JP2011073596A - 車両用ドアミラー - Google Patents

Abstract

【課題】
従来の車両用ドアミラーに搭載されているミラー構造は、ミラーホルダー底面に形成される突起体とリブによりミラーを厚さ方向に挟持固定させ、さらにミラー本体とミラーホルダーとの間に粘着テープ等を介在させ固定を行っており、部品点数の増加、作業の煩雑さ及び製品コストの増大を招いていた。
【解決手段】
ミラー８の構造は、ミラー本体２とミラーホルダー１で構成されており、前記ミラーホルダー１は、底面部と底面部の周縁から立設されているフランジ部４と該フランジ部端部に形成されるリブ７とからなる構造を成しており、前記底面部３には、突起体５が形成され、該突起体５は、ミラー長手方向とは垂直の稜線を有する波形形状を有する弾性突起５ｂと該波形形状有する弾性突起５ｂの表面に形成される支持突起５ａより成り、前記ミラー本体２は、ミラーホルダー１の前記リブ７と前記突起体５との間で挟持されて固定されている構造を成している。
【選択図】図２

Description

本発明は、車両用ドアミラーに搭載されるミラーの技術分野に関するものである。

一般に、車両用ドアミラーに搭載されるミラーは、ミラー本体と該ミラー本体を保持するミラーホルダーで構成されており、ミラーホルダーは、ピボットプレートを介して、ドアミラーハウジングに設置される鏡面角度調整装置に搭載されている。図６は、従来構造を示すものであり、従来のミラー本体のミラーホルダーへの固定方法は、ミラーホルダーのフランジ端部に形成されるリブとミラーホルダーの底面部に形成される突起体でミラー本体を厚さ方向に挟持する固定方法であり、この固定方法によりミラー本体はミラーホルダーに固定されている。また、前記突起体は、図６（Ｂ）に示されるように弾性変形を容易にする為、片持ち梁Ｊの形状を成している（特許文献１）。

特開２００３−２０５７８５

前記ミラーホルダーの底面部に形成される突起体は、通常片持ち梁形状である為、経時変化により、弾性が低下し易く、所定の押圧力でミラー本体を挟持することができなくなる場合がある。この場合、鏡面振れ性能に影響を来たすことになり、例えば、ミラー本体を反射して乗客により視認される後方からの写像が乱れるおそれがある。そのため、ミラー本体とミラーホルダーの底面部との間に、ミラーホルダーの前記突起体部を避けながら粘着テープ（ブチルテープ等）を介在させ、ミラーホルダーに対するミラー本体の固定の補強を図っていた。結果、部品点数の増加、作業の煩雑さ及び製品コストの増大を招くこととなり、ここに本発明が解決せんとする課題がある。

本発明は、上記の如き実情に鑑みてこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項１の発明は、車両用ドアミラーに搭載されるミラーであって、前記ミラーは、ミラー本体とミラーホルダーを備えており、前記ミラーホルダーは、底面部と底面部の周縁から立設されているフランジ部と該フランジ部端部に形成されるリブとからなる構造を成しており、前記底面部には、突起体が形成され、該突起体は、ミラー長手方向とは垂直の稜線を有する波形形状を有する弾性突起と該波形形状を有する弾性突起の表面に形成される支持突起より成り、前記ミラー本体は、ミラーホルダーの前記リブと前記突起体との間で厚さ方向に挟持されて固定されることを特徴とする車両用ドアミラーに搭載されるミラーである。

請求項２の発明は、請求項１記載の車両用ドアミラーに搭載されるミラーであって、前記突起体は、該突起体背面側のミラーホルダーの底面部に開口部が設けられ、該開口部の周辺部より立設されていることを特徴とする車両用ドアミラーに搭載されているミラーである。請求項３の発明は、請求項１乃至２のいずれか１項に記載の車両用ドアミラーに搭載されるミラーであって、前記突起体を構成する波形形状を有する弾性突起の肉厚は、ミラーホルダー底面部の肉厚より薄いことを特徴とする車両用ドアミラーに搭載されるミラーである。請求項４の発明は、請求項１乃至３のいずれか１項に記載の車両用ドアミラーに搭載されるミラーであって、前記ミラーホルダー底面部には、前記突起体が形成されて
いる位置より、前記フランジ方向外方に弾性支持突起が設けられていることを特徴とする車両ドアミラーに搭載されるミラーである。請求項５の発明は、請求項１乃至４のいずれか１項に記載の車両用ドアミラーに搭載されるミラーであって、前記ミラーホルダーの底面部からフランジ部に繋がる箇所に屈曲部が形成されていることを特徴とする車両ドアミラーに搭載されるミラーである。

請求項１の発明とすることで、粘着テープ等を用いることなく、ミラー本体をミラーホルダーに強固に固定することができ、部品点数の削減及び、作業工数の改善に繋がり、結果コストを削減することができる。また、強固に固定することができるため、鏡面振れの問題が改善される。
請求項２の発明とすることで、容易に突起体を形成することができ、さらに両持ち梁状に突起体が形成されるため、経時変化による弾性の低下を回避することができ、ミラー本体をミラーホルダーへ強固に固定することができる。
請求項３の発明とすることで、弾性変形を容易とし、ミラー本体をミラーホルダーへ容易に組付け固定することができる。
請求項４の発明とすることで、ミラー本体のミラーホルダー固定の際、弾性支持突起より受ける反力により、ミラー周縁部に形成される歪の発生を防止することができる。
請求項５の発明とすることで、ミラーホルダーにスプリング効果を持たせることにより、適切なミラー本体の保持力を得ることができ、組付け作業を容易にすることができる。
また、温度変化を伴う環境下において、ミラーホルダーに発生する熱応力によるミラー本体の歪をミラーホルダーのスプリング効果により、熱応力を緩和させ、歪発生を防止することができる。

本発明に係るミラー本体及びミラーホルダーを示す分解斜視図である。 本発明に係るミラーホルダーに形成された突起体を示す拡大斜視図である。 本発明に係るミラー本体及びミラーホルダーを示す正面図である。 図３のＭ−Ｍ断面図である。 図３のＮ−Ｎ断面図である。 （Ａ）（Ｂ）は、本発明に係る従来構造を示す図である。

以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図１は、車両用ドアミラーに搭載されるミラー８を構成するミラー本体２とミラーホルダー１を示している。通常前記ミラー８は、ピボットホルダーを介して、ドアミラーハウジング本体に装着されている鏡面角度調整装置に取付けられる。ミラーホルダー１には、前記ピボットホルダーを装着するための開口３ａが複数個所設けられている。ミラー本体２には、通常裏面鏡が用いられる。裏面鏡は、ガラスの片面に金属皮膜が形成され、さらにその皮膜上に保護膜が形成されており、この金属及び保護膜が形成される面とは、逆の方向の視界を確認することができる鏡である。

ミラー本体２は、車両のデザイン及び法定視界要件を満足させる為の視界面積を有しており、本実施形態においては、多角形状を有している。また、ミラー本体２が取付けられるミラーホルダー１は、ミラー本体２の形状に沿った外周形状を成しており、底面部３と底面部３の端部より立設されたフランジ部４、該フランジ部４の端部に形成されるリブ７で構成されている。さらに、前記底面部３においては、ミラー本体２を挟持固定する為の突起体５及び弾性支持突起６が形成されている。

ミラー本体２をミラーホルダー１に取り付ける場合、予めミラーホルダー１を暖めてお
き、ミラー本体２を組み込む。ミラー本体２側面は、ミラーホルダーのフランジ部４に接触し、フランジ部４の端部に形成されるリブ７及び突起体５によりガラス面２aにリブ７が接触し、保護膜面に突起体５が接触し、厚さ方向に挟持された状態で固定される。

また、前記ミラーホルダー１には、突起体５が形成されている位置よりもフランジ部４の方向に向けて外向に複数の弾性支持突起６が形成されている。弾性支持突起６は、ミラー本体２がミラーホルダー１に固定された時、ミラー周縁部（図３に示すＬ領域）に形成されるミラー表面の歪を、弾性支持突起６の反力により防止する為に設けられたものである。

次に図２は、ミラーホルダー１に形成される突起体５及び突起体５の外方に形成される弾性支持突起６を現した拡大図である。突起体５は、波形形状を有する弾性突起５ｂと該波形形状を有する弾性突起５ｂの面上に形成された支持突起５ａより構成される。波形形状を有する弾性突起５ｂは、ミラーホルダー１の底面部３に開口形成される開口部５ｃの周縁でミラーホルダー１の長手方向に対向する２辺から突設し形成されており、ミラーホルダー長手方向に対し直交する稜線形状を成している。

また、波形形状を有する弾性突起５ｂの肉厚は、ミラーホルダー１の底面部３の肉厚より薄く形成されている。さらに、支持突起５ａは、円錐形状を成しており、波形形状を有する弾性突起５ｂと一体的に形成されている。尚、開口部５ｃは、突起体５を形成する為、金型が挿入されることにより形成されたものである。

次に図３は、ミラーホルダー１にミラー本体２が取付けられた状態のミラー８の正面図であり、図４、図５は、図３に示すＭ−Ｍ、Ｎ−Ｎの断面を夫々示したものである。図４は、ミラー本体２をミラーホルダー１に形成される突起体５で支持している状態を示したものである。ミラー本体２をミラーホルダー１に形成される突起体５の支持突起５ａで点接触支持させることにより、ミラーホルダー１に対してミラー本体２を長手方向等に容易に移動することができ、ミラー本体２をミラーホルダー１に組付ける際の位置合わせが容易となる。

また、図５は、ミラー本体２がミラーホルダー１に組付けられた状態のミラー８の周縁側面部を示したものである。ミラーホルダー１の底面部３からフランジ部４に繋がる箇所において、断面から見て一部に屈曲部９を形成することにより、底面部3に対しフランジ部４にスプリング効果を持たせることにより、適切なミラー本体２の保持力を得ることができ、ミラー本体２のミラーホルダーへの組付け作業性が容易となる。さらに、ミラーホルダー１は長方多角形状を有している為、熱変形を伴う場合、長手方向の変形量が大きくなる。特に熱収縮を伴う場合は、ミラー本体の周縁部に応力が加わり、ミラー本体２の歪の原因となる。しかし、前記屈曲部９のスプリング効果により、熱応力が緩和され、ミラー本体２の歪発生を防止することができる。

叙述の如く構成された本発明において、ミラー本体２をミラーホルダー１に固定する際、粘着テープ等を必要とせず、構造も簡素化されている為、組付けも容易で、作業工数が減ることによりコストを削減することができる。また、突起体５の波形形状を有する弾性突起５ｂは、両持ち梁構造を成している為、経時変化による弾性力低下を防止でき確実な保持が可能となる。さらに、ミラー本体背面を円錐上の支持突起５ａで押圧するため、ミラー本体２とミラーホルダー１との組付けの際、位置合わせが容易となる。

また、ミラーホルダー１の底面部３からフランジ部４に繋がる箇所に屈曲形状を形成することにより、適切なミラー本体の保持力を得ることができ、組付け作業性が容易となる。さらに、ミラーホルダー１に突起体５以外にそれより外方に弾性支持突起６を形成する
ことにより、ミラー周縁部に形成されるミラー表面の歪の発生を防止することができる。

１ ミラーホルダー
２ ミラー本体
２ａ ガラス面
３ 底面部
３ａ 開口
４ フランジ部
５ 突起体
５ａ 支持突起
５ｂ 波形形状を有する弾性突起
５ｃ 開口部
６ 弾性支持突起
７ リブ
８ ミラー
９ 屈曲部
Ｊ 片持ち梁
Ｋ 粘着テープ
Ｌ ミラー周縁部

Claims (5)

1. 車両用ドアミラーに搭載されるミラーであって、前記ミラーは、ミラー本体とミラーホルダーを備え、前記ミラーホルダーは、底面部と、前記底面部の周縁から立設されているフランジ部と、該フランジ部の端部に形成されるリブとからなる構造を成しており、前記底面部には、突起体が形成され、該突起体は、ミラー長手方向とは垂直の稜線を有する波形形状を有する弾性突起と、該波形形状を有する弾性突起の表面に形成される支持突起より成り、前記ミラー本体は、前記ミラーホルダーの前記リブと前記突起体との間で厚さ方向に挟持されて固定されることを特徴とする車両用ドアミラーに搭載されるミラー。
2. 請求項１記載の車両用ドアミラーに搭載されるミラーであって、該突起体背面側のミラーホルダーの前記底面部に開口部が設けられ、前記突起体は、該開口部の周辺より立設されている特徴とする車両用ドアミラーに搭載されるミラー。
3. 請求項１乃至２のいずれか１項に記載の車両用ドアミラーに搭載されるミラーであって、前記突起体を構成する波形形状を有する弾性突起の肉厚は、ミラーホルダーの前記底面部の肉厚より薄いことを特徴とする車両用ドアミラーに搭載されるミラー。
4. 請求項１乃至３のいずれか１項に記載の車両用ドアミラーに搭載されるミラーであって、前記ミラーホルダーの前記底面部には、前記突起体が形成されている位置より、前記フランジ部の方向に向けて外方に弾性支持突起が設けられていることを特徴とする車両ドアミラーに搭載されるミラー。
5. 請求項１乃至４のいずれか１項に記載の車両用ドアミラーに搭載されるミラーであって、前記ミラーホルダーの前記底面部からフランジ部に繋がる箇所に屈曲部が形成されていることを特徴とする車両ドアミラーに搭載されるミラー。

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