JP2008280895A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】グロープラグの劣化に起因する失火及び白煙の発生を防止する。
【解決手段】エンジンシステム10において、ECU100は、エンジン200においてグロープラグ210が劣化した場合における冷間始動時の燃焼性能維持を目的として燃焼性能維持処理を実行する。当該処理において、燃料カット時に微小噴射量学習処理によってインジェクタ211の燃料噴射特性が補正された後、同じく燃料カット時に冷間始動時において燃焼性能を向上させるべく設定されるインジェクタ211の冷間補正値をグロープラグ210の劣化状態に応じて更新するための冷間補正値更新処理が実行される。当該処理では、グロープラグ210の作動時及び非作動時に規定量の燃料噴射がなされ、夫々の場合について機関発生トルクが算出される。そしてこの算出された機関発生トルク各々の偏差に基づいてシリンダ毎に冷間補正値が更新される。
【選択図】図5
【解決手段】エンジンシステム10において、ECU100は、エンジン200においてグロープラグ210が劣化した場合における冷間始動時の燃焼性能維持を目的として燃焼性能維持処理を実行する。当該処理において、燃料カット時に微小噴射量学習処理によってインジェクタ211の燃料噴射特性が補正された後、同じく燃料カット時に冷間始動時において燃焼性能を向上させるべく設定されるインジェクタ211の冷間補正値をグロープラグ210の劣化状態に応じて更新するための冷間補正値更新処理が実行される。当該処理では、グロープラグ210の作動時及び非作動時に規定量の燃料噴射がなされ、夫々の場合について機関発生トルクが算出される。そしてこの算出された機関発生トルク各々の偏差に基づいてシリンダ毎に冷間補正値が更新される。
【選択図】図5
Description
本発明は、グロープラグを有する内燃機関を制御する内燃機関の制御装置の技術分野に関する。
この種の技術分野において、内燃機関の出力状態から噴射量を学習するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示されたディーゼル機関の噴射量制御装置(以下、「従来の技術」と称する)によれば、無噴射時に単発噴射を実施し、その単発噴射によって上昇するエンジンの回転数の変化量と、単発噴射を実施した時のエンジン回転数との積であるトルク比例量から算出される発生トルクから実噴射量を推定すると共に、当該推定された実噴射量と噴射量の指令値との差を検出することによって、噴射量学習を高精度に実施することが可能であるとされている。
尚、気筒毎のエンジン回転数偏差から、気筒毎の燃料噴射量を補正してエンジン振動を抑制する技術も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
この種の内燃機関においてグロープラグが劣化した場合、燃料の着火性が悪化し、例えば冷間始動時等に失火や白煙の発生等の問題が生じる可能性がある。ところが、従来の技術では、噴射量の学習により噴射手段に生じ得る機械的なバラツキは補正し得ても、グロープラグの劣化については考慮されておらず、この種の問題を回避することが困難である。即ち、従来の技術には、グロープラグの劣化に起因する失火及び白煙発生への対策が不十分であるという技術的な問題点がある。
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、グロープラグの劣化に起因する失火及び白煙の発生等を防止し得る内燃機関の制御装置を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係る内燃機関の制御装置は、燃料を噴射する噴射手段及びグロープラグを備えた内燃機関の制御装置であって、第1の噴射量に相当する前記燃料が噴射されるように前記噴射手段を制御する第1の噴射制御手段と、少なくとも前記グロープラグを作動させた状態における前記第1の噴射量に相当する燃料の噴射に伴う前記内燃機関のトルクの変動量を特定する第1の変動量特定手段と、前記特定された変動量に基づいて、予め前記グロープラグを使用すべき旨が設定された前記内燃機関の動作期間における、前記内燃機関の燃焼性能の向上に対応付けられた前記噴射手段の制御量を補正する制御量補正手段とを具備することを特徴とする。
本発明における「内燃機関」とは、例えば複数の気筒を有し、当該各々の燃焼室において、例えば軽油等の燃料を含む混合気が燃焼した際に発生する爆発力を、例えばピストン、コネクティングロッド及びクランク軸等を適宜介して動力として取り出すことが可能に構成された機関であって、特に熱エネルギの付与により燃焼室、混合気或いは噴射された燃料(以下、適宜「噴射燃料」と称する)を幾らかなり昇温せしめることが可能な手段を包括する概念としてのグロープラグを備えた機関を指し、例えば2サイクル或いは4サイクル型のディーゼルエンジン等を指す。
本発明に係る内燃機関の制御装置によれば、その動作時には、少なくともグロープラグの作動時(作動している状態として連続的又は段階的な状態を採り得る場合には、少なくとも非作動状態にない場合)における、第1の噴射量に相当する燃料の噴射に伴う内燃機関のトルクの変動量(以下、適宜「トルク変動量」と略称する)が、例えば内燃機関に備わる複数の気筒の各々について、又は複数の気筒群毎に、或いは気筒の別なく一括して特定される。
ここで、グロープラグが、燃焼室、混合気或いは噴射燃料に対し、直接的に或いは間接的に熱エネルギを付与し得ることに鑑みれば、燃焼室、混合気或いは噴射燃料の熱状態と相関する、始動性能及び着火性能を含む概念としての内燃機関の燃焼性能は、グロープラグの作動の有無といった二値的状態、或いはグロープラグが連続的な又は段階的な作動状態を採り得る場合には、その連続的又は段階的な状態を含み得る概念としてのグロープラグの作動状態に幾らかなり影響を受ける。特に、冷間始動時等、燃焼室及び混合気の温度が低く、始動性能及び着火性能が相対的に低下し易い条件においては、その傾向は顕著である。
従って、内燃機関の燃焼性能は、少なくとも制御上グロープラグが幾らかなり作動せしめられる状況においては、グロープラグに生じる経時的な劣化及び何らかの外的又は内的理由に起因する故障の有無や度合い等を含む概念としての劣化状態に幾らかなり影響を受け、典型的には当該劣化状態に応じて(即ち、劣化や故障等の度合いが大きい程)悪化する。
このため、当該燃焼性能に少なからず依存する、第1の噴射量に相当する燃料の噴射に伴う内燃機関のトルク変動も、グロープラグの劣化状態に影響を受ける。即ち、第1の変動量特定手段により特定されるトルク変動量は、各々相互間に如何なる対応付けがなされるにせよ、気筒各々における、又は複数の気筒群毎の、或いは気筒の別なく一括した、グロープラグの劣化状態を規定する指標値として実践上有効となる。
一方、例えば冷間始動時等、グロープラグを使用すべき旨が設定される内燃機関の動作期間においてグロープラグが正常に機能しない場合、或いはグロープラグの性能が予め想定されるよりも劣る場合、必然的に内燃機関の燃焼性能は低下し、失火や白煙の発生といった、実践上看過し難い問題が生じ得る。
そこで、本発明に係る内燃機関の制御装置によれば、その動作時には、第1の変動量特定手段により特定されたトルク変動量に基づいて、グロープラグを使用すべき旨が設定された内燃機関の動作期間における、内燃機関の燃焼性能の向上に対応付けられた(即ち、内燃機関の燃焼性能を向上させるものとして規定された)噴射手段の制御量が、例えば気筒各々について、又は複数の気筒群毎に、或いは気筒の別無く一括して補正される。
上述したように、このトルク変動量は、グロープラグの劣化状態を規定する指標として有効であり、このトルク変動量に基づいてなされる当該制御量の補正は、即ちグロープラグの劣化状態に基づいた補正と等価となり得る。
従って、制御量補正手段は、例えば予め実験的に、経験的に、理論的に或いはシミュレーション等に基づいて、例えばグロープラグの劣化状態に応じて生じ得る上述した内燃機関の燃焼性能の低下が幾らかなり抑制されるように、又は例えばこのような燃焼性能の低下が相殺されるように、或いは例えば内燃機関の気筒各々又は気筒群各々におけるグロープラグの劣化状態のバラツキが解消されるように定められた各種の対応関係等に従ってマップ等から然るべき補正量や補正係数を選択的に取得することにより、或いはこのように定められたアルゴリズム、算出式又は論理式等に従ってその都度個別具体的な演算処理を行うこと等によりなされる当該制御量の補正を介して、グロープラグの劣化状態に応じて生じる内燃機関の燃焼性能の低下を抑制することが可能となる。このような燃焼性能の低下抑制の効果が奏されることによって、失火及び白煙の発生等が防止される。即ち、本発明に係る内燃機関の制御装置によれば、グロープラグの劣化等に起因する失火及び白煙の発生等を防止することが可能となるのである。
本発明に係る内燃機関の制御装置の第1の態様では、前記第1の変動量特定手段は、前記グロープラグの複数の作動状態について前記変動量を特定し、前記制御量補正手段は、前記複数の作動状態について特定された変動量の相対関係に基づいて前記制御量を補正する。
この態様によれば、トルク変動量が、グロープラグの複数の作動状態、例えば好適な一形態として、少なくとも作動している状態(以下、適宜「作動制御状態」と称する)及び作動していない状態(以下、適宜「非作動制御状態」と称する)の各々について特定される。前述した制御量の補正は、これら各々について特定された変動量の相対関係、例えば両者の偏差等に基づいて行われる。
このように複数の作動状態におけるトルク変動量の相対関係が参照される場合、グロープラグが如何なる劣化状態にあるか(全く劣化していない状態も含む)についての推定或いは判断に、その時点のグロープラグのリアルタイムな状態を反映させることが可能となるため、例えば一の作動状態について特定されたトルク変動量を、予め然るべき記憶手段等に記憶してなる基準値等と比較すること等によってグロープラグの劣化状態の推定を図る場合と較べ、グロープラグの劣化状態がより高精度に表される。従って、噴射手段における制御量の補正を、グロープラグの実情をより反映しつつ行うことが可能となり、内燃機関の燃焼性能の低下がより効率的且つ効果的に抑制される。
尚、この態様では、前記複数の作動状態は、前記グロープラグを作動させない状態を含んでもよい。
グロープラグが、作動している状態として(即ち、作動制御状態として)複数の状態を採り得る場合(例えば、通電量が可変である等して付与し得る熱エネルギが可変である場合)、上述した相対関係を規定すべき複数の作動状態をこれらの中から選択することも可能であるが、複数の作動状態の一としてグロープラグを作動させない状態(即ち、非作動制御状態)が含まれる場合、グロープラグが正常に機能しない(或いは正常に機能しないとみなし得る)状態にある場合と、正常に機能する(或いは正常に機能するとみなし得る)状態にある場合とで、複数の作動状態の各々について特定されるトルク変動量に有意な差が生じ易い。
従って、この場合、グロープラグの劣化状態の推定(実際に推定するか否かは別として)に係る解像度が高くなり、噴射手段の補正に係る補正量を、より精細に設定することが可能となるため、内燃機関の燃焼性能の低下を効果的に抑制することが可能となる。
本発明に係る内燃機関の制御装置の第2の態様では、前記特定された変動量に基づいて前記グロープラグの劣化状態を特定する劣化状態特定手段を更に具備し、前記制御量補正手段は、前記特定された劣化状態に応じて前記制御量を補正する。
この態様によれば、特定されたトルク変動量に基づいて、気筒各々について、又は複数の気筒群毎に、或いは気筒の別無く一括して、グロープラグの実際の劣化状態が特定される。従って、制御量の補正に明確な指針が与えられ、実践上有益である。
また、このようにグロープラグの劣化状態が実際に特定されることに鑑みれば、例えば、制御量の補正を介した内燃機関の性能低下の抑制に加えて、グロープラグの劣化状態そのものを、例えば物理的、機械的又は電気的な各種告知手段、例えばインジケータ等の制御を経てドライバに告知することも容易にして可能であり、間接的に内燃機関の燃焼性能の低下の抑制を図り得る点においても実践上有益である。
本発明に係る内燃機関の制御装置の第3の態様では、前記第1の噴射制御手段は、前記内燃機関が所定の燃料カット状態にある場合に前記第1の噴射量に相当する燃料が噴射されるように前記噴射手段を制御する。
例えば車両が減速状態にある場合等には、内燃機関の制御の好適な一形態として、燃料の噴射供給が停止される、所謂燃料カット制御がなされ得る。このような燃料カット状態においては、内燃機関の物理的な回転自体は継続していたとして、各気筒において、少なくとも燃料の燃焼に伴うトルクの出力は生じない。従って、第1の噴射量に相当する燃料の噴射に伴うトルク変動が相対的にみて顕著に現れ易く、トルク変動の特定精度が向上する。
また、このような燃料カットに係る内燃機関の制御は、燃料の効率的利用に鑑みてなされる趣旨であり、第1の噴射量に相当する燃料が噴射されたとして、トルク変動がドライバビリティに与える影響は相対的に小さくて済む。即ち、このように燃料カット中に第1の噴射量に相当する燃料の噴射がなされる場合、ドライバビリティの悪化を可及的に抑制しつつ、或いは実践上顕在化させることなく、噴射手段の制御量に係る補正を行うことが可能となるため極めて有益である。
本発明に係る内燃機関の制御装置の第4の態様では、前記制御量補正手段は、前記グロープラグを使用すべき旨が設定された動作期間として始動時を含む前記内燃機関の暖機期間における前記制御量を補正する。
この種の暖機期間においては、例えば燃焼室の温度が相対的に低い、或いは吸入空気の温度(以下、適宜「吸気温」と称する)が相対的に低い等の各種理由から顕著にグロープラグの作動が必要とされ易い。特に、外気温或いは内燃機関の温度(例えば冷却水温や触媒床温等によって代替されてもよい)がより低い冷間始動時においてはその傾向が顕著である。
この態様によれば、このような冷間始動時を好適に含む趣旨としての暖機期間における噴射手段の制御量が補正される。従って、内燃機関の燃焼性能の低下を抑制することによる失火及び白煙の発生の抑制に加え、エミッションの悪化を防止することも可能となり実践上有益である。
本発明に係る内燃機関の制御装置の第5の態様では、前記第1の噴射制御手段は、前記燃料が燃焼し難いものとして規定された所定の燃焼悪化条件の下で前記第1の噴射量に相当する燃料が噴射されるように前記噴射手段を制御する。
この態様によれば、第1の噴射量に相当する燃料の噴射が、燃焼悪化条件の下でなされるため、グロープラグが内燃機関のトルク変動に与える影響が相対的に大きくなる。従って、特定されるトルク変動量によって、グロープラグの劣化状態がより高精度に代替され、噴射手段の制御量の補正がより効率的且つ効果的に実行される。
本発明に係る内燃機関の制御装置の第6の態様では、前記内燃機関は、少なくとも前記グロープラグを使用すべき旨が設定された動作期間において、前記燃料が主噴射及び該主噴射に先立つ副噴射に分割して噴射されるように構成されており、前記制御量補正手段は、前記制御量として、前記主噴射及び副噴射のうち少なくとも一方の噴射時期並びに前記副噴射に係る副噴射量のうち少なくとも一部を補正する。
本発明に係る内燃機関は、グロープラグを備えた、好適にはディーゼルエンジンであり、本発明に係る制御量の補正がなされる期間を除く動作期間の少なくとも一部において、燃料が、主噴射と、当該主噴射に先立つ、所謂パイロット噴射と称される副噴射とに分割して噴射される。このような制御形態の下では、主噴射及び副噴射のうち少なくとも一方の噴射時期並びに副噴射量は、内燃機関の燃焼性能に顕著に影響し得るため、制御量補正手段の動作として、これら少なくとも一部が補正されることにより(尚、いずれか一方の噴射時期の補正とは、即ち、主噴射と副噴射とのインタバルの補正を意味する)、グロープラグの劣化状態及び各気筒相互間の当該劣化状態のバラツキ等に起因する内燃機関の燃焼性能の低下が効率的且つ効果的に抑制され、失火及び白煙の発生等が好適に防止される。
本発明に係る内燃機関の制御装置の第7の態様では、前記燃料の目標噴射量と実噴射量との偏差を特定する偏差特定手段を更に具備し、前記第1の噴射制御手段は、前記特定された偏差に基づいて前記実噴射量が前記第1の噴射量となるように前記噴射手段を制御する。
この種の内燃機関に備わる、例えば電子制御式インジェクタ等の噴射手段を介した燃料の噴射量は、当該噴射手段の個体差、当該噴射手段の経時的な変化、或いは外的又は内的要因による故障の発生等、物理的又は機械的な動作状態のバラツキ要因に起因して、目標噴射量に対し気筒相互間で、或いは気筒全体として、バラツキを伴うことが多い。特に、噴射手段に燃料を供給する供給経路上に設けられた調量弁の動作精度が低くなり易いディーゼルエンジン等では、その傾向が顕著である。
この態様によれば、目標噴射量と実噴射量との偏差に基づいて実噴射量が第1の噴射量となるように、例えば噴射手段に供給される噴射指令値等の各種制御信号と目標噴射量との対応関係が補正され、或いはそのような対応関係はそのままに目標噴射量が補正され、噴射手段の制御に供される。その結果、いずれにせよ最終的に気筒毎の噴射量を正確に第1の噴射量に収束させることが可能となり、トルク変動量をより正確に制御量の補正に反映させることが可能となる。従って、内燃機関の燃焼性能の低下がより効果的に抑制され、失火及び白煙の発生が効果的に防止される。
尚、この態様では、前記第1の噴射量に相当する燃料の噴射に先立って第2の噴射量に相当する前記燃料が噴射されるように前記噴射手段を制御する第2の噴射制御手段と、前記グロープラグの非作動時における前記第2の噴射量に相当する燃料の噴射に伴う前記内燃機関のトルクの変動量を特定する第2の変動量特定手段とを更に具備し、前記偏差特定手段は、前記特定された第2の噴射量に対応する変動量に基づいて前記偏差を特定してもよい。
この場合、所謂微小噴射量学習等と称される、噴射手段を構成するニードルやシールの磨耗又は損傷等、噴射手段に例えば経時的に或いは何らかの外的又は内的要因により生じた不具合等に起因する、上述した目標噴射量と実噴射量との乖離を補正すべくなされる噴射量の学習処理が実行され、その過程において、例えば1キュービック等微小量として規定される第2の噴射量に相当する燃料が第1の噴射量に相当する燃料の噴射に先立って噴射される。また、グロープラグの非作動時における、この第2の噴射量に対応するトルク変動が特定される。このトルク変動量は、グロープラグの劣化状態には影響されないため、この第2の噴射量に対応するトルク変動量に基づいて目標噴射量と実噴射量との偏差を正確に特定することが可能となる。
このような微小噴射量学習においては、好適にはこの目標噴射量と実噴射量との偏差を補正するための各種補正量、例えば噴射指令値の補正量或いは目標噴射量の補正量等が、例えば気筒各々について、又は複数の気筒群毎に、或いは気筒の別無く一律に、且つ逐次更新されつつ記憶される。従って、第1の噴射制御手段は、常に噴射手段を介して正確に第1の噴射量に相当する燃料を噴射させることが可能となり、実践上有益である。
また、このような微小噴射量学習は、例えば走行距離等により規定される所定の条件が満たされた場合における、例えば燃料カット時や無負荷レーシングにおける機関回転低下時等に好適に実行される。従って、本発明に係る噴射手段の制御量の補正に係る一連の処理のタイミングを、この微小噴射量学習の実行タイミングと同期させることによって、極めて効率的に且つ効果的に、失火及び白煙の発生を防止することが可能となる。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
<発明の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の好適な各種実施形態について説明する。
以下、図面を参照して、本発明の好適な各種実施形態について説明する。
<実施形態の構成>
始めに、図1を参照して、本発明の一実施形態に係るエンジンシステム10の構成について説明する。ここに、図1は、エンジンシステム10の構成を概念的に表してなる概略構成図である。
始めに、図1を参照して、本発明の一実施形態に係るエンジンシステム10の構成について説明する。ここに、図1は、エンジンシステム10の構成を概念的に表してなる概略構成図である。
図1において、エンジンシステム10は、図示せぬ車両に搭載され、ECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)100及びエンジン200を備える。
ECU100は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を備え、エンジン200の動作全体を制御することが可能に構成された電子制御ユニットであり、本発明に係る「内燃機関の制御装置」の一例である。ECU100は、ROMに格納される制御プログラムに従って、後述する燃焼性能維持処理、微小噴射量学習処理及び冷間補正値更新処理を実行することが可能に構成されている。
尚、ECU100は、本発明に係る「第1の噴射制御手段」、「第1の変動量特定手段」、「制御量補正手段」、「劣化状態特定手段」、「偏差特定手段」、「第2の噴射制御手段」及び「第2の変動量特定手段」として機能する一体の電子制御ユニットであるが、本発明に係るこれら各手段の物理的、機械的及び電気的な構成は、これに限定されるものではなく、例えば複数のECU、各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等として構成されていてもよい。
エンジン200は、軽油を燃料とするディーゼルエンジンであり、本発明に係る「内燃機関」の一例である。エンジン200は、シリンダ201内において燃料を含む混合気が圧縮自着火した際に生じる爆発力に応じたピストン202の往復運動を、コネクティングロッド203を介してクランクシャフト204の回転運動に変換することが可能に構成されている。また、クランクシャフト204の近傍には、クランクシャフト204の回転位置を検出するクランクポジションセンサ205が設置されている。クランクポジションセンサ205は、ECU100と電気的に接続されており、ECU100は、クランクポジションセンサ205によって検出されたクランクシャフト204の回転位置に基づいて、エンジン200の機関回転数NEを算出することが可能に構成されている。以下に、エンジン200の要部構成を、その動作の一部と共に説明する。
尚、本実施形態に係るエンジン200は、シリンダ201が図1において紙面と垂直な方向にN本並列してなる直列N気筒ディーゼルエンジンであるが、個々のシリンダ201の構成は相互に等しいため、ここでは一のシリンダ201についてのみ説明することとする。
シリンダ201内における燃料の燃焼に際し、外部から吸入された空気は、図示せぬエアクリーナで浄化された後、吸気管206を通過し、吸気ポート209を介して吸気バルブ209の開弁時にシリンダ201内に吸入される。この際、シリンダ201内に吸入される吸入空気に係る吸入空気量は、図示せぬエアフローメータにより検出され、ECU100に電気信号として一定又は不定の出力タイミングで出力される構成となっている。吸気管206には、吸入空気量を調節可能なスロットルバルブ207が配設されている。このスロットルバルブ207は、ECU100と電気的に接続された不図示のスロットルバルブモータにより、例えば、図示せぬアクセルペダルの操作量等に応じて電気的且つ機械的に駆動される構成となっている。尚、スロットルバルブ207の開閉状態を表すスロットル開度は、ECU100と電気的に接続された図示せぬスロットルポジションセンサにより検出され、ECU100に一定又は不定のタイミングで出力される構成となっている。
エンジン200において、燃料は、燃料タンク212に貯留されている。この燃料タンク212には、燃料タンク212に貯留される燃料の残量を検出可能なフロート式の燃料量センサ217が設置されている。燃料量センサ217は、ECU100と電気的に接続されており、検出された燃料量は、ECU100により、一定又は不定のタイミングで把握される構成となっている。一方、燃料タンク212に貯留される燃料は、インジェクタ211によって、シリンダ201内の燃焼室に直接噴射される。インジェクタ211を介した燃料の噴射に際しては、先ず燃料タンク212に貯留された燃料が、フィードポンプ214の作用により低圧配管213を介して燃料タンク212から汲み出され、高圧ポンプ215へ供給される。
ここで、図2を参照して、高圧ポンプ215の構成について説明する。ここに、図2は、高圧ポンプ215の構成を概念的に表してなる概略構成図である。尚、同図において、図1と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図2において、高圧ポンプ215は、電磁調量弁215A、吸入弁215B、シリンダ215C、プランジャ215D、カム215E、加圧室215F、吐出弁215G及び高圧配管215Hを備える。
電磁調量弁215Aは、フィードポンプ214へと繋がる低圧配管213上に設けられ、フィードポンプ214により送出された燃料の流量を調節する電磁開閉弁である。フィードポンプ214により燃料タンク212から汲み上げられた燃料は、この電磁調量弁215Aによりその流量が調節され、低圧配管213の一端部が接続された加圧室215Fへ供給される。
プランジャ215Dは、シリンダ215C内に設置された加圧部材であり、下端部分に接続されたロッド部材が、エンジン200の吸気カムシャフト11(図1では省略される)に固定され且つ吸気カムシャフト11に同期して回転する、楕円形状を有するカム215Eのカムプロフィールに従って図中上下方向に往復運動するのに伴い、その上端部が図示TDC(Top Death Center:上死点)と図示BDC(Bottom Death Center:下死点)との間で往復運動することが可能に構成されている。加圧室215Fは、シリンダ215Cの内壁部分と、プランジャ215Dの上端部分とによって規定される空間であり、即ち、プランジャ215Dの前述した往復運動に伴ってその容積が変化する空間である。
他方、電磁調量弁215Aにより調量された燃料は、プランジャ215Dがシリンダ215C内をTDCからBDCへ向かって移動する際に、吸入弁215Bを押し開いて加圧室に吸入される。その後、プランジャ215Dがシリンダ215C内をBDCからTDCへ向かって移動する際に、プランジャ215Dによって加圧室215F内部の燃料が圧縮(即ち、加圧)され、吐出弁215Gを押し開いて高圧配管215Hに供給され、高圧配管215Hに接続されたコモンレール216(図2では不図示)へと圧送される構成となっている。
図1に戻り、コモンレール216は、ECU100と電気的に接続され、上流側(即ち、高圧ポンプ215側)から供給される高圧燃料をECU100により設定される目標レール圧まで蓄積することが可能に構成された、高圧貯留手段である。尚、コモンレール216には、レール圧を検出することが可能なレール圧センサ及びレール圧が上限値を超えないように蓄積される燃料量を制限するプレッシャリミッタ等が配設されるが、ここではその図示を省略することとする。
エンジン200における上述したインジェクタ211は、シリンダ201毎に搭載されており、夫々が高圧デリバリを介してコモンレール216に接続されている。ここで、インジェクタ211の構成について補足すると、インジェクタ211は、ECU100から供給される指令に基づいて作動する電磁弁と、この電磁弁への通電時に燃料を噴射するノズル(いずれも不図示)とを備える。当該電磁弁は、コモンレール216の高圧燃料が印加される圧力室と、当該圧力室に接続された低圧側の低圧通路との間の連通状態を制御することが可能に構成されており、通電時に当該加圧室と低圧通路とを連通させると共に、通電停止時に当該加圧室と低圧通路とを相互に遮断する。
一方、ノズルは、噴孔を開閉するニードルを内蔵し、圧力室の燃料圧力がニードルを閉弁方向(噴孔を閉じる方向)に付勢している。従って、電磁弁への通電により加圧室と低圧通路とが連通し、圧力室の燃料圧力が低下すると、ニードルがノズル内を上昇して開弁する(噴孔を開く)ことにより、コモンレール216より供給された高圧燃料を噴孔より噴射することが可能に構成される。また、電磁弁への通電停止により加圧室と低圧通路とが相互に遮断されて圧力室の燃料圧力が上昇すると、ニードルがノズル内を下降して閉弁することにより、噴射が終了する構成となっている。
尚、燃料は、個々のシリンダ201において、インジェクタ211を介し、目標噴射量に相当する燃料が、燃焼室内の急激な温度上昇を防止するための少量のパイロット噴射(即ち、本発明に係る「副噴射」の一例)と、目標噴射量とパイロット噴射量との差分に相当するメイン噴射(即ち、本発明に係る「主噴射」の一例)とに分割して噴射される構成となっている。
このようにしてシリンダ201内に噴射された燃料は、吸気バルブ209を介して吸入された吸入空気と混合され、上述した混合気となる。この混合気は、圧縮工程において自着火して燃焼し、燃焼済みガスとして、或いは一部未燃の混合気として、吸気バルブ209の開閉に連動して開閉する排気バルブ218の開弁時に排気ポート219を介して排気管220に導かれる構成となっている。
ここで、シリンダ201には、燃焼室内に一部が露出してなるグロープラグ210が配設されている。グロープラグ210は、不図示の駆動系を介してECU100と電気的に接続され、ECU100が当該駆動系を制御することにより当該駆動系から供給される電力に応じて赤熱するヒートコイルと、当該ヒートコイルが埋め込まれたセラミック体とを備え、このヒートコイルが燃焼室に露出する構成となっている。ヒートコイルは、その通電時に数百度程度の高温状態となり、燃焼室内に熱エネルギを付与することによって燃焼室を昇温させることが可能に構成されている。尚、本実施形態において、グロープラグ210は、作動制御状態及び非作動制御状態の二種類の作動状態のいずれかに制御されるものとする。
排気管220には、DPF(Diesel Particulate Filter)221が設置されている。DPF221は、エンジン200から排出されるスート(煤)或いはスモーク、及びPM(Particulate Matter:粒子状物質)を捕集可能且つ浄化可能に構成されている。尚、説明の煩雑化を防ぐ目的から図示を省略するが、エンジン200には、上記したセンサ以外にも各種のセンサが配されており、例えば、エンジン200の冷却水温を検出する水温センサ、エンジン200のノッキングレベルを検出するノックセンサ、吸入空気の温度たる吸気温を検出する吸気温センサ及び吸入空気の圧力たる吸気圧を検出する吸気圧センサ等が夫々検出対象毎に最適な位置に設置されている。
<実施形態の動作>
<燃焼性能維持処理の概要>
エンジン200は、上述したようにグロープラグ210を備える。グロープラグ210は、例えばエンジン200の始動に先立って通電され(即ち、作動制御状態を採り)燃焼室を始動以前に昇温させると共に、始動後適当な時間が経過するまで当該通電状態が維持される。従って、燃焼室のみならず、混合気或いは噴射燃料に対しても熱エネルギを付与することが可能となっている。従って、エンジン200は、グロープラグ210が作動制御状態にある場合に、その燃焼性能が相対的に向上する構成となっている。
<燃焼性能維持処理の概要>
エンジン200は、上述したようにグロープラグ210を備える。グロープラグ210は、例えばエンジン200の始動に先立って通電され(即ち、作動制御状態を採り)燃焼室を始動以前に昇温させると共に、始動後適当な時間が経過するまで当該通電状態が維持される。従って、燃焼室のみならず、混合気或いは噴射燃料に対しても熱エネルギを付与することが可能となっている。従って、エンジン200は、グロープラグ210が作動制御状態にある場合に、その燃焼性能が相対的に向上する構成となっている。
特に、吸気管206を介して吸入される吸入空気に係る吸気温が低く、且つ燃焼室の温度も低い冷間始動時には、エンジン200の始動性を向上させる目的からグロープラグ210に通電が行われ、グロープラグ210は、作動制御状態に制御される。また更に、このような冷間始動時においては、インジェクタ211に係るメイン噴射時期(即ち、クランク角の次元)、パイロット噴射とメイン噴射とのインタバル(即ち、クランク角の次元)及びパイロット噴射量の少なくとも一部が、例えば予め実験的に、経験的に、理論的に或いはシミュレーション等に基づいて、他の何らかの不具合の発生を可及的に回避しつつエンジン200の燃焼性能を幾らかなり向上させ得るよう定められてなる、冷間始動時に特化した補正値(以下、適宜「冷間補正値」と称する)に制御される。この冷間補正値は、好適な一態様としては、メイン噴射の噴射時期(以下、適宜「メイン噴射時期」と称する)について設定され、少なくとも当該メイン噴射が、基本となる噴射時期よりも進角側でなされるように設定される。但し、メイン噴射が当該進角側でなされる限りにおいて、冷間補正値とは、メイン噴射時期そのものとして設定されてもよいし、基本となる噴射時期に対する補正量として設定されてもよい。
このように相対的に進角側の領域において燃料が噴射されることにより、着火特性の向上が図られ、もって燃焼性能の向上が図られる。即ち、この冷間補正値は、本発明に係る「予めグロープラグを使用すべき旨が設定された内燃機関の動作期間における、内燃機関の燃焼性能の向上に対応付けられた噴射手段の制御量」の一例である。
尚、グロープラグ210の作動条件は、必ずしもこのような冷間始動時に限定されないが、エンジン200の暖機が終了した後の通常の動作期間では、燃焼室内が十分に暖められており、通常グロープラグ210は非作動制御状態(即ち、非通電)に制御される。
一方、グロープラグ210は、燃焼室に一部が露出した構成を採ることも手伝って、経時的に、物理的、機械的又は電気的な劣化が生じ易い構成となっている。このような経時的な劣化、或いは何らかの外的又は内的な要因による故障や損傷等の各種不具合が生じた場合、顕著には冷間始動時におけるエンジン200の燃焼性能が低下し、失火や白煙の発生等、実践上看過し得ない各種の問題が生じ得る。そこで、エンジンシステム10では、ECU100により、燃焼性能維持処理が実行され、グロープラグ210の劣化状態に影響されることなく冷間始動時におけるエンジン200の燃焼性能を担保し、失火や白煙の発生が回避される構成となっている。
<燃焼性能維持処理の詳細>
ここで、図3を参照し、燃焼性能維持処理の詳細について説明する。ここに、図3は、燃焼性能維持処理のフローチャートである。
ここで、図3を参照し、燃焼性能維持処理の詳細について説明する。ここに、図3は、燃焼性能維持処理のフローチャートである。
図3において、ECU100は、噴射量の学習条件であるか否かを判別する(ステップS101)。
ここで、「噴射量の学習」とは、例えば所望の噴射量に相当する燃料が噴射されるように、噴射手段(即ち、本実施形態ではインジェクタ211)の指令値(即ち、噴射手段に供給される制御信号)若しくは当該指令値に対応付けられた(好適には、一対一又は多対一の関係を有し得る)指標値、又はこのような指令値若しくは指標値に対し加算、減算、乗算又は除算等を適宜含む補正用の数値演算を行うための補正量等を適宜更新すること等を指し、より具体的には例えば、噴射手段の指令値に対応する噴射量又は当該噴射量を規定し得る指標値若しくは補正値を、例えば予め実験的に、経験的に、理論的に或いはシミュレーション等に基づいて当該噴射量、指標値又は補正値等を実践上不都合が生じない程度の信頼性を保って決定し得るものとして定められてなるアルゴリズム、算出式又は論理演算式等に従って実行される物理的、機械的若しくは電気的な制御、数値演算又は論理演算により学習値として求め、前回の学習値(初期値があれば初期値)との乖離状態に応じて適宜に更新する処理等を指す。理想的には、このような噴射量の学習によって、噴射手段を介した燃料の実噴射量と、目標噴射量との乖離が消失、或いは極めて小さくなり得る。
エンジン200の動作時には、インジェクタ211からシリンダ201内の燃焼室へ直接燃料が噴射される。この際、上述した構成を有する電磁調量弁215Aの調量精度や、インジェクタ211におけるニードルの経時的な磨耗の度合い、或いはその他物理的又は機械的な動作精度等に起因して、目標噴射量に対応してインジェクタ211に供給される噴射指令値に対する燃料の実噴射量は、エンジン200毎に、且つシリンダ201毎に異なったものとなり易い。噴射量の学習は、このような目標噴射量と実噴射量との乖離を減少させるべく、理想的にはこの乖離を相殺すべく行われる。
ステップS101に係る噴射量の学習条件とは、噴射量の学習を効果的に行い得るものとして予め定められた条件であり、例えば本実施形態では、前回噴射量の学習が行われてからの車両の走行距離が所定値以上であること、インジェクタ211に対する噴射量の指令値がゼロ以下の状態、即ち無噴射状態(即ち、好適には燃料カット中)であること、及びコモンレール216のレール圧が所定値に維持されていること等として設定されている。
噴射量の学習条件が満たされない場合(ステップS101:NO)、ECU100は、ステップS101に係る処理を繰り返し実行して実質的に処理を待機状態に制御すると共に、噴射量の学習条件が満たされる場合(ステップS101:YES)、微小噴射量学習処理を実行する(ステップS200)。
ここで、図4を参照し、微小噴射量学習処理の詳細について説明する。ここに、図4は、微小噴射量学習処理のフローチャートである。
図4において、ECU100は、噴射量学習用として定められてなる規定量(即ち、本発明に係る「第2の噴射量」の一例であり、好適には、例えば、1キュービック等、燃費及びドライバビリティの悪化を顕在化させることのないように定められた微小量)の燃料が噴射されるようにインジェクタ211を制御する(ステップS201)。尚、係る規定量の燃料噴射は単発噴射である。
当該規定量の燃料が噴射されると、ECU100は、係る燃料の噴射に伴うエンジン200の機関回転数の変動量ΔNEを算出する(ステップS202)。機関回転数変動量ΔNEは、例えば、燃料の噴射直前の機関回転数NE、燃料の燃焼が終了した時点での機関回転数NE、及び燃料の噴射がなされかった場合の機関回転数の減少量の予測値等に基づいて算出される。尚、機関回転数NEは、燃料の噴射がなされない場合には単調減少するから、機関回転数の減少量の予測値は燃料噴射直前の機関回転数NEと経過時間とに基づいた数値演算の結果として容易に取得することができる。
機関回転数変動量ΔNE(即ち、噴射された燃料に相当する機関回転数NEの上昇の度合い)が算出されると、ECU100は、エンジン200の機関発生トルクTrを算出する(ステップS203)。ここで、機関発生トルクTrは、燃料噴射直前の機関回転数NEと、ステップS202に係る処理において算出された機関回転数変動量ΔNE及び所定の比例定数とに基づいて(例えば、これらの積として)算出することができる。
機関発生トルクTrが算出されると、ECU100は、インジェクタ211から実際に噴射された燃料の量である実噴射量Qrを算出する(ステップS204)。ディーゼルエンジンでは、燃料の噴射量と機関発生トルクとが比例するため、ステップS204に係る処理は、ステップS203に係る処理において得られた機関発生トルクTrの値に基づいて容易に算出することができる。
尚、ステップS202及びステップS203に係る処理においては、本発明に係る「第2の変動量特定手段」の動作の一例が実現される。ここで、本発明に係る「特定」とは、例えば、何らかの検出手段を介して直接的に又は間接的に物理的数値又は物理的数値に対応する電気信号等として検出すること、予め然るべき記憶手段等に記憶されたマップ等から該当する数値を選択又は推定すること、それら検出された物理的数値若しくは電気信号又は選択若しくは推定された数値等から、予め設定されたアルゴリズムや計算式等に従った論理演算、数値演算、又は電気的若しくは機械的な制御の結果として導出すること、或いはこのように検出、選択、推定又は導出された値等を単に電気信号等として取得すること等を包括する広い概念である。
一方、燃料の着火特性は燃料のセタン価に応じて変化する。この着火特性は、機関発生トルクTrの値に影響するから、ステップS204に係る処理において得られた実噴射量Qrを補正する必要が生じる。そこで、ECU100は、算出された実噴射量Qrを燃料のセタン価に応じて補正する(ステップS205)。この際、ECU100には、予め実噴射量Qrをセタン価に応じて補正するためのマップが格納されており、ECU100は、セタン価の値と当該マップとに基づいて実噴射量Qrを補正する。尚、燃料のセタン価は、例えばこの燃焼性能維持処理とは独立して実行される、例えば燃料の着火遅れ期間等に基づいたセタン価検出処理等により適宜学習され、RAM等に記憶されている。
実噴射量Qrの補正が終了すると、ECU100は、補正された実噴射量Qrの値と、インジェクタ211に供給された指令値に相当する噴射量(即ち、目標噴射量)の値とを比較し、これらの差分に基づいて微小噴射量学習値QFを取得する(ステップS206)。尚、この微小噴射量学習値QFは、要求噴射量と実噴射量との誤差を減少させるための補正量であり、例えば要求噴射量を直接補正する補正量であってもよいし、要求噴射量に対応するインジェクタ211の制御量、例えばインジェクタ211の前述した電磁弁への通電量や通電時間等を補正する補正量であってもよい。
微小噴射量学習値QFを取得すると、ECU100は、取得された微小噴射量学習値QFによって従前の学習値を更新する必要があるか否かを判別する(ステップS207)。本実施形態では、従前の学習値と新たに取得された学習値との差分が所定値以上乖離している場合に、学習値の更新が必要である旨が判別される。尚、当該判別に係る判別基準は、噴射量の学習を効果的に行い得る限りにおいて特に限定されない。尚、従前の学習値が存在しない場合には、当該判別処理の結果は無条件に「YES」となる。
学習値を更新する必要がない旨の判別がなされた場合(ステップS207:NO)、ECU100は、微小噴射量学習処理を終了する。一方、学習値を更新する必要がある旨の判別がなされた場合(ステップS207:YES)、ECU100は、RAMに更新可能に記憶された従前の学習値を更新し(ステップS208)、微小噴射量学習処理を終了する。
図3に戻り、微小噴射量学習処理がなされると、引き続いて冷間補正値更新処理が実行される(ステップS300)。ここで、冷間補正値更新処理とは、インジェクタ211に設定された上述した冷間補正値(主として冷間始動時のメイン噴射時期)を、グロープラグ210の劣化状態に応じて更に補正する処理である。尚、この補正は、冷間補正値更新処理の実行タイミング毎に適宜行われるため、ここでは「更新」なる言葉が使用されているが、冷間補正値の更新とは即ち、本発明に係る「噴射手段の制御量の補正」に他ならない。
ここで、図5を参照し、冷間補正値更新処理の詳細について説明する。ここに、図5は、冷間補正値更新処理のフローチャートである。
図5において、ECU100は、燃料の噴射条件を燃焼悪化条件に設定する(ステップS301)。ここで、燃焼悪化条件とは、インジェクタ211の制御上で実現し得る、燃料が相対的に着火し辛くなる条件を包括する概念であり、本実施形態では、燃料の噴射時期が相対的に遅角側に移行されることを指す。
次に、ECU100は、個々のシリンダ201を識別するためのカウンタiをゼロにリセットする(ステップS302)。カウンタiをリセットすると、ECU100は、カウンタiを「1」だけインクリメントし(ステップS303)、冷間補正値更新処理の対象シリンダをi番目のシリンダ(即ち、ここでは、1番目のシリンダ)に設定する。
次に、ECU100は、インジェクタ211の駆動制御を介し、i番目のシリンダ201に対し、規定量の燃料を噴射する(ステップS304)。尚、この際、グロープラグ210は作動制御状態に制御される。ここで、冷間補正値更新処理における「規定量」とは、即ち、本発明に係る「第1の噴射量」の一例である。尚、冷間補正値更新処理における規定量と、前述した微小噴射量学習処理における規定量とは、相互に等しくてもよい。即ち、ステップS304に係る処理においては、微小量の単発噴射が行われてもよい。
当該規定量の燃料が噴射されると、ECU100は、微小噴射量学習処理の場合と同様に、係る規定量の燃料噴射に伴うエンジン200の機関回転数の変動量ΔNE1i(iはシリンダの識別子)を算出する(ステップS305)。機関回転数変動量ΔNE1iは、例えば、燃料の噴射直前の機関回転数NE、燃料の燃焼が終了した時点での機関回転数NE、及び燃料の噴射がなされかった場合の機関回転数の減少量の予測値等に基づいて算出される。尚、機関回転数NEは、燃料の噴射がなされない場合には単調減少するから、機関回転数の減少量の予測値は燃料噴射直前の機関回転数NEと経過時間とに基づいた数値演算の結果として容易に取得することができる。
機関回転数変動量ΔNE1i(即ち、i番目のシリンダにおける、噴射された燃料に相当する機関回転数NEの上昇の度合い)が算出されると、ECU100は、微小噴射量学習処理と同様に、エンジン200の機関発生トルクTr1i(iはシリンダの識別子)を算出する(ステップS306)。ここで、機関発生トルクTr1iは、燃料噴射直前の機関回転数NEと、ステップS305に係る処理において算出された機関回転数変動量ΔNE1i及び所定の比例定数とに基づいて(例えば、これらの積として)算出される。即ち、機関発生トルクTr1iは、規定量の燃料噴射によって生じたエンジン200のトルク変動の量に相当する、本発明に係る「トルクの変動量」の一例である。
機関発生トルクTr1iを算出すると、ECU100は、グロープラグ210を非作動制御状態に制御し、ステップS304に係る処理と同様に、規定量の燃料がi番目のシリンダ201に噴射されるようにインジェクタ211を制御する(ステップS307)。続いて、ECU100は、ステップS305に係る処理と同様に機関回転数の変動量ΔNE2iを算出し(ステップS308)、機関発生トルクTr2iを算出する(ステップS309)。機関発生トルクTr2iもまた、本発明に係る「トルクの変動量」の一例である。
このステップS309に係る処理が終了した時点で、グロープラグ210が作動制御状態及び非作動制御状態にある場合の各々について、機関発生トルクΔTriが取得される。また、ステップS305及びステップS306並びにステップS308及びステップS309に係る処理においては、本発明に係る「第1の変動量特定手段」の動作の一例が実現される。
ECU100は、次に、グロープラグ210が作動制御状態にある場合の機関発生トルクTr1iからグロープラグ210が非作動制御状態にある場合の機関発生トルクTr2iを減算し、トルク偏差ΔTriを算出する(ステップS310)。このトルク偏差ΔTriは、本発明に係る「複数の作動状態について特定された変動量の相対関係」の一例である。
ECU100は、このトルク偏差ΔTriに基づいて、i番目のシリンダ201におけるグロープラグ210の劣化状態を推定する(ステップS311)。ここで、ECU100のROMには、予め当該トルク偏差ΔTriの値と定量化されたグロープラグ210の劣化状態(以下、適宜「劣化状態指標値」と称する)とが、相互に対応付けられてなる劣化状態推定マップが格納されており、ECU100は、当該劣化状態推定マップから、算出されたトルク偏差ΔTriに対応する一の劣化状態指標値を選択的に取得することにより、i番目のシリンダ201におけるグロープラグ210の劣化状態を推定する。
ここで、定性的に言えば、グロープラグ210が経時的な劣化や外的又は内的要因等により正常に機能しない場合、ステップS304及びステップS307に係る処理においてなされるグロープラグ210の作動状態の制御は意味をなさないから、実質的にはステップS306及びステップS309に係る処理において算出される機関発生トルクは相互に等しくなる。従って、トルク偏差ΔTriはゼロ、又は実質的にゼロとみなし得る程度に小さい値となる。一方、グロープラグ210が正常に機能している場合、ステップS304及びステップS307に係る処理各々においてなされるグロープラグ210の作動状態の制御は有意となり、夫々の場合において、エンジン200における燃料の着火性が顕著に相違する結果となる。従って、ステップS306及びステップS309に係る処理において算出される機関発生トルクは相対的に大きくなり、トルク偏差ΔTriは有意な値を示す。
このように、本実施形態に係る冷間補正値更新処理においては、グロープラグ210の劣化状態に応じてトルク偏差ΔTriが変化する。より具体的にはグロープラグ210の劣化の度合いが大きい程トルク偏差ΔTriが小さく、グロープラグ210の劣化の度合いが小さい程トルク偏差ΔTriが大きくなる。即ち、トルク偏差ΔTriは、劣化状態推定マップから劣化状態指標値を選択的に取得するための有効な指標となる。
ECU100は、この選択的に取得された劣化状態指標値に応じて、i番目のシリンダ201における冷間補正値を更新する(ステップS312)。冷間補正値の更新態様は、グロープラグ210の劣化の度合いが大きくなるのに伴い低下する冷間始動時の燃焼性能が幾らかなり補償される限りにおいて何ら限定されない趣旨であり、例えば、ECU100は、グロープラグ210の劣化の度合いが大きい程、燃料の着火がより促進されるようにメイン噴射時期を進角側に移行してもよい。或いは、このようなメイン噴射時期の進角制御に代えて又は加えて、メイン噴射とパイロット噴射とのインタバル、或いはパイロット噴射量等を、予め実験的に、経験的に、理論的に又はシミュレーション等に基づいて燃料の着火をより促進し得るよう定められたアルゴリズムや算出式等に従って変化させてもよい。
i番目のシリンダ201における冷間補正値が更新されると、ECU100は、カウンタiがN(即ち、気筒数)であるか否かを判別する(ステップS313)。カウンタiがN未満である場合、即ち、未だ冷間補正値更新処理がなされていないシリンダ201が存在する場合(ステップS313:NO)、ECU100は、処理をステップS303まで戻し、一連の処理を繰り返す。即ち、カウンタiがインクリメントされることにより対象気筒が次気筒に移行し、上述したのと同様の各ステップを経て冷間補正値の更新が行われる。
ECU100は、ステップS303からステップ313に至る処理過程がエンジン200の気筒数分(即ち、N回)繰り返された結果、カウンタiがNに一致した場合(ステップS313:YES)、言い換えれば、全てのシリンダ201について冷間補正値が更新された(少なくとも算出された)場合に、冷間補正値更新処理を終了する。
尚、ステップS312に係る処理においては、必ずしも冷間補正値の更新が行われずともよい。例えば、RAM等の書き換え可能な記憶手段に、前回の冷間補正値更新処理におけるステップS311に係る処理において取得された劣化状態指標値が格納されている場合、今回ステップS311に係る処理において取得された劣化状態指標値が前回の値と一致していれば、或いは前回の値と概ね等しければ、ステップS312に係る処理は実質的に無視されてもよい。或いは、前回の劣化状態指標値が記憶されておらずとも、今回の劣化状態指標値に応じて決定された冷間補正値が、前回決定された冷間補正値と一致していれば、或いは概ね等しければ、ステップS312に係る処理が実質的に無視されてよい。
尚、本実施形態においては、ステップS311に係る処理において劣化状態指標値が取得されることによりグロープラグ310の劣化状態が推定されるが、トルク偏差ΔTriがグロープラグ210の劣化状態と相互に一対一、一対多、多対一或いは多対多に対応することに鑑みれば、このような劣化状態の推定プロセスを省いて、トルク偏差ΔTriに基づいて冷間補正値が決定され更新されてもよい。
尚、本実施形態においては、グロープラグ210の二種類の作動状態(即ち、作動制御状態及び非作動制御状態)について本発明に係るトルクの変動量に相当する機関発生トルクTriが算出され、これらの相対関係(即ち、偏差)に基づいて(即ち、間接的にグロープラグの劣化状態に基づいて)冷間補正値が更新される。然るに、グロープラグ210の劣化状態は、グロープラグ210の作動時における機関発生トルクTr1iのみによっても表すことができる。
即ち、機関発生トルクの基準値(即ち、本実施形態に係る「機関発生トルクTr2i」に相当する)が、予め実験的に、経験的に、理論的に或いはシミュレーション等に基づいて、実践上不具合が顕在化しない程度の精度で決定されている場合、この基準値と機関発生トルクTr1iの比較に基づいて、グロープラグ210の劣化状態を推定することが可能である。即ち、冷間補正値を決定することが可能である。この場合、基準値が事前に決定されるため、エンジン200のリアルタイムな状態が基準値に反映され難いが、規定量の燃料噴射が各シリンダについて一回のみで済むため、燃費の悪化を防止しつつ失火及び白煙の発生を防止することが可能となる。
図3に戻り、冷間補正値更新処理が終了すると、ECU100は、処理をステップS101に戻し、一連の処理を繰り返す。即ち、再び噴射量学習条件が満たされるまで、処理は実質的に待機状態に制御される。
以上説明したように、本実施形態に係る燃焼性能維持処理においては、冷間補正値更新処理によって、その都度シリンダ201毎にグロープラグ210の劣化状態に応じて冷間補正値を更新することが可能となるため、グロープラグ210の劣化による冷間始動時の燃焼性能の低下を抑制することが可能となる。また、各シリンダについて決定される冷間補正値は、夫々統一の基準に従って決定されるから、各シリンダについてグロープラグ210の劣化状態にバラツキが生じていても、冷間始動時の燃焼性能を各シリンダについて略一定に維持することが可能となる。従って、例えば冷間始動時における、グロープラグの劣化に起因する失火及び白煙の発生を効率的且つ効果的に防止することが可能となるのである。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う内燃機関の制御装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
10…エンジンシステム、100…ECU、200…エンジン、210…グロープラグ、211…インジェクタ。
Claims (10)
- 燃料を噴射する噴射手段及びグロープラグを備えた内燃機関の制御装置であって、
第1の噴射量に相当する前記燃料が噴射されるように前記噴射手段を制御する第1の噴射制御手段と、
少なくとも前記グロープラグを作動させた状態における前記第1の噴射量に相当する燃料の噴射に伴う前記内燃機関のトルクの変動量を特定する第1の変動量特定手段と、
前記特定された変動量に基づいて、予め前記グロープラグを使用すべき旨が設定された前記内燃機関の動作期間における、前記内燃機関の燃焼性能の向上に対応付けられた前記噴射手段の制御量を補正する制御量補正手段と
を具備することを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 前記第1の変動量特定手段は、前記グロープラグの複数の作動状態について前記変動量を特定し、
前記制御量補正手段は、前記複数の作動状態について特定された変動量の相対関係に基づいて前記制御量を補正する
ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記複数の作動状態は、前記グロープラグを作動させない状態を含む
ことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記特定された変動量に基づいて前記グロープラグの劣化状態を特定する劣化状態特定手段を更に具備し、
前記制御量補正手段は、前記特定された劣化状態に応じて前記制御量を補正する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記第1の噴射制御手段は、前記内燃機関が所定の燃料カット状態にある場合に前記第1の噴射量に相当する燃料が噴射されるように前記噴射手段を制御する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記制御量補正手段は、前記グロープラグを使用すべき旨が設定された動作期間として始動時を含む前記内燃機関の暖機期間における前記制御量を補正する
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記第1の噴射制御手段は、前記燃料が燃焼し難いものとして規定された所定の燃焼性悪化条件の下で前記第1の噴射量に相当する燃料が噴射されるように前記噴射手段を制御する
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記内燃機関は、少なくとも前記グロープラグを使用すべき旨が設定された動作期間において、前記燃料が主噴射及び該主噴射に先立つ副噴射に分割して噴射されるように構成されており、
前記制御量補正手段は、前記制御量として、前記主噴射及び副噴射のうち少なくとも一方の噴射時期並びに前記副噴射に係る副噴射量のうち少なくとも一部を補正する
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記燃料の目標噴射量と実噴射量との偏差を特定する偏差特定手段を更に具備し、
前記第1の噴射制御手段は、前記特定された偏差に基づいて前記実噴射量が前記第1の噴射量となるように前記噴射手段を制御する
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記第1の噴射量に相当する燃料の噴射に先立って第2の噴射量に相当する前記燃料が噴射されるように前記噴射手段を制御する第2の噴射制御手段と、
前記グロープラグの非作動時における前記第2の噴射量に相当する燃料の噴射に伴う前記内燃機関のトルクの変動量を特定する第2の変動量特定手段と
を更に具備し、
前記偏差特定手段は、前記特定された第2の噴射量に対応する変動量に基づいて前記偏差を特定する
ことを特徴とする請求項9に記載の内燃機関の制御装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2007124938A JP2008280895A (ja) | 2007-05-09 | 2007-05-09 | 内燃機関の制御装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010043548A (ja) * | 2008-08-08 | 2010-02-25 | Honda Motor Co Ltd | 内燃機関の燃料供給制御装置 |
JP2011043099A (ja) * | 2009-08-20 | 2011-03-03 | Denso Corp | グロープラグ劣化判定装置 |
JP2014084754A (ja) * | 2012-10-22 | 2014-05-12 | Bosch Corp | レール圧センサ出力特性診断方法及びコモンレール式燃料噴射制御装置 |
-
2007
- 2007-05-09 JP JP2007124938A patent/JP2008280895A/ja active Pending
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