JP5278290B2 - 燃料噴射システムの故障診断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料の高圧経路で生じた損傷が原因で生じる燃料漏れ等、燃料の流通状態を診断する燃料噴射システムの故障診断装置に関する。
内燃機関に備えられた従来の一般的な燃料噴射システムは、燃料を加圧して吐出する燃料ポンプと、燃料ポンプから燃料噴射弁へ供給される供給燃料の圧力を検出する燃圧センサと、を備えており、燃圧センサにより検出された実圧力と目標圧力との圧力偏差に基づき、燃料ポンプによる燃料の吐出量をフィードバック制御している(特許文献1,2参照)。
ここで、燃料ポンプから燃料噴射弁の噴孔に至るまでの高圧経路が損傷して、高圧経路の外部に燃料が漏れるといった漏れ異常が生じる場合がある。例えば、燃料ポンプの構成部品が破損したり、高圧経路を構成する配管に亀裂が生じたりする等の損傷が挙げられる。
このような漏れ異常を診断する従来の診断装置では、燃圧センサの検出値に基づき噴射に伴い生じた供給燃料の圧力降下量(実降下量)を算出するとともに、燃料の目標噴射量に基づき噴射に伴い生じた供給燃料の圧力降下量(推定降下量)を算出する。そして、実降下量が推定降下量に対して所定量以上多くなっている場合に、上記「漏れ異常」が生じていると診断する。
特開2007−225173号公報 特開2008−231920号公報
ここで、例えば、燃料噴射弁の摺動部分のクリアランスが磨耗などで増大すると、燃料噴射弁へ供給した燃料の余剰分を燃料タンクへ戻すリターン量が増大する。そして、粗悪燃料を用いると燃料中の異物や粗悪燃料自身のもつ潤滑性の悪さにより前記磨耗が想定を超えて増大し、ひいてはリターン量が異常に増大するといったリターン量異常になることがある。そして、このようにリターン量が異常に増大すると、実降下量が推定降下量に対して所定量以上多くなる場合があり、この場合には、上記「漏れ異常」が生じていると誤診断してしまう、との知見を本発明者は得た。なお、「漏れ異常」が生じていると誤診断した場合には、本来であれば磨耗した燃料噴射弁を新品に交換すればよいところ、燃料ポンプや配管等を交換するといった誤交換を招く。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、「漏れ異常」の誤診断を回避できる燃料噴射システムの故障診断装置、又は「リターン量異常」を診断可能にした燃料噴射システムの故障診断装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明では、内燃機関の燃焼に供する燃料を加圧して吐出する燃料ポンプと、前記燃料ポンプから供給された供給燃料を噴孔から噴射させる燃料噴射弁と、前記供給燃料の圧力を検出する燃圧センサと、を備える燃料噴射システムに適用され、前記燃圧センサの検出値に基づき、噴射に伴い生じた前記供給燃料の圧力降下量を実降下量として算出する実降下量算出手段と、前記噴孔から噴射させる燃料の目標噴射量に基づき、噴射に伴い生じた前記供給燃料の圧力降下量を推定降下量として算出する推定降下量算出手段と、前記実降下量及び前記推定降下量の差分値を算出する差分値算出手段と、今回噴射にかかる前記実降下量及び前記推定降下量の前記差分値が前回噴射にかかる前記実降下量及び前記推定降下量の前記差分値よりも所定値以上大きい場合に、前記燃料ポンプから前記噴孔に至るまでの高圧経路で外部への燃料漏れが生じている漏れ異常と診断する漏れ異常診断手段と、を備えることを特徴とする。
上述した「リターン量異常」又は「漏れ異常」が生じている場合には、推定降下量に対して実降下量が大きくなるので、その差分値は大きくなる。但し、「リターン量異常」に起因して差分値が大きくなる場合には、当該差分値は所定期間以上をかけて徐々に増大していく。これに対し、「漏れ異常」に起因して差分値が大きくなる場合には、当該差分値は短時間で急激に増大する。この点を鑑みた上記発明によれば、今回噴射にかかる前記差分値が前回噴射にかかる前記差分値よりも所定値以上大きい場合に漏れ異常と診断するので、リターン量異常であることが原因で実降下量が推定降下量に対して所定量以上多くなっている場合に漏れ異常と誤診断してしまうことを回避できる。
請求項2記載の発明では、前記漏れ異常と診断されていないことを条件として、前記実降下量が前記推定降下量に対して所定量以上多い場合に、前記供給燃料の余剰分を燃料タンクへ戻すリターン量が異常に増大しているリターン量異常と診断するリターン量異常診断手段を備えることを特徴とする。
漏れ異常と診断されていないにも拘わらず実降下量が推定降下量に対して所定量以上多い場合には、その原因はリターン量異常である可能性が高い。よって、上記発明によればリターン量異常の診断が可能となる。
第1の構成では、内燃機関の燃焼に供する燃料を加圧して吐出する燃料ポンプと、前記燃料ポンプから供給された供給燃料を噴孔から噴射させる燃料噴射弁と、前記供給燃料の圧力を検出する燃圧センサと、前記燃圧センサにより検出された実圧力と目標圧力との圧力偏差に基づき前記燃料ポンプによる燃料の吐出量をフィードバック制御する燃圧フィードバック制御手段と、を備える燃料噴射システムに適用され、前記吐出量又はその吐出量と相関のある物理量を吐出量履歴情報として取得する吐出量履歴取得手段と、取得した前記吐出量履歴情報に基づき、前記供給燃料の余剰分を燃料タンクへ戻すリターン量が異常に増大しているリターン量異常と診断するリターン量異常診断手段と、を備えることを特徴とする。
上述した「リターン量異常」が生じている場合には、フィードバック制御されている吐出量が所定期間以上をかけて徐々に増大していく。これに対し、上述した「漏れ異常」が生じている場合には、フィードバック制御されている吐出量が短時間で急激に増大する。この点を鑑みた上記構成によれば、フィードバック制御されている吐出量又はその吐出量と相関のある吐出量履歴情報を取得し、取得した吐出量履歴情報に基づきリターン量異常の有無を診断するので、リターン量異常の診断が可能となる。
第2の構成では、前記燃圧フィードバック制御手段は、前記内燃機関の運転状態に応じて前記燃料ポンプに対する指令値を算出する指令値算出手段と、前記圧力偏差に基づき前記指令値をフィードバック補正するフィードバック補正手段と、前記フィードバック補正が為された前記指令値に基づき前記燃料ポンプの駆動を制御する駆動制御手段と、を有しており、前記吐出量履歴情報には、前記フィードバック補正のうち積分項に関する情報が少なくとも含まれており、前記リターン量異常診断手段は、前記積分項の値が予め設定された閾値より大きい場合に前記リターン量異常と診断することを特徴とする。
「リターン量異常」が生じている場合には、「漏れ異常」が生じている場合に比べて実圧力と目標圧力との圧力偏差が長期間に亘って大きい値となる。そのため、「リターン量異常」が生じている場合には、「漏れ異常」が生じている場合に比べてフィードバック補正のうち積分項による補正量が大きい値となる。この点を鑑みた上記構成によれば、積分項の値が閾値より大きい場合にリターン量異常と診断するので、例えば微分項等を含めたフィードバック補正量に基づきリターン量異常を診断する場合に比べて高精度で診断できる。
第3の構成では、前記燃圧センサの検出値に基づき、噴射に伴い生じた前記供給燃料の圧力降下量を実降下量として算出する実降下量算出手段と、前記燃料噴射弁の噴孔から噴射される燃料の目標噴射量に基づき、噴射に伴い生じた前記供給燃料の圧力降下量を推定降下量として算出する推定降下量算出手段と、前記リターン量異常と診断されていないことを条件として、前記実降下量が前記推定降下量に対して所定量以上多い場合に、前記燃料ポンプから前記噴孔に至るまでの高圧経路で外部への燃料漏れが生じている漏れ異常と診断する漏れ異常診断手段と、を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、リターン量異常と診断されていないことを条件として、実降下量が推定降下量に対して所定量以上多い場合に漏れ異常と診断するので、リターン量異常であることが原因で実降下量が推定降下量に対して所定量以上多くなっている場合に漏れ異常と誤診断してしまうことを回避できる。
本発明の第1実施形態にかかる診断装置が適用される、燃料噴射システムの構成を示す図。 第1実施形態において、レール圧制御の内容を示す機能ブロック図。 漏れ異常時のレール圧変化を示すタイムチャート。 リターン量異常時のレール圧変化を示すタイムチャート。 漏れ異常時における噴射前後降下量の推移と、リターン量異常時における噴射前後降下量の推移との違いを説明するタイムチャート。 第1実施形態において、漏れ異常及びリターン量異常を診断する手順を説明するフローチャート。 本発明の第2実施形態において、フィードバック積分量の推移を示すタイムチャート。 第2実施形態において、漏れ異常及びリターン量異常を診断する手順を説明するフローチャート。
以下、本発明を具体化した各実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付しており、同一符号の部分についてはその説明を援用する。
(第1実施形態)
本実施形態に係る燃料噴射システムの故障診断装置は、ディーゼルエンジン(内燃機関)に対して燃料を噴射する燃料噴射システムに適用されたものである。先ず、図1を用いて上記燃料噴射システムの構成を説明する。
図示されるように、燃料を貯蔵する燃料タンク2の燃料は、燃料ポンプ10によって汲み上げられ、供給配管21を介してコモンレール30(蓄圧室)に供給される。ここで、燃料ポンプ10は、燃料タンク2の燃料を汲み上げる低圧ポンプ11と、低圧ポンプ11とその下流側とを連通及び遮断する調量制御弁12と、調量制御弁12を介して低圧ポンプ11から送られてくる燃料を外部へと供給する高圧ポンプ15とを備えている。ここで、高圧ポンプ15は、調量制御弁12の下流側において2つに分岐した燃料通路である第1通路13及び第2通路14に対応して、これら各通路の燃料を吸入する第1プランジャ16及び第2プランジャ17の設けられたプランジャ部18を備えている。このプランジャ部18の内部の空洞部19には、ディーゼルエンジンの出力軸と連結された回転体20が設けられている。そして、回転体20の回転により、第1プランジャ16と第2プランジャ17とが交互に上死点から下死点へ向けて変位することで、第1通路13と第2通路14との燃料が交互に高圧ポンプ15に吸入される。
例えば、第1プランジャ16が図1の位置から下死点へと変位する時には、第1通路13の燃料が、第1プランジャ16の変位に伴って吸引される。一方、この時には、第2プランジャ17は上死点(図1の下側)に向けて変位するために、第2通路14を介して燃料が外部へと加圧供給される。なお、第1通路13及び第2通路14はその下流で合流して上記供給配管21に接続されている。また、第1通路13及び第2通路14の各々に設けられた逆止弁22、23により、第1プランジャ16及び第2プランジャ17が変位する際の燃料の逆流を回避している。
この燃料ポンプ10により供給される燃料は、燃料ポンプ10に吸入される燃料量(より正確には、高圧ポンプ15に吸入される燃料量)によって決定される。すなわち、第1プランジャ16又は第2プランジャ17が下死点へ向けて変位する時に調量制御弁12を開弁させることで、高圧ポンプ15に燃料が吸入される。そして、この吸入量は、調量制御弁12の閉弁タイミングによって決定される。換言すれば、調量制御弁12の閉弁タイミングによって、燃料ポンプ10から外部に供給される燃料量が決定される。因みに、高圧ポンプ15とともに低圧ポンプ11も、ディーゼルエンジンの出力軸により駆動されている。
高圧ポンプ15からコモンレール30に供給された燃料は、高圧配管32を介して、各気筒(ここでは、4気筒を例示)の燃料噴射弁40に供給される。燃料噴射弁40は、内部に燃料通路を形成するとともに先端に噴孔が形成されたボデー41と、噴孔を開閉するニードル弁42と、ニードル弁42を開閉作動させる電磁ソレノイド43(電動アクチュエータ)と、を備えて構成されている。
ニードル弁42には、図示しない背圧室の高圧燃料による圧力及びスプリングの弾性力が閉弁作動側へ付与されているとともに、図示しない燃料溜り室の高圧燃料による圧力が開弁作動側へ付与されている。また、背圧室と低圧配管34との連通を開閉する図示しない制御弁は、電磁ソレノイド43への通電をオンにすると開弁作動する。すると、背圧室の高圧燃料が低圧配管34を通じてリターン燃料として燃料タンク2に戻され、その結果、背圧室の燃料の圧力(背圧)が低下する。一方、電磁ソレノイド43への通電をオフにすると制御弁は閉弁作動して、背圧室へ流入する高圧燃料により背圧は上昇する。
したがって、電磁ソレノイド43への通電をオンにすると背圧が低下して、スプリングの弾性力に抗してニードル弁42は噴孔を開くように開弁作動し、噴孔から燃料が噴射される。一方、電磁ソレノイド43への通電をオフにすると背圧が上昇して、スプリングの弾性力によりニードル弁42は噴孔を閉じるように閉弁作動し、噴孔からの燃料噴射は停止される。
先の図1に示すように、コモンレール30には、その内部と低圧配管34とを連通及び遮断させる減圧弁36が備えられている。また、コモンレール30には、その内部の燃圧を検出する燃圧センサ38が設けられている。
燃圧センサ38の検出値や、アクセルペダル51の踏み込み量(アクセル操作量)を検出するアクセルセンサ52の検出値等、各種センサの検出値は、電子制御ユニット(ECU50)に取り込まれる。このECU50は、中央処理装置や適宜のメモリを備えて構成されており、各種センサの検出値に基づき、調量制御弁12や、減圧弁36、電磁ソレノイド43等の各種アクチュエータを操作する。
次に、ECU50による調量制御弁12の作動の制御(レール圧力の制御)について、図2を用いて詳細に説明する。なお、図2は、噴射制御及びレール圧制御に係る機能ブロック図であり、図中実線のブロックはECU50の内部を示し、また、破線のブロックはECU50の外部を示す。
噴射量指令値演算部M1は、ユーザによるアクセルペダル51の踏み込み量(アクセル操作量)と、ディーゼルエンジンの出力軸の回転速度NEとに基づき、燃料噴射弁40を介して1燃焼サイクルあたりに噴射される燃料量の指令値(指令噴射量)を算出する。ここで算出される指令噴射量は、通電時間演算部M2において、燃料噴射弁40(詳しくは、電磁ソレノイド43)の通電時間に変換される。そして、ここで算出される通電時間に従って、駆動回路M3により燃料噴射弁40の通電がなされる。
一方、目標圧力演算部M4は、指令噴射量と回転速度NEとに基づき、コモンレール30内の燃料圧力(レール圧力)の目標値(目標圧力Ptrg)を設定する。因みに、目標圧力Ptrgは、アイドル時において低く、中高速回転に移行するにつれて高圧となる。そして、コモンレール30内の燃圧の検出値(実圧力Pact)が目標圧力Ptrgに追従するように、PID制御がなされる。
より詳細に説明すると、偏差算出部M5は、目標圧力Ptrgと実圧力Pactとの圧力偏差を算出する。そして、比例項演算部M6、微分項演算部M7及び積分項演算部M8は、前記偏差Ptrg−Pactに基づき、フィードバック補正にかかる比例項k1、微分項k2・s、積分項k3・1/sをそれぞれ演算する。比例項k1は、偏差Ptrg−Pactに比例した値であり、前記偏差に比例ゲインを乗算することで演算される。微分項k2・sは、偏差Ptrg−Pactが変化する速度に比例した値であり、その偏差の時間微分値に微分ゲインを乗算することで演算される。積分項k3・1/sは、偏差Ptrg−Pactが残っている限りこれを加算していった値であり、前記偏差の時間積分値(累積値)に積分ゲインの逆数を乗算することで演算される。
そして、デューティ算出部M10は、比例項k1、微分項k2・s及び積分項k3・1/sと、噴射量指令値演算部M1で演算した指令噴射量とに基づき、燃料ポンプ10の調量制御弁12に対して出力されるデューティ信号のデューティ比Duty(「ポンプに対する指令値」に相当)を算出する。
駆動回路M9は、デューティ算出部M10で算出したデューティ比Duty及びバッテリ電圧に基づき、調量制御弁12へ流す制御電流iを設定する。この制御電流iが調量制御弁12に出力されることで、PID制御によって算出される操作量に応じて調量制御弁12が作動する。つまり、レール圧力(実圧力Pact)が目標圧力Ptrgに近づくようにフィードバック制御されることとなる。
なお、目標圧力演算部M4は指令値算出手段(燃圧フィードバック制御手段)に相当し、偏差算出部M5及び各演算部M6〜M8はフィードバック補正手段(燃圧フィードバック制御手段)に相当し、駆動回路M9は駆動制御手段(燃圧フィードバック制御手段)に相当する。
ところで、燃料ポンプ10から燃料噴射弁40の噴孔に至るまでの高圧経路で、高圧燃料が外部へ漏れ出る漏れ異常が生じる場合がある。例えば、供給配管21及び高圧配管32に亀裂が生じた場合や、燃料ポンプ10、コモンレール30及び燃料噴射弁40が損傷した場合が漏れ異常の具体例として挙げられる。
このような漏れ異常の有無を診断する手法を、図3〜図5のタイムチャートを用いて以下に説明する。図3(a)は噴孔からの噴射量の変化を示す。なお、図3の例では、1燃焼サイクル中に複数回噴射する多段噴射(プレ噴射Q1及びメイン噴射Q2)を実施している。図3(b)は、燃料噴射弁40の背圧室から低圧配管34を通じて戻されるリターン燃料の量(リターン量)の変化を示す。図3(c)中の実線は、漏れ異常が生じていない正常時におけるレール圧(実圧力Pact)の変化を示し、図3(c)中の点線は、漏れ異常が生じている時のレール圧変化を示す。図3の例では符号t1に示す時点で漏れ異常が発生している。
そして、噴射を実施する前後で生じる実圧力Pactの降下量に関し、漏れ異常が生じている場合の降下量ΔP2は、漏れ異常が生じていない正常時の降下量ΔP1に比べて極めて大きい値となる。したがって、噴射前後の降下量を逐次算出しておき、その降下量が所定値以上になれば漏れ異常であると診断することが考えられる。
しかしながら、漏れ異常が発生していなくても、以下に説明するリターン量異常が発生した場合にも、噴射前後におけるレール圧の降下量が大きくなるので、この場合には漏れ異常と誤診断することが懸念されるすなわち、燃料噴射弁40の経年劣化により、上記リターン量が異常に増大するといったリターン量異常になることがある。具体的には、ニードル弁42とボデー41との摺動部分での磨耗が増大することに起因してリターン量が増大する。特に、粗悪燃料を用いると燃料中の異物により前記磨耗が想定を超えて増大し、ひいてはリターン量が異常に増大する。
図4(b)(c)中の実線は、漏れ異常及びリターン量異常が生じていない正常時における、リターン量及びレール圧の変化を示し、図4(b)(c)中の一点鎖線は、漏れ異常は生じていないがリターン量異常が生じている時のリターン量及びレール圧の変化を示す。図4(c)に示すように、リターン量異常が生じている場合の降下量ΔP3は、漏れ異常及びリターン量異常が生じていない正常時の降下量ΔP1に比べて極めて大きい値となる。よって、噴射前後におけるレール圧の降下量に基づくだけでは、漏れ異常を誤診断するおそれがある。換言すれば、漏れ異常とリターン量異常との判別ができない。
しかし、「リターン量異常」に起因して降下量が大きくなる場合には、当該降下量は長期間をかけて徐々に増大していく。これに対し、「漏れ異常」に起因して降下量が大きくなる場合には、当該降下量は短時間で急激に増大する。この違いに着目し、本実施形態では、降下量が所定量以上となっている場合において、今回噴射の前後で生じたレール圧の降下量ΔPi(図5参照)が、前回噴射の前後で生じたレール圧の降下量ΔPi−1(図5参照)よりも所定量以上大きくなっている場合に、急激に降下量が大きくなったとみなして漏れ異常であると診断する。一方、降下量が所定量以上となっている場合において、今回の降下量ΔPiが前回の降下量ΔPi−1から所定量以上になっていない場合には、降下量が長期間をかけて徐々に増大しているとみなしてリターン量異常であると診断する。
図5(a)は噴射量の変化を示し、図5(b)中の実線は正常時のレール圧変化を示し、点線は漏れ異常時のレール圧変化を示し、一点鎖線は漏れ異常は生じていないがリターン量異常が生じている時のレール圧変化を示す。なお、図5の例では符号t1に示す時点で漏れ異常が発生している。図5(b)に示すように、通常時には前回降下量ΔPi−1と今回降下量ΔPiとはほぼ同じ値となる(ΔPi≒ΔPi−1)。そして、t1時点で漏れ異常が生じた場合には前回降下量ΔPi−1に比べて今回降下量ΔPiは急激に大きくなる(ΔPi−ΔPi−1>TH)。一方、前回噴射以前からリターン量異常が生じている場合には、前回降下量ΔPi−1に比べて今回降下量ΔPiは僅かに大きくなるだけである(ΔPi−ΔPi−1<TH)。
図6は、ECU50が有するマイクロコンピュータによる上記異常診断の処理手順を示すフローチャートであり、当該処理は、所定周期(例えば先述のCPUが行う演算周期又は所定のクランク角度毎又は噴射毎)で繰り返し実行される。
先ず、図6に示すステップS10において、噴射前レール圧PC1及び噴射後レール圧PC2を読み込む。上記「噴射前」とは多段噴射の開始前の意味であり、「噴射後」とは多段噴射の終了後の意味である。但し、例えばメイン噴射Q2の開始前後でのレール圧を読み込むようにしてもよい。続くステップS11(実降下量算出手段)では、ステップS10で取得した噴射後レール圧PC2から噴射前レール圧PC1を減算することで、噴射前後で生じたレール圧の実降下量ΔPを算出する。
続くステップS12(推定降下量算出手段)では、噴射量指令値演算部M1で演算した噴射量指令値に基づき、噴射前後で生じるレール圧の推定降下量ΔPcを算出する。例えば以下の算出式(1)を用いて推定降下量ΔPcを算出する。
ΔPc=K×ΔV/Vr・・・(1)
なお、算出式中のKは、燃料ポンプ10の吐出口から噴孔に至るまでの高圧経路を対象とした体積弾性係数である。算出式中のVrは、燃料ポンプ10の吐出口から噴孔に至るまでの高圧経路の容積である。これらの体積弾性係数K及び容積Vrは既知の値であり、予め試験等により取得しておく。算出式中のΔVは噴射量であり、例えば噴射量指令値に相当する量の噴射量である。
続くステップS13(差分値算出手段)では、ステップS11で算出した実降下量ΔPから、ステップS12で算出した推定降下量ΔPcを減算することで、燃料漏れ判定値Pleak(特許請求の範囲に記載の「差分値」に相当)を算出する。続くステップS14では、燃料漏れ判定閾値Pjdを算出する。この閾値Pjdは、予め設定された値に固定してもよいし、例えば噴射前のレール圧、噴射量指令値等に応じて可変設定してもよい。続くステップS15では、燃料漏れ判定値Pleakが判定閾値Pjd以上であるか否かを判定する。そして、Pleak≧Pjdでないと判定された場合(S15:NO)には、続くステップS32において正常であると診断する。
一方、Pleak≧Pjdであると判定された場合(S15:YES)には、上述したリターン量異常及び漏れ異常の少なくとも一方が生じているとみなし、いずれの以上であるかの判別を以降の処理で行う。すなわち、続くステップS20では、前回算出した燃料漏れ判定値Pleak(i-1)を読み込み、続くステップS21(リターン量異常診断手段、漏れ異常診断手段)において、今回算出した燃料漏れ判定値Pleak(i)と前回判定値Pleak(i-1)との差分が所定値以上であるか否かを判定する。
そして、前記差分Pleak(i)−Pleak(i-1)が所定値以上であると判定(S21:YES)されれば、続くステップS31(漏れ異常診断手段)において、噴射前後のレール圧の降下量が急激に大きくなったとみなして漏れ異常であると診断する。一方、前記差分Pleak(i)−Pleak(i-1)が所定値未満であると判定(S21:NO)されれば、続くステップS30において、前記降下量が急激に大きくなってはいないものの、燃料漏れ判定値Pleakが判定閾値Pjd以上であると判定(S15:YES)されていることに基づき、リターン量異常であると診断する。
以上により、本実施形態によれば、実降下量ΔPと推定降下量ΔPcとの差分値を燃料漏れ判定値Pleakとして算出し、判定値Pleakが判定閾値Pjd以上である場合(S15:YES)に、漏れ異常及びリターン量異常のいずれかの異常が生じていると判定する。そして、このように異常判定された場合において、今回噴射にかかる判定値Pleak(i)が前回噴射にかかる判定値Pleak(i-1)よりも所定値以上大きい場合(S21:YES)に漏れ異常と診断し、所定値未満の場合(S21:NO)にリターン量異常であると診断する。
したがって、高圧燃料の流通に異常が生じた場合に、漏れ異常及びリターン量異常のいずれであるかを判別できるので、例えばリターン量異常の場合には燃料噴射弁40を交換する修理作業を行い、漏れ異常の場合には供給配管21及び高圧配管32等の亀裂を探すといった修理作業を行うことができる。よって、漏れ異常の場合には燃料噴射弁40以外の部品(例えば燃料ポンプ10、コモンレール30等)を不必要に交換することを回避でき、リターン量異常の場合には亀裂を探す作業を簡略化できるので、修理の作業効率を向上できる。
また、実圧力Pactは外乱により変化する。例えばエンジン負荷が上昇する等、エンジンの運転条件が変化した時には、目標圧力Ptrgが上昇して実圧力Pactも上昇するよう変化する。これに対し、本実施形態では、運転条件に応じて算出された噴射量指令値に基づき推定降下量ΔPcを推定するので、推定した推定降下量ΔPcは、前記外乱が加味された値となっている。よって、前記外乱による診断精度の低下は回避される。
(第2実施形態)
本実施形態のハード構成は図1に示す上記第1実施形態と同じであり、また、レール圧力(実圧力Pact)が目標圧力Ptrgに近づくように調量制御弁12の作動をフィードバック制御する点も、図2に示す上記第1実施形態と同じである。以下、本実施形態によるリターン量異常及び漏れ異常の診断手法について、図7及び図8を用いて説明する。
上述の如く調量制御弁12の作動をフィードバック制御するにあたり、リターン量異常が生じると、目標圧力Ptrgと実圧力Pactとの偏差が長期間に亘ってゼロにならず、リターン量が過剰になっている分だけ偏差の値が大きくなったままとなる。すると、積分項演算部M8で演算される積分項の値は、前記偏差が残っている限りこれを加算していった値(積分値)であるため、極めて大きい値となる。これに対し、漏れ異常が生じた場合には、積分項演算部M8で演算される積分項の値はそれほど大きい値とはならない。
本実施形態ではこのような積分項の値の大きさの違いに着目し、噴射前後のレール圧の降下量が所定量以上となっている場合において、その時の積分項が予め設定された閾値以上であればリターン量異常と診断し、閾値未満であれば漏れ異常と診断する。
図7(a)はレール圧の変化を示すタイムチャートであり、図7(b)はフィードバック制御による積分補正量(積分項)の変化を示すタイムチャートである。また、図中の実線は正常時、点線は漏れ異常時、一点鎖線はリターン量異常時について変化を示す。図7の例では、今回の噴射Q2iよりも数十回前の噴射時点から、燃料噴射弁40の磨耗が規定値を超えてリターン量異常の状態となっている。また、t1時点で漏れ異常が生じている。
図中の一点鎖線に示すように、リターン量異常が生じていても、フィードバック制御が実施されることにより、リターン量異常時の実圧力Pactは目標圧力Ptrg(正常時の実圧力Pactに相当)に追従する(図7(a)参照)。但し、フィードバック補正にかかる積分項の値は正常時に比べて大きくなっている。
一方、図中の点線に示すように、t1時点で漏れ異常が生じると、実圧力Pactは急激に降下するため、フィードバック制御を実施していても漏れ異常時の実圧力Pactは目標圧力Ptrg(正常時の実圧力Pactに相当)に追従できない(図7(a)参照)。また、漏れ異常が生じたt1時点で積分項は急激に上昇するものの、漏れ異常時の積分項はリターン量異常時の積分項に比べれば小さい値である。
図8は、ECU50が有するマイクロコンピュータによる上記異常診断の処理手順を示すフローチャートであり、当該処理は、所定周期(例えば先述のCPUが行う演算周期又は所定のクランク角度毎又は噴射毎)で繰り返し実行される。
先ず、図8に示すステップS10〜S15において、図6のステップS10〜S15と同様の処理を実施して、Pleak≧Pjdでないと判定された場合(S15:NO)には、続くステップS32において正常であると診断する。一方、Pleak≧Pjdであると判定された場合(S15:YES)には、上述したリターン量異常及び漏れ異常の少なくとも一方が生じているとみなし、いずれの以上であるかの判別を以降の処理で行う。
すなわち、先ずステップS22(吐出量履歴取得手段)において、積分項演算部M8で演算される積分項の値を取得する。続くステップS23では、積分項にかかる判定閾値Pintを、その時の回転速度NE及びエンジン負荷(例えば指令噴射量)に基づき算出する。続くステップS24(リターン量異常診断手段、漏れ異常診断手段)では、ステップS22で取得した積分項の値が、ステップS23で算出した判定閾値Pint以上であるか否かを判定する。
そして、積分項の値が判定閾値Pint以上であると判定(S24:YES)されれば、続くステップS30(リターン量異常診断手段)において、長期に亘って偏差Ptrg−Pactがゼロになっていないとみなしてリターン量異常であると診断する。一方、積分項の値が判定閾値Pint未満であると判定(S24:NO)されれば、前記偏差が長期に亘って残っている訳ではないものの、燃料漏れ判定値Pleakが判定閾値Pjd以上であると判定(S15:YES)されていることに基づき、漏れ異常であると診断する。
以上により、本実施形態によれば、実降下量ΔPと推定降下量ΔPcとの差分値を燃料漏れ判定値Pleakとして算出し、判定値Pleakが判定閾値Pjd以上である場合(S15:YES)に、漏れ異常及びリターン量異常のいずれかの異常が生じていると判定する。そして、このように異常判定された場合において、調量制御弁12の作動をフィードバック制御する際の積分項が判定閾値Pint以上大きい場合(S24:YES)にリターン量異常と診断し、判定閾値Pint未満の場合(S24:NO)に漏れ異常であると診断する。
したがって、高圧燃料の流通に異常が生じた場合に、漏れ異常及びリターン量異常のいずれであるかを判別できるので、例えばリターン量異常の場合には燃料噴射弁40を交換する修理作業を行い、漏れ異常の場合には供給配管21及び高圧配管32等の亀裂を探すといった修理作業を行うことができる。よって、漏れ異常の場合には燃料噴射弁40以外の部品(例えば燃料ポンプ10、コモンレール30等)を不必要に交換することを回避でき、リターン量異常の場合には亀裂を探す作業を簡略化できるので、修理の作業効率を向上できる。
また、リターン量の増加は、エンジンの運転条件や環境条件(例えば燃料の温度や粘度、性状等)に因らずに発生する。そのため、これらの条件が変化してもステップS24の診断に用いる積分項の値は変化しない。よって、前記条件の変化による診断精度の低下は回避される。
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、以下のように変更して実施してもよい。また、各実施形態の特徴的構成をそれぞれ任意に組み合わせるようにしてもよい。
・ところで、高圧ポンプ15は、プランジャ16,17が加圧と吸入を繰り返し行う構造であるため、レール圧は、加圧したタイミングで上昇するよう脈動が生じる。そして、複数気筒の各々に設けられた燃料噴射弁40には、加圧タイミングで燃料噴射する噴射弁と、それ以外のタイミングで燃料噴射する噴射弁とが存在する。そして、上記第1実施形態の診断手法において、漏れ異常が生じた場合における降下量ΔPiの今回値と前回値との差は、加圧タイミングで燃料噴射する噴射弁においてより顕著に現れる。この点を鑑み、加圧タイミングで燃料噴射する噴射弁に対して上記第1実施形態による診断を実施すれば、診断精度を向上できる。
・上記各実施形態における燃圧センサ38はコモンレール30に搭載され、供給燃料の圧力としてレール圧を検出するものであるが、本発明の燃圧センサはこのようなレール圧センサに限定されるものではなく、例えば燃料噴射弁40に搭載された燃圧センサを用いて噴射弁内部の圧力を供給燃料の圧力として検出してもよいし、高圧ポンプ15に搭載された燃圧センサを用いてポンプ吐出圧を供給燃料の圧力として検出してもよい。
・上記第2実施形態では、リターン量異常及び漏れ異常の判別に用いる吐出量履歴情報として、調量制御弁12をフィードバック制御する際の積分項を用いているが、その他の吐出量履歴情報として、例えば、調量制御弁12に対して出力されるデューティ信号の履歴や、調量制御弁12へ流す制御電流iの履歴を用いることが具体例として挙げられる。例えば、デューティ比Dutyや制御電流iから推定される噴射量が、噴射量指令値に応じた噴射量に対して所定値を超えて大きい値となっている状態が所定期間継続した場合に、補正項が判定閾値Pint以上であるとみなして、リターン量異常であると診断してもよい。
・上記第1実施形態では、Pleak≧Pjd(S15:YES)、かつ、Pleak(i)−Pleak(i-1)≧所定値(S21:YES)である場合に漏れ異常であると診断しているが、ステップS15での判定処理を廃止して、Pleak(i)−Pleak(i-1)≧所定値(S21:YES)である場合に漏れ異常であると診断してもよい。この場合にはリターン量異常の診断ができなくなるものの、リターン量異常である場合に漏れ異常であると誤診断することは回避できる。
・上記第2実施形態では、Pleak≧Pjd(S15:YES)、かつ、積分項≧Pint(S24:YES)である場合にリターン量異常であると診断しているが、ステップS15での判定処理を廃止して、積分項≧Pint(S24:YES)である場合にリターン量異常であると診断してもよい。この場合には漏れ異常の診断ができなくなるものの、漏れ異常である場合にリターン量異常であると誤診断することは回避できる。
・微分項演算部M7で演算される微分項の値は、リターン量異常時に比べて漏れ異常時には大きい値となる。この点を鑑み、微分項の値が所定の閾値を超えて大きくなった場合に漏れ異常と診断するようにしてもよい。
10…燃料ポンプ、40…燃料噴射弁、38…燃圧センサ、S11…実降下量算出手段、S12…推定降下量算出手段、S13…差分値算出手段、S21,S24,S30…リターン量異常診断手段、S21,S24,S31…漏れ異常診断手段、S22…吐出量履歴取得手段、M4…指令値算出手段(燃圧フィードバック制御手段)、M5〜M8…フィードバック補正手段(燃圧フィードバック制御手段)、M9…駆動制御手段(燃圧フィードバック制御手段)、Pleak…燃料漏れ判定値(差分値)、ΔP…実降下量、ΔPc…推定降下量。

Claims (2)

  1. 内燃機関の燃焼に供する燃料を加圧して吐出する燃料ポンプと、
    前記燃料ポンプから供給された供給燃料を噴孔から噴射させる燃料噴射弁と、
    前記供給燃料の圧力を検出する燃圧センサと、
    を備える燃料噴射システムに適用され、
    前記燃圧センサの検出値に基づき、噴射に伴い生じた前記供給燃料の圧力降下量を実降下量として算出する実降下量算出手段と、
    前記噴孔から噴射させる燃料の目標噴射量に基づき、噴射に伴い生じた前記供給燃料の圧力降下量を推定降下量として算出する推定降下量算出手段と、
    前記実降下量及び前記推定降下量の差分値を算出する差分値算出手段と、
    今回噴射にかかる前記実降下量及び前記推定降下量の前記差分値が前回噴射にかかる前記実降下量及び前記推定降下量の前記差分値よりも所定値以上大きい場合に、前記燃料ポンプから前記噴孔に至るまでの高圧経路で外部への燃料漏れが生じている漏れ異常と診断する漏れ異常診断手段と、
    を備えることを特徴とする燃料噴射システムの故障診断装置。
  2. 前記漏れ異常と診断されていないことを条件として、前記実降下量が前記推定降下量に対して所定量以上多い場合に、前記供給燃料の余剰分を燃料タンクへ戻すリターン量が異常に増大しているリターン量異常と診断するリターン量異常診断手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射システムの故障診断装置。
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