JP2011058448A - 蓄圧式燃料噴射装置の異常診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】蓄圧式燃料噴射装置の燃料低圧系で生じた異常を確実に検出することができる蓄圧式燃料噴射装置の異常診断装置を提供する。
【解決手段】高圧ポンプ、コモンレール及び燃料噴射弁のうちの少なくとも一つから流出するリターン燃料を燃料タンクに戻すためのリターン通路内の圧力に基づいて電動低圧ポンプの吐出流量のフィードバック制御が行われる内燃機関の蓄圧式燃料噴射装置における燃料低圧系に生じた異常を検出するための蓄圧式燃料噴射装置の異常診断装置において、低圧燃料供給通路又はリターン通路内の圧力と相関関係を有する圧力相関値を検出する圧力相関値検出部と、圧力相関値を用いて燃料低圧系の異常の有無を判定する異常判定部と、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、蓄圧式燃料噴射装置の異常診断装置に関するものであり、特に、高圧ポンプに供給する燃料の流量を調節可能な電動低圧ポンプを備えた蓄圧式燃料噴射装置の異常診断を行う異常診断装置に関するものである。
従来、内燃機関の気筒内に燃料を噴射する装置として、高圧ポンプによって供給される高圧状態の燃料を蓄積するコモンレールを備えた蓄圧式燃料噴射装置がある。蓄圧式燃料噴射装置は、燃料タンク内の燃料を吸い上げて圧送する低圧ポンプと、低圧ポンプによって圧送される燃料を加圧して圧送する高圧ポンプとを備えている。この蓄圧式燃料噴射装置に用いられる低圧ポンプとして、印加電圧や通電量を制御することで高圧ポンプへ圧送する燃料の吐出流量を調節可能な電動低圧ポンプが用いられる場合がある(特許文献1参照)。
特開2007−192198号公報
近年、電動低圧ポンプを備えた蓄圧式燃料噴射装置において、電動低圧ポンプから高圧ポンプに燃料を導くための低圧燃料供給通路又は燃料タンクにリターン燃料を戻すためのリターン通路内の圧力に基づいて電動低圧ポンプの吐出流量のフィードバック制御が行われるように構成された蓄圧式燃料噴射装置が研究され始めている。
ここで、蓄圧式燃料噴射装置では、装置内に発生した種々の異常によって、燃料供給通路内の圧力又はリターン通路内の圧力が異常値を示す場合がある。このような現象が現れる装置の異常としては、例えば、電動低圧ポンプの異常や燃料供給配管の詰まり、電動低圧ポンプと高圧ポンプとの間に備えられた燃料フィルタの詰まり、低温時の燃料の固形化等、装置の燃料低圧系での異常が挙げられる。このような異常が生じると、電動低圧ポンプの吐出流量に過不足を生じ、その結果、レール圧が異常状態になったり内燃機関が停止したりするおそれがあるとともに、運転者への警告がないままにコンポーネントや配管が破損し、燃料漏れ等を生じるおそれがある。したがって、燃料低圧系で生じた異常を確実に検出することができる異常診断方法が必要とされている。
本発明の発明者はこれらの問題に鑑み、低圧燃料供給通路又はリターン通路内の圧力に基づいて燃料の吐出流量がフィードバック制御される電動低圧ポンプを備えた蓄圧式燃料噴射装置において、燃料低圧系の異常の有無を診断するにあたり、電動低圧ポンプのフィードバック制御に用いられる低圧燃料供給通路又はリターン通路内の圧力と相関関係を有する圧力相関値を用いることにより上述した問題を解決できることを見出し、本発明を完成させたものである。すなわち、本発明は、蓄圧式燃料噴射装置の燃料低圧系で生じた異常を確実に検出することができる蓄圧式燃料噴射装置の異常診断装置を提供することを目的とする。
本発明によれば、燃料の吐出流量を調節可能であり燃料タンク内の燃料を圧送する電動低圧ポンプと、燃料を加圧するとともに複数の燃料噴射弁が接続されたコモンレールに燃料を圧送する高圧ポンプと、燃料を電動低圧ポンプから高圧ポンプの加圧室に導く低圧燃料供給通路と、高圧ポンプ、コモンレール及び燃料噴射弁のうちの少なくとも一つから流出するリターン燃料を燃料タンクに戻すためのリターン通路と、を備え、リターン通路内の圧力に基づいて電動低圧ポンプの吐出流量のフィードバック制御が行われる内燃機関の蓄圧式燃料噴射装置における燃料低圧系に生じた異常を検出するための蓄圧式燃料噴射装置の異常診断装置において、低圧燃料供給通路又はリターン通路内の圧力と相関関係を有する圧力相関値を検出する圧力相関値検出部と、圧力相関値を用いて燃料低圧系の異常の有無を判定する異常判定部と、を備えることを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置の異常診断装置が提供され、上述した問題を解決することができる。
また、本発明の蓄圧式燃料噴射装置の異常診断装置を構成するにあたり、蓄圧式燃料噴射装置の異常診断装置は圧力相関値の推定値を求める圧力相関推定値演算部を備え、異常判定部は圧力相関値と圧力相関推定値とを比較することにより燃料低圧系の異常の有無を判定することが好ましい。
また、本発明の蓄圧式燃料噴射装置の異常診断装置を構成するにあたり、異常判定部は圧力相関値を所定の基準値と比較することにより燃料低圧系の異常の有無を判定することが好ましい。
また、本発明の蓄圧式燃料噴射装置の異常診断装置を構成するにあたり、圧力相関値が圧力センサによって検出される圧力値であることが好ましい。
また、本発明の蓄圧式燃料噴射装置の異常診断装置を構成するにあたり、圧力相関値が電動低圧ポンプに供給される電圧値又は電流値であることが好ましい。
また、本発明の蓄圧式燃料噴射装置の異常診断装置を構成するにあたり、異常判定部は、燃料低圧系の異常が検出された場合に燃料温度又は内燃機関の冷却水の温度の少なくとも一方を検出し、燃料温度又は冷却水の温度がそれぞれ閾値未満であるときに燃料フィルタにおける燃料の固形化による異常の発生と判定することが好ましい。
本発明の蓄圧式燃料噴射装置の異常診断装置によれば、低圧燃料供給通路又はリターン通路内の圧力と相関関係を有する圧力相関値を用いて燃料低圧系における異常の有無が判定されるため、燃料低圧系に異常が生じている場合に、低圧燃料供給通路又はリターン通路内の圧力値を利用して確実にその異常を検出することができる。したがって、燃料低圧系の異常に起因する電動低圧ポンプの吐出流量不足によるレール圧異常や内燃機関の停止、燃料漏れ等のおそれが低減される。
また、本発明の蓄圧式燃料噴射装置の異常診断装置において、圧力相関値を圧力相関値の推定値と比較して燃料低圧系の異常の有無を判定することにより、電動低圧ポンプによる燃料の吐出流量の過不足に起因する異常状態が確実に検出される。
また、本発明の蓄圧式燃料噴射装置の異常診断装置において、圧力相関値を所定の基準値と比較して燃料低圧系の異常の有無を判定することにより、低圧燃料供給通路あるいはリターン通路内の圧力が許容圧力を超えるような異常状態が検出され、燃料漏れの発生を未然に防止することができる。
また、本発明の蓄圧式燃料噴射装置の異常診断装置において、圧力相関値が圧力センサによって検出される圧力値であることにより、低圧燃料供給通路又はリターン通路内の圧力の異常を容易に検出することができる。
また、本発明の蓄圧式燃料噴射装置の異常診断装置において、圧力相関値が電動低圧ポンプに供給される電圧値又は電流値であることにより、低圧燃料供給通路又はリターン通路に圧力センサが備えられていない場合であっても、低圧燃料供給通路又はリターン通路内の圧力の異常を検出することができる。
また、本発明の蓄圧式燃料噴射装置の異常診断装置において、異常判定部が燃料低圧系の異常を検出した時にさらに燃料温度又は内燃機関の冷却水の温度の少なくとも一方の温度に基づき、燃料フィルタにおける燃料の固形化の発生を診断することにより、燃料低圧系の異常の原因が燃料の固形化に起因するものであるか否かを切り分けることができる。
第1の実施の形態にかかる蓄圧式燃料噴射装置の構成例を示す全体図である。 第1の実施の形態にかかる燃料低圧系の異常診断装置の構成例を説明するためのブロック図である。 第1の実施の形態にかかる第1の異常判定方法について説明するための図である。 第1の実施の形態にかかる第1の異常判定方法を実行するためのフローを示す図である。 第1の実施の形態にかかる第2の異常判定方法について説明するための図である。 第1の実施の形態にかかる第2の異常判定方法を実行するためのフローを示す図である。 第1の実施の形態にかかる第3の異常判定方法について説明するための図である。 第1の実施の形態にかかる第3の異常判定方法を実行するためのフローを示す図である。 第1の実施の形態にかかる第4の異常判定方法について説明するための図である。 第1の実施の形態にかかる第4の異常判定方法を実行するためのフローを示す図である。 第1の実施の形態にかかる第5の異常判定方法について説明するための図である。 第1の実施の形態にかかる第5の異常判定方法を実行するためのフローを示す図である。 燃料タンクへの還流流量と第1のリターン通路内の圧力との関係を示す図である。 第2の実施の形態にかかる燃料低圧系の異常診断装置の構成例を説明するためのブロック図である。 印加電圧が一定である場合の電動低圧ポンプの吐出側圧力と吐出流量と供給電流値との関係を示す図である。 第2の実施の形態にかかる異常判定方法について説明するための図である。 第2の実施の形態にかかる異常判定方法を実行するためのフローを示す図である。
以下、適宜図面を参照して、本発明の蓄圧式燃料噴射装置の異常診断装置に関する実施の形態について具体的に説明する。ただし、以下の実施の形態は本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で任意に変更することが可能である。なお、それぞれの図中、同じ符号を付してあるものは同一の部材を示しており、適宜説明が省略されている。
[第1の実施の形態]
1.蓄圧式燃料噴射装置
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる蓄圧式燃料噴射装置50の構成例を示している。この蓄圧式燃料噴射装置50は、車両のディーゼルエンジンの気筒内に燃料を噴射するための装置であり、燃料タンク1と、電動低圧ポンプ2と、燃料フィルタ4と、高圧ポンプ5と、コモンレール10と、燃料噴射弁13と、制御装置40等を主たる要素として備えている。
電動低圧ポンプ2と燃料フィルタ4は低圧燃料供給通路18aで接続され、燃料フィルタ4と高圧ポンプ5のカム室16は低圧燃料供給通路18bで接続され、高圧ポンプ5のカム室16と高圧ポンプ5の加圧室5aは低圧燃料供給通路18cで接続されている。低圧燃料供給通路18cの途中には、加圧室5aに供給される燃料の流量を制御する流量制御弁8が備えられている。また、流量制御弁8よりも上流側の低圧燃料供給通路18cには圧力調整弁14を介して第1のリターン通路30aが接続されており、第1のリターン通路30aの他端側は燃料タンク1に接続されている。第1のリターン通路30aには圧力センサ11が備えられている。
高圧ポンプ5とコモンレール10、コモンレール10と燃料噴射弁13は、それぞれ高圧燃料通路37、39で接続されている。コモンレール10には第2のリターン通路30bが接続され、燃料噴射弁13には第3のリターン通路30cが接続されている。第2のリターン通路30bにはコモンレール10から排出する燃料の流量を制御するための圧力制御弁12が備えられている。また、第2のリターン通路30b及び第3のリターン通路30cは第1のリターン通路30aに接続されている。また、コモンレール10にはレール圧センサ21が備えられている。
本実施形態の蓄圧式燃料噴射装置50を構成する燃料タンク1は、その内部にサブタンク1aを備えており、このサブタンク1a内に電動低圧ポンプ2が配置されている。サブタンク1aの下部は一部開口しており、その開口部分に燃料導入通路3aが設けられている。この燃料導入通路3aはテーパ部分3aaを有しており、テーパ部分3aa内には第1のリターン通路30aの端部がテーパ部分3aaの内周面との間に隙間を設けて配設されている。
第1のリターン通路30aの端部側にはオリフィス3bが設けられている。これらの第1のリターン通路30aの端部と燃料導入通路3aとによってジェットポンプ3が構成され、第1のリターン通路30aから燃料が流出する際の吸引力を利用して、サブタンク1a外の燃料がサブタンク1a内に導入されるようになっている。そのため、車両の傾きや走行時の加速、減速によって、燃料タンク1内の燃料の液面が傾いたとしても、電動低圧ポンプ2の吸込口が常時燃料中に浸漬され、電動低圧ポンプ2のエアの吸い込みが生じにくくなっている。
なお、燃料タンク1の構成は上述した例に限られるものではなく種々の変更が可能である。例えば、燃料タンク1内にサブタンク1aを設けるとともにジェットポンプ3によって燃料をサブタンク1a内に吸引導入して電動低圧ポンプ2のエアの吸い込みを防止する構成以外に、例えば燃料タンクの底面に燃料の滞留部を設け、この滞留部に電動低圧ポンプ2の吸込口を配設するように構成することによっても、電動低圧ポンプ2のエアの吸い込みを防止することができる。この場合、第1のリターン通路30aの端部にオリフィスを設ける必要はない。
本実施形態の蓄圧式燃料噴射装置50を構成する電動低圧ポンプ2は、制御装置40によって印加される電圧の制御が行われ、電圧に応じた吐出流量で燃料を吐出する。本実施形態では、電動低圧ポンプ2に印加する電圧は第1のリターン通路30aに備えられた圧力センサ11によって検出される圧力に基づいてフィードバック制御される。
このとき、圧力センサ11によって検出される第1のリターン通路30a内の圧力は、第1のリターン通路30aからのリターン燃料の流出によってサブタンク1a外の燃料をサブタンク1a内に吸引導入することが可能な程度の吸引力を発生させることができる還流流量が得られるような圧力、あるいは、高圧ポンプ5へ吐出されるべき電動低圧ポンプ2の吐出量が得られる圧力のうちのいずれか高い方の圧力値で維持されるように制御される。このように電動低圧ポンプ2の吐出流量を制御することで、リターン燃料の還流流量が最小限に抑えられ、電動低圧ポンプ2の出力をできる限り小さく抑えることができる。
なお、電動低圧ポンプ2は、サブタンク1a内に設けられたインタンク式のポンプに限られるものではなく、吸入口がサブタンク1a内に設けられていれば電動低圧ポンプ2は燃料タンク1の外部に設けられるものであってもよい。
また、本実施形態の蓄圧式燃料噴射装置50においては、第1のリターン通路30aの端部側にオリフィス3bが設けられることで、第1のリターン通路30a内の圧力が電動低圧ポンプ2の吐出流量の変化に伴って感度を示すようになっている。
このようなオリフィスを有しない構成の蓄圧式燃料噴射装置であっても、第1のリターン通路30a自体の径が比較的小さい場合には、第1のリターン通路30a内の圧力が電動低圧ポンプ2の吐出流量の変化に伴って感度を示すため、第1のリターン通路30a内の圧力に基づく電動低圧ポンプ2のフィードバック制御が可能となる。
低圧燃料供給通路18cと第1のリターン通路30aとの間に設けられた圧力調整弁14は、低圧燃料供給通路18c内の圧力と、第1のリターン通路30a内の圧力との差が所定の調圧値P1を越えたときに開弁されるオーバーフローバルブが用いられている。このため、電動低圧ポンプ2によって燃料が圧送されている状態においては、低圧燃料供給通路18a〜18c内の圧力が、第1のリターン通路30a内の圧力に対して、調圧値P1分上回るようになっている。
コモンレール10に接続された第2のリターン通路30bに備えられた圧力制御弁12は、例えば供給されるパルス電圧の大きさによって弁体のストローク量が可変である電磁比例式の制御弁が用いられる。内燃機関の回転数やアクセル操作量に応じて求められるレール圧の目標値に応じて圧力制御弁12が制御されることで、コモンレール10から第2のリターン通路30bに排出される高圧燃料の排出量が調節され、レール圧が目標値に制御される。コモンレール10から排出される燃料は、第2のリターン通路30b及び第1のリターン通路30aを介して燃料タンク1に戻される。
燃料噴射弁13は、背圧制御弁への通電制御によって、噴射孔を閉塞するノズルニードルの後端側に作用する背圧が逃されて噴射孔が開かれ、燃料が内燃機関に噴射される。この燃料噴射弁13には第3のリターン通路30cが接続されており、燃料噴射弁13から逃される背圧は第3のリターン通路30c及び第1のリターン通路30aを介して燃料タンク1に還流される。第3のリターン通路30cには、背圧燃料以外に燃料噴射弁13内の低圧部からのリーク燃料も流出する。
本実施形態の蓄圧式燃料噴射装置50における燃料の流れについて説明する。燃料タンク1内の燃料は、電動低圧ポンプ2によって低圧燃料供給通路18a〜18bを介して高圧ポンプ5のカム室16内に流れ込み、そこからさらに低圧燃料供給通路18cを介して加圧室5aに送られる。このとき、加圧室5a側に圧送される低圧燃料の余剰分は、圧力調整弁14及び第1のリターン通路30aを介して燃料タンク1に戻される。
加圧室5a内でプランジャ7によって加圧され吐出される燃料は高圧燃料通路37を介してコモンレール10に蓄積されるとともに、高圧燃料通路39を介して接続された複数の燃料噴射弁13に供給される。そして、燃料噴射弁13への通電制御によって燃料が内燃機関の気筒内に噴射される。コモンレール10及び燃料噴射弁13から排出される燃料は、それぞれ第2のリターン通路30b又は第3のリターン通路30cから第1のリターン通路30aに流されて、燃料タンク1に戻される。
本実施形態の蓄圧式燃料噴射装置50では、電動低圧ポンプ2から吐出された燃料は、燃料噴射弁13から噴射されない限り、第1のリターン通路30aや第2のリターン通路30b、第3のリターン通路30cを介して燃料タンク1に戻される。
なお、本実施形態の蓄圧式燃料噴射装置50の例では、第2のリターン通路30bや第3のリターン通路30cの合流部分よりも燃料タンク1側の第1のリターン通路30aに圧力センサ11が備えられているが、リターン通路内は圧力的に連通した状態であるため、圧力センサ11はリターン通路のいずれかの位置に備えられていればよい。ただし、第2のリターン通路18b又は第3のリターン通路18cに圧力センサ11を備える場合には、各リターン通路間の圧力損失を考慮することで電動低圧ポンプ2のフィードバック制御が可能になる。
また、圧力センサ11は、電動低圧ポンプ2の吐出側の低圧燃料供給通路18a〜18cのいずれかの位置に備えられていてもよい。本実施形態の蓄圧式燃料噴射装置50では、低圧燃料供給通路18cに接続された圧力調整弁14によって、低圧燃料供給通路18c内の圧力が第1のリターン通路18a内の圧力よりも所定の調圧値P1分高く維持されるように構成されているため、低圧燃料供給通路18a〜18cに圧力センサ11が備えられている場合であっても、調圧値P1を考慮し、さらに各低圧燃料供給通路間の圧力損失を考慮することで電動低圧ポンプ2のフィードバック制御が可能になる。
2.制御装置(蓄圧式燃料噴射装置の異常診断装置)
(1)全体構成
図2は、本実施形態の蓄圧式燃料噴射装置50を構成する制御装置40のうち、蓄圧式燃料噴射装置50の異常検出に関する部分を機能的なブロックで表した構成例を示している。制御装置40は、蓄圧式燃料噴射装置50に備えられたセンサ等の情報だけでなく、燃料噴射量や噴射タイミング、回転数Ne等をはじめとする、内燃機関の運転状態に関する情報が読み込み可能になっている。
本実施形態の制御装置40は、公知の構成からなるマイクロコンピュータ(図示せず)を中心に構成されており、圧力相関値検出部62と、ポンプ駆動制御部63と、レール圧制御部64と、燃料噴射弁制御部65と、異常判定部68とを備えている。各部はマイクロコンピュータによるプログラムの実行によって実現される。また、制御装置40には図示しないRAM(Random Access Memory)等の記憶部が備えられ、各種の読み込んだ情報や演算結果が記憶される。
(2)圧力相関値検出部
圧力相関値検出部62は、低圧燃料供給通路又はリターン通路内の圧力と相関関係を有する圧力相関値を検出する部分である。本実施形態の蓄圧式燃料噴射装置50は第1のリターン通路18aに圧力センサ11を備えているため、圧力相関値検出部62は、圧力センサ11のセンサ値S1を継続的に読み込み第1のリターン通路30a内の圧力の検出値Psensorを検出する。
(3)ポンプ駆動制御部
ポンプ駆動制御部63は、第1のリターン通路18a内の圧力が所定の目標値Plow_tgt0となるように、電動低圧ポンプ2への印加電圧を制御し、電動低圧ポンプ2の吐出流量Fpspを調節する。圧力の目標値Plow_tgt0は、第1のリターン通路30aからのリターン燃料の流出によって、サブタンク1a外の燃料をサブタンク1a内に吸引導入することが可能な程度の吸引力を発生させることができる還流流量Freturnが得られる圧力、あるいは、高圧ポンプ5へ吐出されるべき電動低圧ポンプ2の吐出量が得られる圧力のうちのいずれか高い方の圧力値に設定される。
本実施形態の蓄圧式燃料噴射装置50においては、燃料タンク1直前の第1のリターン通路18aに圧力センサ11が備えられているために、第1のリターン通路18a内の圧力は圧力相関値検出部62において圧力の検出値Psensorとして直接検出される。ポンプ駆動制御部63は、圧力相関値検出部62で検出される圧力の検出値Psensorを読み込み、この圧力の検出値Psensorが圧力の目標値Plow_tgt0となるようなリターン燃料の還流流量Freturnに、内燃機関への燃料の目標噴射量Qf_tgtを加算した吐出流量の目標値Fpsp_tgtに基づいて、電動低圧ポンプ2に印加する電圧の指示値Vpsp_tgtを決定する。それ以外の第2のリターン通路18bや第3のリターン通路18c、低圧燃料供給通路18a〜18cに圧力センサ11が備えられている場合には、圧力調整弁14の調圧値P1や通路間の圧力損失を考慮することで第1のリターン通路18a内の圧力を推定することができる。
(4)レール圧制御部
レール圧制御部64は、レール圧センサ21を用いて検出されるレール圧Prail_actや内燃機関の回転数Ne、アクセル操作量Acc等の情報をもとに目標レール圧Prail_tgtを算出し、検出されるレール圧Prail_actが目標レール圧Prail_tgtとなるように圧力制御弁12及び流量制御弁8のうちの少なくとも一方の制御を行う。レール圧の制御は、流量制御弁8を全開にするとともに圧力制御弁12を開閉制御してコモンレール10からの燃料排出量を調節したり、圧力制御弁12を全閉するとともに流量制御弁8を開閉制御してコモンレール10に供給する高圧燃料の流量を調節したり、さらには、これらの排出量制御及び供給量制御を併用したりすることによって行われる。
(5)燃料噴射弁制御部
燃料噴射弁制御部65は、内燃機関の回転数Neやアクセル操作量Acc、レール圧センサ21によって検出されるレール圧Prail_act等の情報をもとに目標噴射量Qf_tgtを算出するとともに燃料噴射弁13への通電量及び通電時間等を求め、燃料噴射弁13の通電制御を行う。目標噴射量Qf_tgtは内燃機関の回転数Neやアクセル操作量Acc、レール圧Prail等の関係においてあらかじめ定められた演算式によって算出される。
(6)異常判定部
異常判定部68は、圧力相関値検出部62で検出される圧力の検出値Psensorを用いて、燃料低圧系の異常の有無を判定する。本実施形態の制御装置40においては、圧力の検出値Psensorを用いて種々の異常判定を実行するように構成されている。以下、本実施形態の異常判定部68で実行される異常判定の例について説明する。
(6)−1 第1の異常判定方法
図3は、第1の異常判定方法の例を示しており、電動低圧ポンプ2の制御不能異常の有無を判定するために実行される。この第1の異常判定方法の例では、電動低圧ポンプ2への印加電圧Vpsp_actが小さいにもかかわらず圧力の検出値Psensorが極めて高くなっているような電動低圧ポンプ2の制御不能異常が検出される。図3の例においては、圧力相関値検出部62で検出される圧力の検出値Psensorがあらかじめ規定された閾値Psensor_thrよりも高くなっており(Psensor>Psensor_thr)、かつ、電動低圧ポンプ2への印加電圧Vpsp_actが最小値に近い閾値Vmin未満となっている(Vpsp_act<Vmin)場合に、電動低圧ポンプ2の制御不能異常と判定される。閾値Psensor_thrは、例えば、高圧ポンプ5や低圧燃料供給通路18a〜18c等に形成されたシール部分の許容圧力を考慮して設定したり、駆動回路の個体差に起因する閾値Vminのバラつきと電動低圧ポンプ2個々の吐出流量のバラつきと燃料供給経路内での圧力損失との関係から想定され得る圧力を考慮して設定したりすることができる。
図3の例では、さらに、レール圧制御部64で検出されるレール圧Prail_actが、同じくレール圧制御部64で算出される目標レール圧Prail_tgtよりも高い状態(Prail_act>Prail_tgt)にあるか否かによって処置の切り分けが行われるようになっている。レール圧Prail_actが目標レール圧Prail_tgtよりも高くなっていない状態であれば、内燃機関のトルクを制限し、リンプホームモードに入る。一方、レール圧Prail_actが目標レール圧Prail_tgtよりも高い状態であれば、レール圧Prail_actの制御不能に陥っているために内燃機関を強制停止する。このように、レール圧Prail_actが目標レール圧Prail_tgtよりも高い状態にあるか否かを判定する場合においては、レール圧Prail_actの変化を正確に把握するためにレール圧コモンレール10に備えられた圧力制御弁12を開ループ制御とすることが好ましい。
次に、図3に示す第1の異常判定方法を実行する際の具体例を図4のフローに基づいて説明する。
第1の異常判定方法のフローでは、まず、ステップS11で圧力センサ11による圧力の検出値Psensorが読み込まれた後、ステップS12において圧力の検出値Psensorがあらかじめ規定された閾値Psensor_thrを超えているか否かが判別される。圧力の検出値Psensorが閾値以下である場合には第1のリターン通路18a内の圧力自体には異常が見られないためにそのまま本ルーチンを終了してステップS11に戻る。
一方、圧力の検出値Psensorが閾値Psensor_thrを超えている場合には、ステップS13に進み、ステップS11で読み込まれた圧力の検出値Psensorが検出されたときの電動低圧ポンプ2の印加電圧Vpsp_actが読み込まれた後、ステップS14において、読み込まれた印加電圧Vpsp_actが最小値に近い閾値Vmin未満となっているか否かが判別される。電動低圧ポンプ2への印加電圧Vpsp_actが閾値Vmin以上になっている場合には、圧力の検出値Psensorと電動低圧ポンプ2への印加電圧Vpsp_actとが矛盾することがないため、そのまま本ルーチンを終了してステップS11に戻る。
一方、電動低圧ポンプ2の印加電圧Vpsp_actが閾値Vmin未満となっている場合には、ステップS15で燃料低圧系の異常有りと判定し運転者に異常を知らせる。次いで、ステップS16に進みレール圧Prail_actが読み込まれるとともに、ステップS17でレール圧Prail_actが目標レール圧Prail_tgtを超えているか否かが判別される。レール圧Prail_actが目標レール圧Prail_tgt以下である場合にはレール圧Prail_actの制御に大きな異常が見られないことから、ステップS19に進み、内燃機関のトルクを制限し、リンプホームモードに入り本ルーチンを終了する。
一方、レール圧Prail_actが目標レール圧Prail_tgtを超えている場合には、レール圧Prail_actの制御不能に陥っているために、ステップS18に進み内燃機関を強制停止して本ルーチンを終了する。
(6)−2 第2の異常判定方法
図5は、第2の異常判定方法の例を示しており、この例も電動低圧ポンプ2の制御不能異常の有無を判定するために実行される。この第2の異常判定方法の例では、基本的に第1の異常判定方法の例と同じように、電動低圧ポンプ2への印加電圧Vpsp_actが小さいにもかかわらず圧力の検出値Psensorが若干高くなっているような電動低圧ポンプ2の制御不能異常が検出される。
図5の例においては、圧力相関値検出部62で検出される圧力の検出値Psensorから、想定される第1のリターン通路18a内の圧力の目標値Plow_tgtを減算した差分の値ΔPlowが、あらかじめ規定された閾値ΔPlow_thrAよりも大きくなっており(ΔPlow>ΔPlow_thrA)、かつ、電動低圧ポンプ2への印加電圧Vpsp_actが最小値に近い閾値Vmin未満となっている(Vpsp_act<Vmin)場合に、電動低圧ポンプ2の制御不能異常と判定される。
次に、図5に示す第2の異常判定方法を実行する際の具体例を図6のフローに基づいて説明する。
第2の異常判定方法のフローでは、まず、ステップS21で圧力センサ11による圧力の検出値Psensorが読み込まれた後、ステップS22で圧力の検出値Psensorが検出されたときの電動低圧ポンプ2のフィードバック制御に用いられた第1のリターン圧力18a内の圧力の目標値Plow_tgtが読み込まれる。次いで、ステップS23において圧力の検出値Psensorから圧力の目標値Plow_tgtを減算した差分の値ΔPlowがあらかじめ規定された閾値ΔPlow_thrAを超えているか否かが判別される。
差分の値ΔPlowが閾値ΔPlow_thrA以下である場合には第1のリターン通路18a内の圧力自体には異常が見られないためにそのまま本ルーチンを終了してステップS21に戻る。一方、差分の値ΔPlowが閾値ΔPlow_thrAを超えている場合には、ステップS24に進み、ステップS21で読み込まれた圧力の検出値Psensorが検出されたときの電動低圧ポンプ2の印加電圧Vpsp_actが読み込まれた後、ステップS25において、読み込まれた印加電圧Vpsp_actが最小値に近い閾値Vmin未満となっているか否かが判別される。電動低圧ポンプ2への印加電圧Vpsp_actが閾値Vmin以上になっている場合には、圧力の検出値Psensorと電動低圧ポンプ2への印加電圧Vpsp_actとが矛盾することがないため、そのまま本ルーチンを終了してステップS21に戻る。
一方、電動低圧ポンプ2の印加電圧Vpsp_actが閾値Vmin未満となっている場合には、電動低圧ポンプ2への印加電圧Vpsp_actが小さいにもかかわらず圧力の検出値Psensorが高くなっている状態であるために、ステップS26に進み燃料低圧系の異常有りと判定して本ルーチンを終了し、ステップS21へ戻る。ステップS26で燃料低圧系の異常有りと判定された状態では、第1のリターン通路18a内の圧力が未だ許容できる範囲内にはあるが電動低圧ポンプ2が制御不能になっていると判断されるため、リンプホームモードに入り、運転者へ異常を知らせるようにする。
なお、第2の異常判定方法の例においても、第1の異常判定方法と同様に、レール圧Prail_act目標レール圧Prail_tgtよりも高い状態にあること(Prail_act>Prail_tgt)が条件に加えられていてもよい。
(6)−3 第3の異常判定方法
図7は、第3の異常判定方法の例を示しており、電動低圧ポンプ2が燃料タンク1から燃料を吸い上げることが困難になる異常の有無を判定するために実行される。この第3の異常判定方法の例では、圧力相関値検出部62で検出される圧力の検出値Psensorが、電動低圧ポンプ2のフィードバック制御に用いられる圧力の目標値Plow_tgt0よりも若干低いような異常が検出される。
ポンプ駆動制御部63による電動低圧ポンプ2のフィードバック制御中にもかかわらず、圧力の検出値Psensorが圧力の目標値Plow_tgtに到達しないということは、燃料タンク1に戻されるリターン燃料の流量Freturnが不足していると考えられる。このような状態では、例えば、燃料タンク1内のサブタンク1a内に燃料が溜まらず、車両が傾いたりしたときに電動低圧ポンプ2が燃料を吸い上げにくくなるおそれがあることから、圧力の検出値Psensorが圧力の目標値Plow_tgt0よりも低くなっている場合に燃料低圧系の異常として検出するようになっている。
図7の例においては、圧力相関値検出部62で検出される圧力の検出値Psensorから、想定される第1のリターン通路18a内の圧力の目標値Plow_tgtを減算した差分の値ΔPlowが、あらかじめ規定された閾値ΔPlow_thrBよりも小さくなっている(ΔPlow<Plow_thrB)ときに、電動低圧ポンプ2への印加電圧Vpsp_actがポンプ駆動制御部63で算出される電圧の指示値Vpsp_tgtよりも所定の閾値ΔVpsp_thrを超えて小さくなっている(Vpsp_tgt−Vpsp_act>ΔVpsp_thr)場合に、燃料低圧系の異常と判定される。さらに、第3の異常判定においては、燃料タンク1に備えられた残量センサによって検出される燃料タンク1内の燃料の残量レベルLtankが所定値Ltank0以上か否かによってガス欠による異常検知と切り分けられるようになっている。
次に、図7に示す第3の異常判定方法を実行する際の具体例を図8のフローに基づいて説明する。
第3の異常判定方法のフローでは、まず、ステップS31で圧力センサ11による圧力の検出値Psensorが読み込まれた後、ステップS32で圧力の検出値Psensorが検出されたときの電動低圧ポンプ2のフィードバック制御に用いられた第1のリターン通路18a内の圧力の目標値Plow_tgtが読み込まれる。次いで、ステップS33において圧力の目標値Plow_tgtから圧力の検出値Psensorを減算した差分の値ΔPlowがあらかじめ規定された閾値ΔPlow_thrBを下回っているか否かが判別される。
差分の値ΔPlowが閾値ΔPlow_thrB以上である場合には第1のリターン通路18a内の圧力自体には異常が見られないためにそのまま本ルーチンを終了してステップS31に戻る。一方、差分の値ΔPlowが閾値ΔPlow_thrBを下回っている場合には、ステップS34に進み、ステップS31で読み込まれた圧力の検出値Psensorが検出されたときの電動低圧ポンプ2の印加電圧Vpsp_actが読み込まれるとともに、ステップS35でそのときの電圧の指示値Vpsp_tgtが読み込まれる。その後、ステップS36において、電圧の指示値Vpsp_tgtから印加電圧Vpsp_actを減算した値ΔVpspがあらかじめ規定された所定の閾値ΔVpsp_thrを超えているか否かが判別される。
減算値ΔVpspが閾値ΔVpsp_thr以下である場合には、燃料タンク1に戻されるリターン燃料の流量Freturnが満足されるため、そのまま本ルーチンを終了してステップS31に戻る。一方、減算値ΔVpspが閾値ΔVpsp_thrを超えている場合には、燃料タンク1に戻されるリターン燃料の流量Freturnが不足していると考えられるため、ステップS37に進み燃料低圧系の異常有りと判定してステップS38に進む。
ステップS38では、燃料タンク1に備えられた残量センサのセンサ値から得られる燃料の残量レベルLtankが読み込まれる。次いで、ステップS39において、燃料の残量レベルLtankが所定値Ltank0未満であるか否かが判別され、残量レベルLtankが所定値Ltank0未満であれば、ステップS40でリターン燃料の流量Freturn不足がガス欠によるものと判定して本ルーチンを終了し、ステップS31に戻る。一方、残量レベルLtankが所定値Ltank0以上の場合にはステップS41に進む。
ステップS41では、燃料温度Tfが検出され、さらに、ステップS42で燃料温度Tfが閾値Tf_thr未満であるか否かが判別される。燃料温度Tfが閾値Tf_thr未満である場合には、ステップS43で今度は内燃機関の冷却水の温度Tcが検出され、さらに、ステップS44で冷却水の温度Tcが閾値Tc_thr未満であるか否かが判別される。ステップS42で燃料温度Tfが閾値Tf_thr以上である場合や、ステップS44で冷却水の温度Tcが閾値Tc以上である場合には、燃料の固形化のおそれがないことからそのまま本ルーチンを終了し、ステップS31に戻る。
一方、ステップS44で冷却水の温度Tcも閾値Tc_thr未満である場合には、ステップS45でリターン燃料の流量Freturn不足が燃料の固形化に起因する燃料フィルタ4の詰まりによるものと判定して本ルーチンを終了し、ステップS31に戻る。ステップS40でガス欠のおそれが判定された場合や、ステップS45で燃料の固形化に起因する燃料フィルタ4の詰まりのおそれが判定された場合には、警報手段等によって運転者へ異常が知らせられる。また、ステップS45で燃料の固形化に起因する燃料フィルタ4の詰まりのおそれが判定された場合には、燃料フィルタ4を加熱する制御が行われるようにしてもよい。
第3の異常判定方法のフローにおいて、ステップS38以降のステップは、リターン燃料の流量Freturnの不足の原因が、ガス欠によるものであるか、燃料の固形化に起因する燃料フィルタ4の詰まりによるものであるかを切り分けるために実行されるステップであるが、省略されても構わない。
(6)−4 第4の異常判定方法
図9は、第4の異常判定方法の例を示しており、燃料低圧系からの燃料漏れのおそれがあるような異常の有無を判定するために実行される。この第4の異常判定方法の例では、燃料低圧系内の圧力が、燃料低圧系を構成する低圧燃料供給通路やリターン通路等のコンポーネントの最大許容圧力を超えるような異常が検出される。具体的には、圧力相関値検出部62で検出される圧力の検出値Psensorが、あらかじめ設定された許容圧力の閾値Plow_maxを超えている場合に、燃料低圧系からの燃料漏れのおそれがあると判定される。
次に、図9に示す第4の異常判定方法を実行する際の具体例を図10のフローに基づいて説明する。
第4の異常判定方法のフローでは、まず、ステップS51で圧力センサ11による圧力の検出値Psensorが読み込まれた後、ステップS52において圧力の検出値Psensorがあらかじめ設定された許容圧力の閾値Plow_maxを超えているか否かが判別される。圧力の検出値Psensorが閾値Plow_max以下である場合には、第1のリターン通路18a内の圧力に異常は見られないことからそのまま本ルーチンを終了して、ステップS51に進む。
一方、圧力の検出値Psensorが閾値Plow_maxを超えている場合には、ステップS53で、燃料低圧系の圧力が低圧燃料供給通路やリターン通路等のコンポーネントの最大許容圧力を超えており、燃料低圧系からの燃料漏れのおそれがあるような異常が生じていると判定され、本ルーチンを終了してステップS51に戻る。ステップS53で異常が生じていると判定された場合には、できるだけ早期に電動低圧ポンプ2の駆動を停止させたり、内燃機関を強制停止させたりすることで、被害の拡大が阻止される。
(6)−5 第5の異常判定方法
図11は、第5の異常判定方法の例を示しており、本実施形態の蓄圧式燃料噴射装置50のように第1のリターン通路18a内の圧力が燃料タンク1内のサブタンク1a内への燃料の導入に大きく影響するような場合において、第1のリターン通路18a内の圧力不足の異常の有無を判定するために実行される。また、この第5の異常判定方法の例では、第1のリターン通路18a内の圧力不足の異常が検出された時に、その原因が燃料の固形化(ワキシング)による燃料フィルタ4の詰まりである可能性についても判定される。
この第5の異常判定方法の例では、電動低圧ポンプ2へ電力が供給されており、圧力の検出値Psensorが必要最小圧力の閾値Plow_minを下回っている(Psensor<Plow_min)場合に、第1のリターン通路18a内の圧力が不足していると判定される。このとき、燃料タンク1に備えられた残量センサによって検出される燃料タンク1内の燃料の残量レベルLtankが所定値Ltank0を超えており、燃料温度Tfが閾値Tf_thr未満、かつ、内燃機関の冷却水の温度Tcが閾値Tc_thr未満であるときに、第1のリターン通路18a内の圧力不足が、ガス欠でもなく、燃料の固形化による燃料フィルタ4の詰まりに起因して生じているおそれがあると判定される。
次に、図11に示す第5の異常判定方法を実行する際の具体例を図12のフローに基づいて説明する。
第5の異常判定方法のフローでは、まず、ステップS61で圧力センサ11による圧力の検出値Psensorが読み込まれた後、ステップS62において圧力の検出値Psensorが必要最小圧力の閾値Plow_min未満であるか否かが判別される。圧力の検出値Psensorが閾値Plow_min以上である場合には、燃料タンク1に戻されるリターン燃料の流量Freturnが満足されるため、そのまま本ルーチンを終了してステップS61に戻る。一方、圧力の検出値Psensorが閾値Plow_min未満である場合には、燃料タンク1に戻されるリターン燃料の流量Freturnが不足していると考えられるため、ステップS63に進み燃料低圧系の異常有りと判定される。
燃料低圧系の異常有りと判定された後は、第3の異常判定方法のフローのステップS37以下と同様のステップが実行されることで、圧力の検出値Psensorが必要最小圧力Plow_minに到達しない原因が、ガス欠によるものであるか、燃料の固形化に起因する燃料フィルタ4の詰まりによるものであるかが切り分けられ、運転者に対して知らせられる。
以上のように、圧力センサによって検出されるリターン通路や低圧燃料供給通路内の圧力を用いて、種々の判定方法によって燃料低圧系における異常の有無を判定することで、燃料低圧系に異常が生じている場合に確実にその異常を検出することができる。したがって、燃料低圧系の異常に起因する電動低圧ポンプの吐出流量不足によるレール圧異常や内燃機関の停止、燃料漏れ等のおそれが低減される。
なお、これまで説明した燃料低圧系の異常判定方法の具体的フローにおいて、第1〜第5の異常判定方法は単独で実行されてもよいし、複数実行されるようになっていても構わない。
また、各異常判定方法の例において、定められた条件が成立している状態が所定時間継続したときに燃料低圧系の異常と判定することにより、なんらかの外乱でノイズ的に圧力センサによる検出値Psensorが異常値を示した時に燃料低圧系の異常と判定されることがなくなる。
[第2の実施の形態]
本発明の第2の実施の形態にかかる蓄圧式燃料噴射装置は、基本的には第1の実施の形態の蓄圧式燃料噴射装置と同様の構成を有しているが、低圧燃料供給通路及びリターン通路のいずれにも圧力センサが設けられておらず、圧力を直接検出することができない構成となっている。そのため、本実施形態の制御装置では、低圧燃料供給通路又はリターン通路内の圧力の推定値を用いて、燃料低圧系の異常の有無を診断できるように構成されている。以下、第1の実施の形態と共通する部分の説明は省略し、第1の実施の形態と異なる部分を中心に説明する。
本実施形態の蓄圧式燃料噴射装置に備えられた制御装置において、圧力相関値検出部62は、燃料タンク1へのリターン燃料の還流流量Freturnを算出し、この還流流量Freturnに基づいて第1のリターン通路18a内の圧力を推定するように構成されている。
圧力相関値検出部62は、電動低圧ポンプ2への印加電圧Vpsp_actと燃料噴射弁13から噴射される燃料の噴射流量Finjに関する情報を読み込み、電動低圧ポンプ2への印加電圧Vpsp_actに応じた吐出流量Fpsp0から噴射流量Finjを減算することにより、燃料タンク1に還流する燃料の還流流量Freturnを算出する。本実施形態では、高圧ポンプ5、コモンレール10及び燃料噴射弁13から流出する燃料がすべて燃料タンク1に戻されるように構成されているため、還流流量Freturnは、吐出流量Fpsp0及び噴射流量Finjのみに依存している。したがって、吐出流量Fpsp0から噴射流量Finjを減算することで還流流量Freturnを算出することが可能になっている。噴射流量Finjは、燃料噴射弁制御部65で算出される目標噴射量Qf_tgtに基づき得られる。
また、圧力相関値検出部62は、算出された還流流量Freturnを読み込み、この還流流量Freturnをもとに第1のリターン通路30a内の圧力を推定する。圧力相関値検出部62には、図13に示すような還流流量Freturnと第1のリターン通路30a内の圧力との関係を示すマップ情報map1が予め格納されている。圧力相関値検出部62は、このマップ情報map1を参照して、算出された還流流量Freturnをもとに、圧力センサ11が備えられた第1のリターン通路30a内の圧力の推定値Pestを求める。
制御装置の圧力相関値検出部の構成以外の各部については第1の実施の形態と同様に構成され、異常判定部68において、圧力センサを用いて検出される圧力の検出値Psensorの代わりに、圧力相関値検出部62で算出される圧力の推定値Pestが用いられて、同様の異常判定が実行される。したがって、圧力センサが備えられていない場合であっても、燃料低圧系の異常を確実に検出することができる。
[第3の実施の形態]
本発明の第3の実施の形態にかかる蓄圧式燃料噴射装置は、基本的には第1の実施の形態の蓄圧式燃料噴射装置と同様の構成を有しているが、低圧燃料供給通路及びリターン通路のいずれにも圧力センサが設けられておらず、圧力を直接検出することができない構成となっている。そのため、本実施形態の制御装置では、低圧燃料供給通路又はリターン通路内の圧力と相関関係を有する、圧力センサのセンサ値以外の圧力相関値を用いて、燃料低圧系の異常の有無を診断できるように構成されている。以下、第1の実施の形態と共通する部分の説明は省略し、第1の実施の形態と異なる部分を中心に説明する。
1.制御装置(蓄圧式燃料噴射装置の異常診断装置)
図14は、蓄圧式燃料噴射装置を構成する本実施形態の制御装置100のうち、蓄圧式燃料噴射装置の異常検出に関する部分を機能的なブロックで表した構成例を示している。制御装置100は、第1の実施の形態の制御装置と同様に、蓄圧式燃料噴射装置に備えられたあらゆるセンサ等の情報だけでなく、燃料噴射量や噴射タイミング、回転数Ne等をはじめとする、内燃機関の運転状態に関する情報が読み込み可能になっている。
本実施形態の制御装置100は、圧力相関値検出部102と、ポンプ駆動制御部103と、レール圧制御部104と、燃料噴射弁制御部105と、異常判定部108とを備えている。各部はマイクロコンピュータによるプログラムの実行によって実現される。また、制御装置140には図示しないRAM(Random Access Memory)等の記憶部が備えられ、各種の読み込んだ情報や演算結果が記憶される。
このうち、ポンプ駆動制御部103と、レール圧制御部104と、燃料噴射弁制御部105は、基本的に第1の実施の形態のポンプ駆動制御部、レール圧制御部、燃料噴射弁制御部と同様に構成されている。ただし、本実施形態の制御装置100のポンプ駆動制御部103は、リターン通路内の圧力に基づいて電動低圧ポンプ2への供給電圧のフィードバック制御が行われるようになっていなくても構わない。また、本実施形態の制御装置100のポンプ駆動制御部103は、異常診断の実行時においては電動低圧ポンプ2への印加電圧の指示値Vpsp_tgtを診断目標値Vpsp_digに設定する。
一方、本実施形態の制御装置100の圧力相関値検出部102は、電動低圧ポンプ2の吐出側の低圧燃料供給通路18a内の圧力の相関値として、電動低圧ポンプ2への供給電流値Apsp_actを検出する。
図15は、電動低圧ポンプ2に対して印加される電圧Vpsp_actが一定である場合の、電動低圧ポンプ2の吐出側の圧力Pfeedと吐出流量Fpsp及び供給電流値Apsp_actとの関係を示している。この図15から明らかなように、印加電圧Vpsp_actが一定である場合には、電動低圧ポンプ2の吐出側の圧力Pfeedが大きくなるにしたがって、吐出流量Fpspが減少する一方、供給電流値Apsp_actが増加する。したがって、電動低圧ポンプ2の吐出側の低圧燃料供給通路18a内の圧力Pfeedと電動低圧ポンプ2への供給電流値Apsp_actとは相関関係があることが理解される。
本実施形態の制御装置100の異常判定部108は、圧力相関値検出部102で検出される電動低圧ポンプ2への供給電流値Apsp_actを用いて燃料低圧系の異常の有無を判定する。具体的には、供給電流値Apsp_actが異常な値を示している場合においては、低圧燃料供給通路18a内の圧力Pfeedが異常な状態になっていると推定して、燃料低圧系の異常を検出する。
2.異常判定方法
図16は、本実施形態の異常判定部108で実行される異常判定方法の例を示している。この異常判定方法の例では、ポンプ駆動制御部103によって設定されている電動低圧ポンプ2への印加電圧Vpsp_actと診断目標値Vpsp_digとの差分の値ΔVpsp_digが所定の誤差ΔVpsp0の範囲内にあり(Vpsp_act≒Vpsp_dig)、かつ、圧力相関値検出部102で検出される電動低圧ポンプ2への供給電流値Apsp_actが許容電流値Apsp_maxを超えている(Apsp_act>Apsp_max)場合に、燃料低圧系の異常と判定される。
図16の例では、電動低圧ポンプ2への印加電圧の指示値Vpsp_tgtを診断目標値Vpsp_digに固定した状態で、供給電流値Apsp_actと許容電流値Apsp_maxとを比較しているが、電動低圧ポンプ2への印加電圧ごとに許容電流値Apsp_maxを設定することによって、異常判定時の印加電圧Vpsp_actを固定する必要がなくなる。
また、印加電圧Vpsp_actと診断目標値Vpsp_digとの差分の値ΔVpsp_digが誤差ΔVpsp0の範囲内にあり、かつ、供給電流値Apsp_actが許容電流値Apsp_maxを超えている状態が、所定時間継続したときに燃料低圧系の異常と判定することにより、なんらかの外乱でノイズ的に供給電流値Apsp_actが大きくなった時に燃料低圧系の異常と判定されることがなくなる。
次に、図16に示す異常判定方法を実行する際の具体例を図17のフローに基づいて説明する。
まず、ステップS71で電動低圧ポンプ2に印加されている電圧Vpsp_actが読込まれるとともに、ステップS72で電動低圧ポンプ2に印加する電圧の診断目標値Vpsp_digが読込まれる。次いで、ステップS73で読込まれた印加電圧Vpsp_actと診断目標値Vpsp_digとの差分の値ΔVpsp_digが所定の誤差ΔVpsp0の範囲内にあるか否かが判別される。
差分の値ΔVpsp_digが誤差ΔVpsp0の範囲内にない場合には正確に異常判定を実行することが困難であるために、そのまま本ルーチンを終了してステップS71に戻る。一方、差分の値ΔVpsp_digが誤差ΔVpsp0の範囲内となっている場合には、ステップS74に進み、電動低圧ポンプ2への供給電流値Apsp_actが読込まれる。
次いで、ステップS75において、読込まれた供給電流値Apsp_actが電圧の診断目標値Vpsp_digに応じて設定されている許容電流値Apsp_maxを超えているか否かが判別される。供給電流値Apsp_actが許容電流値Apsp_max以下であれば、電動低圧ポンプ2への供給電流値Apsp_actに異常は見られず、低圧燃料供給通路18a内の圧力Pfeedが平常状態であると推定されるために、本ルーチンを終了してステップS71に戻る。一方、供給電流値Apsp_actが許容電流値Apsp_maxを超えている場合には、印加電圧Vpsp_actに対して供給電流値Apsp_actが異常な状態になっており、低圧燃料供給通路18a内の圧力Pfeedに異常が見られるため、ステップS76に進み、燃料低圧系の異常有りと判定する。
燃料低圧系の異常有りと判定された後は、さらに、低圧燃料供給通路18a内の圧力Pfeedの異常が燃料の固形化に起因する燃料フィルタ4の詰まりによるものであるかを判別するようにしてもよい。この判別を実行する場合には、第1の実施の形態の第3の異常判定方法のフローで説明したステップS40〜S44(図8)と同様のステップが実行され、運転者に対して異常が知らせられる。
3.変形例
ここまで説明した本実施形態の制御装置100では、電動低圧ポンプ2への印加電圧Vpsp_actに対して供給電流値Apsp_actが異常な値になっていないかを見ることで燃料低圧系の異常の有無の診断が実行される。類似する異常判定の方法としては、例えば、電動低圧ポンプ2の回転数が一定に保たれるように印加電圧のフィードバック制御が行われる構成の蓄圧式燃料噴射装置の場合には、印加電圧Vpsp_actの代わりに電動低圧ポンプ2の回転数Npを検出して、同様の異常判定方法を実行することができる。
1:燃料タンク、1a:サブタンク、2:電動低圧ポンプ、3:ジェットポンプ、3a:燃料導入通路、3aa:テーパ部分、3b:オリフィス、4:燃料フィルタ、5:高圧ポンプ、5a:加圧室、7:プランジャ、8:流量制御弁、10:コモンレール、11:圧力センサ、12:圧力制御弁、13:燃料噴射弁、14:圧力調整弁(オーバーフローバルブ)、16:カム室、18a・18b・18c:低圧燃料供給通路、21:レール圧センサ、30a・30b・30c:リターン通路、37・39:高圧燃料通路、40:制御装置(異常診断装置)、50:蓄圧式燃料噴射装置、62:圧力相関値検出部、63:ポンプ駆動制御部、64:レール圧制御部、65:燃料噴射弁制御部、68:異常判定部、100:制御装置(異常診断装置)、102:圧力相関値検出部、103:ポンプ駆動制御部、104:レール圧制御部、105:燃料噴射弁制御部、108:異常判定部

Claims (6)

  1. 燃料の吐出流量を調節可能であり燃料タンク内の燃料を圧送する電動低圧ポンプと、前記燃料を加圧するとともに複数の燃料噴射弁が接続されたコモンレールに前記燃料を圧送する高圧ポンプと、前記燃料を前記電動低圧ポンプから前記高圧ポンプの加圧室に導く低圧燃料供給通路と、前記高圧ポンプ、前記コモンレール及び前記燃料噴射弁のうちの少なくとも一つから流出するリターン燃料を前記燃料タンクに戻すためのリターン通路と、を備え、前記リターン通路内の圧力に基づいて前記電動低圧ポンプの前記吐出流量のフィードバック制御が行われる内燃機関の蓄圧式燃料噴射装置における燃料低圧系に生じた異常を検出するための蓄圧式燃料噴射装置の異常診断装置において、
    前記低圧燃料供給通路又は前記リターン通路内の圧力と相関関係を有する圧力相関値を検出する圧力相関値検出部と、
    前記圧力相関値を用いて前記燃料低圧系の異常の有無を判定する異常判定部と、
    を備えることを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置の異常診断装置。
  2. 前記蓄圧式燃料噴射装置の異常診断装置は前記圧力相関値の推定値を求める圧力相関推定値演算部を備え、
    前記異常判定部は前記圧力相関値と前記圧力相関推定値とを比較することにより前記燃料低圧系の異常の有無を判定することを特徴とする請求項1に記載の蓄圧式燃料噴射装置の異常診断装置。
  3. 前記異常判定部は前記圧力相関値を所定の基準値と比較することにより前記燃料低圧系の異常の有無を判定することを特徴とする請求項1に記載の蓄圧式燃料噴射装置。
  4. 前記圧力相関値が圧力センサによって検出される圧力値であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の蓄圧式燃料噴射装置の異常診断装置。
  5. 前記圧力相関値が前記電動低圧ポンプに供給される前記電圧値又は電流値であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の蓄圧式燃料噴射装置の異常診断装置。
  6. 前記異常判定部は、前記燃料低圧系の異常が検出された場合に燃料温度又は前記内燃機関の冷却水の温度の少なくとも一方を検出し、前記燃料温度又は前記冷却水の温度が閾値未満であるときに前記燃料フィルタにおける前記燃料の固形化による異常の発生と判定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の蓄圧式燃料噴射装置の異常診断装置。
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