6の周囲の環境温湿度を検知するものである。なお、 温湿度測定手段はここに例示したものに限定されず、他の構成のものを適用してもよ レ、。

[0116] 記録ヘッド 6のうちキャリッジ 4の側壁と隣接して設けられている記録ヘッド 6とキヤリ ッジ 4の両側壁との間には、光照射装置としての紫外線照射装置 7が配設されている

[0117] 紫外線照射装置 7は、記録媒体 Pの上に吐出され着弾したインクを硬化定着させる 光として紫外線を照射する紫外線光源（図示せず)を有している。この紫外線光源と しては、例えば高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、半導体レー ザ一、冷陰極管、エキシマーランプ、又は LED (Light Emitting Diode)等を適用す ることが可能である。

[0118] また、紫外線照射装置 7の近傍には紫外線照射装置 7から照射される紫外線の照 射強度を測定する照射強度測定手段としての紫外線センサ 14 (図 2参照）が設けら れている。紫外線センサ 14は、例えば、シリコンセンサと光学フィルタを備える受光部 で光を受光して紫外線の照度を検知するものである。なお、照射強度測定手段はこ こに例示したものに限定されず、他の構成のものを適用してもよい。

[0119] 本実施形態に用いられるインクは、光としての紫外線が照射されることにより硬化す る性質を具備する光硬化型インクであり、主成分として、少なくとも重合性化合物 (公 知の重合性化合物を含む。）と、光開始剤と、色材とを含むものである。上記光硬化 型インクは、重合性化合物としてラジカル重合性化合物を含むラジカル重合系インク とカチオン重合性化合物を含むカチオン重合系インクとに大別される力 この両系の インクが本実施形態に用いられるインクとしてそれぞれ適用可能である。また、ラジカ ル重合系インクとカチオン重合系インクとを複合させたハイブリッド型インクを本実施 形態に用いられるインクとして適用してもよい。し力 ながら、酸素による重合反応の 阻害作用が少ない又は無いカチオン重合系インクの方が機能性、汎用性に優れるた め、特に、カチオン重合系インクを用いることが好ましい。カチオン重合系インクは、 少なくともォキセタン化合物，エポキシ化合物，ビニルエーテルィヒ合物等のカチオン 重合性化合物と、光力チオン開始剤と、色材とを含む混合物である。

[0120] また、記録媒体 Pとしては、普通紙、再生紙、光沢紙等の各種紙、各種布地、各種 不織布、樹脂、金属、ガラス等の種々の材質力 なる記録媒体 Pが適用可能である。 また、記録媒体 Pの形態としては、ロール状、カットシート状、板状等の各種形態が適 用可能である。

[0121] 次に、図 2から図 6を参照しつつ、本実施形態におけるインクジェット記録装置 1の 制御構成について説明する。

[0122] 図 2に示すように、インクジェット記録装置 1には、装置各部を制御するための制御 部 8が設けられており、この制御部 8は、例えば、図示しない CPU (Central Processin g Unit)を備え、各種の処理プログラム等を格納する ROM (Read Only Memory)、画 像データ等の各種データ等を一時記憶する RAM (Random Access Memory)等（レ、 ずれも図示せず）からなる記憶部 9を備えている。制御部 8は、 ROMに記録された処 理プログラムを RAMの作業領域に展開して CPUによりこの処理プログラムを実行す るようになっている。

[0123] また、インクジェット記録装置 1は、記録媒体 Pの種類や画像記録条件等を入力す る入力部 10を有しており、入力部 10から入力された情報は、制御部 8に送られるよう になっている。入力部 10は、例えばキーボードや操作パネルであり、ユーザは入力 部 10を操作することにより画像記録に用いる記録媒体 Pや所望の画像記録速度、解 像度等の各種画像記録条件を選択、設定することができるようになつている。

[0124] また、制御部 8には、温湿度センサ 13、紫外線センサ 14によって測定された測定 結果等が送られるようになっており、制御部 8は、送られた結果に基づいて各部の制 御を行うようになっている。

[0125] また、制御部 8は、キャリッジ駆動機構 11を制御してキャリッジ 4を主走査方向 A, B に往復走査させるとともに、キャリッジ 4の動作に合わせて記録媒体 Pを搬送方向 Xに 間欠搬送させるように、記録媒体搬送機構 12の動作を制御するようになっている。

[0126] さらに、制御部 8には、図示しない外部装置から記録画像に関する画像データが送 られるようになっており、制御部 8は、送られてきた画像データ及び入力部 10から入 力された情報等に基づいて記録ヘッド 6を動作させる。これにより、各記録ヘッド 6か ら適切な吐出量のインクが吐出され、記録媒体 P上に所定の画像を記録されるように なっている。

[0127] ここで、吐出ロカ の吐出量を減らす方法の使用時において、インクの吐出量とは 記録ヘッド 6の吐出口から吐出されるインク滴一滴の液滴量と吐出される液滴数との 積であり、制御部 8は決定された吐出量のインクを吐出するように各記録ヘッド 6から 吐出させるインクの液滴量又は液滴数を制御してインク吐出量を調整するようになつ ている。

[0128] またここで、吐出する吐出口をランダムに間引く方法の使用時において、インクの間 引き率とは記録ヘッド 6の吐出口数に対する記録ヘッド 6の吐出ロカ インクが吐出 されない吐出口数であり、制御部 8は決定された間引き率のインクを吐出するように 各記録ヘッド 6から吐出させる吐出口数を調整するようになっている。

[0129] また、制御部 8は、紫外線照射装置 7を制御して記録媒体 P上に吐出されたインク に対して紫外線を照射するようになってレ、る。

[0130] ここで、本実施形態における制御部 8によるインク吐出量の制御について説明する

[0131] 図 3は、 1つの記録ヘッド 6に着目したときに、各バンドの画像形成を行う記録ヘッド 6の対応個所を示した図である。図 3に示すように、 1回の搬送で搬送される記録媒 体 Pの送り幅を 1バンドといい、本実施形態においては、 1バンドを 3回走查することに よって画像記録を行うようになっている。すなわち、例えば、図 3における記録媒体 P の 1番上のバンドは、主走查往路方向 Aに沿って第 1走査が行われ記録ヘッド 6の一 端側から吐出されるインクによって 1走査目の画像記録が行われる。そして、主走査 復路方向 Bに沿って第 2走査が行われ、記録ヘッド 6のほぼ中央部から吐出されるィ ンクによって 2走査目の画像記録が行われる。さらに、再度主走査往路方向 Aに沿つ て第 3走査が行われ、記録ヘッド 6の他端側から吐出されるインクによって 3走査目の 画像記録が行われることによって 1バンド中の全ての画素について記録が完了する。

[0132] 制御部 8は、吐出ロカ の吐出量を減らす方法の使用時に、前記 3回の走査のうち 最後の走査におけるインク吐出量が他の走査のときよりも少なくなるように、記録へッ ド 6の各インク吐出口のうち、各バンドにおける最後の走査において記録される部分 にインクを吐出するインク吐出口のインク吐出量を少なくするように記録ヘッド 6を制 御するようになっている。インク吐出量は、インクが記録媒体 Pに着弾したときのドット 径が、 P 接して着弾するインクドットとのドット間距離の 1/2以下となることが好ましい。 このようにすることによって、最後の走查において吐出されたインクが着弾後に周囲 に拡大してもインク同士が重なり合ったり、結合したりすることを確実に防止することが できる。

[0133] 制御部は、吐出する吐出口をランダムに間引く方法の使用時に、前記 3回の走查 のうち最後の走查におけるインク吐出がランダムに間引かれるように、記録ヘッド 6の 各インク吐出口のうち、各バンドにおける最後の走査において記録される部分にイン クを吐出するインク吐出口からランダムにインクが吐出されるように記録ヘッド 6を制 御するようになっている。インク吐出量は、インクが記録媒体 Pに着弾したときのドット 径が、 P 接して着弾するインクドットとのドット間距離以上となることが好ましい。このよ うにすることによって、最後の走查において吐出されたインクが隣接するインクと重な り合ったり、結合したりすることを確実におこなうことができる。

[0134] 次に、具体的にどの画素に吐出されるインクのインク吐出量を少なくするかについ て、図 4 (a)を参照しつつ説明する。図 4 (a)は、ヘッド解像度と画像解像度とが同じ であって、 1バンドを 3回の走査で記録する場合に、各画素に何走查目でインクが吐 出されるかをドットマトリクスとして表したものであり、横方向の 1列が 1バンドを表して レ、る。図中の各マスは、それぞれ 1画素を表しており、 1から 3までの数字は各画素に 対して何回目の走査でインクが吐出されるかを示している。例えば、図 4 (a)において 、 1列目のバンドを記録する際には、 1走査目で図 4 (a)における左端の画素（図中画 素 1)を記録し、 2走査目、 3走査目で画素 2、画素 3を順に記録していく。さらに、 2列 目のバンドを記録する際には、 1列目のバンドの記録においては 2回目の走査となる 走査が 1回目の走査となり、 1列目のバンドにおける 1走査目力 数えて 4走査目とな る走査が 3回目の走査となるというように、各バンドは、画像記録を開始する走査を 1 走査ずつずらしながら記録されるようになっている。

[0135] そして、このようにして記録を行う場合、制御部 8は、図 4 (a)において斜線で表す部 分、すなわち、各バンドを記録する最後の走査である 3回目の走査におけるインク吐 出量を 1回目、 2回目の走査のときよりも少なくするようになつている。

[0136] なお、 1バンドを記録するのに必要とされる走查回数は 3回に限定されず、例えば 6 回の走査で 1バンドを形成するようにしてもよぐこの場合には、各バンドにおける最 後の走查となる 6回目の走查において吐出されるインク吐出量が他の走查において 吐出されるインク吐出量よりも少なくなるようにする。例えば、主走查を 6回に分けて行 う場合であって画像解像度がヘッド解像度の 2倍である場合には、各画素に何走査 目でインクが吐出されるかを表すドットマトリクスは図 4 (b)に示すようになる。図 4 (b) において、横方向の 2列が 1バンドを表し、図中の各マスは、それぞれ 1画素を表して いる。 1から 6までの数字は各画素に対して何走査目にインクが吐出されるかを示し ており、制御部 8は、図 4 (b)において斜線で表す部分、すなわち、各バンドを記録す る最後の走査となる 6回目の走査におけるインク吐出量を 1回目から 5回目の走査の ときよりも少なくするようになつている。

[0137] 次に、インクの吐出量をどの程度少なくするかは、 1バンドを形成するための最後の 走查において吐出されたインクが記録媒体 Pの上に着弾した際のドット径の大きさ及 び着弾後の経時変化によってドット径がどの程度拡大するかによる。すなわち、インク は、着弾先の状態によって、着弾した際にドット径が大きく広がる場合と、ドット径が広 力 ¾ずに小さく着弾する場合とがある。また、インクは、記録媒体 Pに着弾した後、時 間の経過に伴って周囲に拡大してレ、く傾向がある。そして、各バンドごとの色調や光 沢感等のばらつきを抑えて高精細な画像形成を行うためには、各バンドを記録する 最後の走查におけるインクの吐出量は、インクが記録媒体 P上で拡大しても互いに結 合なレ、程度の量であることが好ましレ、。

[0138] この点、記録媒体 Pに着弾したインクのドット径の大きさや着弾後にドット径がどの程 度拡大するかは、先に着弾しているインクの硬化度合い、記録媒体 Pの種類といった インクが着弾した先の状態や、紫外線の照射タイミング、すなわち、インクが吐出され てから紫外線が照射されるまでの時間、インクの種類、紫外線照射装置 7から照射さ れる紫外線の照射強度、記録ヘッド 6の周囲の環境温湿度等といった各要素によつ て異なる。

[0139] このため、最後の走査において記録ヘッド 6から吐出させるインクの吐出量は、これ らの各要素との関係で決定される。

[0140] まず、図 5に示すように、先に着弾しているインクが未硬化である場合や半硬化の 状態にある場合には、その上にインクを吐出させるとドット径は比較的小さくなる。こ れに対して、先に着弾しているインクが十分に硬化している場合には、その上にイン クを吐出させるとドット径は比較的大きくなるという傾向がある。

[0141] また、図 6に示すように、インクは着弾する記録媒体 Pのインク吸収性や表面エネル ギ一の大小によっても記録媒体 Pの上に着弾したインクのドット径に差異を生じる。例 えば、 OPP (延伸ポリプロピレン）等のように表面エネルギーの小さい記録媒体 Pに着 弾した場合には、インクのドット径は比較的大きくなる。逆に、ュポ等のように比較的 表面エネルギーの大きい記録媒体 Pに着弾した場合には、インクのドット径は比較的 小さくなるとの傾向がある。

[0142] したがって、先に着弾しているインクの硬化度合いや、記録媒体 Pの種類によりイン クのドット径が大きくなる場合には、制御部 8は、インクのドット径が小さくなる場合と比 較して記録ヘッド 6から吐出させるインク吐出量を少なくするようになつている。

[0143] また、図 5、図 6に示すように、先に着弾しているインクの硬化度合いや、記録媒体 P の種類に関わらず、一般に照射タイミングが遅くなると時間の経過の伴ってインクのド ット径が拡大するという傾向がある。これは、紫外線硬化型のインクは紫外線を照射 するまで硬化しないため、紫外線の照射タイミングが遅くなると、記録媒体 P上に着弾 したインク力 S、紫外線が照射されるまでの間に広がってしまうことによる。

[0144] すなわち、図 5に示すように、先に着弾しているインクの硬化度合いが同じであって も、インクが吐出されてから紫外線が照射されるまでの照射タイミングが遅くなると、時 間の経過に伴って次第にドット径が拡大する。そして、このような傾向は、特に、先に 着弾してレ、るインクが十分に硬化してレ、る場合に顕著となる。

[0145] また、図 6に示すように、同じ記録媒体 Pの上に着弾しても、照射タイミングが遅くな ると、一様に時間の経過に伴ってドット径が拡大するという傾向がある。

[0146] そして、この照射タイミングは、各記録ヘッド 6と紫外線照射装置 7との距離や画像 記録を行う速度に左右される。すなわち、例えば、図 1におけるイェロー (Y)やブラッ ク (K)のように紫外線照射装置 7に近い位置にある記録ヘッド 6からインクが吐出され た場合には、インクが吐出された後すぐに紫外線が照射されるのに対して、シアン（C )やマゼンタ（M)のように紫外線照射装置 7から離れた位置にある記録ヘッド 6からィ ンクが吐出された場合にはインクが吐出されてから紫外線が照射されるまでに時間が かかり、照射タイミングが遅くなる。また、キャリッジ 4の移動方向の下流側に位置する 記録ヘッド 6から吐出されたインクほど、インクが吐出されてから紫外線が照射される までに時間がかかり、照射タイミングが遅くなる。さらに、画像記録を行う速度が速い 場合には、記録ヘッド 6を搭載したキャリッジ 4の移動速度が速くなることから、照射タ イミングは早くなり、逆に、画像記録を行う速度が遅い場合には、記録ヘッド 6を搭載 したキャリッジ 4の移動速度が遅くなることから、照射タイミングは遅くなる。

[0147] そこで、制御部 8は、照射タイミングが遅くなるような条件である場合ほど、インクの 吐出量を少なくするように記録ヘッド 6を制御するようになっている。

[0148] また、インクが、ドットが拡大し易い種類のものである場合や硬化し難いものである 場合には、隣接するインクドット同士が結合するおそれが大きい。そこで、制御部 8は 、このような性質を有するインクについては、各バンドの最後の走查におけるインクの 吐出量を他の種類のインクに比して少なくするようになつている。

[0149] また、インクは記録媒体 Pに着弾したインクに対して照射される紫外線量が多いほど 硬化し易ぐこの紫外線量は紫外線照射装置 7から照射される照射強度と照射される 時間との積である。したがって、同じ照射タイミングで紫外線を照射しても、紫外線照 射装置 7から照射される紫外線の照射強度が弱ければインクは硬化し難ぐドット径 が拡大し易くなる。これに対して、紫外線照射装置 7から照射される紫外線の照射強 度が強いほどインクは硬化し易ぐドット径があまり拡大することなく硬化する。このた め、制御部 8は、紫外線センサ 14によって検知された紫外線の照射強度に基づいて 、照射強度が弱いほど各バンドの最後の走査におけるインクの吐出量を少なくするよ うになつている。

[0150] さらに、インクは高温低湿度のときに硬化し易ぐ低温高湿度のときに硬化し難いと レ、う特性がある。このため、制御部 8は、温湿度センサ 13によって検知された記録へ ッド 6の周囲の環境温湿度に基づいて、環境温湿度が低温高湿度である場合には、 各バンドの最後の走査におけるインクの吐出量を多く減らすようになつている。

[0151] なお、制御部 8の記憶部 9には、例えば、以上のようなインクの硬化具合を左右する 要素ごとに記録ヘッド 6から吐出させるインクの吐出量を決定するためのインク吐出 量補正テーブル（図示せず、インク間引き率補正テーブルを含む）が格納されており 、制御部 8は、このインク吐出量補正テーブルを参照しつつ記録ヘッド 6から吐出さ せるインク吐出量を決定するようになっている。

[0152] 次に、本実施形態におけるインクジェット記録方法について説明する。

[0153] 図示しない外部装置から入力された画像データがインクジェット記録装置 1に送ら れると、送られた画像データは制御部 8の記憶部 9に記憶される。そして、ユーザによ り入力部 10から画像記録を開始する信号、記録媒体 Pの種類及び各種の画像記録 条件等が入力され、また、温湿度センサ 13や紫外線センサ 14によって検知された結 果が送られると、制御部 8は記憶部 9からインク吐出量補正テーブルを読み出して、 入力された情報及び各種センサによって検知された結果等各種の条件に適合する ように、 1バンドを形成するために必要な走査のうち最後の走查におけるインク吐出 量を決定する。

[0154] 1バンドを形成するために必要な走査のうち最後の走查におけるインク吐出量を決 定すると、 1バンドを何走査で記録するか、記録ヘッド 6の解像度に対して画像解像 度はいくつか等により、記録ヘッド 6のインク吐出口にうちどの部分のインク吐出量を 少なくするの力、あるいはどの部分のインクを間引くかを決定する。なお、最後の走查 におけるインク吐出量の決定とインク吐出口にうちどの部分のインク吐出量を少なく するかの決定あるいはどの部分のインクを間引くかとはここに例示した順に決定され る場合に限定されず、例えば、同時に決定されてもよい。

[0155] インク吐出量等が決定されると、制御部 8が記録媒体搬送機構 12を制御することに より記録媒体 Pが順次搬送方向 Xの上流側から下流側に間欠搬送される。また、制 御部 8がキャリッジ駆動機構 11を制御することによりキャリッジ 4を記録媒体 Pの上を 主走査往路方向 A、主走査復路方向 Bに沿って往復走査させるとともに、制御部 8は 各記録ヘッド 6を制御することにより所定の吐出量のインクを所定の画素に吐出させ る。記録媒体 P上に吐出されたインクに紫外線照射装置 7から紫外線が照射されるこ とによりインクが硬化定着し、記録媒体 P上に画像が記録される。

[0156] 以上のように、本実施形態によれば、インクが吐出されてから紫外線が照射される までの照射タイミング、インクや画像記録に用いる記録媒体 Pの種類、紫外線の照射 強度、記録ヘッド 6の周囲の環境温湿度といった各種条件により、 1バンドを形成する ために必要な走査のうち最後の走查におけるインク吐出量を変化させるので、記録さ れた画像の画質に最も影響を及ぼす 1バンドごとの色調や光沢感の差異等を生じ難 ぐ高精細な画像記録を行うことが可能となる。

[0157] なお、本実施形態においては、記録ヘッド 6と紫外線照射装置 7との距離、画像記 録速度、インクの種類、記録媒体 Pの種類、紫外線照射装置 7から照射される紫外線 の照射強度、及び環境温湿度といった各要素を全て考慮して、 1つのバンドを形成 するために必要な往復走査のうち、最後の走査において記録ヘッド 6から吐出するィ ンク吐出量をどの程度少なくするかを決定することとした力 S、これらのうちの何れか 1 以上の要素に基づいてインク吐出量を決定してもよい。この場合、例えば、紫外線照 射装置 7から照射される紫外線の照射強度を考慮しない場合には、紫外線センサ 14 を設ける必要がなレ、。また、環境温湿度を考慮しない場合には、温湿度センサ 13を 設ける必要がなぐ装置構成を簡易化することができる。

[0158] また、本実施形態においては、 1つの制御部 8によってキャリッジ駆動機構 11により キャリッジ 4を主走查方向 A, Bに往復走查させ、記録ヘッド 7を動作させて所定のィ ンクを吐出させる等、装置各部の制御を行うようにしたが、制御構成はここに例示した ものには限定されず、例えば、キャリッジ駆動機構 11によりキャリッジ 4を主走查方向 A, Bに往復走査させる制御部と記録ヘッド 6を動作させて所定のインクの吐出を制 御する制御部とを別個に設けるようにしてもよい。

[0159] また、本実施形態においては、紫外線照射装置 7を一群に設けられた記録ヘッド 6 の両側に配置するようにした力 紫外線照射装置 7の配置はこれに限定されず、各 記録ヘッド 6の間にもそれぞれ紫外線照射装置 7を設けるようにしてもよい。また、紫 外線照射装置 7は、キャリッジ 4の上に搭載されている場合に限られず、キャリッジ 4の 外に設けられていてもよい。

[0160] また、本実施形態では、紫外線を照射することにより硬化するインクを用いて画像 記録を行うものとした力 インクは必ずしもこれには限定されず、例えば、紫外線、電 子線、 X線、可視光線、赤外線等の電磁波といった紫外線以外の光を照射すること により硬化するインクであってもよい。この場合、インクには、紫外線以外の光で重合 して硬化する重合性化合物と、紫外線以外の光で重合性化合物同士の重合反応を 開始させる光開始剤とが適用される。また、紫外線以外の光で硬化する光硬化型の インクを用いる場合は、紫外線光源に代えて、その光を照射する光源を適用する。

[0161] また、本発明によるインクジェット記録装置 1で使用する記録ヘッド 6は、オンデマン ド方式でもコンティニユアス方式でも構わなレ、。また、吐出方式としては、例えば、電 気—機械変換方式 (例えば、シングルキヤビティー型、ダブルキヤビティー型、ベンダ 一型、ピストン型、シェア一モード型、シェアードウォール型等）、電気 熱変換方式（ 例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット（登録商標)型等）、静電吸引方式 (例えば、電界制御型、スリットジェット型等）及び放電方式 (例えば、スパークジェット 型等）等のうち、いずれの吐出方式を用いても構わない。

[0162] その他、本発明が上記実施の形態に限らず適宜変更可能であるのは勿論である。

[0163] 次に、本発明に係るインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置の第二の実 施形態について説明する。なお、第二の実施形態は、制御構成のみが第一の実施 形態と異なるものであるので、以下においては、特に第一の実施形態と異なる点につ いて説明する。

[0164] 本実施形態において、インクジェット記録装置は、第一の実施形態と同様の記録へ ッド及び紫外線照射装置（いずれの図示せず）を備え、各種のプログラム等を格納す る記憶部を有する制御部（いずれも図示せず)を備えている。第一の実施形態と同様 、制御部には温湿度センサ、紫外線センサから検知結果が送られるようになつており 、制御部はこれらの結果に基づレ、て記録ヘッドから吐出させるインク吐出量を調整す るようになっている。

[0165] 特に、本実施形態においては、吐出口からの吐出量を減らす方法の使用時に、制 御部は、 1つのバンドを形成するために必要な往復走査のうち、最後の走査の際と最 後から 2番目の走査の際との両方において、記録ヘッドから吐出するインク吐出量を 少なくするようになつており、第一の実施形態と同様に、制御部は、記録ヘッドと紫外 線照射装置との距離、画像記録速度、インクの種類、記録媒体の種類、紫外線照射 装置から照射される紫外線の照射強度、及び環境温湿度各種条件に基づいて、最 後の走查において吐出させるインクの吐出量、最後から 2番目の走查において吐出 させるインクの吐出量をそれぞれ決定するようになっている。この場合、最後の走查 及び最後から 2番目の走查において吐出されたインクが隣接するインクドットと重なり 合ったり、結合したりすることを確実に防止するためには、インクが記録媒体に着弾し たときのドット径力 隣接して着弾するインクドットとのドット間距離の 1/2以下となるこ とが好ましい。

[0166] 特に、本実施形態においては、吐出する吐出口をランダムに間引く方法の使用時 に、制御部は、 1つのバンドを形成するために必要な往復走査のうち、最後の走査の 際と最後から 2番目の走査の際との両方において、記録ヘッドから吐出するインク間 引き率を制御するようになっており、第一の実施形態と同様に、制御部は、記録へッ ドと紫外線照射装置との距離、画像記録速度、インクの種類、記録媒体の種類、紫 外線照射装置から照射される紫外線の照射強度、及び環境温湿度各種条件に基づ いて、最後の走查において吐出させるインクの間引き率、最後から 2番目の走查にお レ、て吐出させるインクの間引き率をそれぞれ決定するようになっている。この場合、最 後の走查及び最後から 2番目の走查において吐出されたインクが隣接するインクドッ トと重なり合ったり、結合したりすることを確実におこなうためには、インクが記録媒体 に着弾したときのドット径が、隣接して着弾するインクドットとのドット間距離以上となる ことが好ましい。

[0167] なお、第一の実施形態と同様に、制御部の記憶部には、例えば、以上のような各種 の条件ごとに記録ヘッドから吐出させるインクの吐出量を決定するためのインク吐出 量補正テーブル（図示せず、インク間引き率補正テーブルを含む）が格納されており 、制御部は、このインク吐出量補正テーブルを参照しつつ記録ヘッドから吐出させる インク吐出量を決定するようになっている。なお、インク吐出量補正テーブルは、最後 の走査の際と最後から 2番目の走査の際とのそれぞれについて用意されていてもよ レ、し、両者が対応付けられたテーブルがーつ用意されてレ、てもよレ、。

[0168] なお、その他の構成は、第一実施形態のものと同様であるので、その説明を省略す る。

[0169] 次に、本実施形態におけるインクジェット記録方法について説明する。

[0170] 図示しない外部装置から入力された画像データがインクジェット記録装置に送られ ると、送られた画像データは制御部の記憶部に記憶される。制御部は、第一の実施 形態の場合と同様に、記憶部からインク吐出量補正テーブルを読み出して、各種の 情報及び各種センサによって検知された結果等各種の条件に適合するように、 1バ ンドを形成するために必要な走査のうち最後の走査と最後から 2番目の走查におけ るインク吐出量を決定する。

[0171] 1バンドを形成するために必要な走査のうち最後の走査と最後から 2番目の走査に おけるインク吐出量を決定すると、 1バンドを何走査で記録する力 \記録ヘッドの解像 度に対して画像解像度はいくつか等により、記録ヘッドのインク吐出口にうちどの部 分のインク吐出量を少なくするのかあるいはどの部分のインクを間引くかを決定する。

[0172] インク吐出量等が決定されると、制御部が記録媒体搬送機構を制御することにより 記録媒体が順次搬送方向の上流側から下流側に間欠搬送される。また、制御部が キャリッジ駆動機構を制御することによりキャリッジを記録媒体の上を主走查方向に沿 つて往復走査させるとともに、制御部は各記録ヘッドを制御することにより所定の吐出 量のインクを所定の画素に吐出させる。記録媒体上に吐出されたインクに紫外線照 射装置から紫外線が照射されることによりインクが硬化定着し、記録媒体上に画像が 記録される。

[0173] 以上のように、本実施形態によれば、インクが吐出されてから紫外線が照射される までの照射タイミング、インクや画像記録に用いる記録媒体の種類、紫外線の照射強 度、記録ヘッド周囲の環境温湿度といった各種条件により、 1バンドを形成するため に必要な走査のうち最後の走査及び最後から 2番目の走査におけるインク吐出量を 変化させるので、記録された画像の画質に最も影響を及ぼす 1バンドごとの色調や光 沢感の差異等を生じ難ぐ高精細な画像記録を行うことが可能となる。

[0174] なお、本実施形態では、最後の走査の際と最後から 2番目の走査の際との両方に おいて、記録ヘッドから吐出するインク吐出量をそれぞれ決定するとしたが、両走査 におけるインク吐出量は同量であってもよいし、最後の走査において記録ヘッドから 吐出させるインク吐出量を、最後から 2番目の走査において記録ヘッドから吐出させ るインク吐出量よりも少なくするものとしてもよレ、。なお、最後の走査の方がより記録画 像の画質等に影響を及ぼすため、最後の走查におけるインク吐出量は最後から 2番 目の走查におけるインク吐出量と同量とする力、、又は最後の走查におけるインク吐出 量の方がより少なくなるように段階的にインク吐出量を少なくすることが好ましい。

[0175] なお、本発明が本実施の形態に限られないことは、第一の実施形態と同様である。

[0176] 次に、本発明に係るインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置の第三の実 施形態について説明する。なお、第三の実施形態は、装置構成の一部と制御構成 のみが第一の実施形態と異なるものであるので、以下においては、特に第一の実施 形態と異なる点について説明する。

[0177] 本実施形態において、インクジェット記録装置は、第一の実施形態と同様の記録へ ッド及び紫外線照射装置（いずれの図示せず）を備え、各種のプログラム等を格納す る記憶部を有する制御部（いずれも図示せず)を備えている。第一の実施形態と同様 、制御部には温湿度センサ、紫外線センサから検知結果が送られるようになつており 、制御部はこれらの結果に基づレ、て記録ヘッドから吐出させるインク吐出量を調整す るようになっている。

[0178] 特に、本実施形態においては、図示しない入力部から所望の画質を選択すること が可能となっており、制御部は、選択された画質となるように、 1つのバンドを形成す るために必要な往復走査のうち、最後の走查において、記録ヘッドから吐出するイン ク吐出量を少なくするようになつており、第一の実施形態と同様に、制御部は、記録 ヘッドと紫外線照射装置との距離、画像記録速度、インクの種類、記録媒体の種類、 紫外線照射装置から照射される紫外線の照射強度、及び環境温湿度各種条件に基 づいて、最後の走査において吐出させるインクの吐出量を決定するようになっている

[0179] すなわち、インクドットが記録媒体に着弾後、互いに結合せずに独立して硬化する と、記録画像の表面で反射光が散乱しやすくなるため、光沢感のないマット調の画質 の画像を得ることができる。これに対して、インクドットが互いに結合すると、記録画像 の表面が平滑化されて光沢感のあるダロス調の画質の画像を得ることができる。した がって、所望の画質としてマット調が選択されたときには、吐出口からの吐出量を減ら す方法の使用時に、インクドットが互いに結合しないように、吐出する吐出口をランダ ムに間引く方法の使用時に、互いに結合する箇所が少ないように、制御部は、最後 の走查において吐出させるインクの吐出量を少なくするようになつている。これに対し て、所望の画質としてダロス調が選択されたときには、ある程度インクドットを結合させ る必要があるため、制御部は、マット調が選択されたときに比べて最後の走查におい て吐出させるインクの吐出量を減らす量を少なくするようになつている。

[0180] なお、制御部の記憶部には、例えば、画像記録速度、インクの種類といった各種の 条件及び所望する画質ごとに記録ヘッドから吐出させるインクの吐出量を決定するた めのインク吐出量補正テーブル（図示せず，インク間引き率補正テーブルを含む）が 格納されており、制御部は、このインク吐出量補正テーブルを参照しつつ記録ヘッド 力 吐出させるインク吐出量を決定するようになっている。

[0181] なお、その他の構成は、第一実施形態及び第二実施形態のものと同様であるので

、その説明を省略する。

[0182] 次に、本実施形態におけるインクジェット記録方法について説明する。

[0183] 図示しない外部装置から入力された画像データがインクジェット記録装置に送られ ると、送られた画像データは制御部の記憶部に記憶される。さらに入力部からマット 調、ダロス調といった所望の画質が選択、入力される。制御部は、第一の実施形態の 場合と同様に、記憶部からインク吐出量補正テーブルを読み出して、各種の情報、 各種センサによって検知された結果等各種の条件、及び選択された画質に適合する ように、 1バンドを形成するために必要な走査のうち最後の走查におけるインク吐出 量を決定する。

[0184] 1バンドを形成するために必要な走査のうち最後の走査におけるインク吐出量を決 定すると、 1バンドを何走査で記録するか、記録ヘッドの解像度に対して画像解像度 はいくつか等により、記録ヘッドのインク吐出口のうちどの部分のインク吐出量を少な くするのかあるいはどの部分のインクを間引くかを決定する。

[0185] インク吐出量等が決定されると、制御部が記録媒体搬送機構を制御することにより 記録媒体が順次搬送方向の上流側から下流側に間欠搬送される。また、制御部が キャリッジ駆動機構を制御することによりキャリッジを記録媒体の上を主走査方向に沿 つて往復走査させるとともに、制御部は各記録ヘッドを制御することにより所定の吐出 量のインクを所定の画素に吐出させる。記録媒体上に吐出されたインクに紫外線照 射装置から紫外線が照射されることによりインクが硬化定着し、記録媒体上に画像が 記録される。

[0186] 以上のように、本実施形態によれば、インクが吐出されてから紫外線が照射される までの照射タイミング、インクや画像記録に用いる記録媒体の種類、紫外線の照射強 度、記録ヘッド周囲の環境温湿度といった各種条件により、 1バンドを形成するため に必要な走査のうち最後の走查におけるインク吐出量を変化させるので、記録された 画像の画質に最も影響を及ぼす 1バンドごとの光沢感の差異等を生じ難ぐ高精細 な画像記録を行うことが可能となる。

[0187] さらに、所望の画質に応じてインク吐出量を調整するので、ユーザがマット調の画 像、ダロス調の画像を任意に選択し、希望に沿う画質の画像を得ることができる。

[0188] なお、本実施形態では、 1つのバンドを形成するために必要な往復走査のうち、最 後の走査の際のみ記録ヘッドから吐出するインク吐出量を少なくするものとしたが、 第二の実施形態と同様に、最後の走査の際と最後から 2番目の走査の際との両方に おいて、記録ヘッドから吐出するインク吐出量を少なくするものとしてもよい。

[0189] なお、本発明が本実施の形態に限られないことは、第一の実施形態及び第二の実 施形態と同様である。

Claims

請求の範囲

[1] 記録ヘッドを記録媒体の搬送方向と直交する方向に往復走査させるステップと、光 を照射することによって硬化する光硬化型インクを前記記録ヘッドから前記記録媒体 上に吐出するステップと、吐出された前記インクに光を照射するステップ、および前 記記録ヘッドを複数回往復走査させることによって 1つのバンドを形成するように記録 を行う際に、 1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最終段階時に前記記 録ヘッドから少ない量のインクを吐出させる制御ステップを有することを特徴とする画 像を記録するインクジェット記録方法。

[2] 前記少ない量のインクは吐出口からの吐出量を減らしたインクであることを特徴とす る請求の範囲第 1項に記載のインクジェット記録方法。

[3] 前記少ない量のインクは吐出させる吐出口をランダムに間引くことにより量を減らし たインクであることを特徴とする請求の範囲第 1項に記載のインクジェット記録方法。

[4] 前記最終段階時は最後の走査時であることを特徴とする請求の範囲第 1項に記載 のインクジェット記録方法。

[5] 前記最終段階時は最後の走査時および最後から 2番目の走査時であることを特徴 とする請求の範囲第 1項に記載のインクジェット記録方法。

[6] 光を照射することによって硬化する光硬化型インクを記録媒体上に吐出する記録 ヘッドと、吐出された前記インクに光を照射する光源を備える光照射装置と、前記記 録ヘッドを前記記録媒体の搬送方向と直交する方向に往復走査させるヘッド走査手 段と、前記記録ヘッドを複数回往復走査させることによって 1つのバンドを形成するよ うに前記ヘッド走查手段を走査し記録を行う際に、 1つのバンドを形成するために必 要な往復走査の最終段階時に前記記録ヘッドから吐出されるインク吐出量を少なく するようにインク吐出量を決定し、前記記録ヘッドを制御する制御部とを備えたことを 特徴とするインクジェット記録装置。

[7] 前記制御部は吐出口からのインク吐出量を減らすことによりインク吐出量を少なくす ることを特徴とする請求の範囲第 6項に記載のインクジェット記録装置。

[8] 前記制御部はインクを吐出させる吐出口をランダムに間引くことにより量を少なくす ることを特徴とする請求の範囲第 6項に記載のインクジェット記録装置。

[9] 前記最終段階時は最後の走査時であることを特徴とする請求の範囲第 6項に記載 のインクジェット記録装置。

[10] 前記最終段階時は最後の走査時および最後から 2番目の走査時であることを特徴 とする請求の範囲第 6項に記載のインクジェット記録装置。

[11] 前記制御部は、 1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最終段階時に前 記記録ヘッドから吐出されるインク吐出量は、記録媒体に着弾した際のドット径が隣 接して着弾するインクドットとのドット間距離の 1/2以下となるように前記記録ヘッドを 制御することを特徴とする請求の範囲第 7項に記載のインクジェット記録装置。

[12] 前記制御部は、 1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最終段階時に前 記記録ヘッドから吐出されるインク吐出量は、記録媒体に着弾した際のドット径が隣 接して着弾するインクドットとのドット間距離以上となるように前記記録ヘッドを制御す ることを特徴とする請求の範囲第 8項に記載のインクジェット記録装置。

[13] 前記記録ヘッドを複数配置し、前記制御部は、前記記録ヘッドと前記光照射装置と の距離に応じて前記インク吐出量を決定することを特徴とする請求の範囲第 6項に記 載のインクジェット記録装置。

[14] 前記記録ヘッドは、各色のインクごとに複数配置され、前記制御部は、インクの種類 に応じて、前記インク吐出量を決定することを特徴とする請求の範囲第 6項に記載の インクジェット記録装置。

[15] 前記制御部は、前記記録媒体の種類に応じて、前記インク吐出量を決定することを 特徴とする請求の範囲第 6項に記載のインクジェット記録装置。

[16] 前記制御部は、画像記録時の画像記録速度に応じて、前記インク吐出量を決定す ることを特徴とする請求の範囲第 6項に記載のインクジェット記録装置。

[17] さらに前記光照射装置力 照射される光の照射強度を測定する照射強度測定手 段を備え、

前記制御部は、前記照射強度測定手段によって測定された前記照射強度に応じ て前記インク吐出量を決定することを特徴とする請求の範囲第 6項に記載のインクジ ヱット記録装置。

[18] 前記記録ヘッドの周囲の温度又は湿度のうち少なくとも何れか一方を測定する温 湿度測定手段を備え、前記制御部は、前記温湿度測定手段によって測定された前 記記録ヘッドの周囲の温度又は湿度のうち少なくとも何れか一方に応じて、前記イン ク吐出量を決定することを特徴とする請求の範囲第 6項に記載のインクジェット記録 装置。

前記制御部は、記録される画像の所望の画質に応じて、前記インク吐出量を決定 することを特徴とする請求の範囲第 6項に記載のインクジェット記録装置。