JP2011063768A - グラビアインキ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】片末端領域に2つのヒドロキシル基を有するビニル重合体(A)のヒドロキシル基と、ジイソシアネート(B)のイソシアネート基を反応してなる片末端領域に2つのイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(E)のイソシアネート基と、ポリアミン(C)を含むアミン化合物の一級及び/又は二級アミノ基を反応させてなる分散剤であり、アミン価が1〜100mgKOH/gである分散剤、顔料、及びポリウレタン樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ニトロセルロース樹脂、ポリアミド樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂から選ばれる一種以上のバインダー樹脂、溶剤から構成されることを特徴とするグラビアインキ。
【選択図】なし
Description
一般に、グラビアインキにおいては、顔料を安定に高濃度で分散することが難しく、保存安定性や印刷機上安定性に対して種々の問題を引き起こすことが知られている。例えば、微細な粒子からなる顔料を含む分散体は経時で再凝集し易く、印刷濃度の低下や濃度ムラ、グラビアドクターの劣化に伴う版かぶりなどの不良を生じる。この場合、顔料、顔料誘導体、分散剤、バインダー樹脂、溶剤、添加剤の選択により改善が試みられている。しかし、長期に渡る残肉保存安定性や、長時間にわたる印刷機上安定性の面で要求品質に未達であり、残肉使用期間の短縮や、こまめな印刷管理や検品作業など煩雑な作業を引き起こす問題点を抱えている。
また、前記分散剤が、顔料100重量部に対して3〜12重量部使用されることを特徴とするグラビアインキである。
また、前記グラビアインキが、下記一般式(1)、下記一般式(2)、及び下記一般式(3)で表される酸性置換基を有する色素誘導体の群から選ばれる少なくとも一種類以上の色素誘導体を含み、該色素誘導体が顔料100重量部に対して3〜10重量部使用されることを特徴とするグラビアインキである。
P−Z1
(一般式(1)中、Pは、アゾ系、ベンズイミダゾロン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、ジケトピロロピロール系、キノフタロン系、イソインドリノン系、イソインドリン系、ペリレン系、ペリノン系、フラバンスロン系、ピランスロン系、及びアンスラピリミジン系から選ばれる一種の有機色素残基であり、Z1は、スルホン酸基、又はカルボキシル基である。)
一般式(2):
(P−Z2)[N+(R1,R2,R3,R4)]
(一般式(2)中、Pは、アゾ系、ベンズイミダゾロン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、ジケトピロロピロール系、キノフタロン系、イソインドリノン系、イソインドリン系、ペリレン系、ペリノン系、フラバンスロン系、ピランスロン系、及びアンスラピリミジン系から選ばれる一種の有機色素残基であり、R1は、炭素数5〜20のアルキル基であり、R2,R3,及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1〜20のアルキル基であり、Z2は、SO3 -又はCOO-である。)
一般式(3):
(P−Z2)M+/l
(一般式(3)中、Pは、アゾ系、ベンズイミダゾロン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、ジケトピロロピロール系、キノフタロン系、イソインドリノン系、イソインドリン系、ペリレン系、ペリノン系、フラバンスロン系、ピランスロン系、及びアンスラピリミジン系から選ばれる一種の有機色素残基であり、Mは、ナトリウム原子、カリウム原子、カルシウム原子、バリウム原子、ストロンチウム原子またはアルミニウム原子、lはMの価数であり、Z2は、SO3 -、又はCOO-である。)
また、前記ポリウレタン/ウレア樹脂が、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、低分子ポリオール、ポリイソシアネート、鎖延長剤、末端停止剤を反応させてなることを特徴とするグラビアインキに関する。
本発明に用いる分散剤は、
片末端領域に2つのヒドロキシル基を有するビニル重合体(A)のヒドロキシル基と、
ジイソシアネート(B)のイソシアネート基を反応してなる片末端領域に2つのイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(E)のイソシアネート基と、
ポリアミン(C)[及び場合によりモノアミン(D)]を含むアミン化合物の一級及び/又は二級アミノ基と、
を反応させることによって合成される。
片末端領域に2つのヒドロキシル基を有するビニル重合体(A)(以下、ビニル重合体(A)と略記する場合がある。)は、分子内に2つのヒドロキシル基と1つのチオール基とを有する化合物(a1)の存在下に、エチレン性不飽和単量体(a2)をラジカル重合することで得ることができる。ビニル重合体(A)のビニル重合体部位は、バインダー樹脂等の顔料担体及び分散媒である溶剤に親和性の高い部位であり、下記一般式(4)で表される。
R6は、化合物(a1)からヒドロキシル基とチオール基とを除く残基であり、
R7は、エチレン性不飽和単量体(a2)から二重結合部位及びR8を除く残基であり、
R8は水素原子又はメチル基であり、
nは、2以上の整数、好ましくは3〜200の整数である。
<分子内に2つのヒドロキシル基と1つのチオール基とを有する化合物(a1)>
分子内に2つのヒドロキシル基と1つのチオール基とを有する化合物(a1)(以下、化合物(a1)と表記する場合がある。)としては、分子内に2つのヒドロキシル基と1つのチオール基とを有する化合物であれば特に限定されず、例えば、1−メルカプト−1,1−メタンジオール、1−メルカプト−1,1−エタンジオール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール(チオグリセリン、若しくはチオグリセロールとも言う。)、2−メルカプト−1,2−プロパンジオール、2−メルカプト−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メルカプト−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1−メルカプト−2,2−プロパンジオール、2−メルカプトエチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、又は2−メルカプトエチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。
重合の際、エチレン性不飽和単量体(a2)100重量部に対して、任意に0.001〜5重量部の重合開始剤を使用することができる。重合開始剤としては、アゾ系化合物及び有機過酸化物を用いることができる。好ましくはアゾ系化合物を用いる。
溶液重合の場合には、重合溶媒として、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、トルエン、キシレン、アセトン、ヘキサン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、又はジエチレングリコールジ低級アルキルエーテル等が用いられ、特にこれらに限定されるものではないが、分散安定性と低臭気の観点で、酢酸n−プロピルが特に好ましい。更にイソシアネートの反応性から活性水素基を有しない溶剤が好ましい。
エチレン性不飽和単量体(a2)としては、例えば、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、又はイソボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;
フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、又はフェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート類;
テトラヒドロフルフリール(メタ)アクリレート、又はオキセタン(メタ)アクリレート等の複素環式(メタ)アクリレート類;
メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、又はエトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート類;
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、又はアクリロイルモルホリン等のN置換型(メタ)アクリルアミド類;
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、又はN,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリレート類;あるいは、
(メタ)アクリロニトリル等のニトリル類等が挙げられる。
スチレン、又はα−メチルスチレン等のスチレン類;
エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、又はイソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;
あるいは、酢酸ビニル、又はプロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類等が挙げられる。
上記に例示したエチレン性不飽和単量体(a2)の中でも、分散性及び塗膜耐性の観点から、低級アルキル(メタ)アクリレート(低級アルキル部分の炭素原子数は1〜4)、特にメチルメタクリレートが好ましく用いられ、顔料担体及び分散媒との親和性の観点から、メチルメタクリレートと、n−ブチルメタクリレート又はt−ブチルメタクリレートと、を併用することがより好ましい。エチレン性不飽和単量体(a2)として、メチルメタクリレートを使用し、n−ブチルメタクリレート又はt−ブチルメタクリレートを使用しない場合には、エチレン性不飽和単量体(a2)の合計100重量%中、メチルメタクリレートの割合が30〜100重量%であることが好ましく、50〜100重量%であることがより好ましい。また、エチレン性不飽和単量体(a2)として、メチルメタクリレートと、n−ブチルメタクリレート又はt−ブチルメタクリレートと、を併用する場合には、両者の合計が、エチレン性不飽和単量体(a2)の30〜100重量%を占めることが好ましく、50〜100重量%を占めることがより好ましい。エチレン性不飽和単量体(a2)として、メチルメタクリレートを使用した場合、更には、メチルメタクリレートと、n−ブチルメタクリレート又はt−ブチルメタクリレートと、を併用した場合には、顔料分散性がより良好となる。メチルメタクリレートと、n−ブチルメタクリレート又はt−ブチルメタクリレートと、の共重合部位は、分散性等の基本物性を保ちつつ、バインダー樹脂や分散溶媒との親和性もよく、汎用性が高い。
W1からWnは、使用している各単量体の重量分率を示し、Tg1からTgnは、各単量体から得られるそれぞれのホモポリマーのガラス転移温度(単位は絶対温度「K」)を示す。
メチルメタクリレート:105℃(378K)
n−ブチルメタクリレート:20℃(293K)
t−ブチルメタクリレート:107℃(380K)
ラウリルメタクリレート:−65℃(208K)
2−エチルヘキシルメタクリレート:−10℃(263K)
シクロヘキシルメタクリレート:66℃(339K)
n−ブチルアクリレート:−45℃(228K)
エチルアクリレート:−20℃(253K)
ベンジルメタクリレート:54℃(327K)
スチレン:100℃(373K)
<ジイソシアネート(B)>
ジイソシアネート(B)としては、ポリウレタン等の合成時に従来から使用されている、公知のものを使用することができ、例えば、芳香族基を有するジイソシアネート(b1)、脂肪族基を有するジイソシアネート(b2)、芳香基及び脂肪族基を有するジイソシアネート(b3)、又は脂環族基を有するジイソシアネート(b4)等が挙げられる。
ポリアミン(C)としては、少なくとも2つの一級及び/又は二級アミノ基を有する化合物であり、イソシアネート基と反応しウレア結合を生成するために用いられる。このようなアミンとしてジアミン(c1)が挙げられる。
エチレンジアミン、プロピレンジアミン[別名:1,2−ジアミノプロパン又は1,2−プロパンジアミン]、トリメチレンジアミン[別名:1,3−ジアミノプロパン又は1,3−プロパンジアミン]、テトラメチレンジアミン[別名:1,4−ジアミノブタン]、2−メチル−1,3−プロパンジアミン、ペンタメチレンジアミン[別名:1,5−ジアミノペンタン]、ヘキサメチレンジアミン[別名:1,6−ジアミノヘキサン]、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、又はトリレンジアミン等の脂肪族ジアミン;
イソホロンジアミン、又はジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミン等の脂環式ジアミン;あるいは、
フェニレンジアミン、又はキシリレンジアミン等の芳香族ジアミン等を挙げることができる。
N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、又はN,N’−ジ−tert−ブチルエチレンジアミン等を挙げることができる。
N−メチルエチレンジアミン[別名:メチルアミノエチルアミン]、N−エチルエチレンジアミン[別名:エチルアミノエチルアミン]、N−メチル−1,3−プロパンジアミン[別名:N−メチル−1,3−ジアミノプロパン又はメチルアミノプロピルアミン]、N,2−メチル−1,3−プロパンジアミン、N−イソプロピルエチレンジアミン[別名:イソプロピルアミノエチルアミン]、N−イソプロピル−1,3−ジアミノプロパン[別名:N−イソプロピル−1,3−プロパンジアミン又はイソプロピルアミノプロピルアミン]、又はN−ラウリル−1,3−プロパンジアミン[別名:N−ラウリル−1,3−ジアミノプロパン又はラウリルアミノプロピルアミン]等挙げることができる。
メチルイミノビスプロピルアミン[別名:N,N−ビス(3−アミノプロピル)メチルアミン]、ラウリルイミノビスプロピルアミン[別名:N,N−ビス(3−アミノプロピル)ラウリルアミン]、イミノビスプロピルアミン[別名:N,N−ビス(3−アミノプロピル)アミン]、N,N’−ビスアミノプロピル−1,3−プロピレンジアミン、又はN,N’−ビスアミノプロピル−1,4−ブチレンジアミン等を挙げることができ、
2つの1級アミノ基と1つの3級アミノ基を有するメチルイミノビスプロピルアミン、又はラウリルイミノビスプロピルアミンは、ジイソシアネートとの反応制御がし易く好ましい。
(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、又はフマール酸等の不飽和カルボン酸;
スチレン、α−メチルスチレン、p−ヒドロキシスチレン、クロロメチルスチレン、インデン、又はビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物;
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、又は2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;
ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルアリールエステル;
グリシジル(メタ)アクリレート、又は2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の官能基を有する(メタ)アクリル酸置換アルキルエステル;
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、又はジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等の三級アミノ基を有する(メタ)アクリル酸置換アルキルエステル;
(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、n−ブチル(メタ)アクリルアミド、tert−ブチル(メタ)アクリルアミド、又はtert−オクチル(メタ)アクリルアミド等のアルキル(メタ)アクリルアミド;
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、又はジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の置換アルキル(メタ)アクリルアミド;
1,3−ブタジエン、又はイソプレン等のジエン化合物;
片末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレートオリゴマー、片末端メタクリロイル化ポリスチレンオリゴマー、又は片末端メタクリロイル化ポリエチレングリコール等の重合性オリゴマー(マクロモノマー);あるいは、
シアン化ビニル等を挙げることができる。
分散剤を構成するアミン化合物としては、ポリアミン(C)の他に、更にモノアミン(D)も使用することができる。モノアミン(D)としては、分子内に第一級アミノ基又は第二級アミノ基を1個有するモノアミン化合物であり、モノアミン(D)は、ジイソシアネート(B)とポリアミン(C)の反応において高分子量化しすぎるのを抑えるため、反応停止剤として使用される。モノアミン(D)は、分子内に第一級アミノ基又は第二級アミノ基以外の他の極性官能基を有していることもできる。このような極性官能基としては、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、シアノ基、ニトロキシル基等が挙げられる。
アミノメタン、アミノエタン、1−アミノプロパン、2−アミノプロパン、1−アミノブタン、2−アミノブタン、1−アミノペンタン、2−アミノペンタン、3−アミノペンタン、イソアミルアミン、N−エチルイソアミルアミン、1−アミノヘキサン、1−アミノヘプタン、2−アミノヘプタン、2−オクチルアミン、1−アミノノナン、1−アミノデカン、1−アミノドデカン、1−アミノトリデカン、1−アミノヘキサデカン、ステアリルアミン、アミノシクロプロパン、アミノシクロブタン、アミノシクロペンタン、アミノシクロヘキサン、アミノシクロドデカン、1−アミノ−2−エチルヘキサン、1−アミノ−2−メチルプロパン、2−アミノ−2−メチルプロパン、3−アミノ−1−プロペン、3−アミノメチルヘプタン、3−イソプロポキシプロピルアミン、3−ブトキシプロピルアミン、3−イソブトキシプロピルアミン、2−エチルヘキシロキシプロピルアミン、3−デシロキシプロピルアミン、3−ラウリロキシプロピルアミン、3−ミリスチロキシプロピルアミン、2−アミノメチルテトラヒドロフラン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルエチルアミン、N−メチルイソプロピルアミン、N−メチルヘキシルアミン、ジイソプロピルアミン、ジn−プロピルアミン、ジn−ブチルアミン、ジsec−ブチルアミン、N−エチル−1,2−ジメチルプロピルアミン、ピペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、2,4−ルペチジン、2,6−ルペチジン、3,5−ルペチジン、3−ピペリジンメタノール、ピペコリニックアシッド、イソニペコチックアシッド、メチルイソニペコテート、エチルイソニペコテート、2−ピペリジンエタノール、4−ピペリジンエタノール、4−ピペリジンブチリックアシッド塩酸塩、4−ピペリジノール、ピロリジン、3−アミノピロリジン、3−ピロリジノール、インドリン、アニリン、N−ブチルアニリン、o−アミノトルエン、m−アミノトルエン、p−アミノトルエン、o−ベンジルアニリン、p−ベンジルアニリン、1−アニリノナフタレン、1−アミノアントラキノン、2−アミノアントラキノン、1−アミノアントラセン、2−アミノアントラセン、5−アミノイソキノリン、o−アミノジフェニル、4−アミノジフェニルエーテル、β−アミノエチルベンゼン、2−アミノベンゾフェノン、4−アミノベンゾフェノン、o−アミノアセトフェノン、m−アミノアセトフェノン、p−アミノアセトフェノン、ベンジルアミン、N−メチルベンジルアミン、3−ベンジルアミノプロピオニックアシッドエチルエーテル、4−ベンジルピペリジン、α−フェニルエチルアミン、フェネシルアミン、p−メトキシフェネシルアミン、フルフリルアミン、p−アミノアゾベンゼン、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、アリルアミン、2−アミノ−2−メチル−プロパノール又はジフェニルアミン等が挙げられる。
ジメチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルエチルアミン、N−メチルイソプロピルアミン、N−メチルヘキシルアミン、ジイソプロピルアミン、ジn−プロピルアミン、ジn−ブチルアミン、ジsec−ブチルアミン、N−エチル−1,2−ジメチルプロピルアミン、ピペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、2,4−ルペチジン、2,6−ルペチジン、3,5−ルペチジン、3−ピペリジンメタノール、2−ピペリジンエタノール、4−ピペリジンエタノール、4−ピペリジノール、ピロリジン、3−アミノピロリジン、又は3−ピロリジノール等が挙げられる。
N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、又はN,N,2,2−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン等の一級アミノ基と三級アミノ基とを有するジアミン;あるいは、
N,N,N’−トリメチルエチレンジアミン等の二級アミノ基と三級アミノ基とを有するジアミンを挙げることができる。
ウレタンプレポリマー(E)は片末端領域に2つのヒドロキシル基を有するビニル重合体(A)のヒドロキシル基と、ジイソシアネート(B)のイソシアネート基と、を反応して得られる。
ウレタンプレポリマー(E)の合成時には、ポリウレタン等の合成触媒として従来から使用されている、公知の触媒(F)を使用することができ、例えば三級アミン系化合物、又は有機金属系化合物等を挙げることができる。
トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルホリン、又はジアザビシクロウンデセン(DBU)等を挙げることができる。
ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジブロマイド、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫スルファイド、トリブチル錫スルファイド、トリブチル錫オキサイド、トリブチル錫アセテート、トリエチル錫エトキサイド、トリブチル錫エトキサイド、ジオクチル錫オキサイド、トリブチル錫クロライド、トリブチル錫トリクロロアセテート、又は2−エチルヘキサン酸錫等を挙げることができる。
ジブチルチタニウムジクロライド、テトラブチルチタネート、又はブトキシチタニウムトリクロライド等のチタン系;
オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、又はナフテン酸鉛等の鉛系;
2−エチルヘキサン酸鉄、又は鉄アセチルアセトネート等の鉄系;
安息香酸コバルト、又は2−エチルヘキサン酸コバルト等のコバルト系;
ナフテン酸亜鉛、又は2−エチルヘキサン酸亜鉛等の亜鉛系;あるいは、
ナフテン酸ジルコニウム等のジルコニウム系を挙げることができる。
分散剤は、顔料の分散性や保存安定性を向上させるために、本発明の分散剤以外の公知分散剤と併用することもできる。そのような公知分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルとの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルとの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、又はステアリルアミンアセテート等を用いることができる。
これらのその他の分散剤の使用量は、顔料分散性の観点から、前記分散剤100重量部に対し50重量部以下が好ましく、40重量部以下がより好ましい。50重量部より多いとインキ塗膜の耐性が悪化してしまう場合がある。
本発明に用いる分散剤は、顔料吸着性部位として、ポリウレタン/ウレア主鎖に、ウレタン結合及びウレア結合、更に好ましくは、一級及び/又は二級及び/又は三級アミノ基を有し、溶剤親和性部位として、側鎖にポリアクリレート鎖を有する構造を特徴としていることから、顔料吸着位部と溶剤親和性部位のバランスが良く、溶剤中で、優れた分散安定性を発現する。
本発明で使用することのできる有機顔料は、特に制限されないが、例えば、
溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、フタロシアニン顔料、ハロゲン化フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、イソインドリン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、ジオキサジン顔料、アントラキノン顔料、ジアンスラキノニル顔料、アンスラピリミジン顔料、アンサンスロン顔料、インダンスロン顔料、フラバンスロン顔料、ピランスロン顔料、又はジケトピロロピロール顔料等があり、
更に具体的な例をカラーインデックスのジェネリックネームで示すと、
ピグメントブラック7、ピグメントブルー15、ピグメントブルー15:1、ピグメントブルー15:3、ピグメントブルー15:4、ピグメントブルー15:6、ピグメントブルー22、ピグメントブルー60、又はピグメントブルー64等の青色顔料;
ピグメントグリーン7、ピグメントグリーン36、又はピグメントグリーン58等の緑色顔料;
ピグメントレッド9、ピグメントレッド48、ピグメントレッド49、ピグメントレッド52、ピグメントレッド53、ピグメントレッド57、ピグメントレッド97、ピグメントレッド122、ピグメントレッド123、ピグメントレッド144、ピグメントレッド146、ピグメントレッド149、ピグメントレッド166、ピグメントレッド168、ピグメントレッド177、ピグメントレッド178、ピグメントレッド179、ピグメントレッド180、ピグメントレッド185、ピグメントレッド192、ピグメントレッド202、ピグメントレッド206、ピグメントレッド207、ピグメントレッド209、ピグメントレッド215、ピグメントレッド216、ピグメントレッド217、ピグメントレッド220、ピグメントレッド221、ピグメントレッド223、ピグメントレッド224、ピグメントレッド226、ピグメントレッド227、ピグメントレッド228、ピグメントレッド238、ピグメントレッド240、ピグメントレッド242、ピグメントレッド254、又はピグメントレッド255等の赤色顔料;
ピグメントバイオレット19、ピグメントバイオレット23、ピグメントバイオレット29、ピグメントバイオレット30、ピグメントバイオレット37、ピグメントバイオレット40、又はピグメントバイオレット50等の紫色顔料;
ピグメントイエロー12、ピグメントイエロー13、ピグメントイエロー14、ピグメントイエロー17、ピグメントイエロー20、ピグメントイエロー24、ピグメントイエロー74、ピグメントイエロー83、ピグメントイエロー86、ピグメントイエロー93、ピグメントイエロー94、ピグメントイエロー95、ピグメントイエロー109、ピグメントイエロー110、ピグメントイエロー117、ピグメントイエロー120、ピグメントイエロー125、ピグメントイエロー128、ピグメントイエロー137、ピグメント、イエロー138、ピグメントイエロー139、ピグメントイエロー147、ピグメントイエロー148、ピグメントイエロー150、ピグメントイエロー151、ピグメントイエロー153、ピグメントイエロー154、ピグメントイエロー155、ピグメントイエロー166、ピグメントイエロー168、ピグメントイエロー180、ピグメントイエロー185、又はピグメントイエロー213等の黄色顔料;
ピグメントオレンジ13、ピグメントオレンジ36、ピグメントオレンジ37、ピグメントオレンジ38、ピグメントオレンジ43、ピグメントオレンジ51、ピグメントオレンジ55、ピグメントオレンジ59、ピグメントオレンジ61、ピグメントオレンジ64、ピグメントオレンジ71、又はピグメントオレンジ74等の橙色顔料;あるいは、
ピグメントブラウン23、ピグメントブラウン25、又はピグメントブラウン26等の茶色顔料が挙げられる。
次に、本発明で使用することのできる酸性置換基を有する色素誘導体について説明する。本発明で使用することのできる酸性置換基を有する色素誘導体としては、下記一般式(1)、下記一般式(2)、及び下記一般式(3)で表される色素誘導体の群から選ばれる少なくとも一種類以上の色素誘導体を挙げることができる。
P−Z1
[一般式(1)中、Pは、アゾ系、ベンズイミダゾロン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、ジケトピロロピロール系、キノフタロン系、イソインドリノン系、イソインドリン系、ペリレン系、ペリノン系、フラバンスロン系、ピランスロン系、及びアンスラピリミジン系から選ばれる一種の有機色素残基であり、Z1は、スルホン酸基又はカルボキシル基である。]
一般式(2):
(P−Z2)[N+(R1,R2,R3,R4)]
(一般式(2)中、Pは、アゾ系、ベンズイミダゾロン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、ジケトピロロピロール系、キノフタロン系、イソインドリノン系、イソインドリン系、ペリレン系、ペリノン系、フラバンスロン系、ピランスロン系、及びアンスラピリミジン系から選ばれる一種の有機色素残基であり、R1は、炭素数5〜20のアルキル基であり、R2,R3,及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1〜20のアルキル基であり、Z2は、SO3 -又はCOO-である。)
一般式(3):
(P−Z2)M+/l
(一般式(3)中、Pは、アゾ系、ベンズイミダゾロン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、ジケトピロロピロール系、キノフタロン系、イソインドリノン系、イソインドリン系、ペリレン系、ペリノン系、フラバンスロン系、ピランスロン系、及びアンスラピリミジン系から選ばれる一種の有機色素残基であり、Mは、ナトリウム原子、カリウム原子、カルシウム原子、バリウム原子、ストロンチウム原子またはアルミニウム原子、lはMの価数であり、Z2は、SO3 -、又はCOO-である。)
本発明のグラビアインキにおける色素誘導体の使用量は、顔料100部に対し3〜10重量部が好ましい。3重量部より少ないと残肉の経時安定が劣る傾向があり、10重量部より多いと、生インキの経時安定性が劣る傾向にあり、版かぶり性やラミネート物性が低下する可能性がある。
<バインダー樹脂>
本発明に用いられるバインダー樹脂は、用途や基材に応じて、様々な樹脂を選択することができる。用いられる樹脂の例としては、ポリウレタン/ウレア樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリニトロセルロース樹脂、これらの樹脂は、単独で、または2種以上を混合して用いることができ、その含有量は、インキの総重量に対して5〜25重量%が好ましい。
エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2メチル−1,3プロパンジオール、2エチル−2ブチル−1,3プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,4−ブチンジオール、1,4−ブチレンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、ソルビトール、ペンタエスリトールなどの飽和または不飽和の低分子ポリオール類(2);
これらの低分子ポリオール類(2)と、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、こはく酸、しゅう酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などの多価カルボン酸あるいはこれらの無水物とを脱水縮合または重合させて得られるポリエステルポリオール類(3);
環状エステル化合物、例えばポリカプロラクトン、ポリバレロラクトン、ポリ(β−メチル−γ−バレロラクトン)等のラクトン類を開環重合して得られるポリエステルポリオール類(4);
前記低分子ポリオール類(2)などと、例えばジメチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、ホスゲン等との反応によって得られるポリカーボネートポリオール類(5);
ポリブタジエングリコール類(6);ビスフェノールAに酸化エチレンまたは酸化プロピレンを付加して得られるグリコール類(7);1分子中に1個以上のヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロプル、アクリルヒドロキシブチル等、或いはこれらの対応するメタクリル酸誘導体等と、例えばアクリル酸、メタクリル酸又はそのエステルとを共重合することによって得られるアクリルポリオール(8);エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン等のオキシラン化合物を、例えば水、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン等の低分子量ポリオールを開始剤として重合して得られるポリエーテルポリオール(9)などが挙げられる。特にポリエーテルポリオールはポリプロピレングリコールが好ましく、ポリエステルポリオールは3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸の重合物が好ましい。
本発明のグラビアインキには、一般的に使用される有機溶剤が広く利用できる。本発明の分散剤が溶解、もしくは均一に分散される有機溶剤であれば特に制限をうけるものではない。
メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、又はn−ブチルアルコール等のアルコール類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−n−アミルケトン、メチルイソアミルケトン、ジエチルケトン、エチル−n−プロピルケトン、エチルイソプロピルケトン、エチル−n−ブチルケトン、エチルイソブチルケトン、ジ−n−プロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、又はイソホロン等のケトン類;
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ヘキシル、酢酸オクチル、乳酸メチル、乳酸プロピル、又は乳酸ブチル等のエステル類;
γ−ブチロラクトン、又はε−カプロラクトン等のラクトン類;
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、又はジプロピレングリコール等のグリコール類;
エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、又はテトラエチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル類;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、又はジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールアセテート類;
n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ノナン、イソノナン、ドデカン、又はイソドデカン等の飽和炭化水素類;
1−ヘキセン、1−ヘプテン、又は1−オクテン等の不飽和炭化水素類;
シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロデカン、又はデカリン等の環状飽和炭化水素類;
シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、1,1,3,5,7−シクロオクタテトラエン、又はシクロドデセン等の環状不飽和炭化水素類;
N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、又は2−ピロリドン等の(N−アルキル)ピロリドン類;
N−メチル−2−オキサゾリジノン等のN−アルキルオキサゾリジノン類;あるいは、
ベンゼン、トルエン、又はキシレン等の芳香族炭化水素類等が挙げられる。
[アミン価の測定方法]
試料を0.5〜2g精秤する。(試料量:Sg)精秤した試料に中性エタノール(BDG中性)30mLを加え溶解させる。得られた溶液を0.2mol/Lエタノール性塩酸溶液(力価:f)で滴定を行なう。溶液の色が緑から黄に変化した点を終点とし、この時の滴定量(AmL)を用い次の(式1)によりアミン価を求めた。
(式1) アミン価=(A×f×0.2×56.108)/S
<ビニル重合体(A)の合成>
ガス導入管、温度計、コンデンサー、及び攪拌機を備えた反応容器に、メチルメタクリレート 500部、チオグリセロール 11部、及び酢酸n−プロピル 511部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を90℃に加熱して、AIBN[2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)] 0.50部を添加した後7時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認後、室温まで冷却して、重量平均分子量9,500の、片末端領域に2つの遊離ヒドロキシル基を有するビニル重合体(A−1)の固形分50%溶液を得た。
ガス導入管、温度計、コンデンサー、及び攪拌機を備えた反応容器に、ビニル重合体(A−1)の固形分50%溶液 1022部と、イソホロンジイソシアネート 45.2部と、酢酸n−プロピル 45.1部と、触媒としてジブチル錫ジラウレート 0.11gを仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を100℃に加熱して、3時間反応した後、40℃まで冷却して無色透明溶液を得た。ガス導入管、温度計、コンデンサー、及び攪拌機を備えた反応容器に、メチルイミノビスプロピルアミン 11.1部、ジブチルアミン 6.6部、酢酸n−プロピル 304.6部の混合液を仕込み、100℃まで加熱して無色透明溶液(B−1)1112.4部を30分かけて滴下し、更に1時間反応した後、室温まで冷却して反応を終了した。固形分を40%に調整し、ポリウレタン/ウレア系塩基性分散剤(F−1)の無色透明溶液を得た。分散剤(F−1)の重量平均分子量は43,200であり、アミン価9.0mgKOH/gであった。
前記ポリウレタン/ウレア系塩基性分散剤(F−1)の合成法と同様にして、アミン価0.5、1.0、40.0、100.0、200.0mgKOH/g(F−2、F−3、F−4、F−5、F−6)のポリウレタン/ウレア系塩基性分散剤を合成した。
<バインダー樹脂(ポリウレタン/ウレア樹脂)の合成>
[合成例1]
ガス導入管、温度計、コンデンサー、及び攪拌機を備えた反応容器に、アジピン酸と3−メチル−1,5−ペンタンジオールから得られる数平均分子量2000のポリエステルジオール 54.719部、イソホロンジイソシアネート 3.989部、2−エチルヘキシル酸第1錫 0.010部及び酢酸n−プロピル 10.0部を窒素気流下に85℃で3時間反応させ、酢酸n−プロピル 10.0部を加え冷却し、末端イソシアネートプレポリマーの溶剤溶液 78.718部を得た。次いでイソホロンジアミン 1.031部、ジ−n−ブチルアミン 0.261部、酢酸n−プロピル 30.4部およびイソプロピルアルコール 19.6部を混合したものに、得られた末端イソシアネートプレポリマーの溶剤溶液 78.718部を室温で徐々に添加し、次に50℃で1時間反応させ、固形分30%、重量平均分子量60000、アミン価3.0 mgKOH/gのポリウレタン/ウレア樹脂溶液(G)を得た。
<その他バインダー樹脂の調整>
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(ソルバインTA5R 日信化学(株)製)、ポリニトロセルロース(1/8H、旭化成(株)製)、ポリアミド樹脂(サンマイド550H、エアプロダクツ社製)、塩素化ポリプロピレン樹脂(スーパークロン813A、日本製紙社製)を使用して、各樹脂30部と酢酸n−プロピル70部に混合溶解させて、各樹脂溶液(H、I、J、K)を調整した。
フタロシアニン系酸性誘導体(A):下記一般式(5)に示す
一般式(5):
P−[SO3H・H2N (CH2)11 CH3]
(一般式(5)中、Pは、銅フタロシアニン残基である。)
アゾ系酸性誘導体(A):下記一般式(6)に示す。
一般式(6):
P−(SO3H)
(一般式(6)中、Pは、アゾ顔料残基である。)
アゾ系酸性誘導体(B):下記一般式(7)に示す。
一般式(7):
P−(COONa)
(一般式(7)中、Pは、アゾ顔料残基である。)
[実施例1]
C.I.ピグメントイエロー14を12部、前記ポリウレタン/ウレア系塩基性分散剤溶液(F−1、アミン価9mgKOH/g)1.8部(顔料100部に対して6部)、アゾ系酸性誘導体(A) 0.6部(顔料100部に対して5部)、酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール混合溶剤(重量比72/28)10部を撹拌混合しサンドミルで練肉し、その後、バインダー樹脂としてポリウレタン/ウレア樹脂溶液(G)38.7部、前記混合溶剤36.9部を混合し、黄/生インキ(G−1)を得た。得られた黄/生インキ(G−1)100部に、トルエン/イソプロピルアルコール混合溶剤(重量比90/10) 50部を希釈溶剤として添加混合し、黄/希釈インキ(G−2)を得た。
[実施例2〜4]
ポリウレタン/ウレア系塩基性分散剤にアミン価1.0、40.0、100.0mgKOH/g(F−3、F−4、F−5)を使用して、実施例1と同様にして、黄/生インキ(H−1、I−1、J−1)と黄/希釈インキ(H−2、I−2、J−2)を得た。
[実施例5〜8]
バインダー樹脂に塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂(H)、ニトロセルロース樹脂(I)、ポリアミド樹脂(J)、塩素化ポリプロピレン樹脂(K)を使用して、実施例1と同様に黄/生インキ(K−1、L−1、M−1、N−1)と黄/希釈インキ(K−2、L−2、M−2、N−2)を得た。
[実施例9]
顔料にカーボンブラック(リーガル99R、キャボット社製)、色素誘導体にフタロシアニン系酸性誘導体(A)を使用して、実施例1と同様に墨/生インキ(O−1)と墨/希釈インキ(O−2)を得た。
[実施例10]
顔料にカーボンブラック(リーガル99R、キャボット社製)を使用して、色素誘導体を使用しないで、実施例1と同様に墨/生インキ(P−1)と墨/希釈インキ(P−2)を得た。
[実施例11〜13]
顔料100部に対して、前記ポリウレタン/ウレア系塩基性分散剤(F−1、アミン価9mgKOH/g)の配合量を顔料100重量部に対して1、12、24部として、実施例1と同様に黄/生インキ(Q−1、R−1、S−1)と黄/希釈インキ(Q−2、R−2、S−2)を得た。
[実施例14〜17]
顔料100部に対して、前記アゾ系酸性誘導体(B)の配合量を0、1、3、15部として、実施例1と同様に黄/生インキ(T−1、U−1、V−1、W−1)と黄/希釈インキ(T−2、U−2、V−2、W−2)を得た。
[比較例1、2]
前記ポリウレタン/ウレア系塩基性分散剤を使用せず、実施例1と同様に黄/生インキ(X−1)と黄/希釈インキ(X−2)、墨/生インキ(Y−1)と墨/希釈インキ(Y−2)を得た。
[比較例3、4]
顔料100部に対して、アミン価0.5、200.0mgKOH/gのポリウレタン/ウレア系塩基性分散剤 6部使用して、実施例1と同様に黄/生インキ(Z−1、AA−1)と黄/希釈インキ(Z−2、AA−2)を得た。
[比較例5〜7]
塩基性分散剤にポリアミド−ポリカプロラクトン系塩基性分散剤(アジスパーPB−821、味の素ファインテクノ社製)、ポリアミド−ポリエステル系塩基性分散剤(ソルスパース20000、ルーブリゾール社製)、ポリカルボン酸系分酸剤(ホモゲノールL−18、花王社製)を使用して、実施例1と同様に黄色生インキ(AB−1、AC−1、AD−1)と黄色希釈インキ(AB−2、AC−2、AD−2)を得た。
(1)残渣量:グラビア印刷インキを40℃で2週間保存後、ナイロン濾布(350メッシュ)にて濾過。残渣量を目視で評価。
◎:残渣量がほとんどなく、良好。
○:残渣量が僅かにあるのみで、概ね良好。
×:残渣量が非常に多くあり、大きな塊を形成している。
(2)分離:グラビア希釈インキを40℃で2週間保存後、ヘラ挿入によるインキ付着性から、液の上澄みと下澄みの濃度差を評価。
<評価基準>
◎:希釈インキが均一濃度で付着し、液中濃度が均一で良好。
○:希釈インキが極僅かな濃度ムラで付着するが、概ね良好。
△:希釈インキがヘラに縞目模様で付着し、液中濃度が不均一。
×:希釈インキの上下で大きな濃度差があり、液表面は透明の為、ヘラにほとんど付着せず。
(3)沈殿:グラビア希釈インキを40℃で2週間保存後、ヘラによる底部掻き取りから、沈殿量を目視で評価。
<評価基準>
◎:沈殿物は全く無く良好。
○:明らかな沈殿物は無いが、底部の濃度が僅かに高く、とろみがある。
×:硬い沈殿物が底部全面に大量発生している。
(4)機上安定性(版かぶり):NBR(ニトリルブタジエンゴム)製のゴム硬度80Hsの圧胴、刃先の厚みが60μm(母材の厚み40μm、片側セラミック層の厚み10μm)のセラミックメッキドクターブレード、東洋プリプレス株式会社製のクロム硬度1050Hvの電子彫刻版(スタイラス角度120度、250線/inch)、及び実施例1−14および比較例1−5で得られた希釈インキをグラビア印刷機(富士機械工業(株)製)にセットしドクター圧2kg/cm2、100m/分の回転速度で版を60分間空転した後に、片面コロナ処理PETフィルム「E−5100(東洋紡績株式会社製)」のコロナ処理面に、印刷速度100m/分で印圧2kg/cm2で印刷、60℃の熱風で乾燥し、印刷物を得た。印刷中は、粘度コントローラーを用いて、各々の希釈溶剤を適宜補充して一定の粘度を保っている。
◎:非画像部にインキの転移が全く認められなかった。
○:非画像部にインキの転移が極僅かに認められた。
×:非画像部全面にインキの転移が認められた。
(5)レトルト適性:ドライラミネート機(富士機械工業(株)製)を使用して、前記方法により作成した印刷物とアルミ箔、CPPフィルム「ZK−93K」(東レ合成フィルム(株)製)をドライラミネート用接着剤TM−250HV/CAT−RT86(東洋モートン(株)製)にてラミネート物を得た。ラミネート物を20×12cmに切り出し、3方をヒートシール(温度:190℃、圧:2kgf、時間:1秒)した製袋を作成し、その中に1:1:1スープ(ケチャップ:酢:水=重量比で1:1:1)を充填して、残りをヒートシールした評価サンプルを作成した。そのサンプルをレトルト殺菌処理機(フレーバーエース、日阪製作所社製)にて120℃/30分間レトルト処理を行った。
1:1:1スープ(ケチャップ:酢:水=重量比で1:1:1)を充填し、120℃/30分のレトルト処理後、デラミ有無を目視評価し、接着強度を測定評価。
○:デラミが無く、接着強度も概ね良好。
○△:デラミは無く良好、接着強度が極僅かに低下するが、概ね良好。
×:デラミが発生して、接着強度も大きく低下。
組成及び評価結果を表1,2に示す。
Claims (4)
- 片末端領域に2つのヒドロキシル基を有するビニル重合体(A)のヒドロキシル基と、ジイソシアネート(B)のイソシアネート基を反応してなる片末端領域に2つのイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(E)のイソシアネート基と、ポリアミン(C)を含むアミン化合物の一級及び/又は二級アミノ基を反応させてなり、アミン価が1〜100mgKOH/gである分散剤、顔料、及びポリウレタン/ウレア樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリニトロセルロース樹脂、ポリアミド樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂から選ばれる一種以上のバインダー樹脂、溶剤から構成されることを特徴とするグラビアインキ。
- 分散剤が、顔料100重量部に対して3〜12重量部使用されることを特徴とする請求項1記載のグラビアインキ。
- グラビアインキが、下記一般式(1)、下記一般式(2)、及び下記一般式(3)で表される酸性置換基を有する色素誘導体の群から選ばれる少なくとも一種類以上の色素誘導体を含み、該色素誘導体が顔料100重量部に対して3〜10重量部使用されることを特徴とする請求項1または2記載のグラビアインキ。
一般式(1):
P−Z1
(一般式(1)中、Pは、アゾ系、ベンズイミダゾロン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、ジケトピロロピロール系、キノフタロン系、イソインドリノン系、イソインドリン系、ペリレン系、ペリノン系、フラバンスロン系、ピランスロン系、及びアンスラピリミジン系から選ばれる一種の有機色素残基であり、Z1は、スルホン酸基、又はカルボキシル基である。)
一般式(2):
(P−Z2)[N+(R1,R2,R3,R4)]
(一般式(2)中、Pは、アゾ系、ベンズイミダゾロン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、ジケトピロロピロール系、キノフタロン系、イソインドリノン系、イソインドリン系、ペリレン系、ペリノン系、フラバンスロン系、ピランスロン系、及びアンスラピリミジン系から選ばれる一種の有機色素残基であり、R1は、炭素数5〜20のアルキル基であり、R2,R3,及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1〜20のアルキル基であり、Z2は、SO3 -又はCOO-である。)
一般式(3):
(P−Z2)M+/l
(一般式(3)中、Pは、アゾ系、ベンズイミダゾロン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、ジケトピロロピロール系、キノフタロン系、イソインドリノン系、イソインドリン系、ペリレン系、ペリノン系、フラバンスロン系、ピランスロン系、及びアンスラピリミジン系から選ばれる一種の有機色素残基であり、Mは、ナトリウム原子、カリウム原子、カルシウム原子、バリウム原子、ストロンチウム原子またはアルミニウム原子、lはMの価数であり、Z2は、SO3 -、又はCOO-である。) - ポリウレタン/ウレア樹脂が、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、低分子ポリオール、ポリイソシアネート、鎖延長剤、末端停止剤を反応させてなることを特徴とする請求項1から3いずれか記載のグラビアインキ。
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