JP4438039B2 - カラーフィルタの製造方法及び製造装置、液晶パネルの製造方法、表示装置の製造方法、表示装置用パネルの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヘッドにより基板上の画素を着色することにより表示装置用のパネル(表示用素子)を製造するための、表示装置用のパネルの製造方法及び製造装置に関し、例えばカラーテレビ、パーソナルコンピュータ等に使用されるカラーフィルタの製造方法及び製造装置、表示装置の製造方法、表示装置を備えた装置の製造方法等に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年携帯用パーソナルコンピュータの急速な発達に伴い、液晶デイスプレイ、特にカラー液晶デイスプレイの需要は増加する傾向にある。同時に、装置のコストダウンも要求されるようになり、特に比較的コスト比率の高いカラーフィルタのコストダウンに対する要求が高まっている。カラーフィルタの要求特性を満足し、上記の要求も満たすため様々な方法が試されているが、いまだ不十分である。以下にそれぞれの方法について説明する。
【0003】
最も多く使われている第1の方法が顔料分散法である。この方法は、まず基板上に顔料を分散した感光性樹脂層を形成し、これをパターンニングすることにより単色のパターンを得る。さらにこの工程を3回繰り返すことによりR,G,Bのカラーフィルター層を得る。
【0004】
第2の方法は、染色法である。この方法はガラス基板上に染色用の材料である水溶性の高分子材料を形成し、フォトリソグラフィー工程によりある形状にパターンニングして、できあがったパターンを染色浴に浸漬して着色されたパターンを得る。これを3回繰り返すことにより、R,G,Bのカラーフィルタを形成する。
【0005】
第3の方法として電着法がある。この方法は、まず基板上に透明基板をパターニングする。つぎに顔料、樹脂、電解液等の入った電着塗装液に浸漬し第1の色を電着する。この工程を3回繰り返してR,G,Bの着色層を形成し、最後に焼成する。
【0006】
第4の方法として、印刷法がある。この方法は、熱硬化性樹脂に顔料を分散させ、印刷を3回繰り返すことによりR,G,Bを塗り分けた後、樹脂を熱硬化させることにより着色層を形成するものである。また、いずれの方法においても着色層上に保護層を形成するのが一般的である。
【0007】
従来の方法に共通している点は、R,G,Bの3色を着色するために同一の工程を3回繰り返す必要があり、コスト高になることである。また、工程が多いほど歩留まりが低下するという問題を有している。さらに、電着法においては、形成可能なパターン形状が限定されるため、現状の技術では、TFT用には適用困難である。また、印刷法は、解像度が悪いためファインピッチのパターンの形成には不向きである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
これらの欠点を補うべく、インクジェットを用いたカラーフィルターの製造方法として、特開昭59−75205号、特開昭63−235901号、特開平1−217320号、特開平4−123005号、特開平9−138306号等の提案がある。これらは、前記従来の方法とは異なりR(赤),G(緑),B(青)の各色のインクを光透過性の基板上の所定の位置にインクジェットヘッドより噴射し、インクを基板上で乾燥させて着色層を形成させるものである、この方法によればR,G,Bの各色層の形成を一度に行うことができ、さらにインクの使用量にも無駄が生じないため大幅な生産性の向上、コストダウン等の効果を得ることができる。
【0009】
このようなインクジェット方式を用いてカラーフィルタを製造する場合、インクジェットヘッドはインクの吐出を繰り返すうちにそのノズル面(吐出口面)がインクで汚れてくるため、定期的にノズル面の清掃を行う必要がある。
【0010】
従来、このノズル面の清掃は、弾性を有するスポンジ状のワイピング部材でインクジェットヘッドのノズル面をワイピングすることにより行われていた。
【0011】
この際に、インクジェットヘッドのノズルが並ぶ方向、あるいはノズル列に対して直角な方向にワイピング部材を動かすことにより清掃をすることが一般的であった。
【0012】
通常は、インクジェットヘッドのノズル面のワイピングを繰り返すことにより、徐々にノズル面のノズル穴付近に細かな傷が生じたり、撥水部分の撥水効果が低下することによりインクジェットへッドから吐出されるインク滴の飛翔方向が微妙に変化し、着弾位置のずれが発生する。
【0013】
このような着弾位置のずれは、一般のインクジェットプリンタでは問題にならないレベルであるが、カラーフィルター等の高精細なパターンの着色においては、隣接する着色領域との混色を引き起こすため歩留まりを下げる大きな問題となっていた。
【0014】
従って、本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、インクジェットヘッドのノズル面(吐出口面)のワイピングを繰り返しても、歩留まりを低下させること無くカラーフィルターを製造することができるカラーフィルターの製造方法および製造装置、その製造方法により製造されたカラーフィルタ、該カラーフィルタを備えた表示装置の製造方法、該表示装置を備えた装置の製造方法、表示装置用パネルの製造方法および製造装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係わるカラーフィルタの製造方法は、インクを吐出するための吐出口が形成された吐出口面を有し、少なくとも前記吐出口の周辺部分が撥水部材で被覆されたインクジェットヘッドから基板上にインクを吐出して、所定の方向に延びる着色領域を色毎に形成することによりカラーフィルタを製造する方法であって、前記吐出口面をワイピングするためのワイピング部材により前記吐出口面をワイピングする工程を備え、前記ワイピング部材によるワイピング方向は前記所定の方向に沿った方向と同一であることを特徴としている。
【0016】
また、本発明に係わるカラーフィルタの製造方法は、インクを吐出するための吐出口が形成された吐出口面を有し、当該吐出口の周辺部分が撥水部材で被覆されたインクジェットヘッドと基板とを所定方向に相対移動させながら、同じ色のインクで形成される複数の画素を前記所定方向に配列してなるカラーフィルタを製造する方法であって、前記同じ色のインクで形成される2つの画素の間隔と、前記インクジェットヘッドの複数の吐出口のうち使用する2つの吐出口の、前記所定の方向と直交する方向における間隔とが一致するように、前記インクジェットヘッドの前記所定の方向に対する角度を調整する調整工程と、前記調整工程において調整された角度を保ったままの状態で前記インクジェットヘッドから前記相対移動中に前記基板にインクを吐出する工程と、前記調整工程において調整された角度を保ったままの状態で前記吐出口面をワイピング部材によりワイピングする工程とを具備し、前記ワイピング部材のワイピングの方向は前記所定の方向に沿った方向と同一であることを特徴としている。
【0017】
また、本発明に係わる液晶パネルの製造方法は、カラーフィルタを備えた液晶パネルの製造方法であって、上記の製造方法により製造されたカラーフィルタを用意する工程と、用意された前記カラーフィルタと対向基板との間に液晶化合物を挿入する工程と、を具備することを特徴としている。
【0018】
また、本発明に係わる表示装置の製造方法は、液晶パネルを備えた表示装置の製造方法であって、上記の製造方法により製造された液晶パネルを用意する工程と、用意された前記液晶パネルに画像信号を供給する画像信号供給手段を接続する工程と、を具備することを特徴としている。
【0019】
また、本発明に係わる表示装置用パネルの製造方法は、液体を吐出するための吐出口が形成された吐出口面を有し、当該吐出口の周辺部分が撥水部材で被覆された液体付与ヘッドから基板上に液体を付与することで、所定の方向に延び且つ表示に用いられる表示部が配列してなる表示装置用パネルを製造する方法であって、前記吐出口面をワイピングするためのワイピング部材により前記吐出口面をワイピングする工程を備え、前記ワイピング部材によるワイピング方向は前記所定の方向に沿った方向と同一であることを特徴としている。
【0020】
また、本発明に係わる表示装置用パネルの製造方法は、表示に用いられるための材料を吐出するための吐出口が形成された吐出口面を有し、少なくとも前記吐出口の周辺部分が撥水部材で被覆されたヘッドから基体上に前記材料を吐出して、所定の方向に延び且つ表示に用いられる表示部を形成することにより表示装置用パネルを製造する方法であって、同じ材料で形成される2つの前記表示部の間隔と、前記ヘッドの複数の吐出口のうち使用する2つの吐出口の、前記所定の方向と直交する方向における間隔とが一致するように、前記ヘッドの前記所定の方向に対する角度を調整する調整工程と、前記調整工程において調整された角度のままの状態で前記吐出口面をワイピング部材によりワイピングする工程とを具備し、 前記ワイピング部材によるワイピング方向は前記所定の方向に沿った方向と同一であることを特徴としている。
【0021】
また、本発明に係わるカラーフィルタの製造装置は、インクを吐出するための吐出口が形成された吐出口面を有し、少なくとも前記吐出口の周辺部分が撥水部材で被覆されたインクジェットヘッドから基板上にインクを吐出して、所定の方向に延びる着色領域を色毎に形成することによりカラーフィルタを製造する装置であって、前記吐出口面をワイピングするためのワイピング部材を備え、前記ワイピング部材によるワイピング方向は前記所定の方向に沿った方向と同一であることを特徴としている。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な一実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0030】
なお、本発明において定義する表示装置用パネル(表示用素子)とは、表示に用いられる表示部を有するものである。より具体的には、表示装置用パネルとは、例えば着色部を備えるカラーフィルタあるいは自己発光する材料により形成された発光部を備えるEL素子等を含む、表示装置に使用されるパネルのことである。尚、カラーフィルタであれば着色部が上記表示部に相当し、EL素子であれば発光部が上記表示部に相当する。また、本発明において定義するカラーフィルタとは、着色部と基体とを備えるものであり、入力光に対し、特性を変えた出力光を得ることができるものである。なお、基体とは、ガラスやプラスチック等の基板を含むものであり、また板状以外の形状も含むものである。なお、カラーフィルタにおいて所定の方向に延びる着色領域という表現は、図38の(a)に示すように、画素が一列に長い場合、あるいは(b)、(c)、(d)に示すように一列内が複数の画素に区切られている場合等を含むものである。また、カラーフィルタの着色領域は、視覚的に色を認識するための領域ということもできる。さらに、本実施形態で着色に使用されるインクジェットヘッドは、インク吐出口が開口した吐出口面を有し、少なくともこの吐出口の開口の周辺部分が所定の材料で被覆されているものである。また、インクジェットヘッドは、カラーフィルタ基板に着色された液体であるインクを付与するものであるので、液体付与ヘッドと呼ぶこともできる。
【0031】
図1はインクジェット法によるカラーフィルタの製造装置の構成を示す概略図であり、着色工程の作業中の状態を示している。
【0032】
図1において、51は装置架台、52は架台51上に配置されたXYZθステージ、53はXYZθステージ52上にセットされたカラーフィルタ基板、54はカラーフィルタ基板53上に形成されるカラーフィルタ、55はカラーフィルタ54の着色を行う赤色、緑色、青色の各インクジェットヘッドとそれらを支持するヘッドマウント55aとからなるヘッドユニット、58はカラーフィルタ製造装置90の全体動作を制御するコントローラ、59はコントローラの表示部、60はコントローラの操作部であるキーボードを示している。
【0033】
ヘッドユニット55はカラーフィルター製造装置の支持部90aに対して着脱自在に、かつ水平面内で回動角度を調整可能に装着されている。
【0034】
図2はカラーフィルタ製造装置90の制御コントローラの構成図である。59は制御コントローラ58の入出力手段であるティーチングペンダント、62は製造の進行状況及びヘッドの異常の有無等の情報を表示する表示部、60はカラーフィルタ製造装置90の動作等を指示する操作部(キーボード)である。
【0035】
58はカラーフィルタ製造装置90の全体動作を制御するところのコントローラ、65はティーチングペンダント59とのデータの受け渡しを行うインタフェース、66はカラーフィルタ製造装置90の制御を行うCPU、67はCPU66を動作させるための制御プログラムを記憶しているROM、68は異常情報等を記憶するRAM、70はカラーフィルタの各画素内へのインクの吐出を制御する吐出制御部、71はカラーフィルタ製造装置90のXYZθステージ52の動作を制御するステージ制御部、90はコントローラ58に接続され、その指示に従って動作するカラーフィルタ製造装置を示している。
【0036】
次に、図3は、上記のカラーフィルタ製造装置90に使用されるインクジェットヘッドIJHの構造を示す図である。図1の装置においては、インクジェットヘッドはR,G,Bの3色に対応して3個設けられているが、これらの3個のヘッドは夫々同一の構造であるので、図3にはこれらの3個のヘッドのうちの1つの構造を代表して示している。
【0037】
図3において、インクジェットヘッドIJHは、インクを加熱するための複数のヒータ102が形成された基板であるヒータボード104と、このヒータボード104の上にかぶせられる天板106とから概略構成されている。天板106には、複数の吐出口108が形成されており、吐出口108の後方には、この吐出口108に連通するトンネル状の液路110が形成されている。各液路110は、隔壁112により隣の液路と隔絶されている。各液路110は、その後方において1つのインク液室114に共通に接続されており、インク液室114には、インク供給口116を介してインクが供給され、このインクはインク液室114から夫々の液路110に供給される。
【0038】
ヒータボード104と、天板106とは、各液路110に対応した位置に各ヒータ102が来る様に位置合わせされて図3の様な状態に組み立てられる。図3においては、2つのヒータ102しか示されていないが、ヒータ102は、夫々の液路110に対応して1つずつ配置されている。そして、図3の様に組み立てられた状態で、ヒータ102に所定の駆動パルスを供給すると、ヒータ102上のインクが沸騰して気泡を形成し、この気泡の体積膨張によりインクが吐出口108から押し出されて吐出される。従って、ヒータ102に加える駆動パルスを制御、例えば電力の大きさを制御することにより気泡の大きさを調整することが可能であり、吐出口から吐出されるインクの体積を自在にコントロールすることができる。尚、カラーフィルタを製造する場合、各吐出口から吐出される各々のインク体積(インク吐出量)を略同一に揃えることが好ましい。各吐出インクの量が同一である場合、同一でない場合に比べ画素間のムラをより低減できるからである。
【0039】
図4は、インクジェットヘッドによりカラーフィルタを製造する例を示した図である。
【0040】
本発明のカラーフィルタにおいては、基板1として透光性の基板が好ましく、一般にガラス基板が用いられるが、液晶用カラーフィルタとしての透明性、機械的強度等の必要特性を有するものであればガラス基板に限定されるものではない。
【0041】
基板1上には、カラーフィルタを構成する各画素3を仕切るための仕切り部材(例えばブラックマトリクス)2が形成されている。このブラックマトリクス2により仕切られた開口部である画素3aに、インクジェットヘッド55b,55c,55dにより、赤(R)、緑(G)、あるいは青(B)のいずれかに着色された色インクを吐出し、画素3aを着色する。なお、インクジェットヘッド55b,55c,55dは、基板1に対して、図中矢印Aで示される方向に走査されながら基板1に向けてインクを吐出し、各画素3aを着色する。
【0042】
また、本発明で使用するインクジェット方式としては、エネルギー発生素子として電気熱変換体を用いたバブルジェット(登録商標)タイプ、あるいは圧電素子を用いたピエゾジェットタイプ等が使用可能であり、着色面積及び着色パターンは任意に設定することができる。
【0043】
図5はカラーフィルタの製造工程を示す図である。
【0044】
カラーフィルタ形成面として光透過性の基板1上に遮光部としてのブラックマトリクス2を形成する(工程(a))。
【0045】
基板1としては、一般にガラスが用いられるが、カラーフィルタとしての透明性を損なわず、機械的強度等カラーフィルタの用途に応じた必要特性を有するものであればプラスチックなどの樹脂でも使用可能である。
【0046】
またブラックマトリクス2は、基板上にスパッタもしくは真空蒸着などの成膜法によりクロム等の金属膜を形成し、フォトリソ法により開口部などをパターニングして形成する。ブラックマトリクス2としてはこの他に感光性の黒色樹脂を塗布後フォトリソ法によりパターニングして形成したものや、印刷法により形成したものなどが使用可能である。
【0047】
次に、基板上にインク受容層3を形成する(工程(b))。
【0048】
インク受容層3はそれ自身ではインク受容性を持たないが、ある条件下においてインク受容性を示すポジ型、あるいはそれ自身はインク受容性を持つが、ある条件下でインク受容性を失うネガ型、いずれかの性質を有し、且つある条件下で硬化する特性を有する樹脂組成物をカラーフィルタ形成面に塗布し、必要に応じてプリベークを行って形成する。上記のある条件下とは、たとえば光照射、又は光照射及び熱照射などである。上記樹脂組成物の塗布には、スピンコート、ロールコート、バーコート、スプレーコート、ディップコート等の塗布方法を用いることができる。本発明においては光照射により硬化しその部分がインクを吸収しなくなるネガ型の感光性樹脂組成物を用いるのが望ましい。
【0049】
またインク受容層3の厚さは、本実施形態のカラーフィルタを液晶素子に用いる場合で0.3〜3.0μm程度である。
【0050】
フォトマスク4を用いてインク受容層3をパターン露光し、その一部を硬化してインク受容性を失った撥インク部5を形成する(工程(c))。
【0051】
この場合の図に示したフォトマスク4は、インク受容層3をネガ型の感光性樹脂組成物を用いて形成する場合である。インク受容層3としてポジ型の感光性樹脂組成物を用いて形成する場合は図に示したフォトマスク4とは逆のフォトマスクを用い撥インク部をマスクしてパターン露光すれば良い。
【0052】
図に示したように撥インク部5は、ブラックマトリクス2に重なる位置に形成される。該撥インク部5の幅はブラックマトリクスの幅より狭くなるように形成することが好ましく、液晶素子に用いる場合で1.0〜30.0μm程度である。これにより後述の着色部9a〜9cがブラックマトリクス2と重なる位置にまで延出して形成され、白抜けが防止できる。
【0053】
インクジェットヘッド55からR,G,Bの各色のインク10をインク受容層3の未露光部6の所定の位置に付与する(工程(d)、工程(e))。
【0054】
各未露光部は撥インク層5により周囲を囲まれている。
【0055】
本発明においてインクジェット方式としてはエネルギー発生素子として電気熱変換体を用いたバブルジェットタイプ、あるいは圧電素子を用いたピエゾジェットタイプ等が使用可能であり、着色面積及び着色パターンは任意に設定することができる。
【0056】
また本発明において、着色用のインクとしては染料系、顔料系共に用いることが可能である。また、常温で液体のものに限らず、室温やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化するもの、もしくは液体であるもの、あるいは上述のインクジェット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調整をおこなってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状をなすものが好適に用いられる。
【0057】
さらに必要に応じてインクの乾燥を行い、熱処理を行いインク受容層3全体を完全に硬化させインクを定着させ、各色の着色部9a〜9cを形成する。これによりカラーフィルター54が形成される。この後必要に応じて、カラーフィルター54上に保護層8を形成するのが一般的である(工程(f))。
【0058】
保護層8としては、光硬化型、熱硬化型、あるいは光、熱併用型の樹脂膜、蒸着やスパッタ等により形成される無機膜などを用いることができ、カラーフィルタとしての透明性を有し、その後のITO形成工程、配向膜形成工程等に耐えられるものであれば使用することができる。
【0059】
(第2の方法)
図25は第2の方法の工程図であり、図5と同じ部材には同じ符号を付した。また、図25の(a)〜(d)は下記工程(a)〜(d)に対応する模式図である。
【0060】
工程(a)
まず、透明基板1上に隔壁部(仕切り部材)を形成する。隔壁部は後述するインクを付与した際に隣接する異なる色のインクとの混色を避けるための部材であり、本例では遮光層を兼ねたブラックマトリクス342とした。当該ブラックマトリクス342としては、好ましくは黒色顔料含有レジストを用い、一般的なフォトリソグラフィ法によりパターニングする。該ブラックマトリクス342は後述するインクを付与した際に、隣接する異なるインク同士が混じり合うのを防止するために、好ましくは撥インク性を付与しておく。本発明においてブラックマトリクス342の厚さは上記隔壁作用及び遮光作用を考慮すると0.5μm以上が好ましい。また、該ブラックマトリクス342の開口部が本発明にかかる被着色部である。
【0061】
工程(b)
インクジェットヘッド37より、R、G、Bの各色のインク343をブラックマトリクス342の開口部を埋めるように所定の着色パターンにしたがって付与する。本発明においては、当該工程において、前記実施形態で説明したように、各非着色部に複数のノズルからインクを付与する。
【0062】
本発明で用いられるインクは、エネルギー付与により硬化し、通常着色剤を含有する樹脂組成物からなる。上記着色剤としては一般の染料や顔料を用いることができ、例えば染料としては、アントラキノン染料、アゾ染料、トリフェニルメタン染料、ポリメチン染料などを用いることができる。
【0063】
またインクに用いる樹脂としては、熱処理や光照射等のエネルギー付与によって硬化する樹脂を用いる。具体的には、熱硬化型樹脂として、公知の樹脂と架橋剤との組み合わせが使用できる。例えば、アクリル樹脂、メラミン樹脂、水酸基あるいはカルボキシル基含有ポリマーとメラミン、水酸基あるいはカルボキシル基含有ポリマーと多官能エポキシ化合物、水酸基あるいはカルボキシル基含有ポリマーと繊維素反応型化合物、エポキシ樹脂とレゾール型樹脂、エポキシ樹脂とアミン類、エポキシ樹脂とカルボン酸又は酸無水物、エポキシ化合物などが挙げられる。また、光硬化型樹脂としては、公知のもの、例えば市販のネガ型レジストが好適に用いられる。
【0064】
上記インクには、種々の溶媒を加えることもできる。特に、インクジェット方式での吐出性の面から、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒が好ましく用いられる。
【0065】
さらに、上記成分の他に必要に応じて所望の特性を持たせるために、界面活性剤、消泡剤、防腐剤等を添加することができ、さらに、市販の水溶性染料なども添加することができる。
【0066】
また、上記した光或いは熱硬化型樹脂のうち、水あるいは水溶性有機溶剤に溶解しないものでも安定に吐出可能なものであれば、水や水溶性有機溶剤以外の溶媒を用いてもかまわない。また、特に光により重合するタイプのモノマーを用いる場合には、染料をモノマーに溶解した無溶剤タイプとすることもできる。
【0067】
工程(c)
樹脂ブラックマトリクス342の開口部に付与したインク343を熱処理あるいは光照射、あるいはその両者によって硬化させ、着色部344を形成する。
【0068】
工程(d)
必要に応じて保護層8を形成する。
【0069】
図6乃至図8は、本発明により製造されたカラーフィルタを組み込んだカラー液晶表示装置30の基本構成を示す断面図である。
【0070】
本発明におけるカラー液晶表示装置(カラー液晶ディスプレイ)は、本発明に係るカラーフィルタの製造方法を用いて製造されたカラーフィルタ基板1と対向基板21を合わせこみ、液晶化合物18を封入することにより形成される。液晶表示装置の一方の基板21の内側に、TFT(Thin Film Transistor)(不図示)と透明な画素電極20がマトリクス状に形成される。また、もう一方の基板1の内側には、画素電極に対向する位置にRGBの色材が配列するようカラーフィルタ54が設置され、その上に透明な対向電極(共通電極)16が一面に形成される。ブラックマトリクス2は、通常カラーフィルター基板1側に形成されるが(図6参照)、BM(ブラックマトリクス)オンアレイタイプの液晶パネルにおいては対向するTFT基板側に形成される(図7参照)。さらに、両基板の面内には配向膜19が形成されており、これをラビング処理することにより液晶分子を一定方向に配列させることができる。また、それぞれのガラス基板の外側には偏光板11,22が接着されており、液晶化合物18は、これらのガラス基板の間隙(2〜5μm程度)に充填される。また、バックライトとしては蛍光灯(不図示)と散乱板(不図示)の組み合わせが一般的に用いられており、液晶化合物をバックライト光の透過率を変化させる光シャッターとして機能させることにより表示を行う。尚、液晶化合物は、カラーフィルタに照射される光量を可変する機能を有しているため、光量可変手段ともいえる。
【0071】
また、図8に示すように、画素電極20上に着色部を形成し、カラーフィルタとして機能させるようにしても良い。すなわち、カラーフィルタを構成する着色部は、ガラス基板上に形成されることに限定されるものではない。
【0072】
このような液晶表示装置を情報処理装置に適用した場合の例を図9乃至図11を参照して説明する。尚、この情報処理装置は、本発明に係る製造方法を用いて製造されたカラーフィルタを有する液晶表示装置に画像信号を供給する画像信号供給手段を接続することにより製造されるものである。
【0073】
図9は上記の液晶表示装置をワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、ファクシミリ装置、複写装置としての機能を有する情報処理装置に適用した場合の概略構成を示すブロック図である。
【0074】
図中、1801は装置全体の制御を行う制御部(画像信号供給手段)で、マイクロプロセッサ等のCPUや各種I/Oポートを備え、各部に制御信号やデータ信号等を出力したり、各部よりの制御信号やデータ信号を入力して制御を行っている。1802はディスプレイ部で、この表示画面には各種メニューや文書情報及びイメージリーダ1807で読み取ったイメージデータ等が表示される。1803はディスプレイ部1802上に設けられた透明な感圧式のタッチパネルで、指等によりその表面を押圧することにより、ディスプレイ部1802上での項目入力や座標位置入力等を行うことができる。
【0075】
1804はFM(Frequency Modulation)音源部で、音楽エディタ等で作成された音楽情報をメモリ部1810や外部記憶装置1812にデジタルデータとして記憶しておき、それらメモリ等から読み出してFM変調を行うものである。FM音源部1804からの電気信号はスピーカ部1805により可聴音に変換される。プリンタ部1806はワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、ファクシミリ装置、複写装置の出力端末として用いられる。
【0076】
1807は原稿データを光電的に読取って入力するイメージリーダ部で、原稿の搬送経路中に設けられており、ファクシミリ原稿や複写原稿の他各種原稿の読取りを行う。
【0077】
1808はイメージリーダ部1807で読取った原稿データのファクシミリ送信や、送られてきたファクシミリ信号を受信して復号するファクシミリ(FAX)の送受信部であり、外部とのインタフェース機能を有する。1809は通常の電話機能や留守番電話機能等の各種電話機能を有する電話部である。
【0078】
1810はシステムプログラムやマネージャープログラム及びその他のアプリケーションプログラム等や文字フォント及び辞書等を記憶するROMや、外部記憶装置1812からロードされたアプリケーションプログラムや文書情報、さらにはビデオRAM等を含むメモリ部である。
【0079】
1811は文書情報や各種コマンド等を入力するキーボード部である。
【0080】
1812はフロッピーディスクやハードディスク等を記憶媒体とする外部記憶装置で、この外部記憶装置1812には文書情報や音楽あるいは音声情報、ユーザのアプリケーションプログラム等が格納される。
【0081】
図10は図9に示す情報処理装置の模式的概観図である。
【0082】
図中、1901は上記の液晶表示装置を利用したフラットパネルディスプレイで、各種メニューや図形情報及び文書情報等を表示する。このディスプレイ1901上ではタッチパネル1803の表面は指等で押圧することにより座標入力や項目指定入力を行うことができる。1902は装置が電話機として機能するときに使用されているハンドセットである。キーボード1903は本体と着脱可能にコードを介して接続されており、各種文書機能や各種データ入力を行うことができる。また、このキーボード1903には各種機能キー1904等が設けられている。1905は外部記憶装置1812へのフロッピーディスクの挿入口である。
【0083】
1906はイメージリーダ部1807で読取られる原稿を載置する用紙載置部で、読取られた原稿は装置後部より排出される。またファクシミリ受信等においては、インクジェットプリンタ1907よりプリントされる。
【0084】
上記情報処理装置をパーソナルコンピュータやワードプロセッサとして機能する場合、キーボード部1811から入力された各種情報が制御部1801により所定のプログラムに従って処理され、プリンタ部1806に画像として出力される。
【0085】
ファクシミリ装置の受信機として機能する場合、通信回線を介してFAX送受信部1808から入力したファクシミリ情報が制御部1801により所定のプログラムに従って受信処理され、プリンタ部1806に受信画像として出力される。
【0086】
また、複写装置として機能する場合、イメージリーダ部1807によって原稿を読取り、読取られた原稿データが制御部1801を介してプリンタ部1806に複写画像として出力される。なお、ファクシミリ装置の受信機として機能する場合、イメージリーダ部1807によって読取られた原稿データは、制御部1801により所定のプログラムに従って送信処理された後、FAX送受信部1808を介して通信回線に送信される。
【0087】
なお、上述した情報処理装置は図11に示すようにインクジェットプリンタを本体に内蔵した一体型としてもよく、この場合は、よりポータブル性を高めることが可能となる。同図において、図10と同一機能を有する部分には、対応する符号を付す。このように表示装置を備えた装置は、▲1▼まず、本発明に係る製造方法によりカラーフィルタを製造し、▲2▼次に、そのカラーフィルタと対向基板との間に液晶化合物を充填して表示装置を製造し、▲3▼最後に、その表示装置に、画像信号供給手段を接続することにより、製造されるものである。
【0088】
次に、図12は複数のノズルを備えたインクジェットヘッドのノズル面を示す図である。
【0089】
本実施形態において、図12に示すようにノズル列方向と、ノズル列直角方向を定義することにする。
【0090】
図13は回復ユニット230を示す構成図である。
【0091】
図13において、231a,231b,231cはインクジェットヘッドの、赤色ヘッド55b、緑色ヘッド55c、青色ヘッド55cにそれぞれ対応したキャップである。キャップ231a,231b,231cは、インクジェットヘッド55b,55c,55dが、ガラス基板1にカラーフィルタの着色動作を行わない時に、それぞれ対応するインクジェットヘッド55b,55c,55dのノズル面をカバーすることによって、インクが吐出不能になることを防止する。
【0092】
232a,232b,232cはノズル面のワイピング動作を行うブレード(ワイピング部材)であり、例えばスポンジなどのように吸水性のあるものが好ましい。
【0093】
ブレード232a,232b,232cは、図13に示すように、回復系ユニット230のXY方向の動作により、それぞれインクジェットヘッド55b,55c,55dのノズル面についたインク滴や、インクを吐出した際に発生するインクミストがノズル面に付着したものを拭き取るためのものである。
【0094】
本実施形態においては、回復系ユニット230の動作方向であるXY方向は、X方向が図12で示したノズル列方向、Y方向が図12で示したノズル列直角方向と同一方向であるものとする。
【0095】
図14及び図15は、図13に示した回復ユニット230をY方向(ノズル列直角方向)に動作させ、ワイピング動作を繰り返した場合の着弾位置のずれを測定した結果を示すグラフである。
【0096】
図14はノズル列直角方向(ワイピング動作方向)の着弾位置のずれを測定した結果を示すグラフであり、図15はノズル列方向の着弾位置のずれを測定した結果を示すグラフである。
【0097】
図14、図15からわかるように、ワイピング動作方向であるノズル列直角方向に関してはワイピング回数増加に伴い、着弾位置のずれが徐々に大きくなっている。一方で、ノズル列方向に開しては、ワイピング回数が増加しても着弾位置のずれはほとんど変化が無い。
【0098】
このことから、ワイピングの方向と着弾位置のずれの方向が関係していることは明らかであり、ワイピングの方向を制御することにより着弾位置のずれが発生する方向も制御できることが分かる。
【0099】
図16は、インクジェツトヘッドの複数のノズルを用いて、RGBストライプ配列のカラーフィルタの着色を行なう場合について、カラーフィルタの着色領域の一部と、それに対するインクジェットヘッドの状態を模式的に示した図である。
【0100】
通常カラーフィルタの同一色同士の画素ピッチと、一般のプリンタ等に使用されているインクジェットヘッドのノズルピッチは異なっているため、画素ピッチとノズルピッチとを一致させるようにする必要がある。
【0101】
本実施形態のインクジェットヘッドの場合、ノズルピッチが同一色同士の画素ピッチより小さいため、何本かおきのノズルからインクを吐出させて着色を行なうことになる。
【0102】
このとき、画素のピッチとノズルピッチの倍数が合わない場合ヘッドを傾けて配置する方法を用いることが一般的に知られている。
【0103】
図16のようにカラーフィルタの着色領域に対しインクジェットヘッド55b,55c,55dを斜めに傾けて配置し、さらに4ノズルおきにインクを吐出させるように設定している。
【0104】
このとき、インクジェットヘッド55b,55c,55dは、ぞれぞれ、R,G,Bを着色するインクジェットヘッドを示し、各色の画素を着色可能なように相対的に配置されている。
【0105】
図17乃至図21は、このインクジェットヘッドに対し、回復ユニット230によりワイピング方向を変えてワイピングを繰り返した際の着弾位置のずれを比較して模式的に示す図である。
【0106】
着弾位置を示す模式図に関しては、説明を容易にするため、赤色インクジェットヘッド55bにより着色を行なった場合について示してあるが、他の色に関しても同様のことが言える。
【0107】
図17は初期の着弾位置(着弾点)を模式的に示す図である。図中のラインMは、インクの着弾目標の線であり、ここではインクが目標着弾線(目標位置)に着弾しているため着弾位置のズレは発生していない。
【0108】
図17の場合、インクジェットヘッド55bにより吐出されたインクは着色画素内の所定の位置に着弾し、カラーフィルターが不良となることはない。
【0109】
次に、図18に示すようにインクジェットヘッド55に対し、回復ユニット230のブレードをA方向に動かし、ワイピングを繰り返した場合、着弾位置のずれは、図19のよう発生する。即ち、インクの着弾点のズレが、ワイピング方向と同じ方向に発生するのである。この場合、インクジェットヘッド55bにより吐出されたインクは画素をはみ出して着弾する。このため隣接する他色の画素に接触してしまい混色を引き起こし出来上がったカラーフィルターは不良となってしまう。尚、図19のラインNはインクの着弾目標の線であり、ここではインクドットA・インクドットB・インクドットC・インクドットD・インクドットE・インクドットFのうち、インクドットF以外のインクドットの着弾位置が目標着弾線に着弾しておらず着弾位置のズレが発生している。そして、そのズレ方向は同一色の画素が並ぶ方向とは異なっているため、隣接する異なる色の画素にインクが入り込んでしまい、混色が発生してしまう。
【0110】
一方、図20のように、インクジェットヘッドに対し回復ユニット230をB方向、すなわち同一色の画素の並び方向に沿った方向にブレードを動かした場合、着弾位置のずれは図21のように発生する。即ち、インクの着弾点のズレが、ワイピング方向と同じ方向に発生するのである。この場合、同一色の画素が並ぶ方向に沿った方向とワイピング方向とが一致しているので、ワイピング方向にインクの着弾点がずれたとしても、ずれたインクが隣接画素と接触することはなく、その結果、他色との混色の発生を低減させることができる。尚、図21のラインLはインクの着弾目標の線であり、ここではインクドットH・インクドットI・インクドットJ・インクドットK・インクドットL・インクドットMのうち、インクドットM以外のインクドットの着弾位置が目標着弾線に着弾しておらず着弾位置のズレが発生している。しかしながら、そのズレ方向は同一色の画素が並ぶ方向とは同じであるため、ズレが発生したとしても同じ色の画素にインク入り込むだけであるので混色が発生することはない。
【0111】
さらに、図26のように回復ユニット230を配置(インクジェットヘッド55に対してブレード232が斜めになるように配置)し、同様にB方向、同一色の画素の並び方向にブレードを動作させた場合もインクの着弾位置のずれは、図21のように発生する。
【0112】
このように、回復ユニット230内のブレード232の配置と、インクジェットヘッド55の配置との相対的な位置関係は特に限定されるものではない。ブレードの動作方向(ワイピング方向)が同一色の画素が並ぶ方向と同一であり、インクジェットヘッドのノズル面を拭き取ることが可能であれば問題はない。
【0113】
さらにインクジェットヘッドのノズル面をきれいに拭くことができ、かつ、他の色のインクがワイピングによりインクジェットヘッドのノズル面に付着することがなければ、図27のようにブレードを1つだけ配置する回復ユニット230を用いた構成にすることも可能である。
【0114】
次に、インクジェットヘッドの吐出口面の状態の変化について、模式図を用いて詳細に説明する。図28は、インクジェットヘッドの吐出口付近を拡大した模式図である。
【0115】
図28(a)は吐出口付近の初期の状態を示した図である。図28(a)から分かるように初期の状態において、インク吐出口の周辺部を含む吐出口面は完全に保護膜(保護部材)で覆われており、傷や膜剥れ等300は発生していない。
【0116】
尚、ヘッドの吐出口面を被複する保護膜としては、撥水性を有していることが好ましい。即ち、撥水膜(撥水部材)600により吐出口面を覆うことが好ましいのである。そこで本実施形態では、吐出口面が撥水膜で覆われているヘッドを用いている。また、初期の状態とは、ワイピング動作を1回も行っていないときの状態、もしくは傷や膜剥れ等が発生しない程度の回数しかワイピング動作を実行していないときの状態のことをさす。
【0117】
尚、傷部分や膜剥れ部分は、撥水部材の撥水性機能(撥水効果)が低下した部分であるので、撥水性低下部ということができる。また、保護部材の保護機能が低下した部分でもあるので、保護機能低下部ということもできる。また、傷部分や膜剥れ部分は、撥水部材あるいは保護部材に欠損が生じた部分でもあるため欠損部ということもでき、さらに撥水部材あるいは保護部材の磨耗した部分であるため磨耗部ということもできる。また、この撥水部材あるいは保護部材は、少なくとも吐出口の周辺(周囲)部分を被覆していれば良く、必ずしも吐出口面の全域を被覆している必要はないが、吐出口面全部を被覆していることが好ましい。
【0118】
図28(b)は、x方向にワイピング動作を繰り返した後の、インク吐出口周辺部を含む吐出口面の状態を示した図である。ワイピング動作を繰り返すことにより、インク吐出口の周辺部の撥水膜600に傷や膜剥れ部分300が発生する。
【0119】
図28(c)は、さらにx方向にワイピング動作を繰り返した後の、インク吐出口の周辺部を含む吐出口面の状態を示した図である。さらにワイピング動作を繰り返したことにより、吐出口面を覆っている撥水膜600の傷や膜剥れは、図28(b)の状態に比べてさらに大きくなっている。また、傷や膜剥れは単に大きくなるのではなく、規則性をもって大きくなっている。つまり、撥水膜の傷や膜剥れは、ワイピング方向(x方向)と同一方向に大きくなっていくのである。
【0120】
このように撥水膜に発生する傷や膜剥れは、ワイピングの回数の増加に伴ってワイピング方向に大きくなっていくのである。即ち、ワイピング動作を繰り返していくうちに、撥水膜の傷や膜剥れはワイピング方向と同一方向に長く伸びていくのである。また、撥水膜の傷や膜剥れは吐出口面全域で均一に発生するのではなく、特にインク吐出口の周辺部分において発生しやすい傾向が見られる。
【0121】
上記のような傷や膜剥れが発生した場合、インク吐出口の周辺部では、ワイピング動作時もしくは動作後においてインクの拭き残しが発生しやすくなる。すると、インク吐出口から吐出されるインク滴はこの拭き残しインクの影響を受け、拭き残しインクの方に引きずられてしまう。拭き残しインクの方に引きずられるということは、拭き残しインクが存在する部分、すなわち傷部分や膜剥れ部分が存在する部分の方へ引きずられるということである。傷部分や膜剥れ部分はワイピング方向と同一方向に存在しているため、吐出インクもこの方向(ワイピング方向と同一方向)へ引きずられ、インク滴の飛翔方向もワイピング方向と同一方向によれる。この結果、インク滴の着弾位置がワイピング方向と同一方向にずれるのである。また、吐出口周辺部の傷や膜剥れが大きければ大きいほど、インクの拭き残し量も多くなり、それに伴ってインク着弾位置のズレ量も大きくなる。すなわち、ワイピング動作を繰り返すことにより、ワイピング方向と同一方向に傷や膜剥れが徐々に発生し、その傷や膜剥れが大きくなるに従い、インクの着弾位置もワイピング方向と同一方向にずれていくのである。
【0122】
次に、ワイピング動作を繰り返すことでインクの着弾位置にズレが発生するメカニズムについて、図29〜図34を用いて詳細に説明する。
【0123】
図29は、インクジェットヘッドの吐出口面の初期状態を示す図である。図30は初期状態におけるインク吐出口からのインク滴吐出時の状態を模式的に示す図であり、図31は図30で示すような吐出状態のインク滴の着弾位置を模式的に示した図である。
【0124】
図29(a)のように初期状態における吐出口面はインク吐出口の周辺部まで完全に撥水膜(撥水部材)600で覆われており、吐出口面に対するX方向のワイピング動作時もしくは動作後において、図29(b)に示されるようにインク吐出口周辺部での拭き残しインクは全く存在しない、もしくはほとんど存在しない。
【0125】
インク吐出口の周辺部の状態が図29(b)の状態にある任意のインク吐出口から吐出されるインク滴は、図30のようにインク吐出口の中心で切り離され吐出方向が変化することなく安定して吐出されていく。つまり、吐出口面に対し垂直方向にインクが吐出されていくのである。この場合、インク滴の着弾位置は図31のようになり、画素内の所定の位置に正確に着弾する。尚、図31のラインAはインクの着弾目標の線であり、ここではインクが目標着弾線(目標位置)に着弾しているため着弾位置のズレは発生していない。
【0126】
図32は、ヘッドの吐出口面に対しx方向にワイピング動作を繰り返したときの吐出口面の状態を示す図である。図32(a)のようにワイピング動作を繰り返すことにより、吐出口面を覆っている撥水膜(撥水部材)600にはワイピング方向と同一方向に傷や膜剥れ300が発生する。実際にワイピング動作を行なった後の吐出口面の状態は、図32(b)に示されるようにインク吐出口周辺部に発生した傷部分や膜剥れ部分にインクの拭き残りが生じることが多い。インク吐出口周辺の状態が図32(b)の状態にある任意のインク吐出口から吐出されるインク滴は、図33のようにインク吐出口より切り離される直前に拭き残しのインク(インク残り)500に引きずられ、インクの吐出方向が変化してしまう。即ち、吐出口面に対して垂直な方向とは異なる方向にインクが吐出されていくのである。この場合、インク滴の着弾位置は図34のようになり、ワイピング方向と同一方向、すなわちヘッドの吐出口面に生じた傷部分や膜剥れ部分と同一方向に着弾位置のズレが発生している。尚、図34のラインBはインクの着弾目標の線であり、ここではインクドットR・インクドットS・インクドットT・インクドットUのうち、インクドットRとインクドットUの着弾位置が目標着弾線に着弾しておらず着弾位置のズレが発生している。しかしながら、x方向に着弾位置がずれるだけなので、画素からインクがはみ出して混色が発生することはない。
尚、上記では、図28のX1方向(往方向)とX2方向(復方向)の両方向にワイピング部材を往復移動させることによりワイピング動作を行っている。このようにX1、X2の両方向にワイピングすることで、図28(c)に示されるように吐出口付近の両側(X1方向側とX2方向側)に欠損部300が生じることとなる。仮に、片方向のみにワイピング部材を移動させてワイピング動作を行うこととすると、吐出口付近の片側にのみ欠損部が発生しやすくなる。具体的には、X2からX1へ向けてワイピング部材を移動させてワイピング動作を行う場合、即ちワイピング方向をX1方向とする場合、図28(c)のV1部分(X1側の部分)に欠損部が発生しやすく、一方、X1からX2へ向けてワイピング部材を移動させてワイピング動作を行う場合、即ちワイピング方向をX2方向とする場合、図28(c)のV2部分(X2側の部分)に欠損部が発生しやすい。このように片方向のみでワイピング動作を行うと欠損部が片側にのみ発生しやすく、それに起因してヘッドの寿命が短くなってしまう。そこで、本実施形態では、ヘッドの寿命をより長くするために、両方向でワイピング動作を行っている。
【0127】
ここで、本実施形態のワイピング動作についてより詳しく説明する。本実施形態では、20枚毎にワイピング動作を行っており、まず、20枚目のカラーフィルタを製造した後に、ワイピング部材をX1方向へ移動させてワイピング動作(第1のワイピング動作)を行う。次に、40枚目のカラーフィルタを製造した後に、ワイピング部材をX2方向へ移動させてワイピング動作(第2のワイピング動作)を行う。その後は上記動作を繰り返していき、60、100、140、…枚目の製造後にはX1方向へワイピングし(第1のワイピング動作を行い)、80、120、160、…枚目の製造後にはX2方向へワイピングする(第2のワイピング動作を行う)。尚、上記説明では20枚毎にワイピング動作を行っているが、ワイピング動作の頻度はこれに限定されるものではなく、例えばカラーフィルタを1枚製造する度にワイピング動作を行ってもよいし、100枚製造する毎に行ってもよい。このように本実施形態では、カラーフィルタをN枚製造する毎にワイピング動作を行えばよく、N枚製造する毎にワイピング方向を往方向と復方向とに交互に切り換えればよいのである。また、本実施形態ではワイピング方向を交互に切り換えることには限定されず、例えば、20、40枚目の製造後にはX1方向へワイピングし、60、80枚目の製造後にはX2方向へワイピングし、100、120枚目の製造後にはX1方向へワイピングし、140、160枚目の製造後にはX2方向へワイピングするようにしてよい。つまり、本実形態では、往方向にワイピングする回数と復方向にワイピングする回数とが略均等になるようにすればよく、複数回のワイピング動作を行う度にワイピング方向を切り換えてもよいのである。
【0128】
以上のように、本実施形態では、N枚製造する毎にワイピング方向を切り換え、往方向にワイピングする回数と復方向にワイピングする回数とを略等しくすることで、ヘッドの寿命が長くなるようにしている。尚、ヘッドの寿命を長くする観点から両方向でワイピング動作を行うことが好ましいが、本実施形態では片方向のみでワイピング動作を行ってもよい。
【0129】
また、本実施形態では、図16及び図20に示すように、同一色に着色される画素ピッチ(画像間隔)と、走査方向と略直交する方向における、使用するノズルのピッチ(使用ノズルの間隔)とが一致するように、インクジェットヘッドを走査方向に対してある角度だけ傾け、ヘッドを傾けたままの状態で着色を行っている。そして、ヘッドをある角度だけ傾けたまま状態で、同一色の画素が並ぶ方向に沿った方向(図20のB方向)にワイピング動作を行っている。ここで、仮に、傾いているヘッドを元の状態を戻してしからワイピング動作を行うこととすると、再びヘッドを傾けたときに欠損部の発生する方向と同一色に着色される画素が並ぶ方向とが一致せず、そのために混色を発生させてしまう。これに対し、本実施形態では、ヘッドを傾けたままの状態でワイピングを行っているので、欠損部の発生する方向と同一色に着色される画素が並ぶ方向とが一致するため、インクの着弾位置のズレ方向をB方向とすることができ、混色の低減を図ることができる。
【0130】
このように、インクジェットヘッドからカラーフィルタ基板上にインクを吐出して、所定の方向に延びる着色領域を形成してカラーフィルタを形成するに際し、ワイピング部材のワイピングの方向を上記所定の方向に沿った方向と同一にすることで、欠損部が発生する方向と所定の方向とが一致し、混色の低減を図ることができる。
【0131】
以上のように、ワイピング動作により吐出口面の撥水膜に傷や膜剥れが発生し、その傷や膜剥れに起因してインクの着弾位置がワイピング方向と同じ方向にずれるけれども、同一色の画素が並ぶ方向に沿った方向とワイピング方向とが一致しているため、インクの着弾位置がずれたとしても混色の原因となることはない。
【0132】
以下、本実施形態の具体的な実施例について説明する。
【0133】
(実施例1)
本実施例で使用するインクジェットヘッドは、図22に示すように、一般のプリンタ用のヘッドで、隣接するノズルの間隔は70.5μm(360dpi)である。
【0134】
このインクジェットヘッドで12.1インチサイズSVGAのカラーフィルタ(縦600画素、横800画素を形成したRGBストライプ配列)の着色を行なう場合について説明する。
【0135】
まず、同一色同士の画素ピッチと、x方向のノズルピッチとを一致させるため、ヘッドを傾けて4ノズルおき(図22参照)に使用するように設定する。この例では、インクジェットヘッドのノズルの並び方向を、カラーフィルタの同一色画素の並び方向(Y方向)と略直交する方向(X方向)から少しすれた方向とし、図中Y方向にインクジェットヘッドを走査させながら着色を行う。即ち、この実施例1では、X方向に対して少し傾いた方向に吐出口が配列するようにしたヘッドを用い、そのヘッドを基板に対して相対的にY方向に走査させながら、同一色の複数の画素(同一色の画素列)がY方向に形成されるようにインクを吐出していくのである。
【0136】
このヘッドに対しワイピングブレードをヘッドと平行になるように配置した。
【0137】
次に、カラーフィルタを形成する。
【0138】
まず、所定の開口部を有するクロム(Cr)からなる12.1インチサイズSVGAタイプのブラックマトリクスを形成したガラス基板上に水性インク吸収性を有し、光照射あるいは、光照射と熱処理により光照射部分のインク吸収性が低下し、かつ、インクに対し撥水性を示す組成物材料(N−メチロールアクリルアミドとメタクリル酸メチルとヒドロキシエチルメタクリレートの3元共重合体10重量部とトリフェニルスルホニウムトリフラート0.4重量部からなる)をスピンコートで膜厚1.0μmとなるように塗布し、60℃で10分間のプリベークを行って樹脂組成物層を形成した。
【0139】
次いで、ブラックマトリクスより細いパターン形状のフォトマスクを介してUV(紫外線)ランプにて露光した。露光終了後、ホットプレートで110℃90秒間加熱して着色予定領域と混色防止領域(インク撥水性部分)となるインク撥水部を形成した。
【0140】
このようにして形成したガラス基板を図23に示すカラーフィルタ製造装置90のXYZθステージ52上にセットする。
【0141】
XYZθステージ52を走査させインクジェットヘッド55b,55c,55dにより着色を行なう。
【0142】
さらにインクミスト等がインクジェットヘッドのノズル面に付着してきた場合に、回復ユニット230を動作させワイピングを行なう。この時ブレードは、同一色の画素並び方向と同じ方向(すなわち図23上でX方向)に動作させる。
【0143】
上記の方法で着色を行なった基板を、90℃で10分間インク乾燥を行い、さらに230℃30分間の加熱処理により樹脂組成物層を完全に硬化させてカラーフィルタを作成した。
【0144】
このようにしてカラーフィルタの製造を繰り返し行なった。このとき、インクジェットヘッドから吐出されたインクの着弾位置のずれを測定したところ、初期の状態に対し異なる色の画素が並ぶ方向(図23のY方向)でのインク着弾のズレは、5μm以内であった。一方、カラーフィルタの同一色の画素が並ぶ方向(図23のX方向)でのインク着弾点のズレは10〜30μmであった。
【0145】
しかしながら、混色が発生することはなく、安定してカラーフィルタを作成することが可能であった。
【0146】
(実施例2)
実施例1と同様に、使用するインクジェットヘッドは、図24に示すように一般のプリンタ用のヘッドで、隣接するノズルの間隔は70.5μm(360dpi)である。
【0147】
このインクジェットヘッドで12.1インチサイズSVGAのカラーフィルタ(縦600画素、横800画素を形成したRGBストライプ配列)の着色を行なう場合について説明する。
【0148】
図24は、本実施例におけるカラーフィルタの着色領域の一部と、それに対するインクジェットヘッドの配置状態を模式的に示した図である。この例では、インクジェットヘッドのノズルの並び方向を、カラーフィルタの同一色画素の並び方向と一致させ、図中y方向にインクジェットヘッドを走査させながら着色を行う。即ち、この実施例2では、吐出口がx方向に配列したヘッドを用い、そのヘッドを基板に対して相対的にY方向に走査させながら、同一色の複数の画素(同一色の画素列)がx方向に形成されるようにインクを吐出していくのである。
【0149】
また、インクジェットヘッドに対しワイピングブレードをヘッドと直角になるように配置した。
【0150】
次に、カラーフィルタを形成する。
【0151】
まず、インクジェットヘッドを図中y方向に走査して、着色部を形成したガラス基板にインクジェットヘッド55b,55c,55dにより着色を行なう。
【0152】
着色を繰り返し、インクミスト等がインクジェットヘッドのノズル面に付着してきた場合に、回復ユニット230を動作させワイピングを行なう。この時ブレードは、同一色の画素が並ぶ方向と同じ方向(すなわち図24上でx方向)に動作させる。
【0153】
上記の方法で着色を行なった基板を、実施例1と同様の手順により樹脂組成物層を完全に硬化させてカラーフィルタを作成した。
【0154】
このようにしてカラーフィルタの製造を繰り返し行なった。このとき、インクジェットヘッドから吐出されたインクの着弾位置のずれを測定したところ、初期の状態に対し異なる色の画素が並ぶ方向(図24上のy方向)での着弾点のズレは5μm以内であった。また、カラーフィルターにおける同一色の画素が並ぶ方向(図24上でx方向)でのインク着弾点のズレは10〜30μmであった。
【0155】
しかしながら、混色が発生することはなく、安定してカラーフィルタを作成することが可能であった。
【0156】
(実施例3)
実施例1および実施例2と同様に、使用するインクジェットヘッドは図35に示すような一般のプリンタ用のヘッドで、隣接する吐出口の間隔は70.5μm(360dpi)である。
【0157】
このインクジェットヘッドを用いて、12.1インチサイズSVGAのカラーフィルタ(縦600画素、横800画素のRGBストライプタイプ配列)の着色を実施例1および実施例2とは異なる製造方法により行なう場合について説明する。
【0158】
図35は、本実施例におけるカラーフィルタの着色領域の一部と、それに対するインクジェットヘッドの配置状態を模式的にあらわした一例を示す図である。本実施例では、インクジェットヘッドの吐出口の並び方向を、カラーフィルタの同一色の画素の並び方向と一致させ、図のy方向にインクジェットと基板とを相対的に走査させながら着色を行なう。即ち、この実施例3では、吐出口がx方向に配列したヘッドを用い、そのヘッドを基板に対して相対的にy方向に走査させながら、同一色の複数の画素(同一色の画素列)がx方向に形成されるようにインクを吐出していくのである。
【0159】
また、インクジェットヘッドに対しワイピングブレードをヘッドと直角となるように配置した。
【0160】
次に、実際にカラーフィルタを形成していく場合について説明する。
【0161】
まず、ガラス基板に黒色顔料レジスト<新日鐵化学(株)製BK−739P>をスピンコート法により塗布した。次いで、インクを着色する部分を遮光するフォトマスク(不図示)を用いて、このフォトマスクを介してパターン露光し、エッチング処理によりレジストの一部を除去し着色部を形成した。さらに、90℃10分間のプリベークを行い、厚さ1.0μmのブラックマトリクス基板(BM基板)を形成した。なお、ブラックマトリクス間に形成された凹部のサイズは、290μm×90μmであった。
【0162】
このようにして形成したBM基板(ガラス基板)に対し、水、有機溶剤、メラミン樹脂及び顔料を含む熱硬化型の顔料インクをインクジェットヘッド55b、55c、55dから吐出して、基板上にR、G、Bのパターンを着色した。
【0163】
着色動作を繰り返していくうちに、インクミスト等がインクジェットヘッドの吐出口面に付着してきた場合に、回復ユニット230を動作させて吐出口面のワイピングを行った。このときブレードは、同一色の画素並び方向と同方向(すなわち図35のx方向)に動作させる。
【0164】
上記の方法で着色を行なった基板を、90℃10分間、さらに230℃30分間の熱処理によりインクを完全に硬化させた。さらに保護層を形成してカラーフィルタを作成した。
【0165】
このようにしてカラーフィルタの製造を繰り返し行なった。このとき、インクジェットヘッドから吐出されたインクの着弾位置のズレを測定したところ、初期の状態に対し異なる色の画素が並ぶ方向(y方向)でのインク着弾点のズレは5μm以内であった。また、カラーフィルタにおける同一色の画素が並ぶ方向(X方向)でのインク着弾点のズレは10〜30μmであった。
【0166】
しかしながら、混色が発生することはなく、安定してカラーフィルタを作成することが可能であった。
【0167】
(比較例1)
実施例1〜3と同様に、使用するインクジェットヘッドは図36に示すように一般のプリンタ用ヘッドで、隣接する吐出口の間隔は70.5μm(360dpi)である。このインクジェットヘッドを用い、12.1インチサイズSVGAのカラーフィルタ(縦600画素、横800画素のRGBストライプタイプ配列)の着色を行なう場合について説明する。
【0168】
図36は、本比較例におけるカラーフィルタの着色領域の一部と、それに対するインクジェットヘッドの配置状態を模式的にあらわした一例を示す図である。
【0169】
本比較例では、インクジェットヘッドの吐出口の並び方向をカラーフィルタの同一色の画素の並び方向と一致させ、図中y方向にインクジェットを相対的に走査させながら着色を行なう。即ち、この比較例では、吐出口がx方向に配列したヘッドを用い、そのヘッドを基板に対して相対的にy方向に走査させながら、同一色の複数の画素(同一色の画素列)がx方向に形成されるようにインクを吐出していくのである。
【0170】
また、インクジェットヘッドに対しワイピングブレードをヘッドと平行となるように配置した。
【0171】
次に、実際にカラーフィルタを形成していく場合について説明する。実施例3と同様の方法によりブラックマトリクスを形成したBM基板(ガラス基板)に対し、水、有機溶剤、メラミン樹脂及び顔料を含む熱硬化型の顔料インクをインクジェットヘッド55b、55c、55dから吐出して、基板上にR、G、Bのパターンを着色した。
【0172】
この着色動作を繰り返していくうちに、インクミスト等がインクジェットヘッドの吐出口面に付着してきた場合に、回復ユニット230を動作させて吐出口面のワイピングを行なう。このときブレードは、同一色の画素並び方向と直角方向(すなわち図36のy方向)に動作させる。
【0173】
上記の方法により着色を行なった基板を、実施例3と同様の手順によりインクを完全に硬化させカラーフィルタを形成した。
【0174】
このようにしてカラーフィルタの製造を繰り返し行なった。このとき、インクジェットヘッドから吐出されたインクの着弾位置のズレを測定したところ、初期の状態に対し同一色の画素が並ぶ方向(図36のx方向)でのインク着弾点のズレは5μm以内であった。また、異なる色の画素が並ぶ方向(図36のy方向)でのインク着弾点のズレは10〜30μmであった。
【0175】
隣接する異なる色の画素間の幅は約15μmであるため、着弾位置が約15μm以上ずれた部分では混色が発生しカラーフィルタは不良となってしまった。
【0176】
以上説明したように、上記の実施形態によれば、回復ユニットによるヘッドのワイピング方向を、同一色の画素の並び方向と一致させることにより、ワイピングを繰り返しても異なる色の画素間での混色を起きにくくすることができる。
【0177】
なお、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態を修正又は変形したものに適用可能である。
【0178】
例えば、近年TFTアレイ側にカラーフィルタを設けたパネルも存在するが、本明細書で定義しているカラーフィルタは、色材により着色された被着色体であり、TFTアレイ側にあるか否かにかかわらず、どちらも包含する。
【0179】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲で種々に変更して適用することが可能である。
【0180】
本発明は、たとえば、EL(エレクトロルミネッセンス、electroluminesence表示素子の製造方法や製造装置等にも適用可能である。EL表示素子は、蛍光性の無機および有機化合物を含む薄膜を、陰極と陽極とで挟んだ構成を有し、前記薄膜に電子および正孔(ホール)を注入して再結合させることにより励起子を生成させ、この励起子が失活する際の蛍光或いは燐光の放出を利用して発光させる素子である。こうしたEL表示素子に用いられる蛍光性材料のうち、赤、緑および青色の発光色を呈する材料を本発明の製造装置を用いて、TFT等の素子基板上にインクジェット法によりパターニングすることで、自発光フルカラーEL表示素子を製造することができる。本発明の範囲にはこのようなEL表示素子、該表示素子の製造方法及びその製造装置等をも含むものである。
【0181】
本発明の製造装置は、EL材料が付着しやすいように、樹脂レジスト、画素電極および下層となる層の表面に対し、プラズマ処理、UV処理、カップリング処理等の表面処理工程を実行するための手段を有するものであってもよい。
本発明の製造方法を用いて製造したEL表示素子は、セグメント表示や全面同時発光の静止画表示等のローインフォメーション分野にも利用できるし、点・線・面形状をもった光源としても利用することができる。さらに、パッシブ駆動の表示素子をはじめ、TFT等のアクティブ素子を駆動に用いることで、高輝度で応答性の優れたフルカラー表示素子を得ることが可能である。
【0182】
以下に、本発明により製造される有機EL素子の一例を示す。図37は有機EL素子の積層構造断面図である。図37に示す有機EL素子は、透明基板3001、隔壁(仕切り部材)3002、発光層3003、透明電極3004および金属層3006を備えている。また、3007は、透明基板3001と透明電極3004とから構成される部分を示しており、これを駆動基板と呼ぶ。
【0183】
透明基板3001としては、EL表示素子としての透明性や機械的強度等の必要特性を有していれば特に限定されるものではなく、例えば、ガラス基板やプラスチック基板等の光透過性の基板が適用可能である。
【0184】
隔壁(仕切り部材)3002は、液体付与ヘッドから発光層3003となる材料を付与するに際し隣接する画素間で該材料が混合しないように画素と画素の間を隔離するための機能を有するものである。すなわち、隔壁3002は混色防止壁として機能するのである。また、この隔壁3002を透明基板3001上に設けることにより、基板上には複数の凹部(画素領域)が形成される。尚、隔壁3002は、該材料に対して親和性の異なる多層構造であっても問題無い。
【0185】
発光層3003は、電流を流すことにより発光する材料、例えばポリフェニレンビニレン(PPV)等公知の有機半導体材料を使用して、十分な光量が得られる厚み、例えば0.05μm〜0.2μm程度積層して構成される。発光層3003はインクジェット方式などの方法によって薄膜材料液(自発光材料)を隔壁3002で囲まれる凹部に充填し加熱処理することで形成される。カラー有機EL素子を形成する場合には、赤、緑または青などの異なる発光色を有する発光層を形成する必要がある。したがって、隣接する領域に異なる発光層を形成することが好ましく、任意の位置に異なる薄膜材料液を吐出できるインクジェット方式で発光層を形成する方法は非常に有効な方法である。
【0186】
透明電極3004は、導電性がありかつ光透過性のある材料、例えばITO等により構成されている。透明電極3004は、画素単位で発光させるために、画素領域ごとに独立して設けられている。
【0187】
金属層3006は、導電性のある金属材料、例えばアルミニウムリチウム(Al−Li)を0.1μm〜1.0μm程度積層して構成される。金属層3006は、透明電極3004に対向する共通電極として作用するように形成されている。
【0188】
駆動基板3007は、図示しない薄膜トランジスタ(TFT)、配線膜および絶縁膜等が多層に積層されており、金属層3006および各透明電極3004間に画素単位で電圧を印加可能に構成されている。駆動基板3007は公知の薄膜プロセスによって製造される。
【0189】
上記のような層構造を有する有機EL素子において、透明電極3004と金属層3006との間に電圧が印加された画素領域では、発光層3003に電流が流れ、エレクトロルミネッセンス現象を生じ、透明電極3004および駆動基板3001を通して光が射出されるようになっている。
本例の方法によれば、簡便な工程でフルカラーEL素子を形成することが可能となる。
【0190】
尚、本発明では、画素部領域に、表示に用いられるための材料を付与することで表示部を形成しており、カラーフィルタであれば着色部が上記表示部に相当し、EL素子であれば発光部が上記表示部に相当する。上記着色部や発光部を含む表示部は、情報の表示のために用いられる部分であり、視覚的に色を認識するための部分でもある。
【0191】
また、カラーフィルタの着色部やEL素子の発光部は、色を生じさせる(色が発さられる)部分でもあるため発色部というもできる。例えば、カラーフィルタの場合、バックライトによる光が着色部を通過してRGBの光が発せられ、また、EL素子の場合、発光部が自発光することによりRGBの光が発せられる。
また、インクや自発光材料は、上記発色部を形成するための材料であるので、発色を生じさせる材料ということもできる。またインクや自発光材料は、液体であるので、総称して液体材料ということもできる。また、インクや自発光材料は、表示に用いられる表示部を形成するための材料でもある。
【0192】
また、上記では、カラーフィルタを製造するに際し、画素領域において混色が発生することを起こりにくくすることができると説明した。一方、EL素子の製造の場合、画素領域において複数の自発光材料が混ざり合うことを起こりにくすることができる。
【0193】
以上のように本発明は、隔壁により囲まれる複数の凹部に材料を充填して複数の表示部が形成されたパネル、例えばカラーフィルタ・EL素子等を含むカラー表示装置に使用されるパネル(表示用素子)の製造に適用可能である。尚、この表示装置用のパネルは、上記カラーフィルタ及びEL表示素子に限定されるものでなく、基板上の画素領域に液体材料を充填していくことにより形成されたパネルであって、表示装置に利用できるパネル全般を含むものである。
【0194】
本発明は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式のプリント装置について説明したが、かかる方式によれば記録の高密度化、高精細化が達成できる。
【0195】
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて膜沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に1対1で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状をすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0196】
このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0197】
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用面が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスロットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成としても良い。
【0198】
さらに、記録装置が記録できる最大記録媒体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているような複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0199】
加えて、装置本体に装着されることで、装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いてもよい。
【0200】
また、本発明の記録装置の構成として設けられる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助手段等を付加することは本発明の効果を一層安定にできるので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対しての加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを行うことも安定した記録を行うために有効である。
【0201】
以上説明した本発明実施形態においては、インクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクであっても、室温で軟化もしくは液化するものを用いても良く、使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであればよい。
【0202】
加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネルギーとして使用せしめることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化するインクを用いても良い。いずれにしても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では既に固化し始めるもの等のような、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も本発明は適用可能である。このような場合インクは、特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明においては、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0203】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、インクジェットヘッドのノズル面(吐出口面)のワイピングを繰り返しても、画素領域において複数の材料が混ざり合うことを起こりにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カラーフィルタの製造装置の一実施形態の構成を示す概略図である。
【図2】カラーフィルタの製造装置の動作を制御する制御部の構成を示す図である。
【図3】カラーフィルタの製造装置に使用されるインクジェットヘッドの構造を示す図である。
【図4】カラーフィルタの製造方法を示した図である。
【図5】カラーフィルタの製造工程を示した図である。
【図6】一実施形態のカラーフィルタを組み込んだカラー液晶表示装置の基本構成の一例を示す断面図である。
【図7】一実施形態のカラーフィルタを組み込んだカラー液晶表示装置の基本構成の他の例を示す断面図である。
【図8】一実施形態のカラーフィルタを組み込んだカラー液晶表示装置の基本構成のさらに他の例を示す断面図である。
【図9】液晶表示装置が使用される情報処理装置を示した図である。
【図10】液晶表示装置が使用される情報処理装置を示した図である。
【図11】液晶表示装置が使用される情報処理装置を示した図である。
【図12】インクジェットヘッドのノズル面を示す模式図である。
【図13】インクジェットヘッドの回復ユニットの構成を示す模式図である。
【図14】インクジェットヘッドから吐出されたインクの着弾位置のずれを示す図である。
【図15】インクジェットヘッドから吐出されたインクの着弾位置のずれを示す図である。
【図16】カラーフィルタの着色画素とインクジェットヘッドのノズルの関係を示す図である。
【図17】インクジェットヘッドから吐出されたインクの初期状態での着弾位置を示す図である。
【図18】カラーフィルタの着色画素とインクジェットヘッド、回復ユニットの動作方向の関係を示す図である。
【図19】図18の構成でワイピングを繰り返した際のインクジェットヘッドから吐出されたインクの着弾位置を示す図である。
【図20】カラーフィルタの着色画素とインクジェットヘッド、回復ユニットの動作方向の関係を示す図である。
【図21】図20の構成でワイピングを繰り返した際のインクジェットヘッドから吐出されたインクの着弾位置を示す図である。
【図22】カラーフィルタの着色画素とインクジェットヘッドのノズルの関係を示す図である。
【図23】カラーフィルタの製造装置の一部を示す図である。
【図24】カラーフィルタの着色画素とインクジェットヘッド、回復ユニットの動作方向の関係を示す図である。
【図25】カラーフィルタの製造工程の他の例を示す図である。
【図26】インクジェットヘッドとブレードの位置関係を示す図である。
【図27】インクジェットヘッドとブレードの位置関係を示す図である。
【図28】インクジェットヘッド吐出口面の状態変化を示す模式図である。
【図29】インクジェットヘッドヘッドの吐出口面の初期状態を示す模式図である。
【図30】初期状態でのインクジェットヘッドのインク吐出状態を示す模式図である。
【図31】初期状態におけるインクジェットヘッドから吐出されたインクの着弾位置を示す模式図である。
【図32】ワイピングを繰り返したあとのインクジェットヘッドヘッドの吐出口面の状態を示す模式図である。
【図33】ワイピングを繰り返したあとのインクジェットヘッドのインク吐出状態を示す模式図である。
【図34】ワイピングを繰り返したあとのインクジェットヘッドから吐出されたインクの着弾位置を示す模式図である
【図35】カラーフィルタの着色画素とインクジェットヘッド、回復ユニットの動作方向の関係の一例を示す模式図である。
【図36】カラーフィルタの着色画素とインクジェットヘッド、回復ユニットの動作方向の関係の一例を示す模式図である。
【図37】 EL素子の構成を示す図である。
【図38】所定の方向に延びる着色領域を説明するための図である。
【符号の説明】
1 基板
2 ブラックマトリクス
3 樹脂組成物層
55 インクジェットヘッドユニット
55b,55c,55d インクジェットヘッド
90 カラーフィルタの製造装置
108 吐出口
230 回復ユニット
232 ブレード
300 傷や膜剥れ
500 インク残り
Claims (18)
- インクを吐出するための吐出口が形成された吐出口面を有し、少なくとも前記吐出口の周辺部分が撥水部材で被覆されたインクジェットヘッドから基板上にインクを吐出して、所定の方向に延びる着色領域を色毎に形成することによりカラーフィルタを製造する方法であって、
前記吐出口面をワイピングするためのワイピング部材により前記吐出口面をワイピングする工程を備え、
前記ワイピング部材によるワイピング方向は前記所定の方向に沿った方向と同一であることを特徴とするカラーフィルタの製造方法。 - 前記吐出口面のワイピングに伴い前記撥水部材に欠損部が発生し、該欠損部は、前記ワイピング方向に延びた形状であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 前記吐出口面のワイピングに伴い前記撥水部材に欠損部が発生し、該欠損部とは、前記撥水部材に発生する傷の部分あるいは前記撥水部材が剥離した部分であることを特徴とする請求項1又は2に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 前記撥水部材は、前記吐出口面の全域を被覆していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 前記インクの吐出は、前記インクジェットヘッドと前記基板との前記所定の方向への相対移動中に行われることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 前記インクの吐出は、前記インクジェットヘッドと前記基板との前記所定の方向と直交する方向への相対移動中に行われることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 前記着色領域は、赤色、緑色、青色であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 前記着色領域は、前記所定の方向に複数の画素を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 前記着色領域は、前記所定の方向に1つの画素を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 前記ワイピング部材によるワイピングは、前記カラーフィルタをN(Nは1以上の整数)枚製造する毎に行うことを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
- インクを吐出するための吐出口が形成された吐出口面を有し、当該吐出口の周辺部分が撥水部材で被覆されたインクジェットヘッドと基板とを所定方向に相対移動させながら、同じ色のインクで形成される複数の画素を前記所定方向に配列してなるカラーフィルタを製造する方法であって、
前記同じ色のインクで形成される2つの画素の間隔と、前記インクジェットヘッドの複数の吐出口のうち使用する2つの吐出口の、前記所定の方向と直交する方向における間隔とが一致するように、前記インクジェットヘッドの前記所定の方向に対する角度を調整する調整工程と、
前記調整工程において調整された角度を保ったままの状態で前記インクジェットヘッドから前記相対移動中に前記基板にインクを吐出する工程と、
前記調整工程において調整された角度を保ったままの状態で前記吐出口面をワイピング部材によりワイピングする工程とを具備し、
前記ワイピング部材のワイピングの方向は前記所定の方向に沿った方向と同一であることを特徴とするカラーフィルタの製造方法。 - カラーフィルタを備えた液晶パネルの製造方法であって、
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の製造方法により製造されたカラーフィルタを用意する工程と、
用意された前記カラーフィルタと対向基板との間に液晶化合物を挿入する工程と、
を具備することを特徴とする液晶パネルの製造方法。 - 液晶パネルを備えた表示装置の製造方法であって、
請求項12の製造方法により製造された液晶パネルを用意する工程と、
用意された前記液晶パネルに画像信号を供給する画像信号供給手段を接続する工程と、
を具備することを特徴とする表示装置の製造方法。 - 液体を吐出するための吐出口が形成された吐出口面を有し、当該吐出口の周辺部分が撥水部材で被覆された液体付与ヘッドから基板上に液体を付与することで、所定の方向に延び且つ表示に用いられる表示部が配列してなる表示装置用パネルを製造する方法であって、
前記吐出口面をワイピングするためのワイピング部材により前記吐出口面をワイピングする工程を備え、
前記ワイピング部材によるワイピング方向は前記所定の方向に沿った方向と同一であることを特徴とする表示装置用パネルの製造方法。 - 前記液体はEL材料であり、前記表示部は発光層であり、前記表示装置用パネルはEL表示パネルであることを特徴とする請求項14に記載の表示装置用パネルの製造方法。
- 前記液体はインクであり、前記表示部は前記インクにより形成される着色層であり、前記表示装置用パネルはカラーフィルタであることを特徴とする請求項14又は15に記載の表示装置用パネルの製造方法。
- 表示に用いられるための材料を吐出するための吐出口が形成された吐出口面を有し、少なくとも前記吐出口の周辺部分が撥水部材で被覆されたヘッドから基体上に前記材料を吐出して、所定の方向に延び且つ表示に用いられる表示部を形成することにより表示装置用パネルを製造する方法であって、
同じ材料で形成される2つの前記表示部の間隔と、前記ヘッドの複数の吐出口のうち使用する2つの吐出口の、前記所定の方向と直交する方向における間隔とが一致するように、前記ヘッドの前記所定の方向に対する角度を調整する調整工程と、
前記調整工程において調整された角度のままの状態で前記吐出口面をワイピング部材によりワイピングする工程とを具備し、
前記ワイピング部材によるワイピング方向は前記所定の方向に沿った方向と同一であることを特徴とする表示装置用パネルの製造方法。 - インクを吐出するための吐出口が形成された吐出口面を有し、少なくとも前記吐出口の周辺部分が撥水部材で被覆されたインクジェットヘッドから基板上にインクを吐出して、所定の方向に延びる着色領域を色毎に形成することによりカラーフィルタを製造する装置であって、
前記吐出口面をワイピングするためのワイピング部材を備え、
前記ワイピング部材によるワイピング方向は前記所定の方向に沿った方向と同一であることを特徴とするカラーフィルタの製造装置。
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