JP2021020329A - 液体を吐出する装置及び液体を吐出する方法 - Google Patents

液体を吐出する装置及び液体を吐出する方法 Download PDF

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【課題】下地層及び/又はコーティング層と画像層とを同一プロセスで形成可能であり、かつ高画質化と生産性向上の両立を実現できる液体を吐出する装置を提供する。【解決手段】ヘッドユニットと、硬化線を照射する照射部400と、主走査方向に往復移動するキャリッジ200とを備え、ヘッドユニットは、副走査方向に沿って配列された無彩色の液体を吐出する液体吐出ヘッド及び有彩色の液体を吐出する液体吐出ヘッドを有し、副走査方向の最も上流側及び/又は最も下流側に無彩色の液体を吐出する液体吐出ヘッドが配置され、照射部400は、少なくとも副走査方向に沿って配列された点灯制御が可能な複数の光源を有し、吐出された液体に硬化線の照射を行い、n回目の走査時に無彩色の液体を吐出した後、(n+2)回目以降の走査時に、n回目に吐出した無彩色の液体に対応する光源を点灯し、硬化線の照射を行う液体を吐出する装置。【選択図】図3

Description

本発明は、液体を吐出する装置及び液体を吐出する方法に関する。
液体吐出ヘッドから液体(例えば、インク等)を吐出させ、対象物上に所望の画像を形成する装置(インクジェット記録装置)が知られている。また、UV(紫外線)硬化型インク等の活性エネルギー線硬化型の液体を用いて画像を形成する装置が知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
UV硬化型インクを用いたインクジェット記録装置においては、インクを媒体上に吐出するとともに、吐出されたインクにUVを照射することでインクを硬化して媒体上に画像を形成する。このような画像形成において、インク着弾後からUV照射までの時間に差異があると、インクの拡散状態に応じたドット径やドット同士の繋がり具合のばらつきが生じ、硬化後の画像の色調や光沢感が均一でなくなり高精細な画像が得られないという問題がある。また、ドットサイズのばらつきにより、硬化後の画像表面に凹凸が生じてしまうという問題もある。
これに対し、特許文献1では、液体吐出ヘッドをn回往復走査させることによって一つのバンドを形成するのに必要なインクを吐出させて画像記録を行わせる制御部を備え、1回目の走査から(n−1)回目の走査で吐出されたインクに対しては各走査において照射を行い、n回目の走査で吐出されたインクに対しては(n+1)回目以降の走査において照射を行う技術が提案されている。
また、特許文献2では、インク滴が吐出されてから当該インクへの紫外線の照射が開始されるまでの時間である照射前時間が、複数種類のインクのそれぞれ毎に設定されており、紫外線照射部は、それぞれのインクに対して設定された照射前時間が経過したタイミングで、それぞれのインクへ紫外線を照射する技術が提案されている。
一方、UV硬化型インクを用いた画像形成において、有彩色インク(カラーインク)による画像層の下地層またはコーティング層として無彩色インク(ホワイトインク、クリアインク)を形成することにより、色鮮やかな色彩表現が可能となり、意匠性の高い画像が得られることが知られている。さらに、透明媒体上に複数の異なる画像層を形成することにより、表裏いずれからも観ることができる機能性を備えた画像を形成できることが知られている。
このように無彩色インク層と有彩色インク層を積層する態様において、少なくとも下地層を構成する無彩色インク層は可能な限り平坦である事が要求され、また有彩色インク層についても高精細な画像形成が要求される。
上述のように、着弾したインクのレベリングが不十分であると、ドットサイズの差異に起因した画像品質の低下が生じるおそれがあるため、十分なレベリング時間が得られるように制御を行う必要があるが、無彩色インクと有彩色インクとではインクの種類や照射タイミングなどに応じた異なる制御が要求されるため、従来の装置による対応が困難な場合がある。
これに対し、無彩色インクからなる下地層及び/又はコーティング層と有彩色インクからなる画像層とを別装置や別プロセスでそれぞれ形成する方法も考えられるが、生産性の著しい低下を招くこととなる。
そこで本発明は、下地層及び/又はコーティング層と画像層とを同一プロセスで形成可能であり、かつ高画質化と生産性向上の両立を実現できる液体を吐出する装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の液体を吐出する装置は、媒体に硬化線の照射によって硬化する液体を吐出する複数の液体吐出ヘッドを有するヘッドユニットと、前記媒体に吐出された液体に硬化線を照射する照射部と、前記ヘッドユニット及び前記照射部を搭載し、前記媒体の搬送方向と垂直な方向を主走査方向とし、前記媒体の搬送方向と平行な方向を副走査方向としたとき、主走査方向に往復移動するキャリッジと、を備え、前記ヘッドユニットは、副走査方向に沿って配列された無彩色の液体を吐出する液体吐出ヘッド及び有彩色の液体を吐出する液体吐出ヘッドを有し、副走査方向の最も上流側及び/又は最も下流側に前記無彩色の液体を吐出する液体吐出ヘッドが配置され、前記照射部は、少なくとも副走査方向に沿って配列された点灯制御が可能な複数の光源を有し、前記液体吐出ヘッドに対応して吐出された液体に硬化線の照射を行い、n回目の走査時に無彩色の液体を吐出した後、(n+2)回目以降の走査時に、n回目に吐出した前記無彩色の液体に対応する光源を点灯し、硬化線の照射を行うことを特徴とする。
本発明によれば、下地層及び/又はコーティング層と画像層とを同一プロセスで形成可能であり、かつ高画質化と生産性向上の両立を実現できる液体を吐出する装置を提供することができる。
本発明に係る液体を吐出する装置の一例における全体構成を示す斜視図である。 本発明に係る液体を吐出する装置の一例におけるハードウェア構成のブロック図である。 本発明に係る液体を吐出する装置の一例における正面図である。 本発明に係る液体を吐出する装置の一例における平面図である。 主走査方向、副走査方向及び記録媒体の搬送方向を説明するための上面図(A)及び側面図(B)である。 液体の吐出、硬化線の照射、更に液体の吐出を模式的に説明するための側面図(A)〜(C)である。 照射部の部分点灯の例を説明するための模式図である。 照射部の部分点灯の他の例を説明するための模式図である。 本実施形態の液体吐出ヘッド及び照射部の配置の例を示す図である。 第1の実施形態で形成される画像の説明図である。 第1の実施形態のプロセスを構成する第1〜第3のステップの説明図である。 第1の実施形態のプロセスを構成する第4〜第6のステップの説明図である。 第1の実施形態のプロセスを構成する第7〜第9のステップの説明図である。 第1の実施形態のプロセスを構成する第10〜第12のステップの説明図である。 第2の実施形態で形成される画像の説明図である。 第3の実施形態で形成される画像の説明図である。 第3の実施形態のプロセスを構成する第1〜第3のステップの説明図である。 第3の実施形態のプロセスを構成する第4〜第6のステップの説明図である。 第3の実施形態のプロセスを構成する第7〜第9のステップの説明図である。 第3の実施形態のプロセスを構成する第10〜第12のステップの説明図である。
以下、本発明に係る画像形成装置について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
(液体を吐出する装置及び液体を吐出する方法)
まず、本発明に係る液体を吐出する装置の一実施形態について、全体構成を説明する。
図1は、液体を吐出する装置の一例としてのインクジェット記録装置の全体構成を示す斜視図であって、図1(A)は装置前面側から見た斜視図、図1(B)は装置背面側から見た斜視図である。
このインクジェット記録装置10は、キャリッジ200と、記録媒体を載置するステージ13と、を備える。キャリッジ200は、複数のノズルが設けられた複数の液体吐出ヘッドを備えたインクジェット方式のキャリッジであり、液体を記録ヘッドのノズルから吐出することによって画像を形成する。ノズルは、ステージ13との対向面に設けられている。なお、本実施形態では、液体は、一例として、紫外線硬化性を有する。
また、キャリッジ200のステージ13との対向面には、紫外線を照射する光源である照射部400が設けられている。照射部400は、ノズルから吐出された液体を硬化させる波長の光を照射する。
照射部400は、少なくとも副走査方向に沿って配列された点灯制御が可能な複数の光源を有する。点灯制御とは、照射部400における所望の点灯領域、点灯面積を実現するための制御であり、これにより分割点灯が可能となる。
左右の側板18a,18bにはガイドロッド19が架け渡されており、ガイドロッド19は、キャリッジ200をX方向(主走査方向)に移動可能に保持している。また、キャリッジ200、ガイドロッド19、及び側板18a,18bは一体となって、ステージ13の下部に設けられたガイドレール29に沿ってY方向(副走査方向)に移動可能となっている。更に、キャリッジ200は、Z方向(上下方向)に移動可能に保持されている。
次に、他の実施形態についてハードウェア構成の例を示しつつ説明する。
図2は、本実施形態の液体を吐出する装置1のハードウェア構成の一例を示すブロック図であり、図3は、本実施形態の液体を吐出する装置1の正面図の一例を示す模式図であり、図4は、本実施形態の液体を吐出する装置1の平面図の一例を示す模式図である。
図2に示すように、本実施形態の液体を吐出する装置1は、コントローラユニット3と、検知群4と、搬送部である搬送ユニット100と、キャリッジ200と、ヘッドユニット300(液体吐出ヘッドの一例)と、照射ユニット400(照射部の一例)と、メンテナンスユニット500と、を備える。また、コントローラユニット3は、ユニット制御回路35と、メモリ36と、CPU(Central Processing Unit)33と、I/F34と、を備える。なお、硬化装置は、図2の破線で示すように、少なくともコントローラユニット3と照射ユニット(以下、「照射部」という)400とを含む装置であればよい。
I/F34は、液体を吐出する装置1を外部のPC(Personal Computer)2と接続するためのインタフェースである。液体を吐出する装置1とPC2との接続形態はどのようなものであってもよく、例えば、ネットワークを介した接続や通信ケーブルで両者を直接接続する形態などが挙げられる。
検知群4は、例えば、図3及び図4に示す高さセンサ41など液体を吐出する装置1に備えられている各種センサなどが挙げられる。
CPU33は、メモリ36を作業領域に用いて、液体を吐出する装置1の各ユニットの動作を、ユニット制御回路35を介して制御する。具体的には、CPU33は、PC2から受信する記録データ及び検知群4により検知されたデータに基づいて、各ユニットの動作を制御し、媒体(記録媒体)101上に液体塗布面102である画像を形成する。
なお、PC2には、プリンタドライバがインストールされており、このプリンタドライバにより画像データから、液体を吐出する装置1に送信される記録データが生成される。記録データは、液体を吐出する装置1の搬送ユニット100などを動作させるコマンドデータと、画像(液体塗布面102)に関する画素データと、を含む。画素データは、画素ごとに2ビットのデータで構成されており、4階調で表現される。
搬送ユニット100は、ステージ130及び吸着機構120を有する。吸着機構120は、ファン110及びステージ130に設けられた複数の吸着孔100aを有する。吸着機構120は、ファン110を駆動して吸着孔100aから媒体101を吸着することにより、媒体101を搬送ユニット100に一時的に固定する。吸着機構120は静電吸着を用いて用紙を吸着してもよい。搬送ユニット100は、CPU33(ユニット制御回路35)からの駆動信号に基づいて、Y軸方向(副走査方向)の移動が制御される。
搬送ユニット100は、図4に示すように搬送制御部210、ローラ105、及びモータ104を有する。搬送制御部210は、モータ104を駆動してローラ105を回転することで、媒体101をY軸方向(副走査方向)に移動する。
搬送ユニット100は、媒体101ではなく、キャリッジ200をY軸方向(副走査方向)に移動してもよい。すなわち、搬送ユニット100は、媒体101とキャリッジ200とをY軸方向(副走査方向)に相対的に移動させる。
例えば、搬送ユニット100は、図4の右側に示すように、キャリッジ200をX軸方向(主走査方向)に案内する二本のガイド201を支持する側板407bと、側板407bを支持する台406と、台406に固定されたベルト404と、ベルト404が掛け回された駆動プーリ403及び従動プーリ402と、駆動プーリ403を回転駆動するモータ405と、搬送制御部210とを有する。
更に、搬送ユニット100は、図4の左側に示すように、キャリッジ200をX軸方向(主走査方向)に案内する二本のガイド201を支持する側板407aと、側板407aをスライド移動可能に支持する台408と、台408に形成され、側板407aを副走査方向に案内する溝409と、を有する。
搬送ユニット100は、搬送制御部210でモータ405を駆動することにより、駆動プーリ403を回転させ、ベルト404をY軸方向(副走査方向)に移動する。キャリッジ200が支持された台406がベルト404の移動と共にY軸方向(副走査方向)に移動することで、キャリッジ200をY軸方向(副走査方向)に移動することができる。側板407aは台406のY軸方向(副走査方向)への移動に伴い、台408の溝409に沿ってY軸方向(副走査方向)に移動する。
ヘッドユニット300は、K、C、M、Y、CL、WのUV硬化型インク(液体の一例)をそれぞれ吐出する複数の液体吐出ヘッドにより構成され、キャリッジ200の下面に備えられている。
本実施形態において液体吐出ヘッドは、副走査方向に沿って複数の液体吐出ヘッド(上段のヘッド30,中段のヘッド31,下段のヘッド32)が階段状(千鳥状)に配列されている。本実施形態では、図9に示すようにUV硬化型インクを吐出する9個の液体吐出ヘッドが3個ずつ3列に配置されているが、液体吐出ヘッドの個数、配置はこれに限られるものではなく、適宜変更することができる。
各液体吐出ヘッドには、ノズル列が幅方向に並んで長手方向に沿って設けられている。
液体吐出ヘッドはピエゾを備えており、CPU33(ユニット制御回路35)によりピエゾに駆動信号が印加されると、ピエゾは、収縮運動を起こし、収縮運動による圧力変化が生じることにより、UV硬化型インクを媒体101上に吐出する。これにより、媒体101上には、液体塗布面102(液体塗布面の一例)が形成される。
吐出されるUV硬化型インクとしては、例えば、重合性化合物、及び非重合性樹脂粒子を含有し、更に必要に応じて、重合開始剤、その他の成分を含有してなるものが挙げられる。重合性化合物としては、多官能重合性化合物を含有することが好ましく、必要に応じて、単官能重合性化合物、オリゴマー、その他の成分を含有してもよい。
好適なUV硬化型インクとして、例えば、メタクリレート系モノマーを含むインクが挙げられる。メタクリレート系モノマーは皮膚感さ性が比較的弱いという利点があるが、一般のインクに比べ硬化収縮の度合いが大きいという特性がある。
また、無彩色(白色)のUV硬化型インクとしては、例えば、金属微粒子の含有量が10〜13%の範囲にあるインクや、N−ビニルカプロラクタムを含有するインクが挙げられる。これらの成分を含有することによりレベリング性が向上する。
照射部400は、キャリッジ200の側面(X軸方向の面)に備えられており、CPU33(ユニット制御回路35)からの駆動信号に基づいて、UV光を照射する。
照射部400はUV光を照射する光源を備え、光源としては、例えばLEDが挙げられる。LEDを用いることにより、点灯と消灯の切り替えが容易であり、照射タイミングの制御を適切に行うことができる。
キャリッジ200は、CPU33(ユニット制御回路35)からの駆動信号に基づいて、Z軸方向(高さ方向)及びX軸方向(主走査方向)の移動が制御される。
キャリッジ200は、ガイド201に沿って主走査方向(X軸方向)に走査移動する。走査部206は、駆動プーリ203、従動プーリ204、駆動ベルト202、及びモータ205を有する。キャリッジ200は、駆動プーリ203及び従動プーリ204の間に掛け回された駆動ベルト202に固定されている。モータ205で駆動ベルト202を駆動することにより、キャリッジ200は主走査方向に左右に走査移動する。ガイド201は、装置本体の側板211A及び211Bに支持されている。高さ調整部207はモータ209及びスライダ208を有する。高さ調整部207は、モータ209を駆動してスライダ208を上下動させることで、ガイド201を上下させる。ガイド201が上下移動することによりキャリッジ200が上下動し、キャリッジ200の媒体101に対する高さを調整することができる。
以下、液体を吐出する装置1の画像形成動作について説明する。
まず、搬送ユニット100は、CPU33(ユニット制御回路35)からの駆動信号に基づいて、Y軸方向(副走査方向)に移動し、媒体101を、画像(液体塗布面102)を形成させるための初期位置に位置させる。
続いて、キャリッジ200は、CPU33(ユニット制御回路35)からの駆動信号に基づいて、ヘッドユニット300によるUV硬化型インクの吐出に適した高さ(例えば、ヘッドユニット300と媒体101とのヘッド間ギャップが1mmとなる高さ)に移動する。なお、ヘッドユニット300の高さは、高さセンサ41により検知されることで、CPU33に把握される。
続いて、キャリッジ200は、CPU33(ユニット制御回路35)からの駆動信号に基づいて、X軸方向(主走査方向)に往復移動し、この往復移動の際に、ヘッドユニット300は、CPU33(ユニット制御回路35)からの駆動信号に基づいて、UV硬化型インクを吐出する。これにより、媒体101上には、1走査分の画像(液体塗布面102)が形成される。
続いて、媒体101上に1走査分の画像(液体塗布面102)が形成されると、搬送ユニット100は、CPU33(ユニット制御回路35)からの駆動信号に基づいて、Y軸方向(副走査方向)に1走査分移動する。
以下、画像(液体塗布面102)の形成が完了するまで、1走査分の画像(液体塗布面102)を形成する動作と搬送ユニット100をY軸方向へ1走査分移動させる動作とが交互に行われる。
そして、媒体101上での画像(液体塗布面102)の形成が完了すると、UV硬化型インクが平滑化される時間(以下、「レベリング時間」と称する場合がある)まで待機され、この後、照射部400によるUV光の照射が行われる。
次に、画像形成の一例を図5及び図6を用いて説明する。
図5は、主走査方向、副走査方向及び記録媒体の搬送方向を説明するための上面図(A)及び側面図(B)である。図5(A)では、媒体101、照射部400(照射部の一例)が図示されている。照射部400は主走査方向Xに走査され、硬化線420を照射する。また、図5(B)は図5(A)における側面図であり、照射部400から硬化線420が照射される。なお、硬化線420は模式的に図示するものである。
図6は、液体の吐出、硬化線の照射、更に液体の吐出の一例を模式的に説明するための側面図(A)〜(C)であり、図6における(A)〜(C)は時間の経過を表している。図示されるキャリッジ200は、液体吐出及び光照射を行う部材を備えており、主走査方向X、すなわち副走査方向Yと直交する方向(紙面の奥方向)に走査される。
なお、主走査方向の一端から他端へ走査する処理をスキャンとも称する。
まず、図6(A)に示されるように、スキャン時に液体60の吐出のみを行う。この時点では、硬化線を照射しないため、液体60は硬化せず、表面張力により液滴の表面が平滑になる。この工程をレベリングなどとも称する。
次いで、図6(B)に示されるように、次のスキャンでは硬化線420の照射のみを行う。液体の吐出と硬化線の照射をスキャンごとに分けることで、液体の表面形状が平滑になる。一方、液体を吐出しながら硬化線を照射した場合、液体が滴の状態で硬化するため、表面形状が凹凸になる。
次いで、図6(C)に示されるように、上記の硬化線420の照射により、硬化膜62が形成され、次のスキャンでは図6(A)のように液体60の吐出のみが行われる。
次に、本発明に係る液体を吐出する装置の照射部400における分割点灯について図7及び図8に基づき説明する。図7及び図8における照射部400は、媒体101側から見た場合を模式的に示している。
本実施形態における照射部400は、複数のLED光源を有し、該複数のLED光源を部分点灯させることにより、副走査方向の照射位置を可変させる。
図7は画像形成の一例を示すものである。図7の例は、1回のスキャンにおいて液体の吐出と硬化線の照射を行う場合を示している。そのため、液体の吐出の直後に硬化線の照射が行われることとなる。この場合、1スキャンに相当する幅の照射面積となるようにLED光源を部分点灯させ、使用しない部分は消灯させる。
図8は画像形成の他の例を示すものである。図8(A)は、ある時点のスキャン(第1スキャンと称する)を示し、図8(B)は更にその次のスキャン(第2スキャンと称する)を示す。本例では、図8(A)に示されるように、第1スキャンに液体の吐出のみを行い、吐出された液体にすぐに硬化線を照射しない。次いで、液体吐出ヘッド及び照射部が副走査方向に移動し、移動した後で行う第2スキャンのタイミングで硬化線の照射を行う。このとき、図7と同様に使用ヘッドの幅の分だけLED光源を部分点灯させ、液体を硬化させる。これにより、吐出された液体が媒体上で濡れ広がった状態で硬化される。
本発明に係る液体を吐出する装置は、媒体101に硬化線の照射によって硬化する液体を吐出する複数の液体吐出ヘッドを有するヘッドユニット300と、媒体101に吐出された液体に硬化線を照射する照射部400と、ヘッドユニット300及び照射部400を搭載し、媒体101の搬送方向と垂直な方向を主走査方向とし、前記媒体の搬送方向と平行な方向を副走査方向としたとき、主走査方向に往復移動するキャリッジ200と、を備える。
図9にキャリッジ200の一例を示す。
図9に示すように、ヘッドユニット300は、図中矢印で示す副走査方向に沿って配列された無彩色の液体を吐出する液体吐出ヘッド及び有彩色の液体を吐出する液体吐出ヘッドを有し、副走査方向の最も上流側及び/又は最も下流側に無彩色の液体を吐出する液体吐出ヘッドが配置されている。
図9の例では、副走査方向に沿って各3個の液体吐出ヘッド(上段のヘッド30,中段のヘッド31,下段のヘッド32)、主走査方向に沿って各3個の液体吐出ヘッド(無彩色インクとしてW及びCL、有彩色インクとしてY、K、C及びMを吐出するノズル列を備えたヘッド)が配置されている。上段の無彩色インクを吐出する液体吐出ヘッドを「30WCL」、中段の有彩色インクを吐出する液体吐出ヘッドを「31YK」及び「31CM」のように示し、以降の図中においても同様である。
さらに、主走査方向下流側にはプライマー(Pr)を吐出する液体吐出ヘッドが同様に3個配置されている。
照射部400は、少なくとも副走査方向に沿って配列された点灯制御が可能な複数の光源412を有し、液体吐出ヘッドに対応して吐出された液体に硬化線の照射を行う。そして、n回目の走査時に無彩色の液体を吐出した後、(n+2)回目以降の走査時に、n回目に吐出した無彩色の液体に対応する光源を点灯し、硬化線の照射を行う。
ここで、無彩色の液体は、下地層及び/又はコーティング層の形成に関与する液体である。
無彩色の液体が下地層の形成に関与する液体である場合において、副走査方向の最も上流側に配置された液体吐出ヘッド(30WCL)から吐出された無彩色の液体の硬化が完了した後、その下流に配置された液体吐出ヘッド(31YK、31CM、32YK、32CM)から吐出された有彩色の液体の吐出及び硬化を行う。
また、無彩色の液体がコーティング層の形成に関与する液体である場合において、少なくとも副走査方向の最も上流側に配置された液体吐出ヘッド(30YK、30CM)から吐出された有彩色の液体の硬化が完了した後、最も下流側に配置された液体吐出ヘッド(32WCL)から吐出された無彩色の液体の吐出及び硬化を行う。
硬化線の照射によって硬化する液体の吐出から、吐出された液体に対する硬化線照射までの時間の長さ(タイミング)は任意で設定することができる。照射部400は、設定されたタイミングで照射を行う。
複数種類の液体について、それぞれ異なるタイミングで照射を行うように設定することで、媒体に吐出された液体のドットサイズを適切に制御し、所望の品質の画像を得ることができる。特に、十分なレベリング時間を確保することにより、平滑な面を有する塗膜を形成することができる。平滑な下地面を形成することで、その上に形成される有彩色の画像層を高精細なものとすることができる。
硬化線照射までの時間は、例えば、それぞれの種類の液体に対して、硬化後に形成すべき目標のドットサイズ、硬化に必要な硬化線の累積強度、及び媒体上において液体が拡がる速さ(拡散速度)等に応じて設定される。
目標のドットサイズは、液体毎に異なっていてもよい。例えば、無彩色の液体(白色またはクリア等の下地層やコーティングなどの全面印刷用のインク)と、有彩色の液体(CMYKインク等のカラー画像形成用のインク)とを吐出する場合、前者のドットサイズを後者のドットサイズよりも大きく設定することが好ましい。
下地層は特に平滑性と高隠蔽性を確保するために、十分なレベルング時間を設けることが好ましい。
(第1の実施形態)
本実施形態において形成される画像を図10に示す。
図10に示すように、本実施形態では、媒体101としての有色基材上に、下地層としての無彩色インクからなる硬化膜62が形成され、その上に有彩色インクを硬化させた塗膜層60bが形成される。形成された画像(印刷物)は、矢印Vで示す視野方向から観察される。
有色基材上に画像形成を行う場合、下地の色の影響を受けやすい。そのため、下地層として無彩色(白色)インク層を形成し、高画質化を目指すことが知られている。下地層に求められる塗膜品質としては、その上に画像形成の為の有彩色(カラー)インク層が形成されるため、少なくとも平滑である事が求められる。平滑な面を得るためには、レベリング時間を長く設ける必要がある。
レベリング時間確保のために画像形成速度を低下させると、生産性の低下につながる。また、下地層の形成を別プロセスで行うとしても同様に生産性の低下につながる。
本実施形態においては、上述の液体を吐出する装置を用い、下地層と画像層とを同一プロセスで形成可能であり、かつ高画質化と生産性向上の両立を実現することができる。
本実施形態のプロセスを構成する各ステップを図11〜図14に示す。
図11は第1〜第3のステップ、図12は第4〜第6のステップ、図13は第7〜第19のステップ、図14は第10〜第12のステップをそれぞれ示している。
各図において、左側はキャリッジ200の媒体101対向面の模式図及び媒体101上に吐出された液体の模式図を示したものであり、右側はキャリッジ200及び媒体101の側面模式図である。
本実施形態に係る液体を吐出する方法は、副走査方向に沿って配列された無彩色の液体を吐出する液体吐出ヘッド及び有彩色の液体を吐出する液体吐出ヘッドから液体を吐出する工程と、副走査方向に沿って配列された個別に点灯制御が可能な複数の光源を有する照射部から、前記液体吐出ヘッドに対応して吐出された液体に硬化線の照射を行う工程と、を有し、n回目の走査時に無彩色の液体を吐出した後、(n+2)回目以降の走査時に、n回目に吐出した前記無彩色の液体に対応する光源を点灯し、硬化線の照射を行う。
図11の第1のステップ(n回目の走査)において、上段の液体吐出ヘッド30WCLから無彩色(白色)の液体が吐出される。このとき、硬化線の照射は行われない。
第2のステップ(n+1回目の走査)及び第3のステップ(n+2回目の走査)においても同様に、液体吐出ヘッド30WCLから無彩色の液体が吐出され、硬化線の照射は行われない。以前の走査で吐出された液体はレベリングされる。
図12の第4のステップ(n+3回目の走査)から第6のステップ(n+5回目の走査)において、既に吐出されレベリングされた未硬化の液体に対して硬化線の照射が行われ、下地層の硬化膜62が形成される。
次いで、図13の第7〜第9のステップにおいては、中段の液体吐出ヘッド31YK及び31CMから硬化膜62上に有彩色の液体が吐出され、直ちに硬化線の照射が行われる。続く図14の第10〜第12のステップにおいても、下段の液体吐出ヘッド32YK及び32CMから有彩色の液体が吐出され、直ちに硬化線の照射が行われる。
以上のステップにより、副走査方向のキャリッジの移動が往路一回のみで無彩色の下地層上に有彩色の画像層が形成される。
また、無彩色の液体は、吐出後少なくとも後続のキャリッジの主走査方向往復の間硬化線の照射は行われず、その間にレベリングされる。これにより、平滑な下地層が形成される。
(第2の実施形態)
本実施形態において形成される画像を図15に示す。
図15に示すように、本実施形態では、媒体101としての透明基材上に、下地層としての無彩色(白色)インクからなる硬化膜62が形成され、その上に有彩色インクを硬化させた塗膜層60bが形成される。形成された画像(印刷物)は、矢印Vで示す視野方向から観察される。透明基材を用いることにより、光の透過する部分と透過しない部分を有する画像となり、例えば、昼夜で異なる画像が観察できる態様、バックライトL等を用いて透明基材の背面から光を透過させて観察する態様等の用途が考えられる。
本実施形態の画像は、媒体101として透明基材を用いる以外は、上述の第1の実施形態と同様に形成することができる。
(第3の実施形態)
本実施形態において形成される画像を図16に示す。
図16に示すように、本実施形態では、媒体101としての透明基材上に、有彩色インクを硬化させた塗膜層60bが形成され、その上に無彩色(白色)インクからなる硬化膜62が形成される。形成された画像(印刷物)は、矢印Vで示す視野方向から観察される。
本実施形態のプロセスを構成する各ステップを図17〜図20に示す。
図17は第1〜第3のステップ、図18は第4〜第6のステップ、図19は第7〜第19のステップ、図20は第10〜第12のステップをそれぞれ示している。
各図において、左側はキャリッジ200の媒体101対向面の模式図及び媒体101上に吐出された液体の模式図を示したものであり、右側はキャリッジ200及び媒体101の側面模式図である。
図17の第1のステップ(n回目の走査)において、上段の液体吐出ヘッド30YK及び30CMから有彩色の液体が吐出され、直ちに硬化線の照射が行われる。
第2のステップ(n+1回目の走査)及び第3のステップ(n+2回目の走査)においても同様に、液体吐出ヘッド30YK及び30CMから有彩色の液体が吐出され、硬化線の照射が行われる。
図18の第4のステップ(n+3回目の走査)から第6のステップ(n+5回目の走査)において、中段の液体吐出ヘッド31YK及び31CMから有彩色の液体が吐出され、直ちに硬化線の照射が行われる。
次いで、図19の第7のステップ(n回目の走査)において、下段の液体吐出ヘッド32WCLから無彩色(白色)の液体が吐出される。このとき、硬化線の照射は行われない。
第8のステップ(n+1回目の走査)及び第9のステップ(n+2回目の走査)においても同様に、液体吐出ヘッド32WCLから無彩色の液体が吐出され、硬化線の照射は行われない。以前の走査で吐出された液体はレベリングされる。
図20の第10のステップ(n+3回目の走査)から第12のステップ(n+5回目の走査)において、既に吐出されレベリングされた未硬化の液体に対して硬化線の照射が行われ、コーティング層の硬化膜62が形成される。
以上のステップにより、副走査方向のキャリッジの移動が往路一回のみで有彩色の画像層上に無彩色のコーティング層が形成される。
また、無彩色の液体は、吐出後少なくとも後続のキャリッジの主走査方向往復の間硬化線の照射は行われず、その間にレベリングされる。これにより、平滑なコーティング層が形成される。
無彩色のコーティング層を形成することにより隠蔽性が確保される。
(第4の実施形態)
上述の第3の実施形態において、無彩色の液体として白色インクではなくクリアインクを用いる以外は同様にして画像(印刷物)を形成することができる。
有彩色の画像層上に平滑なクリアコーティング層が形成されることにより、画質が向上する。
60 液体
60a 無彩色インク
60b 有彩色インク
62 硬化膜
101 記録媒体
200 キャリッジ
300 ヘッドユニット
30 液体吐出ヘッド(上段)
31 液体吐出ヘッド(中段)
32 液体吐出ヘッド(下段)
400 照射部(照射ユニット)
412 LED光源
420 硬化線
特許第4311491号公報 特開2010−005934号公報

Claims (7)

  1. 媒体に硬化線の照射によって硬化する液体を吐出する複数の液体吐出ヘッドを有するヘッドユニットと、
    前記媒体に吐出された液体に硬化線を照射する照射部と、
    前記ヘッドユニット及び前記照射部を搭載し、前記媒体の搬送方向と垂直な方向を主走査方向とし、前記媒体の搬送方向と平行な方向を副走査方向としたとき、主走査方向に往復移動するキャリッジと、を備え、
    前記ヘッドユニットは、副走査方向に沿って配列された無彩色の液体を吐出する液体吐出ヘッド及び有彩色の液体を吐出する液体吐出ヘッドを有し、副走査方向の最も上流側及び/又は最も下流側に前記無彩色の液体を吐出する液体吐出ヘッドが配置され、
    前記照射部は、少なくとも副走査方向に沿って配列された点灯制御が可能な複数の光源を有し、前記液体吐出ヘッドに対応して吐出された液体に硬化線の照射を行い、
    n回目の走査時に無彩色の液体を吐出した後、(n+2)回目以降の走査時に、n回目に吐出した前記無彩色の液体に対応する光源を点灯し、硬化線の照射を行うことを特徴とする液体を吐出する装置。
  2. 前記無彩色の液体が、下地層及び/又はコーティング層の形成に関与する液体であることを特徴とする請求項1に記載の液体を吐出する装置。
  3. 副走査方向の最も上流側に配置された前記液体吐出ヘッドから吐出された無彩色の液体の硬化が完了した後、その下流に配置された前記液体吐出ヘッドから吐出された有彩色の液体の吐出及び硬化を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の液体を吐出する装置。
  4. 副走査方向の最も上流側に配置された前記液体吐出ヘッドから吐出された有彩色の液体の硬化が完了した後、最も下流側に配置された前記液体吐出ヘッドから吐出された無彩色の液体の吐出及び硬化を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の液体を吐出する装置。
  5. 前記無彩色の液体の金属微粒子の含有量が10〜13%の範囲にあることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の液体を吐出する装置。
  6. 前記無彩色の液体が、N−ビニルカプロラクタムを含有することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の液体を吐出する装置。
  7. 媒体に硬化線の照射によって硬化する液体を吐出する複数の液体吐出ヘッドを有するヘッドユニットと、
    前記媒体に吐出された液体に硬化線を照射する照射部と、
    前記ヘッドユニット及び前記照射部を搭載し、主走査方向に往復移動するキャリッジと、を備える液体を吐出する装置の液体を吐出する方法であって、
    副走査方向に沿って配列された無彩色の液体を吐出する液体吐出ヘッド及び有彩色の液体を吐出する液体吐出ヘッドから液体を吐出する工程と、
    少なくとも副走査方向に沿って配列された点灯制御が可能な複数の光源を有する照射部から、前記液体吐出ヘッドに対応して吐出された液体に硬化線の照射を行う工程と、を有し、
    n回目の走査時に無彩色の液体を吐出した後、(n+2)回目以降の走査時に、n回目に吐出した前記無彩色の液体に対応する光源を点灯し、硬化線の照射を行うことを特徴とする液体を吐出する方法。
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