JP5821666B2 - 燃料ポンプの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料ポンプの制御装置に関するものである。
ディーゼルエンジンの燃料噴射システムとしてコモンレール式燃料噴射システムが実用化されており、このコモンレール式燃料噴射システムでは、燃料が燃料ポンプにより高圧化されてコモンレールに供給されるとともに、コモンレール内の高圧燃料が燃料噴射弁によりエンジンの燃焼室内に噴射供給されるようになっている。
燃料ポンプにおいては、例えば燃料吸入部に電磁駆動式の吸入調量弁が設けられており、その吸入調量弁の開度が電流制御されることにより燃料ポンプによる燃料吐出量が制御され、コモンレール内の燃料圧力が所望の圧力に制御されるようになっている。かかる場合、吸入調量弁の通電電流に対する燃料ポンプの燃料吐出量が吐出量特性としてあらかじめ規定されており、その吐出量特性に基づいて吸入調量弁の通電電流が制御される。
ところで、燃料ポンプは個体差や経時変化等による特性ばらつきを有しており、この特性ばらつきによって吐出量特性が基本特性から相違し、燃料吐出量の制御精度が低下する。そこで、燃料ポンプの特性ばらつきを学習により補償する技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。具体的には、エンジンのアイドル運転状態において実際の吐出量特性とあらかじめ設定された中央特性との電流方向のずれ量を算出し、そのずれ量に基づいて吐出量特性を学習補正するようにしている。
また、吐出量特性の学習値には、上限ガード値及び下限ガード値からなるガード範囲があらかじめ定められており、学習値は上下の各ガード値でガードされるようになっている。ガード範囲は、燃料ポンプの個体差ばらつきを吸収する上での許容範囲として定められている。なお、学習値に基づいて燃料ポンプの異常診断を実施する技術も提案されている。すなわち、吐出量特性が基本特性から大きく外れると、学習値が過剰に大きくなってガード値でガードされることになるため、学習値がガードされることに基づいて燃料ポンプにおける異常の有無が判定される。
特開2004−293540号公報
ここで、燃料ポンプの製造後には、ポンプ新品状態で初回学習として初回学習値が算出され、その後、運転使用に伴い新たに特性ずれが生じると再学習が行われる。この場合、従来技術では、初回学習と再学習とにおいて同じガード範囲でのガードが行われているため、再学習時においてポンプ個体差に関係無しに学習値のガードが行われる。したがって、再学習時において燃料ポンプ以外の要因(例えば燃料フィルタの詰まり具合の変化など)で初回学習値に対して再学習値が過剰に増側又は減側に変化していてもその学習値の更新が許容されてしまい、結果として学習値の信頼性が低下するおそれがあった。
本発明は、燃料ポンプの吐出量特性についてポンプ個体差に応じた好適な学習を実施することができる燃料ポンプの制御装置を提供することを主たる目的とするものである。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について説明する。
本発明はその前提として、燃料を高圧化して吐出する燃料ポンプ(13)と、該燃料ポンプで高圧化された燃料が導入される蓄圧部(12)と、該蓄圧部内の高圧燃料を内燃機関に噴射する燃料噴射弁(11)とを備える燃料噴射システムに適用され、前記燃料ポンプの駆動指令値と燃料吐出量との関係を示す吐出量特性について基準特性からのずれを補償する学習値を算出し、その学習値を用いて前記燃料ポンプの吐出量制御を実施する。
また、請求項1に記載の発明では、前記燃料ポンプの製造後においてポンプ新品状態での前記吐出量特性の初回学習として初回学習値(LRN1)を算出する際、あらかじめ定めた初回学習用の第1ガード範囲(α)により前記初回学習値をガードする第1ガード手段と、前記初回学習値の算出後において当該初回学習値に基づいて再学習用の第2ガード範囲(β)を設定するガード設定手段と、前記初回学習の実施後における再学習として再学習値(LRN2)を算出する際、前記第2ガード範囲により前記再学習値をガードする第2ガード手段と、を備える。
燃料ポンプの製造後においてポンプ吐出量特性の初回学習(仮学習)が実施される場合、その初回学習では、ポンプ新品状態での吐出量特性が学習され、燃料ポンプの個体差ばらつきによる特性ずれ分を吸収するものとして初回学習値が算出される。初回学習後は初回学習値を反映して吐出量制御が実施され、その吐出量制御の実施状況下において、運転使用に伴い燃料ポンプに経時変化等が生じていると、再学習要求が生じる。この再学習要求により再学習が実施され、使用開始後のポンプ経時変化等に応じた値として再学習値が算出される。
ここで、初回学習では、燃料ポンプの個体差ばらつきを吸収する上での許容範囲として第1ガード範囲が規定され、その第1ガード範囲内において初回学習値が算出される。この場合、第1ガード範囲はポンプ個別に定められたものでないため、仮に第1ガード範囲を用いて再学習値をガードしようとすれば、吐出量増加側及び吐出量減少側のいずれかに学習値が過剰に変化することがあると考えられる。この点、上記のとおり再学習で用いる第2ガード範囲を初回学習値を基に設定することにより、その第2ガード範囲はポンプ個別に定められるものとなり、再学習時において初回学習値に対して再学習値が過剰に変化することを抑制できる。
つまり、初回学習後の吐出量制御では、当該制御においてポンプ個体差に起因する特性ずれが既に反映されているため、初回学習値に対する再学習値の更新分は、主に燃料ポンプの経時変化に対応するものになると考えられる。この点、第2ガード範囲が初回学習値を基に設定されていれば、その初回学習値からの学習値の更新分についてガードをかけることができ、学習値が過剰に吐出量増加側又は吐出量減少側に更新されることを抑制できる。その結果、燃料ポンプの吐出量特性についてポンプ個体差に応じた好適な学習を実施できる。
また、請求項2に記載の発明では、前記ガード設定手段は、前記第2ガード範囲を、前記第1ガード範囲よりも幅の大きさが小さく、かつ前記第1ガード範囲からはみ出さないように設定する。
初回学習後の吐出量制御では、初回学習値を用いることにより、ポンプ個体差に起因する特性ずれを補償する制御が行われており、その状況下では主にポンプ個体差以外の要因による特性ずれが監視されればよい。この点を考慮すると、第1ガード範囲よりも幅の大きさが小さく、かつ第1ガード範囲からはみ出さないように第2ガード範囲を設定することが好ましく、これにより学習値の信頼性を高めることができる。
エンジン制御システムの概略を示す構成図。 ポンプ吐出量特性を示す図。 ポンプ吐出量制御処理を示すフローチャート。 初回学習処理を示すフローチャート。 再学習処理を示すフローチャート。 ポンプ吐出量特性の学習処理をより具体的に説明するためのタイムチャート。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。本実施形態は、車両用の多気筒ディーゼルエンジンのコモンレール式燃料噴射システムとして本発明を具体化しており、その詳細な構成を以下に説明する。
図1において、ディーゼルエンジン(以下、単にエンジンという)10には気筒ごとに電磁式のインジェクタ11が配設され、これらインジェクタ11は各気筒共通のコモンレール(蓄圧部)12に接続されている。コモンレール12には燃料ポンプとしての高圧ポンプ13が接続されており、高圧ポンプ13の駆動に伴い燃料が高圧化され、噴射圧相当の高圧燃料がコモンレール12に連続的に蓄圧される。高圧ポンプ13は、エンジン10の回転に伴い駆動され、エンジン回転に同期して燃料の吸入及び吐出が繰り返し行われる。高圧ポンプ13には、その燃料吸入部に電磁駆動式の吸入調量弁(SCV)13aが設けられており、フィードポンプ14によって燃料タンク15から汲み上げられた低圧燃料は吸入調量弁13aを介して当該ポンプ13の燃料室に吸入される。フィードポンプ14と高圧ポンプ13との間には燃料フィルタ16が設けられている。
コモンレール12には圧力センサ17が設けられており、圧力センサ17によりコモンレール12内の燃料圧力(以下、レール圧とも言う)が逐次検出される。また、エンジン10のクランク軸21付近には、該クランク軸21の回転速度を検出するための回転速度センサ22が設けられている。回転速度センサ22は、例えば、クランク軸21に一体に設けられたタイミングロータの歯の通過を検出する電磁ピックアップ式センサであり、該センサ22の検出信号を波形整形することによりパルス状の回転速度信号(NEパルス)が生成されるようになっている。
ECU30は、CPU、ROM、RAM、EEPROM等からなる周知のマイクロコンピュータを備えた電子制御ユニットであり、ROM内に記憶されている制御プログラムにより各種制御を実施する。ECU30には、圧力センサ17や回転速度センサ22の検出信号の他、アクセル開度センサや車速センサなどの各種センサから検出信号が逐次入力される。そして、ECU30は、エンジン回転速度やアクセル開度等のエンジン運転情報に基づいて、燃料噴射態様として燃料噴射量及び噴射時期を決定し、それに応じた噴射制御信号をインジェクタ11に出力する。かかる燃料噴射制御により、各気筒においてインジェクタ11から燃焼室への燃料噴射が制御される。
また、ECU30は、都度のエンジン運転状態に基づいてレール圧をフィードバック制御する。具体的には、エンジン運転状態(エンジン回転速度や燃料噴射量)に基づいて目標レール圧を算出し、圧力センサ17にて検出された実レール圧が目標レール圧となるように高圧ポンプ13の燃料吐出量を制御する。このとき、レール圧偏差に基づいて比例項や積分項が算出され、これら各項に基づいてフィードバック制御が実施される。そして、吸入調量弁13aの電磁ソレノイドに対する通電量(通電電流I)が制御されることにより、吸入調量弁13a開度が増減され、それに伴い高圧ポンプ13による燃料吐出量が調整される。レール圧は、あらかじめ定めた所定範囲内で調整され、本実施形態では30〜200MPaの範囲内でレール圧が調整されるようになっている。
なお、吸入調量弁13aは、電磁ソレノイドの非通電時に開放状態(全開状態)で保持される常開弁として構成されている。したがって、電磁ソレノイドへの通電量を増加させることにより燃料吸入通路の開口面積が減じられ、結果として高圧ポンプ13による燃料吐出量が少なくなるようになっている。
ところで、高圧ポンプ13の吐出量制御時には、燃料吐出量Qと吸入調量弁13aの通電電流Iとの関係を表した吐出量特性(いわゆるI−Q特性)に基づいて、都度の燃料吐出量(要求値)から吸入調量弁13aの通電電流指令値が算出される。そして、その通電電流指令値により高圧ポンプ13(吸入調量弁13a)の駆動が制御される。高圧ポンプ13の吐出量特性を図2に示す。図2では、基本特性L1を実線で示し、この基本特性L1に対して特性ずれが生じているずれ特性L2,L3を一点鎖線で示している。
ポンプ吐出量特性に関しては個体差や経時変化等に起因して特性ずれ(特性誤差)が生じる。そのため、その特性ずれを補償する構成として、特性ずれ分に相当する学習値を算出し、ポンプ吐出量制御において学習値に基づく補正処理を実施するようにしている。ここで、学習値は、ポンプ吐出量制御を実施する過程で算出され、ECU30内のバックアップ用メモリ(本実施形態ではEEPROM)に逐次記憶される。そして、ポンプ吐出量制御において学習値により通電電流の補正が行われることで、通電電流指令値が算出される。
本実施形態では特に、ポンプ吐出量特性の学習として、ポンプ製造後における初回学習と、その初回学習が完了した後における再学習とを実施することとしている。例えば、初回学習は、高圧ポンプ13や車両の製造工場で燃料噴射システムが構築された後において出荷前に実施され、再学習は工場出荷後においてユーザによる車両使用状態において実施される。
次に、ECU30により実行される高圧ポンプ13の吐出量制御及び特性学習の手順について説明する。図3は、ポンプ吐出量制御処理を示すフローチャートであり、本処理はECU30により所定のクランク角周期(又は所定の時間周期)で実行される。
図3において、ステップS11では、圧力センサ17の検出信号から算出される実レール圧を読み込み、続くステップS12では、都度のエンジン回転速度や燃料噴射量に基づいて目標レール圧を算出する。ステップS13では、目標レール圧と実レール圧との偏差に基づいて高圧ポンプ13の目標吐出量を算出する。
その後、ステップS14では、ポンプ吐出量特性(基本特性)に基づいて目標吐出量を通電電流指令値に変換する。また、ステップS15では、通電電流指令値に対して電流学習値(後述のLRN1又はLRN2)による補正を行って最終の通電電流指令値を算出する。最後に、ステップS16では、高圧ポンプ13に対して通電電流指令値を出力する。これにより、高圧ポンプ13の吸入調量弁13aの開度が制御され、所望とする燃料吐出量が実現される。
図4は、ポンプ吐出量特性についての初回学習処理を示すフローチャートである。本処理は、ECU30により所定のクランク角周期(又は所定の時間周期)で実行される。
図4において、ステップS21では、初回学習の実行条件が成立しているか否かを判定する。この実行条件には、初回学習が未実施であること、エンジン10がアイドル安定状態であることが含まれ、これらが全て成立する場合にステップS21が肯定される。初回学習が未実施であるか否かの判定は、ECU30内のEEPROMに記憶されている学習状態フラグに基づいて実施されるとよい。この場合、学習状態フラグは初期値が0であり、学習状態フラグ=0であれば、初回学習が未実施である旨判定される。
ステップS22では、初回学習値LRN1を算出する。その算出に関して詳しくは、前記図2の基本特性L1に基づいて、目標吐出量に対する基準通電電流を算出するとともに、学習実行条件の成立後、所定時間(例えば5秒程度)が経過するまでの期間において、吐出量制御にて調整される吸入調量弁13aの実通電電流を算出する。このとき、実通電電流は、学習実行条件の成立後における平均値又はなまし値により算出されるとよい。そして、基準通電電流と実通電電流との差分を算出し、その差分値を初回学習値LRN1とする。
その後、ステップS23では、今回算出した初回学習値LRN1が所定のガード範囲α内に入っているか否かを判定する。ガード範囲αは、高圧ポンプ13の個体差ばらつきを吸収する上での許容範囲として規定されており、その上限値として上限ガード値X1、下限値として下限ガード値X2が定められている。そして、ステップS23がNOであればステップS24に進む。ステップS24では、高圧ポンプ13の特性ずれが過大であって、その個体差ばらつきが許容できないとして、高圧ポンプ13を交換させる旨の指示を出力する。
また、ステップS23がYESであればステップS25に進む。ステップS25では、初回学習値LRN1をEEPROMに記憶する。これにより、初回学習が完了し、続くステップS26では学習状態フラグを「1」にする。
その後、ステップS27では、上記算出した初回学習値LRN1に基づいて、再学習で用いるガード範囲βを設定する。この場合、ガード範囲βは、「LRN1+Δ1」を上限ガード値Y1、「LRN1−Δ2」を下限ガード値Y2として定められる。なお、初回学習値LRN1に対する増減幅Δ1,Δ2は、Δ1=Δ2、Δ1≠Δ2のいずれであってもよい。また、ガード範囲βは、初回学習値LRN1をガードするためのガード範囲αよりも狭く、かつガード範囲αからはみ出ないことを条件に設定される。
なお、初回学習は、ポンプ新品状態、すなわち運転使用に起因する特性ずれ(例えば経時変化による特性ずれ)が生じていない状態で実施される学習であればよく、初回学習として初回学習値LRN1の算出が複数回実施されるものであってもよい。例えば、システム起動後、エンジン等の暖機完了前に初回学習値LRN1(仮学習値)を算出するとともに、その後、暖機完了後に再度、初回学習値LRN1(本学習値)を算出し、今回値により前回値を更新する構成であってもよい。
図5は、ポンプ吐出量特性についての再学習処理を示すフローチャートである。本処理は、ECU30により所定のクランク角周期(又は所定の時間周期)で実行される。
図5において、ステップS31では、再学習の実行条件が成立しているか否かを判定する。この実行条件には、初回学習が完了していること、エンジン10がアイドル安定状態であることが含まれ、これらが全て成立する場合にステップS31が肯定される。初回学習が完了しているか否かの判定は学習状態フラグに基づいて実施され、学習状態フラグ=1であれば、初回学習が完了している旨判定される。
その後、ステップS32では、図3のポンプ吐出量制御においてフィードバック制御量が所定値K1よりも小さいか否かを判定する。例えば、運転使用に伴い高圧ポンプ13に経時変化が生じ、それに起因して制御精度の低下が生じていると、レール圧偏差が大きくなり、フィードバック制御量が所定値K1以上となる。この場合、フィードバック制御量<K1であればそのまま本処理を一旦終了し、フィードバック制御量≧K1であれば、ステップS33に進む。
なお、ステップS32は、再学習要求の有無を判定する処理であり、フィードバック制御量に基づいて再学習要求を判定する以外に、レール圧偏差が所定値以上であることに基づいて再学習要求を判定する構成であってもよい。
ステップS33では、再学習値LRN2を算出する。再学習値LRN2の算出手順は、初回学習値LRN1と同様であり、前記図2の基本特性L1に基づいて基準通電電流を算出するとともに、学習実行条件の成立後、所定時間(例えば5秒程度)が経過するまでの期間において吸入調量弁13aの実通電電流(平均値又はなまし値)を算出する。そして、基準通電電流と実通電電流との差分を算出し、その差分値を再学習値LRN2とする。
その後、ステップS34では、今回算出した再学習値LRN2が、図4のステップS27で設定したガード範囲β内に入っているか否かを判定する。そして、ステップS34がYESであれば、ステップS35に進んで再学習値LRN2をEEPROMに記憶する。また、ステップS34がNOであれば、ステップS36に進んでガード範囲β内で再学習値LRN2をガードする。すなわち、再学習値LRN2がガード範囲βの上限ガード値Y1よりも大きいか、又は下限ガード値Y2よりも小さければ、そのガード値Y1,Y2のいずれかを学習値としてEEPROMに記憶する。ステップS35,S36によって学習値の更新が行われ、再学習が完了する。
図6は、ポンプ吐出量特性の学習処理をより具体的に説明するためのタイムチャートである。図6において、(a)は学習状態フラグの変化を示し、(b)、(c)は学習値の変化を示している。なお、(b)、(c)のうち(b)は、2つのガード範囲α,βが設定される本実施形態の構成に対応するものであり、(c)は、1つのガード範囲αが設定される従来構成に対応するものである。
さて、タイミングt1以前は、ポンプ製造後においてまだ初回学習が実施されておらず、学習状態フラグは「0」となっている。そして、タイミングt1で初回学習が実施されると、ガード範囲α内において初回学習値LRN1が算出される。このとき、ポンプ新品状態での吐出量特性が学習され、高圧ポンプ13の個体差ばらつきによる特性ずれ分を吸収するものとして初回学習値LRN1が算出される。また本実施形態では、(b)に示すように、初回学習値LRN1を基準として再学習用のガード範囲βが設定される。このガード範囲βは、ガード範囲αよりも小さい範囲で、かつガード範囲αからはみ出ないようにして設定される。
初回学習後は初回学習値LRN1を反映して吐出量制御が実施され、その吐出量制御の実施状況下において、車両の使用に伴いタイミングt2で再学習が要求されると、再学習が実施される。このとき、使用開始後のポンプ経時変化等に応じた値として再学習値LRN2が算出される。
ここで、例えば、燃料フィルタ16の交換が行われた直後であると、燃料フィルタ16における目詰まりの状態が変わり、吐出量制御のための実通電電流がそれ以前の値に対して小さくなる。そのため、(c)に示すように、初回学習と再学習とで共通のガード範囲αが設定されている場合、再学習値が「LRN2’」となり、初回学習値LRN1に対する更新幅が過剰に大きくなってしまう。この再学習値LRN2’は、初回学習値LRN1に無関係に、すなわち高圧ポンプごとのポンプ個体差に無関係に求められるものであり、ポンプ吐出量特性に直接は関係の無い要素を含むことから学習値としての信頼性が低いものとなっている。
これに対し、(b)に示すように、初回学習と再学習とで各々異なるガード範囲α,βが設定され、そのうち再学習用のガード範囲βが初回学習用のガード範囲αよりも小さいものであると、再学習時には、再学習値LRN2について初回学習値LRN1に対して過剰に変化することを抑制できる。また、再学習用のガード範囲βは初回学習値LRN1に基づき設定されたものあり、高圧ポンプ13ごとのポンプ個体差を考慮した上で、ポンプ個々に対応した再学習を実施できる。したがって、初回学習値LRN1に対して過剰な変化を伴うことなく、再学習値LRN2が適正に算出される。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
初回学習の実施時において初回学習値LRN1に基づいて再学習用のガード範囲βを設定し、再学習の実施時にはガード範囲βにより再学習値LRN2をガードする構成とした。この場合、初回学習用のガード範囲αはポンプ個別に定められたものでないため、仮にガード範囲αを用いて再学習値LRN2をガードしようとすれば、吐出量増加側及び吐出量減少側のいずれかに学習値が過剰に変化することがあると考えられる。この点、上記のとおり再学習用のガード範囲βを初回学習値LRN1を基に設定することにより、そのガード範囲βはポンプ個別に定められるものとなり、再学習時において初回学習値LRN1に対して再学習値LRN2が過剰に変化することを抑制できる。その結果、高圧ポンプ13の吐出量特性についてポンプ個体差に応じた好適な学習を実施できる。
例えば、燃料フィルタ16の交換後において、その交換前に比べて高圧ポンプ13の燃料吐出量が一気に増加するといった不都合を抑制できる。ゆえに、コモンレール12に対する燃料の過剰供給や不足に起因するドライバビリティの悪化を抑制できる。
再学習用のガード範囲βを、初回学習用のガード範囲αよりも小さい範囲で設定するようにした。また、同ガード範囲βを、ガード範囲α外とならないように設定するようにした。つまり、初回学習後の吐出量制御では、初回学習値LRN1を用いることにより、ポンプ個体差に起因する特性ずれを補償する制御が行われており、その状況下では主にポンプ個体差以外の要因による特性ずれが監視されればよい。この点を考慮すると、初回学習用のガード範囲αよりも小さい範囲で再学習用のガード範囲βを設定することが好ましく、これにより学習値の信頼性を高めることができる。
(他の実施形態)
上記実施形態を例えば次のように変更してもよい。
・再学習用のガード範囲βを、初回学習値LRN1以外のパラメータに基づいて設定する構成としてもよい。例えば、本燃料噴射システムが組み込まれる車両について当該車両に関する車両情報を取得し、初回学習値LRN1に加えて車両情報に基づいて、ガード範囲βを設定する。具体的には、高圧ポンプ13の外面やその他所定部位に、車両情報を付した情報シールを貼り付けておき、その情報シールの情報を読み取ってECU30内のメモリに書き込むようにすればよい。情報シールに、例えばバーコード等からなるコード情報を付しておき、それを読み取り装置で読み取ってECU30側に送信する構成であってもよい。なお、ECU30が情報取得手段に相当する。そして、ECU30が、車両情報に基づいて、ガード範囲βの幅を大小可変に設定する。
例えば車両の仕向け先や車両種別が異なると、初回学習後に生じる特性ずれについての許容範囲が相違する。この場合、車両がどの地域で使用されるもの(販売されるもの)であるかの仕向け先情報や、車両が自動車、建機車両、農機車両等のうちいずれであるのかの種別情報に応じて再学習用のガード範囲βを設定することで、再学習について一層の適正化を実現できる。
・上記実施形態では、初回学習及び再学習の実施に際し、エンジン10がアイドル安定状態であることを学習の実行条件としたが、これを変更し、アイドル以外のエンジン運転状態で学習を実施するようにしてもよい。
・ポンプ吐出量特性の初回学習は高圧ポンプ13の新品状態で行われればよく、製造工場において出荷前に実施される以外に、自動車ディーラ等で実施されてもよい。この場合、外部ツールからの指令に基づいて初回学習が実施される構成であってもよい。
・上記実施形態では、高圧ポンプ13の学習値として、吸入調量弁13aの通電電流に関する学習値(電流学習値)を算出したが、これに代えて、高圧ポンプ13の燃料吐出量に関する学習値(吐出量学習値)を算出するようにしてもよい。この場合、エンジンのアイドル運転時において、基本特性に相応する基準吐出量と実際の吐出量とを算出し、その差分値を学習値とする。そして、その学習値をECU30内のEEPROMに記憶するとともに、該学習値を適宜用いて吐出量制御を実施する。
・燃料ポンプ(高圧ポンプ13)において燃料吐出量を調量するための構成としては、燃料吸入側に設けた吸入調量弁以外に燃料吐出側に吐出調量弁を設け、この吐出調量弁を制御対象として吐出量制御を実施することも可能である。
・上記実施形態では、自己着火式のディーゼルエンジンについての実施形態を説明したが、これに代えて火花点火式エンジン(ガソリンエンジン等)での実施も可能である。この場合、蓄圧部としてのデリバリパイプに対して高圧燃料を吐出する高圧ポンプについて、ポンプ吐出量特性を学習するものであればよい。
10…エンジン(内燃機関)、11…インジェクタ(燃料噴射弁)、12…コモンレール(蓄圧部)、13…高圧ポンプ(燃料ポンプ)、30…ECU(第1ガード手段、ガード設定手段、第2ガード手段)。

Claims (4)

  1. 燃料を高圧化して吐出する燃料ポンプ(13)と、該燃料ポンプで高圧化された燃料が導入される蓄圧部(12)と、該蓄圧部内の高圧燃料を内燃機関に噴射する燃料噴射弁(11)とを備える燃料噴射システムに適用され、前記燃料ポンプの駆動指令値と燃料吐出量との関係を示す吐出量特性について基準特性からのずれを補償する学習値を算出し、その学習値を用いて前記燃料ポンプの吐出量制御を実施する燃料ポンプの制御装置であって、
    前記燃料ポンプの製造後においてポンプ新品状態での前記吐出量特性の初回学習として初回学習値(LRN1)を算出する際、あらかじめ定めた初回学習用の第1ガード範囲(α)により前記初回学習値をガードする第1ガード手段と、
    前記初回学習値の算出後において当該初回学習値に基づいて再学習用の第2ガード範囲(β)を設定するガード設定手段と、
    前記初回学習の実施後における再学習として再学習値(LRN2)を算出する際、前記第2ガード範囲により前記再学習値をガードする第2ガード手段と、
    を備えることを特徴とする燃料ポンプの制御装置。
  2. 前記ガード設定手段は、前記第2ガード範囲を、前記第1ガード範囲よりも幅の大きさが小さく、かつ前記第1ガード範囲からはみ出さないように設定する請求項1に記載の燃料ポンプの制御装置。
  3. 前記ガード設定手段は、前記第2ガード範囲を、前記第1ガード範囲外とならないように設定する請求項1又は2に記載の燃料ポンプの制御装置。
  4. 前記燃料噴射システムが組み込まれる車両について当該車両に関する車両情報を取得する情報取得手段を備え、
    前記ガード設定手段は、前記初回学習値に加え、前記情報取得手段により取得した車両情報に基づいて、前記第2ガード範囲を設定する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の燃料ポンプの制御装置。
JP2012017848A 2012-01-31 2012-01-31 燃料ポンプの制御装置 Expired - Fee Related JP5821666B2 (ja)

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