JP5012713B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、空燃比フィードバック制御と噴射圧制御とを実行する内燃機関の制御装置に関するものである。
近年、内燃機関の運転制御において、吸気通路に設けられたスロットルバルブの作動制御を通じて燃焼室に吸入される空気の量(吸入空気量)を調節するとともにインジェクタの開弁駆動を通じて同吸入空気量に見合う量の燃料を噴射供給することにより、混合気の空燃比を所望の比率(例えば理論空燃比)に調節するとの制御手法が多用されている。
また、混合気の実際の空燃比と理論空燃比との偏差に基づいてインジェクタから噴射される燃料の量(燃料噴射量)をフィードバック制御する、いわゆる空燃比フィードバック制御も多用されている。さらに、そうした空燃比フィードバック制御の実行に併せて、同制御の補正量とその基準値との定常的な乖離量を空燃比学習値として学習する学習制御が実行されるものもある。
一方、内燃機関の運転状態に応じたかたちでインジェクタに供給される燃料の圧力(燃料噴射圧)を調節する制御(噴射圧制御)を実行することが提案されている(特許文献1および特許文献2参照)。こうした噴射圧制御を実行することにより、燃料噴射量を、インジェクタの開弁時間の調節を通じて調節することに加えて、燃料噴射圧を変更することによっても調節することが可能になる。そのため、燃料噴射圧が変更されないシステムと比較して、燃料の噴射態様の設定についての自由度が高くなる。
特開2002−201994号公報 特開2007−23952号公報
ここで、燃料噴射量はインジェクタの開弁時間と燃料噴射圧とによって定まるために、噴射圧制御が実行される内燃機関において同噴射圧制御に異常が生じて燃料噴射圧が目標とする圧力からずれてしまうと、予め見込んだ量の燃料をインジェクタから噴射(供給)することができなくなってしまう。こうした燃料噴射圧のずれに起因する燃料噴射量の誤差分は基本的に、空燃比フィードバック制御や学習制御を通じて補償されるようになる。
学習制御においては通常、燃料噴射量の過度の補正を回避するために空燃比学習値についてのガード値(上限値または下限値)が設定されている。そのため、燃料噴射圧にずれが生じた場合に、空燃比学習値の変化がそうしたガード値によって規制されて空燃比フィードバック制御および学習制御による燃料噴射量の補正量が不足するようなことがあると、混合気の空燃比が不要にリッチ(あるいはリーン)になってしまう。そして、これは内燃機関の運転状態の不安定化や同内燃機関の始動性の低下などを招く一因となるために好ましくない。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、噴射圧制御の異常時における混合気の空燃比の不要な変化を適切に抑えることのできる内燃機関の制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、機関燃焼室に供給される混合気の実際の空燃比と理論空燃比との偏差に基づいてインジェクタからの燃料噴射量をフィードバック制御する空燃比フィードバック制御と、前記フィードバック制御の補正量とその基準値との定常的な乖離量を空燃比学習値として学習するとともにその空燃比学習値が所定の可変範囲内で変化するようにその上限値及び下限値を設定する学習制御と、機関運転状態に応じたかたちでインジェクタの燃料噴射圧を調節する噴射圧制御とを実行する内燃機関の制御装置において、前記噴射圧制御における前記燃料噴射圧の制御範囲内における最高圧力を「Pmax」とし、同制御範囲における最低圧力を「Pmin」とし、前記燃料噴射圧が目標とする圧力から最大限ずれたと仮定した場合における前記燃料噴射量を「VQi」としたとき、前記空燃比学習値は、値「{√(Pmax/Pmin)−1.0}×VQi」に相当する量の燃料を増量補正することができ、且つ値「{√(Pmin/Pmax)−1.0}×VQi」の絶対値に相当する量の燃料を減量補正することができるように前記可変範囲が設定されてなることをその要旨とする。
インジェクタの開弁量が一定の条件の下では、燃料噴射圧が所定圧力P1であるときの燃料噴射量を「Q1」とし、燃料噴射圧が所定圧力P2であるときの燃料噴射量を「Q2」とすると、関係式{Q1/Q2=√(P1/P2)}が成り立つことが発明者等によって確認されている。なお、上記「√(P1/P2)」における「√」は平方根を示し、これに続く括弧内にはその適用範囲を示している。
燃料噴射圧の制御範囲における最高圧力を「Pmax」とし、同制御範囲における最低圧力を「Pmin」とし、実際の燃料噴射圧と目標とする圧力とが一致している場合における燃料噴射量を「VQr」とし、実際の燃料噴射圧が目標とする圧力から最大限ずれたと仮定した場合における燃料噴射量を「VQi」とする。この場合、上記関係式から、燃料噴射圧が最大限(=Pmax−Pmin)ずれたと仮定した場合にそのずれに起因する燃料噴射量の誤差分(=VQr−VQi)として以下の値を算出することができる。すなわち、燃料噴射圧が低圧側に最大限ずれたと仮定したときにおける燃料噴射量の誤差分としては値「{√(Pmax/Pmin)−1.0}×VQi」を算出することができ、燃料噴射圧が高圧側に最大限ずれたと仮定したときにおける燃料噴射量の誤差分として値「{√(Pmin/Pmax)−1.0}×VQi」を算出することができる。
上記構成では、値「{√(Pmax/Pmin)−1.0}×VQi」に相当する量の燃料を増量補正することができ、且つ値「{√(Pmin/Pmax)−1.0}×VQi」の絶対値に相当する量の燃料を減量補正することができるように空燃比学習値の可変範囲が設定されてなる
したがって上記構成によれば、燃料噴射圧の制御範囲内において燃料噴射圧がずれた場合に、空燃比学習値の上限値や下限値によって規制されることなく、そのずれに起因する燃料噴射量の誤差分を補償することの可能な値まで空燃比学習値を学習することができるようになる。このため、噴射圧制御の異常時における空燃比の不要な変化を適切に抑えることができるようになる。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の内燃機関の制御装置において、前記補正量はフィードバック補正係数であり、前記基準値は「1.0」であり、前記空燃比学習値は加算されて前記フィードバック補正係数を増減させる値であり、前記上限値は値「√(Pmax/Pmin)−1.0」以上の値であり、前記下限値は値「√(Pmin/Pmax)−1.0」以下の値であることをその要旨とする。
前記関係式からは、前述した燃料噴射量の誤差分の他にも、燃料噴射圧が最大限ずれたと仮定した場合にそのずれに起因する燃料噴射量の誤差率(=VQr/VQi−1.0)を算出することが可能である。具体的には、燃料噴射圧が低圧側に最大限ずれたと仮定したときにおける燃料噴射量の誤差率として値「√(Pmax/Pmin)−1.0」を算出することができ、燃料噴射圧が高圧側に最大限ずれたと仮定したときにおける燃料噴射量の誤差率として値「√(Pmin/Pmax)−1.0」を算出することができる。
上記構成では、空燃比学習値やその上限値および下限値として燃料噴射量の補正率に相当する値が設定される装置において、同上限値として、燃料噴射圧が低圧側に最大限ずれたと仮定したときにおける燃料噴射量の誤差率以上の値が設定される。さらには、上記下限値として、燃料噴射圧が高圧側に最大限ずれたと仮定したときにおける燃料噴射量の誤差率以下の値が設定される。
したがって上記構成によれば、上限値として、燃料噴射圧が低圧側に最大限ずれたと仮定したときにおける燃料噴射量の誤差率以上の比率で燃料噴射量が増量補正されるようになる値を設定することができる。しかも、下限値としては、燃料噴射圧が高圧側に最大限ずれたと仮定したときにおける燃料噴射量の誤差率の絶対値以上の比率で燃料噴射量が減量補正されるようになる値を設定することができる。
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置において、当該制御装置は、燃料タンク内の燃料を圧送する燃料ポンプと前記インジェクタが設けられたデリバリパイプとを接続するメイン通路、前記デリバリパイプ内の前記燃料噴射圧が第1の所定圧力以上になると開弁する第1プレッシャレギュレータ、同第1プレッシャレギュレータが設けられて前記デリバリパイプと前記燃料タンクとを接続する高圧リターン通路、前記メイン通路に接続されて前記燃料噴射圧が前記第1の所定圧力よりも低い第2の所定圧力以上になると開弁する第2プレッシャレギュレータ、同第2プレッシャレギュレータが設けられて前記メイン通路と前記燃料タンクとを接続する低圧リターン通路、および前記低圧リターン通路の開放と閉鎖とを切替える切替え弁を備えてなり、前記噴射圧制御は、前記切替え弁の作動状態を切替えることをその要旨とする。
上記構成によれば、第1プレッシャレギュレータや、第2プレッシャレギュレータ、切替え弁の動作異常などによって燃料噴射圧(具体的には、デリバリパイプ内の燃料圧力)が目標とする圧力(第1の所定圧力または第2の所定圧力)からずれた場合であっても、同燃料噴射圧がその制御範囲内の値である限り、空燃比学習値の学習を通じて燃料噴射圧のずれに起因する燃料噴射量の誤差分を補償することができる。
以下、この発明にかかる内燃機関の制御装置を具体化した一実施の形態について説明する。
図1に、本実施の形態にかかる制御装置が適用される内燃機関の概略構成を示す。
同図1に示すように、内燃機関10の吸気通路11にはスロットルバルブ12が設けられている。スロットルバルブ12には、スロットルモータ13が連結されている。そして、このスロットルモータ13の駆動制御を通じてスロットルバルブ12の開度(スロットル開度TA)が調節され、これにより吸気通路11を通じて燃焼室14内に吸入される空気の量が調節される。
図2に、内燃機関10の燃料供給系20の概略構成を示す。
同図2に示すように、燃料供給系20は燃料が備蓄される燃料タンク21を備えており、燃料タンク21内にはフィードポンプ22が設けられている。このフィードポンプ22は電動式の燃料ポンプであり、内燃機関10運転中においてバッテリ(図示略)から電力が供給されて単位時間あたりにほぼ一定量の燃料をほぼ一定の圧力で吐出し続ける。フィードポンプ22はメイン通路23を介してデリバリパイプ24に接続されており、同フィードポンプ22から圧送された燃料はメイン通路23を通じてデリバリパイプ24に供給される。なお、メイン通路23におけるフィードポンプ22の下流側の部位にはフィルタ25が設けられており、燃料に含まれる細かな異物がこのフィルタ25によって取り除かれる。
デリバリパイプ24は、互いに平行に延びる二本のパイプ24a,24bが接続パイプ24cによって接続されることにより、略U字状に形成されている。このデリバリパイプ24には燃料を噴射するインジェクタ15が、各パイプ24a,24bに4つずつ、合計8つ設けられている。このインジェクタ15の開弁駆動を通じて、燃料タンク21内の燃料が内燃機関10の燃焼室14(図1参照)に供給される。
また、各パイプ24a,24bのうちの一方(パイプ24b)には上記メイン通路23が接続されており、他方(パイプ24a)には第1プレッシャレギュレータ26を介して高圧リターン通路27が接続されている。第1プレッシャレギュレータ26は、デリバリパイプ24内の燃料の圧力、すなわち燃料噴射圧が第1の所定圧力P1(本実施の形態では、400kPa)以上になると開弁する。これにより、燃料噴射圧が第1の所定圧力P1以上になると第1プレッシャレギュレータ26が開弁して、デリバリパイプ24内の余剰燃料が高圧リターン通路27に流入するようになる。高圧リターン通路27は燃料タンク21まで延びており、余剰燃料は高圧リターン通路27を通じてデリバリパイプ24から燃料タンク21に戻される。
また、メイン通路23には、その途中から燃料タンク21まで延びる形状の低圧リターン通路28が接続されている。この低圧リターン通路28には、低圧リターン通路28内の燃料の圧力が第1の所定圧力P1よりも低い第2の所定圧力P2(本実施の形態では、284kPa)以上になると開弁する第2プレッシャレギュレータ29が設けられている。これにより、燃料噴射圧が第2の所定圧力P2以上になり、低圧リターン通路28内の燃料の圧力が第2の所定圧力P2以上になると、この第2プレッシャレギュレータ29が開弁して、デリバリパイプ24およびメイン通路23内の余剰燃料が低圧リターン通路28を通じて燃料タンク21に戻されるようになる。さらに低圧リターン通路28には、切替え弁30が設けられている。この切替え弁30は、電圧が印加されることにより閉弁する常開ソレノイドバルブであり、この切替え弁30を閉弁することにより、低圧リターン通路28が閉塞される。
本実施の形態では、この切替え弁30の作動制御を通じて低圧リターン通路28の開放および閉塞が切り替えられることにより、燃料噴射圧が切り替えられる。具体的には、切替え弁30が開弁されると、低圧リターン通路28が開放されて燃料噴射圧が第2プレッシャレギュレータ29によって調節されるようになり、同燃料噴射圧が比較的低い第2の所定圧力P2で保持されるようになる。一方、切替え弁30が閉弁されると、低圧リターン通路28が閉塞されて燃料噴射圧が第1プレッシャレギュレータ26によって調節されるようになり、同燃料噴射圧が比較的高い第1の所定圧力P1で保持されるようになる。
また、本実施の形態の装置は電子制御ユニット40(図1)を備えている。この電子制御ユニット40は、内燃機関10の運転にかかる各種制御についての演算処理を実施するCPU、制御用のプログラムやデータの記憶された不揮発性のメモリ(ROM)、CPUの演算結果等を一時記憶する揮発性のメモリ、外部との信号の入出力のための入出力ポートを備えて構成されている。
本実施の形態の装置には、内燃機関10の運転状態を検出するための各種センサが設けられている。そうしたセンサとしては、例えば内燃機関10の出力軸16の回転速度(機関回転速度NE)を検出するための回転速度センサ41や、内燃機関10の燃焼室14に吸入される空気の量(吸入空気量GA)を検出するためのエアフローメータ42が設けられている。また、アクセルペダル17の踏み込み量(アクセル踏み込み量ACC)を検出するためのアクセルセンサ43や、内燃機関10の冷却水の温度(水温THW)を検出するための水温センサ44、排気の酸素濃度を通じて混合気の空燃比を検出するための酸素濃度センサ45が設けられている。その他、スロットル開度TAを検出するためのスロットルセンサ46なども設けられている。
これらセンサの出力信号は電子制御ユニット40に入力されている。そして電子制御ユニット40は、それらセンサの出力信号に基づいて各種の演算を行い、その演算結果に基づいてスロットルモータ13の駆動制御(スロットル制御)や、上記インジェクタ15の駆動制御(噴射量制御)、切替え弁30の作動制御(噴射圧制御)などの機関制御を実行する。
本実施の形態では、スロットル制御が次のように実行される。すなわち先ず、そのときどきのアクセルペダル17の踏み込み量ACおよび機関回転速度NEに基づいて目標スロットル開度Ttaが算出される。そして、この目標スロットル開度Ttaと実際のスロットル開度TAとが一致するように、スロットルモータ13の駆動が制御される。こうしたスロットル制御を通じて、内燃機関10の燃焼室14に吸入される空気の量が同内燃機関10の運転状態に見合う量に調節される。
また噴射圧制御は、機関回転速度NEが高い運転領域や吸入空気量GAが多い運転領域においては切替え弁30を閉弁させる一方、それ以外の運転領域においては切替え弁30を開弁させるといったように実行される。ここでインジェクタ15から噴射される燃料の量(燃料噴射量)は、インジェクタ15の開弁期間、および燃料噴射圧に応じて変化する。本実施の形態では、上述したように燃料噴射圧が切替えられるために、同燃料噴射圧が変更されない装置と比較して、インジェクタ15からの燃料噴射態様を高い自由度をもって設定することが可能になる。具体的には、高回転運転時や高負荷運転時のように多量の燃料を噴射する必要のある運転領域にあっては燃料噴射圧が高い圧力に設定されて一回の吸気行程において多量の燃料を噴射可能な状態になる一方、通常の運転状態にあっては燃料噴射圧が低い圧力に設定されて燃料噴射量を緻密に調節可能な状態になる。
さらに噴射量制御は、以下のように実行される。
図3は、燃料噴射量についての制御目標値(最終目標噴射量QFIN)を算出する処理(燃料噴射量算出処理)の実行手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示される一連の処理は、電子制御ユニット40によって所定の周期をもって繰り返し実行される。
図3に示すように、この処理ではまず、機関回転速度NEおよび吸入空気量GAに基づいてマップから基本燃料噴射量QBASEが算出される(ステップS100)。なお、このマップには、吸入空気量GAおよび機関回転速度NEにより定まる運転状態と混合気の空燃比を所望の比率(例えば理論空燃比)にすることの可能な燃料噴射量(基本燃料噴射量QBASE)との関係が実験結果などに基づき予め求められて設定されている。
その後、空燃比フィードバック制御の実行条件が成立しているか否かが判断される(ステップS101)。ここでは、酸素濃度センサ45の素子温度が所定の活性化温度以上であることや、水温THWが所定の暖機温度以上であることをもって実行条件が成立していると判断される。
そして、上記実行条件が成立している場合には(ステップS101:YES)、酸素濃度センサ45により検出される空燃比と理論空燃比との差に基づいてフィードバック補正係数FAFが算出される(ステップS102)。このフィードバック補正係数FAFは、基本的に、次のように算出される。すなわち、酸素濃度センサ45により検出される空燃比がリッチである場合には所定量ずつ減量され、リーンである場合には所定量ずつ増量される。また、酸素濃度センサ45により検出される空燃比がリッチからリーンへ、あるいはリーンからリッチへ切り替わったときには、フィードバック補正係数FAFが階段状に増減(スキップ)される。
その後、学習処理の実行条件が成立しているか否かが判断される(ステップS103)。この実行条件としては例えば、機関回転速度NEの変化が小さいことや、フィードバック補正係数FAFから「1.0」を減じた値の絶対値が所定値より大きい状態が所定の期間継続していること等が挙げられる。
そして、学習制御にかかる処理(学習処理)の実行条件が成立している場合には(ステップS103:YES)、学習処理が実行される(ステップS104)。具体的には、フィードバック補正係数FAFに基づいて空燃比学習値KGの学習が実行される。この学習処理の具体的な実行手順については後に詳述する。なお、空燃比学習値KGとしては、フィードバック補正係数FAFとその基準値(=1.0)との定常的な乖離量を補償することの可能な値が学習される。
一方、空燃比フィードバック制御の実行条件が未成立である場合には(ステップS101:NO)、フィードバック補正係数FAFとして「1.0」が設定される(ステップS105)。すなわち、この場合には空燃比フィードバック制御が実行されない。また、学習処理の実行条件が未成立である場合には(ステップS103:NO)、学習処理が実行されない(ステップS104の処理がジャンプされる)。
このようにしてフィードバック補正係数FAFが設定されるとともに学習処理が適宜実行された後、空燃比学習値KGが読み込まれる(ステップS106)。そして、その空燃比学習値KGがフィードバック補正係数FAFに加算されるとともに、その加算した値と基本燃料噴射量QBASEとの積算値(=QBSE×(FAF+KG))が最終燃料噴射量QFINとして算出される(ステップS107)。このようにして最終燃料噴射量QFINが算出された後、本処理は一旦終了される。
そして本実施の形態の噴射量制御では、最終燃料噴射量QFINに基づいて燃料噴射時間TAU、すなわちインジェクタ15の開弁時間が算出され、同燃料噴射時間TAUに基づいてインジェクタ15が開弁駆動される。これにより、最終燃料噴射量QFINに相当する量の燃料がインジェクタ15から噴射されて内燃機関10の燃焼室14に供給される。
このように本実施の形態では、酸素濃度センサ45により検出される排気の酸素濃度(混合気の実空燃比に相当する値)とその基準濃度(理論空燃比に相当する値)との差に基づきフィードバック補正係数FAFを算出するとともに同フィードバック補正係数FAFに基づいて燃料噴射量を補正する空燃比フィードバック制御が実行される。
なお本実施の形態では、インジェクタ15として、燃料噴射圧が第1の所定圧力P1であるときに最終燃料噴射量QFINについての最小量を噴射可能な作動特性のものであり、且つ燃料噴射圧が第2の所定圧力P2であるときに最終燃料噴射量QFINについての最大量を噴射可能な作動特性のものが採用されている。
次に、上記学習処理の実行手順について詳細に説明する。
図4は、上記学習処理の具体的な実行手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示される一連の処理は、燃料噴射制御処理(図3)のステップS104の処理として実行される処理である。
図4に示すように、この処理では先ず、直近の所定期間Ttにおけるフィードバック補正係数FAFの平均値FAFAVEが算出される(ステップS200)。なお、この所定期間Ttは予め設定されている。そして、上記平均値FAFAVEから「1.0」を減算した値を空燃比学習値KGに加算した値(KG+{FAFAVE−1.0})が新たな空燃比学習値KGとして算出される(ステップS201)。また、こうした空燃比学習値KGの更新に合わせて、フィードバック補正係数FAFがその基準値である「1.0」に変更される(ステップS202)。
その後、そのように更新された空燃比学習値KGについてのガード値(上限値Gmxおよび下限値Gmn)によるガード処理が実行される(ステップS203〜S206)。なおガード値は燃料噴射量の過度の補正を回避するための値として設定されている。このガード処理では、詳しくは、空燃比学習値KGが上限値Gmxより大きいことを条件に(ステップS203:YES)、同空燃比学習値KGとして上限値Gmxが設定される(ステップS204)。また空燃比学習値KGが下限値Gmnより小さいことを条件に(ステップS205:YES)、同空燃比学習値KGとして下限値Gmnが設定される(ステップS206)。こうした処理の後、本処理は一旦終了される。
このように本実施の形態では、空燃比フィードバック制御の実行に併せて、フィードバック補正係数FAFとその基準値との定常的な乖離量を空燃比学習値KGとして学習する学習制御が実行される。
ここで本実施の形態の装置では、第1プレッシャレギュレータ26や第2プレッシャレギュレータ29、切替え弁30に動作異常(例えば開固着や閉固着)が生じた場合など、噴射圧制御に異常が生じた場合に燃料噴射圧を目標とする圧力(所定圧力P1または所定圧力P2)とすることができなくなることがある。この場合には、燃料噴射圧と目標とする圧力とのずれに起因して燃料噴射量に誤差が生じてしまうとはいえ、その誤差分は基本的に空燃比フィードバック制御や学習制御を通じて補償されるようになる。
ただし、そのように燃料噴射圧がずれた場合に、空燃比学習値KGの変化が上限値Gmxや下限値Gmnによって規制されて同空燃比学習値KGおよびフィードバック補正係数FAFによる燃料噴射量の補正量が不足するようなことがあると、混合気の空燃比が不要にリッチ(あるいはリーン)になってしまう。そして、これは内燃機関10の運転状態の不安定化や同内燃機関10の始動性の低下などを招く一因となるために好ましくない。
この点をふまえて本実施の形態では、燃料噴射圧の制御範囲(所定圧力P1〜所定圧力P2)内においてどのように燃料噴射圧がずれた場合であっても上限値Gmxや下限値Gmnによって規制されることなく空燃比学習値KGが学習されるようになる値を、それら上限値Gmxおよび下限値Gmnとして設定するようにしている。
以下、そうした上限値Gmxおよび下限値Gmnの設定態様について詳細に説明する。
インジェクタ15の開弁量が一定の条件の下では、燃料噴射圧が所定圧力P1であるときの燃料噴射量を「Q1」とし、燃料噴射圧が所定圧力P2であるときの燃料噴射量を「Q2」とすると、以下の関係式(1)が成り立つことが発明者等によって確認されている。

Q1/Q2=√(P1/P2) …(1)

なお、上記「√(P1/P2)」における「√」は平方根を示し、これに続く括弧内にはその適用範囲を示している。また、関係式(1)に定められた関係は流体力学についての各種定理(例えばベルヌーイの定理など)から導き出すことのできる関係である。
そして、燃料噴射圧の制御範囲における最高圧力(=所定圧力P1)および最低圧力(=所定圧力P2)に基づいて上記関係式(1)から、燃料噴射圧が低圧側に最大限ずれたと仮定したとき、すなわち目標とする圧力が所定圧力P1である機関運転状態において実際の燃料噴射圧が所定圧力P2になったと仮定したときにおける燃料噴射量の誤差率として、値「√(P1/P2)−1.0」(≒0.19)を算出することができる。なお上記誤差率は、燃料噴射圧が目標とする圧力と一致しているとき(正常時)の燃料噴射量を「VQr」とし、燃料噴射圧が目標とする圧力から最大限ずれたと仮定したとき(異常時)の燃料噴射量を「VQi」とした場合に、関係式(VQr/VQi−1.0)により定まる値である。
本実施の形態では、上限値Gmxとして、そうした誤差率(上記値「√(P1/P2)−1.0」)より大きい値(具体的には、「0.20」)が設定される。これにより上限値Gmxとして、燃料噴射圧が低圧側に最大限ずれたと仮定したときにおける燃料噴射量の誤差率より大きい値が設定されるようになる。
ここで、図5に示すように、燃料噴射圧が低圧側に最大限ずれたと仮定した場合における正常時の燃料噴射量VQrと異常時の燃料噴射量VQiとの関係として、それら燃料噴射量VQr,VQiに基づいて関係式(1)から、関係式「VQr=√(P1/P2)×VQi」を求めることができる。そして、この求めた関係式から、燃料噴射圧が低圧側に最大限ずれたと仮定した場合においてそのずれに起因する燃料噴射量の誤差分(=VQr−VQi)が、値「{√(P1/P2)−1.0}×VQi」になることが分かる。
本実施の形態では、空燃比学習値KGとして燃料噴射量の補正率に相当する値が設定される。そのため、上述のように上限値Gmxを設定することにより、同上限値Gmxは値「{√(P1/P2)−1.0}×VQi」に相当する量の燃料が増量補正されるようになる空燃比学習値KGより大きい値になる。したがって、上限値Gmxは、燃料噴射圧が低圧側に最大限ずれたと仮定したときにおける燃料噴射量の誤差率より大きい値であって、同様に仮定したときにおける燃料噴射量の誤差分より多い量の燃料を空燃比学習値KGによって増量補正することの可能な値になる。
このように本実施の形態では、上限値Gmxとして、燃料噴射圧の制御範囲内において同燃料噴射圧が目標とする圧力から低圧側に最大限ずれたと仮定した場合に、そのずれに起因する燃料噴射量の誤差分が相殺されるようになる補正分を少なくとも含む空燃比学習値KGに相当する値が設定される。そのため、燃料噴射圧の制御範囲内であれば、どのように燃料噴射圧が目標とする圧力から低圧側にずれた場合であれ、上限値Gmxによって規制されることなく空燃比学習値KGが学習されるようになる。
一方、第1の所定圧力P1および第2の所定圧力P2に基づいて上記関係式(1)から、燃料噴射圧が高圧側に最大限ずれたと仮定したとき、すなわち目標とする圧力が所定圧力P2である機関運転状態において実際の燃料噴射圧が所定圧力P1になったと仮定したときにおける燃料噴射量の誤差率として値「√(P2/P1)−1.0」(≒−0.16)を算出することができる。
そして本実施の形態では、下限値Gmnとして、上記値「√(P2/P1)−1.0」より小さい値(具体的には、「−0.20」)が設定される。これにより下限値Gmnとして、燃料噴射圧が高圧側に最大限ずれたと仮定したときにおける燃料噴射量の誤差率より小さい値が設定されるようになる。
ここで、図6に示すように、燃料噴射圧が高圧側に最大限ずれたと仮定した場合における正常時の燃料噴射量VQrと異常時の燃料噴射量VQiとの関係として、それら燃料噴射量VQr,VQiに基づいて関係式(1)から、関係式「VQr=√(P2/P1)×VQi」を求めることができる。そして、この求めた関係式から、燃料噴射圧が目標とする圧力から高圧側に最大限ずれたと仮定したときにおける燃料噴射量の誤差分(=「VQr−VQi」)は値「{√(P2/P1)−1.0}×VQi」になることが分かる。
本実施の形態では、空燃比学習値KGとして燃料噴射量の補正率に相当する値が設定されるために、上述のように下限値Gmnを設定することにより、同下限値Gmnは値「{√(P2/P1)−1.0}×VQi」の絶対値に相当する量の燃料が減量補正されるようになる空燃比学習値KGより小さい値になる。したがって下限値Gmnは、燃料噴射圧が高圧側に最大限ずれたと仮定したときにおける燃料噴射量の誤差率より小さい値であって、同様に仮定したときにおける燃料噴射量の誤差分の絶対値より多い量の燃料を空燃比学習値によって減量補正することの可能な値が設定される。
このように本実施の形態では、下限値Gmnとして、燃料噴射圧の制御範囲内において同燃料噴射圧が目標とする圧力から高圧側に最大限ずれたと仮定した場合に、そのずれに起因する燃料噴射量の誤差分が相殺されるようになる補正分を少なくとも含む空燃比学習値KGに相当する値が設定される。そのため、燃料噴射圧の制御範囲内であれば、どのように燃料噴射圧が目標とする圧力から高圧側にずれた場合であれ、下限値Gmnによって規制されることなく空燃比学習値KGが学習されるようになる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)上限値Gmxとして、燃料噴射圧の制御範囲内において同燃料噴射圧が目標とする圧力から低圧側に最大限ずれたと仮定した場合に、そのずれに起因する燃料噴射量の誤差分が相殺されるようになる補正分を少なくとも含む空燃比学習値KGに相当する値を設定するようにした。そのため、燃料噴射圧の制御範囲内であれば、どのように燃料噴射圧が低圧側にずれた場合であれ、上限値Gmxによって規制されることなく空燃比学習値KGが学習されるようになる。しかも、下限値Gmnとして、燃料噴射圧の制御範囲内において同燃料噴射圧が目標とする圧力から高圧側に最大限ずれたと仮定した場合に、そのずれに起因する燃料噴射量の誤差分が相殺されるようになる補正分を少なくとも含む空燃比学習値KGに相当する値を設定するようにした。そのため、燃料噴射圧の制御範囲内であれば、どのように燃料噴射圧が高圧側にずれた場合であれ、下限値Gmnによって規制されることなく空燃比学習値KGが学習されるようになる。したがって、燃料噴射圧の制御範囲内において燃料噴射圧がどのようにずれた場合であっても、そのずれに起因する燃料噴射量の誤差分を空燃比学習値KGによって補償することができるようになり、噴射圧制御の異常時における混合気の空燃比の不要な変化を適切に抑えることができるようになる。
(2)上限値Gmxとして、燃料噴射圧が目標とする圧力から低圧側に最大限ずれたと仮定したときにおける燃料噴射量の誤差分(値「{√(P1/P2)−1.0}×VQi」)より多い量の燃料を空燃比学習値KGによって増量補正することの可能な値を設定するようにした。しかも、下限値Gmnとしては、燃料噴射圧が目標とする圧力から高圧側に最大限ずれたと仮定したときにおける燃料噴射量の誤差分(値「{√(P2/P1)−1.0}×VQi」)の絶対値より多い量の燃料を空燃比学習値KGによって減量補正することの可能な値を設定するようにした。そのため、燃料噴射圧の制御範囲内において燃料噴射圧がずれた場合に、空燃比学習値KGの上限値Gmxや下限値Gmnによって規制されることなく、そのずれに起因する燃料噴射量の誤差分を補償することの可能な値まで空燃比学習値KGを学習することができるようになる。
(3)空燃比学習値KGやその上限値Gmxおよび下限値Gmnとして燃料噴射量の補正率に相当する値を設定するとともに、同上限値Gmxとして、燃料噴射圧が低圧側に最大限ずれたと仮定したときにおける燃料噴射量の誤差率(値「√(P1/P2)−1.0」)より大きい値を設定するようにした。そのため、上限値Gmxとして、燃料噴射圧が低圧側に最大限ずれたと仮定したときにおける燃料噴射量の誤差率より大きい比率で燃料噴射量が増量補正されるようになる値を設定することができる。しかも、下限値Gmnとして、燃料噴射圧が高圧側に最大限ずれたと仮定したときにおける燃料噴射量の誤差率(値「√(P2/P1)−1.0」)より小さい値を設定するようにした。そのため、下限値Gmnとしては、燃料噴射圧が高圧側に最大限ずれたと仮定したときにおける燃料噴射量の誤差率の絶対値より大きい比率で燃料噴射量が減量補正されるようになる値を設定することができる。
(4)第1プレッシャレギュレータ26や、第2プレッシャレギュレータ29、切替え弁30の動作異常などによって燃料噴射圧が目標とする圧力からずれた場合であっても、同燃料噴射圧がその制御範囲内の値である限り、空燃比学習値KGの学習を通じて燃料噴射圧のずれに起因する燃料噴射量の誤差分を補償することができる。
なお、上記実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上限値Gmxおよび下限値Gmnを、常に前述した値に設定するのではなく、燃料噴射圧が目標とする圧力から大きくずれたときにおいてのみ前述した値に設定するようにしてもよい。そうした上限値Gmxおよび下限値Gmnの設定態様としては、具体的には次のような設定態様を挙げることができる。すなわち先ず、燃料噴射圧と目標とする圧力との差が比較的小さいときには、上限値Gmxとして前記値「√(P1/P2)−1.0」より小さい値(ただし、Gmx>0)を設定するとともに、下限値Gmaxとして前記値「√(P2/P1)−1.0」より大きい値(ただし、Gmn<0)を設定する。そして、空燃比学習値KGが上限値Gmx(または下限値Gmn)になり且つその状態が所定期間継続した場合に、噴射圧制御に異常が生じているとして、上限値Gmxとして前述した値(値「√(P1/P2)−1.0」より大きい値)を設定し、下限値Gmnとして前述した値(値「√(P2/P1)−1.0」より小さい値)を設定する。
・上限値Gmxとして前記値「√(P1/P2)−1.0」を設定してもよい。また、下限値Gmnとして上記値「√(P2/P1)−1.0」を設定することもできる。
・本発明は、燃料噴射圧を第1の所定圧力および第2の所定圧力の一方に選択的に切り替える装置に限らず、燃料噴射圧を、予め定められた三つ以上の所定圧力のうちの一つに選択的に切り替える装置にも適用することができる。この場合、燃料噴射圧の制御範囲における最高圧力を「Pmax」とし、同制御範囲における最低圧力を「Pmin」とし、同燃料噴射圧が目標とする圧力から最大限(=Pmax−Pmin)ずれたと仮定した場合における燃料噴射量を「VQi」とすると、空燃比学習値の上限値および下限値として次のような値を設定すればよい。すなわち、空燃比学習値の上限値としては値「{√(Pmax/Pmin)−1.0}×VQi」に相当する量の燃料が増量補正されるようになる空燃比学習値以上の値を設定するようにすればよい。また、空燃比学習値の下限値としては、値「{√(Pmin/Pmax)−1.0}×VQi」の絶対値に相当する量の燃料が減量補正されるようになる空燃比学習値以下の値を設定するようにすればよい。そのように空燃比学習値の上限値および下限値を設定するためには、同上限値として値「√(Pmax/Pmin)−1.0」以上の値を設定したり、下限値として値「√(Pmin/Pmax)−1.0」以下の値を設定したりすればよい。
・本発明は、空燃比フィードバック制御についての補正量や空燃比学習値として基本噴射量に乗算される値を採用した装置に限らず、基本噴射量に加算される値を採用した装置にも適用することができる。この場合、内燃機関の運転状態と同運転状態に適した空燃比学習値の上限値や下限値との関係を実験やシミュレーションの結果などから求めて予め記憶させてとともに、同関係から内燃機関の運転状態に基づいて上限値および下限値を求めるようにすればよい。なお、それら上限値および下限値としては、燃料噴射圧の制御範囲内において同燃料噴射圧が目標とする圧力から最大限ずれたと仮定した場合にそのずれに起因する燃料噴射量の誤差分が相殺されるようになる補正分を少なくとも含む空燃比学習値に相当する値を設定すればよい。
本発明を具体化した一実施の形態にかかる制御装置が適用される内燃機関の概略構成を示す略図。 同内燃機関の燃料噴射系の概略構成を示す略図。 燃料噴射量算出処理の実行手順を示すフローチャート。 学習処理の実行手順を示すフローチャート。 正常時の燃料噴射量と異常時の燃料噴射量との関係の一例を示すグラフ。 正常時の燃料噴射量と異常時の燃料噴射量との関係の他の例を示すグラフ。
符号の説明
10…内燃機関、11…吸気通路、12…スロットルバルブ、13…スロットルモータ、14…燃焼室、15…インジェクタ、16…出力軸、17…アクセルペダル、20…燃料供給系、21…燃料タンク、22…フィードポンプ、23…メイン通路、24…デリバリパイプ、24a,24b…パイプ、24c…接続パイプ、25…フィルタ、26…第1プレッシャレギュレータ、27…高圧リターン通路、28…低圧リターン通路、29…第2プレッシャレギュレータ、30…切替え弁、40…電子制御ユニット、41…回転速度センサ、42…エアフローメータ、43…アクセルセンサ、44…水温センサ、45…酸素濃度センサ、46…スロットルセンサ。

Claims (3)

  1. 機関燃焼室に供給される混合気の実際の空燃比と理論空燃比との偏差に基づいてインジェクタからの燃料噴射量をフィードバック制御する空燃比フィードバック制御と、前記フィードバック制御の補正量とその基準値との定常的な乖離量を空燃比学習値として学習するとともにその空燃比学習値が所定の可変範囲内で変化するようにその上限値及び下限値を設定する学習制御と、機関運転状態に応じたかたちでインジェクタの燃料噴射圧を調節する噴射圧制御とを実行する内燃機関の制御装置において、
    前記噴射圧制御における前記燃料噴射圧の制御範囲内における最高圧力を「Pmax」とし、同制御範囲における最低圧力を「Pmin」とし、前記燃料噴射圧が目標とする圧力から最大限ずれたと仮定した場合における前記燃料噴射量を「VQi」としたとき、
    前記空燃比学習値は、値「{√(Pmax/Pmin)−1.0}×VQi」に相当する量の燃料を増量補正することができ、且つ値「{√(Pmin/Pmax)−1.0}×VQi」の絶対値に相当する量の燃料を減量補正することができるように前記可変範囲が設定されてなる
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 請求項に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記補正量はフィードバック補正係数であり、
    前記基準値は「1.0」であり、
    前記空燃比学習値は加算されて前記フィードバック補正係数を増減させる値であり、
    前記上限値は値「√(Pmax/Pmin)−1.0」以上の値であり、
    前記下限値は値「√(Pmin/Pmax)−1.0」以下の値である
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置において、
    当該制御装置は、燃料タンク内の燃料を圧送する燃料ポンプと前記インジェクタが設けられたデリバリパイプとを接続するメイン通路、前記デリバリパイプ内の前記燃料噴射圧が第1の所定圧力以上になると開弁する第1プレッシャレギュレータ、同第1プレッシャレギュレータが設けられて前記デリバリパイプと前記燃料タンクとを接続する高圧リターン通路、前記メイン通路に接続されて前記燃料噴射圧が前記第1の所定圧力よりも低い第2の所定圧力以上になると開弁する第2プレッシャレギュレータ、同第2プレッシャレギュレータが設けられて前記メイン通路と前記燃料タンクとを接続する低圧リターン通路、および前記低圧リターン通路の開放と閉鎖とを切替える切替え弁を備えてなり、
    前記噴射圧制御は、前記切替え弁の作動状態を切替える
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
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