JP4400585B2 - 燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料を高圧状態で蓄える蓄圧室と、該蓄圧室に燃料を圧送する燃料ポンプと、前記蓄圧室内の燃圧を検出する検出手段と、前記蓄圧室に蓄えられた燃料を噴射する燃料噴射弁とを備える車載内燃機関の燃料噴射装置について、前記燃料ポンプを操作することで前記検出される燃圧を目標燃圧にフィードバック制御する制御手段を備える燃料噴射制御装置に関する。
この種の燃料噴射装置としては、ディーゼル機関の各気筒の燃料噴射弁に高圧の燃料を供給する共通の蓄圧室(コモンレール)を備えるものが周知である。コモンレール式のディーゼル機関によれば、機関運転状態に応じて、コモンレール内の燃圧を自由に制御することができ、ひいては燃料噴射弁に供給される燃圧を自由に制御することができる。
上記コモンレール内の燃圧の制御は、通常、ディーゼル機関の運転状態に応じて目標燃圧を設定するとともに、コモンレール内の燃圧を検出し、検出される燃圧を目標燃圧にフィードバック制御することで行なわれている。
ところで、燃料ポンプによって燃料の汲み上げられる燃料タンク内の燃料残量が低下するときには、燃料ポンプによってコモンレールに加圧供給(圧送)される燃料にエアが混入するおそれがある。そして、燃料にエアが混入すると、コモンレール内に圧送される燃料量が減少し、コモンレール内の実際の燃圧が目標燃圧よりも低下する。このため、コモンレール内に圧送される燃料量が増量されるように上記フィードバック制御により燃料ポンプが操作される。しかし、エア混入は通常断続的に生じるものであるため、燃料ポンプにより燃料を増量するための操作がなされるときに、上記圧送される燃料にエアが混入しなくなる場合がある。そして、この場合、コモンレールに燃料が過剰に圧送されて、コモンレール内の燃圧が過度に上昇するおそれがある。
このため、燃料へのエア混入を判定してこれに適切に対処する技術が望まれている。ここで、燃料ポンプ内へのエア混入を考慮した技術として下記特許文献1に記載されるものがあるが、これはガス欠寸前時に燃料に大量のエアが混入することを考慮したものではないため、エア混入への対処手法としては必ずしも満足のいくものではなかった。
なお、上記エアの混入に限らず、例えば燃料ポンプの燃料調量弁の一時的な動作不良による圧送量の低下等にあっても燃圧が目標燃圧から大きくずれるおそれがあるこうした実情は概ね共通したものとなっている。
特開2000−282938号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、燃圧のフィードバック制御の異常を判定してこれに適切に対処することのできる燃料噴射制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、燃料を高圧状態で蓄える蓄圧室と、該蓄圧室に燃料を圧送する燃料ポンプと、前記蓄圧室内の燃圧を検出する検出手段と、前記蓄圧室に蓄えられた燃料を噴射する燃料噴射弁とを備える車載内燃機関の燃料噴射装置について、前記燃料ポンプを操作することで前記検出される燃圧を目標燃圧にフィードバック制御する制御手段を備える燃料噴射制御装置において、前記制御手段は、積分項を有するものであり、前記目標燃圧の変動量が閾値未満であるにもかかわらず前記目標燃圧と前記検出される燃圧との間に予め定められた値以上のずれがあるとき、前記フィードバック制御異常があると判断する診断手段と、該異常があると判断されるとき、前記目標燃圧に対する前記検出される燃圧のずれの度合いが大きいほど前記積分項の取り得る範囲をより狭くする処理、前記ずれの度合いが大きいほど前記目標燃圧の取り得る範囲をより狭くする処理、及び前記ずれの度合いが大きいほど前記燃料ポンプに対する指令吐出量の上限値の低減度合いをより大きくする処理の少なくとも1つを行う制限手段とを備えることを特徴とする。
上記構成では、異常があると判断されるとき、燃料ポンプの操作量を制限することで、フィードバック制御の異常時に、目標燃圧に対して検出される燃圧がオーバーシュートしたりアンダーシュートしたりすることを好適に抑制することができる。しかも、ずれの度合いが大きいほど燃料ポンプの操作量の制限の度合いを大きくするために、フィードバック制御を必要以上に制限することによる制御性の低下を回避することができる。
詳しくは、上記構成では、積分項を備えるために、蓄圧室内の目標燃圧と実際の燃圧との定常的な乖離を補償することができ、実際の燃圧の目標燃圧への追従性を向上させることができる。ただし、この場合、例えば、圧送される燃料へのエアの混入等により目標燃圧に対して実際の燃圧が低下する状況が継続すると、積分項が非常に大きな値となる。そして、こうした状況下、圧送される燃料へのエアの混入が一旦解消されると、積分項に基づくフィードバック制御により、蓄圧室内に燃料が過剰に供給され、燃圧が過度に上昇するおそれがある。この点、上記構成では、エアが混入したと判定されるときに、燃料ポンプの積分項を制限することで、燃圧の追従性を向上させつつも、蓄圧室内の燃圧の過度の上昇を好適に回避することができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記診断手段は、前記検出される燃圧が前記目標燃圧よりも低いときに、前記フィードバック制御の異常判断することを特徴とする。
上記構成では、検出される燃圧が目標燃圧よりも低いことに基づきフィードバック制御の異常を判断する。ここで、検出される燃圧が目標燃圧よりも低い要因としては、例えば燃料にエアが混入することや、燃料ポンプが複数のプランジャを備える構成において一時的に一部のプランジャが固着して圧送不能となることなどがある。そして、こうした場合には、例えばエア混入がなくなったり、プランジャの固着が解消したりすると、反動で燃圧が目標燃圧を上回って過度に大きな値に制御されるオーバーシュートが生じるおそれがある。この点、上記構成では、制限手段を備えることでこうした状況に適切に対処することができる。
請求項記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記診断手段は、前記検出される燃圧と前記目標燃圧との差圧の時間の経過に伴う累積値を算出する算出手段を備え、前記ずれとしての前記累積値の絶対値が予め定められた値以上であるときに異常である旨判断することを特徴とする。
上記構成では、累積値の絶対値が予め定められた値以上であるときにフィードバック制御の異常を判断することで、上記検出手段の検出結果へのノイズの混入や他の要因による誤判定を適切に回避することができる。特に、累積値の絶対値を用いることで、検出される燃圧と目標燃圧とのずれの度合いを定量化できるため、異常をより適切に判断することができる。
請求項記載の発明は、請求項記載の発明において、前記制限手段は、前記ずれの度合いとしての前記累積値の絶対値が大きいほど、前記積分項の取り得る範囲をより狭くすることを特徴とする。
上記構成において、累積値の絶対値は、積分項の絶対値の大きさと相関を有するパラメータである。このため、累積値の絶対値の大小に応じて積分項を制限することで、積分項の絶対値が過度に大きくなる程度に応じてこれを制限することができ、ひいては必要以上な制限による制御性の低下を回避することができる。
請求項記載の発明は、請求項1〜のいずれかに記載の発明において、前記制御手段は、前記内燃機関の運転状態に応じて前記目標燃圧の基本値を算出する基本値算出手段と、前記目標燃圧の上限値及び下限値の少なくとも一方を算出するガード算出手段と、前記基本値に基づき、該ガード算出手段によって算出される限界値を超えることがないように前記目標燃圧を設定する設定手段とを備え、前記制限手段は、前記ずれの度合いが大きいほど前記設定手段によって設定可能な目標燃圧の範囲が狭くなるように前記ガード算出手段によって算出される値を制限することを特徴とする。
上記構成において、ずれの度合いに応じて下限値を制限するなら、燃圧が過度に低下して燃料噴射が行えなくなる事態が生じる可能性を好適に抑制することができる。また、上限値を制限するなら、燃圧が過度に大きくなることを好適に抑制することができる。
請求項記載の発明は、請求項記載の発明において、前記制限手段は、前記ずれの度合いとしての前記検出される燃圧と前記目標燃圧との差圧の絶対値が大きいほど前記設定手段によって設定可能とされる目標燃圧の範囲が狭くなるように前記ガード算出手段によって算出される値を制限することを特徴とする。
上記構成では、差圧の絶対値の大小に応じてガード算出手段によって算出される値を制限するために、ずれの度合いに応じて、換言すれば、差圧の絶対値が大きくなる程度に応じて、上記値を制限することができ、ひいては必要以上な制限による制御性の低下を回避することができる。
請求項記載の発明は、請求項4又は6記載の発明において、前記制限手段は、前記累積値の絶対値又は前記差圧の絶対値に比例して前記積分項及び前記目標燃圧の少なくとも一方の取り得る範囲の縮小量を大きくすることを特徴とする。
上記構成によれば、絶対値に比例して上記縮小量を増加させるために、ずれの度合いが大きいほど制限の度合いを大きくすることができる。
請求項記載の発明は、請求項4又は6記載の発明において、前記制限手段は、前記累積値の絶対値又は前記差圧の絶対値が大きいほど前記積分項及び前記目標燃圧の少なくとも一方の取り得る範囲の縮小量の増加速度を徐々に小さくすることを特徴とする。
記構成では、絶対値に対する上記縮小量の増加速度を徐々に低下させるために、ずれの生じはじめの縮小量を比較的大きな値とすることができ、ひいてはずれが生じたときに早期に対策を行うことができる。
請求項記載の発明は、請求項4又は6記載の発明において、前記制限手段は、前記累積値の絶対値又は前記差圧の絶対値が大きいほど前記積分項及び前記目標燃圧の少なくとも一方の取り得る範囲の縮小量の増加速度を徐々に大きくすることを特徴とする。
記構成では、絶対値に対する上記縮小量の増加速度を徐々に上昇させるために、ずれが小さいときには通常時のフィードバック制御を極力尊重することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる燃料噴射制御装置をディーゼル機関の燃料噴射制御装置に適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態にかかるエンジンシステムの全体構成を示す。
図示されるように、燃料タンク2内の燃料は、燃料フィルタ4を介して燃料ポンプ6によって汲み上げられる。燃料ポンプ6は、ディーゼル機関の出力軸であるクランク軸8から動力を付与されて燃料を吐出するものである。詳しくは、燃料ポンプ6は、吸入調量弁10を備えており、吸入調量弁10の開弁量が連続的に操作されることで、外部に吐出される燃料量が決定される。また、燃料ポンプ6は、いくつかのプランジャを備えており、これらプランジャが上死点及び下死点間を往復運動することで、燃料が吸入及び吐出される。
燃料ポンプ6からの燃料は、コモンレール12に加圧供給(圧送)される。コモンレール12には、燃料ポンプ6から圧送された燃料が高圧状態で蓄えられ、蓄えられた燃料は、高圧燃料通路14を介して各気筒(ここでは、4気筒を例示)の燃料噴射弁16に供給される。なお、燃料噴射弁16は、低圧燃料通路18を介して燃料タンク2と接続されている。
また、コモンレール12には、その燃圧が所定以上となると燃料を低圧燃料通路18へと逃がすためのプレッシャレギュレータ20が設けられている。このプレッシャレギュレータ20により、コモンレール12内の燃圧がその耐圧の上限値を超えて上昇することが回避される。
プレッシャレギュレータ20は、コモンレール12側と連通する高圧室21と、低圧燃料通路18側と連通する低圧室22とを備えている。そして、これら高圧室21と低圧室22とは、遮蔽部材23に設けられた孔24によって連通可能となっている。ただし、この孔24は、スプリング25により遮蔽部材23側に押し付けられたバルブ26により通常は遮蔽されている。そして、高圧室21内の燃圧が所定以上となると、高圧室21内の燃圧が孔24を介してバルブ26を押す力が、スプリング25がバルブ26を遮蔽部材23へと押し付ける力に打ち勝つため、バルブ26が開弁する。なお、遮蔽部材23に設けられた孔24は、低圧室22側においてその口径が拡大されており、一旦バルブ26が開弁すると、開弁状態が保持されやすい構成となっている。
上記エンジンシステムは、コモンレール12内の燃圧を検出する燃圧センサ32や、クランク軸8の回転角度を検出するクランク角センサ34等、ディーゼル機関の運転状態を検出する各種センサを備えている。更に、エンジンシステムは、ユーザによる加速要求に応じて操作されるアクセルペダルの操作量を検出するアクセルセンサ36を備えている。
一方、電子制御装置(ECU40)は、マイクロコンピュータを主体として構成され、上記各種センサの検出結果を取り込み、これに基づきディーゼル機関の出力を制御するものである。
上記ECU40は、ディーゼル機関の出力制御を適切に行なうべく、燃料噴射制御を行う。そして、この燃料噴射制御に際しては、コモンレール12内の燃圧を、ディーゼル機関の運転状態に応じて設定される燃圧の目標値(目標燃圧)にフィードバック制御する。以下、図2に基づき、フィーバック制御について詳述する。
図2は、ECU30の行なう処理のうち、上記コモンレール12内の目標燃圧のフィードバック制御に関する処理の機能ブロック図である。
噴射量算出部B2は、クランク角センサ34の検出値に基づくクランク軸8の回転速度と、アクセルセンサ36によって検出されるアクセルペダルの操作量とに基づき、燃料噴射弁に対する噴射量の指令値(指令噴射量)をマップ演算する。
目標燃圧算出部B4は、上記指令噴射量と回転速度とに基づき、目標燃圧の基本値を算出する。燃圧ガード部B6は、目標燃圧算出部B4によって算出される目標燃圧の基本値と、上限値及び下限値との大小に基づき、目標燃圧を設定する。すなわち、基本値が上限値よりも大きいときには上限値を目標燃圧とし、基本値が下限値よりも小さいときには下限値を目標燃圧とし、基本値が下限値以上であって且つ上限値以下であるときには基本値を目標燃圧とする。
差圧算出部B8は、目標燃圧と、燃圧センサ32によって検出される燃圧とに基づき、検出される燃圧に対する目標燃圧の差圧を算出する。この差圧は、比例項算出部B10、積分項算出部B12、及び微分項算出部B14に取り込まれる。ここで、比例項算出部B10は、差圧に比例ゲインを乗算することで比例項を算出する。また、積分項算出部B12は、差圧の時間積分値に積分ゲインの逆数を乗算することで積分項を算出する。更に、微分項算出部B14は、差圧の時間微分値に微分ゲインを乗算することで微分項を算出する。なお、積分項算出部B12によって算出される積分項には、積分項ガード部B16によって、上下限のガード処理がなされる。すなわち、積分項ガード部B16では、上記算出される積分項が上限ガード値よりも大きいときには、上限ガード値を積分項として設定して且つ、積分項が下限ガード値よりも小さいときには、下限ガード値を積分項として設定し、積分項が下限ガード値以上であって且つ上限ガード値以下であるときには、算出される積分項をそのまま採用する。
上記比例項、微分項、積分項は、加算部B18によって加算される。この加算部B18の出力が、燃料ポンプ6に対する吐出量の指令値(指令吐出量)となる。
駆動電流換算部B20は、上記指令吐出量を、燃料ポンプ6から吐出するために要求される燃料ポンプ6の駆動電流値(より正確には、吸入調量弁10の駆動電流値)に換算する。ここでは、例えば指令吐出量についての「n」次(n≧1)の多項式を用いて、指令吐出量を駆動電流値に換算する。この駆動電流換算部B20にて算出される駆動電流値に基づき、燃料ポンプ6が操作される。
ところで、燃料タンク2内の燃料残量が低下すると、燃料ポンプ6によって汲み上げられてコモンレール12へと圧送される燃料にエアが混入するおそれがある。そして、この場合、コモンレール12に十分な燃料が圧送されないために、コモンレール12内の燃圧が低下する。このため、上記フィードバック制御によって、燃料ポンプ6に対する指令吐出量が増加操作される。ただし、このエアの混入は、断続的に生じ得る。そして、この場合、エアの混入が一旦解消すると、コモンレール12内に過剰な燃料が供給されるおそれがある。図3にこうした状況を例示する。
図示されるように、時刻t1に燃料にエアが混入し始めると、図中実線にて示す燃圧の挙動が不安定化し、図中一点鎖線にて示す目標燃圧への追従性が低下する。エアが混入すると、基本的には検出される燃圧が目標燃圧よりも低下する。しかし、先の図2に示したフィードバック制御により、この燃圧の低下を補償するように燃料ポンプ6の吐出量が増大されることや、エア混入が断続的に生じる傾向にあること等のために、検出される燃圧が目標燃圧を一旦下回った後には目標燃圧を上回る現象が生じ、これにより、検出される燃圧が目標燃圧に対して上下に変動することとなる。
また、エア混入に伴い、図中2点鎖線にて示す積分項も大きく変動し始める。ここで、エアの混入が基本的には検出される燃圧を目標燃圧よりも低下させるものであるため、時刻t1以降、積分項は変動しつつも増大していく傾向にある。
そして、時刻t2以降、検出値が目標燃圧を大きく下回ると、先の図2に示したフィードバック制御により、指令吐出量が増大される。特に、この際、積分項が増加していく。そして、その後、エアの混入が再度解消すると、燃料ポンプ6によってコモンレール12へ圧送される燃料量が過剰となり、燃圧が目標燃圧を大きく上回るオーバーシュートが生じる(時刻t3)。
こうした現象は、特に先の図2に示したフィードバック制御において、積分制御を取り入れているために生じやすい。すなわち、積分制御は、検出される燃圧と目標燃圧との差の積算値にゲインが乗算された積分項に応じて指令吐出量を設定するものである。このため、燃料にエアが混入することで検出される燃圧が目標燃圧を下回った状態が継続されると、燃料ポンプ6の操作量が大きな量となりやすい。一方、ディーゼル機関の運転状態等に応じて都度可変設定される目標燃圧に対する検出される燃圧の追従性を高めるためには、積分項等のゲインを極力大きくすることが望まれる。このため、燃料の追従性を極力向上させる設計とした場合には、燃料へのエアの混入により特に上記オーバーシュートが生じやすい。
ここで、オーバーシュートが生じ燃圧がコモンレール12の耐圧の上限値を超えて上昇しようとすると、プレッシャレギュレータ20が開弁することとなる。これにより、コモンレール12内の燃料が低圧燃料通路18を介して燃料タンク2へと逃されるためにコモンレール12内の燃圧が上記耐圧を超えて上昇することは避けられが、プレッシャレギュレータ20を開弁させることなく、制御により燃圧のオーバーシュートを回避することが望ましい。
また、オーバーシュートを回避すべく、燃料ポンプ6の操作量に予めガードを設けることも考えられる。しかし、これは次の理由により非常に困難なものとなっている。すなわち、燃料噴射弁16を介して高圧燃料通路14から低圧燃料通路18へと流出するリーク燃料量には、燃料噴射弁16の個体差に起因したばらつきがある。また、上記リーク量は、指令噴射量や、燃料性状、燃料の温度等に応じて異なり得る。したがって、こうしたリーク量を補償するために必要な燃料量を圧送することができるようにするためには、これらによって定まる操作量の最大値を上限ガードとしなければならない。しかし、この場合、上記リーク量が最大とならないときには、この上限ガード以下の圧送量としても、コモンレール12内の燃圧がオーバーシュートする可能性がある。このため、上記フィードバック制御における操作量に予め上限ガードを設定しておくことによっては、エア混入に起因したオーバーシュートを回避することが非常に困難である。
そこで本実施形態では、検出される燃圧が目標燃圧よりも低い状態に基づき燃料にエアが混入したと判定し、このとき、目標燃圧に対する検出される燃圧のずれの度合いに応じて、フィードバック制御の積分項を制限する。以下、これについて説明する。
図4に、上記エア混入時のフィードバック制御の処理手順を示す。この処理は、ECU40により、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS10において、エア混入判定前提条件が成立するか否かを判断する。ここでは、今回のサンプリング周期の目標燃圧PFIN(n)と前回のサンプリング周期の目標燃圧PFIN(n−1)との差の絶対値が閾値A未満であるときに、前提条件が成立したと判断する。これは、目標燃圧が変動するときには検出される燃圧の追従に応答遅れがあるため、燃料にエアが混入していないときであっても、目標燃圧に対する検出される燃圧のずれが生じ得ることを考慮して設けられる条件である。
続くステップS12では、検出される燃圧に対する目標燃圧の差圧が予め定められた差圧B以上であるか否かを判断する。ここで、差圧Bは、先の図2に示したフィードバック制御の正常時に、検出される燃圧が目標燃圧近傍で変動する変動量よりも大きい値に設定されている。そして、差圧B以上であると判断されると、ステップS14において、検出される燃圧に対する目標燃圧の今回の差圧Δ(n)を累積値Sに加算する処理を行なう。
続くステップS16では、累積値Sが、予め定められた閾値C以上であるか否かを判断する。ここで、閾値Cは、目標燃圧が定常状態であるときであって且つフィードバック制御の正常時においては累積値Sとして想定できない値に設定されている。
そして、閾値C以上であると判断されると(燃料へのエア混入判定)、ステップS18において、積分項の上限ガード値の制限値を演算する。この演算は、図5に示すように、累積値Sに比例して、累積値Sが大きいほど制限値が大きくなるように設定されている。ちなみに、制限値とは、先の図2に示した積分項ガード部B16によって設定される上限ガード値を低減させるものであり、通常時に用いられる上限ガード値から制限値を減算したものが積分項ガード部B16によって実際に用いられる上限ガード値とされる。このため、制限値が大きいほど、積分項ガード部B16のガード処理に用いられる上限ガード値が低減される。
続くステップS20においては、上記ステップS18によって算出される制限値に基づき、上限ガード値を設定することで、積分項を制限する。
これに対し、ステップS10,S12で否定判断されるときには、ステップS22において累積値Sを初期化する。
なお、上記ステップS16において否定判断されるときや、ステップS20,22の処理が完了するときには、この図4に示す一連の処理を一旦終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)目標燃圧と検出される燃圧との差圧に基づき、燃料へのエアの混入の有無を診断し、異常があると判断されるとき、目標燃圧と検出される燃圧とのずれの度合いが大きいほど積分項の上限ガード値の制限値を大きくする態様にて上限ガード値を制限した。これにより、エア混入時に目標燃圧に対して検出される燃圧がオーバーシュートすることを好適に抑制することができる。しかも、ずれの度合いに応じて積分項の上限ガード値を制限するために、積分項を必要以上に制限することによる制御性の低下を回避することができる。
(2)検出される燃圧が目標燃圧よりも低いことに基づき、エア混入の有無を適切に判断することができる。
(3)検出される燃圧と目標燃圧との差に基づく積分項に応じて燃料ポンプ6の指令吐出量を算出した。これにより、コモンレール12内の目標燃圧と実際の燃圧との定常的な乖離を補償することができ、実際の燃圧の目標燃圧への追従性を向上させることができる。ただし、この場合、圧送される燃料へのエアの混入等により目標燃圧に対して実際の燃圧が低下する状況が継続すると、積分項が非常に大きな値となる。そして、こうした状況下、圧送される燃料へのエアの混入が一旦解消されると、積分項に基づく指令吐出量に応じて燃料ポンプ6が操作されることで、コモンレール12内に燃料が過剰に供給され、燃圧が過度に上昇するおそれがある。この点、本実施形態では、エアが混入したと判定されるときに、積分項の上限ガード値を制限することで、燃圧の追従性を向上させつつも、コモンレール12内の燃圧の過度の上昇を好適に回避することができる。
(4)検出される燃圧に対する目標燃圧の差圧の時間の経過に伴う累積値Sが予め定められた閾値C以上であるときに異常である旨判断することで、燃圧センサ0の検出結果へのノイズの混入や他の要因による誤判定を適切に回避することができる。特に、累積値Sを用いることで、検出される燃圧が目標燃圧よりも下回る程度を定量化できるため、異常をより適切に判断することができる。
(5)累積値Sが大きいほど、積分項の制限の度合いを大きくすることで、積分項が過度に大きくなる程度に応じてこれを制限することができ、ひいては必要以上な制限による制御性の低下を回避することができる。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図6に、本実施形態にかかるエア混入時のフィードバック制御の処理手順を示す。この処理は、ECU40により、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まず先の図4に示したステップS10、S12の処理を行なう。そして、ステップS12において肯定判断されると、ステップS14aにおいて、目標燃圧と検出される燃圧との差圧の累積値の絶対値Saを算出する。ここで、累積値の絶対値Saを算出するのは、エア混入時には基本的には指令吐出量が増大するものの、先の図3に示すように、検出される燃圧が目標燃圧を基準として上下に大きく変動することで指令吐出量が過度に小さな値になる可能性もあるからである。指令吐出量が過度に小さくなると、燃圧がアンダーシュートし、燃料噴射弁16を介して燃料を噴射することができなくなるおそれがあるため、このような事態にも対処すべく、本実施形態では、累積値の絶対値Saを用いる。
続くステップS30においては、(ア)検出される燃圧に対する目標燃圧の差圧の絶対値が予め定められた閾値D以上であるとの条件と、(イ)累積値の絶対値Saが閾値C以上であるとの条件との少なくとも一方が成立しているか否かを判断する。ここで、閾値Dは、検出される燃圧が目標燃圧から大きく離間することに起因して、検出される燃圧が目標燃圧を基準として大きく離間する状態に制御され得るか否かを判断するための値に設定されている。例えば、先の図3に示したようにエア混入により燃圧の挙動が不安定化することで、検出される燃圧が目標燃圧を大きく上回ると、その反動で検出される燃圧が目標燃圧を大きく下回るようにフィードバック制御がなされるおそれがある。そしてこの場合には、コモンレール12内の燃圧が過度に下回ることで燃料噴射を行うことができなくなるおそれがある。閾値Dは、こうした状況を判断するためのものである。
ステップS30において肯定判断されるときには、ステップS32において、制限対象及び制限値を選択する。本実施形態では、制限対象を、先の図2に示した燃圧ガード部B6の上限値及び下限値と、積分項ガード部B16の上限ガード値及び下限ガード値と、加算部B18の出力する指令吐出量とする。
ここで、制限対象の選択は、上記(ア)の条件のみが成立しているときには、燃圧ガード部B6の上限値及び下限値を制限対象とする。これは、例えばエア混入後、検出される燃圧が一時的に目標燃圧を上回ったときには、その後に検出される燃圧が目標燃圧を大きく下回るおそれがあるため、目標燃圧の下限値を制限することで、検出される燃圧が過度に低下することを抑制すること等を目的とする。また、上記(イ)の条件のみが成立しているときには、積分項ガード部B16の上限ガード値及び下限ガード値のみを制限対象とする。この目的は、先の第1の実施形態と同様であるが、本実施形態では、累積値の絶対値Saを用いるために、上限ガード値のみならず下限ガード値をも制限対象とする。すなわち、エア混入に伴い燃圧が不安定化することで検出される燃圧が目標燃圧を大きく上回ると、積分項が過度に小さくなって燃圧のアンダーシュートを招くおそれがあるために、下限ガード値をも制限する。更に、上記(ア)の条件及び上記(イ)の条件の双方が成立するときには、燃圧ガード部B6の上限値及び下限値と、積分項ガード部B16の上限ガード値及び下限ガード値とに加えて、加算部B18の出力する指令吐出量をも制限することが有り得る。ここで、指令吐出量の制限は、燃圧ガード部B6の上限値及び下限値と、積分項ガード部B16の上限ガード値及び下限ガード値との制限のみでは制限が不足すると考えられるときにこれらを補うために行われるものである。
また、上記制限値の選択は、例えば図7(a)〜図7(c)に例示するように、検出される燃圧に対する燃圧の差圧の絶対値や累積値の絶対値Saと制限値との関係を示す複数のマップのいずれかを選択する処理である。図7では、上記各絶対値に比例して制限値が大きくなるマップ(図7(a))に加えて、上記各絶対値が大きくなるほど制限値の増加速度が上昇するマップ(図7(b))と、上記各絶対値が大きくなるほど制限値の増加速度が低下するマップ(図7(c))とを例示した。ここで、上記各絶対値が大きくなるほど制限値の増加速度が上昇するマップを用いるなら、検出される燃圧と目標燃圧との間にずれが生じたとき、そのずれの度合いが小さいときには極力通常の制御を尊重することができる。また、上記各絶対値が大きくなるほど制限値の増加速度が低下するマップを用いるなら、検出される燃圧と目標燃圧との間にずれが生じたとき、早期にオーバーシュート対策やアンダーシュート対策をすることができる。
先の図6のステップS32の処理が完了すると、適宜ステップS34〜S38の処理を行なう。ここで、ステップS34では、燃圧ガード部B6の上限値及び下限値の制限値を選択されたマップを用いて算出する。そして、この制限値に基づき、ステップS40において、燃圧ガード部B6によって実際にガード処理に用いられる上限値及び下限値を算出する。すなわち、正常時に用いられる上限値から制限値を減算したものや、正常時に用いられる下限値に制限値を加算したものを、実際にガード処理に用いられる上限値及び下限値とする。
また、ステップS36では、積分項ガード部B16の上限ガード値及び下限ガード値を選択されたマップを用いて算出する。そして、この制限値に基づき、ステップS40において、積分項ガード部B16によって実際にガード処理に用いられる上限ガード値及び下限ガード値を算出する。すなわち、正常時に用いられる上限ガード値から制限値を減算したものや、正常時に用いられる下限ガード値に制限値を加算したものを、実際にガード処理に用いられる上限ガード値及び下限ガード値とする。
更に、ステップS38では、加算部B18の出力する指令吐出量の制限値を、選択されたマップを用いて算出する。そして、この制限値に基づき、ステップS40において、指令吐出量をガード処理する。すなわち、燃料ポンプ6の吐出能力によって定まる吐出量の最大値を制限値で減算したものを指令吐出量の上限値とし、この上限値と加算部B18の出力する指令吐出量との大小に基づき、最終的な指令吐出量を算出する。
一方、上記ステップS10、S12において否定判断されるときには、ステップS42に移行し、累積値の絶対値Saを初期化する。
なお、上記ステップS30において否定判断されるときや、ステップS40、S42の処理が完了するときには、この一連の処理を一旦終了する。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)〜(5)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(6)目標燃圧と検出される燃圧とのずれの度合いが大きいほど、燃圧ガード部B6の上限値及び下限値の制限の度合いを大きくする態様にてこれらを制限することで、燃圧が過度に低下して燃料噴射が行えなくなる事態や、燃圧が過度に大きくなる事態が生じることを好適に抑制することができる。
(7)検出される燃圧に対する目標燃圧の差圧の絶対値が予め定められた閾値D以上であるとの条件と、累積値の絶対値Saが閾値C以上であるとの条件との成立の有無に応じて制限対象を選択することで、燃料ポンプ6の操作量の制限をより適切に行うことができる。
(8)目標燃圧と検出される燃圧との差の絶対値や累積値の絶対値と制限値との関係を定める複数のマップを用意することで、燃料ポンプ6の操作量の制限をいっそう適切に行うことができる。
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態について、先の第2の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図8に、本実施形態にかかるエア混入時のフィードバック制御の処理手順を示す。この処理は、ECU40により、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まず先の図4のステップS10,S12の処理を行なう。そして、ステップS12において肯定判断されると、ステップS50において、検出される燃圧と目標燃圧との差圧の絶対値が差圧B以上となる時間をカウントするカウンタをインクリメントする。そして、ステップS52では、カウンタの値が、閾値E以上であるか否かを判断する。この閾値Eは、フィードバック制御が正常になされているときには、検出される燃圧と目標燃圧との差圧の絶対値が差圧B以上となる時間として想定できない時間に設定されている。このため、閾値E以上となることをもって、燃料にエアが混入したと判断することができる。
ステップS52において閾値E以上であると判断されるときには、ステップS54に移行する。ステップS54においては、制限対象を選択する。ここでは、カウンタ値が小さいときには、燃圧ガード部B6の上限値及び下限値を制限し、カウンタ値が所定以上となることで、積分項ガード部B16の上限ガード値及び下限ガード値を制限する等、適宜制限対象を選択する。なお、この際、カウンタ値に加えて、検出される燃圧と目標燃圧との差圧に応じて制限対象を選択してもよい。
こうして制限対象が選択されると、適宜ステップS56〜S60の処理を行なう。これらの処理は、先の図6に示したステップS34〜S38の処理と対応しているが、制限値は、カウンタ値に応じて算出される。ただし、この際、カウンタ値に加えて、検出される燃圧と目標燃圧との差圧に応じて制限値を算出してもよい。これは、カウンタ値及び差圧と制限値との関係を定めるマップを用いて行ってもよく、また、カウンタ値と制限値との関係を定めるマップによって算出される制限値を差圧に応じて補正することで行ってもよい。
こうしてステップS56〜S60の処理が完了すると、先の図6に示したステップS40の処理を行う。
なお、上記ステップS10、S12の処理において否定判断されるときには、ステップS62において、カウンタ値を初期化する。また、ステップS40、S62の処理が完了するときには、この一連の処理を一旦終了する。
以上説明した本実施形態によっても、先の第1の実施形態の上記(1)〜(5)の効果に準じた効果や、先の第2の実施形態の上記(6)、(7)の効果に準じた効果を得ることができる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・燃圧のオーバーシュートを回避する目的での燃料ポンプ6の操作量の制限は、プレッシャレギュレータ20の開弁を回避する目的に限らない。例えば、燃料ポンプ6の耐圧は、通常、回転速度に応じて変化する。詳しくは、低回転領域では、耐圧が低下する。このため、コモンレール12内の燃圧がその耐圧の上限値近傍の圧力でなくても、回転速度が低い領域において通常以上の燃圧となると燃料ポンプ6の劣化が促進されることが懸念される。このため、エア混入により燃圧が目標燃圧に対してオーバーシュートすることは、それがコモンレール12の耐圧の上限値近傍でないときであれ、燃料ポンプ6の劣化を抑制するために回避されることが望ましい。
更に、プレッシャレギュレータ20を備えないものであっても、コモンレール12内の燃圧のオーバーシュートを回避することは、オーバーシュートによる燃焼音の増大やドライバビリティの悪化を抑制するうえで有効である。
・上記各実施形態では、燃料へのエアの混入に対処すべく燃料ポンプ6の操作量を制限したが、これに限らない。例えば燃料ポンプ6のプランジャが一時的に固着して圧送不能となると、燃圧が低下するため、燃圧を上昇させるべく指令吐出量が増大される。しかし、この時点でプランジャの動作が正常に復帰すると、積分項が過大となっていること等により燃圧がオーバーシュートするおそれがある。また、例えば燃料噴射弁16のノズルニードルが一時的に固着して開弁不能となると、圧送過剰となり一時的に燃圧が上昇するため、燃圧を低下させるように吐出量が減少操作される。しかし、この時点で燃料噴射弁16が正常状態に復帰すると、積分項が過小となっていること等により燃圧がアンダーシュートするおそれがある。上記第1〜第3の実施形態で例示した処理によれば、こうした状況を回避する効果をも有する。
・コモンレール12内の燃圧のフィードバック制御としては、PID制御に限らない。ただし、燃圧の検出値と目標燃圧との差の積算値に応じて、燃料ポンプ6の操作量を定めるものであるなら、断続的にエアが混入するに際して操作量が過大となりやすいため、本発明の適用が特に有効である。
・燃料ポンプ6としては、Dutyによってその開弁量が連続的に調整されることで吐出量が調整されるものに限らない。例えば開弁及び閉弁の2値的な操作によって、吐出量が調整されるものであってもよい。
・内燃機関としては、ディーゼル機関に限らず、例えば筒内噴射式ガソリン機関であってもよい。
第1の実施形態にかかるエンジンシステムの全体構成を示す図。 同実施形態にかかる燃圧のフィードバック制御処理の機能ブロック図。 エア混入時の燃圧の挙動を示すタイムチャート。 同実施形態におけるフィードバック制御の処理手順を示すフローチャート。 同実施形態の制限値の算出態様を示す図。 第2の実施形態におけるフィードバック制御の処理手順を示すフローチャート。 同実施形態の制限値の算出態様を示す図。 第3の実施形態におけるフィードバック制御の処理手順を示すフローチャート。
符号の説明
2…燃料タンク、6…燃料ポンプ、12…コモンレール、16…燃料噴射弁、40…ECU(燃料噴射制御装置の一実施形態)。

Claims (9)

  1. 燃料を高圧状態で蓄える蓄圧室と、該蓄圧室に燃料を圧送する燃料ポンプと、前記蓄圧室内の燃圧を検出する検出手段と、前記蓄圧室に蓄えられた燃料を噴射する燃料噴射弁とを備える車載内燃機関の燃料噴射装置について、前記燃料ポンプを操作することで前記検出される燃圧を目標燃圧にフィードバック制御する制御手段を備える燃料噴射制御装置において、
    前記制御手段は、積分項を有するものであり、
    前記目標燃圧の変動量が閾値未満であるにもかかわらず前記目標燃圧前記検出される燃圧との間に予め定められた値以上のずれがあるとき、前記フィードバック制御異常があると判断する診断手段と、
    該異常があると判断されるとき、前記目標燃圧に対する前記検出される燃圧のずれの度合いが大きいほど前記積分項の取り得る範囲をより狭くする処理、前記ずれの度合いが大きいほど前記目標燃圧の取り得る範囲をより狭くする処理、及び前記ずれの度合いが大きいほど前記燃料ポンプに対する指令吐出量の上限値の低減度合いをより大きくする処理の少なくとも1つを行う制限手段とを備えることを特徴とする燃料噴射制御装置。
  2. 前記診断手段は、前記検出される燃圧が前記目標燃圧よりも低いときに、前記フィードバック制御の異常判断することを特徴とする請求項1記載の燃料噴射制御装置。
  3. 前記診断手段は、前記検出される燃圧と前記目標燃圧との差圧の時間の経過に伴う累積値を算出する算出手段を備え、前記ずれとしての前記累積値の絶対値が予め定められた値以上であるときに異常である旨判断することを特徴とする請求項1又は2記載の燃料噴射制御装置。
  4. 前記制限手段は、前記ずれの度合いとしての前記累積値の絶対値が大きいほど、前記積分項の取り得る範囲をより狭くすることを特徴とする請求項3記載の燃料噴射制御装置。
  5. 前記制御手段は、前記内燃機関の運転状態に応じて前記目標燃圧の基本値を算出する基本値算出手段と、前記目標燃圧の上限値及び下限値の少なくとも一方を算出するガード算出手段と、前記基本値に基づき、該ガード算出手段によって算出される限界値を超えることがないように前記目標燃圧を設定する設定手段とを備え、
    前記制限手段は、前記ずれの度合いが大きいほど、前記設定手段によって設定可能な目標燃圧の範囲が狭くなるように前記ガード算出手段によって算出される値を制限することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の燃料噴射制御装置。
  6. 前記制限手段は、前記ずれの度合いとしての前記検出される燃圧と前記目標燃圧との差圧の絶対値が大きいほど前記設定手段によって設定可能とされる目標燃圧の範囲が狭くなるように前記ガード算出手段によって算出される値を制限することを特徴とする請求項5記載の燃料噴射制御装置。
  7. 前記制限手段は、前記累積値の絶対値又は前記差圧の絶対値に比例して前記積分項及び前記目標燃圧の少なくとも一方の取り得る範囲の縮小量を大きくすることを特徴とする請求項4又は6記載の燃料噴射制御装置。
  8. 前記制限手段は、前記累積値の絶対値又は前記差圧の絶対値が大きいほど前記積分項及び前記目標燃圧の少なくとも一方の取り得る範囲の縮小量の増加速度を徐々に小さくすることを特徴とする請求項4又は6記載の燃料噴射制御装置。
  9. 前記制限手段は、前記累積値の絶対値又は前記差圧の絶対値が大きいほど前記積分項及び前記目標燃圧の少なくとも一方の取り得る範囲の縮小量の増加速度を徐々に大きくすることを特徴とする請求項4又は6記載の燃料噴射制御装置。
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