JP2012163594A - インク組成物及びそれを用いたカラーフィルタの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクジェット方式を用いてカラーフィルタを製造するに際し用いられる、極めて優れた平坦性を有する着色層を形成するカラーフィルタの製造用インク組成物、並びにそれを用いたカラーフィルタの製造方法を提供すること。
【解決手段】少なくとも染料からなる着色剤と、熱硬化性バインダー成分、溶剤とを含有してなるインク組成物であって、前記熱硬化性バインダー成分は、熱硬化時の収縮率が50%以下であることを特徴とするインク組成物としたものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、カラー液晶表示装置等に用いられるカラーフィルタに関するものである。
近年、携帯電話やパーソナルコンピュータ、薄型カラーテレビの発展に伴い、カラーLCDの需要が増加しており、特に、薄型カラーテレビの大型化が著しい。しかしながら、需要の増加に合わせて低価格化の進行も著しく、部材の中でもコスト的に比重の高いカラーフィルタに対するコストダウンの要求が強い。
このようなカラーフィルタにおいては、通常赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色の着色パターンを備え、R、G、Bのそれぞれの画素に対応する電極をON、OFFさせることで液晶がシャッタとして作動し、R、G、Bのそれぞれの画素を光が通過してカラー表示が行われるものである。
従来より行われているカラーフィルタの製造方法としては、例えば染色法が挙げられる。この染色法は、まずガラス基板上に、染色される透明の水溶性の高分子材料をフォトリソグラフィー工程により所望の形状にパターニングした後、得られたパターンを染料水溶液に浸漬して透明なパターンを染色する。これを3回繰り返すことによりR、G、Bのカラーフィルタ層を形成するものである。
また、他の方法としては顔料分散法がある。この方法は、まず基板上に顔料を分散した感光性樹脂層を形成し、これをパターニングすることにより単色のパターンを得る。さらに、この工程を3回繰り返すことにより、R、G、Bのカラーフィルタ層を形成する。
さらに、他の方法としては、熱硬化樹脂に顔料を分散させてR、G、Bの3回印刷を行った後、樹脂を熱硬化させる方法等を挙げることができる。
しかしながら、いずれの方法も、R、G、Bの3色を着色するために、同一の工程を3回繰り返す必要があり、コスト高になるという問題や、同様の工程を繰り返すため歩留まりが低下するという問題がある。
ところで、これらの問題点を解決したカラーフィルタの製造方法として、近年、インクジェット方式を利用したカラーフィルタの製造方法が検討されている。このインクジェット法によりカラーフィルタを形成する際、一般にRGBの3色のインキを吐出することで着色を行ってカラーフィルタを形成する。
このため、あらかじめ基板上に遮光性のBMパターンを、インキジェット法で飛来する着色液滴の堰の役割を果たす凸部として形成しておき、画素の区画内に特定の色の着色液滴を広げることにより、均一な着色層が形成された画素を得ることが出来る。
然しながら、上記このインキジェット法での問題の一つとして、基板上に着色部材を直接パターン状に配する方法のため、その着色部材自体の表面張力により形成される凸状の着色部材が凸状のままに留まるという欠点があった。また、基板上に形成した何らかの受容層中に着色部材をパターン状に配する方法でも、受容層の膨潤現象等により形成される凸状の着色部材が同様に凸状のままに留まるという欠点があった。
より詳しくは、透明な基板上の赤、青、緑色各画素の所定の位置が、隔壁で仕切られている場合、隔壁の開口部にインクジェット装置で噴射して着色層を形成する際、ガラス基板に対し濡れ性の良いインクを用いる場合には、インクに対して濡れ性の悪い物質で予め境界となる凸部を印刷しておく方法や、ガラスに対して濡れ性の悪いインクを使う場合には、インクとの濡れ性の良い材料で予めパターンを形成しておき、インクが定着するのを助ける方法が開示されている。しかしながら、ガラス基板や境界となる凸部を親インク性や撥インク性を制御することは、画素間の混色やインクの濡れ性の制御には効果的であるが、画素部自体の形状が凸型や凹型になり、画素部の平坦性を得られないという問題があった。このような場合には、画素内での色濃度にバラツキが生じ、画像の表示品質が著しく劣るという問題が発生する。
画素部の平坦性を得る方法としては、画素部に平坦化層を設け、画素部の平坦性を得る方法が開示されている(特許文献1)。ここでは、基板側から露光し、画素部の厚みに応じて平坦化層の硬化の度合いを調節し、平坦性を付与する方法が記載されている。また、フィルム状の保護層を、転写によって画素部上に形成する方法が開示されている(特許文献3)。
更に、画素部に平坦性を付与するインクとしては、着色顔料と体質顔料を有するインクが開示されている(特許文献2)。前記文献では、樹脂と顔料の重量比や着色顔料と体質顔料の重量比及びインク中の固形分についても言及されている。また、濃淡のインクを用いて画素部内の濃度調節を行いながら平坦性を付与する方法が開示されている(特許文献3)。
特許文献1、特許文献3に開示されている方法では、画素部内の色濃度のバラツキに関しては何ら解消されておらず、工程も煩雑である。また、特許文献2に開示されているインクについては、近年のトレンドである高精彩ディスプレイ向けの色仕様に設計するためには、顔料濃度を高くする必要があり、色仕様および/または液晶カラー表示装置の方式によっては、インクの組成が著しく制限され、十分な平坦性を得ることは困難である。特許文献4に開示されている方法では、工程が煩雑になる上に十分な平坦性を得るのは困難である。
近年、種々のデバイスの高機能化、高密度化、大型化の流れの中で、デバイス構成の一種に当たるカラーフィルタの高精度化の要求も大きく、特に、カラーフィルタ上の平坦性はデバイスの生産性の観点から重要視されており、カラーフィルタの着色部材が凸状のままに留まるものではカラーデバイス構成上充分満足いくものではなかった。
特開平8−304619号公報 特開平9−132740号公報 特開平10−197719号公報 特開2004−177867号公報
本発明は、かかる従来技術の諸欠点に鑑み創案されたもので、その目的とするところは簡便な工程によりカラーフィルタを形成できるインクジェット法を用いてカラーフィルタを製造するに際し、カラーフィルタの表面凹凸を平坦化し、諸特性に優れるカラーデバイスを得ることのできるカラーフィルタを提供することにある。
前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
まず、請求項1に記載の発明は、少なくとも染料からなる着色剤と、熱硬化性バインダー成分、溶剤とを含有してなるインク組成物であって、前記熱硬化性バインダー成分は、熱硬化時の収縮率が50%以下であることを特徴とするインク組成物としたものである。
また、請求項2に記載の発明は、インクジェットヘッドの複数ノズルから複数のマトリクス状の隔壁に囲まれた吐出領域が設けられた基板上に機能性インクを吐出して機能層を形成するカラーフィルタの製造方法であって、基板上に形成された隔壁により区画された凹部に、インクジェット方式により請求項1に記載のインク組成物の液滴を付与して着色層を形成する塗工工程と、前記着色層を乾燥する乾燥工程と、前記乾燥工程後の着色層を加熱により硬化する加熱硬化工程と、をこの順で有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法としたものである。
また、請求項3に記載の発明は、前記加熱硬化工程は、前記インク組成物の熱硬化温度未満の温度で加熱を行った後に、前記熱重合開始温度以上の温度で加熱を行うことを特徴とする請求項2に記載のカラーフィルタの製造方法としたものである。
本発明は、染料と熱硬化性バインダー成分の組み合わせによって、広範囲野色仕様および/または液晶カラー表示装置の複数の方式に対し適用可能で、生産性に優れ、画素部の平坦性が高いカラーフィルタを製造可能なカラーフィルタ用インクジェット組成物を提供する。さらに、このインクを用いたカラーフィルタの製造方法及びこのカラーフィルタを備えた表示装置を提供することができる。
画素内段差の概略図。
以下、本発明のカラーフィルタ用インクジェットインク、それを用いたカラーフィルタの製造方法及び液晶表示装置について詳細に説明する。
本発明では着色画素平坦化の方法の一つとして、インクの粘度を下げて流動性を高めることによって平坦性が向上するという知見を用いている。顔料インク使用の場合、インキの流動性を高める為には、粘度の高い顔料成分・分散剤成分の割合を低くし、逆にインク中の樹脂成分の割合を高める必要があるが、そうすると顔料比が低下するので着色性、すなわち色密度が低下する。本発明は、この色密度の低下を、染料を使用することで改善した。
染料は顔料と比較し、粒系が非常に小さく低粘度である為、染料成分の割合を高くする事での高粘度化が殆ど無い。さらに、染料は溶剤に溶解する為、高粘度化要因の一つである分散剤を添加する必要が無く、低粘度化が可能である。さらに、熱バインダー成分、モノマー成分、ポリマー成分の種類、添加量によって最適粘度調整、低粘度化が可能となる。以上のことから、染料を使用することで着色性を保った状態で平坦性を向上させる事が可能となる。
さらに、本発明により、熱硬化性バインダー成分の熱架橋による熱収縮率を小さくする事により、平坦性の向上が可能となった。熱硬化性バインダー成分の熱架橋による熱収縮率を小さくする為の手法として、一つは、熱架橋反応の反応機構よる最適化が挙げられる。架橋反応としては、付加重合反応、付加縮合反応、重縮合反応、開環重合反応、連鎖重合反応、逐次重合反応、イオン重合反応、ラジカル重合反応等挙げられる。
一般に、縮合反応では架橋時に脱離基の発生を伴う事によりベーク前後の収縮率が大きくなるが、付加反応では通常架橋時に脱離基の発生を伴わない為、ベーク前後の収縮率は小さくなる傾向がある。また、縮合反応を利用する場合についても、熱架橋反応による熱硬化性バインダー成分の脱離基の比率を小さくするようなポリマー成分・モノマー成分を使用する事により、ベーク前後の収縮率を小さくする事が可能である。
上記インクの熱硬化性のバインダーの主成分としては、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、シアネート樹脂、イソシアネート樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、カルド樹脂、オキセタン樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、アクリレート樹脂、等挙げられるがこれらに限定されない。
上記熱硬化性バインダーの主成分として、式(1)で表される構造を有するメラミン樹脂、または式(2)で表される構造を有するベンゾグアナミン樹脂であって、官能基R〜Rのうち1つ以上6つ以下、R〜R10のうち1つ以上4つ以下がエーテル基であるバインダー樹脂が挙げられる。
Figure 2012163594
Figure 2012163594
また、上記熱硬化性バインダーの主成分として、式(1)で表される構造を有するメラミン樹脂、または式(2)で表される構造を有するベンゾグアナミン樹脂であって、官能基R〜R、R〜R10のうち、エーテル基でない官能基が、メチロール基、またはイミノ基であるバインダー樹脂が挙げられる。
上記のメラミン樹脂、またはベンゾグアナミン樹脂を使用すると、低粘度で流動性に優れたインクが得られ、ガラス面に形成された隔壁にインクの液滴を付与して加熱乾燥させる過程において、画素平坦化に効果的である。さらに、上記メラミン樹脂、または上記ベンゾグアナミン樹脂は、加熱乾燥させた後にインク組成物を熱硬化させる過程において、極めて特徴的である。すなわち、官能基R〜R、R〜R10で表されるエーテル基、および/又はメチロール基、イミノ基は、熱硬化において縮合反応を起こし、脱離基(アルコール)を系外に排出し、架橋する。
式(1)、および式(2)で表される官能基R〜R、R〜R10が全てエーテル基である場合には、官能基R〜R、R〜R10を、CH―OR’〜CH―OR’、CH―OR’〜CH―OR’10と置き換える。R’〜R’、R’〜R’10は、相互に独立してアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はビニル基を表し、R’〜R’、R’〜R’10が結合している炭素のCH結合は更に置換されていてよい。これを下記に式(3)、(4)として示す。
Figure 2012163594
Figure 2012163594
式(3)、および式(4)におけるアルキル基としては、特に炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。更に、前記アルキル基は、直鎖状であってもよいし、枝分かれしていてもよい。
式(3)、および式(4)におけるシクロアルキル基としては、炭素数3〜7のシクロアルキル基が好ましく、炭素数5〜6のシクロアルキル基がより好ましい。更に、前記シクロアルキル基は、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子(例えば、塩素、臭素又はフッ素)で置換されていてもよい。
式(3)、および式(4)におけるアリール基としては、特にフェニル基又はナフチル基が好ましい。更に、前記アリール基は、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子(例えば、塩素、臭素又はフッ素)で置換されていてもよい。
式(3)、および式(4)で表される構造は、活性水素存在下、加熱により末端のエ−テルが他のエーテル基との間で縮合反応を起こし架橋するため、画素パタ−ン描画後に熱架橋することで緻密に架橋された膜を得ることができる。式(3)に表される構造は1分子中に最大3個、式(4)に表される構造は1分子中に最大2個の架橋点を有し、高度に架橋された膜は非常に高い耐熱性と耐薬品性を有する。
式(3)、および式(4)で表される構造は、熱架橋する時に、エーテル基および/またはイミノ基・メチロール基からの、脱アルコールおよび/又は脱水を伴って縮合する。メラミン樹脂1分子当たりのエーテル基が少なく、エーテル基末端のアルキル基が小さいほど、熱架橋による熱収縮が小さい。つまり、式(1)、および式(2)で表される官能基R〜R、R〜R10のうちエーテル基が少ないほど、式(3)、および式(4)で表されるアルキル基R’〜R’、R’〜R’10が小さいほど熱収縮が小さく、上記の式(1)〜(4)からなる樹脂の熱硬化時の熱収縮率は50%以下である。
このように熱収縮が小さい樹脂をインクのバインダーとして使用する事で平坦性を向上させる事が可能であり、熱収縮率が50%を超えると画素の平坦性が悪化する。
上記インクに使用する染料の種類は特に制限されず公知の染料が適宜使用できる。例えば酸性染料、直接染料、分散染料、反応性染料などが使用できる。ただし、耐熱性、耐光性、および耐溶剤性の優れたカラーフィルタを得るためには、これらの特性が高く堅牢な染料を用いることが好ましい。マトリクス中に分散させる染料の量に特に制限はないまた、あまりにマトリクス樹脂成分が少なければ着色層の耐溶剤性および機械強度が低下する。これらの点を考え合わせ、全固形分に対する染料の割合は60〜15重量%の範囲が好ましい。
また、式(1)、式(2)記載の構造を有する化合物がアルコ−ル末端を有する場合には親水性の非常に高い分子になる。従って、マトリクス樹脂との親和性の点から考えると、分子内にOH基を有するなど比較的親水性の高い酸性染料等水溶性の染料もしくは親水性の染料がより適している。しかし、染料自身が式(1)、式(2)記載の構造と親和性が良くなくても、界面活性剤を少量添加することでマトリクス樹脂中に微分散することが出来る。添加する界面活性剤の量としてはなるべく少ない方が望ましく、染料の構造によって適正量を選択するのがよい。通常は全固形分に対して30〜1重量%の範囲で選択される。
染料の具体例としては、Acid Red 52、87、92、122、486、Solvent Red8、24、83、109、125、132、Disperse Red 60、72、88、206、Basic Red12、27、AcidBlue9、40、83、129、249、Solvent Blue 25、35、36、55、67、70、Disperse Blue56、81、60、87、149、197、211、214、Basic Blue 1、7、26、77、Acid Green 18、SolventGreen3、Basic Green1、Acid Yellow38、99、Solvent Yellow 25、88、89、146、Disperse Yellow、42、60、87、198、Basic Yellow 21などを挙げることができるがこれらに限定されrない。これらは1種のみでも又は複数種混ぜ合わせて使用してもよく、カラーフィルタの分光調整の為など、必要に応じて任意の染料を数点混ぜ合わせて調整する。各色の染料は白色光を分解する役割を担うため、透明性、対候性、耐熱性に優れているものがよい。
上記インク組成物に用いる溶剤は、特に限定されるものではなく、使用される染料、バインダー、インクに要求される品質等に応じて選択することができる。使用する溶剤としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテートやプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等が挙げられる。上記溶剤は、二種類以上を混合して用いることもできる。
溶剤は、以下に示すような溶剤の中から選んで用いることができる:エチレングリコールモノエチルエーテルのようなグリコールエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエステル類;ジエチレングリコールモノメチルエーテルのようなグリコールオリゴマーエーテル類;ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートのようなグリコールオリゴマーエーテルエステル類;酢酸、2-エチルヘキサン酸、無水酢酸のような脂肪族カルボン酸類又はその酸無水物;酢酸エチル、安息香酸プロピルのような脂肪族又は芳香族エステル類;炭酸ジエチルのようなジカルボン酸ジエステル類;3−メトキシプロピオン酸メチルのようなアルコキシカルボン酸エステル類;アセト酢酸エチルのようなケトカルボン酸エステル類;クロロ酢酸、ジクロロ酢酸のようなハロゲン化カルボン酸類;エタノール、イソプロパノール、フェノールのようなアルコール類又はフェノール類;ジエチルエーテル、アニソールのような脂肪族又は芳香族エーテル類;2−エトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノールのようなアルコキシアルコール類;ジエチレングリコール、トリプロピレングリコールのようなグリコールオリゴマー類;2−ジエチルアミノエタノール、トリエタノールアミンのようなアミノアルコール類;2−エトキシエチルアセテートのようなアルコキシアルコールエステル類;アセトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類;N−エチルモルホリン、フェニルモルホリンのようなモルホリン類;ペンチルアミン、トリペンチルアミン、アニリンのような脂肪族又は芳香族アミン類。
さらに、インクジェットに適した粘度に調整するためには、適宜、熱硬化に影響が少ない低粘度の不揮発成分を用いることができる。例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレートのようなアクリルモノマー。
本発明によるカラーフィルタ用インクジェットインク組成物は、例えば次のようにして作成できる。まず染料を、溶剤中に溶解させる。そこに、メラミン樹脂および/又はベンゾグアナミン樹脂等のバインダー樹脂を上記溶剤に予め溶解したものを添加し、さらに撹拌してインクジェット用インクを赤、青、緑色の3色分作成する。必要に応じて、レベリング剤も任意の段階で添加する。
上記カラーフィルタ用インクジェットインク組成物からなる着色層の画素平坦性を評価するためには、例えば次のようにしてカラーフィルタ、またはカラーフィルタに準じた着色層を作製することができる。インクジェット方式により複数のノズルから撥インク性の隔壁によりマトリクス状に囲まれた吐出領域を設けたガラス基板上に打滴し、基板を50〜150℃の範囲で1〜10分間加熱して乾燥を行い、溶媒を乾燥した後、150〜260℃の範囲で10〜60分加熱して樹脂を架橋させて熱硬化させる。上記の操作によりカラーフィルタ用インクジェットインク組成物の着色層が得られる。ここで、乾燥の際の温度は少なくともインク組成物の熱硬化温度未満の温度であることが望ましく、樹脂を熱硬化させる際の温度は少なくとも熱重合開始温度以上の温度であることが望ましい。
本発明に用いられる基板としては、ガラス、又はプラスチック等の透明な材質の物を用いることができる。特に、プラスチックを用いた場合には可撓性のあるカラーフィルタを製造することができる。
また、着色層形成前の基板はあらかじめ撥液性の隔壁やブラックマトリクス等を形成しておくことが好ましい。さらに、着色層形成後の基板は着色層上にオーバーコート層や導電層を設けることもできる。なお、上記の基板、撥液性隔壁、ブラックマトリクス、オーバーコート層、導電層は公知の材料を用い、公知の方法により形成される。
次に、本発明の具体例を実施例に基づき説明するが、これに限るものではない。
1.着色組成物の作製カラーフィルタ作製に用いる着色組成物は、染料に対して有機溶剤、熱硬化性バインダー成分及び、レベリング剤を加えて良く攪拌し、カラーフィルタ用着色組成物を作製した。
熱硬化性バインダーとしては、熱硬化性バインダー1.式(1)で表されるメラミン樹脂の官能基R〜Rの全てがメチルエーテル基であるもの、熱硬化性バインダー2.式(1)で表されるメラミン樹脂の官能基R〜Rのうち1つ以上がブチルエーテル基であり、その他がメチルエーテル基であるもの、熱硬化性バインダー3.式(1)で表されるメラミン樹脂の官能基のR〜Rのうち4つがメチルエーテル基であり、1つがメチロール基、1つがイミノ基であるもの、そして、熱硬化性バインダー4.式(2)で表されるベンゾグアナミン樹脂の官能基R〜R10のうち2つがブチルエーテル基で、二つがメチルエーテル基であるもの、の4つを使用し、熱硬化性バインダー1〜4を用いたものをそれぞれ実施例1〜4とした。
Figure 2012163594
Figure 2012163594
2.カラーフィルタ基板の作製ガラス基板(3)上に形成されたブラックマトリクス(2)の開口部に、12pl、180dpiヘッドを搭載したインクジェット印刷装置により前記着色組成物(を吐出し、画素パタ−ンを描画した。その後、130℃で3分乾燥させた後240℃で20分加熱して樹脂を架橋し、カラーフィルタ試料を得た。
3.カラーフィルタの平坦性評価上記カラーフィルタ試料について、焼成による膜厚の熱収縮率と着色層の膜厚プロファイルを測定した。画素内の着色層の膜厚および段差は、吐出量を少しずつ変えて作製したカラーフィルタ試料の、色度の変動および膜厚の測定値から、所定の色の時の値を算出した。それぞれのインクの熱収縮率、画素内段差(6)は、下記の基準で評価した。画素内段差(6)の概略図を図1に示す。
熱収縮率、画素内段差、画素平坦性を

熱収縮率(%)・・・
焼成による膜厚の収縮率=(塗布乾燥後膜厚−焼成後膜厚)/塗布乾燥後膜厚×100(%)。

画素内段差(6)(単位:μm)・・・
画素内段差(6)=TOP膜厚(4)−BOTTOM膜厚(5)

平坦性(画素の平坦性、単位:μm)・・・
○:平坦性良好段差0≦δt<0.3
×:平坦性不良段差0.3≦δt

としたときの結果を下記表1に示す。
Figure 2012163594
上記インク組成物から作製されたカラーフィルタは、熱硬化性バインダー1、2、4については熱収縮率20%前後であり画素内段差(6)は0.1μm以下と殆ど段差は無い。また熱硬化性バインダー3については熱収縮率は他3つよりも大きく45%である為、熱硬化性バインダー1、2、4と比較すると画素内段差(6)は大きいが、0.3μm未満であり平坦性良好であった。
(比較例1)比較例として、上記着色組成物に顔料を用いたこと以外は上記実施例1乃至4と同様、即ち、熱硬化性バインダーとして、式(1)で表されるメラミン樹脂の官能基R〜Rの全てがメチルエーテル基であるもの、式(1)で表されるメラミン樹脂の官能基R〜Rのうち1つ以上がブチルエーテル基であり、その他がメチルエーテル基であるもの、式(1)で表されるメラミン樹脂の官能基のR〜Rのうち4つがメチルエーテル基であり、1つがメチロール基、1つがイミノ基であるもの、式(2)で表されるベンゾグアナミン樹脂の官能基R〜R10のうち2つがブチルエーテル基で、二つがメチルエーテル基である4つを使用し、染料インクではなく顔料インクから作製されたカラーフィルタを作成した。これらのカラーフィルタの熱収縮率は20%前後であったが画素内段差(6)は0.5μm〜0.8μm程度であり平坦性は悪化した。
(比較例2)上記着色組成物に染料を用い、熱硬化性バインダーとして式(1)で表されるメラミン樹脂の官能基のR1〜R6のうち2つがメチルエーテル基であり、2つがメチロール基、2つがイミノ基であるものを使用した染料インクについて、ガラス基板(3)上に形成されたブラックマトリクス(2)の開口部に、12pl、180dpiヘッドを搭載したインクジェット印刷装置により前記着色組成物(1)を吐出し、画素パタ−ンを描画した。その後、130℃で3分乾燥させた後240℃で20分加熱して樹脂を架橋させたものについて上記同様に熱収縮率、画素内段差(6)を評価した。その結果を以下に示す。
Figure 2012163594
上記インク組成物から作製されたカラーフィルタは熱収縮率57%であり画素内段差0.38μmであり、平坦性は悪化した。
本発明はカラー液晶表示装置等に用いられるカラーフィルタをインクジェット方式で生産するのに利用される。
1・・・着色組成物
2・・・ブラックマトリクス
3・・・ガラス基板
4・・・TOP膜厚
5・・・BOTTOM膜厚
6・・・画素内段差

Claims (3)

  1. 少なくとも染料からなる着色剤と、熱硬化性バインダー成分、溶剤とを含有してなるインク組成物であって、前記熱硬化性バインダー成分は、熱硬化時の収縮率が50%以下であることを特徴とするインク組成物。
  2. インクジェットヘッドの複数ノズルから複数のマトリクス状の隔壁に囲まれた吐出領域が設けられた基板上に機能性インクを吐出して機能層を形成するカラーフィルタの製造方法であって、
    基板上に形成された隔壁により区画された凹部に、インクジェット方式により請求項1に記載のインク組成物の液滴を付与して着色層を形成する塗工工程と、
    前記着色層を乾燥する乾燥工程と、
    前記乾燥工程後の着色層を加熱により硬化する加熱硬化工程と、
    をこの順で有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  3. 前記加熱硬化工程は、前記インク組成物の熱硬化温度未満の温度で加熱を行った後に、前記熱重合開始温度以上の温度で加熱を行うことを特徴とする請求項2に記載のカラーフィルタの製造方法。
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