JP2012087635A - 燃料圧力センサ診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料圧力センサの異常が判定できる燃料圧力センサ診断装置を提供する。
【解決手段】インジェクタ105から燃料がエンジン内に噴射されない駆動量でインジェクタ105を駆動してバックリークのみ生じさせるバックリーク駆動部4と、バックリーク駆動部4によるバックリークが繰り返されるときバックリーク回数を計数する回数計数部5と、バックリークによる燃料圧力の低下が顕著となるバックリーク回数を燃料圧力指標として検出する燃料圧力指標検出部6と、現在の燃料圧力指標が過去の燃料圧力指標から閾値以上乖離しているとき、燃料圧力センサ106の異常と判定する異常判定部7とを備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料圧力センサの異常が判定できる燃料圧力センサ診断装置に関する。
ディーゼルエンジンや高圧直噴ガソリンエンジンでは、コモンレールシステムによる筒内直接噴射を行っている。図7に示されるように、コモンレールシステム101は、燃料タンク102から吸い上げた燃料を調量可能に供給するサプライポンプ103と、サプライポンプ103の出口に接続されサプライポンプ103から供給された燃料を貯留する燃料レール(蓄圧室、コモンレールとも言う)104と、燃料レール104の燃料をエンジン内に噴射するインジェクタ105と、燃料レール104内の燃料圧力(レール圧とも言う)を検出する燃料圧力センサ106と、燃料圧力調整のため燃料レール104の燃料を抜き出す燃料圧力調整弁107と、サプライポンプ103、インジェクタ105、燃料圧力調整弁107の各部からの戻り燃料を燃料タンク102に戻す回収ライン108と、各部を電子制御することで、燃料噴射時期、燃料噴射量、燃料圧力などを制御する電子制御回路(ECM;Engine Control Module、ECU;Electronical Control Unitなど、以下、ECMと言う)109とを備える。
インジェクタ105から燃料をエンジン内に噴射するとき、エンジン内は圧縮行程によって高圧となっているため、燃料レール104内の燃料圧力は、エンジン内圧力に抗して噴射できる好適な高い圧力に蓄圧される。噴射に好適な燃料圧力は、騒音性能や排気ガス性能を考慮すると、エンジン状態によって異なる。そこで、いくつかのエンジンパラメータ、例えば、エンジン回転速度と燃料噴射量で参照される燃料圧力指示値マップに燃料圧力指示値が設定される。一方、サプライポンプ103では、燃料レール104に対して燃料を等量ずつ繰り返し動作で圧送して供給するが、1回の動作で供給する量を電子制御で調節できるようになっている。これを調量という。ECM109は、燃料圧力センサ106が検出する燃料圧力が燃料圧力指示値となるようにサプライポンプ103を調量制御する。
このようにして、サプライポンプ103が燃料レール104に燃料を供給することで燃料レール104内の燃料圧力が上昇し、インジェクタ105による燃料消費によって燃料レール104内の燃料圧力が低下する。また、燃料圧力センサ106が検出する燃料圧力が燃料圧力指示値を上回るときは、燃料圧力調整弁107により燃料レール104の燃料を抜き出して回収ライン108から燃料タンク102に戻すことで燃料レール104内の燃料圧力を燃料圧力指示値まで下げることができる。
インジェクタ105からの燃料噴射量を指示する燃料噴射量指示値は、エンジン回転速度やアクセル開度等のエンジンパラメータに基づいてマップを参照して決定されるが、これはエンジン制御に関する従来公知の技術であるので、詳しい説明は省く。ECM109では、インジェクタ105から燃料が燃料噴射量指示値どおり噴射されるよう、燃料圧力と燃料噴射量指示値に応じてインジェクタ105の駆動量を制御する。インジェクタ105の駆動量は、インジェクタ105のアクチュエータ構造により異なるが、駆動時間(通電時間)、印加電圧値、印加電流値等により制御される。以下では、駆動量は通電時間で表すものとする。
特開2007−40113号公報 特許第4466509号公報
エンジンの運転中に、実際にエンジン内に噴射される燃料噴射量を測定することは困難である。そこで、従来より、図8の特性をマップにしておき、このマップによって実際に噴射される燃料噴射量が燃料噴射量指示値通りとなるように制御する。すなわち、このマップを燃料噴射量指示値と燃料圧力で参照すれば、必要なインジェクタ通電時間が求まる。
図8の特性は、燃料圧力が一定であるとすると通電時間を長くしたとき燃料噴射量が増加し、通電時間が一定であるとすると燃料圧力を大きくしたとき燃料噴射量が増加するようになっている。このような特性のマップを使用しているため、従来のコモンレールシステム101は、燃料圧力センサ106を改造して不正なエンジントルクの向上を図られてしまう虞がある。具体的には、燃料圧力センサ106とECM109との間に、抵抗素子、増幅器などを付加することで、実際の燃料圧力よりも低い燃料圧力に相当する信号がECM109に入るようにすることでECM109を誤認識させるのである。
図9に示されるように、改造によってECM109が実際の燃料圧力(実線)よりも低い燃料圧力(一点鎖線)を認識しているとする。ECM109が燃料圧力指示値と認識している燃料圧力に応じて通電時間を求めインジェクタ105を駆動すると、実際の燃料圧力が高くなっているため、実際の燃料噴射量はECM109が認識する燃料噴射量(=燃料噴射量指示値)よりも多くなる。
しかし、このような改造は、排気ガス性能を悪化させると共に、エンジンの寿命を縮めてしまう。例えば、排気ガス性能や寿命の観点から望ましい燃料噴射量の範囲を表す噴射量制約値(破線)があったとすると、ECM109は噴射量制約値の範囲内で制御を行っているつもりでも、実際には噴射量制約値の範囲外で制御が行われていることになる。ECM109による燃料噴射制御は、排気ガス性能や燃費や出力トルク性能はもとより、エンジンの信頼性や騒音等の対環境性能が最適になるように、あらかじめ燃料噴射量のマップを設定して行っているため、実際の燃料噴射量が増加してしまうと、諸性能が悪化し、信頼性も維持できなくなる。
ECM109を改造して燃料噴射量指示値を多くさせたり、インジェクタ105を改造して燃料噴射量指示値に対する実際の燃料噴射量を多くさせたりすることは、容易とは言えないが、燃料圧力センサ106の改造は比較的容易であるため、改造の対象とされやすい。
燃料圧力センサ106の改造に限らず、燃料圧力センサ106の故障によって燃料圧力センサ106の読み値が実際より高いあるいは低いというように不正確になると、燃料噴射量が正しく制御できなくなり、問題である。
この課題に対し、特許文献1の技術は、出力トルクの増加から燃料噴射量の増加を検出することで燃料圧力センサの異常を判定しているが、出力トルクを検出するために、勾配センサあるいは酸素濃度センサといった比較的高価なセンサを搭載する必要があり、車両のコスト上昇を招いてしまう。
特許文献2の技術は、燃料圧力センサに異常判定用の電気回路を付加しているが、このような電気回路の追加とこれに対応するECM側のインターフェースの追加が必要となり、車両のコスト上昇を招くと共に既存の車両への適用が難しい。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、燃料圧力センサの異常が判定できる燃料圧力センサ診断装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、燃料を調量可能に供給するサプライポンプと、前記サプライポンプから供給された燃料を貯留する燃料レールと、前記燃料レールの燃料をエンジン内に噴射するインジェクタと、前記インジェクタから噴射時にバックリークする燃料を回収する回収ラインと、前記燃料レール内の燃料圧力を検出する燃料圧力センサとを備えたコモンレールシステムに適用される燃料圧力センサ診断装置であって、前記インジェクタから燃料が燃料噴射量指示値どおり噴射されるよう燃料圧力と燃料噴射量指示値に応じて前記インジェクタの駆動量を制御するインジェクタ制御部と、前記燃料圧力センサが検出する燃料圧力が燃料圧力指示値となるように前記サプライポンプを調量制御する調量制御部と、前記インジェクタから燃料がエンジン内に噴射されない駆動量で前記インジェクタを駆動してバックリークのみ生じさせるバックリーク駆動部と、前記バックリーク駆動部によるバックリークが繰り返されるときバックリーク回数を計数する回数計数部と、バックリークによる燃料圧力の低下が顕著となるバックリーク回数を燃料圧力指標として検出する燃料圧力指標検出部と、現在の燃料圧力指標が過去の燃料圧力指標から閾値以上乖離しているとき、前記燃料圧力センサの異常と判定する異常判定部とを備えたものである。
前記燃料圧力指標検出部は、前記燃料圧力センサが検出する燃料圧力の低下が閾値以上になったとき、燃料圧力の低下が顕著と判定してもよい。
前記燃料圧力指標検出部は、エンジン回転速度の低下が閾値以上になったとき、燃料圧力の低下が顕著と判定してもよい。
前記燃料圧力指標検出部は、前記サプライポンプによる供給を停止させた状態で前記バックリーク駆動部にバックリークの繰り返しをさせてもよい。
燃料噴射量指示値と前記燃料圧力センサが検出する燃料圧力とにより、エンジン運転条件を判定する運転条件判定部と、エンジン運転条件ごとの燃料圧力指標を記憶する実績学習部とを備え、前記異常判定部は、現在のあるエンジン運転条件での燃料圧力指標を前記実績学習部に記憶されている過去の同じエンジン運転条件での燃料圧力指標に照らし合わせて燃料圧力指標の乖離を求めてもよい。
本発明は次の如き優れた効果を発揮する。
(1)燃料圧力センサの異常が判定できる。
本発明の一実施形態を示す燃料圧力センサ診断装置の構成図である。 燃料レールの燃料圧力に対するインジェクタのバックリーク量の特性図である。 インジェクタの噴射開始前の概略断面図である。 インジェクタの噴射中の概略断面図である。 インジェクタの噴射終了後の概略断面図である。 本発明の燃料圧力センサ診断装置における学習と異常判定の手順を示すフローチャートである。 コモンレールシステムの構成図である。 燃料圧力をパラメータとしインジェクタの通電時間に対する燃料噴射量を示した特性図である。 燃料圧力センサの改造により燃料噴射量が増加することを説明する通電時間対燃料噴射量特性図である。
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
図1に示されるように、本発明に係る燃料圧力センサ診断装置1は、図7で説明したコモンレールシステム101に適用される。
燃料圧力センサ診断装置1は、インジェクタ105から燃料が燃料噴射量指示値どおり噴射されるよう燃料圧力と燃料噴射量指示値に応じてインジェクタ105の駆動量を制御するインジェクタ制御部2と、燃料圧力センサ106が検出する燃料圧力が燃料圧力指示値となるようにサプライポンプ103を調量制御する調量制御部3と、インジェクタ105から燃料がエンジン内に噴射されない駆動量でインジェクタ105を駆動してバックリークのみ生じさせるバックリーク駆動部4と、バックリーク駆動部4によるバックリークが繰り返されるときバックリーク回数を計数する回数計数部5と、バックリークによる燃料圧力の低下が顕著となるバックリーク回数を燃料圧力指標として検出する燃料圧力指標検出部6と、現在の燃料圧力指標が過去の燃料圧力指標から閾値以上乖離しているとき、燃料圧力センサ106の異常と判定する異常判定部7とを備えたものである。
燃料圧力センサ診断装置1は、燃料噴射量指示値と燃料圧力センサ106が検出する燃料圧力とにより、エンジン運転条件を判定する運転条件判定部8と、エンジン運転条件ごとの燃料圧力指標を記憶する実績学習部9とを備える。異常判定部7は、現在のあるエンジン運転条件での燃料圧力指標を実績学習部9に記憶されている過去の同じエンジン運転条件での燃料圧力指標に照らし合わせて燃料圧力指標の乖離を求めることになる。
インジェクタ制御部2、調量制御部3は、従来より使用されているものである。インジェクタ制御部2の制御は図8の特性を設定したマップに従う。バックリーク駆動部4、回数計数部5、燃料圧力指標検出部6、異常判定部7、運転条件判定部8、実績学習部9は、本発明の特徴部分をなすものであり、これらの詳しい動作は後に図6により説明する。
インジェクタ制御部2、調量制御部3、バックリーク駆動部4、回数計数部5、燃料圧力指標検出部6、異常判定部7、運転条件判定部8、実績学習部9は、ECM109が実行するソフトウェアで実現される。
ここで、燃料レール104の燃料圧力とインジェクタ105におけるバックリーク量との関係及びバックリークが生じるインジェクタ105の構造と動作を説明しておく。
図2に示されるように、バックリーク量は燃料圧力に依存する。燃料圧力が低いときには、バックリーク量は少ないが、燃料圧力が高くなると、バックリーク量は多くなる。
図3に示されるように、インジェクタ105は、先端に噴射口31が形成され後端にバックリーク出口32が形成された筐体33に、噴射口31に接して連通すると共に燃料入口34に連通するニードル室35、ニードル室35の後端側に位置するスプリング室36、スプリング室36の後端側に位置してスプリング室36に先端側が連通するコマンドシリンダ37、コマンドシリンダ37の後端側に位置し、コマンドシリンダ37の後端側に対して排出オリフィス38を介して連通すると共にコマンドシリンダ37の先端側にはスプリング室36を介して連通し、燃料入口34に対して導入オリフィス39を介して連通し、バックリーク出口32に接して連通する制御室40、ニードル室35内に移動可能に収納され、先端が噴射口31を開閉するニードルバルブ41、スプリング室36内に収納され、ニードルバルブ41を先端方向に付勢するスプリング42、コマンドシリンダ37内に移動可能に収納され、ニードルバルブ41と一体的に連結されたコマンドピストン43、制御室40内に電磁力によって移動可能に収納され排出オリフィス38を開閉する制御弁44、制御弁44に臨ませて配置されたソレノイド45、制御弁44を先端方向に付勢する制御弁スプリング46を有する。
コマンドシリンダ37は、コマンドピストン43によって、先端側と後端側に分離されており、後端側をコマンド室47と呼ぶ。排出オリフィス38と導入オリフィス39は、コマンド室47に配置されている。コマンドピストン43の受圧面積は、ニードルバルブ41の受圧面積よりも大きい。
図3は、噴射開始前の状態を示している。ソレノイド45に駆動電流が流れていないため、制御弁44が制御弁スプリング46によって先端方向に押されて排出オリフィス38を閉鎖している。燃料入口34に燃料レール104からの高圧の燃料が圧送されるので、コマンド室47には、燃料入口34から導入オリフィス39を介して燃料が導入される。同様に、ニードル室35には、燃料入口34からの燃料が導入される。コマンドピストン43のほうがニードルバルブ41より受圧面積が大きいこと及びスプリング42がニードルバルブ41を先端方向に押していることにより、コマンドピストン43及びニードルバルブ41は最も先端寄りに位置している。このため、ニードルバルブ41が噴射口31を閉鎖している。
図4に示されるように、ソレノイド45に駆動電流が流れると、制御弁44が電磁力により吸引されて後端方向に移動するため、排出オリフィス38が開放される。コマンド室47の高圧の燃料が排出オリフィス38から制御室40に排出される。これにより、コマンド室47の圧力が低下するため、コマンドピストン43及びニードルバルブ41がニードル室35の圧力によって後端方向に移動する。この結果、ニードルバルブ41が噴射口31を開放し、噴射口31から燃料が噴射される。ニードル室35には継続して燃料入口34からの燃料が導入されるので、噴射が継続される。
図5に示されるように、ソレノイド45の駆動電流を停止すると、制御弁44が先端方向に戻り、排出オリフィス38を閉鎖する。導入オリフィス39を介してコマンド室47に燃料が徐々に導入され、コマンド室47が高圧になると、コマンドピストン43のほうがニードルバルブ41より受圧面積が大きいことにより、コマンドピストン43及びニードルバルブ41は先端方向に戻り始める。ニードルバルブ41が噴射口31を閉鎖すると、噴射は止まる。
図4で説明したように、燃料噴射時に排出オリフィス38を介して制御室40に燃料が排出されるため、バックリークが生じる。このように、バックリークは、本来は燃料噴射に随伴して生じるものであるが、本発明では、意図的にバックリークを起こす。具体的には、制御弁44が移動して排出オリフィス38が開放され、コマンド室47の燃料が排出され始めても、その時点からコマンドピストン43及びニードルバルブ41が移動し始めるまでに、0.2〜0.5ms程度の遅れがある。そこで、例えば、0.3ms間だけ排出オリフィス38を開放し、すぐに閉鎖するように駆動電流の時間幅を制御すれば、噴射口31から燃料噴射をすることなくバックリークのみ生じさせることができる。すなわち、本発明では、インジェクタ105から燃料がエンジン内に噴射されない駆動量でインジェクタ105を駆動してバックリークのみ生じさせることになる。この動作をカラ打ちと呼ぶことにする。
バックリーク量は燃料圧力に依存するので、バックリーク量から燃料圧力を推定できる。しかし、バックリーク量を直接検出することは困難であるので、本発明では、バックリーク量による燃料圧力の変動に着目し、バックリーク駆動部4によりカラ打ちを繰り返し行い、回数計数部5によりカラ打ちの回数を計数することになる。
次に、本発明に係る燃料圧力センサ診断装置1の動作を説明する。
燃料圧力センサ診断装置1は、定期的あるいは何かのイベントごとに図6の処理を実行して、燃料圧力指標の演算や学習をするようになっている。これを判定という。工場出荷時には燃料圧力指標のデフォルトが設定されており、ユーザが使用する間に判定が繰り返される。以下では、一回の運転ごと(例えば、キーオンごと)に判定を行うものとし、これの繰り返しのうち2回の判定について、前回運転時の判定と今回運転時の判定として説明する。
前回運転時のステップS1にて、バックリーク駆動部4がバックリーク(カラ打ち)を繰り返し行い、回数計数部5がカラ打ちの回数を計数する。カラ打ちによってその都度燃料レール104の燃料が微量に消費されるが、バックリーク回数が少ない間は燃料圧力はあまり低下しない。カラ打ちを繰り返していくと、燃料圧力の低下が顕著となる。
ステップS2にて、燃料圧力指標検出部6は、燃料圧力指標を判定する。燃料圧力指標は、カラ打ちによる燃料圧力の低下が顕著となるバックリーク回数で表される。例えば、図6の右上に示した燃料圧力は、カラ打ち(白丸)が4回までは燃料圧力の低下が閾値に達せず、5回目以降のカラ打ち(黒丸)で燃料圧力の低下が閾値以上になっている。このように、燃料圧力の低下が閾値以上のとき、燃料圧力の低下が顕著と判定する。あるいは、燃料圧力が低下すると同じ燃料噴射量指示値に対する実際の燃料噴射量が低下するため、エンジン回転速度が低下する。よって、エンジン回転速度の低下が閾値以上になったとき、燃料圧力の低下が顕著と判定するようにしてもよい。
燃料圧力指標は、カラ打ちによる燃料圧力の低下が顕著となるバックリーク回数のみではなく、他の要素も加味して判定するとよい。例えば、燃料圧力が高いときと低いときでは、燃料圧力の低下の曲線が異なるので、燃料圧力センサ106が検出する燃料圧力を判定の要素とする。
図示しない温度センサによりサプライポンプ103の入口における燃料入口温度を検出する。燃料は温度が高いと燃料密度(比重)が低下するため、同じバックリークの時間(制御弁44がリフトされている時間)に対してバックリーク量が少ない。よって、燃料入口温度を判定の要素とする。
大気温度が高くなると、燃料タンク102や、燃料タンク102からサプライポンプ103までの配管において燃料温度が上昇するので、大気温度も判定の要素となる。大気温度を参照する場合は、従来よりECM109に大気温度センサが内蔵されているので、これを利用するとよい。
燃料圧力はサプライポンプ103の動作にも依存している。調量制御部3において、燃料圧力センサ106が検出する燃料圧力が燃料圧力指示値となるよう、サプライポンプ103を調量制御するからである。このとき、サプライポンプ103に調量制御の指示値がアクチュエータの調量方式によって角度、電流値、デューティ比などの数値で与えられる。そこで、調量制御の指示値を判定の要素とする。
なお、カラ打ちを行うときは、サプライポンプ103によって燃料圧力が直ちに回復しないよう、調量を絞るようにしてもよい。例えば、サプライポンプ103による供給を停止させた状態(調量=0)にしておくと、カラ打ちの繰り返しによって燃料圧力を急速に低下させることができる。
これらの要素について、補正量を各々マップに設定しておき、これらのマップを参照してバックリーク回数を補正して燃料圧力指標を判定する。
ステップS3にて、運転条件判定部8では、エンジン運転条件を判定する。これは、エンジン運転条件が異なると燃料圧力指標が異なるからである。燃料レール104の燃料圧力は、サプライポンプ103からの燃料供給で上昇し、インジェクタ105の燃料噴射で低下する。したがって、インジェクタ105における燃料噴射量(=燃料噴射量指示値)がエンジン運転条件の要素となる。
エンジン運転条件は、燃料圧力センサ106が検出する燃料圧力も要素となる。さらに、いくつかのエンジンパラメータを加味して判定する。エンジン運転条件を判定する要素となるエンジンパラメータとしては、エンジン回転速度、燃料温度、大気温度などがある。これらの要素を用い、同じエンジン運転条件で燃料圧力指標が比較できるよう、複数の離散的なエンジン運転条件をあらかじめ設定しておく。
ステップS4にて、実績学習部9では、エンジン運転条件ごとの燃料圧力指標を記憶する。例えば、エンジン回転速度が600rpm、燃料噴射量指示値0.01cm3/回転で、燃料供給量が調量制御の指示値のデューティ比10%に相当する燃料供給量のとき、燃料圧力の低下が閾値以上にならないバックリーク回数が4回だったとする。このエンジン運転条件に対応させてバックリーク回数に基づく燃料圧力指標を記憶することになる。
今回運転時は、ステップS1、S2、S3と同様の動作を行なう。これにより、現在のエンジン運転条件での燃料圧力指標が得られる。その後、ステップS5にて、異常判定部7は、現在のエンジン運転条件での燃料圧力指標を実績学習部9に記憶されている過去の同じエンジン運転条件での燃料圧力指標に照らし合わせて燃料圧力指標の乖離を求める。この乖離が閾値以上のとき、燃料圧力センサ106の異常と判定する。
例えば、前回運転時の燃料圧力指標がバックリーク4回であったのに、今回運転時の燃料圧力指標がバックリーク3回に減っていたとすると、燃料圧力が高くなっていることが推定できる。なぜなら、図2で説明したように、燃料圧力が高いと、1回のバックリーク量が多いため、バックリークの繰り返しによる燃料圧力の低下が著しくなるからである。
このように、燃料圧力指標の減少から燃料圧力が上昇したことが推定できる。これにもかかわらず、エンジン運転条件を与えている燃料圧力センサ106が検出する燃料圧力は前回運転時と同じであるから、燃料圧力センサ106の読み値が実際より低くなる変化が前回運転時と今回運転時の間に生じたと推定できる。よって、燃料圧力センサ106の異常と判定することになる。
異常の判定に対しては、ただちに運転者に警告を行うか、あるいは燃料圧力センサ106に異常が起きたことをECM109に記憶しておき、検査・修理工場での診断時に読み出せるようにしておくとよい。なお、ここで判定される異常は、単純な断線や短絡といった故障ではなく、運転者によって燃料圧力センサ106に改造がなされた場合も含むので、あえて運転者には警告を出さずにECM109に記憶するだけでもよい。いったん燃料圧力センサ106の異常が判定された後は、学習は行わないようにしてもよい。
本発明の燃料圧力センサ診断装置1は、インジェクタ105から燃料がエンジン内に噴射されない駆動量でインジェクタ105を駆動してバックリークのみ生じさせ、そのバックリークを繰り返してバックリーク回数を計数し、燃料圧力の低下が顕著となるバックリーク回数を燃料圧力指標として検出し、燃料圧力指標から燃料圧力センサ106の異常と判定するようにしたので、燃料圧力センサ106を診断することができる。
また、本発明の燃料圧力センサ診断装置1は、特別な部材(高価なセンサや新規な回路)を付加する必要がなく、既存のコモンレールシステム101に対してECM109に搭載するソフトウェアのみ変更し、部材を付加するとしても安価な燃料温度センサを付加する程度で済むので、車両のコスト上昇を招くことがない。
本実施形態では、さまざまなエンジン運転条件においてバックリーク(カラ打ち)の繰り返しにより燃料圧力指標を検出して診断に用いるようにしたが、カラ打ちの繰り返しによる燃料圧力指標の検出は、燃料噴射がなくなるエンジンブレーキ時、燃料噴射の量と頻度が小さくなるアイドリング時など、エンジンへの出力要求がない状態にてのみ行うようにしてもよい。例えば、600rpmのとき、4気筒であれば燃料噴射は50msに1回となるので、燃料噴射がない間に0.5msのバックリークを複数回繰り返すことが可能である。バックリークの繰り返しにより、図6の右上に示したような燃料圧力の低下が測定できるので、燃料圧力指標を検出することができる。
1 燃料圧力センサ診断装置
2 インジェクタ制御部
3 調量制御部
4 バックリーク駆動部
5 回数計数部
6 燃料圧力指標検出部
7 異常判定部
8 運転条件判定部
9 実績学習部

Claims (5)

  1. 燃料を調量可能に供給するサプライポンプと、
    前記サプライポンプから供給された燃料を貯留する燃料レールと、
    前記燃料レールの燃料をエンジン内に噴射するインジェクタと、
    前記インジェクタから噴射時にバックリークする燃料を回収する回収ラインと、
    前記燃料レール内の燃料圧力を検出する燃料圧力センサとを備えたコモンレールシステムに適用される燃料圧力センサ診断装置であって、
    前記インジェクタから燃料が燃料噴射量指示値どおり噴射されるよう燃料圧力と燃料噴射量指示値に応じて前記インジェクタの駆動量を制御するインジェクタ制御部と、
    前記燃料圧力センサが検出する燃料圧力が燃料圧力指示値となるように前記サプライポンプを調量制御する調量制御部と、
    前記インジェクタから燃料がエンジン内に噴射されない駆動量で前記インジェクタを駆動してバックリークのみ生じさせるバックリーク駆動部と、
    前記バックリーク駆動部によるバックリークが繰り返されるときバックリーク回数を計数する回数計数部と、
    バックリークによる燃料圧力の低下が顕著となるバックリーク回数を燃料圧力指標として検出する燃料圧力指標検出部と、
    現在の燃料圧力指標が過去の燃料圧力指標から閾値以上乖離しているとき、前記燃料圧力センサの異常と判定する異常判定部とを備えたことを特徴とする燃料圧力センサ診断装置。
  2. 前記燃料圧力指標検出部は、前記燃料圧力センサが検出する燃料圧力の低下が閾値以上になったとき、燃料圧力の低下が顕著と判定することを特徴とする請求項1記載の燃料圧力センサ診断装置。
  3. 前記燃料圧力指標検出部は、エンジン回転速度の低下が閾値以上になったとき、燃料圧力の低下が顕著と判定することを特徴とする請求項1記載の燃料圧力センサ診断装置。
  4. 前記燃料圧力指標検出部は、前記サプライポンプによる供給を停止させた状態で前記バックリーク駆動部にバックリークの繰り返しをさせることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の燃料圧力センサ診断装置。
  5. 燃料噴射量指示値と前記燃料圧力センサが検出する燃料圧力とにより、エンジン運転条件を判定する運転条件判定部と、
    エンジン運転条件ごとの燃料圧力指標を記憶する実績学習部とを備え、
    前記異常判定部は、現在のあるエンジン運転条件での燃料圧力指標を前記実績学習部に記憶されている過去の同じエンジン運転条件での燃料圧力指標に照らし合わせて燃料圧力指標の乖離を求めることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の燃料圧力センサ診断装置。
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