JP3814468B2 - カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法および製造装置、カラーフィルタを備えた表示装置の製造方法、表示装置を備えた装置の製造方法 - Google Patents

カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法および製造装置、カラーフィルタを備えた表示装置の製造方法、表示装置を備えた装置の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板上に設けられた仕切り部材により囲まれた凹部にインクジェットヘッドからインクを吐出することにより製造されるカラーフィルタ、その製造方法および製造装置、カラーフィルタを備えた表示装置及び該表示装置の製造方法、該表示装置を備えた装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュータの発達、特に携帯用のパーソナルコンピュータの発達に伴い、液晶ディスプレイ、とりわけカラー液晶ディスプレイの需要が増加する傾向にある。しかしながら、更なる普及のためには液晶ディスプレイのコストダウンが必要であり、特にコスト的に比重の高いカラーフィルタのコストダウンに対する要求が高まっている。従来から、カラーフィルタの要求特性を満足しつつ上記の要求に応えるべく種々の方法が試みられているが、いまだ全ての要求特性を満足する方法は確立されていない。以下にそれぞれの方法を説明する。
【0003】
第1の方法は顔料分散法である。この方法は、基板上に顔料を分散した感光性樹脂層を形成し、これをパターニングすることにより単色のパターンを得る。さらにこの工程を3回繰り返すことにより、R、G、B のカラーフィルタ層を形成するものである。
【0004】
第2の方法は、染色法である。染色法は、ガラス基板上に染色用の材料である水溶性高分子材料を塗布し、これをフォトリソグラフィー法により所望の形状にパターニングした後、得られたパターンを染色浴に浸漬して着色パターンを得る。これを3 回繰り返すことによりR、G、Bのカラーフィルタ層を得るものである。
【0005】
第3の方法としては電着法がある。この方法は、基板上に透明電極をパターニングし、顔料、樹脂、電解液等の入った電着塗装液に浸漬して第1の色を電着する。この工程を3回繰り返してR、G、Bを塗り分けた後、樹脂を熱硬化させることにより表色層を形成するものである。
【0006】
第4の方法としては、印刷法がある。この方法は熱硬化型の樹脂に顔料を分散させ、印刷を3 回繰り返すことによりR、G、Bを塗り分けた後、樹脂を熱硬化させることにより着色層を形成するものである。また、上記いずれの方法においても着色層上に保護層を形成するのが一般的である。
【0007】
これらの方法に共通している点は、R、G、Bの3 色を着色するために同一の工程を3回繰り返す必要があり、コスト高になることである。また工程が多いほど歩留まりが低下するという問題点を有している。さらに、電着法においては、形成可能なパターン形状が限定されるため、現状の技術ではTFT 方式のカラー液晶ディスプレイには適用が難しい。また、印刷法は、解像性、平滑性が悪いためファインピッチのパターンは形成が難しい。
【0008】
これらの欠点を補うべく、特開昭59−75205号公報、特開昭63−235901号公報、特開昭63−294503号公報、あるいは、特開平1−217320号公報等には、インクジェット方式を用いてカラーフィルタを製造する方法が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、インクジェット方式の場合、一定時間(例えば1分間程度)インク吐出を休止すると、インク中の揮発成分である水や溶剤が蒸発してインクが高粘度となり、インクの吐出状態が安定しにくい。特に、インク吐出を休止してからインク吐出を再開するまでの時間が長くなると、インクの吐出方向がよれる、インク吐出量が多くなり過ぎる、インク吐出量が少なくなり過ぎる等の現象が起こり、インク吐出動作がより不安定になりやすい傾向がある。また、インク吐出を再開したとき、特に再開後の1発目のインク吐出は安定せず、吐出が乱れやすい傾向がある。
【0010】
カラーフィルタのように、高精細にパターンニングされた凹部内にインクを着弾させる場合、1発目のインクの吐出方向が乱れると隣接する異なる色の画素にインクが入り込み混色を発生させてしまったり、インク吐出量が変化して所望の色濃度が得られなくなり画素間で濃度ムラが発生してしまったりするという問題が発生する場合がある。
【0011】
このような問題を回避するために、通常インクジェット方式では、情報を表示するための表示領域として機能することになる領域(凹部)に対してインクを吐出する前に、基板外の所定位置で予備吐出動作を行っている。ところが、近年、NTSC規格やPAL規格の色再現範囲に近づけるために、カラーフィルタの色再現範囲の拡大化がなされ、これに伴ってインク中の色材の比率は高まってきており、インク粘度が高粘度化している。その結果、吐出再開時の1発目のインクの吐出特性変化が発生するまでの時間が短くなってきており、基板外での予備吐出動作だけでは不十分である場合も多い。
【0012】
このようなインクジェット方式の課題を解決するために、特開平9−101410号公報、特開平10−73712号公報、特開平10−73709号公報、特開平10−186123号公報等では、基板上の表示領域以外の周辺領域に対して予備吐出動作を行っている。例えば、特開平10−186123号公報では、表示領域の第1画素に対して吐出する前に、表示領域の周辺領域である遮光部上(BM上)に直接インクを予備吐出している。これにより、第1画素に対してインクを吐出するときには既に吐出状態は安定しており、正確な位置にインクを吐出することができる。
【0013】
しかしながら、遮光部上に残ったインク(遮光部上に直接付着しているインク)は、カラーフィルタの平滑性の問題や保護膜成膜時における塗布不良の問題、保護膜と遮光部との密着性不良の問題等を引き起こす場合がある。また、特開平10−186123号公報では撥インク性を有する遮光部上にインクを予備吐出させているが、この場合予備吐出されたインクが遮光部上を自由に移動してしまい混色を発生させてしまう場合がある。また、このような現象は、基板上に設けた隔壁により囲まれる凹部内に自発光材料(EL発光材料)を付与することで形成されるEL素子を製造する際においても同様に起こり得る。
【0014】
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、表示領域に対してインクを吐出させる際の吐出状態を安定させ、異なる色の画素間での混色を低減させることが可能なカラーフィルタの製造方法、その製造装置を提供することを目的とする。
【0015】
また、本発明は、保護膜と遮光部との密着性が十分なカラーフィルタ、該カラーフィルタを製造することが可能なカラーフィルタの製造方法および製造装置を提供することを目的とする。
【0016】
また、本発明は、平坦性のよいカラーフィルタ、該カラーフィルタを製造することが可能なカラーフィルタの製造方法、その製造装置を提供することを目的とする。
【0017】
また、本発明は、上記製造方法もしくは製造装置により製造されたカラーフィルタ、該カラーフィルタを用いた表示装置の製造方法、該表示装置を備えた装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明は、基板上に設けた仕切り部材により囲まれる複数の凹部内にインクジェットヘッドからインクを吐出して複数の着色部を有するカラーフィルタを製造する方法であって、表示に用いられる着色部を形成するための第1の凹部と、表示には用いられない非表示部を形成するための第2の凹部とを共に有する基板を用意する工程と、前記基板上の前記第2の凹部に対し前記インクジェットヘッドからインクを吐出した後に、前記基板上の前記第1の凹部に対し前記インクジェットヘッドからインクを吐出することで前記着色部を形成する工程と、を備えることを特徴とするものである。
【0020】
また、本発明は、基板上に設けた仕切り部材により囲まれる複数の凹部内にインクジェットヘッドからインクを吐出して複数の着色部を有するカラーフィルタを製造するための装置であって、表示に用いられる着色部を形成するための第1の凹部と表示には用いられない非表示部を形成するための第2の凹部とを共に有する基板と、前記インクジェットヘッドとを相対的に移動させるための移動手段と、前記移動手段によって前記基板と前記インクジェットヘッドを相対移動させながら、前記基板上の第2の凹部に対し前記インクジェットヘッドからインクを吐出した後に、前記基板上の前記第1の凹部に対し前記インクジェットヘッドからインクを吐出することで前記着色部を形成するように、前記インクジェットヘッドと前記移動手段とを制御するための制御手段と、を備えることを特徴とするものである。
【0021】
また、本発明は、請求項1乃至19のいずれかに記載の製造方法により製造されたカラーフィルタであることを特徴とするものである。
【0022】
また、本発明は、基板上に設けた仕切り部材により囲まれる複数の凹部内にインクが充填されてなる複数の着色部を有するカラーフィルタであって、表示を行うために用いられ、前記基板上の第1の凹部に前記インクが充填されてなる着色部と、表示には用いられず、前記基板上の第2の凹部に前記インクが充填されてなる非表示部と、を有することを特徴とするものである。
【0023】
本発明は、基板上に設けた仕切り部材により囲まれる複数の凹部内にインクジェットヘッドから複数色のインクを吐出して複数色の着色部を有するカラーフィルタを製造する方法であって、表示に用いられる着色部を形成するための第1の凹部と、表示には用いられない非表示部を形成するための、前記第1の凹部が存在する領域の周辺領域にある第2の凹部とを共に有する基板を用意する工程と、前記基板上の前記第2の凹部に対し前記インクジェットヘッドから前記複数色のインクを予備吐出した後に、前記基板上の前記第1の凹部の各々に対し前記インクジェットヘッドから各色のインクを吐出することで前記着色部を形成する工程とを備え、前記周辺領域にある第2の凹部に形成される非表示部は、前記第2の凹部内に吐出される前記複数色のインクが混ざり合うことで形成され、且つ黒色を呈することを特徴とする。
【0024】
本発明は、基板上に設けた仕切り部材により囲まれる複数の凹部内にインクジェットヘッドから赤色、青色、緑色のインクを吐出して複数の着色部を有するカラーフィルタを製造する方法であって、表示に用いられる着色部を形成するための第1の凹部と、前記第1の凹部が存在する領域の周辺領域にある第2の凹部であって、表示には用いられない非表示部を形成するための第2の凹部とを共に有する基板を用意する工程と、前記基板上の前記第2の凹部に対し前記インクジェットヘッドから赤色、青色、緑色のインクを予備吐出した後に、前記基板上の前記第1の凹部の各々に対し前記インクジェットヘッドから各色のインクを吐出することで前記着色部を形成する工程とを備え、前記周辺領域にある第2の凹部に形成される非表示部は、前記第2の凹部内に吐出される赤色、青色、緑色のインクが混ざり合うことで形成されることを特徴とする。
【0025】
本発明は、基板上に設けた仕切り部材により囲まれる複数の凹部内にインクジェットヘッドから複数色のインクを吐出して複数色の着色部を有するカラーフィルタを製造するための装置であって、表示に用いられる着色部を形成するための第1の凹部と表示には用いられない非表示部を形成するための、前記第1の凹部が存在する領域の周辺領域にある第2の凹部とを共に有する基板と、前記インクジェットヘッドとを相対的に移動させるための移動手段と、前記移動手段によって前記基板と前記インクジェットヘッドを相対移動させながら、前記基板上の第2の凹部に対し前記インクジェットヘッドから前記複数色のインクを予備吐出した後に、前記基板上の前記第1の凹部の各々に対し前記インクジェットヘッドから各色のインクを吐出することで前記着色部を形成するように、前記インクジェットヘッドと前記移動手段とを制御するための制御手段とを備え、前記周辺領域にある第2の凹部に形成される非表示部は、前記第2の凹部内に吐出される前記複数色のインクが混ざり合うことで形成され、且つ黒色を呈することを特徴とする。
【0026】
本発明は、基板上に設けた仕切り部材により囲まれる複数の凹部内に複数色のインクが充填されてなる複数色の着色部を有するカラーフィルタであって、表示を行うために用いられ、前記基板上の第1の凹部の各々に前記複数色のインク各々が充填されてなる着色部と、表示には用いられず、前記第1の凹部が存在する領域の周辺領域にある前記基板上の第2の凹部に前記複数色のインクが予備吐出されて充填されてなる非表示部とを有し、前記周辺領域にある第2の凹部に形成される非表示部は、前記複数色のインクが混ざり合うことで形成され、且つ黒色を呈することを特徴とする。
【0027】
本発明は、基板上に設けた仕切り部材により囲まれる複数の凹部内に複数色のインクが充填されてなる複数色の着色部を有するカラーフィルタを備えた表示装置を製造する方法であって、請求項1乃至8のいずれかに記載の製造方法により製造されたカラーフィルタを用意する工程と、前記用意されたカラーフィルタと対向基板との間に液晶化合物を充填する工程と、を備えることを特徴とする。
【0028】
また、本発明は、基板上に設けた仕切り部材により囲まれる複数の凹部内にインクが充填されてなる複数の着色部を有するカラーフィルタを用いた表示装置を備えた装置を製造する方法であって、請求項14に記載の製造方法により製造された表示装置を用意する工程と、表示装置に画像信号を供給するための画像信号供給手段と、前記用意された表示装置を接続する工程と、を具備することを特徴とする。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について、添付図面を参照して説明する。
【0033】
なお、本発明において定義する表示装置用パネル(表示用素子)とは、表示に用いられる表示部を有するものをいう。より具体的には、表示装置用パネルとは、例えば着色部を備えるカラーフィルタあるいは自己発光する材料により形成された発光部を備えるEL素子等を含む、表示装置に使用されるパネルのことである。カラーフィルタであれば着色部が上記表示部に相当し、EL素子であれば発光部が上記表示部に相当する。
【0034】
また、本発明において定義するカラーフィルタとは、着色部と被着色体(基体)とを備えるものであり、入力光に対し、特性を変えた出力光を得ることができるものである。
【0035】
〔第1の実施形態〕
図1はカラーフィルタの製造装置の一実施形態の構成を示す概略図である。図1において、51は装置架台、52は架台51上に配置されたXYθステージ、53はXYθステージ52上にセットされたカラーフィルタ基板、54はカラーフィルタ基板53上に形成されるカラーフィルタ、55はカラーフィルタ54の着色を行うためのR(赤)、G(緑)、B(青)のインクジェットヘッド、56はカラーフィルタの着色状態(画素の白抜け・混色・濃度ムラ等)をモニタするためのカメラ、58はカラーフィルタ製造装置90の全体動作を制御するためのコントローラ、59はコントローラの表示部であるところのティーチングペンダント(パソコン)、60は59の操作部であるところのキーボード、62は情報を表示するための表示画面を示している。
【0036】
尚、R(赤)、G(緑)、B(青)の各インクジェットヘッドを有するヘッドユニットは、カラーフィルタ製造装置90の支持部に対して着脱自在に、かつ水平面内で回動角度を調整可能に装着されている。また、XYθステージ52の延長上に、各色のインクジェットヘッド55(R)・55(G)・55(B)のインク吐出ノズルからインクを吸引してノズルの吐出不良の回復を図るための回復ユニット(不図示)を配置してもよい。尚、この回復ユニットには、ノズルをキャッピングするキャップ部がある。
【0037】
図2はカラーフィルタ製造装置90の制御コントローラの構成図である。59は制御コントローラ58の入出力手段であるパソコン、62は製造の進行状況及びヘッドの異常の有無等の情報を表示する表示画面、60はカラーフィルタ製造装置90の動作等を指示する操作部(キーボード)である。
【0038】
58はカラーフィルタ製造装置90の全体動作を制御するところのコントローラ、65はパソコン59とコントローラ58のデータの受け渡しを行うインタフェース、66はカラーフィルタ製造装置90の制御を行うCPU、67はCPU66を動作させるための制御プログラムを記憶しているROM、68は異常情報や予備吐出動作を行うために必要な情報等を記憶するRAM、70はカラーフィルタ基板上における凹部内に対するインク吐出動作を制御する吐出制御部、71はカラーフィルタ製造装置90のXYθステージ52の動作を制御するステージ制御部、90はコントローラ58に接続され、その指示に従って動作するカラーフィルタ製造装置を示している。
【0039】
図3は、上記のカラーフィルタの製造装置90に使用されるインクジェットヘッド55の構造を示す図である。通常インクジェットヘッドはR,G,Bの3色に対応して3個設けられているが、これらの3個のヘッドは夫々同一の構造であるので、図3にはこれらの3個のヘッドのうちの1つの構造を代表して示している。
【0040】
図3において、インクジェットヘッド55は、インクを加熱するための複数のヒータ102が形成された基板であるヒータボード104と、このヒータボード104の上にかぶせられる天板106とから概略構成されている。天板106には、複数の吐出口108が形成されており、吐出口108の後方には、この吐出口108に連通するトンネル状の液路110が形成されている。各液路110は、隔壁112により隣の液路と隔絶されている。各液路110は、その後方において1 つのインク液室114に共通に接続されており、インク液室114には、インク供給口116を介してインクが供給され、このインクはインク液室114から夫々の液路110に供給される。
【0041】
ヒータボード104と、天板106とは、各液路110に対応した位置に各ヒータ102が来る様に位置合わせされて図3の様な状態に組み立てられる。図3においては、2つのヒータ102しか示されていないが、ヒータ102は、夫々の液路110に対応して1つずつ配置されている。そして、図3の様に組み立てられた状態で、ヒータ102に所定の駆動パルスを供給すると、ヒータ102上のインクが沸騰して気泡を形成し、この気泡の体積膨張によりインクが吐出口108から押し出されて吐出される。従って、ヒータ102に加える駆動パルスを制御、例えば電力の大きさを制御することにより気泡の大きさを調整することが可能であり、吐出口から吐出されるインクの体積を自在にコントロールすることができる。
【0042】
図4は、この様にヒータに加える電力を変化させてインクの吐出量を制御する方法を説明するための図である。
【0043】
この実施形態では、インクの吐出量を調整するために、ヒータ102に2種類の定電圧パルスを印加する様になされている。2つのパルスとは、図4に示す様にプレヒートパルスとメインヒートパルス(以下、単にヒートパルスという)である。プレヒートパルスは、実際にインクを吐出するに先立ってインクを所定温度に暖めるためのパルスであり、インクを吐出するために必要な最低のパルス幅t5よりも短い値に設定されている。従って、このプレヒートパルスによりインクが吐出されることはない。プレヒートパルスをヒータ102に加えるのは、インクの初期温度を、一定の温度にまで上昇させておくことにより、後に一定のヒートパルスを印加したときのインク吐出量を常に一定にするためである。また、逆にプレヒートパルスの長さを調節することにより、予めインクの温度を調節しておき、同じヒートパルスが印加された場合でも、インクの吐出量を異ならせることも可能である。また、ヒートパルスの印加に先立ってインクを暖めておくことにより、ヒートパルスを印加した時のインク吐出の時間的な立ち上がりを早めて応答性を良くする働きも持っている。
【0044】
一方、ヒートパルスは、実際にインクを吐出させるためのパルスであり、上記のインクを吐出するために必要な最低のパルス幅t5よりも長く設定されている。ヒータ102が発生するエネルギーは、ヒートパルスの幅(印加時間)に比例するものであるため、このヒートパルスの幅を調節することにより、ヒータ102の特性のバラツキを調節することが可能である。
【0045】
なお、プレヒートパルスとヒートパルスとの間隔を調整して、プレヒートパルスによる熱の拡散状態を制御することによってもインクの吐出量を調節することが可能となる。また、ヒーターに対して与える(印加する)電圧パスルの電圧値を変化させる、すなわちヘッドの駆動電圧を変化させることでインクの吐出量を調節することも可能である。
【0046】
上記の説明から分かる様に、インクの吐出量は、プレヒートパルスとヒートパルスの印加時間(パルス幅)を調節することによって制御することも可能であるし、またプレヒートパルスとヒートパルスの印加間隔を調節することによって制御することも可能であるし、ヘッドの駆動電圧を調整することによって制御することも可能である。従って、プレヒートパルス及びヒートパルスの印加時間、プレヒートパルスとヒートパルスの印加間隔、ヘッドの駆動電圧等を必要に応じて調整することにより、インクの吐出量やインクの吐出の印加パルスに対する応答性を自在に調節することが可能となる。
【0047】
次に、上記で示したインク吐出量の調整についてより具体的に説明する。例えば、図4に示す様に、各吐出口(ノズル)108a,108b,108cに対して同じエネルギーを与えたときに、各ノズルからのインク吐出量が異なる場合について説明する。詳しくは、一定温度で、一定エネルギーを印加したときに、ノズル108aのインク吐出量が36pl(ピコリットル)、ノズル108bのインク吐出量が40pl、ノズル108cのインク吐出量が40plであり、ノズル108aに対応するヒータ102a及びノズル108bに対応するヒータ102bの抵抗値が200Ω、ノズル108cに対応するヒータ102cの抵抗値が210Ωであるものとする。そして、それぞれのノズル108a,108b,108cの吐出量を全て40plに合わせたいものとする。
【0048】
それぞれのノズル108a,108b,108cの吐出量を同じ量に調整するためには、プレヒートパルスとヒートパルスの幅を調整すれば良いのであるが、このプレヒートパルスとヒートパルスの幅の組み合わせには種々のものが考えられる。ここでは、ヒートパルスにより発生するエネルギーの量を3つのノズルで同じになる様に設定し、吐出量の調整は、プレヒートパルスの幅を調整することにより行うものとする。
【0049】
まず、ノズル108aのヒータ102aとノズル108bのヒータ102bの抵抗値は同じ200Ωであるので、ヒートパルスにより発生するエネルギーを同じにするには、ヒータ102a,102bに同じ幅の電圧パルスを印加すればよい。ここでは、電圧パルスの幅を前述したt5 よりも長いt3 に設定する。一方、ノズル108aと108bとは、同じエネルギーを加えた時の吐出量が、36plと40plと異なるため、ノズル108aの吐出量を多くするために、ヒータ102aには、ヒータ102bのプレヒートパルスの幅t1 よりも長いt2 のプレヒートパルスを加える。このようにすれば、ノズル108aと108bの吐出量を同じ40plにそろえることができる。
【0050】
一方、ノズル108cのヒータ102cの抵抗値は、他の2つのヒータ102a,102bの抵抗値よりも高い210Ωであるため、ヒータ102cから、他の2つのヒータと同じエネルギーを発生させるためには、ヒートパルスの幅を長くする必要がある。そのため、ここでは、ヒートパルスの幅を前述したt3 よりも長いt4 に設定している。また、プレヒートパルスの幅に関しては、一定エネルギーを加えた時のノズル108bと108cの吐出量が同じであるため、ヒータ102bと同じにすればよく、t1 の幅のプレヒートパルスを加える。
【0051】
以上の様にして、抵抗値と一定エネルギーを加えた時のインク吐出量の異なる3つのノズル108a,108b,108cから同じ量のインクを吐出させることができる。また、同じ手法により、インクの吐出量を意識的に異ならせることも可能である。なお、プレヒートパルスを利用するのは、ノズルごとの吐出のバラつきを低減するためである。尚、カラーフィルタを製造する場合、各吐出口から吐出される各々のインク体積(インク吐出量)を略同一に揃えることが好ましい。各吐出インクの量が同一である場合、同一でない場合に比べ画素間のムラをより低減できるからである。また、ここでは熱エネルギー方式によるインクジェットヘッドの例を説明したが、本発明はこれには限定されず、例えば、電気エネルギーが与えられることによって変位し前記変位に伴う圧力変化によってインクを吐出させる圧電素子(ピエゾ素子)を備えたヘッドも適用可能である。
【0052】
尚、上記の説明では、各色に対応して1個のインクジェットヘッドを設けることとしたが、これには限定されず、各色に対応して複数個のインクジェットヘッドを用いることとしてもよい。例えば、Rヘッドを2個、Gヘッドを2個、Bヘッドを2個用いてカラーフィルタを製造してもよい。このように各色に対応して複数個のインクジェットヘッドを用いる場合、一度に着色可能な領域が広くなるため着色時間の短縮化を図れる。
【0053】
図5は、カラーフィルタの製造工程を示した図である。以下に、図5を参照してカラーフィルタ54の製造工程を説明する。
【0054】
本実施形態においては、基板(基材、基体)として一般にガラス基板が用いられるが、カラーフィルタとしての透明性、機械的強度等の必要特性を有するものであればガラス基板に限定されるものではない。例えば、プラスチック基板でもよい。
【0055】
図5(a)は、光透過性の基板1上に設けた撥インク性を有する隔壁(仕切り部材)2aにより囲まれる凹部32内に、インクジェットヘッド55からインク14を付与する工程を示したものである。
【0056】
本実施形態において隔壁(仕切り部材)2aは、インク14を受けるための凹部を形成し、且つ隣接する凹部32間で異なる色のインクの混色を防止するために設けられる部材である。
【0057】
隔壁2aは、例えば感光性樹脂をパターニングして容易に形成することができるが、該隔壁2aをブラックマトリクスやブラックストライプで兼用することもでき、その場合には黒色の樹脂をパターニングすれば良い。
【0058】
本実施形態において、隔壁12は光透過性基板1上に直接形成しても良いが、必要に応じて他の機能を有する層を形成した基板、例えばTFTアレイを作製したアクティブマトリクス基板上に形成しても良い。いずれの場合にも、硬化性インクの拡散性を高めるために、基板上表面に何らかの表面処理を施しても良い。
【0059】
具体的に本実施形態では、先ず、透明基板1上に黒色顔料含有レジストを塗布し、一般的なフォトリソグラフィ法によりパターニングしてブラックマトリクスを形成する。この時、ブラックマトリクスの厚みを0.5μm以上にすることが好ましい。厚みが0.5μm未満の場合、ブラックマトリクスの光学濃度が低くなり、遮光層としての機能が低下してしまい好ましくない。また、厚みが0.5μm未満の場合、インクジェット法によりインクを付与した際に、隣接する異なる色のインク同士が混じり合うという現象、いわゆる混色を引き起こしてしまうことがある。即ち、隔壁2aの厚みが0.5μm未満の場合、隔壁が混色防止壁としての十分に機能しないことがある。
【0060】
また、隔壁2aの材料としては黒色顔料含有レジストの他に、クロム、酸化クロム等の金属膜を用いることが可能である。隔壁2aとして金属膜を用いる場合、厚みを0.5μm以上とするため、インクの混色を防止するための混合防止壁として機能するシリコーンゴム等の層を金属層の上部に設ける必要がある。いずれにせよ、隔壁2aの上部は撥インク性であることが好ましく、また遮光性と混色防止の観点から厚みを0、5μm以上とすることが好ましい。
【0061】
本発明において適用可能なインク14は、少なくとも色材成分、エネルギー付与により硬化する硬化成分を含有するものである。ここでエネルギーの付与とは、例えば、光照射を行うこと、熱処理を行うこと、或いは光照射及び熱処理の双方を行うこと等である。本発明において適用可能なインク14は、光照射又は熱処理、或いはこれらの併用によって硬化するので、硬化性インクということもできる。硬化性インクとしては、液状インク、ソリッドインク共に使用可能である。また、硬化成分としては、市販の樹脂や硬化剤を用いることができ、具体的には、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン樹脂等が好適に用いられる。
【0062】
上記色材としては、染料、顔料、いずれも適用可能である。染料としては、直接染料、酸性染料、反応性染料、分散染料、油溶性染料等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの染料、顔料はインク中で0.1〜20重量%の範囲で使用されるのが好ましい。エネルギー付与により硬化する化合物(硬化成分)としては、例えば、熱硬化型の化合物として、公知の樹脂と架橋剤との組み合わせが使用できる。具体的には、メラミン樹脂、水酸基或いはカルボキシル基含有ポリマーとメラミン、水酸基或いはカルボキシル基含有ポリマーと多官能エポキシ化合物、水酸基或いはカルボキシル基含有ポリマーと繊維素反応型化合物、エポキシ樹脂とレゾール型樹脂、エポキシ樹脂とアミン類、エポキシ樹脂とカルボン酸又は酸無水物、エポキシ化合物などが挙げられる。また光硬化型の化合物としては、公知の光硬化型材料、例えば市販のネガ型レジストが好適に用いられる。上記した化合物は熱或いは光だけでなくこれらを併用して硬化させても良い。
【0063】
本発明に用いるインクとしては、種々の溶媒を用いることができる。特にインクジェット方式に用いる場合の吐出性の面から、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒が好ましく用いられる。水としては、イオン交換水(脱イオン水)を用いるのが好ましい。本発明において併用し得る任意の溶剤成分としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール類のケトン又はケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;グリセリン;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリシノン、さらにベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、オクタン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;プロピレンカーボネート等が挙げられる。上記有機溶剤の中でもジエチレングリコール等の多価アルコール、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテルが好ましい。また、上記の熱或いは光硬化型化合物を安定に溶解或いは分散させるためにはエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドンが好ましく用いられる。さらに、インクの吐出の安定性を得るためには、エチルアルコール、或いは、イソプロピルアルコール、又は多価アルコールの低級アルキルエーテル類を添加することが効果的である。これはこれら溶剤を添加することによって、熱エネルギー方式によるインクジェットヘッドにおける薄膜抵抗体上でインクの発泡をより安定に行なうことができるからと推測される。本発明に用いるインクは、上記成分の他に必要に応じて所望の特性を持たせるために、界面活性剤、消泡剤、防腐剤等を添加することができ、さらに、市販の水溶性染料などを添加することもできる。例えば、界面活性剤としては、インクの保存安定性に悪影響を及ぼさないものであれば好適に用いることができ、脂肪酸塩類、高級アルコール硫酸エステル塩類、液体脂肪油硫酸エステル塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類等の陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類、アセチレンアルコール、アセチレングリコール等の非イオン性界面活性剤があり、これらの1種又は2種以上を適宜選択して使用できる。また、インクの保存安定性を保つために、pH調整が必要である場合に用いられるpH調整剤としては、例えば、アンモニア、或いはジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の各種有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物等の無機アルカリ剤、有機酸や無機酸が挙げられる。また、上記した光或いは熱硬化型化合物のうち、水或いは水溶性有機溶剤に溶解しないものでも安定に吐出可能なものであれば、水や水溶性有機溶剤以外の溶媒を用いても構わない。また、特に光により重合するタイプの硬化性化合物を用いる場合には、色材をモノマーに溶解した無溶剤タイプとすることもできる。
【0064】
図5(b)は、隔壁2aで囲まれる各凹部32内に硬化性インク14が付与された直後の状態を示している。ここでは、付与インクの高さが隔壁2aの高さより高くなっている。
【0065】
その後、必要に応じて乾燥処理を行い、光照射又は熱処理、或いはこれらの併用によってインクを硬化し、着色部(画素部)3を形成する(図5(c))。この図5(c)では、着色部3の高さ(膜厚)が隔壁2aの高さよりも低くなっているが、これには限定されず、着色部3の高さ(膜厚)と隔壁2aの高さとが略同じになるようにしてもよい。尚、着色部表面の平坦化の観点から、着色部3の膜厚(着色部3の底面から表面までの高さ)を隔壁2aの高さ(隔壁2aの底面から表面までの高さ)の20〜80%とすることが好ましい。また、着色部の表面をより平坦化させるためには、40〜60%とすることが好ましい。
【0066】
その後、必要に応じて保護膜(保護部)8を形成する(図5(d))。尚、保護層8としては、光照射又は光照射と熱処理による硬化する樹脂組成物が好ましく用いられ、カラーフィルタとしての透明性を有し、その後のプロセス、例えばITO膜形成プロセス、配向膜形成プロセス等に耐え得るものであれば使用可能である。また、本発明においては、保護膜8はなくても構わない。
【0067】
図6乃至図8は、本発明に係わるカラーフィルタを組み込んだカラー液晶表示装置30の基本構成を示す断面図である。11は偏光板、1はガラスなどの透明基板、2aは隔壁、3は着色部、8は保護層、16は共通電極、17は配向膜、18は液晶化合物、19は配向膜、20は画素電極、22は偏光板、23はバックライト光である。54は上記のカラーフィルタ、24 は対向基板である。
【0068】
本発明におけるカラー液晶表示装置(カラー液晶ディスプレイ)は、本発明に係るカラーフィルタ基板1と対向基板21を合わせこみ、液晶化合物18を封入することにより形成される。液晶表示装置の一方の基板21の内側に、TFT(Thin Film Transistor)(不図示)と透明な画素電極20がマトリクス状に形成される。また、もう一方の基板1の内側には、画素電極に対向する位置にRGBの色材が配列するようカラーフィルタ54が設置され、その上に透明な対向電極(共通電極)16が一面に形成される。ブラックマトリクス2は、通常カラーフィルター基板1側に形成されるが(図6参照)、BM(ブラックマトリクス)オンアレイタイプの液晶パネルにおいては対向するTFT基板側に形成される(図7参照)。さらに、両基板の面内には配向膜19が形成されており、これをラビング処理することにより液晶分子を一定方向に配列させることができる。また、それぞれのガラス基板の外側には偏光板11,22が接着されており、液晶化合物18は、これらのガラス基板の間隙(2〜5μm程度)に充填される。また、バックライトとしては蛍光灯(不図示)と散乱板(不図示)の組み合わせが一般的に用いられており、液晶化合物をバックライト光の透過率を変化させる光シャッターとして機能させることにより表示を行う。尚、液晶化合物は、カラーフィルタに照射される光量を可変する機能を有しているため、光量可変手段ともいえる。
【0069】
また、図8に示すように、画素電極20上に着色部を形成し、カラーフィルタとして機能させるようにしても良い。すなわち、カラーフィルタを構成する着色部は、ガラス基板上に形成されることに限定されるものではない。
【0070】
このような液晶表示装置を情報処理装置に適用した場合の例を図9乃至図11を参照して説明する。尚、この情報処理装置は、本発明に係るカラーフィルタを有する液晶表示装置に画像信号を供給する画像信号供給手段を接続することにより製造されるものである。
【0071】
図9は上記の液晶表示装置をワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、ファクシミリ装置、複写装置としての機能を有する情報処理装置に適用した場合の概略構成を示すブロック図である。
【0072】
図中、1801は装置全体の制御を行う制御部(画像信号供給手段)で、マイクロプロセッサ等のCPUや各種I/Oポートを備え、各部に制御信号やデータ信号等を出力したり、各部よりの制御信号やデータ信号を入力して制御を行っている。1802はディスプレイ部で、この表示画面には各種メニューや文書情報及びイメージリーダ1807で読み取ったイメージデータ等が表示される。1803はディスプレイ部1802上に設けられた透明な感圧式のタッチパネルで、指等によりその表面を押圧することにより、ディスプレイ部1802上での項目入力や座標位置入力等を行うことができる。
【0073】
1804はFM(Frequency Modulation)音源部で、音楽エディタ等で作成された音楽情報をメモリ部1810や外部記憶装置1812にデジタルデータとして記憶しておき、それらメモリ等から読み出してFM変調を行うものである。FM音源部1804からの電気信号はスピーカ部1805により可聴音に変換される。プリンタ部1806はワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、ファクシミリ装置、複写装置の出力端末として用いられる。
【0074】
1807は原稿データを光電的に読取って入力するイメージリーダ部で、原稿の搬送経路中に設けられており、ファクシミリ原稿や複写原稿の他各種原稿の読取りを行う。
【0075】
1808はイメージリーダ部1807で読取った原稿データのファクシミリ送信や、送られてきたファクシミリ信号を受信して復号するファクシミリ(FAX)の送受信部であり、外部とのインタフェース機能を有する。1809は通常の電話機能や留守番電話機能等の各種電話機能を有する電話部である。
【0076】
1810はシステムプログラムやマネージャープログラム及びその他のアプリケーションプログラム等や文字フォント及び辞書等を記憶するROMや、外部記憶装置1812からロードされたアプリケーションプログラムや文書情報、さらにはビデオRAM等を含むメモリ部である。
【0077】
1811は文書情報や各種コマンド等を入力するキーボード部である。
【0078】
1812はフロッピーディスクやハードディスク等を記憶媒体とする外部記憶装置で、この外部記憶装置1812には文書情報や音楽あるいは音声情報、ユーザのアプリケーションプログラム等が格納される。
【0079】
図10は図9に示す情報処理装置の模式的概観図である。
【0080】
図中、1901は上記の液晶表示装置を利用したフラットパネルディスプレイで、各種メニューや図形情報及び文書情報等を表示する。このディスプレイ1901上ではタッチパネル1803の表面は指等で押圧することにより座標入力や項目指定入力を行うことができる。1902は装置が電話機として機能するときに使用されているハンドセットである。キーボード1903は本体と着脱可能にコードを介して接続されており、各種文書機能や各種データ入力を行うことができる。また、このキーボード1903には各種機能キー1904等が設けられている。1905は外部記憶装置1812へのフロッピーディスクの挿入口である。
【0081】
1906はイメージリーダ部1807で読取られる原稿を載置する用紙載置部で、読取られた原稿は装置後部より排出される。またファクシミリ受信等においては、インクジェットプリンタ1907よりプリントされる。
【0082】
上記情報処理装置をパーソナルコンピュータやワードプロセッサとして機能する場合、キーボード部1811から入力された各種情報が制御部1801により所定のプログラムに従って処理され、プリンタ部1806に画像として出力される。
【0083】
ファクシミリ装置の受信機として機能する場合、通信回線を介してFAX送受信部1808から入力したファクシミリ情報が制御部1801により所定のプログラムに従って受信処理され、プリンタ部1806に受信画像として出力される。
【0084】
また、複写装置として機能する場合、イメージリーダ部1807によって原稿を読取り、読取られた原稿データが制御部1801を介してプリンタ部1806に複写画像として出力される。なお、ファクシミリ装置の受信機として機能する場合、イメージリーダ部1807によって読取られた原稿データは、制御部1801により所定のプログラムに従って送信処理された後、FAX送受信部1808を介して通信回線に送信される。
【0085】
なお、上述した情報処理装置は図11に示すようにインクジェットプリンタを本体に内蔵した一体型としてもよく、この場合は、よりポータブル性を高めることが可能となる。同図において、図10と同一機能を有する部分には、対応する符号を付す。このように表示装置を備えた装置は、▲1▼まず、本発明に係るカラーフィルタを用意し、▲2▼次に、用意したカラーフィルタと対向基板との間に液晶化合物を充填して表示装置を製造し、▲3▼最後に、その表示装置に、画像信号供給手段を接続することにより、製造されるものである。
【0086】
次に、本実施形態の特徴的部分である、基板に対して実行する予備吐出動作について説明する。本実施形態では、表示領域の周辺の領域にある遮光部に凹部を設け、その凹部内に予備吐出を行うことを特徴としている。これに関して、図12〜図14を参照しながら詳述する。尚、予備吐出が行われた部分が非表示部となる。
【0087】
図12は、隔壁2a(仕切り部材、例えばBM)により囲まれる複数の凹部32を有した基板1を示す図であり、着色する前の状態を示している。尚、図12(a)は基板を上から見た上面図であり、図12(b)は図12(a)のA−Aの線で切断した断面図である。図13は、図12の基板に対してインクを吐出する様子を示しており、着色途中の状態を示している。尚、図13(a)は基板を上から見た上面図であり、図13(b)は図13(a)のA−Aの線で切断した断面図である。図14は、着色後の状態を示しており、カラーフィルタが完成した様子を示している。尚、図12〜図14に示されているように、本実施形態では第1の凹部と第2の凹部とが隔壁(仕切り部材)を挟んで隣接しているような構成となっている。
【0088】
図12において、1はガラス基板、2aは凹部32を形成するための隔壁(仕切り部材)である。32は隔壁により囲まれる凹部であり、第1の凹部32aと第2の凹部32bとから構成される。第1の凹部32aは表示のために用いられ、表示部を形成するための部分であり、第2の凹部32bは表示には用いられず、非表示部を形成するための部分である。第1の凹部32aは色を表す領域として機能し、該第1の凹部の各々にはRGBの各着色部が形成される。第2の凹部32bは予備吐出領域として機能し、該第2の凹部32bには2色以上のインクが予備吐出される。35は表示に用いられる複数の表示部を有する表示領域である。37は表示領域35の周辺の領域である周辺領域であり、この周辺領域には遮光部が形成されている。尚、この周辺領域37は、表示には用いられない非表示部となる部分である。
【0089】
通常インクジェットヘッドは、インクを連続して吐出している状態では各ノズルからのインクの吐出量が安定している。ところが、一旦インクの吐出を休止させると、ノズル内でインクが乾燥し増粘する等の影響で吐出を再開させたときのインクの吐出量が安定しなかったり、吐出方向が乱れたりする場合がある。具体的には、インクの吐出を数分間休止するとその後吐出を再開したときの初めの数発から十数発はインクの吐出が安定せず、インクの種類によっては、数十秒停止させただけでもインクの吐出が安定しなくなる場合もある。また、第1の凹部32aの着色の際にインク吐出状態が安定していないと、第1の凹部で混色が生じ、不良品のカラーフィルタとなってしまう。
【0090】
そこで本実施形態では、図13(a)と図13(b)で示すように、第1凹部32a内にインクを吐出する前に、表示領域35の周辺の遮光部に形成された第2の凹部に向けてインクを吐出するようにしている。尚、第2の凹部に対するインク吐出動作は着色部を形成するためでなく、単にインクの吐出状態を安定化させために行う予備的な吐出動作であるので、ここでは予備吐出と称することとする。このように第2の凹部に対して予備吐出を行うことで、ノズル内のインクがリフレッシュされるため、第1の凹部32aに対してインクを吐出する際の吐出状態を安定化させることができる。尚、この第2の凹部は表示に用いられず非表示部39となる部分であるため、複数色のインクを予備吐出させて第2の凹部内で混合させても問題は生じない。また、第2の凹部に対する上記予備吐出動作は、インクの吐出状態が安定化するまで実行することが好ましい。また、予備吐出動作の回数や予備吐出動作を実行する時間の長さは、使用するインクの種類や吐出口径、吐出方式等に応じて適宜決定すればよい。例えば、粘性の高いインクを使用する場合や吐出状態が直ぐに悪化するような系にてインク吐出を行う場合は、予備吐出動作の回数を多くしたり、予備吐出動作を実行する時間の長さを長くすればよく、反対に、粘性が低いインクを使用する場合や吐出状態があまり悪化しないような系にてインク吐出を行う場合は、予備吐出動作の回数を少なくしたり、予備吐出動作を実行する時間の長さを短くすればよい。
【0091】
本実施形態において上記予備吐出領域の大きさは、インクジェットの吐出開始時に発生する吐出不安定さを解消できる大きさに設計することが好ましい。そのためには、吐出量が安定するまでの全吐出総量を受容できる大きさであることが好ましい。また、吐出方向の乱れによるインクの着弾位置のズレ量を受容できる大きさであることが好ましい。しかしこれらは、使用するインクジェットヘッドの性能、インクジェットヘッドと基板との距離、吐出していない休止時間、クリーンルームの温湿度環境、使用するインクの特性等の多くの条件により左右されるため、それぞれの使用条件・製造条件等により実験的に大きさを決定することが好ましい。
【0092】
上記第2の凹部(予備吐出領域)32b内に複数色のインクが予備吐出されることにより形成された非表示部39は、RGBの色を表示するための部分ではなく、情報を表示するための部分でもない。この非表示部39はカラーフィルタの額縁に相当する部分であり、通常、カラーフィルタが液晶表示装置に組み込まれたとき該液晶表示装置の表示パネル(画面)における最外郭の黒色の部分に相当する箇所である。従って、予備吐出領域32b内に形成される非表示部39は黒色系に着色されていることが好ましい。仮に、非表示部39が赤色や緑色等の黒色以外の色に着色されていると、ユーザーが画面を見たとき、その部分だけが周りの色と異なるためユーザーに違和感を持たせる場合がある。そこで、本実施形態では、第2の凹部(予備吐出領域)32b内において2色以上のインクが混ざり合うようにしている。つまり、この第2の凹部内では複数色のインクが混合しており、減法混色領域となっているのである。
【0093】
また、本実施形態においては、非表示部39の光学濃度が1.0以上となるようにしている。仮に、この非表部の光学濃度が低いとこの部分からバックライトが回り込んでしまうことがあり、その場合ユーザーの視認性の観点から好ましくない。つまり、この非表示部は、遮光性機能を有することが好ましいのである。そこで、本実施形態では、複数色のインクを第2の凹部内にて混合させて、黒色系且つ光学濃度が1.0以上の非表示部を形成している。具合的には、第2の凹部内にRGBの3色のインクを吐出して、それを混合して黒色としている。また、RGBの3色のインクを混合させることには限定されず、RGBのうち任意の2つの色を混合させるだけでもよい。2色のインクの混合でも、カラーフィルタの額縁としての機能を十分に果たす程度の黒色系となるからである。また、上記RGBのインクとは異なる色のインクを第2の凹部内に更に付与することで、非表示部を形成するようにしてもよい。上記異なる色のインクとしては、黒色系のインクや、予備吐出される複数色(RGB)のインクの減法混色の補色となるインクが好ましく、これらのインクを付与することで、遮光部の可視波長依存性を均一にして、より一層の遮光性能を確保することが可能である。
【0094】
尚、上記のように、第2の凹部(予備吐出領域)32b内において2色以上のインクが混合することは必須ではないが、非表示部を黒色系にする点や光学濃度を1.0以上にする点等から2色以上のインクを混合することが好ましい。また、上記では、凹部内に予備吐出されたインクを混合させると説明したが、凹部内に予備吐出されたインク同士は勝手に混じり合うため、何らかの手段を講じインクをわざわざ混合させる必要なない。凹部の底面は親水性を有するガラス基板であり、予備吐出されたインクは該ガラス上に付着し直ぐに広がるため、インクの混合は勝手に起こるのである。
【0095】
また、本実施形態では、予備吐出領域が凹状に形成されていることが特徴である。仮に、上述した特開平10−186123公報のように表示領域の周辺の遮光部上にインクを予備吐出すると、予備吐出されたインク151が遮光部上を自由に移動してしまい混色を発生させる場合がある(図15)。尚、図15ではR色の予備吐出インク151が、G色の着色部及びB色の着色部に入り込んでしまい、混色が発生してしまっている。一方、本実施形態では上記図13のように、予備吐出されたインクは凹部内に充填されるので、予備吐出されたインクが遮光部上を自由に移動することがない。
【0096】
また、表示領域の周辺の遮光部上に予備吐出を行うと、平滑性の点及び密着性の点において不十分となってしまう。これを図16を参照しながら、以下で説明する。尚、図16は、カラーフィルタ54と対向基板24との間に液晶化合物18を充填することにより形成された液晶表示装置の断面図であり、周辺の遮光部上には予備吐出されたインクが付着している。また、遮光部上及び着色部上には、表面を平坦化し且つ着色部を保護するための保護層が形成されている。
【0097】
まず、平滑性について説明する。図16のように周辺の遮光部上に予備吐出インク151が付着すると、着色部3や他の隔壁部に比べ予備吐出されたインク部分が盛り上がってしまう。このような状態で保護層を形成すると、予備吐出インク151上の保護層が他の部分に比べ盛り上がってしまい、保護層の表面が平坦化しにくい。(図16のように、平坦性の悪い部分160が発生する)。保護層の表面が平坦化していないと、カラーフィルタと対向基板とを平行に保持することが困難となってしまう。このようにカラーフィルタの保護層の表面は平滑性を有していることが好ましいのであるが、上述したように遮光部上に予備吐出インクが付着していると、表面の平滑性の点で不十分となってしまう。
【0098】
次に、密着性について説明する。図16のように周辺の遮光部上に予備吐出インク151が付着すると、この予備吐出インクと遮光部との密着性が不十分であるために、予備吐出インクと遮光部との接触部分163において膜剥れが生じる場合がある。上記接触部分163において密着性が不十分となるのは、遮光部上が發インク性を有しているからである。
【0099】
これに対し、本実施形態では、図13のように周辺領域の遮光部に設けた凹部内にインクを予備吐出するため、着色部3や他の隔壁に比べ予備吐出されたインク部分が盛り上がることはない。その結果、保護層を形成したとき保護層表面が平坦化しやすく、カラーフィルタと対向基板とを平行に保持しやすくなる。また、本実施形態では、親水性のガラス基板に予備吐出インクを付着させているので、予備吐出インクとガラス基板との密着性が十分であり、図16の場合に比べて膜剥れの発生をかなり抑制できる。このように凹部内に予備吐出を行うことで、カラーフィルタ表面が平滑性を有するようになり、且つ膜剥れの発生を抑制することができる。
【0100】
上記のように予備吐出動作を実行した後に、第1の凹部内の各々に対してインクを吐出して各着色部の形成を行う。このようにして着色されたカラーフィルタを図14に示す。図14では、RGBの着色部3の列がストライプ状に形成されている。また、第2の凹部内に予備吐出された、RGBの3色のインクにより非表示部が形成されている。この非表示部は、黒色を呈している。尚、着色部は、ユーザーに視覚的に色を認識させるための部分であり、情報の表示を行うための部分でもあるので、表示部ということもできる。
【0101】
次に、基板とインクジェットヘッドとを相対的に移動させながら隔壁を備えた基板に向けてインクを吐出し着色を行っていく様子を、図17〜図19を用いて説明する。尚、図17は、カラーフィルタの着色工程を示すフローチャートであり、図18、図19は予備吐出領域(第2の凹部)と表示領域領域の位置関係を示した図である。また、本実施形態では、基板を載せたステージとインクジェットヘッドとを相対的に一回または複数回走査させながら、第1の凹部内にインクを吐出して各着色部を形成する。その際、表示領域の第1の凹部のうち端部に位置する凹部に対する着色を開始する前に、第2の凹部(予備吐出領域)に対してインクを適宜吐出させている。
【0102】
まず、図17のステップS1において、カラーフィルタ製造装置90のXYθステージ52上にカラーフィルタ基板53をセットし、位置決めを行う。本実施形態では、図18・図19に示すようなカラーフィルタ基板を用いる。すなわち、1枚のカラーフィルタ基板から多数枚のカラーフィルタを取ることが可能な基板である。この図18・図19では、基板の大きさが360mm×460mmの場合を示しており、10インチサイズのカラーフィルタであれば、その中に4枚のカラーフィルタ54a、54b,54c,54dを形成することが可能である。尚、本実施形態では、予備吐出領域(第2の凹部)32bと、カラーフィルタとして機能することになる第1の凹部(表示部)を含む表示領域35とを共に有する基板を用いることとする。
【0103】
次に、ステップS2において、カラーフィルタ基板53とインクジェットヘッド120とを相対的に移動させて、基板53の予備吐出領域32b(32b−(A))の真上にインクジェットヘッド55を位置させる。この相対移動はXYθステージ52を移動させることにより実行しても良いし、インクジェットヘッドを移動させることにより実行しても良い。
【0104】
次に、ステップS3において、インクジェットヘッド55から予備吐出領域32b(32b−(A))に対してインクを吐出する(予備吐出工程)。また、カラーフィルタとして機能する表示部と、この表示部を有する表示領域の外側にある予備吐出領域との位置関係は、図18のように表示領域35の片側にだけ形成されていてもよいし、図19のように表示領域35の両側に形成されていてもよい。いずれにせよ、本実施形態では第1の凹部を着色する直前に、カラーフィルタ基板上であってカラーフィルタとして機能しない領域(予備吐出領域32b)に対して予備吐出を行っている。これは、予備吐出を行ってから第1の凹部を着色するまでの時間を短くするためである。予備吐出を行ってから第1の凹部を着色するまでの時間を短くすることで、インクの吐出を休止して吐出を再開するまでの時間が長くなることに起因して生じるインク吐出の不安定性を低減することができるとともに、第1の凹部の着色の際には常にインクの吐出状態を安定化させることができる。
【0105】
ステップS3にて予備吐出動作を行った後、ステップS4において、カラーフィルタ基板53とインクジェットヘッド55とを相対的に移動させながら、インクジェットヘッドから基板に対してインクを吐出して複数の第1の凹部を着色する。このステップS4では、基板とヘッドとの相対移動を1回行う。すなわち、図18における32bの位置からY2の位置まで基板をヘッドに対して相対走査させるのである。その後、ステップS5へ進む。ステップS5において、予め設定された所定の回数だけ、ヘッドと基板とを相対移動させたかどうかを判定する。所定回数移動させたと判定されれば、ステップS6へ進み、そのカラーフィルタ基板の着色は終了する。一方、ステップS5において所定回数移動させていなければ、ステップS2へ戻り、ステップS2以降の工程を繰り返す。すなわち、今度はヘッドがY2に位置しているので、Y1の方向に向けてヘッドと基板とを相対走査させて、ヘッドが予備吐出領域32b(32b−(B))の真上にくるようにし、予備吐出領域32b(32b−(B))に対して予備吐出を行い、その後、第1の凹部を着色していくのである。上記から分かるように、1回目・3回目…等の奇数回目の相対走査では、32b−(A)もしくは32b−(C)の予備吐出領域に対して予備吐出を実行するのに対し、2回目・4目…等の偶数回目の相対走査では、32b−(B)もしくは32b−(D)の予備吐出領域に対して予備吐出を実行する。このように1回走査する度に予備吐出を行っているので、走査と走査の間の休止によって生じる吐出安定性の低下を招くことがない。また、奇数回目の相対走査では基板に対してヘッドをY1からY2の方向へ移動するのに対し、偶数回目の相対走査では基板に対してヘッドをY2からY1の方向へ移動する。
【0106】
尚、上記ステップS3における予備吐出を実行するタイミングや位置は、上述したタイミングや位置に限られるものでない。上記ステップS3では、図18に示すような位置に対して予備吐出動作を行うと説明したが、本実施形態では図19に示すような位置に対して予備吐出を行ってもよい。すなわち、図19に示すように表示領域35の両側に予備吐出を行ってもよい。この場合、1回の走査中では、下記▲1▼〜▲6▼の工程が順々に行われる。▲1▼予備吐出領域32b−(A)に予備吐出を行う工程、▲2▼カラーフィルタ54aにおける第1の凹部にインク吐出を行う工程、▲3▼予備吐出領域32b−(E)に予備吐出を行う工程、▲4▼予備吐出領域32b−(F)に予備吐出を行う工程、▲5▼カラーフィルタ54bにおける第1の凹部にインク吐出を行う工程、▲6▼予備吐出領域32b−(B)に予備吐出を行う工程。図19のように両側に予備吐出を行うことでインク吐出状態の更なる安定化が図れる。
【0107】
このように予備吐出動作を実行することで、インク吐出開始時において吐出量の不安定性や吐出方向の不安定性等が存在したとしても、表示領域内を着色するときには吐出状態が安定化しているため、混色がなく且つ均一な色濃度を有するカラーフィルタを製造することができる。
【0108】
尚、上記では第2の凹部(予備吐出領域)内は全く区画されていないが、第2の凹部内を複数に区画してもよい。
【0109】
[実施例]
上記第1の実施形態を適用した、より具体的な実施例を以下に説明する。
【0110】
(実施例1)
13.3インチサイズのガラス基板上に黒色顔料含有レジスト(商品名:BK−739P,新日鐵化学社製)をスピンコート法により塗布し、露光、現像、熱処理により、厚さ1.0μmのブラックマトリクスパターン(BMパターン)を形成した。尚、ここでは図12に示すようなBMパターンを形成した。次いで、インクジェットヘッドにより該ブラックマトリクスの開口部(凹部)に対して、R、G、Bの各インクを付与した。尚、インクとしては下記の組成のものを用いた。
【0111】
(Rインク)
C.I.アシッドレッド 118 5重量部
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 0.5重量部
エチレングリコール 20重量部
エチルセロソルブ 15重量部
エチルアルコール 2重量部
イオン交換水 53.5重量部
以下の▲1▼〜▲4▼からなるアクリル系共重合体 4重量部
▲1▼アクリル酸 3重量部
▲2▼メチルメタクリレート 45重量部
▲3▼ヒドロキシエチルメタクリレート 30重量部
▲4▼N−メチロールアクリルアミド 22重量部
(Gインク)
C.I.アシッドグリーン25 5重量部
以下Rインクに同じ
(Bインク)
C.I.アシッドブルー 113 5重量部
以下Rインクに同じ
【0112】
尚、着色動作は以下のように行った。まず、基板外に設置されている回復ユニットに対して予備吐出動作を行った。その後、インクを吐出しない休止時間を45秒間おき、まず表示領域の周辺の遮光部に設けられた第2の凹部に対して複数色(R,G,B)のインクを5発ずつ吐出させた。その直後に、第1の凹部のうち端部に位置している凹部(端部凹部)から順々にインクを吐出させて表示部(着色部)を形成した。そして、220℃30分間の熱処理により該インク(着色部)を硬化させた。
【0113】
このようにして製造されたカラーフィルタは、端部凹部において異色間の混色は観察されなかった。また、端部凹部に形成された第1の着色部と端部凹部に隣接する凹部に形成された第2の着色部の色差△Eab*(F10光源下、2°視野角における色差)は、0.1から0.5の値を示した。また、予備吐出領域(第2の凹部)に形成された非表示部の光学濃度(OD)は、10カ所測定した平均値が1.15であった。このようにして完成したカラーフィルタを液晶表示装置に組み込んだところ、表示品位は良好であった。
【0114】
(実施例2)
表示領域の着色工程が終了した後に、以下の処方からなる黒色系インクを予備吐出領域(第2の凹部)に吐出し、その後220℃30分間の熱処理により該インクを硬化させた以外は、実施例1と同様の方法及び材料によりカラーフィルタを製造した。
【0115】
(黒インク)
C.I.ダイレクトブラック 154 5重量部
以下Rインクに同じ
【0116】
このようにして製造されたカラーフィルタは、端部凹部で異色間の混色は観察されなかった。また、端部凹部に形成された第1の着色部と端部凹部に隣接する凹部に形成された第2の着色部の色差△Eab*(F10光源下、2°視野角における色差)は、0.1から0.45の値を示した。また、予備吐出領域(第2の凹部)形成された非表示部の光学濃度(OD)は、10カ所測定した平均値が2.2であった。このようにして完成したカラーフィルタを液晶表示装置に組み込んだところ、表示品位は良好であった。
【0117】
(比較例1)
予備吐出領域(第2の凹部)に対して予備吐出動作を実行しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法及び材料によりカラーフィルタを製造した。
【0118】
このようにして製造されたカラーフィルタでは、端部凹部において異色間の混色が7カ所確認された。また、混色していない凹部における、端部凹部に形成された第1の着色部と端部凹部に隣接する凹部に形成された第2の着色部の色差△Eab*(F10光源下、2°視野角における色差)は、3から5の値を示した。このカラーフィルタは、着色部の色濃度の均一化の点において不十分であった。
【0119】
(比較例2)
予備吐出領域に形成される非表示部を10箇所測定したときの平均光学濃度が0.8になるようにインク吐出動作を制御した以外は、実施例1と同様の方法及び材料によりカラーフィルタを製造した。
【0120】
このように製造されたカラーフィルタでは、端部凹部において異色間の混色は観察されなかったが、カラーフィルタを液晶表示装置に組み込んだところ表示領域の周辺部で減法混色領域が視認できた。
【0121】
上記実施例1、2及び上記比較例1とから、予備吐出動作をおこなうことにより混色がなく且つ均一な色濃度のカラーフィルタを製造できることが明らかになった。また、比較例2により、減法混色領域が遮光性の機能を必要とする場合は、光学濃度(OD)を1.0以上にすることが好ましく、光学濃度が1.0以上の場合、表示品位を損なわないことが分かった。
【0122】
以上のように本実施形態によれば、第1の凹部の着色の直前に第2の凹部に対して予備吐出動作を行っているため、第1の凹部を着色する際にはインク吐出状態が安定しており、表示領域における混色の発生を低減あるいは抑制することができる。
【0123】
〔第2の実施形態〕
上記第1の実施形態例では第1の凹部と第2の凹部とが隔壁(仕切り部材)を挟んで隣接するように構成された基板を用いたが、この第2の実施形態では第1の凹部を囲んでいる隔壁(仕切り部材)と第2の凹部を囲んでいる隔壁(仕切り部材)とが接触していないように構成された基板を用いることを特徴としている。この特徴以外の部分は上記第1の実施形態と同じであるので説明を省略する。
【0124】
本実施形態では、表示領域35の周辺の遮光部の更に外側に、隔壁2aにより囲まれる凹部32bを設け、その凹部32b内に予備吐出を行うことを特徴としている。これに関して、図20〜図22を参照しながら詳述する。尚、予備吐出が行われた部分は非表示部となる。
【0125】
図20は、隔壁2a(仕切り部材、例えばBM)により囲まれる複数の凹部32(32a、32b)を有した基板1を示す図であり、着色する前の状態を示している。尚、図20(a)は基板を上から見た上面図であり、図20(b)は図20(a)のA−Aの線で切断した断面図である。図21は、図20の基板に対してインクを吐出する様子を示しており、着色途中の状態を示している。尚、図21(a)は基板を上から見た上面図であり、図21(b)は図21(a)のA−Aの線で切断した断面図である。図22は、着色後の状態を示しており、カラーフィルタが完成した様子を示している。尚、図20〜図22に示されているように、本実施形態では第1の凹部32aを囲んでいる隔壁2aと第2の凹部32bを囲んでいると隔壁2aとが接触しておらず、第2の凹部32bはカラーフィルタ54と分離できるように構成されている。
【0126】
図20において、1はガラス基板、2aは凹部32を形成するための隔壁である。32は隔壁により囲まれる凹部であり、第1の凹部32aと第2の凹部32bとから構成される。第1の凹部32aは表示のために用いられ、表示部を形成するための部分であり、第2の凹部32bは表示には用いられず、非表示部を形成するための部分である。第1の凹部32aは色を表す領域として機能し、該第1の凹部の各々にはRGBの各着色部が形成される。第2の凹部32bは予備吐出領域として機能し、該第2の凹部32bには2色以上のインクが予備吐出される。35は表示に用いられる複数の表示部を有する表示領域である。37は表示領域35の周辺の領域である周辺領域であり、この周辺領域には遮光部が形成されている。
【0127】
第1の実施形態と同様に本実施形態においても、インク吐出状態を安定化させるために、表示部となる第1の凹部内にインクを吐出する前に、予備吐出動作を行っている。図21(a)及び図21(b)で示すように、第1凹部32a内にインクを吐出する前に、表示領域35の周辺の遮光部の外側に形成された第2の凹部32bに向けてインクを吐出(予備吐出)するようにしている。このように第2の凹部に対して予備吐出を行うことで、ノズル内のインクがリフレッシュされるため、第1の凹部32aに対してインクを吐出する際の吐出状態を安定化させることができる。尚、この第2の凹部32bは表示に用いられず非表示部39となる部分であるため、複数色のインクを予備吐出させて第2の凹部内で混合させても問題は生じない。
【0128】
上記のように予備吐出動作を実行した後に、第1の凹部内の各々に対してインクを吐出して各着色部の形成を行う。このようにして着色されたカラーフィルタを図22に示す。図22では、RGBの着色部3の列がストライプ状に形成されている。また、第2の凹部32b内に予備吐出された、RGBの3色のインクにより非表示部が形成されている。この非表示部は、黒色を呈している。
【0129】
このようにしてカラーフィルタが形成された後、図22のB線を切断することによりカラーフィルタ54と非表示部39とを分離することが可能である。不要な非表示部39を分離することで、ITO膜形成工程・配向膜形成工程等の後工程において上記非表示部が原因で何らかの不具合が生じるという虞がない。また、製造時間の短縮を重視するのであれば、上記切断を行なう必要はない。尚、第1の凹部を形成するための隔壁の材料(第1の材料)と第2の凹部を形成するための隔壁の材料(第2の材料)とは同じでなくても構わない。第1の材料は遮光性機能を有する材料が好ましいが、第2の材料は遮光性機能を有する必要はない。第2の材料としては、例えば感光性樹脂が適用可能である。また、第1の材料と第2の材料とが同じである場合、第1の凹部と第2の凹部を一度に形成する方が時間の短縮化の観点から好ましい。
【0130】
ここで、第1の実施形態における効果と第2の実施形態における効果の差違について述べる。下記(i)と(ii)が主な効果の差違である。(i)第1の実施形態では表示領域の周辺の遮光部に第2の凹部を設けており、第1の凹部と第2の凹部とが隣接しているのに対し、第2の実施形態では表示領域の周辺の遮光部の外側に第2の凹部を設けており、第1の凹部と第2の凹部とが隣接していない。このように第2の実施形態に比べ第1の実施形態の方が第1の凹部と第2の凹部の距離が短いため、予備吐出の効果がより高く、インク吐出状態をより安定化させることができる。(ii)第1の実施形態では非表示部がカラーフィルタの額縁部分の一部となっているのに対し、第2の実施形態では非表示部はカラーフィルタの額縁部分の一部とはならず、額縁は隔壁(BM)のみで形成されている。このように第2の実施形態では額縁がBMのみで形成されているため、光学濃度の点で第1の実施形態より好ましい。
【0131】
[実施例]
上記第2の実施形態を適用した、より具体的な実施例を以下に説明する。
【0132】
(実施例3)
13.3インチサイズのガラス基板上に黒色顔料含有レジスト(商品名:BK−739P,新日鐵化学社製)をスピンコート法により塗布し、露光、現像、熱処理により、厚さ1.0μmのブラックマトリクスパターン(BMパターン)を形成した。尚、ここでは図20に示すようなBMパターンを形成した。次いで、インクジェットヘッドにより該ブラックマトリクスの開口部(凹部)に対して、R、G、Bの各インクを付与した。尚、インクとしては下記の組成のものを用いた。
【0133】
(Rインク)
C.I.アシッドレッド 118 5重量部
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 0.5重量部
エチレングリコール 20重量部
エチルセロソルブ 15重量部
エチルアルコール 2重量部
イオン交換水 53.5重量部
以下の▲1▼〜▲4▼からなるアクリル系共重合体 4重量部
▲1▼アクリル酸 3重量部
▲2▼メチルメタクリレート 45重量部
▲3▼ヒドロキシエチルメタクリレート 30重量部
▲4▼N−メチロールアクリルアミド 22重量部
(Gインク)
C.I.アシッドグリーン25 5重量部
以下Rインクに同じ
(Bインク)
C.I.アシッドブルー 113 5重量部
以下Rインクに同じ
【0134】
尚、着色動作は以下のように行った。まず、基板外に設置されている回復ユニットに対して予備吐出動作を行った。その後、インクを吐出しない休止時間を45秒間おき、まず表示領域の周辺の遮光部の外側に設けられた第2の凹部に対して複数色(R,G,B)のインクを5発ずつ吐出させた。その直後に、第1の凹部のうち端部に位置している凹部(端部凹部)から順々にインクを吐出させて表示部(着色部)を形成した。そして、220℃30分間の熱処理により該インク(着色部)を硬化させた。
【0135】
このようにして製造されたカラーフィルタは、端部凹部において異色間の混色は観察されなかった。また、端部凹部に形成された第1の着色部と端部凹部に隣接する凹部に形成された第2の着色部の色差△Eab*(F10光源下、2°視野角における色差)は、0.3から0.44の値を示した。このようにして完成したカラーフィルタを液晶表示装置に組み込んだところ、表示品位は良好であった。
【0136】
(比較例3)
予備吐出領域(第2の凹部)に対して予備吐出動作を実行しなかったこと以外は、実施例3と同様の方法及び材料によりカラーフィルタを製造した。
【0137】
このようにして製造されたカラーフィルタでは、端部凹部において異色間の混色が10カ所確認された。また、混色していない凹部における、端部凹部に形成された第1の着色部と端部凹部に隣接する凹部に形成された第2の着色部の色差△Eab*(F10光源下、2°視野角における色差)は、2から5.5の値を示した。このカラーフィルタは、着色部の色濃度の均一化の点において不十分であった。
【0138】
上記実施例3及び上記比較例3とから、予備吐出動作をおこなうことにより混色がなく且つ均一な色濃度のカラーフィルタを製造できることが明らかになった。
【0139】
以上のように本実施形態によれば、第1の凹部の着色の直前に第2の凹部に対して予備吐出動作を行っているため、第1の凹部を着色する際にはインク吐出状態が安定しており、表示領域における混色の発生を低減あるいは抑制することができる。
【0140】
〔その他の実施形態〕
なお、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態を修正又は変形したものに適用可能である。
【0141】
例えば、近年TFTアレイ側にカラーフィルタを設けたパネルも存在するが、本明細書で定義しているカラーフィルタは、色材により着色された被着色体であり、TFTアレイ側にあるか否かにかかわらず、どちらも包含する。
【0142】
また、上記実施形態ではR・G・Bの色材を用いた場合について説明したが、色材はこれに限定されるものではなく、例えば、C(シアン)・M(マゼンタ)・Y(イエロー)の色材を用いることができる。特に、反射型のカラーフィルタの場合、CMYの色材を用いることが有効である。
【0143】
また、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲で種々に変更して適用することが可能である。
【0144】
本発明は、たとえば、EL(エレクトロルミネッセンス、electroluminesence)表示素子の製造方法や製造装置等にも適用可能である。EL表示素子は、蛍光性の無機および有機化合物を含む薄膜を、陰極と陽極とで挟んだ構成を有し、前記薄膜に電子および正孔(ホール)を注入して再結合させることにより励起子を生成させ、この励起子が失活する際の蛍光或いは燐光の放出を利用して発光させる素子である。こうしたEL表示素子に用いられる蛍光性材料のうち、赤、緑および青色の発光色を呈する材料を本発明の製造装置を用いて、TFT等の素子基板上にインクジェット法によりパターニングすることで、自発光フルカラーEL表示素子を製造することができる。本発明には、このようなEL表示素子、該表示素子の製造方法及びその製造装置等も含まれる。
【0145】
本発明の製造装置は、EL材料が付着しやすいように、樹脂レジスト、画素電極および下層となる層の表面に対し、プラズマ処理、UV処理、カップリング処理等の表面処理工程を実行するための手段を有するものであってもよい。
【0146】
本発明の製造方法を用いて製造したEL表示素子は、セグメント表示や全面同時発光の静止画表示等のローインフォメーション分野にも利用できるし、点・線・面形状をもった光源としても利用することができる。さらに、パッシブ駆動の表示素子をはじめ、TFT等のアクティブ素子を駆動に用いることで、高輝度で応答性の優れたフルカラー表示素子を得ることが可能である。
【0147】
以下に、本発明により製造される有機EL素子の一例を示す。図23に、有機EL素子の積層構造断面図を示す。図23に示す有機EL素子は、透明基板3001、隔壁(仕切り部材)3002、発光層(発光部)3003、透明電極3004および金属層3006を備えている。また、3007は、透明基板3001と透明電極3004とから構成される部分を示しており、これを駆動基板と呼ぶ。
【0148】
透明基板3001としては、EL表示素子としての透明性や機械的強度等の必要特性を有していれば特に限定されるものではなく、例えば、ガラス基板やプラスチック基板等の光透過性の基板が適用可能である。
【0149】
隔壁(仕切り部材)3002は、液体付与ヘッドから発光層3003となる材料を付与するに際し隣接する画素間で該材料が混合しないように画素と画素の間を隔離するための機能を有するものである。すなわち、隔壁3002は混合防止壁として機能するのである。また、この隔壁3002を透明基板3001上に設けることにより、基板上には複数の凹部(画素領域)が形成される。尚、隔壁3002は、該材料に対して親和性の異なる多層構造であっても問題無い。
【0150】
発光層3003は、電流を流すことにより発光する材料、例えばポリフェニレンビニレン(PPV)等公知の有機半導体材料を使用して、十分な光量が得られる厚み、例えば0.05μm〜0.2μm程度積層して構成される。発光層3003はインクジェット方式によって薄膜材料液(自発光材料)を隔壁3002で囲まれる凹部に充填し加熱処理することで形成される。
【0151】
透明電極3004は、導電性がありかつ光透過性のある材料、例えばITO等により構成されている。透明電極3004は、画素単位で発光させるために、画素領域ごとに独立して設けられている。
【0152】
金属層3006は、導電性のある金属材料、例えばアルミニウムリチウム(Al−Li)を0.1μm〜1.0μm程度積層して構成される。金属層3006は、透明電極3004に対向する共通電極として作用するように形成されている。
【0153】
駆動基板3007は、図示しない薄膜トランジスタ(TFT)、配線膜および絶縁膜等が多層に積層されており、金属層3006および各透明電極3004間に画素単位で電圧を印加可能に構成されている。駆動基板3007は公知の薄膜プロセスによって製造される。
【0154】
上記のような層構造を有する有機EL素子において、透明電極3004と金属層3006との間に電圧が印加された画素領域では、発光層3003に電流が流れ、エレクトロルミネッセンス現象を生じ、透明電極3004および透明基板3001を通して光が射出されるようになっている。
【0155】
ここで、有機EL素子の製造工程について説明する。
【0156】
図24は、有機EL素子の製造工程の一例を示したものである。以下、図24に沿って、各工程(a)〜(d)について説明する。
【0157】
工程(a)
まず、透明基板3001としてガラス基板を用い、これに図示しない薄膜トランジスタ(TFT)、配線膜および絶縁膜等を多層に積層したうえ、透明電極3004を形成して画素領域に電圧を印加できるようにする。
【0158】
工程(b)
次に、隔壁3002を各画素間にあたる位置に形成する。隔壁3002は、発光層となるEL材料液をインクジェット法によって付与する際に隣接する画素間でEL材料液が混合しないようにするための混合防止壁として機能するものであればよい。ここでは、黒色の材料を添加したレジストを用いてフォトリソグラフィー法により形成するが、本発明はこれには限定されず、種々の材料、色、形成方法等が使用可能である。
【0159】
工程(c)
次に、インクジェット方式よってEL材料を隔壁3002で囲まれる凹部に充填し、その後加熱処理することで発光層3003を形成する。
【0160】
工程(d)
さらに、発光層3003上に金属層3006を形成する。
【0161】
この様な工程(a)〜(d)を経ることによって、簡便な工程でフルカラーのEL素子を形成することが可能となる。特にカラーの有機EL素子を形成する場合には、赤、緑または青などの異なる発光色を有する発光層を形成する必要があるため、任意の位置に所望のEL材料を吐出可能なインクジェット方式を用いることは有効である。
【0162】
尚、本発明では、隔壁に囲まれる凹部内に、表示に用いられるための材料を充填することで表示部を形成しており、カラーフィルタであれば着色部が上記表示部に相当し、EL素子であれば発光部が上記表示部に相当する。上記着色部や発光部を含む表示部は、情報の表示のために用いられる部分であり、視覚的に色を認識するための部分でもある。
【0163】
また、カラーフィルタの着色部やEL素子の発光部は、色を生じさせる(色が発さられる)部分でもあるため発色部というもできる。例えば、カラーフィルタの場合、バックライトによる光が着色部を通過してRGBの光が発せられ、また、EL素子の場合、発光部が自発光することによりRGBの光が発せられる。
【0164】
また、インクや自発光材料は、上記発色部を形成するための材料であるので、発色を生じさせる材料ということもできる。またインクや自発光材料は、液体であるので、総称して液体材料ということもできる。また、インクや自発光材料は、表示に用いられる表示部を形成するための材料でもある。
【0165】
また、上記では、カラーーフィルタを製造するに際し、画素領域(第1の凹部)において混色が発生することを起こりにくくすることができると説明した。一方、EL素子の製造の場合、画素領域(第1の凹部)において複数の自発光材料が混ざり合うことを起こりにくくすることができる。
【0166】
以上のように本発明は、隔壁により囲まれる複数の凹部に材料を充填して複数の表示部が形成された素子、例えばカラーフィルタ・EL素子等を含む表示装置に使用される表示素子(光学素子)に適用可能である。尚、この表示装置用の素子は上記カラーフィルタ及びEL表示素子に限定されるものでなく、基板上に設けられた凹部に液体材料を充填していくことにより形成された素子であって、表示装置に利用できる素子全般を含むものである。
【0167】
本発明は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式のプリント装置について説明したが、かかる方式によれば記録の高密度化、高精細化が達成できる。
【0168】
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて膜沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に1対1で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状をすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0169】
このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0170】
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用面が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスロットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59-123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59-138461号公報に基づいた構成としても良い。
【0171】
さらに、記録装置が記録できる最大記録媒体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているような複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0172】
加えて、装置本体に装着されることで、装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いてもよい。
【0173】
また、本発明の記録装置の構成として設けられる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助手段等を付加することは本発明の効果を一層安定にできるので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対しての加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを行うことも安定した記録を行うために有効である。
【0174】
以上説明した本発明実施形態においては、インクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクであっても、室温で軟化もしくは液化するものを用いても良く、使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであればよい。
【0175】
加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネルギーとして使用せしめることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化するインクを用いても良い。いずれにしても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では既に固化し始めるもの等のような、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も本発明は適用可能である。このような場合インクは、特開昭54-56847号公報あるいは特開昭60-71260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明においては、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0176】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、表示部を形成するための第1の凹部において、複数の材料が混ざり合うことを起こりにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カラーフィルタの製造装置の一実施形態の構成を示す概略図である。
【図2】カラーフィルタの製造装置の動作を制御する制御部の構成を示す図である。
【図3】カラーフィルタの製造装置に使用されるインクジェットヘッドの構造を示す図である。
【図4】インクジェットヘッドのヒータに印加される電圧波形を示した図である。
【図5】カラーフィルタの製造工程の一例を示した図である。
【図6】一実施形態のカラーフィルタを組込んだカラー液晶表示装置の基本構成の一例を示す断面図である。
【図7】一実施形態のカラーフィルタを組込んだカラー液晶表示装置の基本構成の一例を示す断面図である。
【図8】一実施形態のカラーフィルタを組込んだカラー液晶表示装置の基本構成の一例を示す断面図である。
【図9】液晶表示装置を情報処理装置に適用した場合の概略構成を示すブロック図である。
【図10】液晶表示装置が使用される情報処理装置を示した図である。
【図11】液晶表示装置が使用される情報処理装置を示した図である。
【図12】第1の実施形態において用いた基板を示す図である。
【図13】図12の基板に対してインクを吐出する様子を示した図である。
【図14】第1の実施形態において製造されたカラーフィルタを示す図である。
【図15】遮光部上に予備吐出されたインクが遮光部上を自由に移動してしまい混色を発生させる場様子を示した図である。
【図16】カラーフィルタ54と対向基板24との間に液晶化合物18を充填することにより形成された液晶表示装置の断面図である。
【図17】カラーフィルタの着色工程を示すフローチャートである。
【図18】予備吐出領域と表示領域の位置関係を示した図である。
【図19】予備吐出領域と表示領域の位置関係を示した図である。
【図20】第2の実施形態において用いた基板を示す図である。
【図21】図20の基板に対してインクを吐出する様子を示した図である。
【図22】第2の実施形態において製造されたカラーフィルタを示す図である。
【図23】EL素子の構成の一例を示す図である。
【図24】EL素子の製造工程の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 基板
2 ブラックマトリクス
2a 隔壁
3 着色部(表示部)
8 保護層
11 偏光板
16 共通電極
17 配向膜
18 液晶化合物
19 配向膜
20 画素電極
21 ガラス基板
22 偏光板
24 対向基板
23 バックライト
30 液晶表示装置
32 凹部
32a 第1の凹部
32b 第2の凹部
35 表示領域
37 周辺領域
39 非表示部
51 装置架台
52 XYθステージ
53 カラーフィルタ基板
54 カラーフィルタ
55 インクジェットヘッド
56 テレビカメラ
58 制御コントローラ
59 ティーチングペンダント(パソコン)
60 キーボード
102 ヒータ
104 ヒータボード
106 天板
108 吐出口
110 液路
112 隔壁
114 液室
116 インク供給口
150 スペーサー
151 予備吐出インク
160 平坦性の悪い部分
163 予備吐出インクと遮光部との接触部分

Claims (15)

  1. 基板上に設けた仕切り部材により囲まれる複数の凹部内にインクジェットヘッドから複数色のインクを吐出して複数色の着色部を有するカラーフィルタを製造する方法であって、
    表示に用いられる着色部を形成するための第1の凹部と、表示には用いられない非表示部を形成するための、前記第1の凹部が存在する領域の周辺領域にある第2の凹部とを共に有する基板を用意する工程と、
    前記基板上の前記第2の凹部に対し前記インクジェットヘッドから前記複数色のインクを予備吐出した後に、前記基板上の前記第1の凹部の各々に対し前記インクジェットヘッドから各色のインクを吐出することで前記着色部を形成する工程とを備え、
    前記周辺領域にある第2の凹部に形成される非表示部は、前記第2の凹部内に吐出される前記複数色のインクが混ざり合うことで形成され、且つ黒色を呈することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  2. 前記第1の凹部と前記第2の凹部とは前記仕切り部材を挟んで隣接していることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
  3. 前記第1の凹部を囲んでいる仕切り部材と前記第2の凹部を囲んでいる仕切り部材とは接触していないことを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
  4. 前記複数色のインクは、赤色のインク、青色のインク、緑色のインクを含み、
    前記第2の凹部に形成される非表示部は、前記第2の凹部内に吐出される赤色のインク、青色のインク、緑色のインクが混ざり合うことで形成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
  5. 基板上に設けた仕切り部材により囲まれる複数の凹部内にインクジェットヘッドから赤色、青色、緑色のインクを吐出して複数の着色部を有するカラーフィルタを製造する方法であって、
    表示に用いられる着色部を形成するための第1の凹部と、前記第1の凹部が存在する領域の周辺領域にある第2の凹部であって、表示には用いられない非表示部を形成するための第2の凹部とを共に有する基板を用意する工程と、
    前記基板上の前記第2の凹部に対し前記インクジェットヘッドから赤色、青色、緑色のインクを予備吐出した後に、前記基板上の前記第1の凹部の各々に対し前記インクジェットヘッドから各色のインクを吐出することで前記着色部を形成する工程とを備え、
    前記周辺領域にある第2の凹部に形成される非表示部は、前記第2の凹部内に吐出される赤色、青色、緑色のインクが混ざり合うことで形成されることを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  6. 1枚の前記基板から、前記着色部と前記非表示部を備えたカラーフィルタは複数枚形成され、
    各カラーフィルタの第1凹部に前記インクジェットヘッドからインクを吐出する直前に、各カラーフィルタの第2の凹部に前記インクジェットヘッドからインクを予備吐出することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のカラーフィルタ製造方法。
  7. 前記第2の凹部に対し前記インクジェットヘッドから黒色系のインクを吐出する工程を更に備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
  8. 前記第2の凹部に形成される前記非表示部は、黒色且つ光学濃度が1.0以上であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
  9. 基板上に設けた仕切り部材により囲まれる複数の凹部内にインクジェットヘッドから複数色のインクを吐出して複数色の着色部を有するカラーフィルタを製造するための装置であって、
    表示に用いられる着色部を形成するための第1の凹部と表示には用いられない非表示部を形成するための、前記第1の凹部が存在する領域の周辺領域にある第2の凹部とを共に有する基板と、前記インクジェットヘッドとを相対的に移動させるための移動手段と、
    前記移動手段によって前記基板と前記インクジェットヘッドを相対移動させながら、前記基板上の第2の凹部に対し前記インクジェットヘッドから前記複数色のインクを予備吐出した後に、前記基板上の前記第1の凹部の各々に対し前記インクジェットヘッドから各色のインクを吐出することで前記着色部を形成するように、前記インクジェットヘッドと前記移動手段とを制御するための制御手段とを備え、
    前記周辺領域にある第2の凹部に形成される非表示部は、前記第2の凹部内に吐出される前記複数色のインクが混ざり合うことで形成され、且つ黒色を呈することを特徴とするカラーフィルタの製造装置。
  10. 基板上に設けた仕切り部材により囲まれる複数の凹部内に複数色のインクが充填されてなる複数色の着色部を有するカラーフィルタであって、
    表示を行うために用いられ、前記基板上の第1の凹部の各々に前記複数色のインク各々が充填されてなる着色部と、
    表示には用いられず、前記第1の凹部が存在する領域の周辺領域にある前記基板上の第2の凹部に前記複数色のインクが予備吐出されて充填されてなる非表示部とを有し、
    前記周辺領域にある第2の凹部に形成される非表示部は、前記複数色のインクが混ざり合うことで形成され、且つ黒色を呈することを特徴とするカラーフィルタ。
  11. 前記着色部は、赤色の着色部、青色の着色部、緑色の着色部を含み、
    前記非表示部は、赤色、青色、緑色のインクが混ざり合って黒色を呈していることを特徴とする請求項10に記載のカラーフィルタ。
  12. 前記着色部は、シアン色の着色部、マゼンタ色の着色部、イエロー色の着色部を含み、
    前記非表示部は、シアン色、マゼンタ色、イエロー色のインクが混ざり合って黒色を呈していることを特徴とする請求項10に記載のカラーフィルタ。
  13. 前記非表示部の光学濃度は1.0以上であることを特徴とする請求項10乃至12のいずれかに記載のカラーフィルタ。
  14. 基板上に設けた仕切り部材により囲まれる複数の凹部内に複数色のインクが充填されてなる複数色の着色部を有するカラーフィルタを備えた表示装置を製造する方法であって、
    請求項1乃至8のいずれかに記載の製造方法により製造されたカラーフィルタを用意する工程と、
    前記用意されたカラーフィルタと対向基板との間に液晶化合物を充填する工程と、
    を備えることを特徴とする表示装置の製造方法。
  15. 基板上に設けた仕切り部材により囲まれる複数の凹部内にインクが充填されてなる複数の着色部を有するカラーフィルタを用いた表示装置を備えた装置を製造する方法であって、
    請求項14に記載の製造方法により製造された表示装置を用意する工程と、
    表示装置に画像信号を供給するための画像信号供給手段と、前記用意された表示装置を接続する工程と、
    を具備することを特徴とする、表示装置を備えた装置の製造方法。
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