JP2013177851A - 過大リーク診断方法及びコモンレール式燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】過大な燃料の静的リークを短時間で確実に検出可能とする。
【解決手段】エンジン回転数を基に高圧ポンプ7の吐出流量が算出され(S108)、次いで、指示噴射量とエンジン回転数を基に燃料噴射弁2−1〜2−nの燃料消費量が算出され(S110)、高圧ポンプ7の吐出流量から燃料噴射弁2−1〜2−nの燃料消費量が減算され、圧力制御弁12の標準通過流量が算出され(S112)、この標準通過量と実レール圧とから圧力制御弁12に通電されるべき通電電流が標準通電電流として算出され(S114)、次いで、圧力制御弁12の実際の通電電流(S116)と標準通電電流との偏差ΔIが算出され、この偏差ΔIが所定の許容値xを上回っている場合には、燃料の静的リークが過大と判定されるようになっている(S118、S122)。
【選択図】図2

Description

本発明は、コモンレール式燃料噴射制御装置における燃料リークの有無の診断に係り、特に、過大な静的リークの有無を診断する方法の信頼性の向上等を図ったものに関する。
いわゆるコモンレール式燃料噴射制御装置は、高圧ポンプによって燃料を加圧して蓄圧器であるコモンレールへ圧送して蓄圧し、その蓄圧された高圧燃料をインジェクタへ供給することにより、インジェクタによる内燃機関への高圧燃料の噴射を可能として、燃費やエミッション特性等に優れるものとして良く知られているものである。
かかるコモンレール式燃料噴射制御装置において、レール圧の挙動は、装置の動作が正常か否かを判断する上で重要な判断要素であり、そのため、コモンレール式燃料噴射制御装置においては、レール圧の挙動診断が行われるのが一般的である。
このようなレール圧挙動診断は、レール圧の挙動が所定の診断値の範囲内にあるか否かの判断処理を、概ね300〜1000ms程度の処理時間を掛けて実行されるものが大半である。
ところで、レール圧の挙動に異常が生ずるのは、インジェクタ自体や、その周辺、あるいは、高圧ポンプなどにおいて生ずる燃料漏れなどがある場合であるが、高圧ポンプの容量が燃料漏れに対して十分余裕あるものである場合、燃料漏れを補償するように高圧ポンプの吐出量が制御される結果、レール圧挙動診断が先に述べたように比較的長い時間間隔でレール圧の診断を行った場合には、レール圧は異常値を示さないという現象を呈する。
例えば、燃料漏れには、比較的少量の燃料が徐々に漏れるような静的リークと称される形態があるが、このような燃料の静的リークを検出する方策として、例えば、燃料の無噴射状態において、目標圧力を所定の学習値に変化させた際の目標値と実圧との偏差が所定条件を満たした状態において、高圧ポンプの上流側に設けられている流量制御弁の制御パラメータに基づいて燃料リーク量を把握し、過大な静的リークを検出可能とした構成などが種々提案されている(例えば、特許文献1等参照)。
特開2011−185125号公報(第6−14頁、図1−図6)
しかしながら、特許文献1等に開示された静的リークの検出は、レール圧の制御を高圧ポンプの上流側に設けられた流量制御弁のみで行う構成において、無噴射状態での処理を前提としているため、その適用範囲が限定されるという問題がある。
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、コモンレール式燃料噴射制御装置における過大な燃料の静的リークを、従来に比して短時間で確実に検出することができる過大リーク診断方法及びコモンレール式燃料噴射制御装置を提供するものである。
上記本発明の目的を達成するため、本発明に係る過大リーク診断方法は、
燃料タンクの燃料が高圧ポンプによりコモンレールへ加圧、圧送され、当該コモンレールに接続された燃料噴射弁を介してエンジンへ高圧燃料の噴射を可能としてなると共に、少なくとも前記高圧ポンプの下流側に圧力制御弁が設けられ、少なくとも前記圧力制御弁の駆動制御により前記コモンレールのレール圧を制御可能に構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置における過大リーク診断方法であって、
診断時の実レール圧とエンジン回転数において前記圧力制御弁に通電されるべき通電電流を標準通電電流として求め、次いで、前記圧力制御弁の実際の通電電流と前記標準通電電流との偏差を求め、前記偏差の大小に基づいて燃料の静的リークが過大か否かを判定するよう構成されてなるものである。
また、上記本発明の目的を達成するため、本発明に係るコモンレール式燃料噴射制御装置は、
燃料タンクの燃料が高圧ポンプによりコモンレールへ加圧、圧送され、当該コモンレールに接続された燃料噴射弁を介してエンジンへ高圧燃料の噴射を可能としてなると共に、少なくとも前記高圧ポンプの下流側に圧力制御弁が設けられ、電子制御ユニットにより少なくとも前記圧力制御弁が駆動制御されて前記コモンレールのレール圧を制御可能に構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置であって、
前記電子制御ユニットは、
入力された実レール圧とエンジン回転数を基に、前記圧力制御弁に通電されるべき通電電流を標準通電電流として算出し、前記圧力制御弁の実際の通電電流と前記標準通電電流との偏差を算出し、前記算出された偏差の大小に基づいて燃料の静的リークが過大か否かを判定するよう構成されてなるものである。
本発明によれば、圧力制御弁の通電電流の変化によって燃料の静的リークが過大となったことを診断できるよう構成したことにより、従来と異なり、長い監視時間を必要とすることなく、圧力制御弁の動作中において静的リークが過大な状態となっているか否かを、簡易、確実に把握することができ、装置のさらなる信頼性の向上を図ることができるという効果を奏するものである。
本発明の実施の形態における過大リーク診断方法が適用されるコモンレール式燃料噴射制御装置の構成例を示す構成図である。 本発明の実施の形態における過大リーク診断処理の手順を示すザブルーチンフローチャートである。 圧力制御弁の通電電流に対するレール圧力の変化特性例を示す特性線図である。
以下、本発明の実施の形態について、図1乃至図3を参照しつつ説明する。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、図1に示されたコモンレール式燃料噴射制御装置について説明する。
このコモンレール式燃料噴射制御装置は、高圧燃料の圧送を行う高圧ポンプ装置50と、この高圧ポンプ装置50により圧送された高圧燃料を蓄えるコモンレール1と、このコモンレール1から供給された高圧燃料をエンジン3の気筒へ噴射供給する複数の燃料噴射弁2−1〜2−nと、燃料噴射制御処理や後述するレール圧制御処理などを実行する電子制御ユニット(図1においては「ECU」と表記)4を主たる構成要素として構成されたものとなっている。
かかる構成自体は、従来から良く知られているこの種の燃料噴射制御装置の基本的な構成と同一のものである。
高圧ポンプ装置50は、供給ポンプ5と、調量弁6と、高圧ポンプ7とを主たる構成要素として構成されてなる公知・周知の構成を有してなるものである。
かかる構成において、燃料タンク9の燃料は、供給ポンプ5により汲み上げられ、調量弁6を介して高圧ポンプ7へ供給されるようになっている。調量弁6には、電磁式比例制御弁が用いられ、その通電量が電子制御ユニット4に制御されることで、高圧ポンプ7への供給燃料の流量、換言すれば、高圧ポンプ7の吐出量が調整されるものとなっている。
なお、供給ポンプ5の出力側と燃料タンク9との間には、戻し弁8が設けられており、供給ポンプ5の出力側の余剰燃料を燃料タンク9へ戻すことができるようになっている。
また、供給ポンプ5は、高圧ポンプ装置50の上流側に高圧ポンプ装置50と別体に設けるようにしても、また、燃料タンク9内に設けるようにしても良いものである。
燃料噴射弁2−1〜2−nは、エンジン3の気筒毎に設けられており、それぞれコモンレール1から高圧燃料の供給を受け、電子制御ユニット4による噴射制御によって燃料噴射を行うようになっている。
本発明のコモンレール1には、余剰高圧燃料をタンク9へ戻すリターン通路(図示せず)に、電磁式比例制御弁による圧力制御弁12が設けられており、調量弁6と共にレール圧の制御に用いられるようになっている。
本発明の実施の形態においては、エンジン3の動作状態に応じて、調量弁6と圧力制御弁12のそれぞれの動作状態を適宜変えることで、適切なレール圧制御の実現が図られるようになっている。
電子制御ユニット4は、例えば、公知・周知の構成を有してなるマイクロコンピュータ(図示せず)を中心に、RAMやROM等の記憶素子(図示せず)を有すると共に、燃料噴射弁2−1〜2−nを駆動するための駆動回路(図示せず)や、調量弁6や圧力制御弁12への通電を行うための通電回路(図示せず)を主たる構成要素として構成されたものとなっている。
かかる電子制御ユニット4には、コモンレール1の圧力を検出する圧力センサ11の検出信号が入力される他、エンジン回転数やアクセル開度、また、燃料温度などの各種の検出信号が、エンジン3の動作制御や燃料噴射制御に供するために入力されるようになっている。
図2には、上述の電子制御ユニット4によって実行される過大リーク診断処理の手順を示すサブルーチンフローチャートが示されており、以下、同図を参照しつつ本発明の実施の形態における過大リーク診断処理について説明する。
電子制御ユニット4による制御が開始されると、最初に、圧力制御弁12によるレール圧制御が実行されているか否かが判定される(図2のステップS102参照)。なお、図2において”PCV”は圧力制御弁12を意味する。
電子制御ユニット4においては、以下に説明する過大リーク診断処理と共に、車両動作のための種々の制御処理が実行されるようになっており、その一つとしてレール圧制御処理が実行されるものとなっている。
本発明の実施の形態においては、所望される車両の動作等に応じて、調量弁6と圧力制御弁12の動作を適宜制御することで、レール圧制御が行われるようになっており、その一つの制御形態としてPCV制御がある。
すなわち、PCV制御は、調量弁6を全開状態とする一方、圧力制御弁12の弁開度を調整することで所望するレール圧を得るようにするものである。
しかして、ステップS102において、レール圧制御がPCV制御状態であると判定されるまで判定処理が繰り返されるようになっており、レール圧制御がPCV制御状態であると判定されると(YESの場合)、次述するステップS104の処理へ進むようになっている。
ステップS104においては、実レール圧Pr-actの読み込みが行われる。すなわち、電子制御ユニット4により圧力センサ11の出力信号が読み込まれ、レール圧に変換されて電子制御ユニット4の適宜な記憶領域に実レール圧として記憶されることとなる。
次いで、電子制御ユニット4によりエンジン回転数の読み込みが行われ、レール圧同様に電子制御ユニット4の適宜な記憶領域に記憶されることとなる(図2のステップS106参照)。
次いで、高圧ポンプ7の吐出流量Qaの算出が行われる(図2のステップS108参照)。高圧ポンプ7の吐出流量は、通常、エンジン3の回転数に比例する相関関係を有しており、予めその特性が把握されているため、エンジン回転数から吐出流量を算出する演算式が予め定められており、ステップS108においては、先のステップS106で得られたエンジン回転数に対応する吐出流量Qaが所定の演算式により算出されるものとなっている。
次いで、燃料噴射弁2−1〜2−nの燃料消費量(インジェクタ消費量)Qbの算出が行われる(図2のステップS110参照)。
ここで、インジェクタ消費量Qbは、燃料噴射弁2−1〜2−n自体において、単位時間当たりに消費(噴射)される燃料の総量と、主に、燃料噴射弁2−1〜2−n自体や、その周辺の部分から徐々に漏れる静的リークと称される燃料漏れの単位時間当たりの総量とからなるものである。
燃料噴射弁2−1〜2−n自体において、単位時間当たりに消費(噴射)される燃料の総量は、電子制御ユニット4において別個に実行される燃料噴射制御処理において算出される指示噴射量とエンジン回転数とに基づいて、所定の演算式により算出されるものとなっている。
また、燃料の静的リークは、通常、レール圧に比例して定まる相関関係があり、予め把握されており、レール圧から推定される静的リークの量が算出されるよう予め演算式が電子制御ユニット4に設定されており、ステップS110においては、先のステップS104で求められた実レール圧に対する燃料の静的リーク量が算出されるものとなっている。
そして、上述のように算出された、単位時間当たりに消費(噴射)される燃料の総量に、燃料の静的リーク量が加算されて、インジェクタ消費量Qbとされるようになっている。
次いで、圧力制御弁12の通過流量(PCV通過流量)Qcの算出が行われる(図2のステップS112参照)。すなわち、通過流量Qcは、先にステップS108で算出された吐出流量Qaと、ステップS110で算出されたインジェクタ消費量Qbとの差(Qc=Qa−QB)として求められる。
次いで、ステップS112において算出されたPCV通過流量(標準通過流量)Qcと、先のステップS104で得られた実レール圧Pr-actとから、PCV通過流量Qcと実レール圧Pr-actに対してあるべき圧力制御弁12の通電電流(以下、説明の便宜上「標準通電電流」と称する)Ispcvの算出が行われる(図2のステップS114参照)。
本発明の実施の形態における圧力制御弁12は、非通電状態において弁開度が全開状態となるいわゆるノーマルオープンタイプのものが用いられている。図3には、かかる設力制御弁12の通電電流に対するレール圧の変化特性(以下、説明の便宜上「電流レール圧特性」と称する)の例が示されており、以下、図3について説明する。
まず、図3において、横軸は通電電流を、縦軸はレール圧を、それぞれ示している。
ノーマルオープンタイプの圧力制御弁12の場合、通電電流の増加、換言すれば、弁開度が小さくなるにしたがってレール圧が増大する傾向を示すものとなっている(図3参照)。また、通電電流を一定として燃料の通過流量を変化させた場合、通過流量の増大と共にレール圧も増大する傾向を示す(図3参照)。
ここで、再び、ステップS114の説明に戻れば、標準通電電流Ispcvの算出は、電子制御ユニット4の適宜な領域に予め記憶された変換テーブル、又は、演算式に基づいて、PCV通過流量Qcと実レール圧Pr-actを入力パラメータとして求められるようになっている。
ここで、電子制御ユニット4の適宜な領域に予め記憶される変換テーブル、又は、演算式は、標準となる圧力制御弁について通過流量を種々変えた場合の電流レール圧特性を取得し、その取得された特性に基づいて、PCV通過流量Qcと実レール圧Pr-actを入力した場合に、対応する標準通電電流Ispcvが求められるように構成されたものである。
上述のようにして標準通電電流Ispcvが求められた後は、圧力制御弁12の実際の通電電流(実通電電流)Irpcvが電子制御ユニット4に読み込まれ、適宜な記憶領域に記憶されることとなる(図2のステップS116参照)。
なお、実通電電流は、電子制御ユニット4において従来同様にして別個に実行されるレール圧制御処理において取得されるようになっており、このステップS116においては、その実通電電流を流用するようにすれば良い。
次いで、標準通電電流Ispcvと実通電電流Irpcvとの偏差ΔI、すなわち、ΔI=Ispcv−Irpcvが所定の許容値Xを下回っているか否かが判定される(図2のステップS118参照)。
そして、偏差ΔIが所定の許容値Xを下回っていると判定された場合(YESの場合)には、静的リークは過大な状態ではなく問題無しとされ(図2のステップS120参照)、先のステップS102の処理へ戻り、一連の処理が繰り返されることとなる。
一方、ステップS118において、偏差ΔIが所定の許容値Xを下回っていないと判定された場合(NOの場合)、換言すれば、偏差ΔIが所定の許容値Xを上回っている場合には、静的リークが許容できない程の過大な状態であるとされ(図2のステップS122参照)、一連の処理が終了されて、一旦、図示されないメインルーチンへ戻ることとなる。なお、メインルーチンにおいては、静的リークが過大であると判定(図2のステップS122参照)に基づいて、鳴動素子の駆動や、点灯・表示素子等の点灯・表示による警報処理等が実行されるようにするのが好適である。
ここで、上述のように偏差ΔIが所定の許容値Xを超えた場合に、リーク過大と判定する根拠について図3を参照しつつ説明する。
まず、コモンレール式燃料噴射制御装置が通常の動作状態、すなわち、静的リークが過大ではなく問題無しと判定された状態(図2のステップS120参照)にあって、例えば、圧力制御弁12の通過流量がQaの状態にあって、通電電流がIa、レール圧がPaであるとする。
例えば、図3において、符号l1が付された特性線は、通過流量Qaの場合の圧力制御弁12の通電電流とレール圧との相関関係を示す特性線であると仮定する。
かかる状態にあって、何らかの原因により静的リークが増え、上述の偏差ΔIが所定の許容値Xを超え、圧力制御弁12の通過流量は過大なリークのために減少し、例えば、通過流量がQbに変化したとする(Qa>Qb)。なお、図3において、符号l2が付された特性線は、通過流量Qbの場合の圧力制御弁12の通電電流とレール圧との相関関係を示す特性線であると仮定する。
そして、通過流量の低下と共に、レール圧も低下しようとするが、通常、レール圧はフィードバック制御が行われているため、レール圧がPaに維持されるようフィードバック制御がなされ、通過電流はIaから、通過流量Qbの下でレール圧Qaを維持できるIbへ増加せしめられることとなる(図3参照)。
本発明の実施の形態における大リーク診断方法は、上述のように静的リークが過大となって圧力制御弁12の通過流量が変化した場合に、通電電流が変化することに着目し、その変化の大きさによって静的リークが許容できない程の過大な状態となったことを判断するようにしたものである。
なお、所定の許容値Xの大きさは、圧力制御弁12の実際の仕様やコモンレール式燃料噴射制御装置の具体的な仕様等を考慮し、試験やシミュレーション結果に基づいて個々に適切な値を定めるのが好適である。
上述した本発明の実施の形態においては、調量弁6と圧力制御弁12を有する構成のコモンレール式燃料噴射制御装置を前提としたが、本発明に係る過大リーク診断方法は、かかる構成のコモンレール式燃料噴射制御装置に限定されるものではなく、例えば、調量弁6が無く、高圧ポンプ7が常時全圧送状態で、圧力制御弁12の制御によりコモンレール圧が制御可能な構成であっても良い。
従来に比して短時間で燃料の過大な静的リークの確実な検出が所望されるコモンレール式燃料噴射制御装置に適する。
1…コモンレール
2−1〜2−n…燃料噴射弁
3…エンジン
4…電子制御ユニット
6…調量弁
7…高圧ポンプ
11…圧力センサ
12…圧力制御弁

Claims (6)

  1. 燃料タンクの燃料が高圧ポンプによりコモンレールへ加圧、圧送され、当該コモンレールに接続された燃料噴射弁を介してエンジンへ高圧燃料の噴射を可能としてなると共に、少なくとも前記高圧ポンプの下流側に圧力制御弁が設けられ、少なくとも前記圧力制御弁の駆動制御により前記コモンレールのレール圧を制御可能に構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置における過大リーク診断方法であって、
    診断時の実レール圧とエンジン回転数において前記圧力制御弁に通電されるべき通電電流を標準通電電流として求め、次いで、前記圧力制御弁の実際の通電電流と前記標準通電電流との偏差を求め、前記偏差の大小に基づいて燃料の静的リークが過大か否かを判定することを特徴とする過大リーク診断方法。
  2. 前記標準通電電流は、エンジン回転数に基づいて算出された高圧ポンプの吐出流量から、指示噴射量とエンジン回転数に基づいて算出された燃料噴射弁の燃料消費量を減算して圧力制御弁の通過流量を標準通過流量として求め、当該標準通過流量と実レール圧に対する前記圧力制御弁の通電電流を、予め求められた圧力制御弁の通電電流とレール圧の変化特性に基づいて求められるものであることを特徴とする請求項1記載の過大リーク診断方法。
  3. 前記偏差が所定の許容値を上回る場合、静的リークが過大であると判定することを特徴とする請求項2記載の過大リーク診断方法。
  4. 燃料タンクの燃料が高圧ポンプによりコモンレールへ加圧、圧送され、当該コモンレールに接続された燃料噴射弁を介してエンジンへ高圧燃料の噴射を可能としてなると共に、少なくとも前記高圧ポンプの下流側に圧力制御弁が設けられ、電子制御ユニットにより少なくとも前記圧力制御弁が駆動制御されて前記コモンレールのレール圧を制御可能に構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置であって、
    前記電子制御ユニットは、
    入力された実レール圧とエンジン回転数を基に、前記圧力制御弁に通電されるべき通電電流を標準通電電流として算出し、前記圧力制御弁の実際の通電電流と前記標準通電電流との偏差を算出し、前記算出された偏差の大小に基づいて燃料の静的リークが過大か否かを判定するよう構成されてなることを特徴とするコモンレール式燃料噴射制御装置。
  5. 前記電子制御ユニットは、エンジン回転数に基づいて前記高圧ポンプの吐出流量を算出し、次いで、指示噴射量とエンジン回転数に基づいて前記燃料噴射弁の燃料消費量を算出し、前記吐出流量から前記燃料消費量を減算した減算結果を前記圧力制御弁の標準通過流量とし、前記標準通過流量と実レール圧に対する前記圧力制御弁の通電電流を、予め求められた圧力制御弁の通電電流とレール圧の変化特性に基づいて算出し、当該算出結果を前記標準通電電流とするよう構成されてなることを特徴とする請求項4記載のコモンレール式燃料噴射制御装置。
  6. 前記電子制御ユニットは、前記偏差が所定の許容値を上回る場合、静的リークが過大であると判定するよう構成されてなることを特徴とする請求項5記載のコモンレール式燃料噴射制御装置。
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