JP7135683B2 - 液体吐出装置、方法、およびプログラム - Google Patents

液体吐出装置、方法、およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、液体吐出装置、方法、およびプログラムに関する。
液体吐出装置の一つに、インクジェットヘッドからインクを吐出させて印刷媒体上に画像を形成するインクジェット方式の液体吐出装置が知られている。インクジェット方式により吐出させたインクにより立体物を形成する技術では、紫外線硬化性のインクを吐出させて紫外線を照射し、そのインクを硬化させて印刷媒体上に立体物を形成する。立体の造形物は、画像の層を硬化して何層にも積層していくことにより形成される。
光硬化性インクを用いて立体印刷を行うインクジェット記録装置が開示されている。このインクジェット記録装置では、硬化性のインクが拡がって形成された単色層の外周が色の濃い硬化性のインクで囲まれた構造を有する(特許文献1参照)。
しかし、昨今は生産性を上げるため、造形物の形状を形成する工程において例えば積層用のホワイトインク(以下Wインク)やクリア(透明)インク(以下CLインク)などを使用して1層の厚みを稼ぐようにしている。造形物の表面の着色に従来から使用されている着色用のインクは厚みが薄く一定の厚みしか有さない。積層用のインクで形成された1層に厚みがある場合、その1層と同じ厚みになるように着色用のインクの液滴の硬化後に更に液滴を積み上げなければ、造形物の側面の着色した部分の隙間から着色した色とは異なる積層用のインクの色が外部に露出することになる。その隙間を塞ごうと着色用のインクの液滴を更に積み上げようとすると、過剰な着色に繋がったり、処理手順が増加して生産性の低下に繋がったりする。このように生産性を上げた場合に造形物の着色の品質が低下するという問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、立体物の着色の品質を向上することが可能な液体吐出装置、方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一実施の形態は、積層体を形成する液体吐出装置であって、前記積層体を形成する硬化性液体を吐出する第1の吐出手段と、前記積層体上に着色する硬化性液体を吐出する第2の吐出手段と、吐出手段により吐出された硬化性液体を硬化させる硬化手段と、前記積層体を形成する硬化性液体が吐出される位置に応じて硬化手段を制御して、前記着色する硬化性液体が硬化する速さを制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記着色する硬化性液体が重ねられる位置に前記第1の吐出手段により吐出された前記硬化性液体の硬化する速さを前記硬化手段により制御して、表面が液体の状態である積層体を形成し、前記第2の吐出手段により、表面が液体の状態である前記積層体上に前記着色する硬化性液体を吐出させることを特徴とする。
本発明によれば、立体物の着色の品質を向上することが可能になるという効果を奏する。
図1は、一実施形態に係る立体造形システムの外観図である。 図2は、一実施形態に係る立体造形装置の平面図である。 図3は、一実施形態に係る立体造形装置の側面図である。 図4は、一実施形態に係る立体造形装置の正面図である。 図5は、立体造形装置の制御に関わるハードウェア構成図である。 図6は、キャリッジに搭載されている装置の概略構成を示す図である。 図7は、立体造形装置の制御ブロックの構成の一例を示す図である。 図8は、立体造形システムにより造形物を形成する手順の一例を示す図である。 図9は、造形データが有する対応データの設定方法の一例を示す説明図である。 図10は、立体造形装置の造形物を造形する造形動作の一例を示す図である。 図11は、変形例1に係るキャリッジに搭載されている装置の概略構成を示す図である。 図12は、変形例1に係る立体造形装置の制御ブロックの構成の一例を示す図である。 図13は、変形例1に係る立体造形装置の造形処理の手順の一例を示す図である。 図14は、変形例2に係る各層の印刷データから着色用のインクを吐出する位置を特定する方法の一例を示す図である。
(実施の形態)
以下に添付図面を参照して、液体吐出装置、方法、およびプログラムの実施の形態を詳細に説明する。以下では、液体吐出装置の一例として立体造形装置への適用例を示す。特に、複数回往復走査して造形物の形成を行うシャトル型の立体造形装置について示すが、これに限定されるものではない。
なお、以下において、積層用のインクにより形成される部分が「積層体」に相当する。また、「液体」に相当するものを造形剤や、造形液や、インクなどと呼ぶ。
<立体造形システム>
本発明の一実施形態に係る立体造形システムについて図面を用いて説明する。図1は一実施形態に係る立体造形システムの外観図である。立体造形システム1は、立体造形装置50、及びコンピュータ10を備える。
コンピュータ10は、例えば、PC(Personal Computer)、又はタブレット等の汎用の情報処理装置、若しくは立体造形装置50専用の情報処理装置である。コンピュータ10は、立体造形装置50に内蔵されていても良い。コンピュータ10は立体造形装置50とケーブルで接続されても良い。また、コンピュータ10はインターネットやイントラネット等のネットワークを介して立体造形装置と通信するサーバ装置であっても良い。コンピュータ10は、上記の接続又は通信により、再現する造形物のデータを立体造形装置50へ送信する。
立体造形装置50は、インクジェット方式の造形装置である。立体造形装置50は、再現する造形物のデータに基づいて造形ステージ595上の媒体Pに液体の造形剤Iを吐出する造形ユニット570を備えている。更に、造形ユニット570は、媒体Pに吐出された造形剤Iに光を照射して硬化して、造形層Lを形成する硬化手段572を有する。更に、立体造形装置50は、造形剤Iを造形層L上に吐出して硬化する処理を繰り返すことで立体の造形物を得る。
造形剤Iは、立体造形装置50によって吐出可能であり、かつ形状安定性が得られ、硬化手段572の照射する光によって硬化する材料が用いられる。例えば、硬化手段572がUV(Ultra Violet)照射装置である場合、造形剤IとしてはUV硬化インクが用いられる。
媒体Pとしては、吐出された造形剤Iが定着する任意の材料が用いられる。媒体Pは、例えば、記録紙等の紙、キャンバス等の布、或いはシート等のプラスチックである。
<立体造形装置>
図2は、一実施形態に係る立体造形装置の平面図である。図3は、一実施形態に係る立体造形装置の側面図である。図4は、一実施形態に係る立体造形装置の正面図である。内部構造を表すため、図2において立体造形装置50の筐体の上面が、図3において筐体の側面が、図4において筐体の正面が記載されていない。
立体造形装置50の筐体の両側の側面590には、ガイド部材591が保持されている。ガイド部材591には、キャリッジ593が移動可能に保持されている。キャリッジ593は、モータによってプーリ及びベルトを介して図2,4の矢印X方向(以下、単に「X方向」という。Y、Zについても同様とする。)に往復搬送される。なお、X方向を、主走査方向と表す。
キャリッジ593には、造形ユニット570がモータによって図3,4のZ方向に移動可能に保持されている。造形ユニット570には、6種の造形剤のそれぞれを吐出する6つの液体吐出ヘッド571a、571b、571c、571d、571e、571fがX方向に順に配置されている。以下、液体吐出ヘッドを単に「ヘッド」と表す。また、ヘッド571a、571b、571c、571d、571e、571fのうち任意のヘッドをヘッド571と表す。ヘッド571は6つに限られず、造形剤Iの数に応じて1以上の任意の数、配置される。
立体造形装置50には、タンク装着部560が設けられている。タンク装着部560には、第1の造形剤、第2の造形剤、第3の造形剤、第4の造形剤、第5の造形剤、第6の造形剤の各々を収容した複数のタンク561が装着されている。各造形剤は、6つの供給チューブ562を介して各ヘッド571に供給される。各ヘッド571は、ノズル又はノズル列を有しており、タンク561から供給された造形剤を吐出する。一実施形態において、ヘッド571a、571b、571c、571d、571e、571fは、ノズルから、それぞれ第1の造形剤、第2の造形剤、第3の造形剤、第4の造形剤、第5の造形剤、第6の造形剤を吐出する。
造形ユニット570における、6つのヘッド571の両側にはそれぞれ硬化手段572が配置されている。硬化手段572は、ヘッド571から媒体Pへ吐出された造形剤を硬化する。硬化手段572としては、造形剤Iを硬化させることが可能であれば特に限定されないが、紫外線(UV)照射ランプ、電子線照射ランプ等のランプが挙げられる。ランプの種類としては、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライド等が挙げられる。超高圧水銀灯は点光源であるが、光学系と組み合わせて光利用効率を高くしたUVランプは、短波長領域の照射が可能である。メタルハライドは、波長領域が広いため有効である。メタルハライドには、造形剤に含まれる光開始剤の吸収スペクトルに応じてPb、Sn、Feなどの金属のハロゲン化物が用いられる。硬化手段572には、紫外線等の照射により発生するオゾンを除去する機構が具備されていることが好ましい。なお、硬化手段572の数は2つに限られず、例えば、造形ユニット570を往復させて造形するか等に応じて、任意の数設けられる。また、2つの硬化手段572のうち1つだけ稼働させても良い。
立体造形装置50においてX方向の一方側には、ヘッド571の維持回復を行うメンテナンス機構580が配置されている。メンテナンス機構580は、キャップ582、及びワイパ583を有する。キャップ582は、ヘッド571のノズル面(ノズルが形成された面)に密着する。この状態で、メンテナンス機構580がノズル内の造形剤Iを吸引することで、ノズルに詰まった高粘度化した造形剤Iが排出される。その後、ノズルのメニスカス形成のため、ノズル面をワイパ583でワイピング(払拭)する。また、メンテナンス機構580は、造形剤Iの吐出が行われない場合に、ヘッド571のノズル面をキャップ582で覆い、造形剤Iが乾燥することを防止する。
造形ステージ595は、2つのガイド部材592に移動可能に保持されたスライダ部を有する。これにより、造形ステージ595は、モータによってプーリ及びベルトを介してX方向と直交するY方向(副走査方向)に往復搬送される。
<造形液>
本実施形態において、上記の第1の造形剤はキープレートとしてのブラックのUV硬化インク(K)、第2の造形剤はシアンのUV硬化インク(C)、第3の造形剤はマゼンタのUV硬化インク(M)、第4の造形剤はイエローのUV硬化インク(Y)、第5の造形剤はクリアのUV硬化インク(CL)、第6の造形剤はホワイトのUV硬化インク(W)である。なお、造形剤は6つに限られず、画像再現上、必要な色の種類に応じて1以上の任意の数であれば良い。なお、造形剤の数が7以上である場合、立体造形装置50に追加のヘッド571を設けても良く、造形剤の数が5以下である場合、いずれかのヘッド571を稼働させないか、設けなくても良い。
<制御部>
次に、図5を用いて立体造形装置50の制御に関するハードウェア構成について説明する。図5は立体造形装置50のハードウェア構成図である。
立体造形装置50は、立体造形装置50の処理、及び動作を制御するための制御部500を有する。制御部500は、CPU(Central Processing Unit)501、ROM(Read Only Memory)502、RAM(Random Access Memory)503、NVRAM(Non-Volatile Random Access Memory)504、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)505、I/F(Interface)506、I/O(Input/Output)507を有する。
CPU501は、立体造形装置50の処理、及び動作の全体を制御する。ROM502は、CPU501に立体造形動作を制御するためのプログラム、その他の固定データを格納する。RAM503は、再現する造形物のデータ等を一時格納する。CPU501、ROM502、及びRAM503によって、上記プログラムに従った処理を実行する主制御部500Aが構築される。
NVRAM504は、立体造形装置50の電源が遮断されている間もデータを保持する。ASIC505は、造形物のデータに対する各種信号処理等を行う画像処理やその他、立体造形装置50全体を制御するための入出力信号を処理する。
I/F506は、外部のコンピュータ10に接続され、コンピュータ10との間でデータ及び信号を送受信する。コンピュータ10から送られてくるデータには、再現する造形物のデータが含まれる。I/F506は外部のコンピュータ10に直接接続されるのでなくインターネットやイントラネット等のネットワークに接続されても良い。
I/O507は、各種のセンサ525に接続され、センサ525から検知信号を入力する。
また、制御部500には、立体造形装置50に必要な情報の入力及び表示を行うための操作パネル524が接続されている。
更に、制御部500は、CPU501又はASIC505の命令によって動作するヘッド駆動部511、モータ駆動部512、及びメンテナンス駆動部513を有する。
ヘッド駆動部511は、造形ユニット570のヘッド571へ画像信号と駆動電圧を出力することにより、ヘッド571による造形剤Iの吐出を制御する。この場合、ヘッド駆動部511は、例えば、ヘッド571内で造形剤Iを貯留するサブタンクの負圧を形成する機構、及び押圧を制御する機構へ駆動電圧を出力する。なお、ヘッド571にも、基板が搭載されており、この基板で画像信号等により駆動電圧をマスクすることで駆動信号を生成しても良い。
モータ駆動部512は、造形ユニット570のキャリッジ593をX方向(主走査方向)に移動させるX方向走査機構596のモータへ駆動信号を出力することにより、モータを駆動する。また、モータ駆動部512は、造形ステージ595をY方向(副走査方向)に移動させるY方向走査機構597のモータへ駆動電圧を出力することにより、該モータを駆動する。更に、モータ駆動部512は、造形ユニット570をZ方向に移動させるZ方向走査機構598のモータへ駆動電圧を出力することにより、該モータを駆動する。
メンテナンス駆動部513は、メンテナンス機構580へ駆動信号を出力することにより、メンテナンス機構580を駆動する。
上記各部は、アドレスバスやデータバス等により相互に電気的に接続されている。
<硬化手段の配置構成>
図6は、キャリッジ593に搭載されている装置の概略構成を示す図である。図6は、立体造形装置50の正面つまり図4と同じ向きから示している。図6には、キャリッジ593に搭載されている装置以外に、説明のため媒体Pおよび造形ステージ595も図示している。
図6においてキャリッジ593は往路方向(矢印Aの向き)および復路方向(矢印Bの向き)に往復移動することにより媒体Pに対し主走査方向X(図4参照)への移動を行う。媒体Pの副走査方向Y(図2参照)への移動は造形ステージ595の移動により行われる。
キャリッジ593には、造形ユニット570とUV照射装置5720とが搭載されている。UV照射装置5720は、硬化手段572の一例である。
造形ユニット570は、図6においては図示を省略しているが、少なくとも1つ以上のヘッド571を有する。本例では、上述したように造形剤としてK、C、M、Y、CL、およびWのUV硬化インクをそれぞれ吐出する6個のヘッド571が主走査方向に配列されている。各ヘッドの配列の順番や配列方向などは、ヘッド571の構成などに応じて適宜変形してもよい。6個のヘッド571はノズル面を媒体P側に向けて搭載され、各ヘッド571のノズル面から媒体Pに向けて、それぞれヘッド571へ供給されたUV硬化インクが画像信号に応じて吐出される。この例では、CLやWのUV硬化インクを積層体を形成するためのインクとして使用し、K、C、M、YのUV硬化インクを着色のためのインクとして使用する。従って、この例では、6個のヘッド571のうちCLやWのUV硬化インクを吐出するヘッドが「第1の吐出手段」に対応し、K、C、M、YのUV硬化インクを吐出するヘッドが「第2の吐出手段」に対応する。なお、積層体を形成するインクや、それを着色するインクの組み合わせは一例であり、適宜色の種類や数を変更してもよい。
UV照射装置5720は、UV(紫外線)光を照射する光照射装置である。UV照射装置5720は、各ヘッド571のノズル面に対向する媒体PにUV光の照射方向を向けて配置されており、光源616(図7参照)の点灯によりUV光を照射する。UV照射装置5720は、キャリッジ593の移動制御や、造形ステージ595の移動制御により、媒体P上を移動し、各位置にUV光を照射する。
なお、この例では硬化手段572にUV照射装置5720を適用した例を示しているが、硬化手段572はこれに限定されない。使用する造形剤の種類に応じ、造形剤を硬化させる手段(例えば熱により硬化させる手段など)に変形してよい。
<制御ブロック>
図7は、本実施の形態に係る立体造形装置50の制御ブロックの構成の一例を示す図である。図7に示すように、立体造形装置50は、主制御部500AやASIC505などに、ステージ制御部601や、キャリッジ制御部602や、光照射装置制御部603や、画像処理部604や、吐出制御部605などを有する。各部は、例えばCPU501がROM502などのプログラムを実行することによりそれぞれモジュールとして実現される。
ステージ制御部601は、副走査方向制御部611の制御により副走査方向への造形ステージ595の移動を制御する。ここで、副走査方向制御部611はモータ駆動部512(図5参照)のX、Y、Z方向の移動を制御する各モータの内のY方向の移動を制御する制御回路に相当する。
キャリッジ制御部602は、主走査方向制御部612の制御により、X方向へのキャリッジ593の移動を制御する。ここで、主走査方向制御部612はモータ駆動部512の各モータの内のX方向の移動を制御する制御回路に相当する。エンコーダ613からはキャリッジ制御部602によりキャリッジ593の位置が随時読み取られる。
また、キャリッジ制御部602は高さ方向制御部614についても制御する。ここで、高さ方向制御部614はモータ駆動部512の各モータの内のZ方向の移動を制御する制御回路に相当する。更にキャリッジ制御部602は、制御した高さを光照射装置制御部603に通知する。
光照射装置制御部603は、UV照射装置5720の光源制御回路615(図5においては図示を省略した)を制御することにより、光源616のオン/オフや光出力などを制御する。光照射装置制御部603は、キャリッジ制御部602から通知された高さと、エンコーダ613から読み取った位置に応じて光源制御回路615を制御する。例えば、所定のメモリ617に格納されている造形データの光量制御情報を読み取り、その光量制御情報に設定されている各位置(吐出位置)の光量情報から光源制御回路615で光源616の光出力を制御する。光量情報は、UVインクに照射するUV光の総量(照射総量)を変更するための情報である。この総量は、例えばUV光の発生源である光源616の光出力の調節や、光源616のオン/オフによる照射時間の調節や、UV光の照射領域がUVインクを通過する速度の調節などにより変更することができる。媒体P上に吐出したUVインク(液滴)へ照射する総量を変えることによりUVインク(液滴)が硬化する速さを制御している。光出力の調節では単位時間にUVインク(液滴)が受けるUV光の量が変わり、総量も変化する。光源616のオン/オフによる照射時間の調節では、UVインク(液滴)がUV光を受けるトータルの時間が変わり、総量も変化する。UV光の照射領域がUVインクを通過する速度の調節では、キャリッジ593の移動によりUV照射装置5720がヘッド571と共に移動するため、この移動速度の調節により、単位時間にUVインク(液滴)が受けるUV光の量が変わり、総量も変化する。ここでは、光源616の光出力の調節により変更するものとして説明する。
画像処理部604は、画像データ入出力部618から入力された画像データを画像処理し、画像データに基づく制御情報をキャリッジ制御部602と吐出制御部605とに出力する。例えば、画像処理部604は、キャリッジ制御部602への制御情報として、高さの変更を示す情報やキャリッジ593を主走査方向へ移動させるタイミングなどを出力する。また、画像処理部604は、吐出制御部605への制御情報として画像に基づく吐出パターンを示す情報(パターン情報)を出力する。
吐出制御部605は、パターン情報に基づいてヘッド駆動回路619を駆動する。6つのヘッド571は、それぞれ、ヘッド駆動回路619を有する。それぞれのヘッド駆動回路619の動作により各ヘッド571から画像に基づくパターンでUVインクが吐出される。
表示部620は、操作パネル524(図5参照)の表示制御回路に相当する。
本実施の形態では、積層体を形成する積層用のインクと、積層体を着色する着色用のインクとに、それぞれUVインクを使用する。着色用のインクは例えばCMYKのインクであり、積層用のインクは例えばクリアインクやホワイトインクである。そして、着色用のインクが上に積み上げられる(重ねられる)位置つまり着色用のインク滴の直下になる位置に吐出された積層用のインク滴について、照射するUV光の総光量を制御する。一例として、該当する位置(該当位置)に吐出された積層用のインク滴へ照射するUV光の照射量を、それ以外の位置へ吐出された積層用のインク滴に照射する照射量より減らす。なお、該当する位置でも未着色部を塞ぐことが可能であれば照射量を減らさない場所を含んでいてもよい。該当する位置に吐出されたインク滴について照射量を減らしたものについては、他よりも硬化の進みが遅れ、表面が液体のままとなる。このため、インク滴の濡れ性が著しく高くなり、インクが平面方向へ広がる表面平滑性が高くなる。着色用のインク滴への照射が一律であり、積層用のインク滴への照射量を減らした場合は、その積層用のインク滴に重ねられる着色用のインク滴の高さが低くなり、厚みの調節が可能となる。従って、該当位置に吐出された積層用のインク滴へ照射するUV光の照射量を制御することにより厚みを調節し、未着色部を塞ぐ制御が可能になる。なお、該当する位置以外に吐出された積層用のインク滴については硬化が速く内部および表面が共に固化する。この場合、インクが平面方向へ広がるのを抑えるように作用し、インク滴を高さ方向へ厚みをもたせることができるため立体形状の再現性が高くなる。
積層用のインクの組成と着色用のインクの組成とは、同じであっても異なっていてもよい。ただし、積層用のインクは、厚みや表面性が制御しやすいものが望ましい。本実施の形態で使用する積層用のインクとして立体形状の再現性や表面平滑性の効果が得られた一部の組成および、その実験結果を後に「活性エネルギー線硬化型組成物の構成について」として示す。これらのうち、立体形状の再現性と表面平滑性の効果とが得られる組成および光量設定の適用により、高い効果が得られる。
本実施の形態に係る立体造形装置50では、造形処理の開始前に予め吐出位置毎に光量情報を作成しておき、その後の造形処理において、光量情報を光照射装置制御部603が読み取り、各吐出位置のインクに照射するUV光の光量を制御する。この光量情報は、開始前に作成したものに限らず、事前に別途評価された値を用いてもよい。
なお、予め光量情報を作成せずに、造形処理の際中に、硬化した積層用のインク滴の高さ(厚み)を検知し、その高さに対応する光量の制御値を光照射装置制御部603に設定してもよい。この制御については、変形例として後に詳しく説明する。
<造形システム全体の造形手順>
続いて、立体造形システム1で造形物を形成する手順(全体の手順)について説明する。
図8は、立体造形システム1により造形物を形成する手順の一例を示す図である。先ず、コンピュータ10が立体造形物の3次元モデル情報を取得する(ステップS1)。この3次元モデル情報は、外部装置で生成されたものを通信や、SDカード等の可搬型記録媒体などを介して取得する。
続いてコンピュータ10は、3次元モデル情報を解析して、本実施の形態に係る立体造形装置50の造形データを生成する(ステップS2)。具体的にコンピュータ10は、造形物に非着色部(未着色部)が発生しないように、形成する層毎に、積層用のインクが吐出される位置(吐出位置)と、吐出位置毎の積層用のインク滴の厚みの調節量(光量情報)、吐出位置に重ねられる着色用インク滴の厚みの情報とを算出し、吐出位置と光量情報とを対応付けた対応データを有する造形データを生成する。ここで、吐出位置を示す情報は、何層目の層番号のもので、その層番号の何れのXY座標位置かを立体造形装置50において識別できる情報である。また光量情報は、立体造形装置50において、例えばUV照射装置5720の光源616の光出力調節値や、UV光の照射時間や、キャリッジ593や造形ステージ595の速度調節値などに変換可能な情報である。
続いて、コンピュータ10が立体造形装置50に対し、ステップS2で生成した造形データを出力する(ステップS3)。
そして、立体造形装置50が、コンピュータ10から出力された造形データに基づいて各制御対象を制御し、造形物を形成する(ステップS4)。
図9は、造形データが有する対応データの設定方法の一例を示す説明図である。図9(a)には、本実施の形態との比較のため、従来方式で形成される造形物の積層用のインクと着色用のインクの各配置と厚みとの関係を模式的に示している。図9(b)には、本実施の形態に係る積層用のインクによる厚みの調節例を示している。なお、図9(a)(図9(b)も同様)には、媒体P上に形成される造形物80の縦断面のインク滴の配列を示している。また、図9(a)(図9(b)も同様)には、造形用(積層用)のインク滴と着色用のインク滴とを区別するため、積層用のインク滴を無色で表し、着色用のインク滴を斜線で表している。
図9(a)に示すように、従来は、着色用のインク滴82が一定の厚みとなるため、着色用のインク滴82により積層用のインク滴81の厚みをもたせることができないところが未着色部83となる。このため、造形物80の側面から見ると着色した隙間から積層用のインクがところどころ露出し、これが造形物80の品質を低下させている。図9(a)では、着色用のインク滴82を同じXY座標位置で2回吐出した例も含めているが、2回吐出した場合であっても積層用のインク滴81の厚みが着色用のインク滴82の厚みの倍数にならないため露出が生じる。
このように、着色用のインク82を重ねて厚みを持たせても、厚みを持たせた着色用のインク82と積層用のインク81の厚みとが一致しない。従って、着色用のインク82で着色することを優先した場合には、隙間が塞がっても、過剰な着色による品質低下を招くことに繋がる。
本実施の形態では、図9(a)において未着色部83のある積層用のインク滴81を対象とし、図9(b)に積層用のインク滴84として示すように厚みを制御する。また、必要に応じ、積層用のインク滴84の制御された厚みに合わせて着色用のインク滴82を複数回吐出する。これにより、図9(a)に示す未着色部83を塞ぐことができる。具体的には、積層用のインクとして厚みを制御し易いインクを使用する。また、積層用のインク滴84の位置に応じ、積層用のインク滴84の厚みを、着色用のインク滴82で未着色部83を塞ぐことができる最適な厚みに制御する。この厚みの制御により、生産性の低下を招くことなく造形物80の品質を向上させることが可能になる。
なお、積層用のインク滴81の一部を着色用のインク滴82に置き換えて形成してもよい。例えば造形物80の積層用のインク滴81で形成される最上位の層を着色用のインク滴82に置き換えて形成する。厚みの制御で形状を維持できないところがある場合は、積層用のインク滴84で形成する箇所を着色用のインク滴82に置き換えて形状の維持を優先させてもよい。このような置き換えは、コンピュータ10において、例えば未着色部83と、積層用のインク滴84により制御可能な厚みと、造形物の外形形状とを基に、解析により外形形状に所定量以上の形状誤差が発生するか判定し、発生する場合などに、発生位置の積層用のインク滴84を着色用インク滴82に置き換えて造形データを生成する。
<立体造形装置の造形手順>
続いて、立体造形装置50における造形手順について説明する。立体造形装置50は、プログラムを実行し、コンピュータ10が出力した造形データに基づいて造形物を形成する造形動作を行う。例えばキャリッジ593や、造形ユニット570や、造形ステージ595の移動制御、各層の画像情報に基づく各ヘッド571の吐出制御などを行う。なお、コンピュータ10は3次元モデルの造形データの全てを一括して立体造形装置50へ出力してもよいし、層毎に順次出力してもよい。層毎の順次出力される場合、立体造形装置50は、1層目(最下層)の形成が終わると、コンピュータ10から2層目の造形データを取得するなどして、層毎に順次層の造形動作を行う。以下では、一例として、一括して造形データが出力された場合の例を示す。
図10は、立体造形装置50の造形物を造形する造形動作の一例を示す図である。先ず、立体造形装置50は、初期化の処理を行う(ステップS11)。例えば、キャリッジ593、造形ユニット570、および造形ステージ595の位置を所定の開始位置に移動したり、各種の設定をデフォルト値に設定したりするなどの初期化の処理を行う。本例では、各種の設定の際に、何層目かを示すパラメータN(Nは自然数とする)の値を「1」に設定する初期化処理を含む。
続いて、立体造形装置50は、N層目の造形動作とUV光の照射とを行う(ステップS12)。最初は、N=1であるため、1層目の造形データに基づく造形動作とUV光の照射とを行う。例えば、1層目の画像の最適化された造形手順でキャリッジ593や造形ステージ595を移動し、これらにより位置決めされる各位置をエンコーダなどにより読み取りながら各位置にヘッド571から積層用のインクを吐出する。なお、インクの吐出は、断続的であっても連続的であってもよい。
UV光は、積層用のインク滴84が吐出された位置の総光量が吐出位置毎に設定された総光量となるように、光源616の光出力設定を変えて照射する。具体的には、光照射装置制御部603が高い光出力の設定のまま積層用のインク滴81が吐出された位置にUV光を照射する。この際、光照射装置制御部603は、高さ方向の出力とエンコーダ613の出力とを読み取り、積層用のインク滴84を吐出した位置にきた場合にメモリ617の対応データに従って光源制御回路615の光出力を低い設定に変える。つまり、光照射装置制御部603は、積層用のインク滴84に対して総光量が少なくなるようにUV光を照射する。なお、吐出した積層用のインク滴81に対するUV光の照射手順は、適宜設定してよい。例えば、各位置でインクの吐出後に連続して行ってもよいし、所定の範囲にインクを吐出してから、その範囲にUV光を照射してもよい。
続いて、立体造形装置50は、積層用のインクにより形成した当該層の着色動作とUV光の照射とを行う(ステップS13)。初回は、N=1であるため、1層目の造形データの対応データに基づいて着色とUV光の照射とを行う。具体的には、キャリッジ593や造形ステージ595の移動により、対応データに設定されている輪郭部の各座標にヘッド571(着色するインク色のヘッド)を随時位置決めし、各位置で該当色の着色用のインクを1回または複数回吐出する。また、輪郭部の各座標に吐出したインクに対し、所定の光出力設定でUV光を照射する。
輪郭部に吐出された着色用のインクは、対応データに設定されている一律の光量で照射される。
なお、吐出した着色用のインクに対するUV光の照射手順は、適宜設定してよい。例えば、各位置でインクの吐出後に連続して行ってもよいし、所定の範囲にインクを吐出してから、その範囲にUV光を照射してもよい。
N(N=1)層目の全ての造形が終わると、N層目が最上位層であるかを判定する(ステップS14)。N層目が最上位層である場合(ステップS14:Yes判定)、本造形処理を終了する。N層目が最上位層でない場合(ステップS14:No判定)、立体造形装置50は、パラメータNをインクリメントし(ステップS15)、続く層(この場合2層目)の造形データに従いステップS12~ステップS14を繰り返す。
ここでは、一例として、層単位に、造形動作と着色動作とを繰り返す例を示したが、着色動作を同時に、あるいは積層用のインクによる造形動作の途中に着色動作を組み合わせて行ってもよい。この場合には、ヘッドの走査経路を少なくすることができる。また、全層の造形動作を終えた後、その造形動作で形成された積層体を対象に着色動作を行ってもよい。
<活性エネルギー線硬化型組成物の構成について>
本実施の形態では、光照射により硬化性液体を硬化させる形態を示している。光は、UV光に限らず、活性エネルギー線であれば電子線などでもよい。電子線を利用する場合にも、積層用のインクには電子線の照射により厚みを変更することが可能な組成のもの(電子線硬化性インク)を選択する。
<紫外線硬化性インクの実施例>
以下、紫外線硬化性インクの実施例を説明するが、これらの実施例により限定されるものではない。
(紫外線硬化性インク1~7の作製)
下記表1に示す組成にて混合撹拌し、紫外線硬化性インク1~7を作製した。なお、下記表1中の数値は、「質量部」である。
[インク硬化性]
得られた紫外線硬化性インクを用いて、バーコート(ワイヤーバー#26)にて、塗膜が40μmになるようにPET基材(東洋紡株式会社製、E5100,125μm)上に塗工し、空気雰囲気下にて、UV照射機(装置名:LH6、フユージョンシステムズジャパン株式会社製)にて、活性エネルギー線照射を行い、塗膜を硬化させて硬化物を得た。表面硬化光量(表面硬化性)は、得られた硬化物の表面を綿棒でこすり傷がつかなくなる光量により評価した。また、基材界面硬化光量(内部硬化性)は、硬化物表面にテープを貼りつけて剥離し、裏面の硬化状態を表面硬化性同様に評価した。なお、表面が硬化していない場合は、表面を布で擦り液状成分を拭き取った後に内部硬化性評価を実施した。光量(mJ/cm)は、UV Power Puck(登録商標) II(EIT社製)のUVA領域にて測定した。
なお、表面硬化光量以下での光量においては、紫外線硬化性インク1~3は、表面が液状であったが、紫外線硬化性インク5~7は、粘着性を示した。
Figure 0007135683000001
なお、表1において、成分の商品名、及び製造会社名については下記の通りである。
<単官能モノマー>
・アクリロイルモルホリン(ACMO):KJケミカルズ株式会社製
・ペンジルアクリレート(BzA):大阪有機化学工業株式会社製、ビスコート#160
<多官能モノマー>
・トリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA):新中村化学工業株式会社製、APG-200
・ノナンジオールジアクリレート(NDDA):大阪有機化学工業株式会社製、ビスコート#260
<オリゴマー>
・2官能ウレタンアクリレートオリゴマー(UA、重量平均分子量8,000)※粘度調整用
<重合開始剤>
・ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フエニルフォスフィンオキサイド:BASF社製、Irgacure819
・2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフエニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フエニル]-1-ブタノン:BASF社製、Irgacure379
<色材>
・酸化チタン顔料:粒径200nm
(紫外線硬化性インク1~7の評価)
次に、得られた紫外線硬化性インクを用いて、以下のようにして、「立体形状再現性」、及び「表面粗さSq」を評価した。結果を下記表2に示す。
[積層体の形成]
得られた各紫外線硬化性インクをMH5420ヘッド(株式会社リコー製)搭載のインクジェット吐出装置により、解像度1,200dpi×1,200dpi、8パス、1滴あたりの滴量10pL、印字速度420mm/秒間、及び下記表2に示す1パスあたりの紫外線光量にて単方向印字(往路のみ)にて印字した。紫外線光源としてはヘッドの左右に同一種の光源、同一出力としたものを搭載し、往路(左への走査・インク吐出あり)においてはヘッドの右の紫外線(UV)光源を点灯させ、復路(右への走査・インク吐出なし)においてはヘッド左右の紫外線(UV)光源を両方とも点灯させた。この1回の往復を1パスとする。ヘッド-光源間の距離は200mmとした。ヘッド-光源間距離はあまり近すぎると濡れ広がりが悪くなり、2m~3mなど長すぎると再現性が悪い。光量(mJ/cm)は、UV Power Puck(登録商標) II(EIT社製)のUVA領域にて測定した。この一連の印字を繰り返すことにより、積層体を形成させた。基材としては、ポリカーボネート基材(商品名:ユーピロンNF-2000、三菱ガス化学株式会社製、平均厚み0.5mm)を用いた。なお、紫外線(UV)光源はメタルハライド(Baldwin社製、CoolArc(幅85mm、最大出力240W/cm))を用いたがLED光源でも同様の結果が得られた。
(立体形状再現性)
積層体の形成と同様にして、入力画像として幅3ドット分、高さ550μmの細線状の積層体、及び幅1mm、高さ550μmの線状の積層体を形成した。細線は主走査方法に平行に形成させた。得られた積層体の形状を3D形状測定機(装置名:VR-3200、株式会社キーエンス製)にて測定した。幅3ドットの細線状の積層体の高さと、幅1mmの線状の積層体の高さと、の比(幅3ドットの細線状の積層体の高さ/幅1mmの線状の積層体の高さ)を立体形状再現性とした。なお、この線幅がドットレベルで細くなるほど比(幅3ドットの細線状の積層体の高さ/幅1mmの線状の積層体の高さ)が低下すること、及びこの積層体の形成方法において、インク種によらず幅0.5mm以上の細線では入力高さ550μmがそのまま再現され、一定の高さが得られることを確認した。立体形状再現性は、0.5以上であることが好ましい。
<表面粗さSq>
積層体の形成と同様にして、10mm角の平面状積層体を下記表2の各高さにて形成させた。得られた積層体の形状を3D形状測定機(装置名:VR-3200、株式会社キーエンス製)を用いて、下記条件にて各高さにおける表面粗さの計測を実施した。高さ440μmにおける表面粗さSqは1.2μm以下であることが好ましい。
-条件-
測定範囲:中央8mm四方
表面粗さ:二乗平均平方根高さSq
粗さ規格:ISO 25178-2:2012
フィルター種別:ガウシアン
終端効果の補正:有効
S-フィルター:なし
L-フィルター:0.8mm
Figure 0007135683000002
以上のように、本実施の形態では、積層用のインクに照射するUV光の総量を吐出位置に応じて調節することにより、積層用のインクが外部に露出する部分を着色用のインクで塞ぐことが可能になる。従って、造形物において積層用のインクの色が外部に露出することが抑止され、造形物を側面から見ても着色の品質が向上する。
(変形例1)
立体造形装置50に高さ検知部を設け、造形処理の際に随時、積層用のインク滴84の吐出位置の周りの積層用のインク滴81が形成した層の高さ(厚み)を検知し、その高さに応じて積層用のインク滴84に照射するUV光の光量を制御する例を示す。なお、ここでは、主に実施の形態とは異なる部分について説明し、共通する箇所の説明は、適宜省略する。
図11は、変形例1に係るキャリッジ593に搭載されている装置の概略構成を示す図である。変形例1では、図6に示す構成において、さらに、層の高さを検知するための高さ検知部5721を有する。高さ検知部5721は、1つでも、図11に示すように2つでも、3つ以上でもよい。
高さ検知部5721は、センサ525(図5参照)の一つとして設ける。高さ検知部5721は、例えば近接センサや光センサなどで構成される。図11には、各UV照射装置5720の照射面の近傍に、それぞれ高さ検知部5721を設けている。各高さ検知部5721は、UV照射装置5720と共に媒体P上を移動し、積層用のインク滴81により形成された層の高さを検知する。例えば、積層用のインク滴84を吐出する位置に移動すると、その位置のN層の高さ(厚み)を検知し、高さを示す情報を出力する。
図12は、変形例1に係る立体造形装置50の制御ブロックの構成の一例を示す図である。図12に示す制御ブロックは、図7に示す制御ブロックの構成に、高さ検知部5721を追加した構成のものである。
この構成において、キャリッジ制御部602は、高さ検知部5721から層の高さ(厚み)を示す情報を読み取る。そして、キャリッジ制御部602は、光照射装置制御部603に対し、高さ方向制御部614の高さ方向の位置(何層目かを示す情報)と、高さ検知部5721から読み取った層の厚みを示す情報とを出力する。
光照射装置制御部603は、キャリッジ制御部602から通知される層の番号とエンコーダ613から読み取った位置がメモリ617に設定されている当該層における積層用のインク滴84の吐出位置に一致すると、そのときにキャリッジ制御部602が高さ検知部5721から読み取った層の厚みに応じて未着色部がなくなる総光量に設定して光源制御回路615を制御する。この場合、層の厚みは高さ検知部5721からの実際に測定された実測値が得られるため、メモリ617には、各層の積層用のインク滴84を吐出する位置を示す情報と、層の厚みと光量情報との対応関係を示す情報とが格納されていればよい。
図13は、変形例1に係る立体造形装置50の造形処理の手順の一例を示す図である。図13には、実施の形態に示した造形処理の手順(図10)のうちのステップS12で行われる手順の変形例の具体例を示している。なお、積層用のインク滴84を除く位置への積層用のインクの吐出とUV光の照射は、従来通りに実施することができるため、ここでは、それらは既に全て処理を終えて硬化しているものとし、以下では、積層用のインク滴84の位置への積層用のインクの吐出とUV光の照射について示す。
先ず、立体造形装置50は、キャリッジ593や造形ステージ595の移動により、対応データに設定されている積層用のインク滴84を吐出する座標にヘッド571(積層用のインクを吐出するヘッド)を位置決めする(ステップS131)。
続いて、立体造形装置50は、吐出する位置の周囲に積層用のインクにより形成された層(1層)の厚みを取得する(ステップS132)。1層の厚みの取得は、高さ検知部5721が検知した厚みを取得する。
続いて、立体造形装置50は、その吐出位置に積層用のインクを吐出する(ステップS133)。
続いて、立体造形装置50は、その吐出した位置の積層用のインク滴84に対し、ステップS132で取得した1層の厚みから算出した光量設定に調節してUV光を照射する(ステップS134)。
本実施例では、高さ検知部により、積層用のインク滴84の吐出位置の周りの積層用のインク滴81が形成した層の高さ(厚み)を検知する例を示したが、これに加え、吐出した積層用のインク滴84と、その周囲の積層用のインク滴81が形成した層の高さ(厚み)を実測するように変形してもよい。この場合、立体造形装置50は、着色の際に、着色用のインク82を吐出する位置における積層用のインク滴84と、その周囲の積層用のインク滴81との高さ(厚み)の差を正確に検出することができる。従って、立体造形装置50は、着色の際に、その位置で吐出回数を何回にすれば未着色部が塞がるかを判断し、その回数で吐出とUV照射を繰り返す制御も可能になる。
なお、UV光の照射手順は、適宜設定してよい。例えば、各位置でインクの吐出後に連続して行ってもよいし、所定の範囲にインクを吐出してから、その範囲にUV光を照射してもよい。
当該制御ブロックの構成では、メモリ617に各層における積層用のインク滴84の吐出位置を示す情報と、厚みと光量情報との対応情報とが格納されていれば、積層用のインク滴84に照射する光の総量を最適な値に変化させることができる。また、実際に読み取った高さに基づいて実施するため、吐出位置毎に積層用のインク滴84の厚みを正確に制御することができる。
なお、各層における積層用のインク滴84の吐出位置を示す情報は、コンピュータ10で予め算出して、メモリ617に格納してもよいし、立体造形装置50が画像データから特定してメモリに617に設定してもよい。
(変形例2)
立体造形装置50が造形処理の際に着色用のインクを吐出する位置を特定する特定方法の一例を示す。たとえば予め与えられた印刷データの画像の座標を元にエンコーダから得られた位置情報を元に特定してもよいし、二層以上の複数層の印刷データを用いる場合にはN層目とN+1層目の画像を比較し、その差分を用いて特定してもよい。
図14は、変形例2に係る各層の印刷データから着色用のインクを吐出する位置を特定する方法の一例を示す図である。図14(a)には、各層の印刷データに基づいて積層されてなる造形物の積層イメージを示している。図14(b)には、図14(a)に示す造形物の積層イメージに含まれるN層目とN+1層目の印刷データと、N層目とN+1層目の印刷データから算出されるN層目の端部(輪郭部に対応)のイメージを示している。ここで、図14(b)に格子状に示す各セルは印刷データの画像の単位画素を表している。N層目とN+1層目の網掛けの領域は造形物の領域を表している。
図14(b)に示すように、各層Nにおいて、画像処理部604などがN層目とN+1層目の各造形物の領域の差分をとって抽出した領域(端部)を、着色用のインクを吐出する領域として特定する。これに隣接する内側のセルが積層用のインク滴84の吐出位置となる。
図14(b)に、抽出された領域を網掛けで示している。この網掛け領域の各画素に対応する座標に着色用のインクを吐出する。
ここでは、一例を示したが、N層目と隣接する層との差分をとることにより、積層した際に露出する部分を算出することができ、その部分を着色用のインクで埋めることにより、積層用のインクの外部への露出を抑止することができる。以上より、過剰に着色することなく積層体の表面に印刷を行うことが可能になる。
本実施の形態や各変形例の液体吐出装置で実行するプログラムは、ROMに予め組み込んで提供してもよい。また、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されてもよい。また、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。
50 立体造形装置
500A 主制御部
505 ASIC
571 ヘッド
601 ステージ制御部
602 キャリッジ制御部
603 光照射装置制御部
604 画像処理部
605 吐出制御部
615 光源制御回路
616 光源
617 メモリ
618 画像データ入出力部
619 ヘッド駆動回路
5720 UV照射装置
特開2011-73163号公報

Claims (9)

  1. 積層体を形成する液体吐出装置であって、
    前記積層体を形成する硬化性液体を吐出する第1の吐出手段と、
    前記積層体上に着色する硬化性液体を吐出する第2の吐出手段と、
    吐出手段により吐出された硬化性液体を硬化させる硬化手段と、
    前記積層体を形成する硬化性液体が吐出される位置に応じて硬化手段を制御して、前記着色する硬化性液体が硬化する速さを制御する制御手段と、
    を有し、
    前記制御手段は、
    前記着色する硬化性液体が重ねられる位置に前記第1の吐出手段により吐出された前記硬化性液体の硬化する速さを前記硬化手段により制御して、表面が液体の状態である積層体を形成し、
    前記第2の吐出手段により、表面が液体の状態である前記積層体上に前記着色する硬化性液体を吐出させることを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記制御手段は、前記積層体を形成する硬化性液体が吐出される一部の位置において前記着色する硬化性液体が硬化する速さが遅くなるように前記硬化手段を制御する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記積層体を形成する硬化性液体が吐出される位置の周囲にある硬化性液体の硬化後の厚みを検出する検出手段を更に有し、
    前記制御手段は、前記検出手段が検出した前記厚みに応じて前記着色する硬化性液体が硬化する速さを制御する、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記積層体の各層の輪郭部を特定する特定手段を有し、
    前記制御手段は、前記特定手段により特定された輪郭部に隣接する位置において前記着色する硬化性液体が硬化する速さが遅くなるように前記硬化手段を制御する、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のうちの何れか一項に記載の液体吐出装置。
  5. 前記積層体を形成する硬化性液体の一部を前記着色する硬化性液体に置き換えて形成する、
    ことを特徴とする請求項1乃至のうちの何れか一項に記載の液体吐出装置。
  6. 前記硬化手段は、活性エネルギー線を照射し、
    前記硬化性液体は、前記活性エネルギー線により硬化し、
    前記制御手段は、前記硬化性液体に前記活性エネルギー線を照射する照射量の総量を制御することにより前記硬化する速さを制御する、
    ことを特徴とする請求項1乃至のうちの何れか一項に記載の液体吐出装置。
  7. 前記照射量の総量は、前記活性エネルギー線の発生源の出力の調節、前記硬化性液体に前記活性エネルギー線を照射する照射時間の調節、または、前記活性エネルギー線を照射する前記硬化手段が前記吐出手段と共に移動する移動速度の調節のうちの、少なくとも1つの調節により制御される、
    ことを特徴とする請求項に記載の液体吐出装置。
  8. 積層体を形成する方法であって、
    積層体を形成する硬化性液体を吐出するステップと、
    前記積層体を形成する硬化性液体が吐出される位置に応じて硬化手段を制御して、表面が液体である積層体を形成するステップと、
    前記積層体上に着色する硬化性液体を吐出するステップと、
    前記着色する硬化性液体が吐出される位置に応じて硬化手段を制御して、前記着色する硬化性液体が硬化する速さを制御するステップと、
    を含む方法。
  9. 液体吐出装置のコンピュータに、
    積層体を形成する硬化性液体を吐出するステップと、
    前記積層体を形成する硬化性液体が吐出される位置に応じて硬化手段を制御して、表面が液体である積層体を形成するステップと、
    前記積層体上に着色する硬化性液体を吐出するステップと、
    前記着色する硬化性液体が吐出される位置に応じて硬化手段を制御して、前記着色する硬化性液体が硬化する速さを制御するステップと、
    を実行させるプログラム。
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