JP5556572B2 - 燃料圧力センサ診断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料圧力センサの異常が判定できる燃料圧力センサ診断装置に関する。
ディーゼルエンジンや高圧直噴ガソリンエンジンでは、コモンレールシステムによる筒内直接噴射を行っている。図7に示されるように、コモンレールシステム101は、燃料タンク102から吸い上げた燃料を調量可能に供給するサプライポンプ103と、サプライポンプ103の出口に接続されサプライポンプ103から供給された燃料を貯留する燃料レール(蓄圧室、コモンレールとも言う)104と、燃料レール104の燃料をエンジン内に噴射するインジェクタ105と、燃料レール104内の燃料圧力(レール圧とも言う)を検出する燃料圧力センサ106と、燃料圧力調整のため燃料レール104の燃料を抜き出す燃料圧力調整弁107と、サプライポンプ103、インジェクタ105、燃料圧力調整弁107の各部からの戻り燃料を燃料タンク102に戻す回収ライン108と、各部を電子制御することで、燃料噴射時期、燃料噴射量、燃料圧力などを制御する電子制御回路(ECM;Engine Control Module、ECU;Electronical Control Unitなど、以下、ECMと言う)109とを備える。
インジェクタ105から燃料をエンジン内に噴射するとき、エンジン内は圧縮行程によって高圧となっているため、燃料レール104内の燃料圧力は、エンジン内圧力に抗して噴射できる好適な高い圧力に蓄圧される。噴射に好適な燃料圧力は、騒音性能や排気ガス性能を考慮すると、エンジン状態によって異なる。そこで、いくつかのエンジンパラメータ、例えば、エンジン回転速度と燃料噴射量で参照される燃料圧力指示値マップに燃料圧力指示値が設定される。一方、サプライポンプ103では、燃料レール104に対して燃料を等量ずつ繰り返し動作で圧送して供給するが、1回の動作で供給する量を電子制御で調節できるようになっている。これを調量という。ECM109は、燃料圧力センサ106が検出する燃料圧力が燃料圧力指示値となるようにサプライポンプ103を調量制御する。
このようにして、サプライポンプ103が燃料レール104に燃料を供給することで燃料レール104内の燃料圧力が上昇し、インジェクタ105による燃料消費によって燃料レール104内の燃料圧力が低下する。また、燃料圧力センサ106が検出する燃料圧力が燃料圧力指示値を上回るときは、燃料圧力調整弁107により燃料レール104の燃料を抜き出して回収ライン108から燃料タンク102に戻すことで燃料レール104内の燃料圧力を燃料圧力指示値まで下げることができる。
インジェクタ105からの燃料噴射量を指示する燃料噴射量指示値は、エンジン回転速度やアクセル開度等のエンジンパラメータに基づいてマップを参照して決定されるが、これはエンジン制御に関する従来公知の技術であるので、詳しい説明は省く。ECM109では、インジェクタ105から燃料が燃料噴射量指示値どおり噴射されるよう、燃料圧力と燃料噴射量指示値に応じてインジェクタ105の駆動量を制御する。インジェクタ105の駆動量は、インジェクタ105のアクチュエータ構造により異なるが、駆動時間(通電時間)、印加電圧値、印加電流値等により制御される。以下では、駆動量は通電時間で表すものとする。
特開2007−40113号公報 特許第4466509号公報
エンジンの運転中に、実際にエンジン内に噴射される燃料噴射量を測定することは困難である。そこで、従来より、図8の特性をマップにしておき、このマップによって実際に噴射される燃料噴射量が燃料噴射量指示値通りとなるように制御する。すなわち、このマップを燃料噴射量指示値と燃料圧力で参照すれば、必要なインジェクタ通電時間が求まる。
図8の特性は、燃料圧力が一定であるとすると通電時間を長くしたとき燃料噴射量が増加し、通電時間が一定であるとすると燃料圧力を大きくしたとき燃料噴射量が増加するようになっている。このような特性のマップを使用しているため、従来のコモンレールシステム101は、燃料圧力センサ106を改造して不正なエンジントルクの向上を図られてしまう虞がある。具体的には、燃料圧力センサ106とECM109との間に、抵抗素子、増幅器などを付加することで、実際の燃料圧力よりも低い燃料圧力に相当する信号がECM109に入るようにすることでECM109を誤認識させるのである。
図9に示されるように、改造によってECM109が実際の燃料圧力(実線)よりも低い燃料圧力(一点鎖線)を認識しているとする。ECM109が燃料圧力指示値と認識している燃料圧力に応じて通電時間を求めインジェクタ105を駆動すると、実際の燃料圧力が高くなっているため、実際の燃料噴射量はECM109が認識する燃料噴射量(=燃料噴射量指示値)よりも多くなる。
しかし、このような改造は、排気ガス性能を悪化させると共に、エンジンの寿命を縮めてしまう。例えば、排気ガス性能や寿命の観点から望ましい燃料噴射量の範囲を表す噴射量制約値(破線)があったとすると、ECM109は噴射量制約値の範囲内で制御を行っているつもりでも、実際には噴射量制約値の範囲外で制御が行われていることになる。ECM109による燃料噴射制御は、排気ガス性能や燃費や出力トルク性能はもとより、エンジンの信頼性や騒音等の対環境性能が最適になるように、あらかじめ燃料噴射量のマップを設定して行っているため、実際の燃料噴射量が増加してしまうと、諸性能が悪化し、信頼性も維持できなくなる。
ECM109を改造して燃料噴射量指示値を多くさせたり、インジェクタ105を改造して燃料噴射量指示値に対する実際の燃料噴射量を多くさせたりすることは、容易とは言えないが、燃料圧力センサ106の改造は比較的容易であるため、改造の対象とされやすい。
燃料圧力センサ106の改造に限らず、燃料圧力センサ106の故障によって燃料圧力センサ106の読み値が実際より高いあるいは低いというように不正確になると、燃料噴射量が正しく制御できなくなり、問題である。
この課題に対し、特許文献1の技術は、出力トルクの増加から燃料噴射量の増加を検出することで燃料圧力センサの異常を判定しているが、出力トルクを検出するために、勾配センサあるいは酸素濃度センサといった比較的高価なセンサを搭載する必要があり、車両のコスト上昇を招いてしまう。
特許文献2の技術は、燃料圧力センサに異常判定用の電気回路を付加しているが、このような電気回路の追加とこれに対応するECM側のインターフェースの追加が必要となり、車両のコスト上昇を招くと共に既存の車両への適用が難しい。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、燃料圧力センサの異常が判定できる燃料圧力センサ診断装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、燃料を調量可能に供給するサプライポンプと、前記サプライポンプから供給された燃料を貯留する燃料レールと、前記燃料レールの燃料をエンジン内に噴射するインジェクタと、前記燃料レール内の燃料圧力を検出する燃料圧力センサとを備えたコモンレールシステムに適用される燃料圧力センサ診断装置であって、前記インジェクタから燃料が燃料噴射量指示値どおり噴射されるよう燃料圧力と燃料噴射量指示値に応じて前記インジェクタの駆動量を制御するインジェクタ制御部と、前記燃料圧力センサが検出する燃料圧力が燃料圧力指示値となるように前記サプライポンプを調量制御する調量制御部と、現在の燃料圧力指示値と調量制御による前記燃料レールへの燃料供給量との関係が過去の燃料圧力指示値と調量制御による前記燃料レールへの燃料供給量との関係から閾値以上乖離しているとき、前記燃料圧力センサの異常と判定する異常判定部と、燃料噴射量指示値と前記燃料圧力センサが検出する燃料圧力とにより、エンジン運転条件を判定する運転条件判定部と、エンジン運転条件ごとの燃料圧力指示値と燃料供給量との関係を記憶する実績学習部とを備え、前記異常判定部は、現在のあるエンジン運転条件での燃料圧力指示値と燃料供給量との関係を前記実績学習部に記憶されている過去の同じエンジン運転条件での燃料圧力指示値と燃料供給量の関係に照らし合わせて燃料供給量の乖離を求めるものである。
前記調量制御部が調量制御のために前記サプライポンプに与える指示値により、燃料供給量を判定する燃料供給量判定部を備えてもよい。
本発明は次の如き優れた効果を発揮する。
(1)燃料圧力センサの異常が判定できる。
本発明の一実施形態を示す燃料圧力センサ診断装置の構成図である。 サプライポンプの調量制御による燃料レールの燃料圧力調整を説明する図である。 面積調量方式のサプライポンプを説明する図である。 角度調量方式のサプライポンプを説明する図である。 本発明の燃料圧力センサ診断装置における実績学習の手順を示すフローチャートである。 本発明の燃料圧力センサ診断装置における異常判定の手順を示すフローチャートである。 コモンレールシステムの構成図である。 燃料圧力をパラメータとしインジェクタの通電時間に対する燃料噴射量を示した特性図である。 燃料圧力センサの改造により燃料噴射量が増加することを説明する通電時間対燃料噴射量特性図である。
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
図1に示されるように、本発明に係る燃料圧力センサ診断装置1は、図7で説明したコモンレールシステム101に適用される。
燃料圧力センサ診断装置1は、インジェクタ105から燃料が燃料噴射量指示値どおり噴射されるよう燃料圧力と燃料噴射量指示値に応じてインジェクタ105の駆動量を制御するインジェクタ制御部2と、燃料圧力センサ106が検出する燃料圧力が燃料圧力指示値となるようにサプライポンプ103を調量制御する調量制御部3と、現在の燃料圧力指示値と調量制御による燃料レール104への燃料供給量との関係が過去の燃料圧力指示値と調量制御による燃料レール104への燃料供給量との関係から閾値以上乖離しているとき、燃料圧力センサ106の異常と判定する異常判定部4とを備えたものである。
燃料圧力センサ診断装置1は、調量制御部3が調量制御のためにサプライポンプ103に与える指示値により、燃料供給量を判定する燃料供給量判定部5を備える。
燃料圧力センサ診断装置1は、燃料噴射量指示値と燃料圧力センサ106が検出する燃料圧力とにより、エンジン運転条件を判定する運転条件判定部6と、エンジン運転条件ごとの燃料圧力指示値と燃料供給量との関係を記憶する実績学習部7とを備える。異常判定部4は、現在のあるエンジン運転条件での燃料圧力指示値と燃料供給量との関係を実績学習部7に記憶されている過去の同じエンジン運転条件での燃料圧力指示値と燃料供給量の関係に照らし合わせて燃料供給量の乖離を求めることになる。
インジェクタ制御部2、調量制御部3は、従来より使用されているものである。インジェクタ制御部2の制御は図8の特性を設定したマップに従う。調量制御部3の制御については、後に図3、図4により説明する。異常判定部4、燃料供給量判定部5、運転条件判定部6、実績学習部7は、本発明の特徴部分をなすものであり、これらの詳しい動作は後に図5、図6により説明する。
インジェクタ制御部2、調量制御部3、異常判定部4、燃料供給量判定部5、運転条件判定部6、実績学習部7は、ECM109が実行するソフトウェアで実現される。
ここで、サプライポンプ103の調量制御による燃料レール104の燃料圧力調整について図2により詳しく説明しておく。
サプライポンプ103は、主としてフィードポンプ121、調量弁122、圧送機構123から構成される。燃料タンク102からの燃料は、燃料フィルタを通った後、配管を経てサプライポンプ103に取り込まれる。サプライポンプ103内のゴーズフィルタ124で再度濾過された燃料がフィードポンプ121の入口に流れ込む。フィードポンプ121は、常時、運転され、偏心した羽根車125を回転させることで継続的に燃料を入口から出口へ送り出す。フィードポンプ121の出口に調量弁122が設けられる。
調量弁122は、ある一定時間に通過する燃料を調量する部材である。したがって、フィードポンプ121から送り出された燃料のうち、調量された量だけが調量弁122を通過して圧送機構123に供給されることになる。余りの量は、オーバーフロー部126に流れ、燃料タンク102に回収される。
圧送機構123は、調量弁122から供給された燃料をシリンダ127に蓄え、シリンダ127内をプランジャ128がストロークすることによりシリンダ127内の燃料を全量押し出し、押し出される燃料を吐出弁129から払い出す。
調量弁122には、燃料出口の開口面積を絞ることで調量を行うものと、燃料出口が開いている時間(クランク角度期間)を変えることで調量を行うものがある。
図3(a)に示した調量弁131は、筒状のステータ132と、コイル133の電磁力によりステータ132内を移動する筒状のバルブ134とを備える。バルブ134の一端は、燃料入口となっている。バルブ134とステータ132には、それぞれ径方向に筒壁を貫通するバルブポート135とステータポート136が設けられる。ステータポート136は、燃料出口となっている。
コイル133に対して通電パルス電流をデューティ制御すると、平均電流に比例したバルブ134の変位が得られる。バルブ134の変位によりバルブポート135とステータポート136の軸方向の相対位置が変わる。図3(b)のように、バルブポート135とステータポート136が重なり合う部分(白抜きで示す)が燃料入口と燃料出口の連通部分となる。バルブポート135とステータポート136が全く重なり合わない状態では、燃料入口と燃料出口が遮断される(全閉)。バルブポート135とステータポート136がぴったり重なり合う状態では、燃料入口と燃料出口が最も大きい流路断面積で連通する(全開)。バルブポート135とステータポート136が部分的に重なり合う状態では、全閉と全開の中間となる。
図3(c)に示されるように、通電パルス電流のデューティ比に比例したバルブ開度が得られる。したがって、図3(d)に示されるように、燃料圧力指示値に対してデューティ比が変化するようにマップを設定し、燃料圧力を上昇させたいときには、デューティ比を大きくして燃料レール104への燃料供給量を増加させ、燃料圧力を低下させたいときには、デューティ比を小さくして燃料レール104への燃料供給量を減少させるという制御が可能となる。
図4(a)に示した調量弁141は、燃料出口を有する筐体142に対して燃料入口を有するバルブ143が移動して軸方向の2つの位置をとることが可能に設けられる。コイル144に電流が流れるとバルブ143が一方の位置に移動することにより、バルブ143の内部(図示せず)において燃料出口と燃料入口が連通し、コイル144の電流がなくなると、バルブ143がスプリング145で他方の位置に戻され、燃料出口と燃料入口が遮断される。
図4(b)に示されるように、クランク軸に取り付けられた歯車状の角度パルサ146に臨ませて電磁ピックアップからなるクランク角度センサ147が設けられる。
図4(c)に示されるように、クランク角度センサ147からの角度パルスと、バルブ143を開の状態にしたいクランク角度期間(開期間という)を指定するバルブ開閉信号とを論理和してコイル144に通電する。図4(d)に示されるように、燃料圧力指示値に対して開期間が変化するようにマップを設定し、燃料圧力を上昇させたいときには、開期間を長くして燃料レール104への燃料供給量を増加させ、燃料圧力を低下させたいときには、開期間を短くして燃料レール104への燃料供給量を減少させるという制御が可能となる。
次に、本発明に係る燃料圧力センサ診断装置1の動作を説明する。
燃料圧力センサ診断装置1は、燃料圧力指示値と燃料供給量との関係を定期的あるいは何かのイベントごとに演算し学習するようになっている。工場出荷時にはデフォルトが設定されており、ユーザが使用する間に演算及び学習が繰り返される。以下では、一回の運転ごと(例えば、キーオンごと)に演算及び学習を行うものとし、これの繰り返しのうち前回運転時の判定と今回運転時の判定について説明する。
図5に示されるように、前回運転時、ステップS1にて、燃料レール104内の燃料圧力に対して与える燃料圧力指示値は、燃圧マップを参照することにより求められる。燃圧マップの一例が図中に示されている。すなわち、燃料圧力指示値のマップはエンジン回転速度と燃料噴射量で参照される。燃圧マップの数値が大きい方が燃料圧力指示値が大きい。
燃料圧力指示値が与えられると、調量制御部3は、図3又は図4の方式に従いサプライポンプ103を調量制御する。このとき、サプライポンプ103に与える調量制御の指示値が、デューティ比又は開期間である。調量制御の指示値により、適宜な単位時間内におけるサプライポンプ103から燃料レール104への燃料供給量がほぼ求まる。
しかし、燃料供給量を判定する要素は、調量制御の指示値のみではなく、いくつかのエンジンパラメータを考慮する必要がある。サプライポンプ103には内部リークがあり、内部リークした燃料が回収ライン108(図7参照)に戻る。内部リークは、燃料温度に左右されるので、サプライポンプ103に同じ調量制御の指示値を与えても、燃料温度によって実際の燃料供給量が異なる。さらに、燃料温度が高いと燃料密度(比重)が低下するため、同じ調量(デューティ比、バルブ開期間)に対して燃料供給量(重量)が少ない。よって、サプライポンプ103における燃料温度を、例えば、図2の測定位置Tで測定すれば、燃料温度は、燃料供給量を判定する要素となる。また、エンジン回転速度が高くなると燃料温度が高くなる。よって、エンジン回転速度は、燃料供給量を判定する要素となる。また、大気温度が高くなると、燃料タンク102からサプライポンプ103までの配管において燃料温度が上昇するので、大気温度も燃料供給量を判定する要素となる。
そこで、ステップS2にて、燃料供給量判定部5は、調量制御部3がサプライポンプ103に与える調量制御の指示値に、エンジン回転速度、燃料温度、大気温度などのエンジンパラメータを加味して燃料供給量を判定する。これらのエンジンパラメータについて、調量制御の指示値に対する補正量を各々マップに設定しておき、これらのマップをエンジンパラメータで参照して燃料供給量を補正するとよい。
一方、ステップS3にて、運転条件判定部6では、エンジン運転条件を判定する。これは、エンジン運転条件が異なると燃料圧力指示値と燃料供給量との関係が異なるからである。燃料レール104の燃料圧力は、サプライポンプ103からの燃料供給で上昇し、インジェクタ105の燃料噴射で低下する。したがって、インジェクタ105における燃料噴射量(=燃料噴射量指示値)がエンジン運転条件となる。また、インジェクタ105における燃料消費には、エンジン内への燃料噴射のほかにバックリークによる消費がある。バックリークした燃料は回収ライン108(図7参照)に戻る。バックリーク量は、燃料圧力と燃料温度に依存する。そこで、エンジン運転条件は、主に燃料噴射量指示値と燃料圧力とを要素とし、これにいくつかのエンジンパラメータを加味して判定する。エンジン運転条件を判定する要素となるエンジンパラメータとしては、エンジン回転速度、燃料温度、大気温度などがある。これらの要素を用い、同じエンジン運転条件では燃料圧力指示値と燃料供給量との関係が同様になるよう、複数の離散的なエンジン運転条件をあらかじめ設定しておく。なお、ここで用いる燃料圧力は、燃料圧力センサ106が検出した燃料圧力である。
ステップS4にて、実績学習部7では、エンジン運転条件ごとの燃料圧力指示値と燃料供給量との関係を記憶する。例えば、エンジン回転速度が700rpm、燃料噴射量指示値0.001cm3/回転であるとき、燃料圧力指示値が30MPa、燃料供給量が調量制御の指示値のデューティ比10%に相当する燃料供給量であったとする。ことのきのエンジン運転条件に対応する学習マップに燃料圧力指示値と燃料供給量との関係を記憶することになる。学習マップの一例が図中に示されている。当該エンジン運転条件について工場出荷時に設定されていたデフォルトラインに対して燃料供給量の演算結果が不一致であるので、デフォルトラインに対して平行なラインが演算結果を含むように新しいラインを学習する。
この学習したラインは、あるエンジン運転条件においてサプライポンプ103からどれくらいの燃料を送れば燃料レール104の燃料圧力がどれくらいに維持できるかを表している。ただし、工場出荷時のデフォルトラインから大きく異なることはなく、図は誇張して示してある。デフォルトラインは車両の個体差を無視し、代表的な車両による実験データをもとにロットで一律に設定したものであり、出荷後に学習したラインは当該個体の特性に基づくものとなる。エンジン運転条件が変わるごとに、そのエンジン運転条件の学習マップに、学習したラインが記憶されることになる。
図6に示されるように、今回運転時は、ステップS11、S12、S13にて、前回運転時と同様に燃料圧力指示値と燃料供給量とエンジン運転条件を判定する。ステップS14にて、異常判定部4は、現在のあるエンジン運転条件での燃料圧力指示値と燃料供給量との関係を演算する。例えば、エンジン回転速度が1000rpm、燃料噴射量指示値が0.01cm3/回転であるとき、燃料圧力指示値が100MPa、燃料供給量が調量制御の指示値のデューティ比20%に相当する燃料供給量であったとする。この場合、これと同等のエンジン運転条件の学習マップにおいて燃料圧力指示値と燃料供給量との関係を比較することになる。
ステップS15にて、異常判定部4は、現在のあるエンジン運転条件での燃料圧力指示値と燃料供給量との関係を実績学習部7に記憶されている過去の同じエンジン運転条件での燃料圧力指示値と燃料供給量の関係に照らし合わせて燃料供給量の乖離を求める。この乖離が閾値以上のとき、燃料圧力センサ106の異常と判定する。異常の判定に対しては、ただちに運転者に警告を行うか、あるいは燃料圧力センサ106に異常が起きたことをECM109に記憶しておき、検査・修理工場での診断時に読み出せるようにしておくとよい。なお、ここで判定される異常は、単純な断線や短絡といった故障ではなく、運転者によって燃料圧力センサ106に改造がなされた場合も含むので、あえて運転者には警告を出さずにECM109に記憶するだけでもよい。いったん燃料圧力センサ106の異常が判定された後は、学習は行わない。
学習マップにおける比較の一例が図中に示されている。学習マップには、前回運転時の演算結果で学習した当該エンジン運転条件での学習ラインが記憶されている。この学習ラインに対し、今回運転時の演算結果が大きく乖離していることが分かる。乖離の大きさを定量的に判断するために、前回運転時に学習した学習ラインと今回運転時の演算結果との距離(好ましくは、同じ燃料圧力指示値における燃料供給量間の距離)を乖離と定義し、あらかじめ閾値を設定しておく。
前回運転時と今回運転時とで、同じエンジン運転条件、同じ燃料圧力指示値であれば、燃料供給量は同じになるはずであるが、図示例のように、前回運転時と今回運転時とで燃料圧力指示値と燃料供給量の関係の乖離が閾値以上となるのには、原因があると判断できる。ここで、もし、前回運転時から今回運転時までの間に、燃料圧力センサ106に改造が加えられ、実際の燃料圧力よりも低い燃料圧力に相当する信号がECM109に入るようになったとすると、調量制御の結果、実際の燃料圧力は燃料圧力指示値よりも高くなる。よって、インジェクタ105における実際の燃料噴射量はECM109が認識する燃料噴射量(=燃料噴射量指示値)よりも多くなる。このため、燃料レール104の燃料消費が増大し、同じ燃料圧力指示値に燃料圧力を維持するには、燃料供給量を大きくしなければならない。この結果、サプライポンプ103に与える調量制御の指示値を大きくする必要に迫られる。
本発明の燃料圧力センサ診断装置1では、調量制御の指示値(例えば、デューティ比)から燃料供給量を判定し、同じ燃料圧力にするための燃料供給量が前回(例えば、昨日の運転時)から今回(例えば、今日の運転時)にかけて急に多くなっていることから、燃料圧力センサ106が検出している燃料圧力が急に低くなった、すなわち、燃料圧力センサ106の読み値に異常が生じたと判定することになる。
以上説明したように、本発明の燃料圧力センサ診断装置1では、現在の燃料圧力指示値と調量制御による燃料レール104への燃料供給量との関係が過去の燃料圧力指示値と調量制御による燃料レール104への燃料供給量との関係から閾値以上乖離しているとき、燃料圧力センサ106の異常と判定するようにしたので、燃料圧力センサ106を診断することができる。
また、本発明の燃料圧力センサ診断装置1は、特別な部材(高価なセンサや新規な回路)を付加する必要がなく、部材を付加するとしても安価な燃料温度センサを付加する程度で済むので、車両のコスト上昇を招くことがない。
1 燃料圧力センサ診断装置
2 インジェクタ制御部
3 調量制御部
4 異常判定部
5 燃料供給量判定部
6 運転条件判定部
7 実績学習部

Claims (2)

  1. 燃料を調量可能に供給するサプライポンプと、
    前記サプライポンプから供給された燃料を貯留する燃料レールと、
    前記燃料レールの燃料をエンジン内に噴射するインジェクタと、
    前記燃料レール内の燃料圧力を検出する燃料圧力センサとを備えたコモンレールシステムに適用される燃料圧力センサ診断装置であって、
    前記インジェクタから燃料が燃料噴射量指示値どおり噴射されるよう燃料圧力と燃料噴射量指示値に応じて前記インジェクタの駆動量を制御するインジェクタ制御部と、
    前記燃料圧力センサが検出する燃料圧力が燃料圧力指示値となるように前記サプライポンプを調量制御する調量制御部と、
    現在の燃料圧力指示値と調量制御による前記燃料レールへの燃料供給量との関係が過去の燃料圧力指示値と調量制御による前記燃料レールへの燃料供給量との関係から閾値以上乖離しているとき、前記燃料圧力センサの異常と判定する異常判定部と
    燃料噴射量指示値と前記燃料圧力センサが検出する燃料圧力とにより、エンジン運転条件を判定する運転条件判定部と、
    エンジン運転条件ごとの燃料圧力指示値と燃料供給量との関係を記憶する実績学習部とを備え
    前記異常判定部は、現在のあるエンジン運転条件での燃料圧力指示値と燃料供給量との関係を前記実績学習部に記憶されている過去の同じエンジン運転条件での燃料圧力指示値と燃料供給量の関係に照らし合わせて燃料供給量の乖離を求めることを特徴とする燃料圧力センサ診断装置。
  2. 前記調量制御部が調量制御のために前記サプライポンプに与える指示値により、燃料供給量を判定する燃料供給量判定部を備えたことを特徴とする請求項1記載の燃料圧力センサ診断装置。
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