JP4506651B2 - 燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、高圧状態で燃料を蓄えるとともに該燃料を燃料噴射弁に供給する蓄圧室と、該蓄圧室に燃料を加圧供給する燃料ポンプと、前記蓄圧室内の燃圧を検出する検出手段とを備える内燃機関の燃料噴射装置に適用され、検出される燃圧を目標燃圧にフィードバック制御する燃料噴射制御装置に関する。
この種の燃料噴射装置としては、ディーゼル機関の各気筒の燃料噴射弁に高圧の燃料を供給する共通の蓄圧室(コモンレール)を備えるものが周知である。このコモンレール式のディーゼル機関によれば、機関運転状態に応じて、コモンレール内の燃圧の目標値(目標燃圧)を自由に設定することができ、ひいては燃料噴射弁に供給される燃圧を自由に制御することができる。
一方、上記燃料噴射制御装置は、コモンレール内の燃圧を目標燃圧に追従させるべく、通常、燃圧センサによって検出されるコモンレール内の燃圧と目標燃圧との差に基づくフィードバック制御を行っている。例えば、検出される燃圧及び目標燃圧に基づく比例項、積分項等を算出することで、燃料ポンプに対する吐出量の指令値(指令吐出量)を算出し、この指令吐出量を、燃料ポンプの駆動電流値に換算して、この駆動電流値によって燃料ポンプを操作する。これにより、検出される燃圧を目標燃圧に追従させるために要求される燃料量が燃料ポンプから吐出されることとなる。
更に、燃料噴射制御装置では、燃料ポンプの吐出特性のばらつきを補償する学習値を学習することも行なっている。すなわち、燃料ポンプの吐出特性にばらつきがある場合、上記換算される駆動電流値を用いたとしても、実際の吐出量が指令吐出量からずれるおそれがある。このため、この吐出量のばらつきを補償する学習値を学習するとともに、指令吐出量を駆動電流値に換算した後、これに学習値を加算することで、最終的な駆動電流値を算出する。そして、この最終的な駆動電流値を用いることで、実際の吐出量を指令吐出量とすることができる。
ところで、近年、燃圧センサの異常診断の要求が高まりつつある。そこで、例えば下記特許文献1に見られるように、上記態様での燃料ポンプの操作にもかかわらず検出される燃圧が目標燃圧に追従しないことに基づき燃圧センサに異常があると判断することも提案されている。これによれば、燃圧センサの検出値が一定値で固定される異常が生じるときに、燃圧センサに異常があると判断することができる。
ただし、燃料ポンプの操作にもかかわらず検出される燃圧が目標燃圧に追従しない上述した現象は、燃圧センサが正常であったとしても、学習値が誤学習されることなどによって上記フィードバック制御の制御系統に異常が生じる場合には起こり得る。このため、検出される燃圧と目標燃圧との間に乖離があるときに燃圧センサに異常があると判断したのでは、上記制御系統に異常があるために乖離が生じているにもかかわらず、燃圧センサに異常があると誤判断するおそれがある。
特開2005−155561号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、フィードバック制御の制御系統に異常がある場合であれ、燃圧センサに異常があるとの誤判断を好適に回避することのできる燃料噴射制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、前記診断手段は、前記検出される燃圧と前記目標燃圧との乖離が生じることに基づき、前記操作手段によって設定される前記燃料ポンプの操作量を強制的に変更する変更手段と、該変更後に前乖離が解消したか否かに基づき前記異常の有無を診断する手段とを備えることを特徴とする。
上記構成では、検出される燃圧と目標燃圧との乖離に基づき、燃料ポンプの操作量が強制的に変更される。このため、フィードバック制御系統の異常により検出される燃圧と目標燃圧との乖離が生じている場合には、この強制的な変更により、検出される燃圧の目標燃圧への追従性を改善させることができる。一方、検出手段の異常により検出される燃圧と目標燃圧との乖離が生じている場合には、この強制的な変更によっても、上記追従性は改善しないと考えられる。このため、強制的な変更後の追従性の改善の有無に基づき、検出手段に異常があるとの誤判断を回避することができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記燃料ポンプの吐出特性のばらつきを補償する学習値を学習する手段を更に備え、前記操作手段は、前記学習値を用いつつ前記検出される燃圧を前記目標燃圧にフィードバック制御するための前記燃料ポンプの操作量を算出し、該算出される操作量により前記燃料ポンプを操作するものであることを特徴とすることを特徴とする。
上記構成では、学習手段による学習値を用いて最終的な操作量が決定されるために、学習値が誤学習されると、燃料ポンプの吐出量がフィードバック制御にとって適切なものとならず、検出される燃圧と目標燃圧との間に乖離が生じるおそれがある。この点、上記診断手段によれば、学習値が誤学習される場合であれ、検出手段に異常があるとの誤判断を回避することができる。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記学習手段は、前記検出される燃圧と前記目標燃圧との差が予め定められた範囲内となる所定の条件下、前記フィードバック制御に際しての前記操作量のガード値を強制的に拡大して前記制御手段により前記フィードバック制御を行わせるとともに、前記拡大されたガード値の下での前記操作量に基づき前記学習を行なうものであり、前記変更手段は、前記検出される燃圧と前記目標燃圧との乖離に基づき、前記学習手段に前記学習を強制的に行なわせることを特徴とする。
上記構成において、検出される燃圧と目標燃圧との間に乖離が生じている場合には、所定の条件が成立しないために学習手段による学習が行なわれない。このため、学習値の誤学習がなされたために制御手段による操作量の設定に異常が生じた場合には、検出される燃圧と目標燃圧との間に乖離が生じても、学習値の更新がなされない。この点、上記構成では、検出される燃圧と目標燃圧との乖離に基づき、強制的に学習が行なわれるために、誤学習に起因して検出手段に異常がある旨の誤判断をすることを回避することができる。しかも、誤学習が行なわれた場合であっても、学習値を適切に更新することもできる。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記学習手段は、前記診断手段により前記異常があると判断されるときには、前記制御手段によって用いられる学習値を初期化することを特徴とする。
上記構成において、検出手段に異常があるときには、変更手段によって強制的に学習された学習値は、噴射特性のばらつきを補償する値として適切なものではなくなるおそれがある。この点、上記構成では、診断手段によって異常があると判断されるときには、学習値を初期化することで、変更手段によって強制的に誤学習させられた学習値を用いることを回避することができる。
請求項5記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記変更手段は、前記検出される燃圧と前記目標燃圧との乖離に基づき、前記制御手段による前記燃料ポンプの操作量のガード値を拡大することを特徴とする。
検出される燃圧と目標燃圧との間に乖離が生じている場合には、フィードバック制御の制御系統に異常がある場合がある。この異常は、検出される燃圧と目標燃圧とに基づくフィードバック制御によって要求される操作量に対してガードが設けられることで、燃料ポンプの実際の操作量が要求される操作量からずれたものとなることに起因すると考えられる。この点、上記構成では、検出される燃圧と目標燃圧との間に乖離が生じているときには、ガード値を拡大することで、燃料ポンプの実際の操作量をフィードバック制御によって要求される値に好適に近づけることができる。
請求項6記載の発明は、請求項3〜5のいずれかに記載の発明において、前記制御手段は、積分制御を行うものであって且つ、前記拡大対象となるガード値が積分項のガード値であることを特徴とする。
上記構成において、積分項は、特に蓄圧室からの燃料の流出量が定常となる状態等において、検出される燃圧の目標燃圧への追従性を向上させる上で有効である。しかし、その反面、積分項が過大となると、燃圧のオーバーシュートを生じるおそれがあるため、通常、積分項にはガード値が設けられている。ただし、フィードバック制御系統に異常がある場合には、逆にこのガード値によって積分項の増大が妨げられるために、検出される燃圧の目標燃圧への追従性を改善することができなくなる。この点、上記構成では、検出される燃圧と目標燃圧との乖離に基づき、積分項のガード値を拡大することで、フィードバック制御系統に異常がある場合には、上記追従性を改善することができ、ひいては、検出手段に異常があるとの誤判断を回避することができる。
請求項7記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記制御手段は、比例制御を用いて前記フィードバック制御を行うものであり、前記変更手段は、前記検出される燃圧と前記目標燃圧との乖離に基づき、前記比例制御のゲインを強制的に増加させることを特徴とする。
上記構成において、比例制御のゲインは、通常、目標燃圧に対する検出される燃圧の応答性の向上とハンチングの抑制との両立を図るうえで適切な値に設定されている。しかし、フィードバック制御系統に異常が生じることにより目標燃圧と検出される燃圧との乖離が生じているときには、検出される燃圧を目標燃圧に追従させるうえで上記態様にて設定されたゲインが適切な値とならないことがある。この点、上記構成では、ゲインの拡大により、検出される燃圧の目標燃圧への追従性を改善することが可能となる。すなわち、目標燃圧と検出される燃圧との差圧に比例ゲインを乗算することで比例項が定まるため、ゲインの拡大により比例項を増大させることができ、ひいては、乖離を解消する側に燃圧を制御することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる燃料噴射制御装置をディーゼル機関の燃料噴射制御装置に適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態にかかるエンジンシステムの全体構成を示す。
図示されるように、燃料タンク2内の燃料は、燃料フィルタ4を介して燃料ポンプ6によって汲み上げられる。この燃料ポンプ6は、ディーゼル機関の出力軸であるクランク軸8から動力を付与されて燃料を吐出するものである。詳しくは、燃料ポンプ6は、ノーマリーオープンタイプの吸入調量弁10を備えており、この吸入調量弁10が操作されることで、外部に吐出される燃料量が決定される。また、燃料ポンプ6は、いくつかのプランジャを備えており、これらプランジャが上死点及び下死点間を往復運動することで、燃料が吸入及び吐出される。
燃料ポンプ6からの燃料は、コモンレール12に加圧供給(圧送)される。コモンレール12は、燃料ポンプ6から圧送された燃料を高圧状態で蓄え、これを高圧燃料通路14を介して各気筒(ここでは、4気筒を例示)の燃料噴射弁16に供給する。なお、燃料噴射弁16は、低圧燃料通路18を介して燃料タンク2と接続されている。
上記エンジンシステムは、コモンレール12内の燃圧を検出する燃圧センサ20や、クランク軸8の回転角度を検出するクランク角センサ22等、ディーゼル機関の運転状態を検出する各種センサを備えている。更に、エンジンシステムは、ユーザによる加速要求に応じて操作されるアクセルペダルの操作量を検出するアクセルセンサ24を備えている。
一方、電子制御装置(ECU30)は、マイクロコンピュータを主体として構成され、上記各種センサの検出結果を取り込み、これに基づきディーゼル機関の出力を制御するものである。例えば、ECU30は、ディーゼル機関の出力制御を適切に行なうべく、燃料噴射制御を行う。そして、この燃料噴射制御に際しては、コモンレール12内の燃圧を、ディーゼル機関の運転状態に応じて設定される燃圧の目標値(目標燃圧)にフィードバック制御する。ここで、ECU30の行なう燃圧制御に関連する処理について詳述する。
図2は、上記燃料噴射制御に関連する処理を示す機能ブロック図である。
図示されるように、差圧検出部B2では、燃圧センサ20によって検出される燃圧NPCと目標燃圧PFINとから、これらの差圧ΔPを算出する。そして、算出される差圧ΔPは、比例項算出部B4、微分項算出部B6及び積分項算出部B8にそれぞれ取り込まれる。ここで、比例項算出部B4では、差圧ΔPに比例ゲインKPを乗算することで比例項を算出する。この比例ゲインKPは、燃圧NPCに応じて可変設定される。また、微分項算出部B6は、差圧ΔPの時間微分値に微分ゲインKDを乗算することで微分項を算出する。更に、積分項算出部B8は、差圧ΔPの時間積分値に積分ゲインKIの逆数を乗算することで積分項を算出する。なお、この積分項は、ガード部B10による上限ガード値及び下限ガード値によって、正負双方の値についてのそれぞれの絶対値が予め定められた各値よりも大きくなることが阻止される。このガード値は、燃圧のオーバーシュートを抑制する目的等により設定されるものである。
上記比例項、微分項、及び上記ガード部B10によってガード処理の施された積分項は、加算部B12によって加算され、吐出量換算部B14に出力される。吐出量換算部B14では、加算値を、燃料ポンプ6から吐出する燃料量の指令値(指令吐出量)に換算する。
駆動電流値換算部B16は、上記指令吐出量を、同指令吐出量の燃料を燃料ポンプ6から吐出するために要求される燃料ポンプ6の駆動電流値(より正確には、吸入調量弁10の駆動電流値)に換算する。ここでは、指令吐出量についての「n」次(n≧1)の多項式を用いて、駆動電流値に換算する。なお、この多項式は、燃料ポンプ6が基準となる特性を有するとの前提のもとに、指令吐出量の燃料を実際に吐出することのできる駆動電流値に換算するものである。ここで、基準となる特性は、燃料ポンプ6を量産したときの燃料ポンプ6の平均的な吐出特性であるいわゆる中央特性とすることが望ましい。
学習値記憶部B18は、燃料ポンプ6の吐出特性のばらつきを補償する学習値を記憶保持する。この学習値記憶部B18は、例えばECU30内のマイクロコンピュータに対する給電の有無にかかわらず電力が供給されるメモリ(バックアップRAM等)や、給電の有無にかかわらずデータを保持する不揮発性メモリ(EEPROM等)など、上記ECU30の主電源のオン・オフにかかわらずデータを保持するタイプの記憶装置である常時記憶保持装置を備えて構成されている。
加算部B20は、駆動電流値換算部B16の出力する駆動電流値と、学習値記憶部B18の記憶保持する学習値とを加算して燃料ポンプ6に対する最終的な駆動電流値を算出する部分である。これにより、図3に示すように、指令吐出量の燃料を吐出させるために適切な駆動電流値を算出することができる。
すなわち、実際の燃料ポンプ6は、吐出特性のばらつきに起因して、図3に一点鎖線にて例示するように、同図3に実線で示す基準となる特性に対してずれたものとなることがある。このため、燃料量Qaに対して駆動電流値換算部B16が駆動電流値Isを算出したとしても、これによる実際の吐出量は、燃料量Qrとなり、燃料量Qaからずれてしまう。これに対し、指令吐出量の燃料を吐出させるべく、吐出特性のばらつきを補償する学習値ΔIが加算された最終的な駆動電流値Irを用いることで、指令吐出量の燃料を吐出することが可能となる。
上記学習値は、先の図2に示す学習処理部B22によって学習される。図4に、学習処理部B22による学習にかかる処理を示す。この処理は、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS10において、アイドル運転状態であるか否かを判断する。すなわち、クランク軸8の回転速度が目標値(目標回転速度)にフィードバック制御されるアイドル時であるか否かを判断する。詳しくは、この際、車速がゼロであることや、エアーコンディショナ等の補機類が作動していないこと等、クランク軸8に負荷が加わっていないことを条件に加えることが望ましい。
続くステップS12では、目標燃圧と検出される燃圧との差圧の絶対値が所定値α以下の状態が所定期間継続しているか否かを判断する。これは、検出される燃圧が目標燃圧に追従した状態で安定しているか否かを判断するものである。そして、継続していると判断されるときには、積分項の上述した2つのガード値を拡大し、一定時間に渡って、検出される燃圧を目標燃圧にフィードバック制御する(ステップS14〜S18)。
上記一定時間に渡るフィードバック制御を行なった後、ステップS20においては、実際の駆動電流値と基準値との差に基づき、学習値を学習する。ここで、上記アイドル運転状態では、コモンレール12から流出する燃料量は定常的なものとなっていると考えられる。この流出する燃料量は、各気筒における燃料噴射量と、燃料噴射弁16を介して高圧燃料通路14から低圧燃料通路18へと流出するリーク燃料量とからなる。そして、検出される燃圧が目標燃圧に追従しているときには、燃料ポンプ6の吐出量は、コモンレール12から流出する燃料量と一致している。こうしてコモンレール12内の燃料の流出及び流入が定常的な釣り合い状態となっているときには、指令吐出量は、積分項によって算出されるものとなり、安定した値となる。そして、この状態において基準となる吐出特性を有する燃料ポンプ6に要求される駆動電流値である基準値と実際に算出される駆動電流値とが異なる場合には、これらの差は吐出特性のばらつきに起因した値となる。このため、この差を学習値として学習することができる。
こうして学習値が学習されると、ステップS22において、上記学習値記憶部B18に学習値を記憶する。続くステップS24においては、積分項のガード値の拡大を解除する。
なお、上記ステップS10やステップS12で否定判断されるときや、ステップS24の処理が完了するときには、この一連の処理を一旦終了する。
一方、先の図2に示すセンサ診断部B24は、燃圧センサ20の異常の有無を診断する。特に、センサ診断部B24では、燃圧センサ20の値がその上限値及び下限値の間の値で保持される異常である中間保持電圧異常の有無を診断する機能を有する。図5に、実線にて燃圧センサ20の出力特性を示す。図示されるように、実際の燃圧が高いほど燃圧センサ20の出力電圧も高くなっている。これに対し、図中、一点鎖線にて例示するように、中間電圧保持異常である場合には、実際の燃圧にかかわらず、燃圧センサ20の出力電圧が一定値となる。
この中間電圧保持異常がある旨は、基本的には、検出される燃圧と目標燃圧との乖離が継続することに基づき判断することができる。ただし、上記学習値を誤学習することで燃料ポンプ6の駆動電流値の設定に異常が生じている場合には、燃圧センサ20に異常がないにもかかわらず、中間電圧保持異常である旨の誤判断をするおそれがある。
図6(a)に、燃料ポンプ6にエアが混入することで学習値が誤学習された場合を例示する。図6(a)において、実線は、燃料ポンプ6の基準となる吐出特性を示し、一点鎖線は、実際の燃料ポンプ6の吐出特性を示す。この場合、学習値を微小な正の値とすることで、実際の燃料ポンプ6の吐出特性と基準となる吐出特性とのずれを補償することができる。ただし、先の図4に示した学習にかかる処理が行なわれるときに燃料ポンプ6にエアが混入する場合等には、図中2点鎖線にて例示するように、駆動電流値の割には実際の吐出量が少なくなる。このため、誤って負の値を有する学習値ΔIwを学習(誤学習)するおそれがある。
この場合、例えばアイドル時にコモンレール12から流出する燃料量が燃料量Qaであるとすると、上記PID制御によって指令吐出量は、燃料量Qaと算出される。ただし、この際、燃料ポンプ6の最終的な駆動電流値は、基準となる吐出特性において要求される駆動電流値Isから学習値ΔIwを減算した駆動電流値Irとなる。このため、燃料ポンプ6の実際の吐出量は、上記燃料量Qaを大きく上回ることとなる。
実際の吐出量が燃料量Qaを上回ると、検出される燃圧が目標燃圧を上回るため、フィードバック制御により指令吐出量が低減される。図6(b)に、低減された指令吐出量の下限値Qfを示す。この下限値は、主として比例項と積分項によって定まると考えられる。ここで、比例項は、検出される燃圧と目標燃圧との差圧に比例ゲインKPを乗算した値であるため、その値は、差圧に応じて定まることとなる。また、積分項には、上記ガードがかけられる。このため、指令吐出量は、検出される燃圧と目標燃圧との差圧によって定まる比例項と、積分項のガード値によって定まることとなる。そして、指令吐出量に上限や下限があるために、フィードバック制御によって定まる駆動電流値によっては検出される燃圧と目標燃圧との乖離を解消できない現象が生じ得る。図6(b)では、指令吐出量が下限値Qfとなっても検出される燃圧と目標燃圧との乖離が解消されず、定常的なずれを生じている場合を示している。上述したように、アイドル時には、指令吐出量が燃料量Qaとなるときに、コモンレール12から流出する燃料量と指令吐出量とが等しくなるが、これは、燃圧が目標燃圧に追従していることを前提としている。一方、燃料噴射弁16を介してコモンレール12から低圧燃料通路18側へリークする燃料量は、燃圧が高いほど大きくなる。このため、図示されるように、指令吐出量が燃料量Qaよりも大きな量Qrであるときに、コモンレール12から流出する燃料量とコモンレール12へ流入する燃料量とが釣り合い、ひいては、検出される燃圧と目標燃圧との差が一定となる定常状態となる。
このように、検出される燃圧が目標燃圧から乖離した状態で定常状態となると、これを中間電圧保持異常と誤判断するおそれがある。
そこで本実施形態では、検出される燃圧と目標燃圧との間に乖離が生じるとき、フィードバック制御の態様を強制的に変更し、変更後における乖離の有無に基づき燃圧センサ20の異常の有無を診断する。以下、これについて説明する。
図7に、上記異常の有無の診断にかかる処理の手順を示す。この処理は、ECU30により、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、ステップS30において、ディーゼル機関がアイドル運転状態にあるか否かを判断する。そして、ステップS30において、アイドル運転状態であると判断されると、ステップS32において、中間電圧保持異常の仮診断を開始する。ここでは例えば、検出される燃圧と目標燃圧との差圧の絶対値が予め定められた値以上であるときに異常と判断すればよい。より具体的には、例えば、燃圧センサ20の検出値の最大値と最小値との差が所定期間に渡って所定値以下であって且つ、これら最大値と最小値との中間値が目標燃圧から所定以上離間しているときに異常と判断すればよい。そして、上記ステップS32の仮診断によって異常があると判断されるときには(ステップS34:YES)、ステップS36において、強制学習モードに入る。
この強制学習モードとは、検出される燃圧と目標燃圧との乖離の有無にかかわらず、先の図4に示したステップS14以降の処理を強制的に行なうモードである。そして、ステプS14以降の処理を行なうことで強制的な学習が完了すると(ステップS38:YES)、中間電圧保持異常の最終的な診断を開始する。この診断は、上記ステップS22における診断と同様にして行なわれる。
そして、この診断により異常がある旨判断されると(ステップS42:YES)、ステップS44において燃圧センサ20に異常がある旨の最終的な判断を行なう(異常判断確定)。一方、ステップS34やステップS42において異常がないと判断されるときには、ステップS46において、正常であると判断する。
なお、上記ステップS30において否定判断されるときや、ステップS44、S46の処理が完了するときには、この一連の処理を一旦終了する。
ここで、上記一連の処理による燃圧センサ20の異常の有無の診断の態様について、図8及び図9に基づき更に説明する。
図8に、燃圧センサ20が正常であるが学習値の誤学習がなされている場合を示す。詳しくは、図8(a)は、燃圧の推移を示し、図8(b)は、吐出量の推移を示し、図8(c)は、学習値の推移を示し、図8(d)は、診断の推移を示す。
図示されるように、時刻t1以前においては、図8(a)に実線にて示す検出される燃圧が、図8(a)に一点鎖線にて示す目標燃圧を上回っている。これは、図8(b)に一点鎖線にて示す指令吐出量に対して、図8(b)に実線にて示す実際の吐出量が大きく上回っているからである。この場合、先の図7のステップS32の仮の診断処理によって異常であると判断され(時刻t1)、強制的な学習モードに入るために、検出される燃圧を目標燃圧に追従させるべく、積分項が通常の下限ガード値を下回って低下し、指令吐出量が低下していく。これにより、実際の吐出量は、検出される燃圧を目標燃圧に追従させるために適切な値となる。そして、先の図4のステップS18において一定時間が経過したと判断されると(図中、時刻t2)、学習値が更新される。そして、その後、先の図7のステップS40により最終的な診断が行なわれ、時刻t3において燃圧センサ20に異常がないと判断される。
図9に、燃圧センサ20が中間電圧保持異常を有する場合を示す。詳しくは、図9(a)は、燃圧の推移を示し、図9(b)は、吐出量の推移を示し、図9(c)は、学習値の推移を示し、図9(d)は、診断の推移を示す。
図示されるように、時刻t11以前においては、図9(a)に実線にて示す検出される燃圧が、図9(a)に一点鎖線にて示す目標燃圧を上回っている。これは、燃圧センサ20の出力が、図9(a)に2点鎖線にて示すコモンレール12内の実際の燃圧にかかわらず、一定値となっているためである。この場合、先の図7のステップS32の仮の診断処理によって異常であると判断されると(時刻t11)、強制学習モードに入るため、図9(b)に一点鎖線にて示す指令吐出量と実線にて示す吐出量との双方が低下していく。なお、図9(b)の実線は、燃料ポンプ6からの実際の吐出量ではなく、先の図2の加算部B20で算出される駆動電流値の吐出量相当値である。このように指令吐出量が低下するとはいえ、検出される燃圧は変化しない。そして、先の図7のステップS38により強制学習が終了したと判断される時点(図中、時刻t12)において、学習値が誤学習され、積分項のガード値が通常時のものに戻される。このため、検出される燃圧と目標燃圧との乖離は解消せず、時刻t13において燃圧センサ20に異常がある旨の最終的な判断がなされる。
なお、燃圧センサ20の異常が確定すると、強制学習モードにおいて学習された学習値は燃料ポンプ6の吐出特性のばらつきを補償するものとして適切な値ではないと考えられるため、図9(c)に示されるように、学習値の初期化がなされる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)検出される燃圧と目標燃圧との乖離に基づき、学習を強制的に行なわせることで、誤学習に起因して燃圧センサ20に異常がある旨の誤判断をすることを回避することができる。しかも、誤学習が行なわれた場合であっても、学習値を適切に更新することができる。
(2)燃圧センサ20に異常があると判断されるときには、学習値を初期化することで、強制的に誤学習させられた学習値を用いることを回避することができる。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図10に、本実施形態にかかる燃圧センサ20の異常の有無を診断する処理の手順を示す。この処理は、ECU30により、例えば所定周期で繰り返し実行される。なお、図10において、先の図7の処理と同一の処理については、便宜上、同一のステップ番号を付している。
この一連の処理では、まずステップS30aにおいて、安定運転状態にあるか否かを判断する。ここで、安定運転状態とは、コモンレール12内の目標燃圧の変化量が所定以下であるとの条件や、燃料噴射弁16に対する噴射量の指令値(指令噴射量)の変化量が所定以下であるとの条件、アクセルペダルの操作量の変化量が所定以下であるとの条件等からなるいくつかの条件が成立することとする。
ステップS30aにて安定運転状態であると判断されると、先の図7のステップS32、S34の処理を行なう。そして、中間保持電圧の仮の診断において異常があると判断されると(ステップS34:YES)、ステップS36aにおいて積分項の2つのガード値を強制的に拡大する。なお、ここでは、2つのガード値を拡大する代わりに、検出される燃圧が目標燃圧へ向けて変化するために必要なガード値の拡大のみを行なってもよい。すなわち、検出される燃圧が目標燃圧よりも高いときには上限ガード値を拡大し、検出される燃圧が目標燃圧よりも低い時には下限ガード値を拡大するようにしてもよい。
こうして積分項のガード値を拡大すると、先の図7のステップS40〜S46の処理を行なう。
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(3)検出される燃圧と目標燃圧との乖離に基づき、積分項のガード値を拡大した。ここで積分項は、特にコモンレール12からの燃料の流出量が定常となる状態等において、検出される燃圧の目標燃圧への追従性を向上させる上で有効である。しかし、その反面、積分項が過大となると燃圧のオーバーシュートを生じるおそれがあるため、通常、積分項にはガード値が設けられている。ただし、フィードバック制御系統に異常がある場合には、逆にこのガード値によって積分項の増大が妨げられるために、検出される燃圧と目標燃圧との乖離を解消することができなくなる。この点、検出される燃圧と目標燃圧との乖離に基づき積分項のガード値を拡大することで、フィードバック制御系統に異常がある場合には、検出される燃圧の追従性を改善することができ、ひいては、燃圧センサ20に異常があるとの誤判断を回避することができる。
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態について、先の第2の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図11に、本実施形態にかかる燃圧センサ20の異常の有無を診断する処理の手順を示す。この処理は、ECU30により、例えば所定周期で繰り返し実行される。なお、図11において、先の図10の処理と同一の処理については、便宜上、同一のステップ番号を付している。
この一連の処理においては、まず先の図10のステップS30a〜S34の処理を行なう。そして、中間保持電圧の仮の診断において異常があると判断されると(ステップS34:YES)、ステップS36bにおいて比例ゲインを増加させる。ここで、先の図6に例示したように学習値の誤学習により仮の診断において異常があると判断されている場合には、積分項及び比例項に基づき算出される指令吐出量の絶対値は、検出される燃圧を目標燃圧とするのに十分な値ではない。このため、指令吐出量の絶対値を増加させるなら、検出される燃圧と目標燃圧との乖離を解消することができると考えられる。そこで、ステップS36aでは、比例ゲインを増加させる。これにより、検出される燃圧と目標燃圧との差圧が一定であっても、比例項の絶対値は増加することとなり、ひいては、指令吐出量の絶対値を増加させることができる。このため、学習値の誤学習に起因して検出される燃圧と目標燃圧との乖離が生じている場合には、ステップS36bの処理によっても、乖離を解消することができる。
なお、ステップS36bの処理が完了すると、先の図10のステップS40〜S46の処理を行なう。
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(4)検出される燃圧と目標燃圧との乖離に基づき、比例制御のゲインを強制的に増加させることで、比例項を増大させることができ、ひいては、乖離を解消する側に燃圧を制御することができる。
(第4の実施形態)
以下、第4の実施形態について、先の第2の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図12に、本実施形態にかかる燃圧センサ20の異常の有無を診断する処理の手順を示す。この処理は、ECU30により、例えば所定周期で繰り返し実行される。なお、図12において、先の図10の処理と同一の処理については、便宜上、同一のステップ番号を付している。
この一連の処理においては、まず先の図10のステップS30a〜S34の処理を行なう。そして、中間保持電圧の仮の診断において異常があると判断されると(ステップS34:YES)、ステップS36cにおいて、学習値を初期化する。これにより、先の図2の駆動電流値換算部B16にて換算される駆動電流値を直接用いて燃料ポンプ6の操作を行なうこととなる。このため、先の図6に例示したように学習値の誤学習により仮の診断において異常があると判断されている場合には、検出される燃圧と目標燃圧との差圧を低減することができる。このため、学習値の誤学習に起因して検出される燃圧と目標燃圧との乖離が生じている場合には、ステップS36cの処理によっても、乖離を解消できる可能性がある。
そして、ステップS36cの処理が完了するときには、先の図10のステップS40〜S46の処理を行なう。なお、指令吐出量が最大の吐出量となる近傍で安定運転状態が実現している場合には、学習値の誤学習によって仮の診断により異常があると判断されている場合でも、ステップS36cの処理によっては、乖離が解消しない可能性があるため、この場合には積分項のガード値の拡大や、比例ゲインの増加を行なうことが望ましい。
もっとも、これに代えて、図12のステップS40においては、検出される燃圧の目標燃圧への追従性の改善の有無に基づき燃圧センサ20の異常の有無の診断を行なってもよい。これによれば、指令吐出量が最大の吐出量近傍で安定運転状態が実現している場合であれ、検出される燃圧と目標燃圧との乖離が学習値の誤学習に起因して生じているなら、燃圧センサ20に異常がないと的確に判断することができる。
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(4)検出される燃圧と目標燃圧との乖離に基づき、学習値を強制的に初期化させることで、乖離を解消する側に燃圧を制御することができる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・燃料ポンプ6の操作量としては、駆動電流値に限らず、例えばDuty値、電圧値等であってもよい。また、学習値としては、指令吐出量を直接補正するものであってもよい。この場合には、最終的に算出される指令吐出量から燃料ポンプ6の操作量を一義的に定めることができるため、指令吐出量を燃料ポンプの操作量と見なすことができる。
・燃料ポンプ6としては、ノーマリーオープンタイプの弁体を備えるものに限らず、ノーマリークローズタイプの弁体を備えるものであってもよい。図13(a)に、実線にてノーマリークローズタイプの弁体を備える燃料ポンプの基準となる吐出特性を、また、一点鎖線にて実際の吐出特性をそれぞれ示す。ここで、燃料ポンプにエアが混入するなどして学習値の誤学習がなされたときには、吐出特性のばらつきを補償する値として適切でない学習値ΔIwとなるおそれがある。この場合、例えば指令吐出量が燃料量Qaであるとき、駆動電流値は、燃料量Qaによって定まる値Isに学習値ΔIwが加算された値Irとなる。このため、実際の吐出量が燃料量Qbとなり、燃料量Qaを大きく上回ることとなる。このため、図13(b)に示すように、指令吐出量を下限値Qfまで低下させる操作がなされる。ただし、この場合であっても、検出される燃圧が目標燃圧を上回る上記各実施形態で例示した現象が生じ得る。
・学習値の学習手法としては、先の図4に例示したものに限らない。例えば、アイドル安定化制御時でなくても、指令噴射量等が変動しない定常状態において、基準となる特性を有する燃料ポンプに対して要求される駆動電流値と実際の駆動電流値との差に基づき、学習値を学習してもよい。こうした態様にて学習値を学習する場合には、先の第1の実施形態において、燃圧センサ20の異常の有無の診断の開始条件を、アイドル運転状態とする代わりに、安定運転状態に拡張することができる。
・上記各実施形態では、学習値の誤学習により燃圧センサ20に異常があると誤判断することを回避すべく、フィードバック制御の態様を強制的に変更したが、これに限らない。例えば燃料ポンプが複数のプランジャを備えるものにおいてそのうちの一部が動作不良を生じている場合には、燃料ポンプが正常であるときに想定される操作量によっては、燃料ポンプから要求される吐出量の燃料を吐出することができない。このため、検出される燃圧が目標燃圧を下回ることとなる。しかし、この際、指令吐出量を増量させるべく比例項や積分項を増加させても、上述したように積分項にはガードがかかるため、上記増量は検出される燃圧を目標燃圧に追従させるための十分な値とはならないことがある。このため、検出される燃圧と目標燃圧との乖離に基づき、燃圧センサ20に異常がある旨の誤判断がなされるおそれがある。したがって、こうした場合であっても、先の第1〜第3の実施形態に例示した手法は有効である。
・上記各実施形態では、積分項のみにガードをかけたが、比例項及び微分項の少なくとも一方について更にガードをかけてもよい。この場合、仮診断によって異常があると判断されるとき、例えば比例項のガードを拡大し、これによる追従性の改善の有無によって最終的な異常の有無の判断をしてもよい。
・内燃機関としては、ディーゼル機関に限らず、例えば筒内噴射式ガソリン機関であってもよい。
第1の実施形態にかかるエンジンシステムの構成を示す図。 同実施形態における燃料噴射制御に関連する処理を示すブロック図。 指令吐出量を燃料ポンプの駆動電流値に換算する処理を説明する図。 燃料ポンプの吐出特性のばらつきを補償する学習値を学習する処理の手順を示すフローチャート。 燃圧センサの出力特性を示す図。 学習値が誤学習されたときの燃料ポンプの駆動電流値の設定態様を示す図。 上記実施形態にかかる燃圧センサの異常の有無の診断の処理手順を示すフローチャート。 上記診断態様を示すタイムチャート。 上記診断態様を示すタイムチャート。 第2の実施形態にかかる燃圧センサの異常の有無の診断の処理手順を示すフローチャート。 第3の実施形態にかかる燃圧センサの異常の有無の診断の処理手順を示すフローチャート。 第4の実施形態にかかる燃圧センサの異常の有無の診断の処理手順を示すフローチャート。 上記各実施形態の変形例における燃料ポンプの吐出特性を示す図。
符号の説明
2…燃料タンク、6…燃料ポンプ、10…吸入調量弁、12…コモンレール、16…燃料噴射弁、30…ECU。

Claims (7)

  1. 高圧状態で燃料を蓄えるとともに該燃料を燃料噴射弁に供給する蓄圧室と、該蓄圧室に燃料を加圧供給する燃料ポンプと、前記蓄圧室内の燃圧を検出する検出手段とを備える内燃機関の燃料噴射装置に適用され、
    前記検出される燃圧を目標燃圧にフィードバック制御すべく、前記燃料ポンプを操作する操作手段と、
    前記検出される燃圧と前記目標燃圧との乖離の有無に基づき前記検出手段の異常の有無を診断する診断手段とを備える燃料噴射制御装置において、
    前記診断手段は、前記検出される燃圧と前記目標燃圧との乖離が生じることに基づき、前記操作手段によって設定される前記燃料ポンプの操作量を強制的に変更する変更手段と、該変更後に前乖離が解消したか否かに基づき前記異常の有無を診断する手段とを備えることを特徴とする燃料噴射制御装置。
  2. 前記燃料ポンプの吐出特性のばらつきを補償する学習値を学習する手段を更に備え、
    前記操作手段は、前記学習値を用いつつ前記検出される燃圧を前記目標燃圧にフィードバック制御するための前記燃料ポンプの操作量を算出し、該算出される操作量により前記燃料ポンプを操作するものであることを特徴とする請求項1記載の燃料噴射制御装置。
  3. 前記学習手段は、前記検出される燃圧と前記目標燃圧との差が予め定められた範囲内となる所定の条件下、前記フィードバック制御に際しての前記操作量のガード値を強制的に拡大して前記制御手段により前記フィードバック制御を行わせるとともに、前記拡大されたガード値の下での前記操作量に基づき前記学習を行なうものであり、
    前記変更手段は、前記検出される燃圧と前記目標燃圧との乖離に基づき、前記学習手段に前記学習を強制的に行なわせることを特徴とする請求項2記載の燃料噴射制御装置。
  4. 前記学習手段は、前記診断手段により前記異常があると判断されるときには、前記制御手段によって用いられる学習値を初期化することを特徴とする請求項3記載の燃料噴射制御装置。
  5. 前記変更手段は、前記検出される燃圧と前記目標燃圧との乖離に基づき、前記制御手段による前記燃料ポンプの操作量のガード値を拡大することを特徴とする請求項1又は2記載の燃料噴射制御装置。
  6. 前記制御手段は、積分制御を行うものであって且つ、前記拡大対象となるガード値が積分項のガード値であることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の燃料噴射制御装置。
  7. 前記制御手段は、比例制御を用いて前記フィードバック制御を行うものであり、
    前記変更手段は、前記検出される燃圧と前記目標燃圧との乖離に基づき、前記比例制御のゲインを強制的に増加させることを特徴とする請求項1又は2記載の燃料噴射制御装置。
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