JP2014084754A - レール圧センサ出力特性診断方法及びコモンレール式燃料噴射制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】調量弁6を全開状態として、圧力制限弁10を開弁せしめた際に、レール圧センサにより得られた最大の圧力を最大圧力とし、次いで、圧力制限弁10が開弁せしめられた状態で、かつ、高圧ポンプ7が全圧送状態において、レール圧センサ11により得られた圧力を流量大側2次圧力とし、次いで、調量弁6の弁開度を絞り、圧力制限弁10の通過流量を、高圧ポンプ7の全圧送状態における通過流量よりも小さく、かつ、圧力制限弁10が開弁状態を維持し得る状態とし、その際、レール圧センサ11により得られた圧力を流量小側2次圧力とし、先の最大圧力、流量大側2次圧力、及び、流量小側2次圧力のいずれかが、予め定められた許容計測範囲外にある場合に、レール圧センサ11の故障と判定するよう構成されてなるものである。
【選択図】図2
Description
かかるコモンレール式燃料噴射制御装置において、圧力センサは、レール圧制御において必要とされる実レール圧の検出のため必須であり、レール圧制御において重要な役割を果たすものであるため、その動作の良否を的確に把握することが必要であり、従来から種々の診断方法、装置などが提案、実用化されている。
さらに、車両の自己診断の規格であるOBD(On-Board Diagnostics)2を採用する車両においては、圧力センサの出力特性の直線性を監視する機能(リニアライズモニタリング機能)が要求されるが、上述の従来手法では、ある圧力の一点のみを故障診断の対象とするため、リニアライズモニタリング機能には対応できず、別途、何らかの方策を講ずる必要がある。
燃料タンクの燃料が高圧ポンプによりコモンレールへ加圧、圧送され、当該コモンレールに接続された燃料噴射弁を介して内燃機関へ高圧燃料の噴射を可能としてなると共に、前記高圧ポンプの上流側に電磁式調量弁が、前記高圧ポンプの下流側に圧力制限弁が、それぞれ設けられ、前記コモンレールの圧力を検出するレール圧センサの検出信号に基づいて電子制御ユニットによる前記電磁式調量弁の駆動制御により、前記コモンレールのレール圧を制御可能としてなるコモンレール式燃料噴射制御装置におけるレール圧センサ出力特性診断方法であって、
前記圧力制限弁を強制的に開弁せしめ、前記圧力制限弁における複数の通過流量において、各通過流量に対するレール圧を前記レール圧センサにより得、前記レール圧センサにより得られたレール圧のいずれかが、予め定められた許容計測範囲外である場合に、前記レール圧センサの故障と判定するよう構成されてなるものである。
また、上記本発明の目的を達成するため、本発明に係るコモンレール式燃料噴射制御装置は、
燃料タンクの燃料が高圧ポンプによりコモンレールへ加圧、圧送され、当該コモンレールに接続された燃料噴射弁を介して内燃機関へ高圧燃料の噴射を可能としてなると共に、前記高圧ポンプの上流側に電磁式調量弁が、前記高圧ポンプの下流側に圧力制限弁が、それぞれ設けられ、前記コモンレールの圧力を検出するレール圧センサの検出信号に基づいて電子制御ユニットによる前記電磁式調量弁の駆動制御により、前記コモンレールのレール圧を制御可能としてなるコモンレール式燃料噴射制御装置であって、
前記電子制御ユニットは、
前記圧力制限弁を強制的に開弁せしめ、前記圧力制限弁における複数の通過流量において、各通過流量に対するレール圧を前記レール圧センサにより得、前記レール圧センサにより得られたレール圧のいずれかが、予め定められた許容計測範囲外である否かを判定し、前記レール圧のいずれかが、予め定められた許容計測範囲外であると判定された場合に、前記レール圧センサの故障と判定するよう構成されてなるものである。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、本発明の実施の形態におけるレール圧センサ出力特性診断方法が適用されるコモンレール式燃料噴射制御装置の構成例について、図1を参照しつつ説明する。
かかる構成において、燃料タンク9の燃料は、供給ポンプ5により汲み上げられ、調量弁6を介して高圧ポンプ7へ供給されるようになっている。調量弁(以下、必要に応じて「MPROP」と称する)6には、電磁式比例制御弁が用いられ、その通電量が電子制御ユニット4により制御されることで、高圧ポンプ7への供給燃料の流量、換言すれば、高圧ポンプ7の吐出量が調整されるものとなっている。
また、供給ポンプ5は、高圧ポンプ装置50の上流側に高圧ポンプ装置50と別体に設けるようにしても、また、燃料タンク9内に設けるようにしても、いずれでも良いものである。
燃料噴射弁2−1〜2−nは、エンジン3の気筒毎に設けられており、それぞれコモンレール1から高圧燃料の供給を受け、電子制御ユニット4による噴射制御によって燃料噴射を行うようになっている。
圧力制限弁10は、レール圧が開弁圧Pop(図3参照)を超えると開弁状態となり、その後、圧力は急速に低下し、2次圧と称される比較的低圧状態に収束するものとなっている。かかる2次圧は、実際には、流量の変化によってある程度の幅で変化するものとなっている。
なお、図3において、レール圧が上述の開弁圧Popとなる箇所を符号Aを付して表している。
かかる電子制御ユニット4には、コモンレール1の圧力を検出するレール圧センサ11の検出信号が入力される他、エンジン回転数、アクセル開度、燃料温度などの各種の検出信号が、エンジン3の燃料噴射制御などに供するために入力されるようになっている。
かかるリンプホームモード制御は、レール圧センサ11が正常な場合と、レール圧センサ11が故障と判定された場合とで、それぞれの装置の動作状態に応じた制御が実行されるようになっている。
すなわち、レール圧センサ11が正常な場合には、レール圧センサ11により取得された実際のレール圧を基に、電子制御ユニット4により燃料噴射弁2−1〜2−nの通電時間が算出され、その算出された通電時間で燃料噴射弁2−1〜2−nによる燃料噴射が行われてリンプホームモードでの走行状態が維持されるようになっている。
一方、レール圧センサ11が故障診断処理や、後述するレール圧センサ出力特性診断処理により故障との診断がなされた場合には、次述するような制御が実行されてリンプホームモードでの車両走行が可能になっている
ここで、2次圧の中央値は、複数の圧力制限弁について、実際に計測された2次圧のいわゆる代表値であり、例えば、単純平均値や二乗平均値として設定されるものである。
電子制御ユニット4による処理が開始されると、最初に、モニタリング条件成立か否かの判定が行われる(図2のステップS102参照)。
すなわち、レール圧センサ11の出力特性の直線性を監視する(リニアライズモニタリング)処理であるステップS104以降の処理を実行するに適した所定の条件が満足された状態にあるか否かが判定される。
まず、レール圧センサ11の出力特性の直線性は、急激に変化するものではなく、比較的長時間の使用において徐々に悪化するのが一般的であるので、以下に説明する一連の処理を行う周期は、比較的長い時間間隔に設定されるのが好適である。具体的な値は、種々の使用環境、例えば、最大レール圧、車種、レール圧センサ11自体の構造特性等を考慮して適宜定めるのが好適である。
これによって、高圧ポンプ7が全圧送状態とされるため、圧力制限弁10が開弁されることとなる。
すなわち、調量弁6の全開状態の処理とほぼ同時にレール圧センサ11の検出信号、すなわち、検出されたレール圧が適宜な時間間隔で電子制御ユニット4に読み込まれて、適宜な記憶領域に暫定的に記憶されてゆくと共に、記憶されたレール圧の中に最大値が出現したか否かが判定され、最大圧力が取得されるようになっている。これは、レール圧が、調量弁6の全開の後、先に説明したように圧力制限弁10が開弁する際の開弁圧Popに相当する大きさとなったことを検出するための処理である。
ここで、流量大側2次圧力は、圧力制限弁10が開弁状態となった場合にレール圧センサ11により検出されるレール圧である。
その大凡の概念を、先に図3に示された圧力制限弁の流量とレール圧の変化を示す特性線を参照しつつ説明する。
まず、圧力制限弁10が開弁状態となった場合、その直後のレール圧は、調量弁6の全開状態が維持されている際には、図3に示されたように一旦、急速に低下し、ある最低値へ低下した後、開弁による通過流量の増加に伴い増加してゆく変化を示し、高圧ポンプ7や圧力制限弁10の仕様により定まる通過流量に落ち着くこととなり、図3においては、符号Cが付された箇所として表されている。
また、圧力制限弁10が開弁状態となった後、調量弁6の弁開度を小さくするよう調整すると、それに伴い圧力制限弁10の通過流量が低下するため、レール圧は図3の特性線に沿って低下してゆくが、このような場合に、レール圧が先の最低値よりも若干高い値を下回らないような構造が採られており、通過流量の低下に伴い圧力が最低値以下となって圧力制御弁10が再び閉弁状態に戻ることが無いようにしてある。
この符号Bが付された箇所の圧力を、説明の便宜上、「流量小側2次圧力」と称することとする。
なお、本発明の実施の形態における圧力制限弁10は、開弁後に調量弁6の開度を小さくして、圧力を上述した図3における特性線の最低値以下とすることで閉弁状態に復帰可能な構成となっているものである。
先に述べたように、流用大側2次圧取得(図2のステップS108参照)が行われた後は、調量弁6の弁開度が小さく設定され(図2のステップS110参照)、次いで、流量小側2次圧の取得が行われることとなる(図2のステップS112参照)。
すなわち、先に図3を参照しつつ説明したように、圧力制限弁10の通過流量が小さい状態におけるレール圧(図3の符号Bの箇所における圧力)の取得が行われる。
すなわち、先ず、本発明の実施の形態においては、先の最大圧力、流量大側2次圧力、及び、流量小側2次圧力についての予想圧力が予め定められたものとなっている。
すなわち、圧力制限弁10が開弁した場合、図3において符号A、B、Cが付された箇所における圧力値は、コモンレール式燃料噴射制御装置の具体的な仕様が定まれば、圧力制限弁10の通過流量の予測値(予測通過量)が算出できる。
さらに、この予測通過流量と、予め把握されている圧力制限弁10の通過流量と圧力との相関関係とを基に、予測される圧力値(予想圧力)が求められる。
すなわち、先のステップS106、S108、S112で取得された計測圧力に対して、計測値として許容できる範囲(許容計測範囲)が定められている。
図4には、上述の許容計測範囲を説明する説明図が示されており、以下、同図について説明する。
図4において、横軸は予想圧力を表しており、縦軸は計測圧力を表している。
同図において符号A,B,Cが付された点は、先の図3において同一符号が付された箇所に対する予想圧力の位置を示すものとなっている。なお、計測圧力はあくまでも一例であり、これに限定されるものではない。
この計測許容範囲は、具体的には、例えば、上述の予想圧力を中心に、予め定めた圧力幅として設定されるものである。ここで、圧力幅は、レール圧センサ11の出力特性やコモンレール式燃料噴射制御装置の具体的な仕様等を考慮して、個々に適宜な値が設定されるべきものである。
なお、図4の例の場合、いずれの計測圧も許容計測範囲内となっており、レール圧センサ11の出力特性の直線性に問題なしと判定できるものとなっている。
上述した本発明の実施の形態においては、圧力制限弁10を強制開弁させて、最大圧力、流量大側2次圧力、及び、流量小側2次圧力の3つの計測値を得るようにしたが、計測値の数は上述の3つに限定される必要はなく、任意の計測数として良いものである。
4…電子制御ユニット
6…調量弁
10…圧力制限弁
11…レール圧センサ
Claims (4)
- 燃料タンクの燃料が高圧ポンプによりコモンレールへ加圧、圧送され、当該コモンレールに接続された燃料噴射弁を介して内燃機関へ高圧燃料の噴射を可能としてなると共に、前記高圧ポンプの上流側に電磁式調量弁が、前記高圧ポンプの下流側に圧力制限弁が、それぞれ設けられ、前記コモンレールの圧力を検出するレール圧センサの検出信号に基づいて電子制御ユニットによる前記電磁式調量弁の駆動制御により、前記コモンレールのレール圧を制御可能としてなるコモンレール式燃料噴射制御装置におけるレール圧センサ出力特性診断方法であって、
前記圧力制限弁を強制的に開弁せしめ、前記圧力制限弁における複数の通過流量において、各通過流量に対するレール圧を前記レール圧センサにより得、前記レール圧センサにより得られたレール圧のいずれかが、予め定められた許容計測範囲外である場合に、前記レール圧センサの故障と判定することを特徴とするレール圧センサ出力特性診断方法。 - 前記圧力制限弁の強制開弁による、前記圧力制限弁における複数の通過流量に対するレール圧の取得は、
前記電磁式調量弁を全開状態として、前記圧力制限弁を開弁せしめた際に、前記レール圧センサにより得られた最大の圧力を最大圧力とし、
次いで、前記圧力制限弁が開弁せしめられた状態で、かつ、前記高圧ポンプが全圧送状態において、前記レール圧センサにより得られた圧力を流量大側2次圧力とし、
次いで、前記電磁式調量弁の弁開度を絞り、前記圧力制限弁の通過流量を、前記高圧ポンプの全圧送状態における通過流量よりも小さく、かつ、前記圧力制限弁が開弁状態を維持し得る状態とし、その際、前記レール圧センサにより得られた圧力を流量小側2次圧力とし、
前記最大圧力、前記流量大側2次圧力、及び、前記流量小側2次圧力を、それぞれ前記許容計測範囲外か否かの判断対象とすることを特徴とする請求項1記載のレール圧センサ出力特性診断方法。 - 燃料タンクの燃料が高圧ポンプによりコモンレールへ加圧、圧送され、当該コモンレールに接続された燃料噴射弁を介して内燃機関へ高圧燃料の噴射を可能としてなると共に、前記高圧ポンプの上流側に電磁式調量弁が、前記高圧ポンプの下流側に圧力制限弁が、それぞれ設けられ、前記コモンレールの圧力を検出するレール圧センサの検出信号に基づいて電子制御ユニットによる前記電磁式調量弁の駆動制御により、前記コモンレールのレール圧を制御可能としてなるコモンレール式燃料噴射制御装置であって、
前記電子制御ユニットは、
前記圧力制限弁を強制的に開弁せしめ、前記圧力制限弁における複数の通過流量において、各通過流量に対するレール圧を前記レール圧センサにより得、前記レール圧センサにより得られたレール圧のいずれかが、予め定められた許容計測範囲外である否かを判定し、前記レール圧のいずれかが、予め定められた許容計測範囲外であると判定された場合に、前記レール圧センサの故障と判定するよう構成されてなることを特徴とするコモンレール式燃料噴射制御装置。 - 前記圧力制限弁の強制開弁による、前記圧力制限弁における複数の通過流量に対するレール圧の取得は、
前記電磁式調量弁を全開状態として、前記圧力制限弁を開弁せしめた際に、前記レール圧センサにより得られた最大の圧力を最大圧力とし、
次いで、前記圧力制限弁が開弁せしめられた状態で、かつ、前記高圧ポンプが全圧送状態において、前記レール圧センサにより得られた圧力を流量大側2次圧力とし、
次いで、前記電磁式調量弁の弁開度を絞り、前記圧力制限弁の通過流量を、前記高圧ポンプの全圧送状態における通過流量よりも小さく、かつ、前記圧力制限弁が開弁状態を維持し得る状態とし、その際、前記レール圧センサにより得られた圧力を流量小側2次圧力とし、
前記最大圧力、前記流量大側2次圧力、及び、前記流量小側2次圧力を、それぞれ前記許容計測範囲外か否かの判断対象とすることを特徴とする請求項3記載のコモンレール式燃料噴射制御装置。
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